JP4375768B2 - 食器洗浄機用ブースター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給された水を加熱して高温の湯として溜め、その湯を食器洗浄機に供給するサイクルを短時間間隔で行う貯蔵湯沸器タイプの食器洗浄機用ブースターに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の食器洗浄機用ブースターは、例えば図12、図13に示すように、上側に箱型の本体である貯蔵湯沸部1を設けており、その底板2の略中央から前後方向(図12の左右方向)に向けた両端近傍までの領域において底板2から内部に向けて膨出した断面が変形六角形状の突出部3を設けている。この突出部3の上壁3aには、上方に向けて突出した排気筒4を設けており、さらに突出部3の対向する側壁3b,3c間には、両側壁間を連通させるフィンチューブタイプの熱交換器5がわずかに上方に傾斜して配設されている。貯蔵湯沸部1の熱交換器5の傾斜下方側には、底板2を貫通して外部に突出する出湯管6が設けられている。また、突出部3の下方には、ガス燃焼装置7が設けられており、熱交換器5を加熱するようになっている。
【0003】
この食器洗浄機用ブースターは、貯蔵湯沸部1の下方から突出部3上部に延びた給水管8の給水口を通して貯蔵湯沸部1内に供給された水を含めた貯蔵湯沸部1内の湯を、傾斜した熱交換器5を通過させて加熱し、加熱された湯を貯蔵すると共に、出湯管6を通して食器洗浄機に排出できるようになっている。そして、上記排気筒4には、図12、図13に示すように、突出端に排気ダクト9が連結されて貯蔵湯沸部1の背面側に延出されており、さらに排気ダクト9は垂直壁面Bに沿って水平に延設され、所定の位置で上方に延ばされて垂直壁面Bを貫通して外部に引き出されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の食器洗浄機用ブースターでは、貯蔵湯沸部1と排気筒4が固定されているため、厨房等において、トッププレートTの下の狭いスペース内に食器洗浄機用ブースターを設置し、さらに排気ダクト9を取り付ける場合に、周囲のトッププレート、排気フード等に対して位置調整を行いつつ設置する作業が煩雑であった。また、食器洗浄機用ブースターの保守点検時においても、本体をトッププレートTから前方に引き出すことが困難なため、点検作業に非常な手間を要していた。
本発明は、上記課題を解決しようとするもので、トッププレートの下等の限られたスペースに設置する場合の作業性がよく、また保守点検を容易に行うことができる食器洗浄機用ブースターを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、バーナを有する燃焼室と、バーナの燃焼熱を熱交換して水を加熱する熱交換器と、加熱された湯を貯蔵する貯湯タンクと、貯湯タンクを貫通して燃焼室から上方に向けて突出した排気筒を設けた食器洗浄機用ブースターにおいて、排気筒の突出端部に一端側にて接続されて本体の上方を水平に延びる扁平な筒状の水平排気ダクトと、排気筒に対して水平排気ダクトを本体の前後方向に移動可能なように連結支持する連結支持部材と、水平排気ダクトの他端側に連結されて垂直上方に延びる垂直排気ダクトとを設けたことにある。
【0006】
上記のように請求項1に係る発明を構成したことにより、水平排気ダクトが、連結部材によって本体の排気筒に対して前後方向に移動可能に連結されているため、厨房のトッププレートの下等の狭いスペースに食器洗浄機用ブースターを設置する場合に、本体を前後方向に移動させることにより位置調節できる。また、食器洗浄機用ブースターの保守点検の際にも、本体を前方に移動させて保守点検作業を行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の一実施形態を図面により説明する。図1〜図3は、同実施形態に係る業務用食器洗浄機の給湯ブースターである食器洗浄機用ブースターを正面図、右側面図及び平面図により示したものであり、図4〜図6は、それぞれ前面板、側板、上板を取り外した状態を正面図、右側面図及び平面図により示したものであり、また、図7はカバーを取り外した状態を正面図により示したものである。
【0008】
この食器洗浄機用ブースターは、縦長でかつ前後方向の寸法が左右方向の寸法の略2倍程度になっている直方体形状の器本体10を設けており、器本体10の底部において四隅に設けた脚部10aにより、厨房内のトッププレートTの下のスペース内において垂直壁Bに近接して床面Fに設置されるようになっている。器本体10は、上部が湯を生成貯留する本体である貯蔵湯沸部11で、下部がガス燃焼装置22を含んだ燃焼制御部21になっている。貯蔵湯沸部11は、前面板11a、左右側板11b,11c、背面板11d、上板11e及び底板11fに囲まれている。燃焼制御部21は、左右側板21b,21c、背面板21d及び底板21eに囲まれている。また、貯蔵湯沸部11及び燃焼制御部21の前面には、配管等を覆うための前面カバー12が取り付けられている。
【0009】
貯蔵湯沸部11の内部は、図4〜図6に示すように、底板11fが左右の略中間位置を中心として所定の長方形領域(図示しない)がくり抜かれている。この長方形領域は、前面板11a及び背面板11dとの間に所定の距離を隔てており、また、左側板11bに近接すると共に、右側板11cに対して所定距離を隔てた形状になっている。そして、この長方形領域のくりぬき部分には、前面視で変形六角柱状の突出部13が立設されており、突出部13の内部が燃焼室及び加熱空間Rkになっており、その底部で燃焼制御部21に連通している。
【0010】
突出部13は、上面板13aが水平面になっており、右側面側が下部では底板11fにつながり、上部では上面板13aにつながっている。また、同様に左側では左側面側が底板11fにつながり、上面板13aにつながっている。また、突出部13の前後側は、前板13d及び後板13eにより封鎖されている。突出部13には、前後方向に等間隔で6ヶ所に、左右に延びる6本のフィンチューブ型の熱交換器14が前記左右側面を貫通する形で設けられている。熱交換器14は、右下面板13bと左上面板13cのそれぞれ上下略中間部分に取り付けられており、右側から左側に向けてわずかに左上がりに傾斜しており、貯蔵湯沸部11の内部の突出部13を挟む左右両側部分を連通させている。
【0011】
上面板13aの前後略中央位置には、加熱空間Rkに連通した排気筒16が、上方に垂直に延びて立設されており、その先端が上板11eの開口部11kのわずか下側に配置されている。突出部13右側の底板11fの後寄り位置には、出湯管17が板面を貫通して設けられており、その上端は熱交換器14の開口のわずか上方に位置し、下端は燃焼制御部21の底板21eを貫通して外部に突出して図示しない食器洗浄機のポンプに接続されるようになっている。また、出湯管17のわずかに前方には、水抜管18が開口しており、その下端は燃焼制御部21の底板21eを貫通して下方に突出している。さらに、突出部13の背後には、オーバーフロー管19が底板11fを貫通して立設されており、さらにその下端は燃焼制御部21の底板21eを貫通して下方に突出している。
【0012】
燃焼制御部21の内部は、図4及び図5に示すように、突出部13の底部開口に向けて、ガス燃焼装置22が配設されており、その右側にはガス燃焼装置22内部へエアを送るファン23が設けられている。燃焼制御部21の底部の前面右側において下方から延びたガス供給管24が設けられている。ガス供給管24は、右下側から上方に延び、上端で曲げられて左下に向けて延び、ガス燃焼装置22内部のバーナ22aに接続されている。また、燃焼制御部21の底部の左側面21b側において、給水管25が、下方から延びて配設されている。
【0013】
給水管25は、図4〜図7に示すように、前面板11aに沿って上方に延び、前面板11aの下端近傍位置で左右方向中間位置に向けて曲げられて前面板11aの上端近傍位置まで延びており、さらに上端近傍位置で前面板11aを貫通して貯蔵湯沸部11内部に導入されている。貯蔵湯沸部11内部に延出された給水管25は、図4、図6に示すように、前面板11a近傍位置で左方向に直角に折り曲げられており、突出部13に設けた熱交換器14の傾斜上端側開口の上部にてさらに下方に向けて折り曲げられてわずかに突出した給水口25aを設けている。
【0014】
給水管25の給水口25aと熱交換器14の開口との間には、サーミスタ26が前面板11aに固定されて貯蔵湯沸部11内に突出している。また、前面板11aには、貯蔵湯沸部11内の湯面がオーバーフロー状態になったことを検出するオーバーフロースイッチ27、貯蔵湯沸部11内の水位を検出する水位スイッチ28、及びガス燃焼装置22の空焚きを防止する空焚き防止スイッチ29が取り付けられて、貯蔵湯沸部11内の所定位置に配設されている。その他、前面板11aには、操作パネル31及び電気駆動制御装置32が設けられている。これら、サーミスタ26、オーバーフロースイッチ27、水位スイッチ28、空焚き防止スイッチ29、操作パネル31等は、ガス燃焼装置22を含めて電気駆動制御装置32に接続されている。また、これら給水管25、サーミスタ26、オーバーフロースイッチ27、水位スイッチ28、空焚き防止スイッチ29、操作パネル31及び電気駆動制御装置32は、前面カバー12によって被覆されている。
【0015】
そして、上板11eに対してわずか内部に配置された排気筒16の先端には、連結部材40を介して水平排気ダクト50が取り付けられている。連結部材40は、図8、図9に示すように、平面形状が略正方形になっており、互いに重ね合わされる排気ダクト支持部41と、排気ダクト固定部44とにより構成されている。排気ダクト支持部41は、排気筒16のわずかに拡径された端部16aの内面に挿着され溶接等により固定される筒部42と、筒部42の軸方向略中間位置にて外周面に取り付けられた径方向に広がる四角形フランジ形状の支持板部43とを設けている。
【0016】
支持板部43は、筒部42を囲む周囲が器本体10の前後方向に長く、左右方向に短くかつ深さの浅い長方形の凹部43aになっており、凹部43aの周囲が平坦なフランジ部43bになっている。凹部43a内には、その深さよりわずかに径の大きい四角形環状のOリング46が装着されている。排気ダクト固定部44は、長方形の金属板を略コの字型に折り曲げ加工したものであって、水平部44aと、水平部44aに対して垂直な一対の対向する垂直部44bと、さらに垂直部44bの端部にて直角に折り返されて水平部44aに平行に延びた取付部44cとを一体で設けている。
【0017】
水平排気ダクト50は、図2、図3に示すように、両端が閉鎖された偏平な四角筒形状であって、その断面形状は、上記排気ダクト固定部44の水平部44a及び一対の垂直部44bで囲まれた内側と略同一形状になっている。水平排気ダクト50は、一端側50a(前側端部)近傍位置にて、底板51に前後方向に延びた長方形の開口部51aを設けている。開口部51aは、前後方向長さが筒部42の径より長くなっており、左右方向の長さは筒部42の径と略同一になっている。水平排気ダクト50の他端側(後側端部)は、図10、図11に示すように、上板52側に開口を設けると共に開口から上方にわずかに突出した四角筒状の垂直突部53を一体で設けている。垂直突部53の左側壁には略長方形の係止凹部54を設けている。係止凹部54は、下端から上端に向けて内側に傾斜しており、壁面に対する垂直断面が楔形状の凹部になっている。
【0018】
水平排気ダクト50は、その開口部51aが排気筒16の先端に固定された連結部材40の筒部42を囲んで排気ダクト支持部41上に載置される。さらに、水平排気ダクト50に排気ダクト固定部44が被せられ、排気ダクト支持部41の支持板部43のフランジ部43bと排気ダクト固定部44の取付部44cとを合わせ、フランジ部43bと取付部44cに設けた取付孔(図示しない)にボルト47を螺着させることにより固定される。ここで、水平排気ダクト50の開口部51aは、前後方向長さが筒部42の径より長くなっているため、水平排気ダクト50に対して器本体10がスライドすることにより前後方向へ移動が可能になっている。また、水平排気ダクト50の底板51と連結部材40との間は、Oリング46によってシールされているので、器本体10の移動によっても連結部分のシール性は確保されておリ、排気ガスの洩れを防止できる。
【0019】
水平排気ダクト50の垂直突部53の外壁側には、垂直排気ダクト55が嵌合されてトッププレートTを突き抜けて上方に延びている。垂直排気ダクト55は、その下端にて上記垂直突部53の係止凹部54に対応する位置に係止凸部56を設けている。係止凸部56は、垂直排気ダクト55の下端近傍において係止凹部54に対応する長方形領域の左右辺及び上辺が切り込まれて、下辺を中心として内側にわずかに折り曲げて形成されており、下辺を中心として弾性変形が可能になっている。これにより、垂直排気ダクト55を上から水平排気ダクト50の突出部53の外壁側に嵌め込むことにより、係止凸部56が弾性変形して係止凹部54に係合し、さらに係止凸部56が元に戻ることにより係止凹部54に係止される。
【0020】
以上に説明したように、本実施形態によれば、水平排気ダクト50が、連結部材40によって器本体10の排気筒16に対して前後方向に移動可能に連結されているため、厨房のトッププレートTの下等の限られたスペース内に食器洗浄機用ブースターを設置する場合に、器本体10を前後方向に移動させて位置調節できるので、食器洗浄機用ブースターの設置を容易に行うことができ、設置作業の手間を軽減できる。また、食器洗浄機用ブースターの保守点検の際にも、器本体10を前方に引き出すことができるので、保守点検を容易に行うことができる。
【0021】
なお、上記食器洗浄機用ブースターの動作については、以下に示すように行われれる。貯蔵湯沸部11内に所定温度以上の湯が所定水位溜められた状態で、食器洗浄機のポンプにより湯が吸引されて所定水位以下になると、水位スイッチ28がこれを検出し、電気制御駆動装置32の制御により、給水管25が開放され、給水が行われる。ここで、給水管25の給水口25aは、突出部13に対して左側板11b側すなわち出湯管17の配設位置と反対側に配設されているため、給水管13から貯蔵湯沸部11内に供給された水が、出湯管17側に貯留された湯と直接混じることを避けることができ、出湯管17側の湯温度の低下を抑えることができる。さらに、サーミスタ26が、給水口25aの直下方向であって、かつ熱交換器14の傾斜上方開口側の近傍位置に設けたことにより、熱交換器14により加熱された湯温度を正確に検知できると共に、給水管25から給水されたことを短時間に検知することができ、いち早くガス燃焼装置22による加熱を開始することができる。
【0022】
このように、給水開始に応じて直ちにガス燃焼装置22の燃焼が開始され、出湯管17側の湯が左側面側に向けて左上がりに傾斜した熱交換器14内に流入し、熱交換器14において加熱されて左側面側から流出する。これにより、給水によって低下した湯温度を急速に高めることができる。その結果、出湯管17から食器洗浄機への湯の排出、給水管25からの給水、低下した湯の熱交換器14による加熱、のサイクルが1分程度の短時間内に繰返されても、出湯温を所定温度以上に安定して保つことができ、常に所望温度以上の湯を食器洗浄機に供給することができる。
【0023】
なお、上記各実施形態において、給水管25の開口位置及びサーミスタ26の位置については、これに限るものではない。その他、上記実施形態に示したものについては一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、厨房のトッププレートの下等の限られたスペースに食器洗浄機用ブースターを設置する場合に、本体を前後方向に移動させて位置調節できるので、食器洗浄機用ブースターの設置を容易に行うことができ、設置作業の手間を軽減できる。また、食器洗浄機用ブースターの保守点検の際にも、本体を前後に移動させることができるので、保守点検を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る食器洗浄機用ブースターを概略的に示す正面図である。
【図2】同食器洗浄機用ブースターを概略的に示す右側面図である。
【図3】同食器洗浄機用ブースターを概略的に示す平面図である。
【図4】同食器洗浄機用ブースターの前面板及び排気ダクトを除いた状態を概略的に示す正面図である。
【図5】同食器洗浄機用ブースターの右側板及び排気ダクトを除いた状態を概略的に示す側面図である。
【図6】同食器洗浄機用ブースターの上板及び排気ダクトを除いた状態を概略的に示す平面図である。
【図7】同食器洗浄機用ブースターの前面カバーを除いた状態を概略的に示す正面図である。
【図8】同食器洗浄機用ブースターの水平排気ダクトと排気筒との連結状態を詳細に示す図9のVIII−VIII線方向の断面図である。
【図9】同食器洗浄機用ブースターの水平排気ダクトと排気筒との連結状態を詳細に示す図8のIX−IX線方向の断面図である。
【図10】同食器洗浄機用ブースターの水平排気ダクトと垂直排気ダクトとの連結状態を詳細に示す右側面断面図である。
【図11】同食器洗浄機用ブースターの水平排気ダクトと垂直排気ダクトとの連結状態を詳細に示す図10のXI−XI線方向の断面図である。
【図12】従来例である食器洗浄機用ブースターの右側板を除いた状態を概略的に示す右側面図である。
【図13】同食器洗浄機用ブースターの前面板を除いた状態を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
10…器本体、11…貯蔵湯沸部、13…突出部、14…熱交換器、16…排気筒、17…出湯管、21…燃焼制御部、24…ガス供給管、25…給水管、26…サーミスタ、40…連結部材、41…排気ダクト支持部、44…排気ダクト固定部、46…Oリング、50…水平排気ダクト、51a…開口部、53…垂直突部、54…係止凹部、55…垂直排気ダクト、56…係止凸部。
Claims (1)
- バーナを有する燃焼室と、該バーナの燃焼熱を熱交換して水を加熱する熱交換器と、加熱された湯を貯蔵する貯湯タンクと、該貯湯タンクを貫通して前記燃焼室から上方に向けて突出した排気筒を設けた食器洗浄機用ブースターにおいて、
前記排気筒の突出端部に一端側にて接続されて前記本体の上方を水平に延びる扁平な筒状の水平排気ダクトと、前記排気筒に対して該水平排気ダクトを前記本体の前後方向に移動可能なように連結支持する連結支持部材と、前記水平排気ダクトの他端側に連結されて垂直上方に延びる垂直排気ダクトと
を設けたことを特徴とする食器洗浄機用ブースター。
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