JP4377255B2 - 回路基板検査用プロービング装置および回路基板検査装置 - Google Patents

回路基板検査用プロービング装置および回路基板検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、検査対象の回路基板、および回路基板に実装された電子部品等の良否を電気的に検査するための回路基板検査用プロービング装置、および回路基板検査装置に関するものである。
この種の回路基板検査用プロービング装置を備えた回路基板検査装置として、出願人は、回路基板検査装置1を特開2003−98216号公報に開示している。この回路基板検査装置1は、同公報の図1に示すように、載置台2、検査プローブ4a,4b、Z軸移動機構6,7、移動体8a,8b、第1X−Y移動機構9、第2X−Y移動機構10および制御装置11を備えている。この回路基板検査装置1によって回路基板を検査する際には、まず、制御装置11が電動モータ13c,15cを制御してリニアガイド13a,13a,15a,15aの案内に従って第1Y軸移動機構12および第2Y軸移動機構14を平行移動させると共に、電動モータ12c,14cを制御してリニアガイド12a,14aの案内に従って第1移動体8aおよび第2移動体8b(以下、「移動体8a,8b」ともいう)を平行移動させる。これにより、Z軸移動機構6,7を介して移動体8a,8bに取り付けられている検査プローブ4a,4bが回路基板における所定の検査ポイント上に配置される。次に、制御装置11は、Z軸移動機構6,7を制御して検査プローブ4a,4bを回路基板に向けて移動させ、その先端部を検査ポイントに接触させる。次いで、制御装置11は、検査プローブ4a,4bを介して検査ポイントに検査用信号を出力してその抵抗値等の電気的特性値を測定処理した後に、測定した電気的特性値に基づいて回路基板の良否を検査する。この後、制御装置11は、Z軸移動機構6,7および電動モータ12c〜15cを制御して移動体8a,8b(検査プローブ4a,4b)を待避位置に待避させる。これにより、回路基板の検査が完了する。
特開2003−98216号公報
ところが、出願人が開示している回路基板検査装置1には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、出願人が開示している回路基板検査装置1では、Z軸移動機構6,7および電動モータ12c〜15cを制御して検査プローブ4a,4bを任意の検査ポイントに接触させている。この場合、第1Y軸移動機構12および第2Y軸移動機構14を構成するリニアガイド12a,14a、送りねじ12b,14bおよび電動モータ12c,14cがある程度の重さを有しているため、第1Y軸移動機構12および第2Y軸移動機構14を移動させるための電動モータ13c,15cに大きな負担が掛かっている。このため、出願人が開示している回路基板検査装置1には、検査プローブ4a,4bを移動させるための電動モータ13c,15cとして十分に大きな力のモータを採用する必要があるため、回路基板検査装置1の製造コストを低減するのが難しいという課題が存在する。また、ある程度の重さを有している第1Y軸移動機構12および第2Y軸移動機構14を移動させる必要から、検査プローブ4a,4bを高速に移動させるのが困難となっており、出願人が開示している回路基板検査装置1には、回路基板の検査に要する時間を短縮するのが難しいという課題が存在する。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減を図りつつ、検査用プローブを高速に移動し得る回路基板検査用プロービング装置および回路基板検査装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る回路基板検査用プロービング装置は、検査対象の回路基板にプロービングするための検査用プローブと、当該検査用プローブを前記回路基板上においてその平面方向に移動させる第1移動機構と、前記検査用プローブを前記回路基板に対して接離する方向に移動させる第2移動機構と、前記第1移動機構および前記第2移動機構を制御して前記検査用プローブを移動させる制御部とを備え、前記第1移動機構は、一端部が回転自在にベース部にそれぞれ固定された第1アームおよび第2アームと、一端部が前記第1アームの他端部に回転自在に固定された第3アームと、一端部が前記第2アームの他端部に回転自在に固定されると共に他端部が前記第3アームの他端部に回転自在に固定された第4アームと、前記第1アームを回転させる第1回転手段と、前記第2アームを回転させる第2回転手段とを有するパラレルリンク機構を備えて構成され、前記第2移動機構は、前記第3アームおよび前記第4アームのいずれか一方のアームと、前記第3アームの他端部に前記第4アームを固定する固定軸とのいずれかに固定されて、前記検査用プローブが取り付けられると共に前記制御部の制御下で当該検査用プローブを前記接離する方向に移動させるように構成され、前記第1回転手段は、前記ベース部に固定された第1回転機構、一端部が前記第1回転機構の回転軸に固定された第5アーム、および一端部が前記第5アームの他端部に回転自在に固定されると共に他端部が前記第1アームに回転自在に固定された第6アームを備えて当該第1回転機構によって当該第5アームを回転させて当該第6アームを押し引きすることで当該第1アームを回転させる第1リンク機構と、前記ベース部に固定されると共に前記第1アームの前記一端部が回転軸に固定された第2回転機構とのいずれかを備えて構成され、前記第2回転手段は、前記ベース部に固定された第3回転機構、一端部が前記第3回転機構の回転軸に固定された第7アーム、および一端部が前記第7アームの他端部に回転自在に固定されると共に他端部が前記第2アームに回転自在に固定された第8アームを備えて当該第2回転機構によって当該第7アームを回転させて当該第8アームを押し引きすることで当該第2アームを回転させる第2リンク機構と、前記ベース部に固定されると共に前記第2アームの前記一端部が回転軸に固定された第4回転機構とのいずれかを備えて構成され、前記第1回転手段が前記第1リンク機構を備える構成、および前記第2回転手段が前記第2リンク機構を備える構成の少なくとも一方を備えている
また、本発明に係る回路基板検査用プロービング装置は、上記の回路基板検査用プロービング装置において、前記第2移動機構は、前記一方のアームと前記固定軸とのいずれかに固定された第5回転機構と、当該第5回転機構の回転軸に固定された第1固定具と、前記検査用プローブが固定されると共に平板状の弾性部材で形成された連結部を介して前記第1固定具に連結された第2固定具と、当該第2固定具を前記一方のアームに対して前記接離する方向で直動させる直動案内手段とを備え、前記第5回転機構によって前記第1固定具を回動させることによって前記検査用プローブを前記接離する方向に直動させる。
また、本発明に係る回路基板検査装置は、上記の回路基板検査用プロービング装置を複数備えると共に、当該各回路基板検査用プロービング装置の前記検査用プローブを介して前記回路基板に検査用信号を出力して当該回路基板を電気的に検査する検査部とを備えている。
さらに、本発明に係る回路基板検査装置は、上記の回路基板検査装置において、前記複数の回路基板検査用プロービング装置は、前記回路基板における所定の検査領域に対して少なくとも2つの前記検査用プローブをプロービング可能に配置されている。
本発明に係る回路基板検査用プロービング装置によれば、第1回転手段および第2回転手段によって第1アームおよび第2アームを回転させて検査用プローブを任意の検査ポイント上に移動させるパラレルリンク機構を備えて第1移動機構を構成したことにより、検査用プローブを検査対象の回路基板における平面方向(X−Y方向)に移動させるための動力源を各アームに取り付ける必要がなくなるため、十分に軽量化を図ることができる。したがって、動力源として小さな力のモータ等を採用することができるため、回路基板検査用プロービング装置の製造コストを十分に低減することができる。また、軽量のアーム等を移動させるだけで検査用プローブを平面方向に移動させることができるため、検査用プローブを高速に移動させることができる。この結果、回路基板の検査に要する時間を十分に短縮することができる。
また、本発明に係る回路基板検査用プロービング装置によれば、第1リンク機構および第2回転機構のいずれかを備えて第1回転手段を構成すると共に、第2リンク機構および第4回転機構のいずれかを備えて第2回転手段を構成することにより、第1リンク機構第2リンク機構を採用した場合には、各アームや第2移動機構の重量が第1アームおよび第2アームをベース部に固定している回転軸と、第1回転機構および第3回転機構の回転軸とに分散されるため、第1回転機構および第3回転機構に大きなストレスを与えることなく検査用プローブを移動させることができる。したがって、第1回転機構および第3回転機構を長期に亘って交換することなく使用することができる。また、第2回転機構第4回転機構を採用した場合には、非常に簡易な構成で第1アームおよび第2アームを回転させることができる結果、パラレルリンク機構を一層軽量化することができる。このため、回転機構として小さなモータ等を採用することができる結果、回路基板検査用プロービング装置の製造コストを一層低減することができると共に、検査用プローブを高速に移動させて検査に要する時間を一層短縮することができる。
さらに、本発明に係る回路基板検査用プロービング装置によれば、連結部を介して第2固定具と連結した第1固定具を第5回転機構によって回転させることで移動させることにより、両固定具と連結部との間に遊び(隙間)が存在しないため、第2固定具をがたつかせることなく回路基板に対して接離動させることができる。この結果、検査用プローブを回路基板に対してスムーズに接離動させることができる。
また、本発明に係る回路基板検査装置によれば、回路基板検査用プロービング装置を複数備えて検査部によって回路基板を電気的に検査する構成を採用したことにより、例えば1枚の回路基板に対して、その導体パターンの絶縁状態や導通状態を迅速に検査することができる。
さらに、本発明に係る回路基板検査装置によれば、回路基板における所定の検査領域に対して少なくとも2つの検査用プローブをプロービング可能に複数の回路基板検査用プロービング装置を配置したことにより、2つの検査用プローブ間の抵抗値測定による断線検査、絶縁検査および短絡検査などの各種の電気的検査を実行することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る回路基板検査用プロービング装置および回路基板検査装置の最良の形態について説明する。
図1に示す回路基板検査装置1は、プリント基板、ICパッケージ、ハイブリッド用基板およびMCM(Multi Chip Module )などの回路基板Pにおける回路パターンや搭載された回路部品の良否を検査するための装置であって、基板搬送装置2、プロービング装置3、制御部4および検査部5を備えている。基板搬送装置2は、制御部4の制御下で検査対象の回路基板Pを搬送する。なお、この回路基板検査装置1では、基板搬送装置2がプロービング装置3による検査位置に回路基板Pを搬送した後に回路基板Pを保持すると共に、検査が完了した回路基板Pを所定の待避位置まで搬送する。
プロービング装置3は、制御部4と相俟って回路基板検査用プロービング装置を構成し、図2に示すように、プロービングユニット10A〜10D(以下、区別しないときには、「プロービングユニット10」ともいう)を備えている。プロービングユニット10は、パラレルリンク機構RM1、直動機構15および検査用プローブ16を備えて、パラレルリンク機構RM1の先端部に直動機構15を介して検査用プローブ16が取り付けられて構成されている。なお、このプロービング装置3では、後述するように、回路基板Pについて四端子法による電気的検査を実行可能とするために、検査用プローブ16,16・・を検査領域A2(図5参照)に接触(プロービング)させることができるようにプロービングユニット10A〜10Dが配置されている。
パラレルリンク機構RM1は、図3〜5に示すように、平板状のベース部11と、ベース部11に固定されたモータ12a,12bと、一端部がモータ12aの回転軸に固定された(モータ12aを介してベース部11に対して回転自在に固定された)アーム13aと、一端部がモータ12bの回転軸に固定された(モータ12bを介してベース部11に対して回転自在に固定された)アーム13bと、一端部がアーム13aの他端部に回転自在に固定されたアーム14aと、一端部がアーム13bの他端部に回転自在に固定されると共に他端部がアーム14aの他端部に回転自在に固定されたアーム14bとを備えた5節4腕リンク機構で構成されている。ベース部11にはモータ12a,12bの回転軸を挿通させるための挿通孔11a,11aが形成されて、このベース部11はモータ12a,12bが固定された状態でプロービング装置3のフレーム(図示せず)に固定されている。モータ12a,12bは、本発明における第1回転手段および第2回転手段としての第2回転機構および第4回転機構にそれぞれ相当し、一例として超音波モータによって構成されている。このモータ12a,12bは、制御部4の制御に従って、アーム13a,13bを図5に示す矢印Bの方向に回転させる。なお、このプロービング装置3では、アーム13a,13b,14a,14bがそれぞれ本発明における第1アーム、第2アーム、第3アームおよび第4アームに相当する。
直動機構15は、本発明における第2移動機構に相当し、図3,4に示すように、固定金具21、モータ22、固定金具23,24、連結板25および案内具26を備えて、検査用プローブ16を取り付け可能に構成されている。なお、このプロービング装置3では、モータ22や案内具26等を固定金具21によってアーム14b(本発明における第4アーム)の先端部側に固定しているが、アーム14a(本発明における第3アーム)の先端部側に取り付けることもできる。モータ22は、本発明における第5回転機構に相当し、一例として超音波モータによって構成され、制御部4の制御下で、固定金具23を図3に示す矢印Dの方向に回転させる。固定金具23は、本発明における第1固定具に相当し、モータ22の回転軸22aに取り付けられて、回転軸22aの回動に伴って図3に示す矢印Dの方向に回転させられる。
連結板25は、本発明における連結部に相当し、一例として、カーボン繊維を用いた繊維強化樹脂で平板状に形成された板ばね(本発明における「平板状の弾性部材」の一例)であって、一端が固定金具23にボルト締め(固定)されると共に他端が固定金具24にボルト締め(固定)されている。固定金具24は、本発明における第2固定具に相当し、検査用プローブ16を取り付け可能に構成されると共に、案内具26の案内に従ってスライドして固定金具21に対して接離動可能に取り付けられている。案内具26は、本発明における直動案内手段を構成し、固定金具24がボルト締めされたスライド片と固定金具21に取り付けられたスライドレールを備えて、固定金具21が回動した際には、固定金具24に取り付けられている検査用プローブ16を回路基板Pに対して接離する方向に案内する。
検査用プローブ16は、一例として、金属板を所定形状に打ち抜くことによって形成されている。具体的には、検査用プローブ16は、直動機構15に固定するためのベース部と、その両端部に円弧切り欠き支点がそれぞれ形成された一対のアームと、両アームを介してベース部に連結されたプローブ本体とを備えて、4節リンク機構で構成されている。この検査用プローブ16は、先端部16aが回路基板Pに接触させられた状態において、例えばベース部に電気的に接続された信号線(図示せず)を介して検査部5から出力された検査用信号を回路基板Pに出力する。なお、このプロービング装置3では、図5に示すように、各プロービングユニット10毎のパラレルリンク機構RM1による検査用プローブ16(先端部16a)の移動可能領域A1が平面視扇状となっている。したがって、それぞれの移動可能領域A1,A1・・が重なるようにしてプロービングユニット10A〜10Dを配置することにより、図6に示すように、4つの検査用プローブ16,16・・によるプロービングを可能な検査領域A2が規定されている。
制御部4は、プロービング装置3におけるモータ12a,12bの動作を制御して検査用プローブ16を回路基板P上においてその平面方向に移動させると共に、モータ22の動作を制御して検査用プローブ16を回路基板Pに対して接離する方向に移動させる。また、制御部4は、検査部5を制御して、回路基板Pについて検査用プローブ16,16・・を利用した所定の電気的検査(一例として、検査用プローブ16,16間の抵抗値測定による断線検査、絶縁検査および短絡検査)を実行させる。検査部5は、検査用プローブ16,16・・を介して検査対象の回路基板Pに検査用信号を出力することにより、回路基板Pを電気的に検査する。
次に、回路基板検査装置1による回路基板Pの検査方法について、図面を参照して説明する。
まず、基板搬送装置2が制御部4の制御下で回路基板Pをプロービング装置3の下方に搬送する。この際に、基板搬送装置2は、図6に示す矢印Fの向きで回路基板Pを搬送して、回路基板Pが検査領域A2と一致するようにして、つまり回路基板Pが検査領域A2内に含まれるようにして保持する。次に、パラレルリンク機構RM1が制御部4の制御に従って検査用プローブ16,16・・を回路基板P上の所定の検査ポイント上に移動させる。具体的には、制御部4は、モータ12a,12bを制御してアーム13a,13bを図5に示す矢印Bの方向で回動させる。これに伴い、アーム14a,14bがアーム13a,13bに対して矢印Cの方向に回動させられる。この結果、アーム14bに固定されている直動機構15がベース部11に対して移動させられる結果、検査用プローブ16が回路基板Pにおける所定の検査ポイント上に移動させられる。なお、モータ12a,12bの回転量と、検査用プローブ16の移動先位置(移動量および移動方向)については、制御部4の動作プログラムとして図示しない記憶部に予め記憶されている。
次に、直動機構15が制御部4の制御に従って検査用プローブ16を検査ポイントに接触(プロービング)させる。具体的には、制御部4は、モータ22を制御して図3に示す矢印Dの方向(この場合、時計回りの方向)で固定金具23を回動させる。この際に、固定金具23の回動に伴って連結板25が弓なりに弾性変形しつつ、固定金具24を押し下げる。この場合、固定金具24は、案内具26の案内に従って矢印Eに沿って下向きにスライド(下動)する。この際に、固定金具23と連結板25との間、および連結板25と固定金具24との間に遊び(隙間)が存在しないため、固定金具24は、がたつくことなく下動する。この結果、固定金具24の下動に伴って検査用プローブ16が矢印Eに沿って下向きでスムーズに下動する。この際に、検査用プローブ16は、その先端部16aが回路基板Pに当接した状態から、直動機構15によってさらに下動させられることにより、検査用プローブ16のリンク機構の働きによって先端部16aが固定金具24に対して相対的に上動(上方に直動)する。この結果、検査用プローブ16の先端部16aが、円弧切り欠き支点の弾性力によって回路基板Pに向けて(同図の下側に向けて)付勢される。この後、この状態の検査用プローブ16を介して検査部5による電気的検査が実行される。
このように、この回路基板検査装置1によれば、モータ12a,12bによってアーム13a,13bを回転させて検査用プローブ16を回路基板P上の任意の検査ポイントに移動させるパラレルリンク機構RM1を備えて構成したことにより、検査用プローブ16を回路基板Pの平面方向(X−Y方向)に移動させるための動力源を各アーム13a〜14bに取り付ける必要がなくなるため、十分に軽量化を図ることができる。したがって、モータ12a,12bとして小さな力のモータを採用することができるため、プロービング装置3の製造コストを十分に低減することができる。また、軽量のアーム13a〜14b等を移動させるだけで検査用プローブ16を平面方向に移動させることができるため、検査用プローブ16,16・・を高速に移動させることができる。この結果、回路基板Pの検査に要する時間を十分に短縮することができる。
また、この回路基板検査装置1によれば、ベース部11に固定したモータ12a,12bに各アーム13a,13b,14a,14bを固定してモータ12a,12bによってアーム13a,13bを回転させて検査用プローブ16を回路基板P上の任意の検査ポイントに移動させる構成を採用したことにより、非常に簡易な構成でアーム13a,13bを回転させることができる結果、パラレルリンク機構RM1を一層軽量化することができる。このため、小さなモータの採用によってプロービング装置3の製造コストを一層低減することができると共に、検査用プローブ16,16・・を高速に移動させて検査に要する時間を一層短縮することができる。
さらに、この回路基板検査装置1によれば、連結板25を介して固定金具24に連結した固定金具23をモータ22によって回転させて固定金具24と共に検査用プローブ16を回路基板Pに対して接離する方向に移動させることにより、固定金具23と連結板25との間、および連結板25と固定金具24との間に遊び(隙間)が存在しないため、固定金具24をがたつかせることなく回路基板Pに対して接離動させることができる。この結果、検査用プローブ16を回路基板Pに対してスムーズに接離動させることができる。
また、この回路基板検査装置1によれば、プロービングユニット10A〜10Dを備えて検査部5によって回路基板Pを電気的に検査する構成を採用したことにより、例えば1枚の回路基板Pに対して、その導体パターンの絶縁状態や導通状態を迅速に検査することができる。
また、この回路基板検査装置1によれば、回路基板Pにおける所定の検査領域に対して4つの検査用プローブ16,16・・をプロービング可能にプロービングユニット10A〜10Dを配置したことにより、例えば四端子法測定によって回路基板Pを電気的に検査することができる。
なお、本発明は、上記の方法および構成に限定されない。例えば、上記のプロービング装置3では、モータ12a,12bの回転軸にアーム13a,13bが固定されて、モータ12a,12bがアーム13a,13bを直接的に回転させる構成が採用されているが、本発明における第1回転手段および第2回転手段はこれに限定されず、ベース部11に対してアーム13a,13bを回転させることが可能な各種の構成を採用することができる。具体的には、例えば、図8に示すプロービングユニット30では、アーム31a,32a,31b,32bを介してアーム13a,13bをそれぞれ回転させる構成(同図におけるパラレルリンク機構RM2)が採用されている。このプロービングユニット30では、アーム13a,13bがベース部11に回転自在にそれぞれ固定されると共に、一端部がモータ12a(本発明における第1回転機構)の回転軸に固定されたアーム31a(本発明における第5アーム)と、一端部がアーム31aの他端部に回転自在に固定されると共に他端部がアーム13aに回転自在に固定されたアーム32a(本発明における第6アーム)とを備えて本発明における第1回転手段が構成されている。また、このプロービングユニット30では、一端部がモータ12b(本発明における第3回転機構)の回転軸に固定されたアーム31b(本発明における第7アーム)と、一端部がアーム31bの他端部に回転自在に固定されると共に他端部がアーム13bに回転自在に固定されたアーム32b(本発明における第8アーム)とを備えて本発明における第2回転手段が構成されている。
このプロービングユニット30では、制御部4がモータ12aに対してアーム31aを矢印B1の方向に回転させてアーム31aにアーム32aを押し引きさせることによって(矢印Gaの方向に移動させることによって)、アーム13aがベース部11に対して矢印B2の方向に回転させられる。また、制御部4がモータ12bに対してアーム31bを矢印B1の方向に回転させてアーム31bにアーム32bを押し引きさせることによって(矢印Gbの方向に移動させることによって)、アーム13bがベース部11に対して矢印B2の方向に回転させられる。これにより、検査用プローブ16が平面方向に移動させられる。この構成によれば、前述したプロービングユニット10とは異なり、各アームや直動機構15の重量がアーム13a,13bをベース部11に固定している回転軸とモータ12a,12bの回転軸とに分散されるため、モータ12a,12bに大きなストレスを与えることなく検査用プローブ16を移動させることができる。したがって、モータ12a,12bを長期に亘って交換することなく使用することができる。
この場合、例えば、図9に示すプロービングユニット40のように、アーム13aについては、プロービングユニット30と同様にしてアーム31a,32aを介して回転させ、アーム13bについては、プロービングユニット10と同様にしてモータ12bによって直接的に回転させる構成(同図におけるパラレルリンク機構RM3)を採用することもできる。また、アーム13aについては、モータ12aによって直接的に回転させ、アーム13bについては、アーム31b,32bを介して回転させる構成を採用することもできる。さらに、プロービングユニット30におけるモータ12a,12bおよびアーム31a,32a,31b,32bに代えて、例えば、ロッド伸縮型のアクチュエータを配設してアクチュエータのロッドを伸縮させることでアーム13a,13bを回転させる構成(図示せず)を採用することもできる
らに、上記のプロービングユニット10では、直動機構15がアーム14b(またはアーム14a)の先端部に固定されているが、本発明における第2移動機構の取り付け位置はこれに限定されない。例えば、アーム14b(またはアーム14a)の長手方向中央部などの任意の位置に直動機構15を固定する構成(図示せず)や、アーム14a,14bを固定している固定軸14c(図3〜5,8〜11参照)に直動機構15を固定する構成(図示せず)を採用することができる。また、例えばアーム14aの先端部をアーム14bの長手方向中央部に回転自在に固定すると共に、アーム14bにおけるアーム14aの固定部位よりも先端部側に直動機構15を固定する構成(図示せず)を採用することもできる。さらに、例えばアーム13bの先端部をアーム14bの長手方向中央部に回転自在に固定すると共に、アーム14bにおけるアーム13bの固定部位よりも後端部側に直動機構15を固定する構成(図示せず)を採用することもできる。
また、前述したプロービング装置3では、各移動可能領域A1,A1・・を重ね合わせるようにして(検査領域A2を取り囲むようにして)プロービングユニット10A〜10Dが配置されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図7に示すプロービング装置3Aのように、プロービングユニット10A,10Bを互いに対向させて配設すると共に、プロービングユニット10A,10Bに隣接させると共に互いに対向させてプロービングユニット10C,10Dを配設することもできる。また、回路基板Pの表面側および背面側にプロービング装置3をそれぞれ配置して、回路基板Pに対して、その表裏両面からプロービング可能に構成することもできる。さらに、上記のプロービング装置3では、検査用プローブ16,16間の抵抗値測定による断線検査、絶縁検査および短絡検査などの電気的検査を実行しているが、本発明に係る回路基板検査装置による電気的検査の検査方法はこれに限定されず、検査用プローブ16,16間、またはグランドパターンなどの基準電極と検査用プローブ16との間の容量測定による断線検査、絶縁検査および短絡検査などを行うことができる。
また、上記のプロービング装置3における直動機構15では、カーボン繊維を用いた繊維強化樹脂で連結板25を形成した例について説明したが、本発明はこれに限定されず、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂および超弾性合金などの各種弾性部材で平板状の連結部を形成することができる。さらに、上記の直動機構15では、固定金具23、連結板25および固定金具24を別体に形成して固定用ボルトによってボルト締め(固定)した構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、固定金具23、連結板25および固定金具24を例えば樹脂材料によって一体成形する構成を採用することができる。
また、検査用プローブ16を上下動(回路基板Pに対して接離する方向に移動)させる構成は、上記の直動機構15の構成に限定されない。例えば、プロービングユニット10の直動機構15におけるモータ22、固定金具23および連結板25に代えて、一端部を固定金具24に固定すると共に他端部をワイヤ巻き取り装置に固定したワイヤを配設し、このワイヤ巻き取り装置を例えばベース部11に取り付けた構成を採用することができる。この構成では、ワイヤ巻き取り装置によってワイヤを巻き取ることによって固定金具24を引き寄せて検査用プローブ16を上動させ、ワイヤ巻き取り装置によってワイヤを送り出すことによって固定金具24を押し下げることで検査用プローブ16を下動させる。この構成によれば、直動機構15におけるモータ22の分だけ各アーム13a〜14bに掛かる重量を軽量化することができるため、検査用プローブ16を一層高速に移動させることができる。
回路基板検査装置1の構成を示すブロック図である。 プロービング装置3の底面図である。 プロービングユニット10の側面図である。 プロービングユニット10の他の側面図である。 プロービングユニット10の底面図である。 プロービング装置3の各プロービングユニット10および検査領域A2の位置関係をプロービングユニット10の底面側から見た底面図である。 プロービング装置3Aの底面図である。 プロービングユニット30の底面図である。 プロービングユニット40の底面図である
符号の説明
1 回路基板検査装置
2 基板搬送装置
3,3A プロービング装置
4 制御部
5 検査部
0A〜10D,30,40,50 プロービングユニット
11 ベース部
11a 挿通孔
12a,12b,22 モータ
13a,13b,14a,14b,31a,31b,32a,32b,51a,51b アーム
14c 固定軸
15 直動機構
16 検査用プローブ
16a 先端部
21 固定金具
22a 回転軸
23,24 固定金具
25 連結板
26 案内具
A1 移動可能領域
A2 検査領域
P 回路基板
RM2,RM3 パラレルリンク機構

Claims (4)

  1. 検査対象の回路基板にプロービングするための検査用プローブと、当該検査用プローブを前記回路基板上においてその平面方向に移動させる第1移動機構と、前記検査用プローブを前記回路基板に対して接離する方向に移動させる第2移動機構と、前記第1移動機構および前記第2移動機構を制御して前記検査用プローブを移動させる制御部とを備え、
    前記第1移動機構は、一端部が回転自在にベース部にそれぞれ固定された第1アームおよび第2アームと、一端部が前記第1アームの他端部に回転自在に固定された第3アームと、一端部が前記第2アームの他端部に回転自在に固定されると共に他端部が前記第3アームの他端部に回転自在に固定された第4アームと、前記第1アームを回転させる第1回転手段と、前記第2アームを回転させる第2回転手段とを有するパラレルリンク機構を備えて構成され、
    前記第2移動機構は、前記第3アームおよび前記第4アームのいずれか一方のアームと、前記第3アームの他端部に前記第4アームを固定する固定軸とのいずれかに固定されて、前記検査用プローブが取り付けられると共に前記制御部の制御下で当該検査用プローブを前記接離する方向に移動させるように構成され、
    前記第1回転手段は、前記ベース部に固定された第1回転機構、一端部が前記第1回転機構の回転軸に固定された第5アーム、および一端部が前記第5アームの他端部に回転自在に固定されると共に他端部が前記第1アームに回転自在に固定された第6アームを備えて当該第1回転機構によって当該第5アームを回転させて当該第6アームを押し引きすることで当該第1アームを回転させる第1リンク機構と、
    前記ベース部に固定されると共に前記第1アームの前記一端部が回転軸に固定された第2回転機構とのいずれかを備えて構成され、
    前記第2回転手段は、前記ベース部に固定された第3回転機構、一端部が前記第3回転機構の回転軸に固定された第7アーム、および一端部が前記第7アームの他端部に回転自在に固定されると共に他端部が前記第2アームに回転自在に固定された第8アームを備えて当該第2回転機構によって当該第7アームを回転させて当該第8アームを押し引きすることで当該第2アームを回転させる第2リンク機構と、
    前記ベース部に固定されると共に前記第2アームの前記一端部が回転軸に固定された第4回転機構とのいずれかを備えて構成され、
    前記第1回転手段が前記第1リンク機構を備える構成、および前記第2回転手段が前記第2リンク機構を備える構成の少なくとも一方を備えている回路基板検査用プロービング装置。
  2. 前記第2移動機構は、前記一方のアームと前記固定軸とのいずれかに固定された第5回転機構と、当該第5回転機構の回転軸に固定された第1固定具と、前記検査用プローブが固定されると共に平板状の弾性部材で形成された連結部を介して前記第1固定具に連結された第2固定具と、当該第2固定具を前記一方のアームに対して前記接離する方向で直動させる直動案内手段とを備え、前記第5回転機構によって前記第1固定具を回動させることによって前記検査用プローブを前記接離する方向に直動させる請求項1記載の回路基板検査用プロービング装置。
  3. 請求項1または2記載の回路基板検査用プロービング装置を複数備えると共に、当該各回路基板検査用プロービング装置の前記検査用プローブを介して前記回路基板に検査用信号を出力して当該回路基板を電気的に検査する検査部とを備えている回路基板検査装置。
  4. 前記複数の回路基板検査用プロービング装置は、前記回路基板における所定の検査領域に対して少なくとも2つの前記検査用プローブをプロービング可能に配置されている請求項記載の回路基板検査装置。
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