以下、本願を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。以下に説明する実施の形態は、いわゆる、親機端末と子機端末とを含んで構成されるファクシミリ機能付きのコードレス親子電話機(以下、単に「コードレス親子電話機1」と称する。)に本願を適用したものである。なお、以下の説明においてファクシミリ機能については一般的な構成を適用するため説明を省略するものとする。
−通信装置の構成等−
まず、図1を参照してコードレス親子電話機の外観構成について説明する。図1はコードレス親子電話機の外観を示す斜視図である。
コードレス親子電話機1は、図1に示すように、ファクシミリ機能を有する親機端末10と、無線回線を用いて前記親機端末10と通信を行う子機端末20と、を含んで構成される。
親機端末10は、本体ケース10aを有し、当該本体ケース10aの上面には、ユーザの操作を受け付ける各種操作ボタン12と、各種情報を表示するための表示パネル13と、着脱可能に設けられる図示しない送受話器を載置する載置台と、が設けられ、その側面には、子機端末20と無線回線を用いて通信するためのアンテナ15が設けられている。操作ボタン12は、例えば、相手の電話番号などを指定するための0〜9までの番号を備えたテンキーボタン、留守番電話メッセージ等を再生するときに操作される再生ボタン、留守番電話メッセージや入力した電話番号等を消去するときに操作される消去ボタン、操作を途中で終了するときに操作される停止ボタン、表示パネル13に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン、及び入力した電話番号等を確定させるときに操作される確定ボタンなどを含んで構成される。
一方、子機端末20は、子機本体20aと、当該子機本体20aを着脱可能に載置する載置台25と、を含んで構成され、当該子機本体20aは、載置台25に載せることで充電可能になっている。
子機本体20aは、図1に示すように、本体ケースを有し、当該本体ケースの前面には、人の存否を検知する人体検知センサ(人感センサ31)と、着信した音声が再生される受話部16と、所定の情報を表示する表示パネル17と、数字キーなどを含み利用者が操作する操作ボタン18と、利用者の音声を受信するためのマイクを含む図示しない通話部と、が設けられている。
当該親機端末10と子機端末20とは、一般的に家庭で使用される場合には、それぞれが各部屋に設置されて使用されるものであり、回線を通じて入力される着信信号に基づいて識別される親機端末又は子機端末が呼出音を鳴動するようになっており、受話器を取ることによって、発呼側との回線が閉結されて通話可能な状態となる。
次に、図2を参照して、親機端末の内部構成について説明する。図2はコードレス親子電話機の概要構成例を示す図である。
図2に示すように、親機端末10は、ユーザからの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部40に対して与える入力部(操作ボタン18)32と、各種データ(例えば、識別情報、音声データ、又は設定時間)を記憶保存(格納)するための記憶部33と、所定の情報を表示する表示部(表示パネル13)34と、電話回線を使った接続を行う際に、電話回線とモデムやDSU(Digital Service Unit)などと接続して、他のファクシミリ装置との通信を確立する回線制御部(NCU)36と、ファクシミリデータを変復調するモデム35と、アンテナ15に接続され子機端末20との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線送受信部37と、スピーカから音を出力させるためのスピーカ部38と、経過時間をカウントするタイマー部41と、呼出音を鳴動させる鳴動部42と、各部を制御するCPU等からなる制御部40と、を含んで構成され、各部はバス45を介して相互に接続されている。また、NCU36には、モデム35、無線送受信部37、及び通話をするための送受話器43が接続されている。
記憶部33には、予め親機端末、又は当該親機端末と無線通信により各種信号を送受信可能な子機端末を識別するための識別情報が記憶され、前記制御部40の指示によって当該識別情報が読み出されるようになっている。また、予め自動応答処理する際の音声データが記憶され、前記制御部40の指示によって当該音声データが読み出されるようになっている。また、記憶部33には、回線を介して入力される着信信号に対して自動応答処理するまでの時間が設定された設定時間が記憶され、前記制御部40の指示によって当該設定時間が読み出されるようになっている。
なお、自動応答処理とは、親機端末10の制御部40が、所定の条件に基づいて、自動的に回線を閉結するとともに、当該閉結された回線に留守応答メッセージ(音声データ)を出力し、回線を通じて送られてくる音声情報を記憶部に記憶する留守応答処理をいうものである。
制御部40は、コンピュータとして、演算機能を有するCPU40a、作業用RAM40b、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM40c等を備えて構成されている。そして、CPU40aが、例えばROM40c等に記憶された制御プログラムを実行(制御アプリケーションを起動)することにより、コンピュータが本願の通信装置として機能するようになっている。この制御プログラムは、発呼側からの着信信号に基づいて親機端末10の制御部40が行う処理プログラムである。
また、当該制御部40は、記憶部33に記憶されている識別情報に基づいて、モデム35を介して入力される着信信号に含まれる識別情報を検索する検索手段、当該検索された識別情報に対応づけられる子機に対して鳴動指示を出力する出力手段、呼出音を鳴動する鳴動手段、閉結された回線に音声データを出力する再生手段等として機能するようになっている。
そして、制御部40は、例えば、記憶部33に記憶されている識別情報に基づいて、入力される着信信号に含まれる識別情報を検索し、検索された識別情報に対応づけられる子機に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する。そして、人の検知がされないと、フラグ1が制御部40に出力される。この出力信号に基づいて、制御部40は、回線制御部36を制御し、回線を閉結させ、自動応答処理を行う。また、この出力信号に基づいて、制御部40は、鳴動部42を制御し、呼出音を鳴動させる。
また、制御部40は、検索された識別情報に対応づけられる子機端末20に対して鳴動指令を出力後、所定の時間経過後に、回線が閉結されていないことを条件に、鳴動部42を制御し、呼出音を鳴動させる。
次に、図2を参照して、子機端末の内部構成について説明する。
図2に示すように、子機端末20は、子機端末20周辺の人の存否を検知する人体検知センサ(人感センサ31)と、呼出音を鳴動させる鳴動部73と、各種データを書き換え可能に記憶するための記憶部74と、バッテリー67に接続されこのバッテリー67を充電するための充電回路75と、アンテナに接続され親機10との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線送受信部76と、スピーカから音を出力させるためのスピーカ部(受話部16)77と、所定の情報を表示する表示部(表示パネル17)78と、ユーザからの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部に対して与える入力部(例えば、操作ボタン18等)79と、各部を制御するCPU等からなる制御部70と、それらを相互に接続するシステムバス80とを備えている。
また、充電回路75には、図示しないが、充電台を介して外部の電源が接続可能なように構成されている。
制御部70は、コンピュータとして、演算機能を有するCPU70a、作業用RAM70c、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM70b等を備えて構成されている。そして、CPU70aが、例えばROM70b等に記憶された制御プログラムを実行(制御アプリケーションを起動)することにより、コンピュータが本願の通信装置として機能するようになっている。この制御プログラムは、発呼側からの着信信号に基づいて子機端末20の制御部40が行う処理プログラムである。
また、当該制御部70は、親機端末10からの指示に基づいて人感センサ31により人の存否を判断する判断手段、人が検知されたことを条件に呼出音を鳴らす鳴動指令を鳴動部73に出力する子機鳴動手段、人の存否を判断した結果を親機端末10に出力する出力(報告)手段等として機能するようになっている。なお、人感センサ31については、詳しい説明を省略するが、人感センサ31の検知領域に人等が入ると、人感センサ31は人等の発する赤外線を感知して、検知信号であるフラグを制御部40に出力するものである。
そして、制御部70は、例えば、人の存否を人感センサ31により判断し、その判断の結果、人が検知されたことを条件に呼出音を鳴らす鳴動指令を鳴動部73に出力するようになっている。また、制御部70は、判断の結果を親機端末10に出力するようになっている。また、制御部70は、呼出音を鳴動しても持ち主が応答しない(受話器を取らない)場合には、その旨を親機端末10に出力するようになっている。
このように構成されたコードレス親子電話機1において、親機10は、電話回線100を介して外部の相手側通信端末との間で外線通話が可能であるとともに、子機50との間で内線通話が可能である。
−通信装置の動作−
次に、図3を参照して、コードレス親子電話機の動作例について説明する。図3はコードレス親子電話機の動作例を示すフローチャート図である。また、以下の説明において、コードレス親子電話機は、親機端末10と、2つの子機端末20と、を備えているものとして説明を行うものとし、一方の子機端末は子機端末1、他方の子機端末は子機端末2として説明する。そして、コードレス親子電話機1は、当該親機端末10及び2つの子機20のすべてに対応する識別番号を含む電話番号、それぞれの子機端末20に対応する識別番号を含む電話番号をもっており、発呼側からの着信信号に基づいて当該電話番号に含まれる識別番号を特定し、当該識別番号に対応する親機端末10又は子機端末20のそれぞれに着信するようになっている。また、本実施例において、親機端末10の記憶部33には、識別情報としての電話帳データベースを備えており、当該電話帳には、相手先名称とその識別番号としての電話番号とともに、その相手先名称及び電話番号毎に、鳴動対象となる子機端末1、子機端末2、又は親機端末10のそれぞれが選択情報として関連付けられて記憶されているものとする。なお、以下の説明において、理解し易いように、図1に対応する部分に符号を付することとするがこれにより実施形態が限定されるものではない。
はじめに、図3に示す処理は、発呼側から通信回線100を介して入力される着信信号を親機端末10のモデム35が受信した後、実行される処理である。
まず、親機端末10の制御部40は、記憶部33に記憶されている識別情報(電話帳)の中を、発呼側から入力される識別番号(電話番号)が含まれるか否かを検索する。この検索の結果、識別番号が含まれていた場合に、当該識別番号がどの子機端末20を鳴動させるか(対応するのか)を電話帳の電話番号と共に記憶される選択情報に応じて判断する(ステップS101)。
この判断の結果、鳴動対象として子機端末1が選択されている場合(図中「A」の場合)には、親機端末10の制御部40は、子機端末1に対して人感センサ31を起動させる旨のセンサ起動指令を出力する。このセンサ起動指令によって、子機端末1の制御部70は、人感センサ31を起動させる。当該人感センサ31は、人の検知の有無に基づき、フラグを制御部70に出力する。ここで、人感センサ31は、例えば起動によって、人を検知しない場合には、制御部70にフラグ「1」を出力し、人を検知した場合には、制御部70にフラグ「2」を出力する。
子機端末1の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグに基づいて周囲に人がいるか否かを検知し(ステップS102)、当該検知の結果を親機端末10に出力する。
次いで、親機端末10の制御部40は、当該子機端末1から取得した結果に基づいて、人が検知された場合には(ステップS102:YES)、当該子機端末1に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する。子機端末1の制御部70は、鳴動部73に当該鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS103)。
次いで、子機端末1の制御部70は、受話器が取られた(オフフック)か否かを判断する(ステップS104)。この判断の結果、子機端末1の受話器が取られた場合(ステップS104:YES)には、親機端末10の制御部40にその旨が出力され、親機端末10の制御部40は、回線制御部36によって回線を閉結(通話可能状態)し(ステップS105)、処理を終了する。
一方、子機端末1の制御部70は、ステップS102の判断の結果、人が検知されない場合(ステップS102:NO)、若しくはステップS104の判断の結果、子機端末1の受話器が取られない場合(ステップS104:NO)には、親機端末10にその旨の情報を出力する。親機端末10の制御部40は、子機端末1から受け取った情報に基づいて、鳴動部42に鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS106)。そして、呼出音を鳴動させている間、前記親機端末10の受話器が取られて回線制御部36によって回線が閉結されるまで所定の時間待機させる(ステップS107)。そして、所定の時間経過後、回線が閉結されない場合には、回線制御部36に回線を閉結させ、予め記憶部33に記憶されている音声データを読み出し、該閉結された回線に前記音声データを出力し、発呼側からのメッセージの録音を行い(ステップS108)、処理を終了する。なお、上記において、受話器が取られなかった場合に、親機端末10に回線を閉結するように制御したが、子機端末20で受話器が取られなかった場合には、所定の時間、鳴動させても受話器が取られない場合は、回線を切断してもよく、また、子機端末に留守録機能を備えるものであれば、回線を閉結させ、子機端末20にメッセージの録音をさせてもよい。
また、親機端末10の制御部40は、ステップS101の判断の結果、子機端末2が選択されている場合(図中「C」の場合)には、子機端末2に対して人感センサ31を起動させる旨のセンサ起動指令を出力する。このセンサ起動指令によって、子機端末2の制御部70は、人感センサ31を起動させる。当該人感センサ31は、人の検知の有無に基づき、フラグを制御部70に出力する。
子機端末2の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグに基づいて周囲に人がいるか否かを判断し(ステップS109)、当該判断の結果を親機端末10に出力する。
次いで、親機端末10の制御部40は、当該子機端末1から入力された判断の結果に基づいて、人が検知された場合に(ステップS109:YES)、当該子機端末2に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する。子機端末2の制御部70は、当該鳴動指令に基づいて、鳴動部73に呼出音を鳴動させる(ステップS110)。
次いで、子機端末2の制御部70は、受話器が取られたか否かを判断する(ステップS111)。この判断の結果、子機端末2の受話器が取られた場合(ステップS111:YES)には、親機端末10の制御部40にその旨が出力され、親機端末10の制御部40は、回線制御部36によって回線を閉結(通話可能状態)させ(ステップS112)、処理を終了する。
一方、子機端末2の制御部70は、ステップS109の判断の結果、人が検知されない場合(ステップS109:NO)、若しくはステップS111の判断の結果、子機端末2の受話器が取られない場合(ステップS111:NO)には、親機端末10にその旨の情報を出力する。親機端末10の制御部40は、子機端末2から受け取った情報に基づいて鳴動部42に鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS106)。呼出音を鳴動させている間、前記親機端末10の受話器が取られて回線制御部36によって回線が閉結されるまで所定の時間待機させる(ステップS107)。所定の時間経過後、回線が閉結されない場合には、回線制御部36に回線を閉結させ、予め記憶部33に記憶されている音声データを読み出し、該閉結された回線に前記音声データを出力し、発呼側からのメッセージの録音を行い(ステップS108)、処理を終了する。
また、親機端末10の制御部40は、ステップS101の検索の結果、親機端末10、子機端末1、及び子機端末2に対応すると判断した場合(図中「B」の場合)には、子機端末1及び2に対して人感センサ31を起動させる旨のセンサ起動指令を出力する。このセンサ起動指令によって、子機端末1及び子機端末2の制御部70は、人感センサ31を起動させる。当該人感センサ31は、人の検知の有無に基づき、フラグを制御部70に出力する。また、通知された識別情報としての電話番号が、電話帳に記憶されていない電話番号等に対応する識別情報である場合には、電話帳に電話番号が記憶されていても、対応する親機端末、子機端末が選択されていないもの、及び公衆電話からの発信、番号非通知の場合、国際電話のため番号通知不可能の場合などを含んでいる。そして、この場合、人感センサ31による人の検知の有無にかかわらず、親機端末10、子機端末1、子機端末2のすべてを鳴動させる。
子機端末1及び子機端末2の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグに基づいて周囲に人がいるか否かを判断し(ステップS113)、当該判断の結果を親機端末10に出力する。
次いで、親機端末10の制御部40は、当該子機端末1から取得した判断の結果に基づいて、子機端末1に人が検知されたことを条件に、当該子機端末1に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する。子機端末1の制御部70は、鳴動部73に当該鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS103)。子機端末1の制御部70は、その呼出音に対して子機端末1の持ち主が応答するか否かに基づいて所定の処理(ステップS104、ステップS105、及びステップS106〜ステップS108)を行うようになっている。
また、親機端末10の制御部40は、ステップS113の判断の結果、子機端末2に人が検知された場合に、当該子機端末2に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する。子機端末2の制御部70は、鳴動部73に当該鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS110)。子機端末2の制御部70は、その呼出音に対して子機端末2の受話器が取られるか否かに基づいて所定の処理(ステップS111、ステップS112、及びステップS106〜ステップS108)を行うようになっている。
また、親機端末10の制御部40は、ステップS113の判断の結果、子機端末1及び子機端末2において人の存在が判断できた場合を除いて(人が検知されないことを条件に)、鳴動部42に鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS106)。そして、呼出音を鳴動している間に、前記親機端末10の受話器が取られて回線制御部36によって回線が閉結されるまで待機する(ステップS107)。そして、所定の時間経過後、回線が閉結されない場合には、回線制御部36により回線を閉結させ、予め記憶部33に記憶されている音声データを読み出し、該閉結された回線に前記音声データを出力し、記憶部33に発呼側からのメッセージの録音を行い(ステップS108)、処理を終了する。
次に、図4を参照して、図3に示すコードレス親子電話機の動作例について、親機端末の制御部を主体として説明する。図4は親機端末の動作例を示すフローチャート図である。なお、以下の説明において、理解し易いように、図1に対応する部分に符号を付することとするがこれにより実施形態が限定されるものではない。
はじめに、図4に示す処理は、発呼側から通信回線100を介して入力される着信信号を親機端末10のモデム35が受信した後、当該親機端末10の制御部40によって実行される処理である。
まず、親機端末10の制御部40は、記憶部33に記憶されている識別情報(電話番号)の中に発呼側から入力される着信信号に含まれる識別番号が含まれるか否かを検索する。この検索の結果、識別情報が含まれた場合に、記憶部30に記憶される識別情報がどの子機端末20に対応するのかを判断する(ステップS201)。この判断の結果、子機端末1に対応すると判断した場合(図中「A」の場合)には、親機端末10の制御部40は、子機端末1に対して人感センサ31を起動させる旨のセンサ起動指令を出力する(ステップS202)。このセンサ起動指令によって、子機端末1の制御部70は、人感センサ31を起動させる。当該人感センサ31は、人の検知の有無に基づき、フラグを制御部70に出力する。そして、子機端末1の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグに基づいて親機端末10に出力する。
次いで、親機端末10の制御部40は、当該子機端末1から取得した判断の結果に基づいて、人が検知されたことを条件に(ステップS203:YES)、当該子機端末1に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する(ステップS204)。この鳴動指令によって、子機端末1の制御部70は、鳴動部73に当該鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる。
次いで、親機端末の制御部は、子機端末1の受話器が取られたか否かの判断の結果を取得し、その判断の結果に基づいて、子機端末1の受話器が取られた場合、(ステップS205:YES)、親機端末10の制御部40は、回線制御部36によって回線を閉結(通話可能状態)し、処理を終了する。
一方、ステップS205において、子機端末1の制御部70は、ステップS203の判断の結果、人が検知されない場合(ステップS203:NO)、若しくはステップS205の判断の結果、子機端末1の受話器が取られない場合(ステップS205:NO)には、親機端末10にその旨の情報を出力する。親機端末10の制御部40は、子機端末1から受け取った情報に基づいて鳴動部42に鳴動指令を出力し、呼出音を所定の時間鳴動させる。また、所定の時間経過後、回線が閉結されない場合には、回線制御部36に回線を閉結させ、予め記憶部33に記憶されている音声データを読み出し、該閉結された回線に前記音声データを出力し、発呼側からのメッセージの録音を行い(ステップS206)、処理を終了する。
また、親機端末10の制御部40は、ステップS201の判断の結果、子機端末2が選択されている場合(図中「C」の場合)には、子機端末2に対して人感センサ31を起動させる旨のセンサ起動指令を出力する(ステップS207)。このセンサ起動指令によって、子機端末1の制御部70は、人感センサ31を起動させる。当該人感センサ31は、人の検知の有無に基づき、フラグを制御部70に出力する。そして、子機端末1の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグに基づいて周囲に人がいるか否かを判断し、当該判断の結果を親機端末10に出力する。
次いで、親機端末10の制御部40は、当該子機端末2から取得した判断の結果に基づいて、人が検知された場合に(ステップS208:YES)、当該子機端末1に対して呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令を出力する(ステップS209)。この鳴動指令によって、子機端末1の制御部70は、鳴動部73に当該鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる。
次いで、親機端末10の制御部40は、子機端末1の受話器が取られたか否かの判断の結果を取得し、その判断の結果に基づいて、子機端末1の受話器が取られた場合に(ステップS205:YES)、親機端末10の制御部40は、回線制御部36によって回線を閉結(通話可能状態)し、処理を終了する。
一方、ステップS205において、子機端末1の制御部70は、ステップS208の判断の結果、人が検知されない場合(ステップS208:NO)、若しくはステップS205の判断の結果、子機端末1の受話器が取られない場合(ステップS205:NO)には、親機端末10にその旨の情報を出力する。親機端末10の制御部40は、子機端末1から受け取った情報に基づいて鳴動部42に鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる。また、所定の時間経過後、回線が閉結されない場合には、回線制御部36に回線を閉結させ、予め記憶部33に記憶されている音声データを読み出し、該閉結された回線に前記音声データを出力し、発呼側からのメッセージの録音を行い(ステップS206)、処理を終了する。
また、親機端末10の制御部は、ステップS201の検索の結果、親機端末、子機端末1、及び子機端末2のすべてに対応すると判断された場合、または対応する識別情報がない(図中「B」の場合)には、子機端末1及び2に対して人感センサ31を作動させる旨のセンサ起動指令を出力する(ステップS202、ステップS207)。このセンサ起動指令によって、子機端末1、及び子機端末2の制御部70は、人感センサ31を起動させる。そして、子機端末1、及び子機端末2の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグに基づいて周囲に人がいるか否かを親機端末10に出力する。親機端末10の制御部40は、子機端末1及び2から取得した判断の結果に基づいて、ステップS103〜ステップS106、ステップS108、及びステップS109に示すように所定の処理を行う(すなわち、人の検知を条件に子機端末1又は子機端末への鳴動指令を行い、子機端末1、又は子機端末2の受話器が取られない場合には、親機端末10を鳴動させる。また、所定の時間経過後、回線が閉結しなければ、自動応答処理を行う。)ようになっている。
次に、図5を参照して、図3に示すコードレス親子電話機の動作例について、子機端末の制御部を主体として説明する。図5は子機端末の動作例を示すフローチャート図である。なお、以下の説明において、理解し易いように、図1に対応する部分に符号を付することとするがこれにより実施形態が限定されるものではない。
はじめに、図5に示す処理は、親機端末10から出力されるセンサ起動指令に基づいて子機端末1によって実行される処理である。この処理は、例えば、発呼側から通信回線100を介して入力される着信信号を親機端末10のモデム35が受信した後、当該親機端末10の制御部40が、記憶部33に記憶されている識別情報と一致する着信信号に含まれる識別番号を検索し、当該検索された識別情報がどの子機端末20に対応するのかを判断する。そして、親機端末10の制御部40が、この判断の結果、子機端末1に対応すると判断した場合(図3中「A」の場合)に実行されるものである。
まず、子機端末1の制御部70は、人感センサ31を起動させる(ステップS301)。
次いで、子機端末1の制御部70は、人感センサ31から受け取ったフラグ(検知信号)に基づいて周囲に人がいるか否かを判断する(ステップS302)。そして、人を検知した場合には、親機端末10に対して「人がいる」旨の情報を出力する(ステップS303)。
当該「人がいる」旨の情報に基づいて、親機端末10から呼出音を鳴動させる旨の鳴動指令が出力されるので、子機端末1の制御部70は、当該鳴動指令を受け取り(ステップS304)、鳴動部73に当該鳴動指令を出力し、呼出音を鳴動させる(ステップS305)。
次いで、子機端末1の制御部70は、受話器が取られた否かを判断する(ステップS306)。この判断の結果、子機端末1の受話器が取られた場合(ステップS306:YES)には、子機端末1の制御部70は、親機端末10の制御部40にその旨を出力し、処理を終了する。
一方、子機端末1の制御部70は、ステップS306の判断の結果、子機端末1の受話器が取られない場合(ステップS306:NO)には、親機端末10に「回線が閉結されない」旨の情報を出力し(ステップS307)、処理を終了する。
また、子機端末1の制御部70は、ステップS302の判断の結果、人が検知されない場合(ステップS302:NO)には、親機端末10に「人がいない」旨の情報を出力し(ステップS308)、処理を終了する。
以上に説明したように、本実施形態のコードレス親子電話機1は、着信信号によって特定された子機端末20が人の存否を判断し、人が検知されれば当該特定された子機端末20の呼出音を鳴動させるようになっている。よって、子機端末20にかかってきた着信信号に対して子機端末20の周囲に人がいる場合のみ呼出音を鳴らすようになっており、発呼側の着信信号に対して適切に子機端末20を鳴動させることができる。
また、人が検知されなければ親機端末10が呼出音を鳴らすようになっており、子機端末20の持ち主の不在により連絡がつかない場合であっても、発呼側は、親機端末10の着信に応じた子機端末20の持ち主以外の人を介して子機端末20の持ち主に連絡事項などを伝えることができる。また、子機端末20にかかってきた着信に対してその持ち主がいない場合には呼出音を鳴らさないため、持ち主がいない時に当該子機端末20の呼出音が鳴ることを防止できる。
また、人が検知されなければ、親機端末10を鳴動させた後に自動応答処理するようになっており、子機端末20の持ち主以外の人に連絡がつかない場合でも、留守番応答によって子機端末20の持ち主に連絡事項を伝えることができる。
なお、本実施形態は一形態であって、この形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、人感センサ31により人の存否を検出した結果、子機端末20の周りに人がいないと判断された場合に、一度、親機端末10の呼出音を鳴らして、その後、自動応答処理されるようになっているが、子機端末20の周りに人がいないと判断した場合に、すぐに自動応答処理されるようにしても構わない。
このようにすれば、また、子機端末20にかかってきた電話に対してその周りに人(持ち主)がいない場合には呼出音を鳴らさないため、人がいない時に当該子機端末20の呼出音が鳴ることを防止できる。また、子機端末20の持ち主がいない場合であっても、発呼側は留守番応答によって子機端末20の持ち主に連絡事項を伝えることができる。
また、人感センサ31により人を検知した結果、子機端末20の周りに人がいると判断した場合に当該子機端末20の呼出音を鳴動させた後に、子機端末20の周りの人が受話器をとらない場合には、親機端末10の呼出音を鳴らして、その後、自動応答処理されるようになっているが、子機端末20の呼出音を鳴動させた後、所定の時間経過しても回線を閉結できずにいたら親機端末10によって呼出音を鳴動させることなく、自動応答処理されるようにしても構わない。
このように構成されたコードレス親機電話機1は、子機端末20に対してかかってきた発呼信号に対して、人感センサによる人の存否にかかわらず、すぐに自動応答処理されるので、子機端末の持ち主のプライベート性を図ることが可能となる。
また、他の実施形態として、例えば、親機端末10の制御部40が、前記子機端末20に対して鳴動指示を行ってから、タイマー部41によりタイマーを起動させてカウントを開始し、当該タイマーによって経過した経過時間が、記憶部33に記憶されている設定時間を経過したか否かを判断する。この判断の結果、回線が閉結されておらず、且つ前記設定時間が経過した場合には、親機端末10の制御部40は、鳴動部42に鳴動指令を出力し、鳴動部42によって呼出音を鳴動させるようにしても構わない。
このようにすれば、子機端末20の持ち主が何らかの要因で電話に出られずに連絡がつかない場合であっても、親機端末10により受けた子機端末20の持ち主以外の人に連絡事項を伝えることが可能となる。
また、本実施形態は、本願の通信装置をファクシミリ機能付きのコードレス親子電話機1に適用したものを例示しているが、ファクシミリ機能が付いていない、親機端末と子機端末とを含んで構成される一般的な家庭用電話機や一般にスキャナ機能などを含んで構成される複合通信端末装置に適用することも可能である。