JP3124461U - 高架橋の遮音構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高架橋に発生する騒音を効果的に遮音して高い遮音効果を発揮することができ、部品点数が増えることなく全体をコンパクト化し、簡単な取付け構造でありながら、既存の高架橋にも容易に高い遮音性を発揮させながら取付けることができ、しかも、メンテナンスや交換を定期的に行う必要のない高架橋の遮音構造を提供すること。
【解決手段】高架橋1の裏面側に適宜の間隔で複数の横梁30を略平行に取付け、この横梁30の間に遮音性を有する長尺状の遮音部材11を順次挟持して略平面状に構成し、遮音部材11は、一枚の薄板を所定の角度で曲折して音源側を開口させた多面体12からなり、音源より入った音波を多面体12により互いに干渉させて騒音を低減させるようにした高架橋の遮音構造である。
【選択図】 図2

Description

本考案は、主として高速道路等の高架橋の裏面側に遮音部材を取付け、この遮音部材によって外部の騒音を遮音するようにした高架橋の遮音構造に関する。
従来より、例えば、高架道路の下方に一般の道路が併設された立体式の構造の道路では、高架道路の裏面側に一般道路を走行する車両から生じる騒音が反射して、周辺に大きな騒音を生じることがある。これを防ぐため、高架道路の裏面側に吸音性を有する吸音パネルを取付け、この吸音パネルにより一般道路からの騒音を吸収して低減させるようにしたものがある。
この種のパネル取付構造として、例えば、特許文献1の吸音材及びその取付構造がある。この取付構造は、橋脚間のI桁下面にその長さ方向に沿って吊部材を介して縦梁を取り付け、この縦梁に横梁を取付け、横梁に吸音板を設けている。
吸音板は、長さ方向を横梁に直交させた状態で取付けられ、締付ボルトとナットによって横梁に締結される。吸音板を取付ける際には、吸音板にボルトを取付けた状態で、この吸音板を横梁の位置まで持ち上げて横梁に対して位置決めし、この状態でボルトを横梁に形成した長孔に挿通させ、次いで、ボルトにナットをねじ込むことによって固着して、吸音板の取付け位置を調節しながら吸音部位を設けている。
この取付構造における吸音板は、アルミニウム製の背面板、左右側面板、多孔表面板、及び、撥水グラスウール製吸音材から構成され、板の内部に吸音材を装填して吸音板が構成される。騒音が発生すると、この騒音は、多孔表面板の孔から内部の吸音材に吸収されて遮音される。
また、特許文献2の高架構造物の桁裏面へのパネルの取付方法は、高架構造物の裏面側に設けられた桁材に複数の長方形状のパネルを取付けて防音性を持たせている。
パネルは、長尺方向が桁材と交差する向きに取付けられ、このパネルに一体に取付けられたパネル支持材を介して桁材に固定される。パネルを取付ける際には、先ず、パネルを所定の高さまで持ち上げ、この状態でパネル支持材の横部材を桁材のフランジ部の上面まで移動してパネル支持材でパネルを吊り下げるようにして桁材に仮固定し、次いで、取付ボルトや溶接により本固定している。このように、パネルをパネル支持材によって個別に取付けながら並列して防音部位を設けている。
防音パネルは、金属繊維等の集合体やセラミック等の粉末焼結体からなる吸音材や、多数の開孔を有する前面板と背面板で形成される中空パネル内に吸音材が内装されたものや、或は、吸音性を有する筒体や半筒体を配列したものからなっている。
特開2004−156392号公報 特開2004−52382号公報
しかしながら、特許文献1や2の防音構造は、高架道路下方側の一般道路の車両等からの騒音を吸音することはできるものの、高架道路上を走行する車両等からの騒音を遮音することは考慮されていなかった。これらの防音構造は、高架道路上を車両等が走行して騒音が発生すると、この騒音の一部が高架道路の両側に設けられた防音壁の外表面を伝わって高架道路下まで伝わり、この騒音と一般道路からの騒音との相乗効果によってより大きな騒音が発生することがあった。しかも、高架道路には道路の継ぎ目があるため、車両がこの継ぎ目を通過したときに大きな振動が発生し、この振動に伴って一層大きな騒音が周囲に伝わることがあった。
これらを防ぐためには、通常は、防音壁の高さをアップしたり、防音壁に吸音材を取付けたり、防音壁の上部付近に巻き込み形状等の特殊な形状の防音装置を別途設けるようにする必要があった。
また、特許文献1の吸音板の取付構造は、I桁に吸音材を取付けるために吊部材、縦梁・横梁、ボルト・ナットを必要とし、取付けに要する部品点数が多くなっていた。その上、取付け構造が複雑であり、取付け作業時には吸音板を1枚ずつ位置決めしながら取付けているため、作業に手間がかかるという問題もあった。また、作業時には、広い設置空間と作業スペースが必要になっていた。
吸音板は、多数の面板によって構成されるため構造が複雑であると共に、この面板の加工に手間を要していた。さらに、内部に吸音材を設けているため、重量が重くなって取付け作業が難しくなるという問題に加えて、この吸音材は、雨水や車両から発生する排気ガスなどによって汚れたり劣化して吸音効果が減少するため交換しなければならず、このため、定期的にメンテナンスを行う必要があった。
一方、特許文献2におけるパネルの取付方法は、パネルを桁材に取付けるためのパネル支持材が必要になり、このパネル支持材を取付けるためのボルトも必要になっていた。パネル側には、パネル支持材を取付けるための取付溝を形成する必要があり、この取付溝内を取付ボルトが摺動するために加工精度を要していた。取付け時においては、パネルごとにパネル支持材を位置調整して取付けなければならず、作業に時間を要していた。
また、防音パネルは、細部の形状や具体的な防音機能が記載されておらず、このパネルによって大きな防音効果が期待できるものではない。
本考案は、上記従来の課題に鑑みて鋭意研究の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、高架橋に発生する騒音を効果的に遮音して高い遮音効果を発揮することができ、部品点数が増えることなく全体をコンパクト化し、簡単な取付け構造でありながら、既存の高架橋にも容易に高い遮音性を発揮させながら取付けることができ、しかも、メンテナンスや交換を定期的に行う必要のない高架橋の遮音構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る考案は、高架橋の裏面側に適宜の間隔で複数の横梁を略平行に取付け、この横梁の間に遮音性を有する長尺状の遮音部材を順次挟持して略平面状に構成し、遮音部材は、一枚の薄板を所定の角度で曲折して音源側を開口させた多面体からなり、音源より入った音波を多面体により互いに干渉させて騒音を低減させるようにした高架橋の遮音構造である。
請求項2に係る考案は、横梁は、H形鋼を用い、このH形鋼のフランジ間に遮音部材の両端部に形成した挟持部を挟持させて遮音部材を固着した高架橋の遮音構造である。
請求項3に係る考案は、挟持部は、遮音部材の両端に切欠部を設けることで形成され、この切欠部によって挟持部をH形鋼のフランジ間に挿入可能な幅に設け、この挟持部をフランジ間に挿入して挟着した高架橋の遮音構造である。
請求項4に係る考案は、遮音部材の各曲折部の曲折角度を142°に曲折して多面体を構成した高架橋の遮音構造である。
請求項5に係る考案は、高架橋と横梁の間に、適宜の厚さに設けたエラストマー等の弾性体を配設し、この上から鋼板等の保持部材で覆って弾性体を保持した高架橋の遮音構造である。
請求項1に係る考案によると、高架橋の下方側から発生する騒音はもとより、この高架橋上を走行する車両等の騒音も効果的に遮音することで高い遮音効果を発揮でき、部品点数が増加することなく全体をコンパクト化し、簡単な構造でありながら、既存の高架橋にも容易に高い遮音性を発揮させて取付けることができ、しかも、メンテナンスや交換を定期的に行う必要の無い高架橋の遮音構造である。
請求項2及び3に係る考案によると、横梁に対して簡単に遮音部材を取り付けて遮音構造を構成することができ、しかも、H形鋼の長さを変えることによって取付ける遮音部材を増減して異なる橋幅にも対応させることができる。更に、遮音部材の挟持部の幅をその場で変更することができるため、H形鋼のフランジ間の寸法が変わった場合でも挟持部の寸法を調節し、H形鋼に対して遮音部材を確実に装着することができる高架橋の遮音構造である。
請求項4に係る考案によると、最も効果的に騒音を低減することができ、高い遮音性を発揮できる高架橋の遮音構造である。しかも、簡単に形成でき、吸音材を用いることもないため材料費や加工費などのコストを削減することもできる高架道路の遮音構造である。
請求項5に係る考案によると、特に、高架橋を走行する車両等から発生する騒音を減少させることができ、高速道路などに設けられる道路の継ぎ目などによる段差を車両が走行する際に効果を発揮して、床板に直に伝わる衝撃や騒音を吸収し、床板裏面側への音抜けを防止できる高架橋の遮音構造である。
本考案における高架橋の遮音構造の好ましい実施形態を図面に従って説明する。
図1において、高架橋1は、例えば、高速道路等の高架道路であり、自動車等の車両が走行するコンクリート床板2と、この床板2を含む高架橋1全体を地面から高い位置に支承するための橋脚3を有している。
高架橋1の裏面側には、図2及び3に示すように、複数の横梁30を、本実施形態においては、約2000mmの間隔で道路に対して交差する向きに略平行に取付け、この横梁30の間に遮音性を有する長尺状の遮音部材11を取付けている。横梁30の間隔は、使用する遮音部材11の長尺方向の長さによって適宜に変更してもよく、また、本例における横梁30は、H形鋼を用いており、このH形鋼30のフランジ31部分を床板2に対して、例えば、図示しない固着ボルト等の固着手段で固着している。
図6のように、遮音部材11は、横梁30、30の間に順次挟持させるようにし、この遮音部材11を並設して略平面状の遮音部10を構成している。遮音部材11を挟持する際には、H形鋼30のフランジ31、31間に遮音部材11の両端部に形成した後述する挟持部13を挟持させて固着するようにしている。又は、H形鋼30の代わりに隣接する遮音部材11、11を接続可能であって、且つ、遮音部材11の落下を防止する構造によって図示しない接続部材を設け、この接続部材により遮音部材11、11を接続すれば、軽量化を図ることができる。
遮音部材11は、例えば、アルミを材料として長尺状の一枚の薄板を形成し、これをプレス加工によって成形加工して長尺状の多面体形状に構成している。プレス加工によって形成される各曲折部15の曲折角度は、それぞれ142°であり、これにより、図2、図7に示される面部12a、12b、12c、12d、12e、12fを有する多面体12が構成される。遮音部材11の成形加工時には、この遮音部材11を構成する鋼板の厚さを約1.8mm、長さをH形鋼30の間隔である2000mmに形成している。また、曲折部15を形成した後の開口部位の幅は200〜500mmにより形成し、高さは127〜265mmの範囲の適宜の寸法に設ける。
図2及び図3に示すように、遮音部材11の一端側には長さ方向に適宜数の連通孔11aを設け、この連通孔11aにリベット等の固着具40を介して係止部材41を取付けている。係止部材41は、断面略W形状に形成しており、遮音部材11への取付け後に、下方側から吸音部材42を支承可能な係止部41aを曲折して設けている。また、係止部材41の長尺方向の長さは、遮音部材11と略同じに設けている。
吸音部材42は、一端側を係止部41aの上方側から載置するように取付け、他端側を面部12fとの間に挟着した状態でこの他端側を図示しないボルト等の適宜の固着手段で固着している。これにより、吸音部材42は、遮音部材11の開口部側を被覆するように取付けられている。
吸音部材42は、例えば、シリコン系ゴム、及び撥水ガラス・クロスを組み合わせて設けており、遮音部材11に対して騒音が反射したときに、この反射音を吸音して反射音として外部に漏れるのを防ぎ、騒音を最小に抑えることができる。また、吸音部材42は、これ以外の各種の材料によって形成することができる。吸音部材42は、例えば、6〜20mmまでの適宜の厚さに設けることが望ましいが、これ以外にも、発生する騒音の大きさや騒音の進入角度の傾向などによって適宜の厚さに設けることもできる。一方、反射音が少ない場合には、吸音部材を省略することもできる。
図5、図7に示すように、遮音部材11の両端部には挟持部13を形成している。この挟持部13は、遮音部材11の両端に切欠部14を設けることによって形成され、この切欠部14は、挟持部13の幅WがH形鋼30のフランジ31、31間の幅Wよりもやや小さくなるように長さLによって切欠き、切欠部14によって挟持部13をH形鋼30のフランジ31、31間に挿入可能な幅に設けている。
一方、切欠部14の長尺方向の長さLは、フランジ31に挟持部13を取付け可能な長さに設定すればよいが、望ましくは若干の余裕を持たせるようにするとよい。これにより、平行に並べたH形鋼30、30の間隔に寸法誤差があったとしても、この誤差を吸収して遮音部材11を確実に取付けできる。また、切欠部14により、遮音部材11を取付けた後に長さ方向の位置決めがなされ、H形鋼30に対してぐらつくのを防止することができる。
遮音部材11の取付け時には、両端の挟持部13、13をそれぞれフランジ31、31間に挿入して挟持させるようにし、この遮音部材11をH形鋼30、30間に順次挟持して高架橋1の幅等に応じた幅寸法の遮音部10を構成する。取付け後の遮音部材11は、挟持部13がフランジ31、31間に挟着されることでH形鋼30に対して上下方向に位置決めされる。
また、遮音部材11を並設したときに、図2のように左右の遮音部材11、11の曲折部15、15が当接し合うことで、水平方向の位置決めがなされる。このように、各遮音部材11は、H形鋼30に対して上下左右方向に位置決めされた状態で取り付けられ、高架橋1の裏面側に遮音部10が平面状に構成される。
遮音部材11は、多面体12の開口側を音源側に向けて取付けることで、音源より入った音波を多面体12の面部12a、12b、12c、12d、12e、12fにより互いに干渉させて騒音を低減させるようにしている。
遮音部材11の一端側には、長尺方向に沿って曲折部15の曲折方向と反対向きに曲折して曲部16を形成している。この曲部16には、図2のように遮音部材11を左右に並設したときに他の遮音部材11の係止部材41が当接することにより、隣接する遮音部材11、11によって生じる開口部分を塞いでいる。
曲部16と隣接する遮音部材11の面部12aとの間には、図3のように、エラストマー等の弾性部材17を装入するのが望ましい。この場合、弾性部材17は、曲折部15と曲部16との間に装入可能な断面形状に形成し、遮音部材11の長さに合わせて長尺状に形成するか、又は、短く形成して適宜の間隔で装入するのがよい。
また、曲部16は省略することもでき、この場合には、曲部16の代わりに図示しないキャップを設け、このキャップによって左右の遮音部材11、11の開口部位を被蓋するとよい。
また、曲折部15、15の間には、図示しない弾性体からなる緩衝材を介在させるようにしてもよく、この場合、左右の遮音部材11、11がこの緩衝材を介して寸法誤差を吸収した状態でより確実に位置決め固定される。
さらに、図7において、遮音部材11の取付け方向における左右端部付近の適宜位置に貫通孔19、19を形成してもよく、この貫通孔19、19に図のような連結紐状材20を挿通してもよい。連結紐状材20は、細状のカーボンを設け、このカーボン材をより合わせることでワイヤー状に形成することによって形成すればよい。
連結紐状材20を挿通する場合には、一端側の遮音部材11から他端側の遮音部材11までの各貫通孔19を続けて通し、また、連結紐状材20に予め図に示すような拡径部20aを形成しておくことにより、この連結紐状材20の抜けを防ぎながら張設した状態で取付けることができ、連結紐状材20によって並設した遮音部材11を一体に保持することができる。
また、遮音部材の貫通孔19、19の間にパイプ部材21を介在した状態で固着してもよく、この場合、連結紐状材20を一方の貫通孔19から挿入したときに、このパイプ部材21がガイドの役割を果たして他方の貫通孔19から容易に連結紐状材20を挿通することができる。
さらに、図示しないが、パイプ部材を、並設する遮音部材11全体の長さと同じ長さに設けておき、遮音部材11に対してこのパイプ部材を一度に取付けるようにしてもよい。これにより、一端側の遮音部材11の貫通孔19から他端側の遮音部材11の貫通孔19まで連結紐状材20を一度に通すことができ、より簡単に連結紐状体20の挿通を行うことができる。
さらには、並設した遮音部材11の貫通孔19に連結紐状材20を通した後に、この連結紐状材20をH形鋼30を跨ぐようにして、隣接する並設した遮音部材11の貫通孔19に通して、連結紐状材20を略U字状の状態で張設した状態で端部の抜けを防止するようにすれば、1本の連結紐状材20で2ヶ所の並設した遮音部材11の保持を行うことができ、取付け作業の簡略化が図れる。
さらに、図7のように、遮音部材11の両端部に、スポット溶接等の手段により塞板18を固着し、塞板18によって挟持部13の端部側を塞ぐようにしてもよく、この場合、端部側からの音漏れを防ぐことができる。また、塞板18を固着した場合、遮音部材11の両端が補強されることにより歪むのを防ぐことができる。
遮音部材11は、多面体形状であれば上記の形状以外に設けることもでき、例えば、H形鋼30の間隔に対応させるように長さを変更したり、或は、強度を増すために厚さを変更したり、又は、幅や高さを変更することもできる。また、加工手段としては、プレス成形以外にも、押出し成形、或は引抜き成形等の別の成形手段で加工してもよい。
また、遮音部材11は、切欠部14を形成することによって挟持部13を形成するようにしているため、この切欠部14の切欠き寸法を変更することにより挟持部13の寸法を変えることができる。挟持部13の寸法を変更できることにより、例えば、フランジ31の長さの異なるH形鋼30にも取付けが可能になる。挟持部は、H形鋼30のフランジ31、31の間に挟持できる形状であれば、切欠部14を設ける以外の手段によって形成してもよく、この形成手段が上記に限定されることはない。
遮音部材11は、挟持部13以外の部分を音源側に張り出させることもでき、図2において、面部12a、12f側を延設して遮音部位を全体に大きく形成することもできる。
また、遮音部材11は、アルミを材料として用いているが、アルミ以外の金属材料によって鋼板を形成したり、又は、樹脂材料等を用いるようにしてもよい。例えば、塩化ビニール等のプラスチックを材料と用いれば、軽量化を図ることができる。また、この場合、特に透明や半透明のプラスチックを用いることで視認性を向上させることができ、周囲の眺望をよくすることができると共に、この遮音部材を通して採光することもできる。
また、本例においては、横梁30として、汎用的であるという理由からH形鋼を用いているが、この横梁30は、H形鋼に拘ることなく挟持部13の形状に対応して適宜形成することができる。
図4においては、図2におけるA−A線端面を示しており、特に、床板2の端部2a付近を示したものである。一般に高架橋における床板2は、適宜の長さによってユニット化され、これを橋脚3の上で接続するようにしている。床板2は、気温の変化等によって伸縮する特性があり、特に、伸長した場合には破壊するおそれがあるため、図4のように、予め端部2a、2aを離間させた状態に施工している。
本実施形態においては、端部2a、2aを塞ぐようにエラストマー等の弾性体35を設け、さらにこの上から弾性体35を嵌め込み可能な薄板状の保持部材36により保持し、ボルトからなる取付部材37によってこれらを取付けている。取付部材37は、一方側を保持部材36の上から保持し、他方側を図示しない適宜の手段で保持するように取付け、弾性体35と保持部材36によって端部2a、2aの間に生じる隙間を被蓋している。これにより、この隙間から騒音が抜けるのを防ぐことができ、高い防音効果を発揮することができる。
本例においては、弾性体35の厚さを約6mmとし、この弾性体35の上から、厚さ約2mmのスーパーダイマ鋼板(登録商標)を保持部材36として用いて保持しているが、これらはこれ以外の適宜の形態にも設けることができる。スーパーダイマ鋼板は、アルミニウム、マグネシウム、シリコンを含んだ溶融亜鉛めっきを施した鋼板であり、特に、この鋼板を用いた場合には、耐食性と加工性に優れた特性を発揮することができる。保持部材36は、これ以外の種類の鋼板や、或は他の形態の保持部材であってもよく、例えば、図示しない網材を保持部材として用いるようにしてもよい。
次に、本考案の高架橋の遮音構造における上記の実施形態の作用を説明する。
本考案の高架橋の遮音構造は、裏面側に適宜の間隔で複数の横梁30を略平行に取付け、この横梁30の間に遮音性を有する長尺状の遮音部材11を順次挟持して略平面状の遮音部10を設けており、一般道路側から騒音(音波)が発生すると、この音波は面状の遮音部10まで到達する。
遮音部10を構成する各遮音部材11は、一枚の薄板を所定の角度で曲折して音源側を開口させた多面体12によって構成しているので、図8のように、遮音部材11の方向に騒音である音波が進むと、この音波は、多面体12を構成している面部12a、12b、12c、12d、12e、12f側に進む。各面部12a、12b、12c、12d、12e、12fに到達した音波は、この面部12a、12b、12c、12d、12e、12fによって反射するが、各面部12a、12b、12c、12d、12e、12fには曲折部15によって角度が設けられているため、矢印に示すように、遮音部材11の断面略中央付近に集束するように集まり、集まった音波を互いに干渉させて打消し合わせることができ、これにより遮音効果が発揮される。特に、曲げ角度を142°で形成しているため、高周波・低周波の騒音を効果的に打ち消すことができる。
一方、高架橋(高架道路)1側から騒音が発生すると、この騒音は防音壁4によって消音されるが、騒音の一部は、防音壁4の外表面を伝わって外に漏れようとする。しかし、この騒音が高架橋1の外表面から裏面側まで到達したときに、この伝達した音波を各遮音部材11の開口部側から進入させて、高架橋の下方側から発生する騒音を遮音する場合と同様に、遮音部材11の断面中央付近に集束させて打ち消すことができる。
このように、遮音部材11を、面部12a、12b、12c、12d、12e、12fを設けた多面体12によって構成していることにより、一般道路側からの騒音に加えて高架橋を走行する車両等の騒音を低減でき、しかも、多重回折、音波の干渉、及び反射音の封じ込め等の原理を応用した多面体12を用いて互いに音波を干渉させることにより、効果的に騒音を低減して高い遮音効果を発揮することができる。
このため、高架橋1側の騒音に対して、防音壁の高さをアップしたり、別の防音部位を設けたりすることなく確実に騒音を低減することできる。
遮音部材11の取付け時においては、床板2の裏面側にH形鋼30を取付け、このH形鋼30のフランジ31、31間に挟持部13を挟持するだけで取付けることができるため、取付けに要する部品点数を少なくでき、簡単な取付け構造によって設けることができる。しかも、H形鋼30に対してフランジ31側から横方向にスライドさせるようにして遮音部材11を取付ければよいため、広い作業スペースを必要とすることなく容易に取付け作業を行うことができる。
遮音部材11の取付け後には、遮音部材11が平面状に並設されて遮音部10が設けられるため、全体をコンパクトにできる。
遮音部材11は、プレス成形や押出し、又は引抜き成形によって加工できるため、複雑な加工を要することなく安価に大量生産することができる。しかも、成形時に長さ方向の寸法を任意に変更できるため、H形鋼30の取付け間隔の変更に対応することができる。
さらに、遮音部材11を曲折部15によって断面略半円形状に設けているため、遮音性を向上させつつ小型化でき、騒音の発生側である車道側に殆ど突出させることなく設けて省スペース化を実現できる。
また、グラスウール等の吸音材を使用していないため、重量を軽くでき作業性の向上を図れ、雨水や排気ガスなどによって汚れたり劣化したりするおそれもなく、メンテナンス等を必要とすることなく高い遮音性能を長期に渡って維持することができる。さらに、遮音部材11が破損した場合においては、産業廃棄物として処分することなく安価に処分でき、リサイクルも可能となる。
本考案における高架橋の遮音構造の一例を示した断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の一部拡大図である。 図2のA−A線端面拡大図である。 図2の側面図である。 図1の拡大底面図である。 遮音部材の要部を示した斜視図である。 遮音部材による遮音作用を示した原理説明図である。
符号の説明
1 高架橋
2 床板
11 遮音部材
12 多面体
13 挟持部
14 切欠部
15 曲折部
30 H形鋼(横梁)
31 フランジ
35 弾性体
36 保持部材
42 吸音部材

Claims (5)

  1. 高架橋の裏面側に適宜の間隔で複数の横梁を略平行に取付け、この横梁の間に遮音性を有する長尺状の遮音部材を順次挟持して略平面状に構成し、前記遮音部材は、一枚の薄板を所定の角度で曲折して音源側を開口させた多面体からなり、音源より入った音波を前記多面体により互いに干渉させて騒音を低減させるようにしたことを特徴とする高架橋の遮音構造。
  2. 前記横梁は、H形鋼を用い、このH形鋼のフランジ間に遮音部材の両端部に形成した挟持部を挟持させて前記遮音部材を固着した請求項1記載の高架橋の遮音構造。
  3. 前記挟持部は、前記遮音部材の両端に切欠部を設けることで形成され、この切欠部によって前記挟持部を前記H形鋼のフランジ間に挿入可能な幅に設け、この挟持部を前記フランジ間に挿入して挟着した請求項2記載の高架橋の遮音構造。
  4. 前記遮音部材の各曲折部の曲折角度を142°に曲折して前記多面体を構成した請求項1乃至3の何れか1項に記載の高架橋の遮音構造。
  5. 前記高架橋と横梁の間に、適宜の厚さに設けたエラストマー等の弾性体を配設し、この上から鋼板等の保持部材で覆って前記弾性体を保持した請求項1乃至4の何れか1項に記載の高架橋の遮音構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017110476A (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 東日本高速道路株式会社 高架構造物の消音方法および消音構造

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