JP4374207B2 - 地中配電用気中モールド開閉器及びその取付金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高圧キャビネット等の配電用供給箱の内部に設置される高圧地中配電線路の開閉のために使用するモールド開閉器及びその取付金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図12及び図13に示す高圧地中配電線の分岐開閉のために多数のモールド断路器Eが設置された配電用供給箱Cが使用されている。この配電用供給箱Cの内部には、三極型のモールド断路器Eが横並びに設けられ、三相各相毎にこれらの各モールド断路器Eの上部の電線接続端子にモールド母線Fを接続して三分岐回路を構成し、各回路のモールド断路器Eの下部の電線接続端子に地中から立ち上げた地中ケーブルGを接続している。
このモールド断路器Eは、L型固定電極を二つつき合せて設け、これらのL型固定電極に閉路蓋を被せて断路器を開閉し、各L型固定電極には、チューリップ型接点を設け、その外側に消弧筒及びこれらの内周に消弧棒を揺動自在に設けている。また電界緩和処理も施し、これらの固定電極及び一つの閉路蓋は絶縁モールドされている。なお三極型の開閉操作は、着脱式操作工具を使用して三相を一括開閉している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電気料金低減の要望が社会的に強まり、この電気料金低減に資するために配電用機器のコストの低減が求められている。そして配電用開閉器においてもコストの低減が求められている。従来のモールド断路器において、コストアップを成しているものとして、例えばチューリップ型接点を断路器1相当り4個使用している点、エポキシモールドにメタリコンを施している点、開閉する為の閉路蓋が必要な点などが上げられる。
【0004】
コスト面の他、開閉操作機構は収納箱に入っているので重く、また閉路蓋モールドは重量があり、開閉の際の操作音が大きく、消弧棒、消弧筒を使用した細隙消弧方式なので開閉の操作時の衝撃により破損する恐れがあった。
【0005】
そこでこの発明は、コストアップの原因となる部材等を出来るだけ避け、従来地中配電用開閉器が必要としている諸特性、取扱い作業性、操作性、信頼性等を維持しながら、コストを低減できる地中配電用気中モールド開閉器及びその取付金具を提供して上記課題を解決するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、可動ブレード電極及び固定ブレード電極が内蔵された、扁平な両面を左右側面とした横幅の狭い箱体が三相横に並べられ、これらの三相の各箱体の正面の開口部を塞いで当該三相の各箱体は一枚の機構基板に一体に取り付けられ、当該機構基板上に設けられた操作機構部に接続された三個の駆動レバーが、前記機構基板に設けられた各開口部から各箱体内に挿入されて、各可動ブレード電極に設けられた各絶縁ロッドに回動自在に軸支され、前記操作機構部の操作で前記駆動レバー、絶縁ロッドを介して夫々の可動ブレード電極を一同に回動させて、各可動ブレード電極と各固定ブレード電極とが着脱されることにより三極連動して開閉する開閉器であって、上記三相各相を成す各箱体は、絶縁樹脂材により成形され、外周面を電界緩和処理が施されず、単極モールド接点部を形成し、三相の各箱体は相互に間隔をあけて設けられ、前記機構基板は接地された地中配電用気中モールド開閉器とした。
【0007】
請求項2の発明は、扁平な両面を左右側面とした横幅の狭い箱体の正面を開口面とし、当該箱体の上下面には孔が夫々穿たれ、当該箱体の各孔の外側周縁にブッシングが夫々突設され、これらの各孔と各ブッシングにより上ブッシング部及び下ブッシング部が夫々形成され、前記各孔を貫通する電極杆が上ブッシング部と下ブッシング部に取り付けられ、前記箱体内の当該各電極杆に夫々可動ブレード電極と固定ブレード電極とが設けられ、前記各可動ブレード電極に一端を回動自在に接続した絶縁ロッドが設けられた箱体が各相間隔をあけて三相並べられ、前記各箱体の正面の開口部を塞がれて当該三相の各箱体は一枚の機構基板に一体に取り付けられ、当該機構基板上に設けられた操作機構部に接続された三個の駆動レバーが前記機構基板に設けられた各開口部から各箱体内に挿入されて各絶縁ロッドに回動自在に軸支され、前記操作機構部の操作で各絶縁ロッドを回動させて、夫々の可動ブレード電極を一同に回動させて、各可動ブレード電極と各固定ブレード電極とが着脱されることにより三極連動して開閉される構成とし、上記三相各相の各箱体は、絶縁樹脂材により成形され、外周面を電界緩和処理が施されず、単極モールド接点部を形成し、前記機構基板は接地された地中配電用気中モールド開閉器とした。
【0008】
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の何れかに記載の地中配電用気中モールド開閉器が取り付けられる支持体の正面に、間隔をあけて平行に2枚の取付板を夫々略垂直に突設させて取付金具が設けられ、この取付金具の背部は固定され、上記地中配電用気中モールド開閉器の単極モールド接点部の各開口面に設けられた機構基板の上端縁が各単極モールド接点部の各箱体の上面側に略直角に折り曲げられ、上記取付板の各上縁前端部に突出部が設けられ、上記取付金具の各取付板が三相の各単極モールド接点部の異相間の各隙間に入るように、上記開閉器が当該取付金具に差し入れられ、当該開閉器の機構基板の上端縁が上記2枚の各取付板の突出部上に置かれ、当該機構基板に穿った貫通孔を通してボルトが当該2枚の各取付板の前縁の上下に設けられたねじ孔に螺着され、当該地中配電用気中モールド開閉器が当該取付金具に固着される構成としたことを特徴とする、地中配電用気中モールド開閉器の取付金具とした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態例を図に基づいて説明する。
図1乃至図8は、この発明の実施の形態例を示す。この発明の地中配電用気中モールド開閉器(以下「モールド開閉器」という)Aを構成する三つの各単極モールド接点部Bは、電界緩和処理を施さず絶縁材により一体樹脂成形した扁平な箱体1を立設して、その扁平な二つの面を左右の側面として設け、この立設した箱体1の、縦長長方形の正面を開口面2とし、この開口面2の上端縁及び下端縁を夫々上下に伸張して肉厚のフランジ部3として設け、これらの箇所の正面側に横並びに埋込ナット4を上下二つづつ設けている。この立設した箱体1の上面及び下面に、図3に示すように、上面側を少し後に、下面側を少し前に位置をずらして、夫々貫通孔5、6を穿ち、これらの二つの貫通孔5、6の内周に夫々短い埋込管7を嵌め、これらの上下の埋込管7を設けた周縁に夫々一定長の円筒形状のブッシングを設けて上ブッシング部8及び下ブッシング部9を形成している。
【0010】
上ブッシング部8に取り付ける電極部として、図4に示すように、上端に断面が半円形状の上部端子部10を設け、この上部端子部10に続いてねじ部11、下端をくの字状とした上部端子付導体12を設け、この上部端子付導体12のくの字状の下端に固定ブレード電極13の固定接点を設け、これらにより形成した固定電極杆14を設けている。さらにこの固定電極杆14の固定ブレード電極13に被せる消弧室体15として、上端をつき合わせた横長の二枚の板体16を隙間を空けて合わせて設けた細隙状の消弧室16aの略前半部分に、平板をコの字状に折り込んで形成した消弧鉄心16bを被せて設けている。この固定電極杆14を箱体1の内側から挿入し、図6に示すように、上ブッシング部8内に、固定電極杆14の上部端子部10を、上記埋込管7の内側に通して挿入し、固定ブレード電極13を箱体1の内側にして、外側に有る上部端子部10のねじ部11に平座金17、ばね座金18、六角ナット19の順で被せて締付けて、固着している。
【0011】
下ブッシング部9に取り付ける電極部として、図5に示すように、下端に断面が半円形状の下部端子部20を設け、この下部端子部20に続いてねじ部21、下部端子付導体22、上部に、先端の略L型の可動ブレード電極23の、可動接点ではない側の端部近くを回動自在に軸支した可動電極杆24を設け、上記可動ブレード電極23の可動接点ではない端部に絶縁ロッド25の一端を回動自在に軸支し、この絶縁ロッド25の他端には、後述する連動シャフト32にその一端を固着した駆動レバー26(図6参照)の他端を回動自在に軸支している。そして上記可動電極杆24を箱体1の内側から挿入し、図6に示すように、下ブッシング部9内に、可動電極杆24の下部端子部20を上記埋込管7の内側に通して挿入し、可動ブレード電極23を箱体1の内側にして、外側に有る下部端子部20のねじ部21に平座金27、ばね座金28、六角ナット29の順で被せて締付けて固着している。
【0012】
この様にして形成した単極モールド接点部Bを、図1に示すように、間隔を空けて三相並べて設け、これらの箱体1の正面の三つの開口面2(図2参照)の端縁に絶縁材から成る各相単体のパッキン2a(図6又は図8参照)を介して、接地した略正方形の機構基板30を設けている。この機構基板30は、夫々の単極モールド接点部Bの正面の各開口面2の形状及び位置に合わせた略同形同大の開口部30aを設け、各単極モールド接点部Bの上下のフランジ部3に予め設けた埋込ナット4の位置に合わせて設けた貫通孔にボルト31を挿入して締付けて各単極モールド接点部Bに機構基板30を固着している。またこの機構基板30の上端縁30bを各箱体1の上面側に略直角に折り曲げており、この機構基板30を単極モールド接点部Bの正面に取り付ける際、単極モールド接点部Bの箱体1のフランジ部3に係止できるようになっており、さらにこの機構基板30の左右の側縁30cも略直角に折り曲げて、モールド開閉器A全体の強度を持たせている。また機構基板30の三つの開口部30aの端縁の上部及び下部には、モールド開閉器Aを配電用供給箱Cに取り付けるボルトを螺着するための貫通孔30dを夫々2つ穿っている。
【0013】
この機構基板30の三つの開口部30aの上部の端縁には山型の係止片30fを四つ設けており、これらの係止片30fに夫々貫通孔を穿ち、この貫通孔に連動シャフト32を軸支し、この連動シャフト32には、三個の各駆動レバー26の一端を固着し、これらの各駆動レバー26の他端は、上記開口部30aから箱体1内に挿入し、各単極モールド接点部B内の絶縁ロッド25の他端と回動自在に軸支している。この様な連動シャフト32とこの連動シャフト32を回動させる機構(図示省略)から成る機構部を、図6及び図7に示すように、箱型のカバー33で覆っている。そしてこのカバー33の表面には、開閉の為の「入」、「切」の表示を設け、モールド開閉器Aの開閉に連動して上記「入」、「切」を指す指示器34を設けている。
【0014】
この指示器34とは別に、カバー33に設けた孔33a内に作動シャフト50を設け、この作動シャフト50に別設のハンドル(図示省略)を嵌めて、このハンドルを回して操作することにより、上記連動シャフト32を回動させ、この連動シャフト32の回動により上記各駆動レバー26を回動させて、夫々の可動ブレード電極23を一同に回動させて、各可動ブレード電極23と各固定ブレード電極13とを着脱することにより各単極モールド接点部Bを三極連動して開閉する。
【0015】
具体的に述べると、指示器34が「切」を示している時、図6に示す状態にある。この状態から、ハンドルにより作動シャフト50を時計方向に回すと、連動シャフト32が図6における時計方向に回動し、図8に示すように、夫々の駆動レバー26が下方に回動し、それに伴ない夫々の絶縁ロッド25が下方に移動し、夫々の駆動レバー26と絶縁ロッド25は直線状になり、それと共に夫々の可動ブレード電極23を、支持された可動電極杆24の上部の軸支点を中心に上方に回動させ、夫々の可動ブレード電極23の先端の可動接点を、夫々の細隙状の消弧室16aを通って、夫々の固定ブレード電極13の固定接点と接続する。
【0016】
またハンドルにより作動シャフト50を図7において、反時計方向に回すと、図8に示す、上記「入」の状態から、連動シャフト32が反時計方向に回動し、図6に示すように、夫々の駆動レバー26が上方に回動し、それに伴ない夫々の絶縁ロッド25が上方に移動し、夫々の駆動レバー26と絶縁ロッド25は折れ曲がった状態になり、それと共に夫々の可動ブレード電極23を、支持された可動電極杆24の上部の軸支点を中心に下方に回動させ、夫々の可動ブレード電極23の可動接点は、夫々の固定電極杆14の固定ブレード電極13の固定接点と離脱し、夫々の細隙状の消弧室16aを通って、可動ブレード電極23は、単極モールド接点部Bの箱体1の底部に位置する。
【0017】
このモールド開閉器Aを配電用供給箱Cに設置するには、図9及び図10に示すように取付金具Dを使用して設置する。この取付金具Dは、台形状でその上辺の一部を方形に突出させた突出片34aを有する形状から成る側面板34を2枚を、後に設置する三相並べて設けた各箱体1の外側面とは隙間ができるように間隔を空けて立設し、この間に、側面板34と略同形同大の取付板35を2枚、三相並べて設けた各単極モールド接点部B間の隙間の中心に等間隔で立設して設け、各側面板34及び各取付板35の各突出片34a(取付板35の各突出片は図示省略)に上方からアングル材36を被せて、これらを固着している。このアングル材36の正面には、配電用供給箱C内に設けた断路器取付アングル37に、この取付金具Dを固着する際に使用するボルト38を4本螺着している。2枚の取付板35の正面の上部及び下部にはモールド開閉器Aを取り付ける際に使用するボルト39を螺着するねじ孔40を設けており、取付板35の上片には、この上部のねじ孔40を設けた突出部40aを設けている。
【0018】
配電用供給箱Cの上記断路器取付アングル37に取り付けられた取付金具Dにモールド開閉器Aを取り付けるには、上記各取付板35に、単極モールド接点部Bを三相並べた夫々の隙間を差し入れ、最奥まで入れる。この時モールド開閉器Aの機構基板30の上端縁30bを上記二つの取付板35の上片の各突出部40aに係止して仮置きし、各取付板35の上下のねじ孔40とモールド開閉器Aの機構基板30に設けたねじ孔30dの位置を合わせ、これらのねじ孔30d、40に夫々ボルト39を螺着してモールド開閉器Aを取付金具Dに固着する。これによりモールド開閉器Aは、図11に示すように、配電用供給箱Cに設置される。
またこのモールド開閉器Aの各上部ブッシング8内の上部端子部10には、他のモールド開閉器Aや磁器製断路器Hとの母線を接続し、各下部ブッシング9内の下部端子部20には、地中からの立上りケーブルを接続するものである。なおこれらの母線及びケーブルの端末には、接地層を設けていない。
【0019】
この実施の形態例のモールド開閉器Aを使用することにより以下の効果を奏するものである。
まず接点内蔵の単極モールド接点部Bを間隔を空けて各相分離構成としたことにより、1枚の接地された機構基板30に単極モールド接点部Bが各相独立して取り付けているので完全な地絡優先構造となる。各単極モールド接点部の取付面の機構基板が接地されており、上記各単極モールド接点部の上部ブッシング内の端子部に接続する母線及び下部ブッシング内の端子部に接続する地中ケーブルの各端末には接地層を設けず、上記各上ブッシング部及び下ブッシング部を絶縁ゴムカバーで被覆し、上記機構基板の上端縁を一定幅略直角に折り曲げて設けたので、この上端縁が汚損防止カバーの役目を果たし、通常の外箱内の汚損レベルでは、単極モールド接点部Bにメタリコン、導電塗料、シールド等の電界緩和及び地絡優先構造とする加工が不要となる。
【0020】
単極モールド接点部Bに接地層が施されないのでコロナレベルが高く、汚損又は万一クラックが入っても地絡に進展し難い。単極モールド接点部Bが幅が狭い箱の構造なので肉厚を薄く出来、開閉器の軽量化と横幅の縮小化が図れる。単極モールド接点部Bが小型でシンプルな形状なのでAPG(加圧ゲル化)加工が容易となり、金型費及び成型費のコストの低減が図れる。金型成型なので同相間方向内径寸法の誤差を少なく出来、狭い箱体1内での固定電極と可動電極の嵌合の位置調整が不要となり、外部で組立てた固定電極と可動電極を嵌合させた状態で外からナットで夫々の電極を固定するだけですみ、工場での組み立て工程数の低減と成型時の導体インサートを不要とすることができる。
【0021】
開閉接点周辺が一体成型の絶縁樹脂で覆われているので遮断性能が増す。単極モールド接点部Bの開口面2及びその開口面2に合わせた機構基板30の開口部30aの面積が大きく、三相一体又は複数回路一体の箱体1とつながっているので電流遮断時、新鮮な空気との置換が円滑となり、負荷電流回数が増す。モールド開閉器Aのうち一線だけが地絡した際、他の相(短絡)に移行し難い。単極モールド接点部Bの一相側面が破損したとしても短絡に移行しない。モールド開閉器Aにおける内部の短絡時には、操作機構部のカバー33の周囲から先に放圧し、内圧降下時、主に熱により樹脂製の箱体1の側面が割れるので、樹脂の破片を含む内蔵物の配電用供給箱C外への飛散は抑制される。またその時、箱体1の内部絶縁沿面の炭化物等の導電物は、モールド開閉器Aの外部へ吹き飛ばされるので、再送電時の絶縁回復の可能性が大きくなる。
【0022】
単極モールド接点部Bの内部接点の絶縁支持物を省略できるので、モールド開閉器Aの縦方向を短尺化でき、この開閉器の軽量化とケーブル処理空間の拡大が図れる。異相間の隙間を取付金具Dの取付板35を通すスペースとして利用できる。またこの取付板35は、モールド開閉器Aの内部短絡時に箱体1が破裂した場合、その破片が飛散するのを抑制し、両方の側面板34は、隣接回路(機材を含む)への波及防止の防護板、電撃防止板及び完全地絡優先構造となる。なおモールド開閉器Aの軽量化とともにモールド開閉器Aと取付金具Dを分割すること、モールド開閉器Aを取付金具Dの取付板35に一旦仮置きしてからねじで固定することが出来ることにより、既設の配電用供給箱内の断路器とモールド開閉器Aの回路単位での現地交換作業を機械力を使用することなく、一人作業で可能とすることが出来る。異相間ピッチが異なるもの、及び複数回路一体の開閉器にも同じ接点内蔵の単極モールド接点部Bが使用出来る。単極モールド接点部Bにセンサー、機構等必要部品を付加すれば、手動開閉器の他にSOG(過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形)機能付き開閉器、自動開閉器を構成することができる。部分的に不具合が生じた場合、相単位の交換が容易に出来るのでReduce(減少)、Reuse(再利用)、Repair(修理)、Recycle(リサイクル、再生利用)に貢献できる。
【0023】
さらに操作のための機構部を樹脂モールドの正面側に設けたことにより、正面に位置する機構基板30が接地されているので、電撃を受けない。接地層無しの樹脂モールド部は奥まった位置にあるので通常作業で接触するおそれはない。
【0024】
上記実施の形態例において、単極モールド接点部Bの固定電極杆14及び可動電極杆24の具体的な構成を記載しているが、これらの構成もこの発明の必須要件ではない。さらに略正方形の機構基板30の上左右の端縁30b、30cを折り曲げて設けているが、これらの構成はこの発明の必須要件ではない。またモールド開閉器Aを配電用供給箱Cに設置するのに取付金具Dを使用しているが、この取付金具Dは、この発明の必須要件ではない。さらに連動シャフト32等の操作のための機構部も上記実施の形態例に限るものではない。
【0025】
【発明の効果】
請求項1及び2の各発明によれば、単極モールド接点部の箱体にメタリコン、導電塗料、シールド等の電界緩和及び地絡優先構造とする加工が不要となり、またこの箱体が幅が狭い箱構造であり、肉厚を薄く出来、さらに小型でシンプルな形状であり、加圧ゲル化加工が容易となり、金型費や成形費の低減が出来る。この様な結果、地中配電用開閉器が求められている諸特性、取扱い作業性、操作性、信頼性等を維持しながら、製造コストの削減に大きく寄与するものである。
【0026】
また一枚の接地された機構基板に単極モールド接点部を各相独立して取り付けているので、完全な地絡優先構造である。さらに単極モールド接点部の開口面及び機構基板の開口部の面積が大きく、三相一体となった箱体と連絡しているので、電流遮断時、新鮮な空気との置換が円滑に行われ負荷電流開閉回数が増す。さらに単極モールド接点部に接地層が施されていないので、コロナレベルが高く、汚損又は万一クラックが入っても地絡に進展し難い。
【0027】
この様に、この発明のモールド開閉器では、従来コストアップとなっていたチューリップ接点などの部材を使用するものではないので、コスト低減の他、閉路蓋を使用しないので、開閉器開閉の際の操作音も大きくなく、開閉の操作時の衝撃により破損するということもない。
この様な結果、地中配電用開閉器が必要としている諸特性、取扱い作業性、操作性、信頼性等を充分に維持出来るものである。
また請求項3の発明によれば、モールド開閉器の軽量化とともにモールド開閉器と取付金具を分割し、モールド開閉器を取付金具の取付板に一旦仮置きしてからねじで固定することが出来ることにより、既設の配電用供給箱等内の断路器とモールド開閉器の回路単位での現地交換作業を機械力を使用することなく、一人作業で可能とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態例の単極モールド接点部を機構基板に三相並べて取り付けた状態の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態例の単極モールド接点部の電極を取り付ける前の箱体の斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態例の単極モールド接点部の箱体の縦断面図である。
【図4】この発明の実施の形態例の単極モールド接点部に取り付ける固定電極杆の説明図である。
【図5】この発明の実施の形態例の単極モールド接点部に取り付ける可動電極杆の説明図である。
【図6】この発明の実施の形態例のモールド開閉器の「切」の状態の縦断面図である。
【図7】この発明の実施の形態例のモールド開閉器の正面図である。
【図8】この発明の実施の形態例のモールド開閉器の「入」の状態の縦断面図である。
【図9】この発明の実施の形態例のモールド開閉器を取付金具に取り付ける様子を示す分解斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態例のモールド開閉器を取付金具に取り付けた様子を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態例のモールド開閉器を取付金具を使って、配電用供給箱内に設置した状態の正面図である。
【図12】従来の閉路蓋を使用したモールド断路器の側面図である。
【図13】従来の閉路蓋を使用したモールド断路器を配電用供給箱内に設置した状態の正面図である。
【符号の説明】
A モールド開閉器 B 単極モールド接点部
1 箱体 2 箱体の開口面
8 上ブッシング部 9 下ブッシング部
10 上部端子部 13 固定ブレード電極
14 固定電極杆 15 消弧室体
16a 消弧室 20 下部端子部
23 可動ブレード電極 24 可動電極杆
26 駆動レバー 32 連動シャフト
30 機構基板 30a 開口部
Claims (3)
- 可動ブレード電極及び固定ブレード電極が内蔵された、扁平な両面を左右側面とした横幅の狭い箱体が三相横に並べられ、これらの三相の各箱体の正面の開口部を塞いで当該三相の各箱体は一枚の機構基板に一体に取り付けられ、
当該機構基板上に設けられた操作機構部に接続された三個の駆動レバーが、前記機構基板に設けられた各開口部から各箱体内に挿入されて、各可動ブレード電極に設けられた各絶縁ロッドに回動自在に軸支され、
前記操作機構部の操作で前記駆動レバー、絶縁ロッドを介して夫々の可動ブレード電極を一同に回動させて、各可動ブレード電極と各固定ブレード電極とが着脱されることにより三極連動して開閉する開閉器であって、
上記三相各相を成す各箱体は、絶縁樹脂材により成形され、外周面を電界緩和処理が施されず、単極モールド接点部を形成し、三相の各箱体は相互に間隔をあけて設けられ、前記機構基板は接地されたことを特徴とする、地中配電用気中モールド開閉器。 - 扁平な両面を左右側面とした横幅の狭い箱体の正面を開口面とし、当該箱体の上下面には孔が夫々穿たれ、当該箱体の各孔の外側周縁にブッシングが夫々突設され、これらの各孔と各ブッシングにより上ブッシング部及び下ブッシング部が夫々形成され、前記各孔を貫通する電極杆が上ブッシング部と下ブッシング部に取り付けられ、前記箱体内の当該各電極杆に夫々可動ブレード電極と固定ブレード電極とが設けられ、前記各可動ブレード電極に一端を回動自在に接続した絶縁ロッドが設けられた箱体が各相間隔をあけて三相並べられ、前記各箱体の正面の開口部を塞がれて当該三相の各箱体は一枚の機構基板に一体に取り付けられ、
当該機構基板上に設けられた操作機構部に接続された三個の駆動レバーが前記機構基板に設けられた各開口部から各箱体内に挿入されて各絶縁ロッドに回動自在に軸支され、
前記操作機構部の操作で各絶縁ロッドを回動させて、夫々の可動ブレード電極を一同に回動させて、各可動ブレード電極と各固定ブレード電極とが着脱されることにより三極連動して開閉される構成とし、上記三相各相の各箱体は、絶縁樹脂材により成形され、外周面を電界緩和処理が施されず、単極モールド接点部を形成し、前記機構基板は接地されたことを特徴とする、地中配電用気中モールド開閉器。 - 上記請求項1又は2の何れかに記載の地中配電用気中モールド開閉器が取り付けられる支持体の正面に、間隔をあけて平行に2枚の取付板を夫々略垂直に突設させて取付金具が設けられ、この取付金具の背部は固定され、
上記地中配電用気中モールド開閉器の単極モールド接点部の各開口面に設けられた機構基板の上端縁が各単極モールド接点部の各箱体の上面側に略直角に折り曲げられ、上記取付板の各上縁前端部に突出部が設けられ、
上記取付金具の各取付板が三相の各単極モールド接点部の異相間の各隙間に入るように、上記開閉器が当該取付金具に差し入れられ、当該開閉器の機構基板の上端縁が上記2枚の各取付板の突出部上に置かれ、当該機構基板に穿った貫通孔を通してボルトが当該2枚の各取付板の前縁の上下に設けられたねじ孔に螺着され、当該地中配電用気中モールド開閉器が当該取付金具に固着される構成としたことを特徴とする、地中配電用気中モールド開閉器の取付金具。
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