JP2005302392A - 放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 大電流用であっても、封止管部に早期にクラックが生じることがなくて使用寿命の長い放電ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、内部に発光空間を有する発光管部とその両端に伸びるように繋がる封止管部とからなる封体と、封止管部の内部に埋設されたガラス部材と、封止管部から発光空間内へ向けて伸びる内部リードと、内部リードの発光空間側の先端に設けられた電極と、ガラス部材の発光空間と逆側の端面に面して配置された導電部材と、導電部材に電気的に接続され、封止管部から外部に突出する外部リードと、ガラス部材の外周をその長手方向に沿って配置され、一端が導電部材に電気的に接続され、他端が内部リードに電気的に接続された複数の金属箔と、を有する放電ランプにおいて、前記金属箔が、前記導電部材に接続される側であって、前記ガラス部材の外周に当接する部分において、長手方向に伸びる切り欠きを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、内部に発光空間を有する発光管部とその両端に伸びるように繋がる封止管部とからなる封体と、封止管部の内部に埋設されたガラス部材と、封止管部から発光空間内へ向けて伸びる内部リードと、内部リードの発光空間側の先端に設けられた電極と、ガラス部材の発光空間と逆側の端面に面して配置された導電部材と、導電部材に電気的に接続され、封止管部から外部に突出する外部リードと、ガラス部材の外周をその長手方向に沿って配置され、一端が導電部材に電気的に接続され、他端が内部リードに電気的に接続された複数の金属箔と、を有する放電ランプにおいて、前記金属箔が、前記導電部材に接続される側であって、前記ガラス部材の外周に当接する部分において、長手方向に伸びる切り欠きを有する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、放電ランプに関するものである。特に、100A以上の大電流用の放電ランプであって、例えば半導体露光装置、液晶露光装置等の紫外線光源として使用される放電ランプに関する。
上記分野において用いられる発光管内に多量の水銀が封入された大電流用の高圧放電ランプは、点灯時の水銀蒸気圧が非常に高く、また、発熱量も大きいものであるため、封止管部の耐熱性、耐圧性が大きいことが必要とされてきた。
このような事情により、従来の高圧放電ランプにおいては、電球の封体を形成している石英ガラスに給電用のリードを直接溶着して気密封止するといういわゆるロッドシール構造は採用せず、封着用の金属箔を用いたいわゆる箔シール構造が採用されている。
図8は、従来の放電ランプの箔シール構造を説明するための長手方向における断面図である。
箔シール用マウント50は、柱状のガラス部材1と、円板状の導電板2と、円板状の導電部材3と、棒状の内部リード4と、棒状の外部リード5と、尖頭形状を有する柱状の陰極6と、内部リードを支持するための前方側保持用筒体8と、外部リードを支持するための後方側保持用筒体9と、金属箔10とを備える。
ガラス部材1は、円錐台状のテーパー部11と、これに続く円柱状の胴部12とからなる。テーパー部11の後述する発光空間S側の端面13には導電板2が配置され、胴部12の後述する発光空間Sと逆側の端面14には胴部12と概ね同径の円板状の導電部材3が配置されている。内部リード4は、前方側保持用筒体8の中央に設けられた貫通穴に挿通され、一端が導電板2に固定され、他端には陰極6が設けられている。ガラス部材1の周方向に互いに離間して、軸方向に伸びるように帯状の金属箔10が、例えば6枚配置されている。図9に示すように各々の金属箔10は、ガラス部材1の胴部12に当接する部分の幅が長手方向にて概ね同一であり、ガラス部材1のテーパー部11に当接する部分が、陰極6側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー形状となっている。このような形状の金属箔10を用いることにより、皺の発生を防止することが知られている(特許文献1参照)。金属箔10は、テーパー部11の角部11Aに沿うように折り曲げられ、テーパー部11の端面13に当接して配置された導電板2に沿って概ね90°折り曲げられ、内部リード4の形状に沿うように凹部が形成された前端部101を内部リード4に当接させた状態で導電板2に接続される。金属箔10の後端部102は導電部材3に、例えばスポット溶接によって接続されている。外部リード5は、後方側保持用筒体9の貫通穴に挿通され、一端が後方側保持用筒体9に隣接配置された導電部材3に当接して電気的に接続され、他端が後方側保持用筒体9から突出している。
箔シール用マウント50は、柱状のガラス部材1と、円板状の導電板2と、円板状の導電部材3と、棒状の内部リード4と、棒状の外部リード5と、尖頭形状を有する柱状の陰極6と、内部リードを支持するための前方側保持用筒体8と、外部リードを支持するための後方側保持用筒体9と、金属箔10とを備える。
ガラス部材1は、円錐台状のテーパー部11と、これに続く円柱状の胴部12とからなる。テーパー部11の後述する発光空間S側の端面13には導電板2が配置され、胴部12の後述する発光空間Sと逆側の端面14には胴部12と概ね同径の円板状の導電部材3が配置されている。内部リード4は、前方側保持用筒体8の中央に設けられた貫通穴に挿通され、一端が導電板2に固定され、他端には陰極6が設けられている。ガラス部材1の周方向に互いに離間して、軸方向に伸びるように帯状の金属箔10が、例えば6枚配置されている。図9に示すように各々の金属箔10は、ガラス部材1の胴部12に当接する部分の幅が長手方向にて概ね同一であり、ガラス部材1のテーパー部11に当接する部分が、陰極6側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー形状となっている。このような形状の金属箔10を用いることにより、皺の発生を防止することが知られている(特許文献1参照)。金属箔10は、テーパー部11の角部11Aに沿うように折り曲げられ、テーパー部11の端面13に当接して配置された導電板2に沿って概ね90°折り曲げられ、内部リード4の形状に沿うように凹部が形成された前端部101を内部リード4に当接させた状態で導電板2に接続される。金属箔10の後端部102は導電部材3に、例えばスポット溶接によって接続されている。外部リード5は、後方側保持用筒体9の貫通穴に挿通され、一端が後方側保持用筒体9に隣接配置された導電部材3に当接して電気的に接続され、他端が後方側保持用筒体9から突出している。
上記マウント50を、例えば石英ガラスからなる封体20の封止管部21内に、陰極6が発光管部22内の発光空間Sに配置されるように挿入配置した状態で、封体20を回転させながら封止管部21の外周から加熱を行うことによって、封止管部21の内周とガラス部材1の外周とを金属箔10を介して気密に溶着させる。そして、封止管部21における前方側保持用筒体8と対向する部分の石英ガラスを加熱押圧するか、或いは封止管部21内を減圧状態として、封止管部21と前方側保持用筒体8とを溶着させることにより、小径部23を形成する。また、封止管部21と後方側保持用筒体9と対向する部分の石英ガラスを溶着させる。以上により、箔シール構造を採用した放電ランプRが構成される。
尚、図8においては、陰極側についてのみ説明しているが、陽極側においても、内部リード4の先端に柱状の陽極7が設けられていることを除く他の構成は陰極6側と同じである。
尚、図8においては、陰極側についてのみ説明しているが、陽極側においても、内部リード4の先端に柱状の陽極7が設けられていることを除く他の構成は陰極6側と同じである。
近年、上記分野においては、スループット向上のため、放電ランプの高出力化が要求されており、放電ランプに投入される電流量が増加する傾向にある。
ここで、放電ランプの許容電流量は金属箔の大きさで決定されるが、箔の厚さは限定されるため、箔の枚数と幅で決定される。すなわち、許容電流量を増やすには箔の枚数を増やすか、或いは箔の幅を大きくすることにより、箔1枚当たりの電流密度が許容範囲内となるよう調整する必要があるが、箔の枚数を過剰に増やすと、上記マウントを製作するための工数が増加するため好ましくない。そこで、電流密度を調整するための方法として、箔の幅を大きくすることで箔の枚数を最小限に抑えることが好ましい。
実用新案登録第2583317号公報
ここで、放電ランプの許容電流量は金属箔の大きさで決定されるが、箔の厚さは限定されるため、箔の枚数と幅で決定される。すなわち、許容電流量を増やすには箔の枚数を増やすか、或いは箔の幅を大きくすることにより、箔1枚当たりの電流密度が許容範囲内となるよう調整する必要があるが、箔の枚数を過剰に増やすと、上記マウントを製作するための工数が増加するため好ましくない。そこで、電流密度を調整するための方法として、箔の幅を大きくすることで箔の枚数を最小限に抑えることが好ましい。
しかしながら、図8に示す構造によると、封止管部21とガラス部材1とを金属箔10を介して溶着させる際に、金属箔10において、後端部102を起点として長手軸Xに沿って皺が生じることが判明した。さらには、金属箔10の幅を大きくするに従って、前記皺が一層長いものになり、皺の先端部が導電板2に接近することが判明した。そして、上記のような長い皺が生じた状態でランプを点灯させると、皺が生じた部分はガラス部材1と金属箔10とが密着していないため、放電ランプRの外部の空気が外部リード5と後方側保持用筒体9との間及び後方側保持用筒体9と導電部材3との間を通過して皺の先端部にまで侵入することになる。その結果、ランプ点灯時に金属箔10が高温の空気に曝されて酸化し、金属箔10の体積が増加することによって封止管部21に応力がかかり、点灯を開始してから早期に封止管部21にクラックを生じる、という問題が発生した。
本発明は、以上のような背景に基いて完成されたものであって、大電流用であっても、封止管部に早期にクラックが生じることがなくて使用寿命の長い放電ランプを提供することを目的とする。
本発明は、内部に発光空間を有する発光管部とその両端に伸びるように繋がる封止管部とからなる封体と、封止管部の内部に埋設されたガラス部材と、封止管部から発光空間内へ向けて伸びる内部リードと、内部リードの発光空間側の先端に設けられた電極と、ガラス部材の発光空間と逆側の端面に面して配置された導電部材と、導電部材に電気的に接続され、封止管部から外部に突出する外部リードと、ガラス部材の外周をその長手方向に沿って配置され、一端が導電部材に電気的に接続され、他端が内部リードに電気的に接続された複数の金属箔と、を有する放電ランプにおいて、前記金属箔が、前記導電部材に接続される側であって、前記ガラス部材の外周に当接する部分において、長手方向に伸びる切り欠きを有することを特徴とする。
さらに、前記切り欠きは、前記導電部材に接続される側の先端において開口部を有することを特徴とする。
さらに、前記切り欠きは、その端縁がナイフエッジ状であることを特徴とする。
本発明によれば、金属箔の後端部に切り欠きを有するため、封体の内部にマウントを挿入配置して封止管部の内周とガラス部材の外周とを金属箔を介して溶着させる作業の際に、金属箔にかかる力を緩和させることができ、金属箔に皺が発生することをなくし又は最小限に抑制できる。その結果、ランプ点灯時に金属箔が高温の空気に曝されることにより酸化することを確実に防止又は抑制できるため、点灯を開始後早期に封止管部にクラックが生じるという問題を良好に解決でき、長寿命の放電ランプを提供することができる。
以下、図1〜図4により本発明の放電ランプの実施形態について説明する。図8と同一部分については同一符号で示し説明は省略する。図1は、本発明の金属箔を説明するための図である。図2は、本発明の放電ランプを図8に示すA−A´線にて切断した断面図を示す。図3は、本発明の金属箔と導電部材との接合部分を示す図である。図4は、本発明の金属箔を図1に示すB−B´線にて切断した断面図である。
図1に示すように、本発明の金属箔100は、凹部が形成された前端部101側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー部103が形成され、後端部102には、開口部104を有する略三角形状の切り欠き105が形成されている。
本発明の放電ランプは、図8に示す金属箔10に替えて金属箔100を使用するものである。前端部101と導電板2及び後端部102と導電部材3との接続は金属箔10の場合と同じである。図2に示すように、金属箔100は、ガラス部材1の周方向に概ね等間隔にて6枚配置されている。金属箔100の枚数は、ランプ電流、ガラス部材1の外径、箔100の幅等に応じて適宜決定される。図3に示すように、金属箔100は、後端部102が導電部材3に例えばスポット溶接により固定され、ガラス部材1の胴部12に当接するように配置されている。図4に示すように、切り欠き105の端縁106、107は、ナイフエッジ状に形成されている。
本発明の放電ランプは、図8に示す金属箔10に替えて金属箔100を使用するものである。前端部101と導電板2及び後端部102と導電部材3との接続は金属箔10の場合と同じである。図2に示すように、金属箔100は、ガラス部材1の周方向に概ね等間隔にて6枚配置されている。金属箔100の枚数は、ランプ電流、ガラス部材1の外径、箔100の幅等に応じて適宜決定される。図3に示すように、金属箔100は、後端部102が導電部材3に例えばスポット溶接により固定され、ガラス部材1の胴部12に当接するように配置されている。図4に示すように、切り欠き105の端縁106、107は、ナイフエッジ状に形成されている。
以下、本発明の放電ランプに係る数値例を説明するが、本発明の効果は以下の数値例を有するランプに限って得られるものではない。
金属箔100は、例えばモリブデン、タンタル、もしくはモリブデンとタンタルとからなる合金等からなり、全長が30〜100mm、後端部102における幅Tが5mm〜20mm、厚みが0.010mm〜0.1mmである。切り欠き105の長さをDとすると、DはT/3〜Tの範囲であることが好ましく、具体的には1.6mm〜20mmである。また、切り欠き105は、後端部102における幅Lが0.1mm〜2mm、角度θが0.6°〜17°である。
金属箔100は、例えばモリブデン、タンタル、もしくはモリブデンとタンタルとからなる合金等からなり、全長が30〜100mm、後端部102における幅Tが5mm〜20mm、厚みが0.010mm〜0.1mmである。切り欠き105の長さをDとすると、DはT/3〜Tの範囲であることが好ましく、具体的には1.6mm〜20mmである。また、切り欠き105は、後端部102における幅Lが0.1mm〜2mm、角度θが0.6°〜17°である。
発光管部22内には、発光物質として水銀が、例えば1mg/cc〜100mg/cc、より好ましくは1mg/cc〜50mg/cc封入されるとともに、バッファガスとしてキセノンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、もしくはこれらの混合ガスが1300K(ケルビン)における発光管部22内の水銀蒸気圧を加えた内圧が0.1MPa〜10MPaとなるように封入される。発光管部22内にて対向する陰極6と陽極7との距離は2mm〜40mmである。本発明の放電ランプは、不図示の外部回路によって、発光管部22の両端に繋がる封止管部21から突出している両方の外部リード5に給電することにより、陰極6と陽極7との間で絶縁破壊して放電を開始することによって点灯するものであり、点灯条件を挙げるとランプ電流が10A〜300A、入力電力が1kW〜100kWである。点灯方向は原則として垂直方向であるが、水平方向にて点灯させることを排除するものではない。
以上のような本発明の放電ランプによると、マウント50を封体20の内部に挿入し、金属箔100を介して封止管部21の内周とガラス部材1の外周とを溶着させる作業を行う際に、金属箔100に皺が発生することがない。その理由を以下に図5を用いて説明する。図5は、溶着作業時においてマウントが挿入配置された封体を長手軸X方向から見た正面図である。
図8に示す従来の構造の放電ランプにおいては、前述した封止管部21へガラス部材1を溶着させる作業は、図5に示すように内部にマウント50を挿入配置した封体20を回転させながら封止管部21の外周面をバーナーで加熱することにより行っているため、金属箔10は封体20を回転させる方向に従って、10A、10B、10C、10D、10E、10Fの順に封止されていくことになる。そして、溶着される順番が後の方の金属箔(例えば10E、10F)を溶着する頃には、例えば順番が前の方の金属箔(例えば10A、10B、10C、10D)を溶着させる際にバーナーの熱によって溶融した封止管部21の内周面を構成する石英ガラスが流れ込んで金属箔10E、10Fをずらそうとする力を受ける場合がある。このような力を受けた場合には、金属箔10の固定されている前端部101もしくは後端部102から離れた場所である中央部108近傍では可動自在であるため力を緩和させることができる。ところが、後端部102は導電部材3によって固定されて不動であり上記のような力を緩和させることができないため、後端部102の近傍では皺が発生するものと考えられる。
これに対し、本発明の放電ランプは、後端部102に切り欠き105を有することにより可動性が増し、上記のような溶着作業の際に金属箔100に加わる力を緩和させることができるため、金属箔100の後端部102の近傍に皺が発生することをなくし又は最小限に抑制できる。切り欠き105においては、封止管部21の内周とガラス部材1の外周とが密着することにより気密が保たれている。その結果、ランプ点灯時に金属箔100が高温の空気に曝されることにより酸化することを確実に防止又は抑制することができ、点灯を開始後早期に封止管部21にクラックが生じるという問題を良好に解決することができる。このような効果は、金属箔100が切り欠き105を有するからこそ良好に発揮されるのである。
尚、本発明の放電ランプによると、金属箔100の前端部101近傍には皺が発生するおそれはある。しかし、後端部102近傍にさえ皺が発生しなければ、仮に前端部101近傍に皺が発生したとしても高温の空気が入り込む余地はないため、金属箔100が酸化することによって封止管部にクラックが生じることはなく問題はない。
以下、図6、7を用いて本発明の他の実施形態を説明する。図6は本発明の金属箔の他の実施形態を説明するための図である。図7は封止管部において発光空間と逆側の端部近傍の拡大断面図である。
図6(a)に示すように金属箔100の後端部102には、方形状の切り欠き111が形成されており、切り欠き111は開口部112を有する。図6(b)に示すように金属箔100の後端部102には、図6(a)に示す切り欠き111の先端に丸みを持たせた切り欠き121が形成されている。図6(c)に示すように金属箔100には、線状の切り欠き131が形成されている。このような構造の金属箔100を用いることによっても、金属箔100に加わる力を緩和することができ、金属箔100の後端部102の近傍に皺が生じるという問題の発生を抑制することができるので、点灯を開始後早期に封止管部21にクラックが発生することを良好に防止できるという効果が得られる。
図6(d)に示すように金属箔100の後端部102には、略三角形状の切り欠き105が3箇所に形成されている。図6(e)に示すように金属箔100の後端部102には、線状の切り欠き131が3箇所に形成されている。切り欠き105若しくは131を複数箇所に形成する場合は、箔幅及び後端部102における切り欠きの幅を考慮してその数を適宜選択することができる。このような構造の金属箔100を用いた場合には、後端部102における見かけの幅が小さくなることにより可動性が増し、上記した溶着作業の際に金属箔100に加わる力を緩和する効果が増すので、上記と同じ効果が得られる。
さらに、以上説明した実施形態によると金属箔には開口部を有する切り欠き形成しているが、本発明は必ずしもこの形態に限るものではなく、図6(f)に示すように金属箔100の後端部102の近傍に開口部のない楕円穴状の切り欠き141を形成しても良い。切り欠き141は、三角形状穴、方形状穴としても良い。このような構造の金属箔100を用いた場合にも、従来のような切り欠きを有しない構造の金属箔10を用いた場合と比較して金属箔100に加わる力を緩和することができるので、上記と同じ効果が得られる。
尚、以上説明した実施形態によると、ガラス部材1の胴部12と同径の導電部材3を用いる形態について説明されているが、図7に示すようにガラス部材1の胴部12と異なる径を有する円板上の導電部材30を用いることもできる。金属箔100の後端部102の固定部分は、ガラス部材1の胴部12と同径の導電部材3を用いた場合は図3、8に示すように導電部材3との溶接部がとなるが、ガラス部材1の胴部12と異なる径の導電部材30を用いた場合は胴部12と導電部材30との段差部分Cとなる。図7に示す形態において、金属箔100には、段差部分Cからガラス部材1の胴部12に沿って切り欠きが形成されるようにすることが望ましい。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験について説明する。
〔放電ランプの作製〕
図8に示す構成に従って本発明の放電ランプを作製した。この放電ランプの構成は以下に示す通りである。
封体20は、石英ガラスからなり、全長が90mm、内容積が2.2×105mm3(220cc)であり、発光管部21の外径が80mm、封止管部21の外径が33mm、内径が27mmである。発光管部21の内部には、水銀が2700mg、キセノンガスが1300Kにおける水銀蒸気圧を加えた内圧が0.99MPaとなるように封入されている。
陰極6は、タングステンよりなり、最大外径が10mm、全長が18mmである。陽極7はタングステンよりなり、最大外径が25mm、全長が40mmである。陰極6と陽極7との間隔は7.5mmである。
ガラス部材1は、石英ガラスからなり、テーパー部11の全長が13mm、テーパー部11の最小外径が13mm、テーパー部11の最大外径が23mm、胴部12の全長が27mm、胴部12の外径が23mmである。
金属箔100は、モリブデンからなり、図1に示す略三角形状の切り欠き105を1箇所に有し、全長が64mm、幅Tが8mm、厚みが0.03mmである。金属箔100の枚数は陰極6側、陽極7側のいずれの側も6枚である。切り欠き105は、端縁106、107がナイフエッジ状になっており、長さDが5mm、後端部102における幅Lが0.8mm、角度θが9°である。
導電部材3は、タングステンからなり、外径が23mm、厚みが4mmの円板形状を有する。
図8に示す構成に従って本発明の放電ランプを作製した。この放電ランプの構成は以下に示す通りである。
封体20は、石英ガラスからなり、全長が90mm、内容積が2.2×105mm3(220cc)であり、発光管部21の外径が80mm、封止管部21の外径が33mm、内径が27mmである。発光管部21の内部には、水銀が2700mg、キセノンガスが1300Kにおける水銀蒸気圧を加えた内圧が0.99MPaとなるように封入されている。
陰極6は、タングステンよりなり、最大外径が10mm、全長が18mmである。陽極7はタングステンよりなり、最大外径が25mm、全長が40mmである。陰極6と陽極7との間隔は7.5mmである。
ガラス部材1は、石英ガラスからなり、テーパー部11の全長が13mm、テーパー部11の最小外径が13mm、テーパー部11の最大外径が23mm、胴部12の全長が27mm、胴部12の外径が23mmである。
金属箔100は、モリブデンからなり、図1に示す略三角形状の切り欠き105を1箇所に有し、全長が64mm、幅Tが8mm、厚みが0.03mmである。金属箔100の枚数は陰極6側、陽極7側のいずれの側も6枚である。切り欠き105は、端縁106、107がナイフエッジ状になっており、長さDが5mm、後端部102における幅Lが0.8mm、角度θが9°である。
導電部材3は、タングステンからなり、外径が23mm、厚みが4mmの円板形状を有する。
金属箔に切り欠きを有しないこと以外は本発明の放電ランプと同じ構造を有する比較用の放電ランプを作製した。
これらの放電ランプをランプ電流が100A、入力電力が4kWの点灯条件で点灯させ、封止管部にクラックが発生するまでの時間(ランプ寿命ともいう)を測定した。
その結果、比較用の放電ランプは、点灯を開始してから700時間後に封止管部21にクラックが発生した。これに対し、本発明の放電ランプは点灯を開始してから2500時間後に封止管部21にクラックが発生した。本発明の放電ランプの使用寿命が大幅に延びた理由は、本発明の放電ランプは比較用の放電ランプと比較して金属箔10の後端部102に生じる皺の長さが短くなり、点灯時に高温となる発光空間Sの付近にまで空気が侵入することが抑制されるため、金属箔10に触れる空気の温度が低下した影響によるものと考えられる。
その結果、比較用の放電ランプは、点灯を開始してから700時間後に封止管部21にクラックが発生した。これに対し、本発明の放電ランプは点灯を開始してから2500時間後に封止管部21にクラックが発生した。本発明の放電ランプの使用寿命が大幅に延びた理由は、本発明の放電ランプは比較用の放電ランプと比較して金属箔10の後端部102に生じる皺の長さが短くなり、点灯時に高温となる発光空間Sの付近にまで空気が侵入することが抑制されるため、金属箔10に触れる空気の温度が低下した影響によるものと考えられる。
1 ガラス部材
2 導電板
3 導電部材
4 内部リード
5 外部リード
6 陰極
7 陽極
8 前方側保持用筒体
9 後方側保持用筒体
10 金属箔
11 テーパー部
12 胴部
20 封体
21 封止管部
22 発光管部
100 金属箔
105 切り欠き
2 導電板
3 導電部材
4 内部リード
5 外部リード
6 陰極
7 陽極
8 前方側保持用筒体
9 後方側保持用筒体
10 金属箔
11 テーパー部
12 胴部
20 封体
21 封止管部
22 発光管部
100 金属箔
105 切り欠き
Claims (3)
- 内部に発光空間を有する発光管部とその両端に伸びるように繋がる封止管部とからなる封体と、封止管部の内部に埋設されたガラス部材と、封止管部から発光空間内へ向けて伸びる内部リードと、内部リードの発光空間側の先端に設けられた電極と、ガラス部材の発光空間と逆側の端面に面して配置された導電部材と、導電部材に電気的に接続され、封止管部から外部に突出する外部リードと、ガラス部材の外周をその長手方向に沿って配置され、一端が導電部材に電気的に接続され、他端が内部リードに電気的に接続された複数の金属箔とを有する放電ランプにおいて、
前記金属箔は、前記導電部材に接続される側であって、前記ガラス部材の外周に当接する部分において、長手方向に伸びる切り欠きを有することを特徴とする放電ランプ。 - 前記切り欠きは、前記導電部材に接続される側の端部において開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
- 前記切り欠きは、ナイフエッジ状の端縁を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004113756A JP2005302392A (ja) | 2004-04-08 | 2004-04-08 | 放電ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004113756A JP2005302392A (ja) | 2004-04-08 | 2004-04-08 | 放電ランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005302392A true JP2005302392A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35333641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004113756A Withdrawn JP2005302392A (ja) | 2004-04-08 | 2004-04-08 | 放電ランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005302392A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009238671A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Orc Mfg Co Ltd | ショートアーク型放電ランプ |
JP2010198947A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Orc Mfg Co Ltd | 放電ランプ |
-
2004
- 2004-04-08 JP JP2004113756A patent/JP2005302392A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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