JP4376557B2 - 可変容量コンデンサ、及び、位置指示器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量コンデンサ、及び、この可変容量コンデンサを利用した位置指示器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータ用の入力デバイスとして、ペン型の位置指示器とタブレットとが組み合わされたペンタブレットが広く普及している。
ペンタブレットは、タブレットと位置指示器との間で電波を送受信することにより、位置指示器による指定位置を検出する。すなわち、タブレットのループコイルから所定の電波を送信し、この電波を位置指示器が内蔵する同調回路によって受信し、受信した電波に基づいて位置指示器の同調回路から所定の電波を発信し、この電波をタブレットのループコイルで受信する。これをタブレットの複数のループコイルについて繰り返し実行することにより、位置指示器によって指定された位置が検出される。
【0003】
また、位置指示器が内蔵する同調回路は、ペン先に相当する芯体の変位に応じて容量が変化する可変容量コンデンサを含んでおり、位置指示器のペン先を変位させる操作が行われると、可変容量コンデンサの容量の変化に伴って同調回路の同調周波数が変化するようになっている。従って、同調回路の同調周波数の変化をタブレット側で検出することにより、位置指示器による指定位置とともに、該位置における位置指示器の操作状態を検出できる。
【0004】
本出願人は、これまでペンタブレットに係る種々の提案をなしており、上記の可変容量コンデンサについても多数の提案を行ってきた(例えば、特許文献1参照。)
【0005】
【特許文献1】
特開平5−275283号公報
【0006】
以下、従来の可変容量コンデンサの一例として、特許文献1に開示した可変容量コンデンサについて説明する。
図10は可変容量コンデンサの構成を示す要部断面図である。図10に示す可変容量コンデンサは、誘電体101を、誘電体101の上面に形成されたベース状の第1の電極102と、誘電体101の下面側に配設された第2の電極104とで挟んだ構成となっている。第1の電極102には端子105が接続され、第2の電極104にはピン形状の端子106が接続されており、この可変容量コンデンサは、端子105及び端子106を介して図示しないコンデンサやコイル等と接続され、同調回路の一部をなしている。
【0007】
誘電体101および第1の電極102は、ハウジング107により固定され、誘電体101と第2の電極104との間にはスペーサ103が挟まれていて、スペーサ103の厚み分に相当する空間が形成されている。
さらに、第2の電極104の下方には、芯体111及びキャップ体112からなる押圧体110が位置している。
押圧体110は、図10の可変容量コンデンサを内蔵する位置指示器の先端から突出する芯体111と、芯体111の基端部に組み付けられたキャップ体112とから構成され、キャップ体112は第2の電極104に当接している。
【0008】
上記位置指示器の操作時には、芯体111がタブレットの操作面に押しつけられ、押圧体110から第2の電極104に対して、図中上方向に押圧力が加わる。第2の電極104は導電ゴム等の可撓性を有する材料で構成されているので、押圧体110からの圧力によって変形し、誘電体101側へ接近する。これにより、誘電体101と第2の電極104との間に形成された空気層が薄くなる。さらに、押圧体110からの圧力が大きい場合は、第2の電極104は大きく変形して誘電体101に接触する。
【0009】
上記位置指示器の非操作状態において、可変容量コンデンサの容量は、誘電体101の容量と、誘電体101と第2の電極104との間の空気層による容量との合成容量となり、小さな値である。ここで、第2の電極104が誘電体101に接近すると、空気層が薄くなることによって可変容量コンデンサの容量が増大し、さらに、第2の電極104が誘電体101に接触すると、可変容量コンデンサの容量はほぼ誘電体101の容量に等しくなる。つまり、図10の可変容量コンデンサは、上記位置指示器の操作によって容量値が漸増するようになっている。
【0010】
さらに、図10の可変容量コンデンサの容量値が変化すると、この可変容量コンデンサを含む上記同調回路の同調周波数が変化する。この同調周波数の変化をタブレット側で検出すれば、位置指示器の操作状態を検出することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ペンタブレットの適用範囲は大幅に拡大され、据え置き型のコンピュータだけでなくPDA(Personal Digital Assistant)等の小型機器にも搭載されるようになった。これに伴い、位置指示器にも一層の小型化が求められているが、図10に示すように、従来の可変容量コンデンサには小型の部品が多数用いられている。従って、位置指示器の小型化を実現しようとすると可変容量コンデンサの部品を微小化せざるを得ず、組み立て工程の複雑化が懸念される。このため、容易に小型化が可能な可変容量コンデンサが求められていた。
【0012】
そこで、本発明の目的は、ペンタブレットの位置指示器に用いる可変容量コンデンサにおいて、より小型化に適した構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の可変容量コンデンサは、対向する二面を有する誘電体と、誘電体の対向する二面のうち一方の面に対向して設けられた電極と、誘電体の対向する二面のうち他方の面に対向して配設された可撓性を有する導電体と、電極に対向して設けられた誘電体接続部と、誘電体の他方の面と導電体との間に設けられたスペーサ部と、電極と導通する第1のライン及び導電体と導通する第2のラインを含む配線パターンと、誘電体接続部及びスペーサ部を接続するブリッジ部とを有すると共に、可撓性を有する部材で形成された一の配線材と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、押圧手段によって誘電体と導体との間に存する相対的な圧力又は変位を変化させることにより、容量を変化させる可変容量コンデンサにおいて、誘電体の電極及び導体への配線を、可撓性を有する配線材を用いて簡単に行うことができる。
ここで、可撓性を有する配線材とは、可撓性に富み、折り曲げ加工を施したり屈曲させたりすることが可能な配線用部材であって、例えば、フレキシブル基板、フレキシブルケーブル、或いはフラットケーブル等が挙げられる。これらは、例えばポリイミド樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂、架橋ポリエチレン樹脂等の樹脂製のフィルムを積層し、フィルム間に、メッキ軟銅やカーボン等の導体によって配線パターンを形成したものである。なお、上記配線材のうち、ポリイミド樹脂を用いたフレキシブル基板、フレキシブルケーブル及びフラットケーブルは、耐熱性が高いので、はんだ付け加工を行う場合には特に好適である。
【0015】
可変容量コンデンサの配線に可撓性を有する配線材を用いれば、一つまたは少数の配線材によって配線を済ませることができるので、可変容量コンデンサの組み立て作業を簡単にすることが可能となる。特に、可変容量コンデンサを小型化するために誘電体や導体を非常に小さく形成した場合は、微小な配線部材を排することができる。さらに、誘電体の電極と導体への配線を別々に行う場合に比べて、配線に用いる部品点数を大幅に減少させ、組み立て工程を減らすことができる。また、上記配線材、すなわちフレキシブル基板、フレキシブルケーブル或いはフラットケーブル等は大量生産に適しており、微小な配線部材を用いる場合に比べて生産効率の向上とコスト低減を図ることができる。
【0016】
このように、本発明によれば、可変容量コンデンサにおける配線部材として可撓性を有する配線材を用いることにより、部品点数の削減による組み立て工程の削減、組み立て作業の簡略化によって、小型化に適した構造の可変容量コンデンサを提供できる。また、部品生産効率の向上と低コスト化をも実現できる。
【0018】
本発明によれば、可撓性を有する配線材が誘電体と導体とを離隔させるスペーサをも兼ねるので、部品点数をより少なくすることができる。また、上記配線材が可撓性を有することから、スペーサ部を設けることで組み立て作業が難しくなるといったことは無い。
【0019】
本発明は、電極は、誘電体の一方の面に設けられ、配線材の誘電体接続部は、電極が設けられた誘電体の一方の面に当接する平面部を有し、該平面部において第1のライン部と電極とが接続される。
【0020】
本発明の可変容量コンデンサは、可撓性を有する配線材の平面部とスペーサ部とによって誘電体を挟み、スペーサ部に導体を当接させた構成である。上記配線材が可撓性を有するので、誘電体を挟み込む形状に加工することは極めて容易で、組み立て作業は非常に簡単であり、より一層の部品点数の削減と組み立て作業の簡略化とを実現できる。
【0021】
本発明は、配線材のスペーサ部における誘電体と接触する位置に、第2のラインと導通する端子を設けた。
【0022】
本発明によれば、可撓性を有する配線材によって誘電体を挟んだ状態で導体をスペーサ部に接触させることで導体への配線が済むので、より一層の部品点数の削減と組み立て作業の簡略化とを実現できる。
【0023】
また、本発明の可変容量コンデンサは、対向する二面を有する誘電体と、誘電体の対向する二面のうち一方の面に対向して設けられると共に、互いが離隔して配設された二つの電極と、誘電体の対向する二面のうち他方の面に対向して配設された可撓性を有する導電体と、二つの電極に対向して設けられた誘電体接続部と、誘電体の他方の面と導電体との間に設けられたスペーサ部と、二つの電極とそれぞれ導通する二本のラインを含む配線パターンと、誘電体接続部及びスペーサ部を接続するブリッジ部とを有すると共に、可撓性を有する部材で形成された一の配線材と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
ここで、可撓性を有する配線材とは、可撓性に富み、折り曲げ加工を施したり屈曲させたりすることが可能な配線用部材であって、例えば、上述したフレキシブル基板、フレキシブルケーブル、或いはフラットケーブル等が挙げられる。
【0025】
本発明によれば、押圧手段によって誘電体と導体との間に存する相対的な圧力又は変位を変化させることにより、容量を変化させる可変容量コンデンサにおいて、可変容量コンデンサの配線に可撓性を有する配線材を用いることで、配線に用いる部材を少なくすることができ、部品点数の減少によって組み立て工程を減らすことができる。すなわち、部品点数の削減による組み立て工程の削減、組み立て作業の簡略化によって、小型化に適した構造の可変容量コンデンサを提供できる。また、部品生産効率の向上と低コスト化をも実現できる。
【0027】
本発明によれば、可撓性を有する配線材が誘電体と導体とを離隔させるスペーサをも兼ねるので、部品点数をより少なくすることができる。また、上記配線材が可撓性を有するので、スペーサ部を設けることで組み立て作業が難しくなるといったことは無い。
【0028】
本発明は、二つの電極は、前記誘電体の一方の面に設けられ、配線材の誘電体接続部は、二つの電極が設けられた誘電体の一方の面に当接する平面部を有し、該平面部において二本のラインと二つの電極とが各々接続される。
【0029】
本発明によれば、可撓性を有する配線材の平面部とスペーサ部とによって誘電体を挟み、スペーサ部に導体を当接させた構成である。上記配線材は可撓性を有するので、誘電体を挟み込む形状に加工することは極めて容易で、組み立て作業は非常に簡単であり、より一層の部品点数の削減と組み立て作業の簡略化とを実現できる。
【0030】
本発明の位置指示器は、上述した可変容量コンデンサを回路素子の一部とする同調回路を備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、少ない部品数と簡単な組み立て作業によって製造可能で、容易に小型化が可能な可変容量コンデンサを用いて、位置指示器を小型化することができる。
【0032】
また、本発明は、同調回路を収容する中空のペン筐体と、ペン筐体の先端から突出しており、当該位置指示器の操作時に押圧力を受ける芯とを備え、芯は、導電体と当接自在に設けられ、可変容量コンデンサは、芯に加わる押圧力によって導電体が変形する位置に配設された。
【0033】
本発明によれば、位置指示器の操作時に、芯に加わる押圧力によって導体が押圧力を受け、可変容量コンデンサを含む同調回路の同調周波数が変化するので、この変化を検出することによって位置指示器の操作状態を容易に検出できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0035】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における位置指示器1の構成を示す一部破断平面図である。
【0036】
図1に示す位置指示器1は、ペン筐体11の内部に、回路基板21、押圧手段としての押圧体40、及び、可変容量コンデンサ50等の各部を収容したものである。
ペン筐体11は一般的な筆記具様の形状を有する中空の筒であり、先端部分が先細り形状となっていて、最先端部分には後述する芯41を貫通させるための孔が穿設されている。なお、以下の説明においては、ペン筐体11の先端に近い方を「先端側」とし、ペン筐体11の基端に近い方を「基端側」と呼ぶ。
【0037】
ペン筐体11の内部においては、所定の配線パターンが形成された略長方形の回路基板21が、基板ホルダ31によって固定されている。基板ホルダ31は、回路基板21の先端側及び基端側の端部をペン筐体11の内面に係止する樹脂製または金属製の部材である。
回路基板21の先端側には、基板ホルダ31を挟んで可変容量コンデンサ50が配置されており、さらに可変容量コンデンサ50の先端側には押圧体40が配置され、回路基板21と押圧体40との間に可変容量コンデンサ50が挟まれた構成となっている。
【0038】
押圧体40は、芯41と、フェライトコア42と、フェライトコア42の側面に巻き回されたコイル43と、芯41に取り付けられたキャップ44とを備える。芯41は、合成樹脂、金属またはセラミック製の軸状部材であり、先端部分がペン筐体11の最先端部に穿設された孔から突出している。フェライトコア42は、長手方向に貫通する孔(図示略)が形成された筒状部材であり、その先端は、ペン筐体11の内面の先端部近傍まで達している。フェライトコア42の孔には芯41が移動可能に挿通され、芯41の基端部はフェライトコア42の基端側から突出し、キャップ44が被せられている。
【0039】
また、ペン筐体11の内部においては、フェライトコア42の基端部とキャップ44との間において、芯41を挟むようにハウジング32が配設されている。ハウジング32は、ペン筐体11の内面に固定され、キャップ44を、所定の位置よりも先端側に移動しないよう動作を制限する部材であって、芯41には当接していない。このため、芯41は、キャップ44がハウジング32に制限されない範囲において、フェライトコア42の孔に沿って移動可能である。
【0040】
回路基板21にはコンデンサ25等の各種回路素子が実装され、コンデンサ25に導通する回路基板21上のライン(図示略)には、押圧体40のコイル43及び可変容量コンデンサ50が接続されている。これらコンデンサ25、可変容量コンデンサ50及びコイル43により、同調回路が構成される。
【0041】
可変容量コンデンサ50は、誘電体51、導体としての導電ゴム52及びフレキシブル基板60により構成される。
図2は、可変容量コンデンサ50の要部であるフレキシブル基板60の構成を示す平面図であり、図2(a)は一方側の平面を示し、図2(b)は同図(a)の裏側に相当する面を示す。
【0042】
本実施の形態では、可撓性を有する配線材としてフレキシブル基板60を用いる。フレキシブル基板60は、ポリイミド樹脂、PET樹脂、PVC樹脂或いは架橋ポリエチレン樹脂等の樹脂製の複数のシートないしフィルムを積層してなる基板であり、上記シートないしフィルム上に、塗布、印刷、或いはエッチングによってメッキ軟銅やカーボン等の導体を付着させ、第1のライン641及び第2のライン642を含む所定の配線パターンが形成されたものである。フレキシブル基板60は可撓性を有しており、折り曲げ加工を施したり、屈曲させたりすることが可能である。なお、フレキシブル基板60は、後述するようにはんだ付け加工が施されることから、耐熱性の高いポリイミド樹脂性であれば、より好ましい。
【0043】
フレキシブル基板60は、リング状のスペーサ部61と、平面部としての誘電体接続部63と、スペーサ部61と誘電体接続部63とを繋ぐブリッジ部62と、誘電体接続部63から突出する回路基板接続部64との4の部分により構成される。
第1のライン641は、回路基板接続部64から誘電体接続部63にかけて配されており、第2のライン642は、回路基板接続部64から誘電体接続部63及びブリッジ部62を経てスペーサ部61に達している。
【0044】
スペーサ部61は、中央に円形の穴611を有するリング形状の部分であり、図2(a)に示すように、第2のライン642に導通する導電ゴム用端子612が表面に露出している。導電ゴム用端子612はリング状の導体からなり、リング状のスペーサ部61の全周にわたって穴611と同心円上に配される。
ブリッジ部62は、スペーサ部61と誘電体接続部63との間に形成された帯状部分であって、後述する誘電体51の高さとほぼ等しいか、それ以上の長さとなっている。
【0045】
誘電体接続部63は、後述する誘電体51の上面の径に適合するサイズの円板状に形成されている。誘電体接続部63の中心には円形のはんだ用穴632が形成されており、はんだ用穴632の周縁部には、図2(a)に示すように、第1のライン641に導通するはんだ用端子631が露出している。
回路基板接続部64は、誘電体接続部63から延びる帯状の部分である。可変容量コンデンサ50をペン筐体11に組み付ける際には、回路基板接続部64上において、第1のライン641及び第2のライン642は、それぞれ回路基板21上に形成された配線パターンに接続される。なお、回路基板接続部64に、第1のライン641及び第2のライン642が露出する端子部を設けても良い。
【0046】
そして、図2(a)に示すように、スペーサ部61の導電ゴム用端子612と、誘電体接続部63のはんだ用端子631とは同一面に露出している。
【0047】
図3は、可変容量コンデンサ50の構成を示す分解斜視図である。
図3に示すように、誘電体51は、上端及び下端が平面に形成された円柱形状のセラミックス製誘電体であり、上面には、金属製の薄板または薄膜によってなる電極511が設けられている。
【0048】
導電ゴム52は、炭素粒子や銀粒子等の導電粒子を混在させた合成ゴムを、誘電体51のサイズに合わせて円板状に形成したものであり、可撓性と弾性とを有する。
【0049】
以上の誘電体51、導電ゴム52及びフレキシブル基板60を用いて可変容量コンデンサ50を作成する手順について説明する。
まず、フレキシブル基板60を、スペーサ部61とブリッジ部62との境界部、ブリッジ部62と誘電体接続部63との境界部、及び、誘電体接続部63と回路基板接続部64との境界部の3カ所において、ほぼ直角に折り曲げる。この折り曲げ加工は、フレキシブル基板60のスペーサ部61と誘電体接続部63とがブリッジ部62の長さに相当する間隔をおいて対向し、回路基板接続部64が、ブリッジ部62とは反対側を向く方向になるよう行われる。また、上記折り曲げ加工は、誘電体接続部63のはんだ用端子631とスペーサ部61の導電ゴム用端子612とが互いに反対側を向くよう行われる。
ここで、スペーサ部61と誘電体接続部63との間に、電極511が誘電体接続部63側を向くように誘電体51を挿入する。すると、誘電体接続部63のはんだ用穴632から電極511が露出するので、露出する電極511とはんだ用端子631とに跨るように、はんだ付けを行う。
さらに、スペーサ部61の下面、すなわち導電ゴム用端子612が露出する面に導電ゴム52を密着させて接着剤等によって固定し、導電ゴム52と導電ゴム用端子612とを導通させる。
これにより、電極511と導電ゴム52との2つの電極によって誘電体51を挟んだ可変容量コンデンサ50が完成する。
【0050】
図4は、可変容量コンデンサ50の構成を示す断面図である。
図4に示すように、可変容量コンデンサ50は、フレキシブル基板60のスペーサ部61と誘電体接続部63との間に誘電体51が挟まれ、スペーサ部61の下方に導電ゴム52が位置した構成となる。誘電体51と導電ゴム52とはスペーサ部61を挟んで隣接し、穴611の部分では、誘電体51と導電ゴム52との間にスペーサ部61の厚み分の空間、すなわち空気層53が形成される。
【0051】
また、導電ゴム52は導電ゴム用端子612に接触して導通しており、誘電体51の電極511は、はんだ65によって、はんだ用端子631に接続されている。従って、フレキシブル基板60が有する第1のライン641(図2)は、はんだ用端子631及び電極511を介して誘電体51に導通し、第2のライン642は導電ゴム用端子612を介して導電ゴム52に導通する。
【0052】
上述のように、可変容量コンデンサ50は、押圧体40と回路基板21とに挟まれる位置に配設され、導電ゴム52の下面は押圧体40のキャップ44に当接し、誘電体接続部63の上面は基板ホルダ31に当接している。また、回路基板接続部64は回路基板21に固定されている。回路基板接続部64において、第1のライン641及び第2のライン642が回路基板21上の配線パターンに接続されており、これにより、可変容量コンデンサ50がコンデンサ25と並列接続される。
【0053】
以上のように構成される位置指示器1は、先端の芯41をタブレットの操作面に押しつけるように操作されるので、操作時には、押圧体40がペン筐体11の基端側へ向かう方向に押圧力を受ける。
これにより、押圧体40のキャップ44から導電ゴム52に押圧力が加わるので、導電ゴム52は屈曲して誘電体51に接近する。押圧体40に対してさらに強く押圧力が加わると、導電ゴム52は誘電体51に接触して弾性変形する。
そして、導電ゴム52が屈曲して誘電体51に接近し、誘電体51に接触し、弾性変形する過程で、可変容量コンデンサ50の容量値が大きく変化する。
【0054】
位置指示器1の非操作状態における可変容量コンデンサ50の容量値は、誘電体51の容量と、空気層53による容量との合成容量に等しく、誘電体51のみの容量に比べて小さい。
導電ゴム52が、位置指示器1の操作によって屈曲して誘電体51に接近すると、空気層53はスペーサ部61の厚みよりも薄くなる。空気層53による容量は空気層53の厚みに反比例して増大する。つまり、導電ゴム52が屈曲することによって可変容量コンデンサ50の容量が増大する。
【0055】
位置指示器1がさらに強い力で操作され、押圧体40から導電ゴム52へ、より大きな押圧力が加わると、導電ゴム52が誘電体51に接触する。さらに押圧体40から導電ゴム52への押圧力が増すにつれて、導電ゴム52と誘電体51との接触面積が増大する。
誘電体51と導電ゴム52とが接触した部分においては、静電容量は誘電体51による容量に近くなるので、誘電体51と導電ゴム52とが接触すると、その接触面積に比例して可変容量コンデンサ50の容量が増大する。
【0056】
このように、可変容量コンデンサ50の容量値は、位置指示器1の非操作状態においては非常に小さく、位置指示器1の操作時に芯41に押圧力が加わると増大し、芯41に加わる力が強くなるにつれて増大する。従って、可変容量コンデンサ50を含む同調回路の同調周波数は、位置指示器1の操作に応じて大きく変化する。この同調周波数の変化を検出することにより、タブレット側において位置指示器1の操作状態を容易に検出することができる。
【0057】
以上のように、本発明の第1の実施の形態における位置指示器1によれば、位置指示器1の操作に応じて容量が大きく変化する可変容量コンデンサ50を備えるので、位置指示器1の操作をタブレット側で確実に検出することができる。
【0058】
位置指示器1が備える可変容量コンデンサ50は、フレキシブル基板60を用いることにより、電極511および導電ゴム52の2つの電極から回路基板21までの配線を、非常に簡単な構造で実現できる。すなわち、第1のライン641と電極511とを接続するためには、はんだ用端子631に対するはんだ付けを行えば良く、第2のライン642と導電ゴム52とは、可変容量コンデンサ50をペン筐体11に組み付けることで、接触して導通する。また、第1のライン641および第2のライン642と回路基板21上のラインとの接続は、はんだ付けを行うか、あるいはコネクタ等を設けることによって容易に実現できる。
さらに、フレキシブル基板60は可撓性に富み、折り加工や曲げ加工を施すことが可能なため、狭い空間においても容易に配設することができ、ペン筐体11内に、配線部材の取り回しのためのスペースを設ける必要がない。
【0059】
従って、可変容量コンデンサ50を用いることにより、従来の可変容量コンデンサを用いた場合と比較して、部品点数を大幅に減らすことができ、組み立て工数を減らすことができる。特に、配線用の小さな部品が不要なため、組み立て作業自体を簡単にすることができる。さらに、可変容量コンデンサ50は、小型の部品を含まないこと、及び組み立て作業が簡単なことにより、ペン筐体11の小型化に合わせて小さくすることが容易である。
このように、可変容量コンデンサ50を用いれば、部品点数の減少と組み立て工程の簡略化によって低コスト化と生産性の向上を図ることができ、ペン筐体11を容易に小型化することができる。
【0060】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態における可変容量コンデンサ70の構成を示す分解斜視図である。また、図6は、可変容量コンデンサ70に用いるフレキシブル基板80の構成を示す平面図である。図5及び図6に示す可変容量コンデンサ70は、上記第1の実施の形態における可変容量コンデンサ50に代えて、位置指示器1に用いることができる。なお、本第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0061】
可変容量コンデンサ70は、誘電体71、導電ゴム52、及びフレキシブル基板80によって構成される。
誘電体71は、誘電体51と同様に、上端及び下端が平面に形成された円筒形状のセラミックス誘電体である。誘電体71の上面には、第1の電極711及び第2の電極712の2つの電極が設けられている。第1の電極711及び第2の電極712は、いずれも半円形の薄板または薄膜であって、互いに直接導通することがないよう、所定の間隔をあけて配されている。
【0062】
フレキシブル基板80は、図2(a)及び(b)に示すフレキシブル基板60と同様の材料により構成され、ほぼ同一の外径形状を有する。すなわち、リング状のスペーサ部81と、円形の誘電体接続部83と、スペーサ部81と誘電体接続部83とを繋ぐブリッジ部82と、誘電体接続部83から突出して回路基板21(図1)に接続される回路基板接続部84との4の部分により構成される。
【0063】
誘電体接続部83には、円形のはんだ用穴833及びはんだ用穴834が並べて形成されており、はんだ用穴833の周縁部にはリング状のはんだ用端子831が形成され、同様に、はんだ用穴834の周縁部にはリング状のはんだ用端子832が形成されている。
はんだ用端子831及びはんだ用端子832は、フレキシブル基板80の同一平面上に露出する導体であって、互いに導通しないよう所定の間隔を空けて並んでいる。
【0064】
フレキシブル基板80には、第1のライン841及び第2のライン842の2本のラインを含むパターンが形成されている。
第1のライン841及び第2のライン842は、いずれも、回路基板接続部84から誘電体接続部83にかけて配設され、第1のライン841ははんだ用端子831に接続され、第2のライン842ははんだ用端子832に接続されている。また、可変容量コンデンサ70をペン筐体11に組み付ける際には、回路基板接続部84上において、第1のライン841及び第2のライン842は、それぞれ回路基板21上に形成された配線パターンに接続される。なお、回路基板接続部84に、第1のライン841及び第2のライン842が露出する端子部を設けても良い。
【0065】
スペーサ部81は、図2(a)及び(b)に示すフレキシブル基板60におけるスペーサ部61と同様に、中央に穴811を有するリング状に形成され、ブリッジ部82はフレキシブル基板60におけるブリッジ部62と同一形状に形成されている。しかしながら、スペーサ部81及びブリッジ部82は、スペーサ部61及びブリッジ部62とは異なり、配線パターンや端子等を有しない。
【0066】
図5に示すように、可変容量コンデンサ70は、フレキシブル基板80のスペーサ部81と誘電体接続部83との間に誘電体71が挟まれ、スペーサ部81の下方に導電ゴム52が位置した構成となる。誘電体71と導電ゴム52とはスペーサ部81を挟んで隣接し、穴811の部分では、誘電体71の下面と導電ゴム52との間にスペーサ部81の厚み分の空気層が形成される。
【0067】
可変容量コンデンサ70において、フレキシブル基板80のはんだ用穴833は、可変容量コンデンサ70の第1の電極711と重なる位置にあり、はんだ用穴834は第2の電極712と重なる位置にある。また、はんだ用端子831及びはんだ用端子832は、第1の電極711及び第2の電極712と接触しない側の面に露出する。そして、はんだ用穴833にははんだ付けが施され、これによってはんだ用端子831と第1の電極711とが導通する。同様に、はんだ用穴834にはんだ付けが施されることによって、はんだ用端子832と第2の電極712とが導通する。
【0068】
従って、可変容量コンデンサ70においては、フレキシブル基板80が有する第1のライン841は第1の電極711に接続され、第2のライン842は第2の電極712に接続される。
【0069】
上述のように、可変容量コンデンサ70は、可変容量コンデンサ50と同様に、押圧体40と回路基板21とに挟まれる位置に配設される。導電ゴム52の下面は押圧体40のキャップ44に当接し、誘電体接続部83は基板ホルダ31に当接している。また、回路基板接続部84は回路基板21に固定され、第1のライン841及び第2のライン842が回路基板21上の配線パターンに接続されており、可変容量コンデンサ70は、コンデンサ25と並列接続される。
【0070】
可変容量コンデンサ70を備えた位置指示器1の操作時には、押圧体40のキャップ44から導電ゴム52に押圧力が加わることにより、導電ゴム52が屈曲して誘電体71に接近する。押圧体40に対してさらに強く押圧力が加わると、導電ゴム52は誘電体71に接触して弾性変形する。
そして、導電ゴム52が屈曲して誘電体71に接近し、誘電体71に接触し、弾性変形する過程で、可変容量コンデンサ70の容量値が大きく変化する。
【0071】
可変容量コンデンサ70は、第1の電極711と導電ゴム52との間に誘電体71及び空気層を挟んだ第1のコンデンサと、第2の電極712と導電ゴム52との間に誘電体71及び空気層を挟んだ第2のコンデンサとが、直列に接続されたものと見ることができる。可変容量コンデンサ70の容量は、上記第1のコンデンサと第2のコンデンサの合成容量値となる。
導電ゴム52が位置指示器の操作によって屈曲して誘電体71に接近すると、空気層が薄くなることによって、第1及び第2のコンデンサの容量値は増大する。導電ゴム52が誘電体71に接触すると、第1及び第2のコンデンサの容量値は、さらに増大する。つまり、可変容量コンデンサ70の容量値は、上記位置指示器の操作に応じて増大する。
【0072】
このため、上記第1の実施の形態における位置指示器1において、可変容量コンデンサ50に代えて可変容量コンデンサ70を用いた場合、位置指示器1の操作に応じて可変容量コンデンサ70を含む同調回路の同調周波数が変化するので、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
また、可変容量コンデンサ70が有するフレキシブル基板80は、上記第1の実施の形態に比べ、配線パターンが配設された部分が少ないので、より低コストで製造可能である。また、フレキシブル基板80において、配線パターンの無いスペーサ部81及びブリッジ部82は、急な屈曲や曲げ加工を施しても断線する心配が無く、様々な実装形態に対応できる。
【0074】
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態における位置指示器2の構成を示す一部破断平面図である。なお、本第3の実施の形態において、上記第1及び第2の実施の形態と同様に構成される部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0075】
図7に示すように、位置指示器2は、中空のペン筐体12の内部に各部を収容して構成される。ペン筐体12は、上記第1の実施の形態におけるペン筐体11と同様に筆記具様に形成され、先端には芯41を貫通させるための孔が穿設されている。
【0076】
ペン筐体12内部の基端側には、所定の配線パターンが形成された略長方形の回路基板22が固定されている。
ペン筐体12内部の中空部分のうち、先端側は細径となっており、この細径部分に押圧体40が収容される。ペン筐体12の細径部分はフェライトコア42の外径よりわずかに大きい程度に形成されている。フェライトコア42が収容される細径部分のさらに先端側は、芯41よりもわずかに大きな程度の径を有する最細径部分になっている。この最細径部分を貫通するように芯41が配設される。
【0077】
また、ペン筐体12内においては、回路基板22の先端側と、上記細径部分とに挟まれる位置に、可変容量コンデンサ50が配設される。可変容量コンデンサ50の基端側は回路基板22の先端と突き合わされ、導電ゴム52には押圧体40が当接する。
【0078】
つまり、位置指示器2は、ペン筐体12内に細径部分を設けることにより、細径部分と回路基板22とによって可変容量コンデンサ50を挟み込んで、可変容量コンデンサ50を固定した構成となっている。
位置指示器2は、上記第1の実施の形態における位置指示器1と同様に、芯41がペン筐体12内に引っ込むように操作される。この操作により、押圧体40のキャップ44から導電ゴム52に押圧力が加わり、可変容量コンデンサ50を含む同調回路の同調周波数が変化するので、位置指示器2は、位置指示器1と同等のものとして使用可能である。
さらに、位置指示器2は、上記第1の実施の形態における位置指示器1に比較して、可変容量コンデンサ50を固定するための部材が少なくて済むことから、部品点数及び組み立て工数を減らすことが可能であるという利点を有する。
【0079】
なお、上記第3の実施の形態においては、回路基板22の先端と可変容量コンデンサ50とが突き合わされる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、回路基板22と可変容量コンデンサ50との間に緩衝材を挟み込む構成としても良い。この場合、上述の効果に加えて、回路基板22と可変容量コンデンサ50との接触部分に強い力が加わった場合にも、部品の破損を防止することができ、位置指示器2の耐久性を高めることができるという利点が得られる。
【0080】
さらに、回路基板22の先端と可変容量コンデンサ50とが突き合わされる部分において、回路基板22と可変容量コンデンサ50とをはんだ付けによって固定することも可能である。この場合、回路基板22と可変容量コンデンサ50とを固定するはんだにより、フレキシブル基板60上の第1のライン641及び第2のライン642を回路基板22上の配線に接続すれば、一カ所のはんだ付け加工によって可変容量コンデンサ50の固定と配線の接続とを同時に実現することができる。
【0081】
また、可変容量コンデンサ50に代えて、上記第2の実施の形態で説明した可変容量コンデンサ70を用いることも、勿論可能である。この場合、上述の効果に加え、配線パターンが配設された部分が少ないために、低コストで製造可能であり、様々な実装形態に対応できるという利点が得られる。
【0082】
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態における位置指示器3の構成を示す一部破断平面図である。また、図9は、図8に示す位置指示器3の要部を拡大して示す図である。なお、本第4の実施の形態において、上記第1〜第3の実施の形態と同様に構成される部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0083】
図8に示す位置指示器3は、上記第3の実施の形態における位置指示器2において、回路基板22に代えて回路基板23を用いたものである。
回路基板23は、回路基板22と同様に所定の配線パターンが形成された略長方形の回路基板であるが、先端側にコ字状の切欠部を有する。
そして、ペン筐体12の内部においては、回路基板23と、ペン筐体12の細径部分との間に可変容量コンデンサ50が挟まれる。この状態において、可変容量コンデンサ50は、回路基板23の切欠部に嵌め込まれた状態となる。
【0084】
図9に拡大して示すように、可変容量コンデンサ50の先端側には押圧体40が配設されているので、位置指示器3の操作時には、キャップ44から導電ゴム52に押圧力が加わる。この点は位置指示器2と同様である。
しかしながら、可変容量コンデンサ50は、回路基板23の先端に形成された切欠部内に嵌め込まれているので、回路基板23から可変容量コンデンサ50に押圧力が加わることがない。これにより、位置指示器3の運搬時など、位置指示器3の非操作時において、可変容量コンデンサ50に過大な力が加わることを防止できる。
【0085】
なお、本発明は上記第1〜第4の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想の範囲内において種々の変更が可能なのはいうまでもない。
【0086】
例えば、フレキシブル基板60,80には、明瞭な折り目を付ける折り曲げ加工を施しても良いし、緩やかに湾曲させる曲げ加工を施しても良い。また、スペーサ部61,81と導電ゴム52とを、粘着テープや粘着剤等によって固定しても良い。この場合、組み立て時の作業性が高まるという利点が得られる。また、可撓性の配線材はフレキシブル基板に限定されず、フレキシブルケーブルやフラットケーブルを用いることも勿論可能である。
【0087】
また、可変容量コンデンサ50,70においては、導体として導電ゴム52を用いたが、本発明はこれに限定されず、導体として、可撓性を有するフィルム上に金属を膜状に蒸着してなる導体板とシリコンゴム板とを組み合わせて用いることも可能である。
【0088】
さらに、フレキシブル基板60において、回路基板接続部64は、誘電体接続部63を挟んでブリッジ部62と同一軸線上に位置するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、回路基板接続部64とブリッジ部62とが互いに直角となる向きに配設されていても良い。フレキシブル基板80における回路基板接続部84についても同様である。また、はんだ用穴632,833,834の形状も任意である。
【0089】
また、可変容量コンデンサ50における誘電体51、及び可変容量コンデンサ70における誘電体71について、円柱形のセラミック誘電体として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ペン筐体11,12の形状に合わせて適宜変更可能である。導電ゴム52についても同様に、円板形状に限定されるものでは無く、その形状は任意に変更可能である。さらに、誘電体51,71、フレキシブル基板60,80、はんだ65の具体的な材料(組成)等についても、設計的事項として任意に変更可能であり、その他の細部構成についても適宜変更可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、部品点数の削減による組み立て工程の削減、組み立て作業の簡略化によって、小型化に適した可変容量コンデンサを実現できる。さらに、可変容量コンデンサの小型化によって、位置指示器の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における位置指示器の構成を示す一部破断平面図である。
【図2】図1に示すフレキシブル基板の構成を示す平面図であり、(a)は一方側の平面を示し、(b)は同図(a)の裏面を示す。
【図3】図1に示す可変容量コンデンサの構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1に示す可変容量コンデンサの構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における可変容量コンデンサの構成を示す分解斜視図である。
【図6】図5に示すフレキシブル基板の構成を示す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における位置指示器の構成を示す一部破断平面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における位置指示器の構成を示す一部破断平面図である。
【図9】図8の要部を拡大して示す図である。
【図10】従来の可変容量コンデンサの構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1、2,3 位置指示器
11,12 ペン筐体
21,22,23 回路基板
25 コンデンサ
40 押圧体
50,70 可変容量コンデンサ
51,71 誘電体
511 電極
52 導電ゴム
53 空気層
711 第1の電極
712 第2の電極
60,80 フレキシブル基板
61,81 スペーサ部
62,82 ブリッジ部
63,83 誘電体接続部
631,831,832 はんだ用端子
632,833,834 はんだ用穴
64,84 回路基板接続部
641,841 第1のライン
642,842 第2のライン
Claims (7)
- 対向する二面を有する誘電体と、
前記誘電体の対向する二面のうち一方の面に対向して設けられた電極と、
前記誘電体の対向する二面のうち他方の面に対向して配設された可撓性を有する導電体と、
前記電極に対向して設けられた誘電体接続部と、前記誘電体の他方の面と前記導電体との間に設けられたスペーサ部と、前記電極と導通する第1のライン及び前記導電体と導通する前記第2のラインを含む配線パターンと、前記誘電体接続部及び前記スペーサ部を接続するブリッジ部とを有すると共に、可撓性を有する部材で形成された一の配線材と、
を備えたことを特徴とする可変容量コンデンサ。 - 前記電極は、前記誘電体の一方の面に設けられ、
前記配線材の前記誘電体接続部は、前記電極が設けられた前記誘電体の一方の面に当接する平面部を有し、該平面部において前記第1のライン部と前記電極とが接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の可変容量コンデンサ。 - 前記配線材の前記スペーサ部における前記誘電体と接触する位置に、前記第2のラインと導通する端子を設けた
ことを特徴とする請求項2に記載の可変容量コンデンサ。 - 対向する二面を有する誘電体と、
前記誘電体の対向する二面のうち一方の面に対向して設けられると共に、互いが離隔して配設された二つの電極と、
前記誘電体の対向する二面のうち他方の面に対向して配設された可撓性を有する導電体と、
前記二つの電極に対向して設けられた誘電体接続部と、前記誘電体の他方の面と前記導電体との間に設けられたスペーサ部と、前記二つの電極とそれぞれ導通する二本のラインを含む配線パターンと、前記誘電体接続部及び前記スペーサ部を接続するブリッジ部とを有すると共に、可撓性を有する部材で形成された一の配線材と、
を備えたことを特徴とする可変容量コンデンサ。 - 前記二つの電極は、前記誘電体の一方の面に設けられ、
前記配線材の前記誘電体接続部は、前記二つの電極が設けられた前記誘電体の一方の面に当接する平面部を有し、該平面部において前記二本のラインと前記二つの電極とが各々接続される
ことを特徴とする請求項4に記載の可変容量コンデンサ。 - 請求項1から5のいずれかに記載の可変容量コンデンサを回路素子の一部とする同調回路を備えた
ことを特徴とする位置指示器。 - 前記同調回路を収容する中空のペン筐体と、前記ペン筐体の先端から突出しており、当該位置指示器の操作時に押圧力を受ける芯とを備え、
前記芯は、前記導電体と当接自在に設けられ、
前記可変容量コンデンサは、前記芯に加わる押圧力によって前記導電体が変形する位置に配設された
ことを特徴とする請求項6に記載の位置指示器。
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