JP4376226B2 - 橋梁 - Google Patents
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Description
このため、鋼製橋梁においては、塗装や金属メッキ等を施して耐食性を付与したり、耐食性部材を使用したりするなど種々の対策が講じられている。
また、コンクリート製橋梁においても同様に、鉄筋へのコンクリート被りを十分に確保したり、鉄筋やコンクリート表面に塗装を施したりするなどして対策が講じられている。
一方、コンクリート製橋梁においては、内部鉄筋の腐食状況の把握が困難であるから、状況に応じた対策がなされにくく、また、内部鉄筋が腐食している場合には、その補修の際に被りコンクリートを剥離する作業が伴うため、多額の費用が発生し、これもまた効率が悪い。
また、このようなシートは、外部からの衝撃に弱く破損が生じやすい。さらに、このようにシートが一部破損すると、通常はシート全体を交換する必要があるため、再度大掛かりな設置工事が必要となる。
また、橋梁の点検時に、シートを足場として用いることができないか、あるいは用いることができても不安定であり、安全面で課題が残る。そのため、点検時に足場を仮設するとなると煩雑であり、あるいはまたシートが邪魔になるため、一旦取り外す必要も生じ、どちらにしても手間がかかる。
また、橋梁の点検時には、遮蔽板を足場として用いることができるため便利でもある。
すなわち、このような固定方法においては、床版にアンカーボルト等を打ち込んだり、孔をあけたりせねばならず、床版を傷めてしまう。
また、床版は車両の通行等により、常時振動しているため、ボルト等により遮蔽板を直接取り付けると、この振動に伴う変位や荷重がじかに作用し、その結果、ボルトの弛緩や、遮蔽板の疲労損傷を早めることとなる。
さらに、コンクリート製の床版の寸法は、製作誤差があるため、直接取り付けた場合においても、結局は隙間を完全にはなくすことはできない。
また、従来のように、床版にアンカーボルト等を打ち込んだり、孔をあけたりする必要がないため、床版の無駄な損傷を免れることができる。
さらに、床版の寸法に製作誤差がある場合でも、床版と橋桁部の間の隙間の大きさに応じて、可撓性材料の撓み量が変化し、自動的に調節されるため、遮蔽性に問題はない。
なお、本願でいう可撓性材料には、ゴム等の素材自体が可撓性を持つもののみならず、厚みを薄くすることによって、可撓性を持たせたもの、例えば、ステンレス、アルミニウム合金などの金属性の薄板も含まれるものとする。
ここで、この遮蔽板13は、後述するように、複数のパネルを相互に連結したものであって、図示のように、取り付け具14を用いて橋桁部12に取付けられている。
このとき、取り付け具14は、遮蔽板13の死荷重、点検時の活荷重及びその他の荷重を考慮してI桁の長さ方向適宜間隔で橋桁部12の主桁に取り付ける。また、遮蔽板13と取り付け具14および取り付け具14と橋桁部12の主桁とは、例えば、ボルトとナットによって固定する。
まず、床版11は、その上面に車両等が通行するコンクリート構造体であり、上面の車両通行部分にはアスファルト舗装が施されている。図示のように、上面両側は盛り上がって地覆11aを形成し、地覆11a上面には、ガードレール11bが設置されている。また、床版11下面両側部には、切り欠き状の水切り11cが床板11の長さ方向に延びている。
そして、下縦梁14bの下フランジには、床版11の長さ方向に所定の間隔をおいて並列し、床版11の幅方向に延びるI型の下面支持梁14cの上フランジが接しており、この下縦梁14bと下面支持梁14cとは互いに固定されている。
そして、側縦梁14eの外側フランジには、床版11の長さ方向に所定の間隔をおいて並列し、床版11面に対して垂直方向に延びるI型の側面支持梁14fの一方フランジが固定されている。また、側面支持梁14fの上端には、L字鋼からなるストッパ14gが設けられている。
ここで、取り付け具14のそれぞれの部材14a〜14gは、その材料を、軽量形鋼、アルミニウム合金、FRP、木材等と適宜に選択すれば良いが、橋梁10に多大な死荷重(静荷重)を与えることがないようにできるだけ軽い物とするのがよく、例えば、軽量形鋼を採用する。
また、取り付け具14の寸法や個数は、遮蔽板13の死荷重、点検時の活荷重及びその他の荷重や、後述する遮蔽板13を構成する下面パネル13aおよび側面パネル13bの寸法を考慮して適宜に決定するものとする。
これら遮蔽板13は、図示のように、端部相互が連結された複数の下面パネル13aおよび側面パネル13bから構成されている。
ステンレスを採用する場合、飛来することが想定される物質に応じてその種類を選択し、例えば、飛来海塩量が0.15mdd以下の地域ではSUS304、同0.15mdd〜0.4mddの地域ではSUS316、同0.4mdd以上の地域ではSUS329J3を用いるとよい。
また、亜鉛めっき鋼板を用いる場合は、景観に配慮して、フッ素樹脂ラミネート仕様とするのがよい。
この場合、箱状の下面パネル13aの中にグラスウール等の吸音性の高い素材を封入すると、橋梁10の下を車両が通行する際に生じる騒音を減じることができるため、好ましい。
より詳しくは、側面遮蔽板13の上端部においては、側面パネル13bの上端が鉤型に屈曲しており、この屈曲部13cから、床版11下面にかけて可撓性プレート15aがわたされており、この可撓性プレート15aの一端は、屈曲部13cと、押さえ板13dに挟まれてボルト等により固定されている。
ここで、図示のように、押さえ板13dが、屈曲部13cに重ね合わせた際に突出するように形成されているため、可撓性プレート15aを挟み込んだ場合に、押さえ板13dの突出する部分により、可撓性プレート15aが床版11側に押し付けられる。
また、図示のように、可撓性プレート15aは、水切り11cより内側において床版11に接しており、この接する部分には、可撓性シール材15bが内側より充填されている。
なお、図示のように、側面遮蔽板13の屈曲部13cは、側面支持梁14fにブラケット13eを介して取り付けられている。
この場合において、上述したように、押さえ板13dの突出する部分により、可撓性プレート15aが床版11側に押し付けられるため、遮蔽性がさらに向上する。また、可撓性プレート15aとして、ゴム板やエラストマー板を用いる場合には、このように押さえ板13dを長く形成することによって日光が遮られる面積が増大するため、日光中の紫外線による劣化を抑制することができる。
また、可撓性プレート15aにより隙間は閉塞されており、床版11の振動に基づく間隙変化なども、その撓みによって吸収することができるため、遮蔽板13の疲労損傷の程度は従来とは比較にならないほど軽い。
そして、床版11下面と可撓性プレート15aとは、接触しているだけであるため、床版11にこの閉塞作業に伴うアンカーボルト等の固定具の打ちつけを要さず、損傷を与える心配はない。
なお、この場合、床版11に寸法上の製作誤差がある場合でも、可撓性プレート15aが適宜撓んでこの誤差を自動的に吸収するため、特別の対策を講じる必要がなく、簡易である。
また、上記したように、可撓性プレート15aは、水切り11cより内側において床版11に接しているため、床版11下面を伝う雨水等は、この水切り11cで遮断され、それより内側に侵入することが一定程度防がれるため、さらに遮蔽性が向上することとなる。
このように、可撓性プレート15aを二重に配置すると一層遮蔽性が向上する。この場合において、各可撓性プレート15aの床版11に接する部分に、図示しない可撓性シール材15bを充填してもいいことは無論である。また、さらに可撓性プレート15aを増やして多重に配置してもよい。
11 床版
11a 地覆
11b ガードレール
11c 水切り
12 橋桁部
12a 主桁
12b 横桁
13 遮蔽板
13a 下面パネル
13b 側面パネル
13c 屈曲部
13d 押さえ板
13e ブラケット
13f 枠材
14 取り付け具
14a 吊り下げ具
14b 下縦梁
14c 下面支持梁
14d 押さえ具
14e 側縦梁
14f 側面支持梁
14g ストッパ
15 可撓性閉塞部
15a 可撓性プレート
15b 可撓性シール材
Claims (4)
- 床版11と、
この床版11を下方から支持する橋桁部12と、
この橋桁部12の側面および下面を覆って橋桁部12に取り付けられる遮蔽板13と、
この遮蔽板13の上端と前記床版11の下面との間に形成される隙間を閉塞し、その隙間の間隙変化を撓みによって吸収する可撓性材料と、を備える橋梁。 - 前記床版11は、その下面両側に下面を伝う雨水等を遮断する水切り11cを有し、
前記可撓性材料は、床版11下面の水切り11cより内側で前記隙間を閉塞する請求項1に記載の橋梁。 - 前記可撓性材料は、可撓性プレート15aであり、
この可撓性プレート15aは、床版11下面と遮蔽板13の上端との間に亘らせ、その一端を遮蔽板13の上端に固定しその他端を床版11下面に押し付けることで前記隙間を閉塞する請求項1または2に記載の橋梁。 - 前記可撓性プレート15aの前記他端と床版11とが接する部分に可撓性シール材15bを充填した請求項3に記載の橋梁。
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