JP4249198B2 - メタルハライドランプ - Google Patents
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Description
外管102の他端部には、電極に電流を供給するための2本のステム線103a、bを支持するガラス製のステム101が融着されている。
発光管105は、本管部とこの本管部の両端部に設けられた細管部とを有していると共に、その内部に発光物質としての金属ハロゲン化物、緩衝ガスとしての水銀、始動ガスとしての希ガスがそれぞれ所定量封入されている。
この電極の端部は、それぞれ細管部内にガラスフリットにより封着された給電体104a、bの一端部に電気的に接続されている。
給電体104a、bの他端部は、細管部の外部から導出され、各ステム線に電気的に接続されている。
始動時において、イグナイタは、定常時において印加される正弦波電圧に、さらに、高電圧のパルスを重畳し、始動用導線107と電極114の近傍に微放電を発生させ、この微放電による初期電子をきっかけとして、図5(a)に示すように、低い始動電圧で発光管105内の対をなす電極間にアーク放電を発生させる。
即ち、発光管105の内壁は、放電時において、高温、高圧となり、長時間使用されると、熱疲労などにより、図5(b)に示すように、発光管105の容器が破損する場合がある。
このとき、イグナイタは、ランプ電圧が高くなったことを検知して、始動時と判断し、正弦波電圧に高電圧のパルスを重畳させる。
これにより、電極間距離(ra)よりも短い距離(rb)で、一方の電極と対峙する始動用導線107の間で絶縁破壊が生じ、さらに、アーク放電、即ち、異常放電へと移行する。
始動用導線107は、線径の細いモリブデン線などで構成されるので、上述の異常放電により、図5(b)に示すように、放電の起点となっているC部が溶断することとなるが、溶断されたC部よりも上の導線部分は、電極113と繋がっているため、異常放電は継続する。
放電距離が距離(rc)に達すると、異常放電を継続するために必要な電圧を供給することができなくなるため異常放電が停止する。
ここまでに至る過程において、異常放電に伴う大電流のため、安定器などが破損することが多く、又、異常放電により外管102は、高温となり、クラック及び破損が生じる可能性もある。
また、前記所定時間は、10秒以内であるとしてもよい。
これにより、異常放電による2次的損傷の発生が防止される。
つまり、10秒以内の異常放電の発生では、安定器や外管の破損などが生じないことから、これらに対する異常放電による2次的損傷の発生が防止される。
これにより、より確実に異常放電による2次的損傷の発生が防止される。
また、前記電流遮断手段は、通常点灯時における電流値以下の電流容量を有するヒューズであるとしてもよい。
これにより、安価に異常放電による2次的損傷の発生が防止される。
これにより、複雑な構造を要することなく、異常放電による2次的損傷の発生が防止される。
つまり、安定器や外管などの2次的損傷の発生が防止される。
また、前記始動用導線は、前記所定時間までに、異常放電が継続できない放電距離まで溶断が進行するとしてもよい。
また、前記始動用導線は、モリブデン、タングステン、ニオブ、鉄の中から選ばれる金属、又は、これらの中から選出された金属を含む合金からなるとしてもよい。
これにより、電流遮断手段を兼ねる始動用導線の設計の自由度が拡大する。
これにより、異常放電が生じる手前で、前記始動用導線径が溶断され得る。
また、前記発光管は、外管内に収納されており、当該外管と前記発光管との間に少なくとも前記本体部を囲むスリーブと、前記スリーブを保持するために前記スリーブの両端部に配置された第1支持部材及び第2支持部材とを備え、前記電流遮断手段は、前記第1支持部材と第2支持部材とで挟まれた空間以外の空間に位置しているとしてもよい。
つまり、前記電流遮断手段の熱による劣化が軽減される。
また、前記始動用導線の前記他端は、前記発光管が破損した場合であっても、形状変化を伴い難い前記発光管部分に巻きつけられているとしてもよい。
つまり、放電距離は、異常放電の放電状態に影響を及ぼすため、当該遮断を実施する上で考慮された設計パラメータと現実のパラメータとのずれを小さくすることができ、より確実に前記異常放電の発生が防止される。
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施の形態におけるメタルハライドランプ20の概略図である。
図1(a)に示すように、メタルハライドランプ20は、定格電力が150Wの高輝度放電ランプであって、ステム1と、外管2と、ステム線3a及び3bと、給電体4a及び4bと、発光管5と、遮断器6と、始動用導線7と、プレート8と、プレート9と、スリーブ10と、絶縁体11と、口金12とを有する。
外管2は、硬質ガラスなどからなり、内部には、窒素などの不活性ガスが、例えば、点灯時(約300℃)において100Paの圧力となるように封入されている。
口金12は、照明器具用のソケットに接続するための2極端子である。
ステム線3aは、一端が口金12内部の一方の電極端子(図外)に接続されており、ステム1を貫通して他端が給電体4aに溶接されている。
発光管5は、アルミナ(熱膨張係数8.1×10-6)などの透光性を有するセラミック材からなり、円筒状の本管部5aと、この本管部5aの両端部に設けられ、径が小さな円筒状の細管部5b及び5cとからなる。
電極13及び電極14は、それぞれ給電体4a及び4bと接続された状態で、上述の各細管部内部に挿入されシール部材で封止されている。
プレート8及び9は、ステンレス製の薄板からなり、スリーブ10を発光管5から決められた間隔をおいて支持するためのものである。
また、プレート8及び9は、それぞれ給電体4a及び4bが貫通し、外周には外管2の内壁に近接する複数の爪部8a及び9aを有している。
また、プレート8及び9により、外管2の内側は、3つの領域に仕切られている。
これにより、点灯時においては、上記2つの領域における温度は、発光管5を含む領域に比べて低くなる。
また、プレート8aには、図1(b)に示すように、始動用導線7が貫通する穴8bが設けられている。
始動用導線7は、線径が0.2mmのモリブデン線であり、一端が遮断器6に溶接され、細管部5bに巻き付けられ、中央が本管部5aの外周に接するように配置され、さらに、他端が電極14の近傍の細管部5cに巻きつけられている。
遮断器6は、電流容量が0.5Aのヒューズであり、一端が給電体4aに、他端が始動用導線7に溶接されている。
電源回路は、スイッチオンされると、図2(a)に示すように、周波数が60Hz、ピーク電圧が325V(+V1、−V1)の正弦波の電圧を発生させる。
始動時、発光管5内の電極13及び電極14間には、当初アーク放電は生じていないが、前記重畳された高電圧のパルスによって、始動用導線7と電極14との近傍に微放電が発生し、前記電極間にアーク放電を発生させるきっかけとなる初期電子が生成される。
<動作>
図3(a)は、正常時における、メタルハライドランプ20の動作状況を示す図である。
一方、高電圧のパルス(+V0、−V0)が、始動用導線7と電極14との間に印加されると、セラミック製の細管部5cにより空間的に隔絶されているものの、始動用導線7の端部と電極14との間の電位傾度が極めて大きくなるため、電極14の近傍で微放電が生じる。
この微放電がアーク放電のきっかけとなる初期電子となって、電極13及び電極14間でアーク放電が発生する。
一度アーク放電が発生すると、本管部5a内が放電に寄与する電子で満たされ、電極13及び電極14間のインピーダンスは低下し、両極間の電圧が低下するため、これを検知したイグナイタの制御により、高電圧のパルスの重畳は停止される。
<本管部5a破損時>
続いて、本管部5aが破損した場合について説明する。
本管部5aは、点灯時においては内部が高温高圧となる小さな圧力容器となり、熱疲労によって本管部5aにクラックが生じることなどにより破損する場合がある。
この破損に伴い、外管2の内部には、発光管5から金属ハロゲン化物、水銀、ネオン及びアルゴンなどの希ガスが、外管2内に流出する。
このとき、本管部5aの破損により電極13及び電極14間のアーク放電は消滅し、ランプ電圧が上昇するが、ランプ電圧の上昇を検知したイグナイタは、正弦波電圧に高電圧パルス(+V0、−V0)を重畳する。
この場合、放電空間である外管の蒸気圧が低く、ランプ電圧が低くなることから、一般に、通常点灯時より、ランプ電流は大きくなる。
ここで、通常点灯時のランプ電流をILとすると、遮断器6の電流容量IHをILよりも小さくすることにより、始動用導線7のC部と電極14との間において、アーク放電が発生したとき、始動用導線7への電流経路が確実に遮断され、アーク放電、即ち、異常放電が停止されることとなる。
なお、本実施の形態では、メタルハライドランプ20は、定格電力が150Wとしたが、これに限らず、50W以上400W以下の範囲のいずれかの値を定格電力としてもよい。
また、本発明のメタルハライドランプ20は、交流電圧が印加されているが、直流電圧が印加されてもよい。
また、発明者らは、従来の始動用導線107が、図5(c)に示すように、D部まで異常放電の放電距離(rc)が伸びるまで、数分を要し、その間、安定器には過電流が流れ、外管2は高温となり、2次的損傷が生じていた点に着目し、この異常放電の発生期間が10秒以内であれば、安定器に機能的な問題が生じず、さらに、外管2の破損も生じないことを見いだした。
つまり、遮断器6と始動用導線7とをそれぞれ独立して配置する必要はなく、始動用導線7に遮断器6の機能を兼ね備えさせ、構造を簡略化することもできる。
また、本実施の形態では、始動用導線7は、線径が0.2mmのモリブデン線としたが、これに限るものではなく、特に、始動用導線7自体を遮断器6として用いる場合においても、溶断による遮断機能を発揮するために必要な特性を備えた導電材料及び線径であれば足りる。
2 外管
3a、3b ステム線
4a、4b 給電体
5 発光管
5a 本管部
5b、5c 細管部
6 遮断器
7 始動用導線
8、9 プレート
8b 穴
8a、9a 爪部
10 スリーブ
11 絶縁体
12 口金
13、14 電極
20 メタルハライドランプ
Claims (5)
- 本体部及び当該本体部の両端それぞれに設けられた細管部からなるセラミック製の発光管と、前記本体部内に配置される一対の電極と、一端部に前記電極が接続され、かつ、他端部が前記細管部から延出されている給電体と、前記給電体の一方に接続されており、前記発光管に近接又は接触している始動用導線とを有するメタルハライドランプであって、
前記始動用導線は、前記発光管の破損に応じて異常放電が生じたとき10秒以内で前記始動用導線を流れる電流を遮断する電流遮断手段が挿入されており、
前記電流遮断手段の電流容量I H は、通常点灯時のランプ電流I L よりも小さいことを特徴とするメタルハライドランプ。 - さらに、前記遮断は、1秒以内に行われることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
- 前記電流遮断手段は、通常点灯時における電流値以下の電流容量を有するヒューズであることを特徴とする請求項2記載のメタルハライドランプ。
- 前記発光管は、外管内に収納されており、
当該外管と前記発光管との間に少なくとも前記本体部を囲むスリーブと、
前記スリーブを保持するために前記スリーブの両端部に配置された第1支持部材及び第2支持部材とを備え、
前記電流遮断手段は、前記第1支持部材と第2支持部材とで挟まれた空間以外の空間に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメタルハライドランプ。 - 前記始動用導線の一端は、前記発光管が破損した場合であっても、形状変化を伴い難い前記発光管部分に巻きつけられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のメタルハライドランプ。
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