JP4375345B2 - 光記録再生装置,及び,光記録再生方法 - Google Patents

光記録再生装置,及び,光記録再生方法 Download PDF

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Description

本発明は,光記録再生装置,及び,光記録再生方法に関する。
デジタルビデオディスクなどの高密度記録が可能な光記録媒体に高倍速で記録をする際には,記録されたマークの終端部分の熱が,該終端部分と連続するスペース部分を伝導して,次に形成されるマークの始端部分の温度上昇に影響を与えることがある。また,記録されたマークの始端部分から,該始端部分と連続するスペース部分を伝導して,既に記録されたマークの終端部分の冷却過程に影響を与えることがある。こうした熱伝導によるマーク形成過程への影響は熱干渉と呼ばれ,特に,記録されたマークの直前又は,直後に位置するスペース長が短い場合には顕著となる。
この熱干渉が発生すると,マークのエッジ位置が変動し,情報を再生する際に誤り率が増加してしまうという問題があった。そこで,従来から,光記録媒体への高倍速記録を実現する為には,使用する光記録媒体に適合したレーザの制御方法が必要であるとされてきた。
上述の問題点を解決し,良好な記録品質を維持して光記録媒体に情報を記録するには,レーザの記録波形を構成する記録パラメータ(以下,ライトストラテジ)を設定し,該ライトストラテジに基づいて情報を記録する方法が用いられる。上記記録品質は,光記録媒体の色素,材料,色素の膜厚,溝の形状,記録速度などとの密接な関係があることが知られており,上記ライトストラテジは,これらの要素を考慮した上で最適に調整されなくてはならない。
特開2004−185796号公報 特開2004−335079号公報
しかし,市場にはドライブメーカが把握しきれない程の種類の光記録媒体が流通しており,市場に流通している全ての光記録媒体について予め適切なライトストラテジを用意するには膨大なコストと労力が必要となる。また,ドライブが出荷された後に流通するメディアにも対応するには,ドライブのファームウェアのアップデートなどを実施する必要がある。こうした理由から,記録時にドライブが使用する光記録媒体に適合したライトストラテジを自動調整する技術が必要とされてきた。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,短時間でライトストラテジを最適に調整することが可能な,新規かつ改良された光記録再生装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,レーザにより情報が記録される記録媒体の一面に形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとによって,情報が記録される光記録再生装置において,一のマークと,上記一のマークの直前に位置する他のマークとの間の直前スペース長,及び,上記一のマークの直後に位置する他のマークとの間の直後スペース長に応じて,レーザの記録波形である記録パルスのフロントエッジとリアエッジとをシフトさせて,上記記録パルスのライトストラテジを設定する記録パルスシフト設定部と;上記ライトストラテジに基づいて形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとを検出し,上記マークのフロントエッジの位置誤差であるフロントマークエッジ位置誤差と上記マークのリアエッジの位置誤差であるリアマークエッジ位置誤差とを検出するマークエッジ位置評価部と;フロントマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第1の線形関数により表現されると仮定し,かつ,リアマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第2の線形関数により表現されると仮定する仮定部と;上記直前スペース長と上記直後スペース長との各組合せについて,テスト記録を実行した後,上記マークエッジ位置評価部により検出されたフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とにより,上記第1の線形関数と上記第2の線形関数とに含まれる各比例係数で表現された感度を算出する感度算出部と;上記感度に基づいて,上記記録パルスのライトストラテジを算出するライトストラテジ算出部と;を備えることを特徴とする,光記録再生装置が提供される。
上記記録パルスシフト設定部は,上記直前スペース長と直後スペース長とに応じて,上記記録パルスのフロントエッジとリアエッジとをシフトさせて,該記録パルスのライトストラテジを設定する。また,上記マークエッジ位置評価部は,上記設定されたライトストラテジに基づいて形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとを検出し,該マークのフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とを検出する。上記仮定部は,フロントマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第1の線形関数により表現されると仮定する。さらに,上記仮定部は,リアマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第2の線形関数により表現されると仮定する。また,上記感度算出部は,直前スペース長と直後スペース長との各組合せについて,テスト記録を実行した後,マークエッジ位置評価部により検出されたフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とにより,上記第1の線形関数と第2の線形関数とに含まれる比例係数で表現された感度を算出する。上記ライトストラテジ算出部は,上記算出された感度に基づいて,上記記録パルスのライトストラテジを算出する。
かかる構成により,算出すべき感度等の未知数の数を低減し,テスト記録によって消費する記録領域を節約すると共に,短時間でライトストラテジを調整することが可能となる。
上記感度算出部は,上記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が上記直前スペース長のみに依存し,上記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が上記直後スペース長にのみ依存すると仮定して上記各感度を算出することができる。かかる構成により,感度算出のために検出すべきマークエッジ位置誤差の種類を削減することが可能となり,より短時間でライトストラテジを調整することが可能となる。
上記感度算出部は,上記第1の線形関数において,記録パルスのフロントエッジのシフト量とリアエッジのシフト量とが,共に零である場合のフロントマークエッジ位置誤差である初期フロントマークエッジ位置誤差,及び,上記第2の線形関数において,記録パルスのフロントエッジのシフト量とリアエッジのシフト量とが,共に零である場合のリアマークエッジ位置誤差である初期リアマークエッジ位置誤差のうち,初期フロントマークエッジ位置誤差が直後スペース長に依存せず,かつ,初期リアマークエッジ位置誤差が直前スペース長に依存しないと仮定し,さらに,上記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が直後スペース長に依存せず,かつ,上記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が直前スペース長に依存しないと仮定して,上記感度を算出することができる。上記初期フロントマークエッジ位置誤差,及び上記初期リアマークエッジ位置誤差は,記録パルスのフロントエッジとリアエッジとがシフトされずに記録されて検出される値でもよく,上記感度算出部によって算出されてもよい。かかる構成により,感度,及び,初期マークエッジ位置誤差を求めるために検出すべきマークエッジ位置誤差の種類を削減することが可能になると共に,マークエッジ位置評価部をより簡略化することが可能となる。
上記感度算出部により算出された感度に基づいて,上記フロントマークエッジ位置誤差と上記リアマークエッジ位置誤差とがいずれも零となるように,情報の書込み時に,上記記録パルスのフロントエッジのシフト量と上記記録パルスのリアエッジのシフト量とが算出されるライトストラテジ算出部を備えていてもよい。
上記ライトストラテジ算出部は,上記感度算出部により算出された各感度に基づいて,フロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とがいずれも零となるように,情報の書き込み時に,記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを算出する。かかる構成により,情報の読出しの際に検出されるマークエッジ位置誤差が少ない好適なライトストラテジを算出することが可能になる。
上記記録パルスシフト設定部は,上記直前スペース長のみに応じて上記記録パルスのフロントエッジをシフトさせ,上記直後スペース長のみに応じて上記記録パルスのリアエッジをシフトさせることができる。かかる構成により,記録パルスのエッジシフト量を設定する際に区別する前後スペース長の種類を減少することが可能となり,記録パルスシフト設定部を簡略化することが可能となる。
上記感度算出部は,上記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が上記直前スペース長のみに依存し,かつ,上記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が上記直後スペース長にのみ依存すると仮定して,上記各感度を算出することができる。かかる構成により,感度算出のために検出すべきマークエッジ位置誤差の種類を削減することが可能となり,より短時間でライトストラテジを調整することが可能となる。
上記感度算出部は,上記初期フロントマークエッジ位置誤差が直後スペース長に依存せず,かつ,上記初期リアマークエッジ位置誤差が直前スペース長に依存しないと仮定し,さらに,上記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が直後スペース長に依存せず,かつ,上記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が直前スペース長に依存しないと仮定して,上記感度を算出することができる。かかる構成により,感度,及び,初期マークエッジ位置誤差を求めるために検出すべきマークエッジ位置誤差の種類を削減することが可能になると共に,記録パルスシフト設定部とマークエッジ位置評価部とを簡略化することが可能になる。
上記直前スペース長と上記直後スペース長とに応じて算出された,マークエッジ位置誤差(フロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差との総称)の二乗和が最小となるように,情報の書込み時に,上記記録パルスのフロントエッジのシフト量と上記記録パルスのリアエッジのシフト量とが算出されるライトストラテジ算出部を備えていてもよい。
上記ライトストラテジ算出部は,直前スペース長と直後スペース長とに応じて算出された,マークエッジ位置誤差の二乗和が最小となるように,情報の書込み時に,記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを算出する。より詳細には,上記マークエッジ位置誤差の二乗和は,上記算出されたフロントマークエッジ位置誤差に関する二乗和と,上記算出されたリアマークエッジ位置誤差に関する二乗和との総和である。かかる構成により,情報の読出しの際に検出されるマークエッジ位置誤差が少ない好適なライトストラテジを算出することが可能になる。
上記フロントマークエッジ位置誤差に対する所定の重み係数と,上記リアマークエッジ位置誤差に対する所定の重み係数とにより,上記直前スペース長と上記直後スペース長とに応じて算出された,マークエッジ位置誤差の重み付き二乗和が最小となるように,情報の書込み時に,上記記録パルスのフロントエッジのシフト量と上記記録パルスのリアエッジのシフト量とが算出されるライトストラテジ算出部を備えていてもよい。
上記ライトストラテジ算出部は,フロントマークエッジ位置誤差に対する所定の重み係数と,リアマークエッジ位置誤差に対する所定の重み係数とにより,直前スペース長と直後スペース長とに応じて算出された,上記マークエッジ位置誤差の重み付き二乗和が最小となるように,情報の書込み時に,記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを算出する。かかる構成により,情報の読出しの際に検出されるマークエッジ位置誤差が少ない好適なライトストラテジを算出することが可能になる。
上記感度算出部は,上記記録パルスのフロントエッジのシフト量をWSFとし,上記記録パルスのリアエッジのシフト量をWSRとして,比例係数Cff,Cfr,Crf,Crrと定数MepeFi,MepeRiを用いて,上記第1の線形関数MepeFがMepeF=Cff*WSF+Cfr*WSR+MepeFiにより表現され,さらに,上記第2の線形関数MepeRがMepeR=Crf*WSF+Crr*WSR+MepeRiにより表現されると仮定して上記感度を算出することができる。かかる構成により,テスト記録を実行して感度算出のために取得すべきマークエッジ位置誤差の種類を抑制すると同時に,好適な記録品質を維持することが可能となる。
上記感度算出部は,少なくとも3種類のライトストラテジを選択し,テスト記録を実行することにより取得されたマークエッジ位置誤差に基づいて,上記感度を算出することができる。かかる構成により,少ない回数のテスト記録にて,好適な記録品質を実現するライトストラテジを設定することが可能となる。
上記マークエッジ位置評価部は,最尤復号の結果として得られる再生系列の確からしさを示す差メトリックと,該差メトリックの理想値との差である差メトリック誤差を算出し,該算出された差メトリック誤差を上記直前スペース長,及び上記直後スペース長に応じて分類して統計することにより生成された評価値に基づいて,上記マークエッジ位置誤差を算出してもよい。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,レーザにより情報が記録される記録媒体に形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとによって,情報を記録する光記録再生方法において,一のマークと,一のマークの直前に位置する他のマークとの間の直前スペース長,及び,一のマークの直後に位置する他のマークとの間の直後スペース長に応じて,レーザの記録波形である記録パルスのフロントエッジとリアエッジとをシフトさせて,記録パルスのライトストラテジを設定する記録パルスシフト設定過程と;ライトストラテジに基づいて形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとを検出し,マークのフロントエッジの位置誤差であるフロントマークエッジ位置誤差とマークのリアエッジの位置誤差であるリアマークエッジ位置誤差とを検出するマークエッジ位置評価過程と;フロントマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第1の線形関数により表現されると仮定し,かつ,リアマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第2の線形関数により表現されると仮定する仮定過程と;直前スペース長と直後スペース長との各組合せについて,テスト記録を実行した後,マークエッジ位置評価過程において検出されたフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とにより,第1の線形関数と第2の線形関数とに含まれる各比例係数で表現された感度を算出する感度算出過程と;感度に基づいて,記録パルスのライトストラテジを算出するライトストラテジ算出過程と;を含むことを特徴とする,光記録再生方法が提供される。
上記記録パルスシフト設定過程では,上記直前スペース長と直後スペース長とに応じて,上記記録パルスのフロントエッジとリアエッジとがシフトされ,該記録パルスのライトストラテジが設定される。また,上記マークエッジ位置評価過程では,上記設定されたライトストラテジに基づいて形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとが検出され,該マークのフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とが検出される。上記仮定過程では,フロントマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第1の線形関数により表現されると仮定される。さらに,上記仮定過程では,リアマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とを変数とする第2の線形関数により表現されると仮定される。また,上記感度算出過程では,直前スペース長と直後スペース長との各組合せについて,テスト記録が実行された後,マークエッジ位置評価過程において検出されたフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とにより,上記第1の線形関数と第2の線形関数とに含まれる比例係数で表現された感度が算出される。上記ライトストラテジ算出過程では,上記算出された感度に基づいて,上記記録パルスのライトストラテジが算出される。
以上説明したように,本発明によれば,短時間でライトストラテジを好適に調整することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1を参照しながら,本発明の第1の実施形態に係る光記録再生装置の構成について説明する。図1は,本発明の実施形態に係る光記録再生装置の構成を示すブロック図である。
光ピックアップ102は,半導体レーザから出射されたレーザ光を対物レンズ(図示せず)により集光して光記録媒体100に照射する。また,光記録媒体100で反射した反射光を所定の光学系を介してフォトディテクタ(図示せず)に導通し,反射光量に応じて信号を検出する。
光ピックアップ102により読み出された再生信号は,イコライザ(EQ)104により処理された後,A/D変換機106でサンプリングされてデジタル値としての再生データとなる。PLL(Phase Locked Loop)回路108は,再生データに同期した再生クロックを生成する。再生クロックは,A/D変換機106のサンプリングクロックとして用いられると共に,再生回路110に処理クロックとして供給される。
マークエッジ位置評価部112には,検出されたマークのフロントエッジとリアエッジとに関する情報が再生回路110から伝送されて,直前スペース長と直後スペース長との種々の組合せに応じたフロントのマークエッジ位置誤差とリアのマークエッジ位置誤差とが検出される。
ここで,本実施形態に係るマークエッジ位置誤差について述べる。互いに隣接するマーク間のスペース長が短い場合には,熱干渉等による影響により,マークエッジの位置がズレてしまう(例えば,図2の模式図を参照)。逆に,前後のスペース長が長いマークのエッジ位置は,熱干渉等の影響が小さく,ほぼ理想的なエッジ位置が得られると考えられる。そこで,本実施形態においては,一例として,前後のスペース長の長さが十分に長い(例えば,5T以上;Tはチャネルクロック周期)場合のエッジ位置を基準として,検出されたエッジ位置との差分をマークエッジ位置誤差としている。もちろん,基準となるエッジ位置の検出方法については,これに限定されるものではない。マークエッジ位置誤差の取得方法については後述する。
感度算出部116では,マークエッジ位置評価部112において検出されたマークエッジ位置誤差の情報を基に,記録パルスのエッジシフト量に対するマークエッジ位置誤差の変化量を示す感度が計算される。この際,仮定部114によって,マークエッジ位置誤差と記録パルスのエッジシフト量との関係が線形関係にあることが仮定され,該線形性を考慮した所定の線形関数によって上記感度が算出される。さらに,ライトストラテジ算出部118では,感度算出部116により算出された感度を基に,マークエッジ位置誤差を最小化するような記録パルスのエッジシフト量が計算されて,ライトストラテジが算出される。
記録パルスシフト設定部120では,ライトストラテジ算出部118で算出された記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とに基づいて,記録パルスのエッジがシフトされて,ライトストラテジが設定される。
レーザ駆動部122は,記録パルスシフト設定部120において設定されたライトストラテジに基づいて,半導体レーザを駆動制御し,光ピックアップ102を介して光記録媒体100に情報を記録する。
次に,図3を参照しながら,本発明の第1の実施形態に係る光記録再生装置において,最適なライトストラテジを設定する手順について説明する。図3は,本実施形態に係るライトストラテジの設定方法を示すフローチャートである。ここでは,最適なライトストラテジを算出する際に3通りのテスト記録を実行する場合について述べる。もちろん,テスト記録の種類は3通りに限定されるものではなく,4通り以上のテスト記録を実行して取得した結果を基にライトストラテジを算出することも可能である。
まず,ライトストラテジを調整する前段階においては,基準となる初期ストラテジが予め設定されている。この初期ストラテジとは,記録メディアに予め記録されているメディアメーカが定めた設定値であるか,又は,ドライブメーカが予め初期値としてドライブの内部に記憶させておいた設定値等である。従って,以下で記録パルスのエッジシフト量という場合は,この初期ストラテジからのシフト量を意味する。
ステップS300は,3通りのテスト記録を実行して実際にマークエッジ位置誤差を検出する過程を示す。この場合,ステップS302〜S306は繰り返し3回実行される。もし,4通り以上のテスト記録を実行する場合には,これらのステップを所要の回数だけ繰り返して実行することになる。
ステップS302では,記録パルスのフロントエッジとリアエッジと(例えば,図2の模式図を参照)を所定のシフト量だけシフトさせて,ライトストラテジを変更する。なお,図2に示した記録パルスのフロントエッジとリアエッジとは,単なる例示に過ぎず,当該エッジの位置及び組合せは,記録波形,使用するメディア等に応じて,適切に選択されうる。ステップS304では,ステップS302において変更したライトストラテジに基づいて,テスト記録を実行する。ステップS306では,マークエッジ位置評価部112によりマークエッジ位置誤差を検出する。
以下では,上述のステップS302〜S306の過程について,より具体的な例を用いて詳述する。ステップS302では,3種類のテスト記録における記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとを

と定義し,各シフト量を




のように設定する(図4を参照)。但し,i,jはそれぞれ直前スペース長,及び,直後スペース長を示す。この例では,記録パルスのエッジシフト量は,直前スペース長,及び,直後スペース長に関係なく同一の値として設定される。また,Tはチャネルクロック周期を示しており,例えば,Blu−ray Discの場合,2[T/32]は約1[ns]に相当する。
次に,ステップS304では,ステップS302で設定された記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFkと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRkに基づいて,形成された3種類のライトストラテジに従ってテスト記録を実行する。さらに,ステップS306において,ステップS304のテスト記録により形成された各マークのマークエッジ位置誤差MepeF,MepeRの値
を検出する。
ステップS308では,ステップS302〜S306を実行して得られたマークエッジ位置誤差に基づいて,記録パルスのエッジシフトに対するマークエッジ位置誤差の変化の感度を算出する。ここで,感度の算出方法について詳述する。
本発明の実施形態に係る光記録再生装置においては,上記マークエッジ位置誤差は,記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとを変数とする線形関数(以下,MepeFを第1の線形関数,MepeRを第2の線形関数と呼ぶ)により表現できると仮定している。具体的には,マークのフロントエッジの位置誤差であるフロントマークエッジ位置誤差MepeF,及び,マークのリアエッジの位置誤差であるリアマークエッジ位置誤差MepeRは,
という行列方程式により表現することができる。但し,i,jは,それぞれ直前スペース長,及び,直後スペース長を示す。式(4)の係数Cff,Cfr,Crf,Crrは,記録パルスのエッジシフトに対するマークエッジ位置誤差の変化の感度を表している。また,MepeFiとMepeRiとは,それぞれ,記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとが共に零である場合に観測されるフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とを示す。
既に述べたように,テスト記録での記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFとテスト記録での記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとは,式(2)のように設定されるパラメータである。一方,これらの設定パラメータに基づいて,テスト記録が実行され,記録されたマークのフロントマークエッジ位置誤差MepeFとリアマークエッジ位置誤差MepeRとが検出される。
式(4)の特徴は,直前スペース長と直後スペース長との組合せ毎に独立に行列方程式が成り立っている為,テスト記録での記録パルスのシフト量の種類は,上記組み合せ毎に3種類で済む。さらに,記録パルスのエッジシフトは,上記組み合わせ毎に順次行う必要が無く,同時に行うことが出来るという特徴がある。すなわち,直前スペース長と直後スペース長の異なる記録パルスを同時にシフトさせることで,テスト記録での記録ストラテジの種類は,3種類で全調整を実行することができる。逆に,所定の前後スペース長の組合せ(i,j)に対応するマークエッジ位置誤差の値が,該前後スペース長の組合せ(i,j)とは異なる前後スペース長の組合せ(k,l)に対応する記録パルスのエッジシフト量にも依存する場合には,テスト記録での記録パルスのシフト量の種類が膨大な数となり,テスト記録に要する記録領域と記録時間とを浪費する結果となる。
本発明の第1の実施形態が有する最大の特徴は,直前スペース長と直後スペース長との組合せ数により,一度に調整すべきマークエッジ位置の種類が膨大になった場合にも,必要となるテスト記録ストラテジの種類は変わらず,少なくとも3種類のライトストラテジでテスト記録を実行すれば,好適なライトストラテジを決定することが可能となる点である。この特徴については,具体的な例を交えて後述することとする。
そこで,3種類のテスト記録により得られた各検出値を用いれば,上記各感度,及び,初期マークエッジ位置誤差は,式(4)の関係を用いて次のように求められる。

但し,ΔMepeF,ΔMepeR,ΔWSF,及び,ΔWSRは,

と定義されている。また,添字−1は逆行列を表す。
式(5)により算出された感度と式(6)により算出された初期マークエッジ位置誤差を利用すると,任意の記録パルスのエッジシフト量に対するマークエッジ位置誤差を算出することが可能になる。例えば,図5に示すように,記録パルスのフロントエッジのシフト量と記録パルスのリアエッジのシフト量とをそれぞれx軸,y軸とした等高線マップを描く事ができる。図5の左図に示された濃淡は,フロントマークエッジ位置誤差が大きい程,濃色となっており,同様に,図5の中央図の濃淡は,リアマークエッジ位置誤差が大きい程,濃色となっている。図5の右図は,マークエッジ位置誤差の二乗和が大きい程,濃色となるように表示したものである。図5の右図を参照すると,例えば,マークエッジ位置誤差の二乗和が最小となるような最適な記録パルスのエッジシフト量が最淡部において示されている。
そこで,ステップS308で算出された感度と初期マークエッジ位置誤差とを用いて,最適なライトストラテジを算出するステップ(S310)について詳述する。
ここでいう最適なライトストラテジとは,マークエッジ位置誤差が零となるように,記録パルスのエッジシフト量が調整されたライトストラテジである。式(4)の左辺のフロントマークエッジ位置誤差MepeFとリアマークエッジ位置誤差MepeRとが零となる記録パルスのエッジシフト量WSF,WSRは,
により算出される。従って,式(5)により算出された感度Cff,Cfr,Crf,Crrと,式(6)により算出された初期マークエッジ位置誤差MepeFi,MepeRiとを用いて,式(8)により算出される記録パルスのエッジシフト量により,直前スペース長と直後スペース長との種々の組合せに応じた最適なライトストラテジが求められる。
最後に,ステップS312において,ライトストラテジをステップS310において算出された最適なライトストラテジへと変更する。
上述のように,本発明の第1の実施形態においては,ステップS302〜S312の過程を経て最適なライトストラテジが算出され,設定がなされる。
以上のように,本発明に係る第1の実施形態によれば,直前スペース長と直後スペース長とを区別して感度を算出する場合においても,テスト記録での記録パルスのシフト量の種類は,上記組合せ毎に3種類で済み,さらには,直前スペース長と直後スペース長との組合せが異なる記録パルスを同時にシフトさせることで,テスト記録でのライトストラテジの種類は,上記組合せの数によらず,3種類で全調整を実行できる。このため,ライトストラテジ調整に要する時間とテスト記録に用いる記録媒体の記録領域とを節減することが可能となる。この特徴は,前後スペース長の各組合せに応じて,独立した行列方程式(式(4))が成り立つと仮定したことに起因する。以下では,この方法を局所応答型補正と呼ぶことにする。
ここで,一の前後スペース長の組合せに対応する記録パルスのエッジシフト量の変化が,他の前後スペース長の組合せに対応するマークエッジ位置誤差に影響を与えるような,より一般的な場合(以下,全応答型補正)と上記局所応答型補正との比較について述べる。
まず,上記局所応答型補正と上記全応答型補正との違いについて,図6を参照しながら説明する。なお,図中では,直前スペース長Xと,マーク長Yと,直後スペース長Zとの組合せを簡略的に,XsYmZsのように表記することがある。但し,各長さの単位はチャネルクロック周期Tである。
図6は,記録波形に含まれる一部の記録パルス(図中では,3s2m4s)のフロントエッジがシフトした場合に,影響を受けるマークエッジ位置を模式的に示したものである。図中の各矢印は,該記録パルスのエッジシフトにより生じるマークエッジ位置への影響を示したものである。
既に述べたように,上記記録パルスのエッジをシフトさせると,熱干渉の効果により隣接するマークエッジ位置に影響を与える。さらに,この影響により生じた隣接するマークのマークエッジ位置誤差により,形成されるマーク列の全体のバランスが変化し,隣接していない他のマークエッジ位置にも影響を及ぼすと考えられる。こうした全体への影響を考慮してマークエッジ位置誤差を補正する方法が,上記全応答型補正である。
一方,エッジをシフトさせる記録パルスにより生成されるマークから,物理的に離れた位置にあるマークエッジに与える該エッジシフトへの影響は,該生成されるマークのエッジ位置に与える影響と比較して,無視できる程度に小さいものと考えられる。この物理的な位置関係を考慮して,記録パルスのエッジシフトの影響は,該記録パルスにより生成されるマークのフロントエッジ位置とリアエッジ位置とにのみ及ぶものと近似したのが,上記局所応答型補正である。
そこで,これら2種類の補正方法を行列方程式に書き下すと,例えば,図7A,及び,図7Bのようになる。図7Aは,全応答型補正の場合について示したものであり,図7Bは,局所応答型補正の場合について示したものである。図7A,及び,図7Bは,マーク長が3Tの場合に,その前後スペース長が,2T,3T,又は,≧4Tのいずれかとなる組合せについて示したものである。なお,図7中では“≧4s”を“4s”と表記している。
図7Aを参照すると,1種類のマークエッジ位置誤差を算出するのに,18種類の感度と1種類の初期マークエッジ位置誤差とが必要である。従って,全ての未知数(感度及び初期マークエッジ位置誤差)を算出するためには,19通りのライトストラテジを設定してテスト記録を実行し,マークエッジ位置誤差を検出する必要がある。この場合,感度を表す行列の要素数が18*18=324個あり,初期マークエッジ位置誤差の18個を加えて,未知数は342個ある。
一方,図7Bを参照すると,1種類のマークエッジ位置誤差を算出するのに,2種類の感度と1種類のマークエッジ位置誤差の初期値とがあれば足りる。従って,全ての未知数(感度及び初期マークエッジ位置誤差)を算出するためには,3種類のライトストラテジを設定してテスト記録を実行し,マークエッジ位置誤差を検出すれば足りる。この場合,感度を表す行列の要素数は18*2=36個あり,マークエッジ位置誤差の初期値の18個を加えても,未知数は僅か54個である。
さらに,マーク長について区別した場合の全応答型補正による行列方程式を図7Cに示す。この場合には,未知数が36*36+36=1332個となる。
実際にライトストラテジを調整する際には,上述のように,マーク長についても区別されることがあり,さらに,前後スペース長についても,より多くの区別を要するケースがある。こうした場合では,全応答型補正と局所応答型補正との間で算出を要する未知数に大きな差が生じる。結果として,局所応答型補正は,全応答型補正に比べて大幅に補正時間を短縮することが可能となる。従って,高速なライトストラテジ調整を要する場合には,本発明の第1の実施形態に示した局所応答型補正が好適である。
以下では,本発明の第1の実施形態で示した局所応答型補正の近似手法に加えて,さらに感度の算出過程を高速化する手法について述べる。
(第2の実施形態)
次に,本発明の第2の実施形態に係るライトストラテジの算出方法を示す。但し,上記第1の実施形態と実質的に同一の部分に関する説明は省略し,相違する点についてのみ詳述する。
本発明の第1の実施形態においては,マークエッジ位置誤差,記録パルスのエッジシフト量,及び,感度のいずれもが,直前スペース長と直後スペース長とに依存しているとして計算されていた。しかし,使用する光記録媒体の種類又は,記録環境等によっては,一部のパラメータに関し,直前スペース長又は,直後スペース長を区別しないで最適のライトストラテジを算出したとしても,マークエッジ位置誤差が十分に許容可能な範囲に収まる場合がある。
そこで,本発明の第2の実施形態において,記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとに対するフロントマークエッジ位置誤差MepeFの感度Cff,Cfrは,直前スペース長のみに依存し,さらに,記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとに対するリアマークエッジ位置誤差MepeRの感度Crf,Crrは,直後スペース長のみに依存すると近似できる場合について考える。
つまり,第1の実施形態におけるライトストラテジの算出過程において,さらに,感度算出部116が,上記第1の線形関数に含まれる比例係数Cff,Cfrが直前スペース長のみに依存し,上記第2の線形関数MepeRに含まれる比例係数Crf,Crrが直後スペース長にのみ依存すると仮定して,各感度を算出する場合について述べる。
上述の近似を考慮すると,式(4)は,以下のように書き換える事ができる。

但し,iは直前スペース長を示し,jは直後スペース長を示す。
また,ステップS302では,3種類の記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとを
と定義し,各シフト量を

と設定する(図8を参照)。但し,i,jはそれぞれ直前スペース長,及び,直後スペース長を示す。この例では,記録パルスのエッジシフト量は,直前スペース長,及び,直後スペース長に関係なく同一の値として設定される。
次に,ステップS304では,ステップS302で設定された記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFkと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRkとに基づいて形成された3種類のライトストラテジにより,テスト記録を実行する。さらに,ステップS306において,ステップS304のテスト記録により形成された各マークのマークエッジ位置誤差MepeF,MepeRの値
を検出する。
3種類のテスト記録により得られた各検出値を用いれば,上記各感度,及び,初期マークエッジ位置誤差は,式(9)の関係を用いて次のように求められる。
まず,感度は,
となる。ここでは,比例係数Cff,Cfrが直前スペース長のみに依存し,比例係数Crf,Crrが直後スペース長にのみ依存すると仮定しており,また,記録パルスのエッジシフト量は,直前スペース長,及び,直後スペース長に関係なく同一の値として設定している。従って,上式を更に書き換えると,

となる。
次に,初期マークエッジ位置誤差について考える。初期マークエッジ位置誤差は,k=1のテスト記録で直接測定を実行しているので(式(11)を参照),
である。但し,ΔMepeF,ΔMepeR,ΔWSF,及び,ΔWSRは,

と定義されている。また,添字−1は逆行列を表す。
式(9)から,フロントマークエッジ位置誤差MepeFとリアマークエッジ位置誤差MepeRとを零とする記録パルスのエッジシフト量は,
により算出され,ライトストラテジが求められる。
ところで,式(9)のように近似すると,式(4)の場合と比較して,感度の分類数を減少させる事ができる。つまり,感度算出の為に取得するマークエッジ位置誤差の種類を減少させる事が可能となり,結果として,ライトストラテジを調整する時間を短縮する事ができる。
ここで,具体的に,テスト記録により取得しなくてはならないマークエッジ位置誤差の総数Neについて,式(4)の場合(第1の実施形態)と式(9)の場合(第2の実施形態)とを比較する。
以下では,説明の便宜上,マークエッジ位置誤差,記録パルスのエッジシフト量,及び,感度において区別する直前スペース長,及び,直後スペース長の種類を2T,3T,4T以上の3種類に限定する(表1(a)(b)参照)。なお,4T以上を示す為に≧4Tという表現を用いる場合がある。また,Tはチャネルクロック周期を表し,2Tは記録に用いる最短スペース長であるとする。このように前後スペース長の種類を規定すると,調整すべきマークエッジ位置誤差の種類は,下表のようになる。
ここで,ライトストラテジの調整において考慮する直前スペース長の分類数をNsf,直後スペース長の分類数をNsrとすると,調整すべきマークエッジ位置誤差の種類Npは,
である。従って,上記表1(a)(b)で示した具体例の場合には,Nsf=Nsr=3であるから,Np=18となり,調整すべきマークエッジ位置誤差の種類は,18要素となっている。
また,k番目のテスト記録で取得するべきマークエッジ位置誤差の種類をne(k)とし,(第1の実施形態)でのne(k)の値をne1(k),(第2の実施形態)でのne(k)の値をne2(k)とすると,次のようになる。
さらに,3種類のテスト記録を実行して取得すべきマークエッジ位置誤差の総数をNeとすると,
となる。
従って,式(4)を用いる場合(第1の実施形態)において,テスト記録を実行して取得すべきマークエッジ位置誤差の総数Ne1は,
となり,54通りのマークエッジ位置誤差を取得する必要がある。
一方,式(9)を用いる場合(第2の実施形態)において,テスト記録を実行して取得すべきマークエッジ位置誤差の総数Ne2は,
となり,36通りのマークエッジ位置誤差を取得すればよい事になる。その結果,第1の実施形態と比較して,測定が必要とされるマークエッジ位置誤差の総数は,Ne2/Ne1=36/54倍に減少する。
(第3の実施形態)
次に,本発明の第3の実施形態に係るライトストラテジの算出方法を示す。但し,上述の第1の実施形態の説明と実質的に同一の説明に関しては省略し,相違する点についてのみ詳述する。
上述のように,使用する光記録媒体の種類又は,記録環境等によっては,一部のパラメータに関し,直前スペース長又は,直後スペース長を区別しないで最適のライトストラテジを算出したとしても,マークエッジ位置誤差が十分に許容可能な範囲に収まる場合がある。そこで,第3の実施形態では,第2の実施形態において考慮した近似に加え,初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFiが直後スペース長に依存せず,かつ,初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiが直前スペース長に依存しないと近似する。
つまり,第1の実施形態におけるライトストラテジの算出過程において,さらに,感度算出部116が,初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFi,及び,初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiのうち,初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFiが直後スペース長に依存せず,かつ,初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiが直前スペース長に依存しないと仮定し,さらに,第1の線形関数に含まれる比例係数Cff,Cfrにより表現される感度が直後スペース長に依存せず,かつ,第2の線形関数に含まれる比例係数Crf,Crrにより表現される感度が直前スペース長に依存しないと仮定して各感度を算出する場合について述べる。
従って,第1の実施形態における式(4),及び,第2の実施形態における式(9)に相当する行列方程式は,
と近似される。但し,iは直前スペース長を示し,jは直後スペース長を示す。
また,ステップS302では,3種類のテスト記録における記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとを第1の実施形態と同様に設定する。(式(1),及び,式(2)を参照)
次に,ステップS304では,ステップS302で設定された記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFkと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRkに基づいて,形成された3種類のライトストラテジに従ってテスト記録を実行する。さらに,ステップS306において,ステップS304のテスト記録により形成された各マークのマークエッジ位置誤差MepeF,MepeRの値
を検出する。
3種類のテスト記録により得られた各検出値を用いれば,上記各感度,及び,初期マークエッジ位置誤差は,式(25)の関係を用いて,次のように求められる。
まず,感度については,

となる。ここでは,比例係数Cff,Cfrが直前スペース長のみに依存し,比例係数Crf,Crrが直後スペース長にのみ依存すると仮定しており,また,記録パルスのエッジシフト量は,直前スペース長,及び,直後スペース長に関係なく同一の値として設定している。従って,上式をさらに書き換えることができて,
となる。
次に,初期マークエッジ位置誤差は,
により求められる。
式(25)から,フロントマークエッジ位置誤差MepeFとリアマークエッジ位置誤差MepeRとを零とする記録パルスのエッジシフト量は,
により算出され,ライトストラテジが求められる。
上述のように,第3の実施形態において記録パルスのエッジシフト量が前後スペース長に依存しない設定で実行される場合には,ステップS306において測定するマークエッジ位置誤差は,式(26)に示したように,フロントマークエッジ位置誤差MepeFが直前スペース長のみにより区別され,リアマークエッジ位置誤差MepeRが直後スペース長のみにより区別される為,マークエッジ位置評価部112のマークエッジ位置誤差の測定手段を簡略化する事が可能となる。
ここで,テスト記録を実行して取得すべきマークエッジ位置誤差の種類について,式(25)のように近似した場合(第3の実施形態)と,式(4)を用いた場合(第1の実施形態),及び,式(9)を用いた場合(第2の実施形態)との比較を示す。
第3の実施形態において,k番目のテスト記録で取得するべきマークエッジ位置誤差の種類ne(k)をne3(k)とすると,次のようになる。
すると,第3の実施形態において,テスト記録を実行して取得すべきマークエッジ位置誤差の総数Ne3は,
となり,18通りのマークエッジ位置誤差を測定すればよい。従って,第1の実施形態と比較すると,Ne3/Ne1=18/54倍に減少しており,第2の実施形態と比較すると,Ne3/Ne2=18/36倍に減少する。従って,ライトストラテジを調整する時間を大幅に削減する事が可能となる。
(第4の実施形態)
次に,本発明の第4の実施形態に係るライトストラテジの算出方法を示す。但し,上述の第1の実施形態の説明と実質的に同一の説明に関しては省略し,相違する点についてのみ詳述する。
第1〜第3の実施形態において,記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFと記録パルスのリアエッジのシフト量WSRとは,いずれも,直前スペース長と直後スペース長との組合せに応じて設定されていた(式(4),式(9),式(25)を参照)。しかし,第4の実施形態においては,下表において示すように,調整する記録パルスのフロントエッジのシフト量WSFを直前スペース長についてのみ区別し,また,調整する記録パルスのリアエッジのシフト量WSRを直後スペース長についてのみ区別する。
つまり,第1の実施形態におけるライトストラテジの算出過程において,さらに,記録パルスシフト設定部120が,直前スペース長のみに応じて記録パルスのフロントエッジWSFをシフトさせ,かつ,直後スペース長のみに応じて記録パルスのリアエッジWSRをシフトさせる場合について述べる。
調整する記録パルスのエッジシフト量の区別を表2(a),及び,表2(b)のように設定すると,記録パルスのエッジシフト量とマークエッジ位置誤差との関係は,
と表現される。但し,iは直前スペース長を示し,jは直後スペース長を示す。また,式(33)を行列方程式に書き換えると,
となる。但し,行列要素が零の部分を空白にしている。また,各要素の引数に含まれる4の表記は,≧4を意味する(例えば,Cff(2,4)=Cff(2,≧4))。
ここで,式(34)に含まれる行列,及び,ベクトルを以下のように定義する。
式(35)の表現を用いると,式(34)は,
と表される。
記録パルスのエッジシフト量に対するマークエッジ位置誤差の感度を表す式(36)の行列Cの各要素は,第1の実施形態(式(5)を参照)の場合と同様に,テスト記録を実行して取得したマークエッジ位置誤差の測定値を基にして算出される。
ここで,算出された式(36)の行列Cを利用して最適のライトストラテジを算出する方法について述べる。考慮する直前スペース長と直後スペース長との全ての組合せについて,フロントマークエッジ位置誤差MepeFとリアマークエッジ位置誤差MepeRとに関する二乗和を示す評価関数EMepe
と定義すると,該評価関数を最小にする記録パルスのエッジシフト量を要素とするベクトルwは,
により算出され,最適なライトストラテジが求まる。但し,式(38)のCは,式(36)の行列Cの擬似逆行列を表す。また,式(37)のΣは,考慮する前後スペース長の全組合せ(i,j)についての和を意味する。
上述のように,式(37)で定義された評価関数EMepeを最小にする記録パルスのエッジシフト量を算出し,最適なライトストラテジを求めることができる。ところで,実際に情報を記録する際には,特定の前後スペース長の組合せが多く出現する等,パターンに応じた出現頻度の偏りが生じる場合がある。こうした場合には,該出現頻度等を考慮して記録パルスのエッジシフト量を調整する事により,より好適なライトストラテジを算出する事が可能となる。
具体的には,式(37)に示したマークエッジ位置誤差の二乗和を示す評価関数の代わりに,マークエッジ位置誤差の重み付き二乗和を示す評価関数
を最小にする記録パルスのエッジシフト量を算出する。式(38)と同様に,該評価関数を最小にする記録パルスのエッジシフト量を要素とするベクトルwは,
により算出される。但し,式(39)のWf,Wrは重み係数を表し,式(40)の行列Rは,重み付け行列
但し,
である。また,(RC)は,行列(RC)の擬似逆行列を表す。
上述のように,パターンに応じて出現頻度に分布があるような状況においても,所定の重み付け行列を用いる事で,式(40)により好適な記録パルスのエッジシフト量を算出する事が可能となり,最適のライトストラテジを求める事ができる。
(第5の実施形態)
次に,本発明の第5の実施形態に係るライトストラテジの算出方法を示す。但し,上述の第1〜第4の実施形態の説明と実質的に同一の説明に関しては省略し,相違する点についてのみ詳述する。
第5の実施形態は,上述の第4の実施形態において,記録パルスのエッジシフト量WSF,WSRに対するフロントマークエッジ位置誤差MepeFの感度Cff,Cfrが直後スペース長の違いに影響を受けず,記録パルスのエッジシフト量WSF,WSRに対するリアマークエッジ位置誤差MepeRの感度Crf,Crrが直前スペース長の違いに影響を受けない場合である。
つまり,第4の実施形態におけるライトストラテジの算出過程において,さらに,感度算出部116が,上記第1の線形関数に含まれる比例係数Cff,Cfrが直前スペース長のみに依存し,かつ,上記第2の線形関数に含まれる比例係数Crf,Crrが直後スペース長にのみ依存すると仮定して,各感度を算出する場合について述べる。
この場合,式(36)の行列Cの未知数は減少し,

と表現される。結果として,行列Cの各要素と初期値ベクトルMepeiとを算出する為に,テスト記録をすべきライトストラテジのパターン数を減少させることが可能となり,記録パルスのエッジシフト量を調整する時間を短縮する事ができる。なお,行列Cとマークエッジ位置誤差の初期値ベクトルMepeiとを算出する方法は,第2の実施形態と同様であり,算出された行列Cとマークエッジ位置誤差の初期値ベクトルMepeiとに基づいて記録パルスのエッジシフト量を算出する方法(式(38),式(40)を参照)は,第4の実施形態と同様である。
(第6の実施形態)
次に,本発明の第6の実施形態に係るライトストラテジの算出方法を示す。但し,上述の第1〜第5の実施形態の説明と実質的に同一の説明に関しては省略し,相違する点についてのみ詳述する。
第6の実施形態は,第5の実施形態で述べた条件に加えて,初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFiが直後スペース長に依存せず,初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiが直前スペース長に依存しないと仮定する。
つまり,第4の実施形態におけるライトストラテジの算出過程において,さらに,感度算出部116が,初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFi,及び,初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiのうち,初期フロントマークエッジ位置誤差MepeFiが直後スペース長に依存せず,かつ,初期リアマークエッジ位置誤差MepeRiが直前スペース長に依存しないと仮定し,さらに,第1の線形関数に含まれる比例係数Cff,Cfrが直後スペース長に依存せず,かつ,第2の線形関数に含まれる比例係数Crf,Crrが直前スペース長に依存しないと仮定して,各感度を算出する場合について述べる。
この場合,式(36)の行列CとベクトルMepeiは,

により表現される。すなわち,第5の実施形態の場合と比較して,初期マークエッジ位置誤差MepeFi,MepeRiの分類数が減少している。その結果,テスト記録を実行して取得するマークエッジ位置誤差の種類を減少させる事が可能になり,記録パルスのエッジシフト量を調整する時間を短縮する事ができる。
第6の実施形態は,第4の実施形態と比較して,マークエッジ位置評価部を簡略化する事が可能となる。すなわち,第3の実施形態(式(33),式(34)を参照)について述べたのと同様,行列C,及び,マークエッジ位置誤差の初期値ベクトルMepeiの算出時に,フロントマークエッジ位置誤差MepeFは直後スペース長で区別される必要がなく,リアマークエッジ位置誤差MepeRは直前スペース長で区別される必要がない為,マークエッジ位置評価部が簡略化できる。なお,行列Cとマークエッジ位置誤差の初期値ベクトルMepeiとを算出する方法は,第3の実施形態と同様であり,算出された行列Cとマークエッジ位置誤差の初期値ベクトルMepeiとに基づいて記録パルスのエッジシフト量を算出する方法(式(38),式(40)を参照)は,第4の実施形態と同様である。
(マークエッジ位置誤差の取得方法について)
ここで,マークエッジ位置誤差の取得方法について,具体例を挙げて説明する。もちろん,本発明の実施形態に係るマークエッジ位置誤差の取得方法は,以下の例に限定されるものではなく,理想的なマークエッジ位置と実際に記録されたマークエッジ位置との差を検出する方法であればよい。
一の例としては,再生波形とスライスレベルとのクロス点と,PLLクロック信号との比較から,フロントマークエッジのズレ量とリアマークエッジのズレ量とが算出され,該算出されたズレ量に基づいてマークエッジ位置誤差が計算されるという方法がある。ズレの生じにくいパターン(スペース長及びマーク長の組合せ)を基準パターンと呼び,調整を行うパターンを調整パターンと呼ぶことにすると,当該方法によるマークエッジ位置誤差は,該調整パターンの上記ズレ量と該基準パターンの上記ズレ量との差分を取ることで得られる。かかる方法は,2値スライス再生系において,誤り率の低い再生信号品質を得るための記録条件を得るのに好適である。
また,他の例としては,まず最尤復号の結果得られる再生系列の確からしさを示す差メトリック(「差メトリック」については,特許第3674160号公報を参照)を算出し,算出した差メトリックと,差メトリックの理想値との差を,差メトリック誤差として算出して,この差メトリック誤差を前後スペース長・自己マーク長に応じて分類して統計することで評価値を得る。該評価値は,マークエッジのズレ量に相当することから,マークエッジ位置誤差は,上記調整パターンの評価値と上記基準パターンの評価値との差を評価することにより算出される。かかる方法は,最尤復号方式によって記録情報を検出する情報記録再生装置において,誤り率の低い再生信号品質を得るための記録条件を得るのに好適である。
以上の各実施形態においては,感度を算出する際に,テスト記録により測定されたマークエッジ位置誤差に基づいて,各感度と初期マークエッジ位置誤差とが各々算出される構成について説明したが,本発明の実施形態に係る光記録再生装置は,これに限定されず,例えば,初期マークエッジ位置誤差がテスト記録により測定されるような構成も可能である。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した第1の実施形態から第6の実施形態を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には,前後スペース長が長いパターンに対しては,第1の線形関数に含まれる感度が直後スペース長に依存せず,かつ,第2の線形関数に含まれる感度が直前スペース長に依存しないという近似を用いる一方で,前後スペース長が短いパターンに対しては,各パラメータを前後スペース長により区別する場合等である。より具体的には,熱干渉による影響が大きいと考えられる前後スペース長が2Tの場合のみ,第1の実施形態と同様に各パラメータを前後スペース長により区別し,それ以外は,第2の実施形態で述べた近似を実施する場合等である。
また,上記の実施形態では,1回のライトストラテジの補正動作について説明したが,調整されたライトストラテジを初期ストラテジとして,再度ライトストラテジの調整を実施することも可能である。複数回の調整作業を繰り返すことにより,さらに精度のよい記録を実行可能なライトストラテジを算出することが可能となる。
本発明の実施形態に係る光記録再生装置のブロック図である。 記録パルスのエッジシフトとマークエッジ位置誤差とを示す模式図である。 最適のライトストラテジを算出する過程を示すフローチャートである。 テスト記録に利用する記録パルスのエッジシフト量の設定例である。 算出された感度を基に計算された記録パルスのエッジシフト量とマークエッジ位置誤差との関係を示す等高線図の一例である。 記録パルスのエッジシフトにより影響を受けるマークエッジ位置の模式図である。 全応答型補正を実行する際に用いる行列方程式の一例である。 局所応答型補正を実行する際に用いる行列方程式の一例である。 全応答型補正を実行する際に用いる行列方程式の一例である。 テスト記録に利用する記録パルスのエッジシフト量の設定例である。
符号の説明
112 マークエッジ位置評価部
114 仮定部
116 感度算出部
118 ライトストラテジ算出部
120 記録パルスシフト設定部

Claims (10)

  1. レーザにより情報が記録される記録媒体に形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとによって,情報が記録される光記録再生装置において:
    一のマークと,前記一のマークの直前に位置する他のマークとの間の直前スペース長,及び,前記一のマークの直後に位置する他のマークとの間の直後スペース長に応じて,レーザの記録波形である記録パルスのフロントエッジとリアエッジとをシフトさせて,前記記録パルスのライトストラテジを設定する記録パルスシフト設定部と;
    前記ライトストラテジに基づいて形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとを検出し,前記マークのフロントエッジの位置誤差であるフロントマークエッジ位置誤差と前記マークのリアエッジの位置誤差であるリアマークエッジ位置誤差とを検出するマークエッジ位置評価部と;
    フロントマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量及び記録パルスのリアエッジのシフト量を変数とする第1の線形関数により表現されると仮定し,かつ,リアマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量及び記録パルスのリアエッジのシフト量を変数とする第2の線形関数により表現されると仮定し、
    前記直前スペース長と前記直後スペース長との各組合せについて,テスト記録を実行した後,前記マークエッジ位置評価部により検出されたフロントマークエッジ位置誤差及びリアマークエッジ位置誤差により,前記第1の線形関数と前記第2の線形関数とに含まれる各比例係数で表現された感度を算出する感度算出部と;
    前記感度に基づいて,前記フロントマークエッジ位置誤差と前記リアマークエッジ位置誤差との二乗和が最小となるように前記記録パルスのフロントエッジ及びリアエッジのシフト量を算出するライトストラテジ算出部と;
    を備える,光記録再生装置。
  2. 前記ライトストラテジ算出部は,前記フロントマークエッジ位置誤差に対する所定の重み係数と前記リアマークエッジ位置誤差に対する所定の重み係数とにより,前記直前スペース長と前記直後スペース長とに応じて算出されたマークエッジ位置誤差の重み付き二乗和が最小となるように,情報の書込み時に,前記記録パルスのフロントエッジ及びリアエッジのシフト量を算出する,請求項1に記載の光記録再生装置。
  3. 前記感度算出部は,前記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が直前スペース長のみに依存し,前記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が直後スペース長にのみ依存すると仮定して,前記各感度を算出する請求項1又は2に記載の光記録再生装置。
  4. 前記感度算出部は,前記第1の線形関数において,記録パルスのフロントエッジのシフト量とリアエッジのシフト量とが,共に零である場合のフロントマークエッジ位置誤差である初期フロントマークエッジ位置誤差,及び,前記第2の線形関数において,記録パルスのフロントエッジのシフト量とリアエッジのシフト量とが,共に零である場合のリアマークエッジ位置誤差である初期リアマークエッジ位置誤差のうち,前記初期フロントマークエッジ位置誤差が直後スペース長に依存せず,かつ,前記初期リアマークエッジ位置誤差が直前スペース長に依存しないと仮定し,さらに,前記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が前記直後スペース長に依存せず,かつ,前記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が前記直前スペース長に依存しないと仮定して,前記各感度を算出する請求項1又は2に記載の光記録再生装置。
  5. 前記記録パルスシフト設定部は,前記直前スペース長のみに応じて前記記録パルスのフロントエッジをシフトさせ,かつ,前記直後スペース長のみに応じて前記記録パルスのリアエッジをシフトさせる請求項1又は2に記載の光記録再生装置。
  6. 前記感度算出部は,前記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が直前スペース長のみに依存し,かつ,前記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現された感度が直後スペース長にのみ依存すると仮定して,前記各感度を算出する請求項5に記載の光記録再生装置。
  7. 前記感度算出部は,前記第1の線形関数において,記録パルスのフロントエッジのシフト量とリアエッジのシフト量とが,共に零である場合のフロントマークエッジ位置誤差である初期フロントマークエッジ位置誤差,及び,前記第2の線形関数において,記録パルスのフロントエッジのシフト量とリアエッジのシフト量とが,共に零である場合のリアマークエッジ位置誤差である初期リアマークエッジ位置誤差のうち,前記初期フロントマークエッジ位置誤差が直後スペース長に依存せず,かつ,前記初期リアマークエッジ位置誤差が直前スペース長に依存しないと仮定し,さらに,前記第1の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が直後スペース長に依存せず,かつ,前記第2の線形関数に含まれる比例係数により表現される感度が直前スペース長に依存しないと仮定して,前記各感度を算出する請求項5に記載の光記録再生装置。
  8. 前記感度算出部は,前記記録パルスのフロントエッジのシフト量をWSFとし,前記記録パルスのリアエッジのシフト量をWSRとして,比例係数Cff,Cfr,Crf,Crrと定数MepeFi,MepeRiを用いて,前記第1の線形関数MepeFがMepeF=Cff*WSF+Cfr*WSR+MepeFiにより表現され,さらに,前記第2の線形関数MepeRがMepeR=Crf*WSF+Crr*WSR+MepeRiにより表現されると仮定して前記各感度を算出する請求項1又は2に記載の光記録再生装置。
  9. 前記マークエッジ位置評価部は,最尤復号の結果として得られる再生系列の確からしさを示す差メトリックと,該差メトリックの理想値との差である差メトリック誤差を算出し,該算出された差メトリック誤差を前記直前スペース長,及び前記直後スペース長に応じて分類して統計することにより生成された評価値に基づいて,前記マークエッジ位置誤差を算出する請求項1又は2に記載の光記録再生装置。
  10. レーザにより情報が記録される記録媒体に形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとによって,情報を記録する光記録再生方法において:
    一のマークと,前記一のマークの直前に位置する他のマークとの間の直前スペース長,及び,前記一のマークの直後に位置する他のマークとの間の直後スペース長に応じて,レーザの記録波形である記録パルスのフロントエッジとリアエッジとをシフトさせて,前記記録パルスのライトストラテジを設定する記録パルスシフト設定過程と;
    前記ライトストラテジに基づいて形成されたマークのフロントエッジとリアエッジとを検出し,前記マークのフロントエッジの位置誤差であるフロントマークエッジ位置誤差と前記マークのリアエッジの位置誤差であるリアマークエッジ位置誤差とを検出するマークエッジ位置評価過程と;
    フロントマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量及び記録パルスのリアエッジのシフト量を変数とする第1の線形関数により表現されると仮定し,かつ,リアマークエッジ位置誤差が記録パルスのフロントエッジのシフト量及び記録パルスのリアエッジのシフト量を変数とする第2の線形関数により表現されると仮定し、
    前記直前スペース長と前記直後スペース長との各組合せについて,テスト記録を実行した後,前記マークエッジ位置評価過程において検出されたフロントマークエッジ位置誤差とリアマークエッジ位置誤差とにより,前記第1の線形関数と前記第2の線形関数とに含まれる各比例係数で表現された感度を算出する感度算出過程と;
    前記感度に基づいて,前記フロントマークエッジ位置誤差と前記リアマークエッジ位置誤差の二乗和が最小となるように前記記録パルスのフロントエッジ及びリアエッジのシフト量を算出するライトストラテジ算出過程と;
    を含む光記録再生方法。
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