JP4375247B2 - 放電ランプ - Google Patents
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Description
放電ランプ50は、球状の発光管部51および該発光管部51に繋がる側管部52からなる封体53を備えている。封体53内には、電極マウント60が配置されている。電極マウント60は、陽極61或いは陰極62、内部リード棒63、前方側保持部材64、導電部材65、ガラス部材66、金属箔67、導電板68、外部リード棒69、後方側保持部材70を備えて構成される。
各々の金属箔67は、ガラス部材66の胴部662に当接する部分の幅が長手方向にて概ね同一であり、ガラス部材66の縮径部661に当接する部分が、陽極61側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー形状となっている。金属箔67は、ガラス部材66の縮径部661における角部665に沿うように折り曲げられるとともに、縮径部661の端面663に当接して配置された導電部材65に沿って概ね90°折り曲げられ、内部リード63の形状に沿うように凹部が形成された一端を内部リード63に当接させた状態で導電部材65に接続される。金属箔67の他端側は、ガラス部材66の後端面664に隣接して配置された導電板68に、例えばスポット溶接によって接続されている。
すなわち、金属箔67は、導電部材65との溶接代を確保するために、導電部材65に沿って折り曲げられることにより皺が生じる。そして、かかる皺によって側管部52にクラックが生じることを防止すべく、図6に示すように、導電部材65の外径は前方側保持部材64およびガラス部材66よりも小さくなるよう構成されている。ところが、このような構成とすると輸送時に振動が生じ易くなるため、金属箔67は、折り曲げ部分において折り曲げおよび折り返しが繰り返されることに起因して、金属疲労によって切断したり、或いは切断しない場合であっても、放電ランプ点灯中に切断しかかっている箇所に電流が集中することにより溶断することになる。
特に、陽極の重量が500gを超える場合は、金属箔67における折り曲げ部にかかるモーメントが大きくなることにより折り曲げおよび折り返しの力が強くなるため、金属箔の切断・溶断が顕著に生じることになる。
すなわち、発光空間側へ向かうに従い縮径する形状の縮径部を備えたガラス部材と併せて使用することにより、前方側保持部材に対応する側管部において急峻な段差を生じることなく、陽極の最大径よりも小径の縮径部を形成することができる。
これにより、前方側保持部材に対応する側管部において急峻な段差が存在すると、応力集中が生じ易いことにより放電ランプの輸送時における振動などによって側管部が容易に破損するところ、本発明に係る放電ランプの側管部においては、このような急峻な段差を有しないことにより側管部が容易に破損する心配がない。従って、大電流対応仕様とすべく大径の陽極を用いた場合にも、側管部と前方側保持部材との溶着部分における耐圧性を十分に確保することができるため、放電ランプ内への封入水銀量を増すことにより、大出力の放電ランプを作製することが可能となる。
図1は、本発明の放電ランプを説明するための中心軸を含む断面図である。放電ランプ1は、内部に発光空間を有する略球状の発光管部3と、該発光管部3の両端に繋がる側管部4とを有する、石英ガラスからなる封体2を備えている。封体2内には、陽極側の電極マウント10が配置されている。電極マウント10は、陽極11、内部リード棒12、前方側保持部材13、導電部材14、ガラス部材15、金属箔16、導電板17、外部リード棒18、後方側保持部材19を備えて構成される。
ガラス部材15の縮径部151の前方端面154には、例えばモリブデンからなる導電部材14が隣接配置されている。導電部材14における前方端面に隣接して配置された前方側保持部材13は、例えば石英ガラスからなり、その中心には内部リード棒12を挿入保持するための貫通孔131が設けられている。
例えばタングステンからなる内部リード棒12は、前方側保持部材13における貫通孔131に挿入されて支持されるとともに導電部材14に電気的に接続され、その後方端がガラス部材15の前方端面154に設けられた有底孔155に嵌入され、その前方端には、例えばタングステンからなる柱状の陽極11を備えている。
ガラス部材15には、周方向に互いに離間して軸方向に伸びるように帯状の金属箔16が、例えば6枚配置されている。各々の金属箔16は、ガラス部材15の胴部152に当接する部分の幅が長手方向にて概ね同一であり、ガラス部材15における縮径部151に当接する部分が、陽極11側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー形状となっている。金属箔16は、ガラス部材15の縮径部151における角部156に沿うように折り曲げられるとともに、その一端161が導電部材14の斜面部141において溶接されることにより電気的に接続されている。従って、金属箔16は、図5および図6に示す従来構造の放電ランプと異なり、導電部材14に斜面部141でのみ接続され、導電部材14に沿って折り曲げられていない。
ガラス部材15の胴部152における後方端面157に隣接して配置された導電板17には、金属箔16の他端162が電気的に接続されている。導電板17は、例えばモリブデンからなり、その中心に外部リード棒を挿入するための貫通孔が設けられている。
外部リード棒18は、例えばタングステンからなり、後方側保持部材19および導電板17における貫通孔に挿入されるとともに、その前方端がガラス部材15における有底孔153の底部158に突き当てられて保持されている。
斜面部141は、放電ランプの中心軸Yを含む断面において、その稜線Rの傾きがガラス部材15の縮径部151における稜線Sの傾きと略同一である。本発明の放電ランプは、導電部材14の斜面部141でのみ金属箔16が、例えば溶接等によって電気的に接続された点が最大の特徴であり、各々の金属箔16の一端が導電部材14に沿って折り曲げられていない。
上記電極マウント10を、陽極11が発光空間に配置されるよう封体2における側管部4内に挿入配置する。この状態で、封体2を回転させながら側管部4の外周から加熱を行うことによって、側管部4の内周とガラス部材15の外周とを金属箔16を介して気密に溶着させる。ガラス部材15における胴部152は、陽極11の外径と等しいか或いは陽極11の外径よりも大径であることにより、溶着作業の際に側管部4を過剰に加熱収縮させる必要がないため、ガラス部材15の中心を側管部4内の中心と確実に一致させることができる。そして、側管部4における前方側保持部材13と対向する部分の石英ガラスを加熱押圧するか、或いは側管部4内を負圧状態として、側管部4と前方側保持部材13とを溶着させることにより、陽極11の最大径よりも径の小さい縮径部41を形成する。さらに、側管部4における後方側保持部材19と対向する部分の石英ガラスを加熱することにより、後方側保持部材19と溶着させる。以上により、気密シール構造を有する放電ランプが構成される。
封体2は、全長が150mm、発光管部3の最大外径が120mm、側管部4の最大外径が35mm、側管部4における縮径部41の外径が26mmである。発光管部3内における封入水銀密度は、20mg/cm3〜50mg/cm3の範囲であって、例えば40mg/cm3である。発光管部3内には、不活性ガスとしてキセノンガスが50kPa〜300kPa封入されている。
さらに、前方側保持部材13の全長が25mm〜35mmの範囲であって、例えば30mmであり、外径が20mm〜35mmの範囲であって、例えば30mmである。導電部材14は、肉厚が1mm〜4mmの範囲内であって、例えば2mmである。ガラス部材15は、全長が40mm〜80mmの範囲であって、例えば60mmであり、縮径部151の全長が5mm〜15mmの範囲であって、例えば10mmであり、縮径部151の最小外径が20.5mm、胴部152の外径が20mm〜50mmの範囲であって、例えば23.5mmである。陽極11は、全長が50mm、最大外径が30mmであって、重量が例えば650gである。
すなわち、発光空間側へ向かうに従い縮径する形状の縮径部151を備えたガラス部材15と併せて使用することにより、前方側保持部材13に対応する側管部4において急峻な段差を生じることなく、陽極11の最大径よりも小径の縮径部41を形成することができる。
これにより、前方側保持部材13に対応する側管部4において急峻な段差が存在すると、応力集中が生じ易いことにより放電ランプ1の輸送時における振動などによって側管部4が容易に破損するところ、本発明に係る放電ランプ1の側管部4においては、このような急峻な段差を有しないことにより側管部4が容易に破損する心配がない。従って、大電流対応仕様とすべく大径の陽極11を用いた場合にも、側管部4と前方側保持部材13との溶着部分における耐圧性を十分に確保することができるため、放電ランプ1内への封入水銀量を増すことにより、大出力の放電ランプ1を作製することが可能となる。
図2に示す形態における導電部材30は、放電ランプの中心軸を含む断面において、その稜線Rの傾きがガラス部材35の縮径部36における稜線Sの傾きと略同一となる斜面部31と、該斜面部31に続く底面部32とを有し、全体が皿形状である。
ガラス部材35は、柱状の胴部37に続き、前方側に向かうに従い縮径する形状を有する縮径部36を備えて構成されている。縮径部36は、導電部材30における斜面部31および底面部32と適合する形状となるよう形成された突出部38を備えている。
図2に示す形態において、図1に示す形態と異なる箇所について数値例を示す。導電部材30は、底面部32の肉厚が0.5mmであり、斜面部31の先端から底面部32の前方端面までの間隔T1が2〜3mmである。
図3に示す形態における導電部材40は、放電ランプの中心軸を含む断面において、その稜線Rの傾きがガラス部材45の縮径部46における稜線Sの傾きと略同一となる斜面部41と、斜面部41に続き曲線を形成する曲線部42と、曲線部42に続く直線部43とを備えて構成される。
ガラス部材45は、柱状の胴部47に続き、前方側に向かうに従い縮径する形状の縮径部46を備えて構成される。縮径部46は、導電部材40における曲線部42および直線部43に適合する形状となるよう形成された凹部48を備えている。
図4に示す形態において、図1に示す形態と異なる箇所について数値例を示す。導電部材40は、最大肉厚T2が3mmである。
前方側保持部材13は、後方側に向かうに従い縮径する構造の縮径部132と、縮径部132の前方側に続き、ガラス部材15の胴部152よりも径の大きい胴部133とを備える。導電部材14は、前方側に向かうに従い縮径する構造を有し、その前方端面が縮径部132の後方端面に当接するとともに、その後方端面が縮径部151の前方端面に当接して配置されている。縮径部132の後方端面の径は、導電部材14の前方端面の径と概ね同一である。複数の帯状の金属箔16は、ガラス部材15の周方向に互いに離間して軸方向に伸びるように配置され、その一端161が導電部材14の斜面部141に溶接されることにより、導電部材14に電気的に接続されている。
2 封体
3 発光管部
4 側管部
10 電極マウント
11 陽極
12 内部リード棒
13 前方側保持部材
14 導電部材
15 ガラス部材
16 金属箔
17 導電板
18 外部リード棒
19 後方側保持部材
30 導電部材
40 導電部材
Claims (1)
- 内部に発光空間を有する発光管部、および該発光管部の両端に繋がる側管部と、
この側管部の内部に埋設され、発光空間側の先端側に縮径部を有するガラス部材と、
側管部から発光空間内へ向けて伸びる内部リード棒と、
この内部リード棒の発光空間側の先端に設けられ、発光空間内で互いに対向して配置された一対の電極と、
内部リード棒を支持する前方側保持部材と、
この前方側保持部材とガラス部材との間に配置されるとともに内部リード棒に電気的に接続された導電部材と、
ガラス部材の外周に沿って配置され、一端が導電部材に電気的に接続された金属箔を備えた放電ランプであって、
前記導電部材は、放電ランプの中心軸を含む断面において、その稜線の傾きが前記ガラ
ス部材の縮径部における稜線の傾きと略同一となる斜面部を有し、
前記金属箔の一端が前記導電部材に沿って折り曲げられることなく前記導電部材の斜面部のみに接続されていることを特徴とする放電ランプ。
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