JP2009140566A - 記録ストラテジ調整方法、および情報記録再生装置 - Google Patents

記録ストラテジ調整方法、および情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録ストラテジの調整を速く確実に実施する記録ストラテジ調整方法および情報記録再生装置を提供することである。
【解決手段】光学的情報記録媒体上に記録ストラテジに基づいて強度変調したレーザ光を照射し、マークとスペースによるパターン列を記録する際の記録ストラテジに関する調整方法である。マークを形成するための記録パルスのパルス幅を複数のパルス幅値に変化させ、各々のパルス幅について、記録パワーを複数のパワーレベルに変更してパターン列を記録する。記録されたパターン列を再生して得られる各々の記録パワーに対応した再生信号のアシンメトリ値を、各々のパルス幅値に対して測定する。記録パワー変化に対するアシンメトリ値の変化率を算出する。複数のパルス幅に対するアシンメトリ値パワー依存係数の変化傾きが特徴的となる近傍のパルス幅値を、パルス幅として決定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、光学的情報記録媒体への記録における記録ストラテジの調整方法、およびその方法を用いた情報記録再生装置に関する。
光ディスク装置(情報記録再生装置)とは、光ヘッドを用いて、光ディスク(光学的情報記録媒体)に情報を記録したり、記録された情報を読み出したりする装置である。そのような光ディスク装置において、記録または再生時に光ディスク装置の性能そのものを左右するいくつかの要因が存在する。
記録に関していえば、記録マークを形成する照射光量の制御はその中でも非常に重要な要因である。照射光量の制御は、一般的に、記録パワー、バイアスパワーなどの出力レベルの制御と、レーザパルスのパルス幅やパルス位置(時間方向)の制御を含み、これらを包括して記録ストラテジと呼ぶ。
図1に、記録ストラテジの例がいくつか示される。記録ストラテジにはいろいろな種類があり、記録するメディアや記録速度によって、出力レベルやパルス形状が異なる。図1(a)は記録されるべきパターン、図1(b)はオーバーライト記録用のパルストレイン型記録ストラテジ、図1(c)は非オーバーライト記録用のパルストレイン型記録ストラテジ、図1(d)は単純矩形型記録ストラテジ、図1(e)は部分強調矩形型記録ストラテジを示す。
近年出荷され始めた次世代DVD(digital versatile disk)であるHD DVD(High Definition DVD)の場合、追記型のHD DVD−R(−recordable)も書き換え可能型のHD DVD−RW(−rewritable)またはHD DVD−RAM(−random access memory)もマルチパルス型の記録ストラテジが主に使用されている。ただし、どの記録ストラテジが用いられるかは駆動装置の設計にもより、限定されているものではない。
このような各種ストラテジを備えた光ディスク装置は、通常、媒体が装填されるとディスクからディスクの種類や媒体メーカ名等を読み取り、予め代表的な装置で校正された各々の媒体に応じた記録ストラテジや媒体に埋め込まれた推奨記録ストラテジを用いて、OPC(Optimum Power Control)と言われる記録パワーの調整を行う。光ディスク媒体は、ディスクの一部に記録パワーを調節するエリアを持っている。その領域にて記録パワーの調節が適宜行なわれるようになっている。記録パワーの調整方法としては、長いマークおよび短いマークの再生振幅により得られるアシンメトリを検査してβ値を求めるβ法と、記録マーク振幅の飽和の程度から判断するγ法とが知られている。DVD−Rではβ法が用いられ、DVD−RW、DVD+RWではγ法が使用されるのが一般的である。なお、記録ストラテジに関しては、適宜調整するという規定はなく、事前に校正した情報やディスクに埋め込まれた情報だけが頼りとなる。
ここで、光ディスクにおいて使用されるいくつかの性能指標に関して説明する。図2は、先に述べたβ値の算出方法の一例を示す図である。図2に示されるように、長マーク/スペースと短マーク/スペース、例えば11Tと3Tの再生波形から参照信号レベルRefに対する11TのピークレベルAと11TのボトムレベルBとを求め、
β=0.5×(A−B)/(A+B)
なる式よりβ値は算出される。
参照信号レベルRefは、短マーク再生振幅の中心に設定されている。この式が意味するところは、各パターンの最小値、最大値、平均レベル(平均電圧)等の信号レベルを使用して示される最大振幅の中心と最小振幅の中心のズレであり、アシンメトリと同義として用いられる。アナログ的に処理が可能であるが、デジタル処理でも、再生信号から所望の信号を取り込むことによって算出が可能である。これは、最短マーク/スペースの次に長いマーク/スペースに対応する振幅を用いること等も可能となることも意味する。
また、β値は、記録信号品質の評価指標であるジッタσやエラー数と相関がある。β値は、値そのものは性能を保証するものではなく、性能の絶対値指標、例えばエラー数やエラーレートやジッタ値とβ値との対応をとった上で目標として用いられる。アナログ処理が可能であるため、記録したパターン列の信号品質が悪くても検出が可能である。これは、記録された状態への依存が低く、デジタル処理と異なりクロック抽出等の処理が不要であるためである。また、記録された信号のずれ方向が判定できる指標でもある。
ジッタに関しては、一般的にジッタσが15%以上になると、エラー訂正処理を行ってもエラーが訂正できなくなる。そのため、ジッタσは15%以下にしなければならないことが知られている。
また、より高密度化された次世代DVDであるHD DVDにおいては、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)検出が用いられる。HD DVDではジッタ自体が測定できないため、PRSNRという指標が導入されている。PRSNRは、PRML検出におけるSNR値(Signal to Noise Ratio)であり、HD DVDにおいて採用されたジッタに代わる信号品質評価指標である。さらに、PRSNRは、エラーレートへの換算も可能である。この値が高ければ高いほど信号品質は優れていることを意味し、ジッタやエラーレートとは逆である。エラーレートへの換算も含め、PRSNRの詳細は、非特許文献1を参照されたい。
再生波形の品質を評価する他の方法としては、直接エラーレートやエラーバイト数を求めてしまう方法もある。これらの指標は、性能の絶対値を示す。
記録ストラテジは、光ディスクの記録再生性能に大きく影響するため、以前から多くの記録方法(記録ストラテジ)や記録ストラテジの調整方法が考案されてきた。
特許文献1(特開2003−85755号公報)に開示されている方法では、記録ストラテジのマルチパルス部の熱量デューティと記録パワーとを変動させて相変化型光情報記録媒体に試し記録を行う。試し記録した領域の再生RF信号のβ値を取得し、熱量デューティ毎にβ値の極大値を取得し、極大値のうち最も大きい極大値をとる熱量デューティをマルチパルス部の熱量デューティとする。記録速度は、記録パワーの変動に対するβ値の変動の傾きが−5%/mW以上3%/mW以下となる範囲内で変動される。試し記録する際の記録パワーは、記録パワーの変動に対するβ値の変動の傾きが±2%以内となる範囲内で変動される。
記録ストラテジの調整項目は、記録パルスの開始、終了位置を含め複数のパルス幅、複数パワーなど多岐にわたる。従って、パラメータの最適化には多大な時間を要するばかりでなく、調整者の熟練度に依存する場合もあり、さらに最適化の効果もばらつくという問題があった。これに対し、特許文献1では、β値自体はパルストレインでの構成パルスである先頭パルスと後続パルスとの関係により変化するため、この方法によってパルス幅を決定するのは必ずしも容易ではない。また、β値の極大を得るために記録速度を限定する必要がある。そのため、変動傾きの絶対値を規定すると、その状態に別の条件を合わせる必要があり汎用性に乏しく、必ずしも簡便な方法とならない。
特許文献2(特開2000−90435号公報)では、(最小記録マークの振幅の中心)/(最大記録マークの振幅の中心)によって算出される値に応じて、連続冷却パルスCP中の最終冷却パルスECPの時間、先頭加熱パルスSPの時間、マルチパルスのデューティ何れか1つ又は2つ或いは3つが補正される。これによって、相変化型光ディスクに対してマークエッジ記録方式で記録した後のマークのアシンメトリが調整される。
具体的な調整として、先頭加熱パルスSPを1T、マルチパルスのデューティを0.5Tとして調整が開始される。先頭加熱パルスSPの幅はT/4刻み若しくはT/8刻みで小さくされる。それと同時にマルチパルスのデューティはT/8刻みで小さくされ、振幅中心の比が1になるようにストラテジが変化させる。これは、先頭加熱パルスとマルチパルスとを小さくなる方向に同時に変化させ、振幅中心をできるだけ1に近くするという調整方法である。
このような方法では、パルストレインストラテジにおいて、少なくとも先頭パルスと、先頭パルスに続く中間パルス、最終パルスとは、各々にパルス幅パラメータを持っているため、各々の組合せが悪い場合や、方針なくやみくもに調整を行っても必ずしも十分な記録再生性能とすることはできない。さらに、全てのパラメータの組合せにて調整を行った場合、調整時間を多大に要してしまう。特に、先頭加熱パルスとマルチパルスとを小さくなる方向に同時に変化させる方法では、汎用性に乏しく、初期のパルス幅の組合せが悪いと、最高の媒体性能を引き出すことは必ずしも容易ではない。
特許文献3(特開平10−64064号公報)に開示された光ディスク記録装置は、書込パワー、消去パワー、ボトムパワーをそれぞれ変化させてテスト記録を行う。この装置は、テスト記録後、これを再生して、アシンメトリ値が最適値となるかまたは変調度が最適となるかまたはエラーレートが最低となる書込パワー、消去パワー、ボトムパワーの各最適値を求め、これら最適値の組合せを用いて実記録を行う。
記録ストラテジは記録に関係する記録、消去、ボトムパワー以外に時間軸のパルス幅パラメータ、すなわち、記録に使用する波形形状のパラメータも重要であるが、特許文献3においては特に言及されていない。記録ストラテジの調整をどのように調整していけばよいかの知見を得ることは難しい。
特許文献4(特開2002−279674号公報)に開示された光学式ディスク記録再生装置は、光ディスクから読み取った極性反転間隔の異なる各種の再生信号のアシンメトリが最適となる記録パワー値Pwを記録条件として設定する。この記録パワー値Pwと予め想定された記録パワー値Prとの比較に基づいて、光学式ディスク記録再生装置は光ディスクに記録するための記録パルスのパルス幅を標準のパルス幅から可変する。
特許文献4の方法では、記載された制御を用いたとしても、媒体が同一メーカであっても多種多様に記録パワーの感度差を有するので、必ずしも十分な対策とならない。また、具体的にどのようにストラテジを調整するかは全くわからない。
特許文献5(特開2003−6868号公報)に開示された光ディスク装置は、記録パワーを種々変化させて光ディスクのテストエリアにテストデータを記録する。光ディスク装置は、再生した信号から再生信号品質データの変化又は変化率に基づいて最適記録パワーを設定する。具体的な再生信号品質として、光ディスク装置は各記録パワーに対するβ値の傾き及び傾きの変化率を算出し、傾きの変化率が所定値以下となる範囲は熱波形歪みの生じた範囲と判定する。光ディスク装置は、熱波形歪みの生じていない範囲から基準β値を選択し、この基準β値が得られる記録パワーを最適記録パワーとしてデータ記録する。つまり、熱波形歪みを考慮した最適記録パワーの求め方が記載されている。
記録ストラテジにおいて、パワー以外にパルス幅の設定、例えばパルストレインス型記録トラテジでは先頭パルス幅や先頭に続く後続パルス幅は個々に影響を持つ。特許文献5では、このようなパラメータに関して特に考慮されていないので、記録ストラテジの調整という点においてどのように記録ストラテジを調整するかは全くわからない。また、この装置において、例えば、パワーの刻み幅によってβ値が変わってしまうので、必ずしも正確なβ値、つまり記録パワーとならない場合がある。
特許文献6(特開2006−172532号公報)では、PoおよびPm(Po>Pm)からなる2値のパワーレベルを記録パワーとしてもつ凹型記録ストラテジに関する技術が記載されている。Poを段階的に変えた時、パワー比k=Po/Pmを所定の値とし、記録パワーPoを段階的に変えてテスト記録が行われる。β値は、記録されたテスト信号を再生した時の振幅の非対称性を示し、そのβ値の記録パワーPoに対する変化率Δβが算出される。算出された変化率Δβの値と目標のΔβとを比較してパワー比kが補正される。これは、レーザ発光特性の非線形を考慮して、パワーを補正するもので、記録ストラテジの調整に関しては特に述べられていない。
特許文献7(特開2005−216347号公報)には、DVD−Rの記録ストラテジ調整法が開示されている。技術者の熟練度等に影響されることなく記録パルスの最適化を行う手法として、パルス設定を変化させながらテスト記録が行われ、その再生信号からジッタ値を測定するという処理が繰り返され、記録パルスの最適化が行われる。すなわち、共通の記録パルス設定から開始し、記録品質に影響を及ぼすパルス設定箇所を調整することが述べられている。絶対性能を示すジッタのような総合性能指標を用いて調整を行うと調整開始時のパラメータによってはどこがずれているかがはっきりしないため、必ずしも最良のパラメータに追い込めない場合がある。例えば、パルストレインストラテジにおいて構成パルスを先頭パルス、後続パルスと分けた時に、先頭パルスを最適化しようとすると、後続パルスの影響が考慮されていないため、局所最適な調整となってしまうことがあるからである。また、このような方法においては、初めて調整するような媒体に対しては有効ではない。
特開2003−85755号公報 特開2000−90435号公報 特開平10−64064号公報 特開2002−279674号公報 特開2003−6868号公報 特開2006−172532号公報 特開2005−216347号公報 Japanese Journal of Applied Physics Vol.43, No.7B, 2004, pp.4859-4862 "Signal-to-Noise Ratio in a PRML Detection" S.OHKUBO et al
以上のように、記録ストラテジにおいてパルス幅を含めてストラテジを速く、確実に調整する汎用的な手法は知られていなかった。ここで、全てのパラメータの組合せを実行することも不可能ではないが、調整の方針をもたずにやみくもに調整を行っても多大な時間を要するばかりである。速く調整ができないどころか、局所最適な調整に陥る可能性も高く、確実に記録ストラテジを調整できるとは限らない。
本発明の目的は、記録ストラテジの調整を速く確実に実施する記録ストラテジ調整方法および情報記録再生装置を提供することである。
本発明の観点では、記録ストラテジ調整方法は、光学的情報記録媒体上に記録ストラテジに基づいて強度変調されたレーザ光を照射し、マーク及びスペースを含むパターン列を記録して記録条件を調整する記録ストラテジ調整方法であり、記録ステップと、再生ステップと、測定ステップと、係数算出ステップと、設定ステップとを具備する。記録ステップでは、マークを形成する記録パルスのパルス幅及び記録パワー値をそれぞれ複数の値に変えてパターン列が光学的情報記録媒体上に記録される。再生ステップでは、記録されたパターン列から再生信号が再生される。測定ステップでは、パルス幅及び記録パワー値の複数の値のそれぞれに対応する再生信号のアシンメトリ値が測定される。係数算出ステップでは、記録パワー値の変化に対するアシンメトリ値の変化率を示すアシンメトリ値パワー依存係数がパルス幅毎に算出される。設定ステップでは、パルス幅に対するアシメトリ値パワー依存係数の変化量が大きく変わる特徴点に対応するパルス幅が臨界パルス幅として設定される。この臨界パルス幅を記録パルスのパルス幅に用いて記録条件が調整される。
本発明の他の観点では、情報記録再生装置は、光ヘッド部と、再生部と、アシンメトリ値測定部と、記録ストラテジ調整部とを具備し、記録ストラテジ調整部は、アシンメトリ値パワー依存係数算出部と、パルス幅設定部とを備える。光ヘッド部は、光学的情報記録媒体上に記録ストラテジに基づいて強度変調されたレーザ光を照射してマーク及びスペースを含むパターン列を試し記録し、記録されたパターン列を読み出して電気信号を出力する。再生部は、電気信号に基づいて再生信号を生成する。アシンメトリ値測定部は、再生信号に基づいてアシンメトリ値を測定する。記録ストラテジ調整部は、マークを形成する記録パルスのパルス幅及び記録パワー値をそれぞれ複数の値に変えてパターン列を光ヘッド部によって試し記録し、アシンメトリ値測定部から出力されるパルス幅及び記録パワー値の複数の値のそれぞれに対応するアシンメトリ値に基づいて記録条件を調整する。アシンメトリ値パワー依存係数算出部は、記録パワー値に対するアシンメトリ値の変化率を示すアシンメトリ値パワー依存係数をパルス幅毎に算出する。パルス幅設定部は、パルス幅に対するアシメトリ値パワー依存係数の変化量が大きく変わる特徴点に対応するパルス幅を臨界パルス幅として設定する。
本発明によれば、速く確実に実施することができる記録ストラテジ調整方法および情報記録再生装置を提供することができる。また、記録調整のために使用する媒体の領域を少なく抑える記録ストラテジ調整方法および情報記録再生装置を提供することができる。また、記録ストラテジの調整を行うのに多くの経験や熟練した技術を要さず、広く汎用的である記録ストラテジ調整方法および情報記録再生装置を提供することができる。
まず、本発明の特徴に関して説明する。以下の説明では、記録ストラテジとしてパルストレイン型の記録ストラテジを例示する。
図3には、パルストレイン型記録ストラテジが示される。kを2以上の自然数、Tをチャネルクロック周期とし、記録マークの長さがkTとして表される場合、k−1個の加熱パルス群で形成されるような規則により媒体に記録する記録ストラテジは、k−1型記録ストラテジと称され、このときのパルストレインは、k−1型パルストレインと称される。これ以外にもk個の加熱パルス群で形成される場合のパルストレインもあり、その場合はk型パルストレインと称される。
パルストレイン型記録ストラテジの調整において、複数の構成パルスのうち、いずれかのパルスのパルス幅、又はエッジ位置を固定値としておいて、方針なく調整を始めると容易に局所最適に陥ってしまう。また、調整パラメータが多く、各パラメータは相互に影響を及ぼすため、記録ストラテジの調整は非常に難しいものとなっている。
そこで、調整箇所をできるだけ少なくするために、構成パルスの役割を考慮して、先頭のパルスを先頭パルス、先頭パルス以外を後続パルスというように2つのカテゴリーに分類し、記録ストラテジはそれらのパルスの組み合わせとして最適化される。先頭パルス幅をTtop、後続パルスのパルス幅をTmpとする。k−1型パルストレインでは、長さが2Tの記録マークは先頭パルスのみで構成されることになる。
ここで、構成パルスの役割を考えると、先頭パルスは短いマークの代表的構成要素であり、後続パルスは長いマークの代表的構成要素である。さらに、後続パルスのパルス幅は、後続パルスのパルス数、及びパルスの順番によらず、先頭パルスに続く全てのパルスを同一のパルス幅とする。パルス幅を変更する場合、パルスの前端又は後端の一方に統一されたエッジの位置が変更される。また、先頭パルスの幅も同一のパルス幅とし、パルスの幅を変化させるエッジは前端又は後端のいずれか一方に揃えられる。なお、先頭パルスと後続パルスとでは、変更エッジ位置は必ずしも同じ端のエッジに統一される必要はないが、ここでは同じ端のエッジとする。
これは記録ストラテジ変更と形成マーク形状の対応を単純化するためであり、調整の複雑さを排除するためである。なお、先頭パルスは、トップパルスと言い換えることがある。後続パルスは、最終パルスとそれ以外の中間パルスとに分けずに、まとめて後続パルスとしている。
実験では、LD(Laser Diode)波長が405nm、NA(開口数)が0.65の光ヘッドが使用される。最大出射可能パワーは12mWである。また、再生にはPRML(Partial Response Maximum Likelihood)検出が用いられ、PR(1,2,2,2,1)用のビタビ復号器が使用される。
再生情報記録媒体は、1度だけ記録が可能な追記型のHD DVD−Rの媒体である。このHD DVD−Rの媒体は、記録層には、短波長対応の無機系材料が用いられ、記録を行うと反射率が低くなるHigh−to−Lowメディアと呼ばれる光ディスクである。ディスクの物理構造としては、ポリカーボネイトからなる、厚さが0.6mm、直径が12cmである円板状の透明な基板に、プリグルーブと呼ばれる案内溝が形成されている。記録及び再生時には、光ヘッドから照射される光ビームがこの案内溝に沿って走査できるようになっている。この基板上に記録用の膜が成膜されている。また、物理フォーマットは、ビットピッチが0.15μm、トラックピッチが0.40μmのイングルーブ・フォーマットである。
変復調符号は、(1,7)RLLをベースとしたETM(Eight to Twelve Modulation)符号である。記録ストラテジは、先に説明した(k−1)規則のパルストレイン型記録ストラテジである。また、情報記録再生装置は、再生信号の信号品質として、PRSNR値(PRML Signal to Noise Ratio)、エラー数、アシンメトリ量としてβ値の測定ができる。
情報記録再生装置の出射可能記録パワーの上限が12mWであったため、初期値は、記録パワー:8.0mW、バイアスパワー:3.6mW、ボトムパワー:0.1mWとする。ボトムパワーの影響は、他のパラメータの影響で殆ど隠れてしまうことがわかっている。これらの値は、検討に用いられた多くの媒体の平均的なパワーマージン分と経時変化や環境変化等が考慮されている。
図4に、異なる複数の後続パルス幅において、記録パワーを8mWと10mWとした時の各記録パワーでのアシンメトリ値(β値)を測定した結果が示される。後続パルス幅は、基準値以下の0.56T及び0.66Tと、基準値以上の0.75及び0.94Tとした。この結果からβ係数が求められる。β係数とは、アシンメトリ値(β値)変化のパワー依存係数である。すなわち、β係数は、記録パワーPwの変化量ΔPwに対するβ値の変化量Δβであるから、
β係数=Δβ/ΔPw
として求められる。複数の後続パルス幅に対してβ係数をプロットした結果が図5に示される。
次に、図5において、後続パルス幅Tmpが基準値以下の0.56T及び0.66Tのときのβ係数を示す点を通る直線(A)と、後続パルス幅Tmpが基準値以上の0.75及び0.94Tのときのβ係数を示す点を通る直線(B)とを観察すると、直線の傾きは大きく異なることが分かる。各プロット点を結んだ時に2本の直線が交わる交点を特徴点として求める。その特徴点に相当する後続パルス幅0.72Tが後続パルス幅として選択される。つまり、パルス幅に対するβのパワー依存係数の傾きが顕著に変化する特徴点に対応する後続パルス幅0.72Tが選択される。
ここで、β係数が後続パルス幅に対して顕著に変化する折れ点となる特徴点の意味するところを述べる。以降、長マーク及び長スペースからなるパターンを長マーク、短マーク及び短スペースからなるパターンを単に短マークと称して説明する。β値であるので、長マークと短マークについて考える。
後続パルスのパルス幅が太い場合、長マークは早い段階でマークの幅方向(ディスクの径方向)の大きさが確保されてマークが形成される。この時、幅方向は飽和していて、さらに加熱された場合は、マークの長さ方向(ディスクの接線方向)にのびていく。従って、幅方向の大きさが確保された状態であり、再生振幅は確保される。一方、短マークは元々が幅方向も長さ方向も小さいため、記録パワーを変化させると、記録マークの大きさはパワーに対応して変化する。長マークの振幅の変化は小さいが、短マークの振幅の変化は大きい。つまり、短マークと長マークのパワーに対する変化量が異なるため、アシンメトリは大きく変化する。これが図5でのBの部分に相当している。
これに対し、後続パルスのパルス幅が細いと長マークは全体的(長さ方向、幅方向共)に小さい。パワーを上げて記録すると再生振幅は、記録パワーを大きくするにつれて大きくなる。短マークも記録パワーを大きくすると大きくなり、両者共に変化し、結果的には短マークと長マークの記録パワーに対する変化が同程度となるので、アシンメトリの変化は小さくなる。これが図5でのAの部分に相当する。つまり、パルス幅が細い場合、短マークと長マークの形成速度(成長度)が同じ程度になり、記録パワー変化に対するβの変化は小さくなる。なお、パルス幅が細すぎると、記録マークが小さくなりSNRが下がってしまい、性能が確保できなくなる。従って、パルス幅を細くすることにも限界がある。また、パルス幅の不足を記録パワーで補うことになるため、マーク形成に多くのパワーが必要となる。
部分Aと部分Bとの境界、すなわちパワー依存係数が特徴的に変化する部分の近傍では、短マーク及び長マークの形成率(大きくなる度合い)が同じ程度になる。すなわち、その近傍は、パルス幅値の限界付近であると共に、記録パワーもパルス幅がより細い場合に比して、より低下させることが可能となる部分である。そのため、マークの歪みが起きにくくなるという部分でもある。ここでは、このパルス幅を臨界パルス幅と称する。これに対し、この近傍よりも大きいあるいは小さいパルス幅部分、すなわち、臨界パルス幅以外のパルス幅では、長いマーク、短いマークどちらかのマーク形成率が速くなり、パワーやパルス幅の変動など様々なズレに対して変動を起こし易く、マージン確保がしにくい。つまり、ちょっとしたズレにより、局所最適に陥り易くなってしまう。従って、後続パルス幅に対するβ係数グラフで示されるパワー依存係数が顕著に変化する部分の近傍を特徴点として、この時の後続パルス幅をパルス幅として決定するのがよい。
以上をまとめると、記録ストラテジ調整方法は、図6に示されるように、アシンメトリ値測定(ステップA100)、アシンメトリ値パワー依存係数算出(ステップA200)、パルス幅決定(ステップA300)の各ステップを備える。
アシンメトリ値測定(ステップA100)では、記録ストラテジのパルス幅を複数のパルス幅値に変化させ、各々のパルス幅について、記録パワーを複数のパワーレベルに変更してパターン列が記録される。記録されたパターン列が再生され、各々の記録パワーに対応した再生信号のアシンメトリ値が、各々のパルス幅値に対して測定される。
アシンメトリ値パワー依存係数算出(ステップA200)では、記録パワー変化に対するアシンメトリ値の変化が算出実施される。
パルス幅決定(ステップA300)では、複数のパルス幅に対するアシンメトリ値パワー依存係数の変化が特徴的となるパルス幅値が求められ、後続パルス幅として設定される。
ところで、パルストレイン型のストラテジでは、後続パルスのパルス幅以外のパラメータ、すなわち、先頭パルスのパルス幅や、後続パルスおよび先頭パルスの記録パワー等は、β値の絶対値を変えはするが、パワー依存係数であるβ係数は概ね変わらない。これは、β係数を上述のように用いる場合には、先頭パルス幅の影響を除けるということである。従って、パルストレイン型ストラテジの場合には、まず、後続パルス幅を選定し、その後、そのパルス幅に合わせた先頭パルス幅Ttopを決定すればよい。
ここでは、先に求めた後続パルス幅0.72Tを用いて、先頭パルス幅が決定される。この時、各パワーは、先に用いた記録パワー:8.0mW、バイアスパワー:3.6mWとする。後続パルス幅0.72Tとして、先頭パルス幅Ttopを一定量ずつ変えつつ光ディスクの所定の領域にテスト記録が行われる。記録された領域のPRSNRを測定した結果が図7に示される。先頭パルス幅は、後続パルス幅の1.2倍〜1.8倍とした。1.5倍の1.13Tの時にPRSNRが最良となることがわかり、先頭パルス幅には1.13Tが選択される。
次に、記録パワーおよびバイアスパワーの調整が行われる。パルス幅の調整精度よりもパワーの調整精度が高いため、パワー調整は、より微調整に向き、よりよい性能が得られることが多い。記録パワーは8.0mWを中心として±10%の範囲を2%刻みで変えられて、所定のパターンが記録される。記録された領域を再生して最良のPRSNRが得られる領域に記録したときの記録パワーが選択される。同様に、選択された記録パワーに対し、バイアスパワーは3.6mWを中心として±10%の範囲を2%刻みで変えられて、所定のパターンが記録される。記録された領域を再生して最良のPRSNRが得られる領域に記録したときのバイアスパワーが選択される。記録パワーは8.48mW、バイアスパワーは3.46mWが選択され、PRSNRは28程度まで改善される。なお、どのパワーを調整するかは、媒体の種類によっても異なる。例えば、オーバーライト可能な媒体ではバイアスパワーではなく、消去パワーとなる。DVD−Rのようなライトワンス媒体であれば、バイアスパワーの調整は不要となる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る情報記録再生装置の構成と動作を説明する。図8に、情報記録再生装置1の構成を示す概略図が示される。この情報記録再生装置1は、スピンドル駆動系9、光ヘッド部20、RF回路部3、復調器4、システムコントローラ5、変調器6、LD駆動部7、サーボコントローラ8を具備する。
スピンドル駆動系9は、光ディスク10を駆動する。RF回路部3は、入力信号にフィルタリング等の処理を行う。復調器4は、入力信号を復調する。変調器6は、記録すべき信号を変調する。LD駆動部7は、光ヘッド部20のレーザダイオード(LD)26を駆動する。サーボコントローラ8は、サーボ信号をコントロールする。光ヘッド部20は、レーザダイオード26と、対物レンズ28と、受光部22と、ビームスプリッタ25とを備える。ビームスプリッタ25は、レーザダイオード26から出力された光を対物レンズ28に反射させるとともに光ディスクからの反射光を受光部22に通過させる。光ヘッド部20は、光ディスク10に光を照射してその反射光を受光部22によって検出する。
システムコントローラ5は、装置全体を統括する。システムコントローラ5は、記録ストラテジのパルス幅または、記録パワー、ミドルパワー、バイアスパワー等のパワー関係の調整をコントロールする記録ストラテジ調整器15を内蔵する(図9)。本発明の特徴的な要素は、システムコントローラ5に内蔵される記録ストラテジ調整器15にある。
本実施の形態では、RF回路部3は、信号品質指標として使用されるPRSNR、アシンメトリβ値を計測する。記録ストラテジ調整器15は、アシンメトリβ値を用いて、記録パワー変化に対するアシンメトリ値の変化率β係数を算出し、アシンメトリ値パワー依存係数とする。β係数の変化傾きが特徴的となる近傍のパルス幅値は、システムコントローラ5に内蔵されるCPU12によって決定される。記録ストラテジ調整器15によって決定されてもよい。
RF回路部3は、受光部22から出力される信号を取り込み、フィルタリング、イコライジング、PLL等の処理を施す。PRMLを評価指標として使用する場合はここで、ビタビ復号等の処理も行われる。RF回路部3のブロック図は、図10に示される。RF回路部3は、プリフィルタ30、オートゲインコントロール(AGC)回路31、A/Dコンバータ(ADC)32、フェーズロックドループ(PLL)回路37、オフセット補正器34、アシンメトリ補正器35、アシンメトリ値算出器36、誤差算出器38、最尤検出器39を備える。最尤検出器39は、図11に示されるように、適応等化器392およびビタビ復号器394、信号比較器396を含む。適応等化器392とビタビ復号器394とを合わせてPRML検出器390と呼称する場合もある。
アシンメトリ値算出器36は、AGC回路を通過した信号に基づいて、アシンメトリ値を算出する。アシンメトリ値算出器36は、図12に示されるように、ピーク検出器361、ボトム検出器362、平均算出器365、演算器367を備える。アシンメトリ値(β値)は、システムコントローラ5に出力され、システムコントローラ5は、β値のパワー依存係数であるβ係数を算出する。アシンメトリ値算出回路36は、このように、アナログ信号であるオートゲインコントロール回路31の出力からアナログ的に求めることが可能であるが、A/Dコンバータ32の出力からデジタル的に求めることもできる。例えば、アシンメトリ補正器35、最尤検出器39内のPRML検出器390において算出することも可能である。デジタル的に算出する場合、より高密度に記録されたパターン列に対して検出精度が高いという利点がある。
また、アシンメトリ補正器35は、図13に示されるように、最大レベル検出器351、最小レベル検出器352、中心レベル検出器354、LPF(Low Pass Filter)356、乗算器357、補正器358を備える。アシンメトリ補正器35は、常に動作するわけではなく、必要に応じてシステムコントローラ5により制御される。アシンメトリ補正器35が動作を休止しているとき、処理された信号は補償されずに出力される。
適応等化後の信号およびビタビ復号後のデータ列信号は信号比較器に入力される。信号比較器はPRSNRを計算する。PRSNR計算時に必要な各時刻のノイズは、ビタビ復号後のデータ列信号(2値化信号)と(1,2,2,2,1)ベクトルとの畳み込み積分により求められる理想信号波形と、適応等化後の信号(実際信号波形)との差として算出される。なお、アシンメトリ値は、PRML検出器390において、理想信号波形と適応等化後の信号(実際信号波形)の差である等化誤差を、2値化信号によるレベル判別を用いて、PRML検出器390が予め想定する各々の検出レベルに弁別し、必要信号の演算をすることで算出可能である。例えば、レベル判別によって最短マーク(スペース)に対応すると判別される等化誤差の値と、レベル判別によって最大の再生振幅を示す長マークまたはスペースに対応すると判別される等化誤差の値を用いて、アシンメトリ値が算出可能である。あるいは、最短マーク(スペース)よりも1T長いマーク(スペース)に対応する等化誤差のマークに対応する等化誤差とスペースに対応する等化誤差の平均と、最大の再生振幅を示す長マーク(スペース)に対応する等化誤差を用いてアシンメトリ値算出も可能である。また、アシンメトリ補正器35での最大レベル検出器351と最小レベル検出器352、平均算出器(中心レベル検出器)354を用いても算出は可能である。
記録ストラテジ調整器15は、RF回路部3から送られてくるPRSNR値又は、復調器4によって復調されたデータ列から得られるPIエラー、アシンメトリ値、場合によっては振幅値、変調度を観測して、図14に示されるように、一連の調整シーケンスをコントロールし、最適な記録ストラテジの調整を行う。なお、PIエラーとは、ECC(Error Correction Code)のインナー側のパリティによってエラーがあることが検出された行の行数を意味し、エラーレートと定性的にほぼ等しい。
記録ストラテジとしては、図3に示される記録ストラテジが用いられる。この記録ストラテジは、複数のパルスからなる(k−1)規則のパルストレイン型の記録ストラテジである。
光ディスク10が装填されると、情報記録再生装置1は、ディスクの特定領域に予め保持されている情報(例えば、ディスクメーカ名、生産地、ディスクの種別の情報を含むDisc Manufacturing information)を取り込む。この情報から、例えば、ディスクが、媒体メーカR社製の、記録を行うと反射率が低くなるHigh−to−LowタイプのHD DVD−R媒体であることが識別される。また、媒体に予め情報として保持されている推奨値も取り込まれる。ここでは、推奨値は、記録パワー:9.0mW、バイアスパワー:3.6mW、先頭パルス幅:1.06T、後続パルス幅:0.60Tであったとする。
パルストレイン型ストラテジの調整方法は、図14に示されるように、アシンメトリ値測定(ステップ100)、アシンメトリ値パワー依存係数算出(ステップ200)、後続パルス幅決定(ステップ300)、先頭パルス幅決定(ステップ400)、記録パワー調整(ステップ500)、バイアスパワーパワー調整(ステップ600)の各ステップを備える。
(ステップ100:アシンメトリ値測定)
後続パルスのパルス幅と記録パワーとを変更して所定のパターン列の記録再生時のアシンメトリ値が測定される。すなわち、後続パルスのパルス幅を複数のパルス幅値に変化させ、各々のパルス幅について、記録パワーを複数の(少なくとも2つの)パワーレベルに変更してパターン列が記録される。記録されたパターン列を再生して得られる各々の記録パワーに対応した再生信号のアシンメトリ値が、各々のパルス幅値に対して測定される。
後続パルスのパルス幅は、推奨値(0.60T)以下の複数の値、推奨値以上の複数の値が選択される。ここでは、後続パルスのパルス幅は、推奨値以下の値として推奨値を含んで2値、推奨値以上の値として3値選択され、0.50T、0.60T、0.70T、0.80T、0.90Tの5値が選択される。記録パワーは、推奨値を含む複数値が選択される。ここでは、記録パワー値は、推奨値9.0mWと、その±1mW上下の値として8.0mW、10.0mWの3値が選択される。これらの条件を組み合わせて所定のパターン列が記録再生され、各々のパルス幅、記録パワー値におけるアシンメトリ値が測定される。
(ステップ200:アシンメトリ値パワー依存係数算出)
記録パワー変化に対するアシンメトリ値が算出される。すなわち、測定されたアシンメトリ値に基づいて、アシンメトリ値パワー依存係数であるβ係数が算出される。
(ステップ300:後続パルス幅決定)
後続パルス幅とアシメトリ値パワー依存係数βとの関係に基づいて、後続パルス幅が決定される。複数の後続パルス幅に対するアシンメトリ値パワー依存係数の変化傾きが特徴的となる部分が求められ、そのパルス幅値が後続パルス幅となる。図5に示されるように、後続パルス幅に対するβ値のパワー依存係数(β係数)の変化の度合いは、ある後続パルス幅を境に大きく変化する。このβ係数が顕著に変化する(変化傾きが特徴的となる近傍)部分に対応したパルス幅が臨界パルス幅であり、後続パルス幅として選択される。ここでは、後続パルス幅として0.76Tが選択された。
ここでは、パラメータ変化に対するβ値の変化に近似を用い、後続パルス幅が選択された。近似を用いる場合でも、パワー依存係数β値の変化が顕著に変化する近傍のパルス幅を選定するとしてもよい。
(ステップ400:先頭パルス幅決定)
次に、後続パルス幅は、ステップ300において決定された後続パルス幅に固定され、先頭パルス幅を所定の範囲内で変更しつつパターン列が記録再生され、その再生信号の評価指標に基づいて先頭パルス幅が決定される。上述のように、後続パルス幅は、0.76Tに固定され、先頭パルス幅は、1.00T〜1.60Tまで0.05T刻みに変更され、テスト記録再生が行われる。PRSNRを評価指標として再生信号品質を評価した結果、先頭パルス幅は1.25Tとなった。
(ステップ500:記録パワー調整)
次に、記録パワーが調整される。記録パワーを所定の範囲内で変更しながらパターン列が記録再生され、その再生信号の評価指標に基づいて記録パワーが決定される。ここでは、記録パワーは、推奨値の9mWを中心に、例えば±10%の範囲を2%刻みに変更され、記録再生が行われる。試行の結果、最良のPRSNRとして28が得られ、そのときの記録パワーは、8.8mWであった。
(ステップ600:バイアスパワー調整)
次に、記録パワーと同じようにバイアスパワーが調整される。バイアスパワーは、推奨値の3.6mWを中心に、例えば±10%の範囲を2%刻みに変更され、記録再生が行われる。試行の結果、最良のPRSNRとして30が得られ、そのときのバイアスパワーは、3.8mWであった。
以上より、記録ストラテジの調整を速く確実に行うことができることが分かる。ここで、パワー調整に関連する記録パワー調整(ステップ500)、バイアスパワーパワー調整(ステップ600)は、必ずしも実施される必要はない。また、ステップ500と600の順番は入れ替え可能である。ステップ400、500、600における評価指標はPRSNRに限られず、エラー数やその他の指標を評価指標としてもよい。
記録パワー調整(ステップ500)は、後続パルス幅決定(ステップ300)後、または、先頭パルス幅決定ステップ(ステップ400)後のどちらで実施されてもよい。また、どの調整をどの程度まで行うかは、調整精度や調整時間に関わるので、様々な制約の兼ね合いで装置設計者が適宜判断することが好ましい。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る情報記録再生装置1は、上述の情報記録再生装置と同じように構成されるが、図15に示されるように、システムコントローラ5に内蔵される記録ストラテジ調整器15にβ値評価処理器16をさらに備える。その他の部分は第1の実施の形態で説明されているので、ここでは説明を省略する。β値評価処理器16を備えるため、記録ストラテジ調整器15の動作は、図16に示されるように、第1の実施の形態に係る記録ストラテジ調整器の動作に比べてβ値評価処理(ステップ150)及び記録パワー粗調整処理(ステップ160)が追加されている。β値評価処理では、再生信号のβ値がゼロ近傍にあるか否かを判定し、ゼロ近傍に無いときは記録パワー粗調整処理が行われ、記録パワー値は、β値がゼロ近傍にあるように調整される。
このように、記録パワーを大まかに調整することにより、予め決めた範囲を探索するような記録パワー調整が行われる場合、真のパラメータとなるような調整が確実に行われることになる。
光ディスク10が装填されると、情報記録再生装置1は、ディスクの特定領域に予め保持されている情報(例えば、ディスクメーカ名、生産地、ディスクの種別の情報を含むDisc Manufacturing information)を取り込む。この情報に基づいて、ディスクがHD DVD−R、High−to−Lowディスクであることが識別される。ここでは、そのディスクは、情報記録再生装置1が予め情報を保持していないディスクであったとする。
(ステップ100:アシンメトリ値測定)
次に、アシンメトリ値が測定される。ここで、記録パワーレベルとしては、複数の記録パワーレベルとして、予め定められた2つの記録パワーレベルが選択される。具体的には7mWと8mWが選択される。この記録パワーレベルは、3つのレベルが選択されてもよく、その場合、6.0mW、7.0mW、8.0mWとしてもよいし、7.0mW、7.5mW、8.0mWとしてもよい。
バイアスパワーは、3.5mWとする。後続パルス幅は、0.10T刻みに0.40Tから0.90Tまでの複数の後続パルス幅とする。この時の先頭パルス幅は、後続パルス幅の1.6倍とする。従って、後続パルス幅が変化すれば先頭パルス幅の値も変化する。このような条件下において、アシンメトリ値が測定される。
(ステップ200:アシンメトリ値パワー依存係数算出)
各条件におけるアシンメトリ値が測定されると、そのアシンメトリ値からアシンメトリ値パワー依存係数βが算出される。
(ステップ300:後続パルス幅決定)
アインメトリ値パワー依存係数が算出されると、アインメトリ値パワー依存係数に基づいて、後続パルス幅が決定される。ここでは、例えば、後続パルス幅は0.68Tと求まる。先頭パルス幅は後続パルス幅の1.6としていたので、先頭パルス幅は1.09Tである。
(ステップ150:β値評価)
β値評価処理では、パターン列が記録再生され、その再生信号のβ値がゼロ近傍にあるか否かの判定が行われる。具体的には、β値が±10%以内であることが好ましい(−10%≦β≦10%)。また、異なる記録パワーレベルにおける2つのβ値をβ1、β2(β1≦β2)とするとき、β1≦0≦β2である場合もβ値がゼロ近傍にあるとする。β値がゼロ近傍にあると判定されると、そのβ値のうちのよりゼロに近いβ値となるときの記録パワーがその後の調整用の記録パワーとなる。あるいは、ゼロ近傍の複数のβ値から補間、補外によりβ値がゼロになると推定される記録パワーがその後の調整用の記録パワーとされてもよい。β1≦0≦β2である場合、例えば、記録パワー8mWで記録したときのβ値がβ1(=−2%)、記録パワー10mWで記録したときのβ値がβ2(=+3%)とすると、8mWがその後の調整における記録パワーレベルとして使用される。
(ステップ160:記録パワー粗調整)
β値がゼロ近傍にないと判定された場合は、β値がゼロ近傍になるように、記録パワーの調整が行われる。例えば、後続パルス幅が0.90T、記録パワーが7mWおよび8mWで記録したときの各々のβ値は−15%、−10%であったとする。β値評価(ステップ150)において、図17に示されるように、補外により、β値が概ねゼロとなる記録パワーが9mWと推定される。この9mWが粗調整された記録パワーとして選定される。このパワーがその後の調整に使用される。
(ステップ400:先頭パルス決定)
続いて、先頭パルス幅が決定(ステップ400)される。記録パワーは粗調整により求められた9mWとする。先頭パルス幅は、後続パルスの1.4倍から1.8倍までの範囲で0.05倍刻みに設定される。評価指標として、PRSNRが用いられる。ここでは、先頭パルス幅は後続パルスの1.65倍の1.12Tが選択される。
(ステップ500:記録パワー調整)
先頭パルス幅、後続パルス幅が決まり、次に、そのパルス幅において記録パワーの調整が行われる。記録パワー粗調整によって選択された記録パワー9mWを中心にその±10%の範囲内で2%刻みに記録パワーPwが変更され、記録再生による再生信号品質が最良となる記録パワーPwが選択される。このときの再生信号品質は、PIエラーバイト数を評価指標として評価された。
PIエラーバイト数は、復調器4のデータを元にシステムコントローラ5内で算出される。光ディスクの1ECCブロック毎にパワーを変化させ、合計11ECCブロックでの各記録パワーに対応したPIエラーバイト数の比較を行い、エラー数が一番低くなる記録パワー9.36mWが選択される。
(ステップ600:バイアスパワー調整)
続いてバイアスパワーPbの調整が行われる。バイアスパワーは3.0mWとなる。この時PRSNRは28程度となる。以上のパワーに対応したβ値は+4%となり、今後このディスクに対してβ値が4%となるように記録パワーが制御されることになる。
これら一連のβ値評価(ステップ150)、記録パワー粗調整(ステップ160)は、記録パワー調整(ステップ500)とは別に後続パルス幅決定(ステップ300)以降に少なくとも1度行われてもよいが、アシンメトリ値測定(ステップ100)の中に後続パルス幅を複数切り替える前の1つの後続パルス幅において記録が行われた後に行うとしてもよい。また、アシンメトリ値測定(ステップ100)の後に実施されるとしてもよい。また、アシンメトリ値パワー依存係数算出(ステップ200)の後としてもよい。さらに、β値の絶対値を複数段階として段階分けをして調整を複数回に分けて次第にゼロに近づくような調整としてもよい。
以上より、記録パワーが全く分からない場合においても記録ストラテジの調整を速く確実に行うことができることを確認し、本発明が有効であることが確かめられた。なお、上記のようなことが成り立つのは、アシンメトリβ値がゼロ近傍となるような記録パワーでない場合でも、記録パワーの変化に対するアシンメトリβ値の変化は概ね同様の傾向を示すことに基づく。つまり、アシンメトリβ値の絶対値は記録パワーによって変わるが、β値のパワー依存係数であるβ係数は同じように変化する。従って、後続パルス幅を決定する時点での記録パワーをラフな記録パワーとしてよく、調整時の制約が減るので、汎用性が高く運用ができる。
(第3の実施の形態)
本発明は、矩形を基本とした記録ストラテジにも適用可能であり、第3の実施の形態として説明される。第3の実施の形態に係る情報記録再生装置1は、上述の情報記録再生装置と同じように構成されるため、詳細な説明は省略される。記録ストラテジ調整器15には、矩形を基本とするノンマルチ型記録ストラテジが設定される。
図18に、本実施の形態に係るノンマルチ型記録ストラテジが示される。これは、(n−1)T規則のノンマルチ型記録ストラテジである。この規則は、記録マークがnT(nは2以上の自然数、Tはチャネルクロック周期)である場合、記録パルスはn−1個のチャネルクロック相当の時間幅で形成される。従って、元のデータが8T長であるマークの記録には、7T相当の単一パルスが使われる。同じように、3Tマークは2T相当の単一パルスで、2Tマークは1T相当の単一パルスで記録される。
ノンマルチ型記録ストラテジの場合の情報記録再生装置1の動作が説明される。情報記録再生装置1は、光ディスク10が装填されると、ディスクの特定領域に予め保持されている情報(例えば、ディスクメーカ名、生産地、ディスクの種別の情報を含むDisc Manufacturing information)を読み出す。その情報に基づいて、情報記録再生装置1は、ディスクが媒体メーカP社製の、記録を行うと反射率が低くなるタイプのHD DVD−R媒体であることを識別する。情報記録再生装置1は、予め情報として保持している記録ストラテジ、すなわち、記録パワー:7.0mW、バイアスパワー:3.6mW、パルス開始位置(基準位置から0.5Tのタイミング)、パルス幅((n−1)T規則に応じたパルス幅)を設定する。
ノンマルチ型記録ストラテジの場合、図19に示されるように、記録ストラテジが調整される。
(ステップB100:アシンメトリ値測定)
各矩形パルスのパルス幅を複数のパルス幅値に変化させ、各々のパルス幅について、記録パワーを複数の(少なくとも2つの)パワーレベルに変更してパターン列が記録される。記録されたパターン列が再生され、各々の記録パワーに対応した再生信号のアシンメトリ値が、各々のパルス幅値に対して測定される。
アシンメトリβ値は、最短マークに相当する2Tマークと最長マーク13Tとに基づいて得られる。ここでは、最短マークである2Tマークに対応する記録パルス幅は固定される。それ以外のマーク長に対応する記録パルス幅は、±0.4Tの範囲を0.2T刻みで変更される。例えば、8Tマークに対応する記録パルスは、基準となるパルス幅が7.0Tであるから、6.6T〜7.4Tの範囲を0.2T刻みで変更、すなわち6.6T/6.8T/7.0T/7.2T/7.4Tの5段階の記録パルス幅となる。各記録パルス幅において、2レベルの記録パワー(7.0mW/8.0mW)で記録が行われ、記録されたパターン列を再生して得られる各々の記録パワーに対応する再生信号のアシンメトリ値が、各々のパルス幅値に対して測定される。なお、最短マークに対応する記録パルスも他と同様の規則で変更するとしてもよい。
(ステップB200:アシンメトリ値パワー依存係数算出)
測定したアシンメトリ値に基づいてアシンメトリ値パワー依存係数であるβ係数が算出される。
(ステップB300:パルス幅決定)
次に、アシンメトリ値パワー依存係数に基づいて、パルス幅が決定される。β係数が例えば、図20に示されるように変化する。図20には、パルス幅に対するβ値のパワー依存係数(β係数)の関係が示される。β係数が顕著に変化する部分、すなわち、β係数の変化の傾きが特徴的である部分の近傍に対応するパルス幅が求められる。ここでは、そのパルス幅は、−0.08Tであった。この場合の符号−は、当初の基準パルス幅より狭いことを示し、最初の基準パルス幅から0.08T減じたパルス幅が、各マークに対応する記録パルスに適用される。
(ステップB400:最短パルス幅決定)
続いて、最短パルス幅決定(ステップB400)が実施される。パルス幅を基準パルス幅−0.08Tとするパラメータを用いて、最短マーク対応のパルス幅決定が行われる。最短マークは2Tであるから、最短マークに対応するパルス幅は、0.80T〜1.60Tまで0.1T刻みに変更してテスト記録再生をすることにより決定される。ここでは、評価指標にPRSNRを用いて測定した結果、2Tに対応するパルス幅は1.20Tとなった。
(ステップB500:記録パワー調整)
次に、記録パワーが調整される。記録パワーは、予め保持していた値である7mWを中心に、例えば、その±10%を2%刻みに変更され、記録再生が行われる。その結果、最良のPRSNR26が得られ、そのときの記録パワーは、6.7mWであった。
(ステップ600:バイアスパワー調整)
次に、記録パワーと同じようにバイアスパワーが調整される。バイアスパワーは、予め保持していた値である3.6mWを中心に、例えば±10%の範囲内を2%刻みに変更され、記録再生が行われる。その結果、最良のPRSNRとして28が得られ、そのときのバイアスパワーは、3.3mWであった。
なお、最短パルス幅決定(ステップB400)、パワー調整に関連する記録パワー調整(ステップB500)、バイアスパワー調整(ステップB600)は必ずしも実施する必要はない。また、記録パワー調整(ステップB500)とバイアスパワー調整(ステップB600)の順番は入れ替え可能である。最短パルス幅決定(ステップB400)、記録パワー調整(ステップB500)、バイアスパワー調整(ステップB600)における評価指標としてはPRSNRである必要はなく、エラー数やその他の指標を用いることも可能である。
パワーに関連する調整で、特に、記録パワー調整(ステップB500)は、パルス幅決定(ステップB300)後、または、最短パルス幅決定(ステップB400)後のどちらで実行してもよい。また、どの調整をどの程度まで行うかは、調整精度や調整時間に関わるので、様々な制約の兼ね合いで装置設計者が適宜判断するとよいということになる。
本発明において、記録パルスの調整(パルス幅の調整)において、パルスの変更位置は前端としたが、後端としてもよい。また、本発明は、記録ストラテジとして、単純矩形に限らず、図21に示されるように先頭が強調される部分を含んだ単一記録パルスに対しても適用可能である。この場合、強調された先頭部分をパルストレイン型記録ストラテジにおける先頭パルスと同様の扱いとし、パルストレインにおける後続パルスに相当する部分を先頭パルス以外の部分として適用する。さらに、記録パワーの調整ステップは、ピークパワーの調整とミドルパワーの調整とに細分化し、個々に調整してもよい。
また、本発明は、波長405nm、NA0.65に限定されることなく、他の波長、および開口数NAに適応可能である。また、上記ではPR(12221)というクラスを使用したが、PR(1221)など他のクラスでも同様に使用することができる。また、変調符号としてHD DVDで採用されているETMを用いて説明したが、その他の変調符号でも同様に使用できる。その場合、最短データ長は、kT(kは3以上の自然数)であってもよい。また、上記では、HD DVDが例示されたが、ブルーレイディスク(BDディスク)であっても良い。
また、媒体記録層の主材料は無機系材料に限定されず、有機系材料を用いたとしてもよい。この場合記録されたマークは明るくなる方向の信号極性となり、いわゆる、Low−to−Highの極性となり、β値の極性は逆になる。また、追記型以外にもオーバーライト可能な媒体においても適用可能である。
また、性能指標は、PRSNR以外に、エラーレート(PRSNRはエラーレートへの換算も可能)や、SAM(Sequence Amplitude Margin)、PIエラーを用いてもよい。SAMをベースとした指標で基本的にエラーレート指標に置き換え可能な指標でもよい。PIエラーは、所定のECCブロック数において発生するエラーバイト数やECCのインナー側のパリティによってエラーがあることが検出された行のトータル数であり、エラーレートと定性的にほぼ等しい意味で使用されている指標として用いられる。また、PRML検出を用いない系ではジッタを用いてもよい。
記録ストラテジの例を説明する図である。 β値の定義を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係るパルストレイン型ストラテジを説明する図である。 後続パルス幅をパラメータにして記録パワーとβ値との関係を示す図である。 後続パルス幅とβ係数との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る処理手順を説明する図である。 先頭パルス幅を変えてPRSNRを測定した結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシステムコントローラの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るRF回路部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る最尤検出器の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るアシンメトリ値算出器の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るアシンメトリ補正器の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る処理手順を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るシステムコントローラの構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る処理手順を示す図である。 本発明の第2の実施の形態において捕外による記録パワーの推定を説明する図である。 本発明の第3の実施の形態に係るノンマルチ型ストラテジを説明する図である。 本発明の第3の実施の形態に係る処理手順を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるパルス幅とβ係数との関係を示す図である。 部分強調した矩形型記録ストラテジの例を説明する図である。
符号の説明
10 光ディスク
12 CPU
15 記録ストラテジ調整器
16 β値評価処理器
20 光ヘッド部
22 受光部
25 ビームスプリッタ
26 レーザダイオード
28 対物レンズ
3 RF回路部
32 A/Dコンバータ
34 オフセット補正器
35 アシンメトリ補正器
351 最大レベル検出器
352 最小レベル検出器
354 平均算出器
356 LPF
367 乗算器
368 補正器
36 アシンメトリ値算出器
361 ピーク検出器
362 ボトム検出器
365 平均算出器
367 演算器
37 PLL回路
38 誤差算出器
39 最尤検出器
390 PRML検出器
392 適応等化器
394 ビタビ復号器
396 信号比較器
4 復調器
5 システムコントローラ
6 変調器
7 LD駆動部
8 サーボコントローラ
9 スピンドル駆動系

Claims (20)

  1. 光学的情報記録媒体上に記録ストラテジに基づいて強度変調されたレーザ光を照射し、マーク及びスペースを含むパターン列を記録して記録条件を調整する記録ストラテジ調整方法であって、
    前記マークを形成する記録パルスのパルス幅及び記録パワー値をそれぞれ複数の値に変えて前記パターン列を記録する記録ステップと、
    記録された前記パターン列から再生信号を再生する再生ステップと、
    前記パルス幅及び前記記録パワー値の複数の値のそれぞれに対応する再生信号のアシンメトリ値を測定する測定ステップと、
    前記記録パワー値の変化に対する前記アシンメトリ値の変化率を示すアシンメトリ値パワー依存係数を前記パルス幅毎に算出する係数算出ステップと、
    前記パルス幅に対する前記アシメトリ値パワー依存係数の変化量が大きく変わる特徴点に対応する前記パルス幅を臨界パルス幅として設定する設定ステップと
    を具備し、
    前記臨界パルス幅を前記記録パルスのパルス幅に用いて前記記録条件を調整する
    記録ストラテジ調整方法。
  2. 前記記録ステップは、
    前記パルス幅の複数の値として、所定の基準パルス幅以上の複数の値と前記基準パルス幅以下の複数の値とを選択するステップと、
    前記記録パワー値の複数の値として、所定の基準パワー値を含む少なくとも2値を選択するステップと
    を備える
    請求項1に記載の記録ストラテジ調整方法。
  3. 前記光学的情報記録媒体に対応する前記記録条件を示す推奨記録条件を有するとき、前記記録ステップは、
    前記推奨記録条件に含まれる推奨パルス幅を前記基準パルス幅として前記パルス幅の複数の値を選択するステップと、
    前記推奨記録条件に含まれる推奨記録パワー値を前記基準パワー値として前記記録パワーの複数の値を選択するステップと
    を備える
    請求項2に記載の記録ストラテジ調整方法。
  4. 前記光学的情報記録媒体に対応する前記記録条件を示す推奨記録条件を有しないとき、前記記録ステップは、
    予め定められた既定パルス幅を前記基準パルス幅として前記パルス幅の複数の値を選択するステップと、
    予め定められた既定パワー値を前記基準パワー値として前記記録パワーの複数の値を選択するステップと
    を備える
    請求項2または請求項3に記載の記録ストラテジ調整方法。
  5. 前記設定ステップは、
    前記パルス幅と前記アシンメトリ値パワー依存係数とにより示される点が配置される平面上に、前記基準パルス幅以上の複数の値のうちの少なくとも2値のそれぞれに対応する前記アシンメトリ値パワー依存係数で示される点を通る第1直線を求めるステップと、
    前記平面上に、前記基準パルス幅以下の複数の値のうちの少なくとも2値のそれぞれに対応する前記アシンメトリ値パワー依存係数で示される点を通る第2直線を求めるステップと、
    前記特徴点として前記第1直線と前記第2直線との交点を前記特徴点として求めるステップと、
    前記交点に対応する前記パルス幅を求めて前記臨界パルス幅とするステップと
    を備える
    請求項2から請求項4のいずれかに記載の記録ストラテジ調整方法。
  6. 前記記録ストラテジは、パルストレイン型の記録ストラテジであり、
    前記記録パルスに含まれるパルスのうちの最初のパルスを先頭パルスとし、前記先頭パルスに連なるパルス群を後続パルスとすると、
    前記記録ステップは、前記後続パルスの幅を変えることにより前記パルス幅を調整するステップを備える
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の記録ストラテジ調整方法。
  7. 前記臨界パルス幅を前記後続パルスの後続パルス幅に設定して前記先頭パルスの先頭パルス幅を調整するステップをさらに具備する
    請求項6に記載の記録ストラテジ調整方法。
  8. 前記パルス幅を設定した後に、
    前記記録パワー値を所定の範囲に含まれる複数の値に変えて前記パターン列を記録再生し、前記再生信号の品質を評価する評価指標が最良となる前記記録パワー値を選択する記録パワー決定ステップをさらに具備する
    請求項1から請求項7のいずれかに記載の記録ストラテジ調整方法。
  9. 前記パルス幅を設定した後に、
    前記記録パルスのバイアスパワー値を所定の範囲に含まれる複数の値に変えて前記パターン列を記録再生し、前記再生信号の品質を評価する評価指標が最良となる前記バイアスパワー値を選択するバイアスパワー決定ステップをさらに具備する
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の記録ストラテジ調整方法。
  10. 前記アシンメトリ値の絶対値が所定の閾値以下になるように前記記録パワー値を調整する記録パワー粗調整ステップをさらに具備する
    請求項1から請求項9のいずれかに記載の記録ストラテジ調整方法。
  11. 光学的情報記録媒体上に記録ストラテジに基づいて強度変調されたレーザ光を照射してマーク及びスペースを含むパターン列を試し記録し、記録された前記パターン列を読み出して電気信号を出力する光ヘッド部と、
    前記電気信号に基づいて再生信号を生成する再生部と、
    前記再生信号に基づいて再生信号のアシンメトリ値を測定するアシンメトリ値測定部と、
    前記マークを形成する記録パルスのパルス幅及び記録パワー値をそれぞれ複数の値に変えて前記パターン列を前記光ヘッド部によって試し記録し、前記アシンメトリ値測定部から出力される前記パルス幅及び前記記録パワー値の複数の値のそれぞれに対応するアシンメトリ値に基づいて記録条件を調整する記録ストラテジ調整部と
    を具備し、
    前記記録ストラテジ調整部は、
    前記記録パワー値に対する前記アシンメトリ値の変化率を示すアシンメトリ値パワー依存係数を前記パルス幅毎に算出するアシンメトリ値パワー依存係数算出部と、
    前記パルス幅に対する前記アシメトリ値パワー依存係数の変化量が大きく変わる特徴点に対応する前記パルス幅を臨界パルス幅として設定するパルス幅設定部と
    を備える
    情報記録再生装置。
  12. 前記記録ストラテジ調整部は、
    前記パルス幅の複数の値として、所定の基準パルス幅以上の複数の値と前記基準パルス幅以下の複数の値とを選択し、
    前記記録パワー値の複数の値として、所定の基準パワー値を含む少なくとも2値を選択する
    請求項11に記載の情報記録再生装置。
  13. 前記光学的情報記録媒体に対応する前記記録条件を示す推奨記録条件を有するとき、前記記録ストラテジ調整部は、
    前記推奨記録条件に含まれる推奨パルス幅を前記基準パルス幅として前記パルス幅の複数の値を選択し、
    前記推奨記録条件に含まれる推奨記録パワー値を前記基準パワー値として前記記録パワーの複数の値を選択する
    請求項12に記載の情報記録再生装置。
  14. 前記光学的情報記録媒体に対応する前記記録条件を示す推奨記録条件を有しないとき、前記記録ストラテジ調整部は、
    予め定められた既定パルス幅を前記基準パルス幅として前記パルス幅の複数の値を選択し、
    予め定められた既定パワー値を前記基準パワー値として前記記録パワーの複数の値を選択する
    請求項12または請求項13に記載の情報記録再生装置。
  15. 前記パルス幅設定部は、
    前記パルス幅と前記アシンメトリ値パワー依存係数とにより示される点が配置される平面上に、前記基準パルス幅以上の複数の値のうちの少なくとも2値のそれぞれに対応する前記アシンメトリ値パワー依存係数で示される点を通る第1直線と、前記平面上に、前記基準パルス幅以下の複数の値のうちの少なくとも2値のそれぞれに対応する前記アシンメトリ値パワー依存係数で示される点を通る第2直線との交点を前記特徴点とし、
    前記交点に対応する前記パルス幅を求めて前記臨界パルス幅とする
    請求項12から請求項14のいずれかに記載の情報記録再生装置。
  16. 前記記録ストラテジは、パルストレイン型の記録ストラテジであり、
    前記記録パルスに含まれるパルスのうちの最初のパルスを先頭パルスとし、前記先頭パルスに連なるパルス群を後続パルスとすると、
    前記記録ストラテジ調整部は、前記後続パルスの幅を変えることにより前記パルス幅を調整する
    請求項11から請求項15のいずれかに記載の情報記録再生装置。
  17. 前記記録ストラテジ調整部は、さらに、前記臨界パルス幅を前記後続パルスの後続パルス幅に設定して前記先頭パルスの先頭パルス幅を調整する
    請求項16に記載の情報記録再生装置。
  18. 前記記録ストラテジ調整部は、前記パルス幅を設定した後に、さらに、
    前記記録パワー値を所定の範囲に含まれる複数の値に変えて前記パターン列を記録再生し、前記再生信号の品質を評価する評価指標が最良となる前記記録パワー値を選択する
    請求項11から請求項17のいずれかに記載の情報記録再生装置。
  19. 前記記録ストラテジ調整部は、前記パルス幅を設定した後に、さらに、
    前記記録パルスのバイアスパワー値を所定の範囲に含まれる複数の値に変えて前記パターン列を記録再生し、前記再生信号の品質を評価する評価指標が最良となる前記バイアスパワー値を選択する
    請求項11から請求項18のいずれかに記載の情報記録再生装置。
  20. 前記記録ストラテジ調整部は、前記記録パワー値を微調整する前に、前記アシンメトリ値の絶対値が所定の閾値以下になるように前記記録パワー値を調整する
    請求項11から請求項19のいずれかに記載の情報記録再生装置。
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