JP4374183B2 - 有機積層部材の製造方法、有機積層部材、色変換部材およびカラーディスプレイ - Google Patents

有機積層部材の製造方法、有機積層部材、色変換部材およびカラーディスプレイ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機積層部材の製造方法、有機積層部材、色変換部材およびカラーディスプレイに関し、更に詳しくは、作業工程数が少なく、安定した微細パターンを形成できる有機積層部材の製造方法、およびその製造方法により製造され、生産コストの低減と品質の安定性が図られた有機積層部材、色変換部材およびカラーディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、原理的には、陽極と陰極との間に有機EL発光層をはさんだ構造を有するものであるが、実際に、有機EL素子を用いて有機ELディスプレイを構成する際には、(1)三原色の各色をそれぞれ発光する有機EL素子どうしを配列する方式、(2)白色光に発光する有機EL素子を三原色のカラーフィルタ層と組み合わせる方式、並びに(3)青色発光する有機EL素子と青→緑、および青→赤に、それぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組み合わせる方であるCCM方式がある。
【0003】
上記の(3)のCCM方式によれば、有機EL素子とてしては、同じ色に発光するもののみを使用すればよいので、(1)の有機ELディスプレイにおけるように、各色の有機EL素子の特性を揃える必要が無く、また(2)の有機ELディスプレイにおけるように、三原色のカラーフィルターで色分解する際の白色光の利用率が低い欠点が解消され、CCM層の変換効率を高めることにより、ディスプレイの輝度を向上させることが可能で注目されている。
【0004】
しかしながら、青→緑、および青→赤に色変換する色変換層を構成するために用いる蛍光体は、外光、および隣接する色変換層から洩れてくる励起光等により劣化が起こりやすい。前者に関しては、色変換層と支持体である透明基材との間にカラーフィルター層を積層することや、透明基材に紫外線遮光フィルムを貼る等して対処することが可能であるが、後者に関しては、別の方策が必要となる等の問題があった。
【0005】
また、従来より行われているフォトリソグラフィー法によるカラーフィルタの製造方法においては、パターニングが必要な2種類の着色層を積層する場合、形成される下部層と上部層とにおいて、同様の工程を2回行うことが必要であり、煩雑であるといった問題があった(特許文献1および特許文献2参照)。例えば、フォトリソグラフィー法により、色変換層と支持体である透明基材との間にカラーフィルター層を積層する場合には、まず赤、青、緑の3色について、それぞれ色素を含有する光硬化性もしくは光可溶化型樹脂を感材塗布、プリベイク、露光、現像、ポストベイクを行いパターニングする必要がある。さらに青→緑、および青→赤に、それぞれ色変換する色変換層について同様の工程を行うことが必要となる。このように上記の方法では、工程数が非常に多く、歩留まり、生産性、製造コスト等の問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−300910号公報
【特許文献2】
特開平7−5319号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、少ない工程数で安定的に微細なパターンを形成できる有機積層部材の製造方法を提供すること、およびその製造方法により製造された有機積層部材、色変換部材およびカラーディスプレイを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の有機積層部材の製造方法は、有機物層形成用溶液を塗布する工程、塗布後の塗布膜を露光する工程および露光後の露光膜を現像する工程を少なくとも有する有機物層形成手段により、少なくとも第1有機物層および第2有機物層を基材上に順次積層してなる有機物積層体を有する有機積層部材の製造方法であって、第1有機物層形成用溶液を塗布した後または塗布膜を露光した後に第2有機物層形成用溶液を塗布し、その後、露光および現像を行うことを特徴とする。
【0009】
通常のフォトリソグラフィーは、塗布工程、乾燥工程、露光工程、現像工程および焼成工程を経て行われるが、この発明によれば、第1有機物層形成用溶液を塗布した後または塗布膜を露光した後に第2有機物層形成用溶液を塗布するので、第1有機物層のための現像工程および焼成工程を省略することができる。その結果、製造工程数を減らすことができ、品質が安定したコストメリットのある有機積層部材を製造することができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の有機積層部材の製造方法において、第1有機物層形成用溶液を塗布しその塗布膜を露光した後に、第2有機物層形成用溶液を塗布しその塗布膜を露光し、その後、第1有機物層のための露光膜と第2有機物層のための露光膜とを同時に現像することを特徴とする。なお、請求項2の有機積層部材の製造方法において、請求項3の発明は、前記第1有機物層形成用溶液を、第1有機物層のための露光膜が第2有機物層形成用溶液に溶解しない成分で構成することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、第1有機物層のための現像と第2有機物層のための現像とを同時に行うことができるので、少なくとも第1有機物層のための現像工程を省略するすることができる。その結果、製造工程数を減らすことができ、品質が安定したコストメリットのある有機積層部材を製造することができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法において、前記第1有機物層形成用溶液および前記第2有機物層形成用溶液の少なくとも一方を、光硬化型フォトレジスト材料またはアルカリ可溶型フォトレジスト材料を含有する溶液とすることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法において、前記有機物積層体を構成する少なくとも一の有機物層を、顔料分散型カラーフィルターを構成する層とすることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法において、前記有機物積層体を構成する少なくとも一の有機物層を、紫外光もしくは可視光を含む光を吸収して、該吸収光よりも低エネルギーの光を発する蛍光色素を含有する層とすることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法において、前記有機物積層体を基材上に平面的に分離配置することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機積層部材の製造方法について図面を参照しつつ説明し、さらに、その方法により製造された有機積層部材、色変換部材およびカラーディスプレイについて説明する。
【0022】
(有機積層部材の製造方法)
本発明の有機積層部材の製造方法は、有機物層形成用溶液の塗布工程、塗布膜の乾燥工程、乾燥した塗布膜の露光工程、露光膜の現像工程等を含む一般的なフォトリソグラフィーを利用するパターニング手段において、少なくとも有機物層形成用溶液の塗布工程、塗布後の塗布膜の露光工程および露光後の露光膜の現像工程を有する有機物層形成手段を適用した製造方法である。
【0023】
本発明の製造方法には、一般的なフォトリソグラフィーに採用されているようなエッチング工程や焼成工程等が含まれてもよく、以下の説明において、塗布膜の乾燥工程や焼成工程等については詳しく言及していないが、本発明の製造方法において、当然それらの工程を含むことができる。また、本発明の有機積層部材の製造方法によれば、第1有機物層を蛍光体層の励起波長を効果的に遮断しかつその蛍光体層からの蛍光波長を効果的に透過する外光遮断層とし、第2有機物層を蛍光体層とすることにより、色変換部材を製造することができる。また、第1有機物層を蛍光体層とし、第2有機物層を外光遮断層とした色変換部材を製造することもできる。そうして製造される色変換部材は、少なくとも、基材/蛍光体層/外光遮断層または基材/外光遮断層/蛍光体層の積層順であればよく、その他の任意の層がいずれかの位置に積層されていてもよい。ここで、蛍光体層とは、EL素子等の光源からの光を吸収し、吸収した光をより長波長の光に蛍光変換する作用を有する層である。また、外光遮断層とは、侵入する外光の蛍光体励起波長を吸収し且つ蛍光体層から出光した蛍光を透過させてコントラスト特性を向上させる作用を有する層である。この外光遮断層は、必要に応じて、蛍光色の色純度を向上させる役割も行う。また、この任意の層のうち、基材上に作製する第1有機物層は、フォトレジストなどのパターニングされる材料からなる必要があるが、その他の層はパターニングされる層であってもされない層であってもよい。
【0024】
本発明の製造方法の特徴は、第1有機物層形成用溶液を塗布した後さらにその塗布膜を露光した後に、第2有機物層形成用溶液を塗布しさらにその塗布膜を露光し、その後において、第1有機物層のための露光膜と第2有機物層のための露光膜とを同時に一括現像および焼成することにある。
【0025】
図1は、この第1の製造方法により色変換部材を製造する一例を示す説明図である。先ず、図1(a)に示す透明基材1上に、図1(b)に示すように外光遮断層形成用溶液を塗布・乾燥する。次に、図1(c)に示すように、外光遮断層のための塗布膜2をパターン露光する。次に、未露光部と露光部を有する塗布膜2または露光膜2’上に、さらに図1(d)に示すように、蛍光体層形成用溶液を塗布・乾燥する。次に、 図1(e)に示すように、蛍光体層のための塗布膜3をパターン露光する。そして、図1(f)に示すように、外光遮断層のための露光膜2’と蛍光体層のための露光膜3’とを同時に一括現像し、さらに焼成等を行って、外光遮断層2”と蛍光体層3”とが積層された色変換部材が製造される。例えば3色繰り返すことにより、図1(g)に示すような3色の色変換部材とすることが可能である。
【0026】
(有機物層形成用溶液)
本発明の製造方法において、用いられる第1有機物層形成用溶液は、第1有機物層のための露光膜が第2有機物層形成用溶液に溶解しない成分で構成されることが好ましい。第1有機物層のための露光膜は、第2有機物層形成用溶液に溶解しないので、第1有機物層中に第2有機物層の成分が混ざり込むことがない。例えば、図1に示す方法で色変換部材を製造する場合において、蛍光体層の構成成分と外光遮断層の構成成分とが混ざり合わないので、色変換性能の低下やコントラストの低下が起こり難い。
【0027】
第1の製造方法に好ましく用いられる有機物層形成用溶液としては、光硬化型フォトレジスト材料を含むことが好ましく、例えば、ポリアミック酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリケイ皮酸ビニル、環化ゴム、環状ポリオレフィン、ノボラック樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂などを含む光硬化型フォトレジスト材料を用いることができる。この光硬化型フォトレジストとは、例えば紫外光などの光線により重合反応を起こすものをいう。第1有機物層形成用溶液としては、上記の材料の他、上記重合反応によりアルカリ溶液に対する溶解性の差が生じるような、カルボキシル基等を含むアルカリ可溶(現像)型のフォトレジストを用いることができる。また、第2有機物層形成用溶液としては、上述の各種光硬化型フォトレジスト材料、さらにはアルカリ可溶(現像)型フォトレジスト液が好ましい。特に、第1有機物層形成用溶液および第2有機物層形成用溶液においては、それらの少なくとも一方が、光硬化型フォトレジスト材料またはアルカリ可溶型フォトレジスト材料を含有する溶液であることが好ましい。
【0028】
なお、本発明において、溶解しないとは、例えば露光により固定化された第1有機物層のための露光膜が、第2有機物層形成用溶液に溶出し、その結果、最終的に形成された両層の界面を不均一に著しく乱さないことを意味する。なお、本発明の製造方法は、基材上の任意位置に目的とするパターンを選択的に形成する方法であるので、露光されない非選択領域においはて再溶解しても構わない。また、複数の有機物層の成分が混ざりあっているか否かは、有機物積層体の断面を観察するか、それぞれの層成分を分光的または化学的に分析することにより判定することができる。具体的には、有機物積層体の断面の光学顕微鏡観察やSEM(Scanning Electron Microscopy)観察にて、各有機物層の界面が明確であれば各有機物層の成分が混ざりあっていないと判断できる。または、各有機物層の構成成分をAES(Auger Electron Microscopy)、EPMA、XPS、ダイナミックシムス、トフシムス等の分光分析で解析したり、各有機物層の構成成分をIR、NMR、UV−Vis、ICP等の化学分析で解析することにより、重なり合う有機物層の界面に相互の層成分が混在しない場合には各有機物層の成分が混ざりあっていないと判断できる。また、色変換部材の特性を乱さない閾値を定義することにより、複数の有機物層の成分が混ざりあっているか否かを判定してもよく、具体的には、白色または青色などの特定光源を用いた透過率測定や放射輝度測定において特性値の低下が59%以上とならないことをもって、複数の有機物層の成分が混ざりあっているか否かを判断してもよい。
【0029】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、複数の有機物層を積層する場合、さらに積層された有機物積層体を基材上に平面的に分離配置する場合において、従来のように各有機物層ごとに塗布工程、乾燥工程、露光工程、現像工程および焼成工程等からなる通常のフォトリソグラフィーを経る必要がなく、第1有機物層形成用溶液を塗布した後または塗布膜を露光した後に第2有機物層形成用溶液を塗布することができるので、少なくとも第1有機物層のための現像工程を省略することができる。その結果、製造工程数を減らすことができ、品質が安定したコストメリットのある有機積層部材を製造することができる。
【0030】
また、積層する有機物層は2層以上であれば何層でもよく、3層以上であっても順次本発明の製造方法を適用することができる。例えば、第1有機物層のための露光膜上に第2有機物層のための露光膜を形成し、さらにその上に第3有機物層のための露光膜を形成した後、それらを一括して現像することができる。
【0031】
(色変換部材およびカラーディスプレイ)
本発明の色変換部材は、上述した有機積層部材の製造方法により製造されるものである。色変換部材については、上述したように、第1有機物層を蛍光体層とし、第2有機物層を外光遮断層とする態様、または、第2有機物層を蛍光体層とし、第1有機物層を外光遮断層とする態様、の何れであってもよい。本発明の色変換部材は、上記の製造方法により製造されるので、蛍光体層の構成成分と外光遮断層の構成成分とが混ざり合わないので、色変換性能の低下やコントラストの低下等のような従来の問題が起こらない。
【0032】
図2は、RGBの色変換部材を有するカラーフィルターの製造方法の一例を示す説明図である。カラーフィルターは、先ず、図2(a)に示す透明基材31上に、図2(b)に示すようにブラックマトリックス32を形成する。次に、図2(c)に示すように、青色外光遮断層形成用溶液を塗布・乾燥して塗布膜33を形成し、図2(d)に示すように塗布膜33の任意位置を露光する。次に、図2(e)に示すように、外光遮断層33および露光膜33′上にクリア層用溶液を塗布・乾燥して塗布膜34を形成する。塗布膜34は、本来的には、有機EL発光層の光源からの光を吸収し、青色に変換する青色蛍光層であるが、有機EL発光層の発光が青色光、もしくは青色光と緑色光である場合には、青色光は色変換を行わずに得られるので、入射光を青色に変換する青色蛍光層は設ける必要が無い。しかし、他の色蛍光層は、比較的厚みが厚いものであるので、何も設けないと、その部分が凹部となり、厚みの均一性が失われるために、通常は無色透明の層(クリアー層)をダミー層として積層しておくことが好ましい。なお、以降の説明では、クリア層であり得ることも含んだ上で、青色蛍光層とする。
【0033】
次に、図2(f)に示すように、青色蛍光体層のための塗布膜34をパターン露光し露光膜34′とし、青色外光遮断層のための塗布膜33および青色蛍光体層のための塗布膜34を同時に現像する。その後、同様に緑色外光遮断層33′′と緑色蛍光体層34′′とからなる有機物積層体、赤色外光遮断層33′′′と赤色蛍光体層34′′′とからなる有機物積層体を順に形成し、図2(g)に示すように、個々の有機物積層体を基材上に平面的に分離配置する。さらにその後、図2(h)に示すように、オーバーコート層35を形成してRGBの色変換部材を有するカラーフィルターが完成する。
【0034】
これに対し、図3は、従来のRGBの色変換部材を有するカラーフィルターの製造方法の一例を示す説明図である。このカラーフィルターは、先ず、図3(a)の透明基材31上に、図3(b)に示すようにブラックマトリクス32を形成する。次に、図3(c)に示すように、青色外光遮断層33′をパターニングし、次いで、図3(d)に示すように、緑色外光遮断層33′′をパターニングし、さらに、図3(e)に示すように赤色外光遮断層33′′′をパターニングする。その後、図3(f)に示すように青色蛍光体層34′をパターニングし、次いで、図3(g)に示すように緑色蛍光体層34′′をパターニングし、さらに図3(h)に示すように赤色蛍光体層34′′′をパターニングする。そして、図3(i)に示すようにオーバーコート5を形成してRGBの色変換部材を有するカラーフィルターが完成する。なお、ここでいうパターニングは、それぞれの層を形成するにあたり、塗布→乾燥→露光→現像→焼成等の一連の工程を経ることによってなされるものである。
【0035】
以上説明したように、従来の製造方法では露光・現像・焼成の回数が3色の外光遮断層毎に3回および3色の蛍光対層毎に3回の合計6回必要であるのに対し、本発明の製造方法では外光遮断層と蛍光体層の露光・現像・焼成を一括して行なうことができるため、露光・現像・焼成の回数を合計3回と少なくすることができる。
【0036】
最後に、基材について説明する。本発明において、基材は、有機積層部材、色変換部材またはカラーディスプレイに強度を付与するために設けられるものであり、その材料は特に限定されるものではない。色変換部材に用いられる場合において、その基材が光取り出し側に設けられる場合には、少なくとも可視光線のうち取り出される光を透過することができるものであればよい。また、光源光を受けて蛍光体層に光を透過させるべき部位に設けられる場合には、少なくとも光源光を透過することができればよい。また、光源から見て光取り出し側の反対面に基材が設けられる場合には、基材にAlやAgなどの薄膜を設けて反射率を高くすることができる。
【0037】
また、基材としては、上述した有機物層の焼成工程で加熱されても著しい変形を伴うような軟化が起こらず、溶融もしないものを適用することが好ましい。著しい変形とは、例えば加工中に基材に反りが発生し、その後の基材の加工に支障をきたす程度の変形のことである。さらに、焼成工程で加熱されても、光取り出し効率が低下しない基材であることが好ましい。例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなどのガラス基板や、ポリエーテルサルフォンなどの150℃以上のガラス転移温度を有するフィルム基材であることが好ましい。なお、フィルム基材を用いる場合には、これをガラス基板等のような変形を伴わない支持基材に貼り合わせて用いることができる。
【0038】
基材を有機EL素子と組み合わせて使用する場合においては、水蒸気バリア性および酸素バリア性に優れた基材を用いることが好ましい。こうした基材を用いることにより、水分や酸素に基づいた有機EL素子発光部の非発光領域(ダークスポット)の成長に伴う発光特性の低下を抑制することができる。具体的には、40℃/100%RH測定下での水蒸気透過率が10−3g/(m・day・atom)以下、25℃/90%RH測定下での酸素透過率が10−2cc/(m・day・atom)以下であることが望ましい。
【0039】
【実施例】
実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明する。
【0040】
(実施例1)
基材として、縦50mm×横50mmに切断した厚さm0.7mmのソーダライムガラス基板(セントラル硝子株式会社製)を用意した。このガラス基板上に、外光遮断層として赤色カラーフィルター材料(新日鐵化学株式会社製、V259R:30%アントラキノン系顔料含有アクリル酸エステル系光硬化型レジスト)をスピンコート法で塗布し、ホットプレート上で80℃・3分間プリベイク(PB)を行ない、乾燥後の塗布膜を形成した。この塗布膜の膜厚を接触式膜厚計により測定したところ、1.5μmであった。その塗布膜を、超高圧水銀灯の紫外線露光機を用い、ライン/スペース=50μm/100μmの石英ガラス製クロムマスクを介して、波長365nmにおける積算露光量が100mJ/cmとなる条件でパターン露光した。
【0041】
次に、クマリン6:0.03mol/kg(固形分中)、ローダミン6G:1重量パーセント(固形分中)、ローダミンB:1重量パーセント(固形分中)になるように、それぞれをアクリル酸エステル系光硬化型レジスト(新日鐵化学株式会社製、V−259PA/PII5、50パーセント固形分濃度)中に混合して、赤色蛍光体層形成用溶液(固形分45パーセント、溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を調整した。次に、先のパターン露光した外光遮断膜上に、その赤色蛍光体層形成用溶液をスピンコート法で塗布し、ホットプレート上で80℃・5分間プリベイク(PB)を行ない、乾燥後の塗布膜を形成した。この塗布膜自体の膜厚は12μmであった。その塗布膜を、超高圧水銀灯の紫外線露光機を用い、ライン/スペース=50μm/100μmの石英ガラス製クロムマスクを介して、波長365nmにおける積算露光量が300mJ/cmとなる条件でパターン露光した。この際、先の外光遮断層のための塗布膜に対して露光したエリア上の蛍光体層をアライメント露光した。
【0042】
次に、0.5重量パーセント水酸化カリウム水溶液を用い、室温で1分間揺動し、外光遮断層の非露光部分と蛍光体層の非露光部分とを同時に現像した。さらに続いて、クリーンオーブン中180℃で30分間焼成(ポストベイク、POB)し、蛍光体層/外光遮断層/ガラス基板のパターン基板を得た。このときの積層膜の膜厚は、接触式膜厚計により約12μmであることが分かった。
【0043】
比較例2
実施例1と同様の基材を用意し、外光遮断層のための塗布膜を実施例1と同様の方法で形成した。このときの外光遮断層の膜厚は接触式膜厚計により約1.5μmであることが分かった。次いで、外光遮断層の露光を行わないで、蛍光体層のための塗布膜を実施例1と同様の方法で形成した。その後、外光遮断層のための塗布膜と蛍光体層のための塗布膜を、超高圧水銀灯の紫外線露光機を用い、ライン/スペース=50μm/100μmの石英ガラス製クロムマスクを介して、波長365nmにおける積算露光量が500mJ/cmとなる条件で、同時にパターン露光した。
【0044】
次に、0.5重量パーセント水酸化カリウム水溶液を用い、室温で1分間揺動し、外光遮断層の非露光部分と蛍光体層の非露光部分とを同時に現像した。さらに続いて、クリーンオーブン中180℃で30分間焼成(ポストベイク、POB)し、蛍光体層/外光遮断層/ガラス基板のパターン基板を得た。このときの積層膜の膜厚は、接触式膜厚計により約12μmであることが分かった。
【0045】
(比較例1)
実施例1と同様の基材を用意し、外光遮断層のための塗布膜を実施例1と同様の方法で形成した。このときの外光遮断層の膜厚は接触式膜厚計により約1.5μmであることが分かった。次いで、実施例1と同様に、外光遮断層の塗布膜に対して露光を行なった後、0.05重量パーセント水酸化カリウム水溶液を用い、室温で30秒間揺動させて現像した。続いて、クリーンオーブン中180℃で30分間焼成(ポストベイク、POB)を行ない、外光遮断層/ガラス基板のパターン基板を得た。このときの外光遮断膜の膜厚は接触式膜厚計により約1.3μmであることが分かった。
【0046】
次に、実施例1と同様の方法で蛍光体層の塗布膜を形成した。次いで、その塗布膜を、超高圧水銀灯の紫外線露光機を用い、ライン/スペース=50μm/100μmの石英ガラス製クロムマスクを介して、波長365nmにおける積算露光量が300mJ/cmとなる条件でパターン露光した。次いで、0.5重量パーセント水酸化カリウム水溶液を用い室温で1分間揺動して現像し、その後引き続いて、クリーンオーブン中180℃で30分間焼成(ポストベイク、POB)を行ない、蛍光体層/外光遮断層/ガラス基板のパターン基板を得た。このときの積層膜の膜厚は接触式膜厚計により約12μmであることが分かった。
【0047】
(評価)
以上のように、比較例1においては、蛍光体層/外光遮断層のパターン基板を得るのに2回の現像・焼成工程を行なう必要があるのに対し、実施例においては1回の現像・焼成工程でよく工程数を減少させることができた。なお、表1は、実施例1、2および比較例1の製造条件を整理したものである。
【0048】
【表1】
Figure 0004374183
【0049】
上記の方法で作製した基板の蛍光体層面を下にして、青色励起光源(ピーク波長470nm、半値幅50nmの青色LED)に重ね、100μmのライン部分から基板の外光遮断層側に取り出される赤色光のスペクトルを顕微分光測定装置(顕微鏡:オリンパス光学工業株式会社製、分光器:オリンパス光学工業株式会社製、OSP−200)を用いて、分光特性を測定した。一方、基板を重ねない状態での青色励起光源自体の発光スペクトルを測定した。そうして得られたスペクトルと等色関数との演算から輝度および色度(CIE1931)を算出した。色変換部材の評価指標は、輝度変換効率=(基板を重ねたときの輝度)/(青色LEDの輝度)、の式に従い、輝度変換効率を算出した。これらの評価結果を表2に示した。
【0050】
表2の結果から、外光遮断膜を露光せずに、蛍光体層を積層塗布した比較例2において、著しく性能がばらついていることがわかる。一方、外光遮断膜を露光した後に、蛍光体層を積層塗布した実施例1において、通常工法(比較例1)と同様の性能が発現していることがわかる。
【0051】
【表2】
Figure 0004374183
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機積層部材の製造方法によれば、有機積層部材、特にカラー有機ELディスプレイ等に用いられる色変換部材の作業工程数を減らし、安定的に微細なパターンを形成でき、著しく生産性を向上することができる。その結果、歩留まり、生産性、コストの面での改善ができ、さらにそのような色変換部材を用いたカラー有機ELディスプレイを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機積層部材の製造方法の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の色変換部材の製造方法の一例を示す説明図である。
【図3】従来の色変換部材の製造方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1、31 透明基材
2 外光遮断層(塗布膜)
2′ 外光遮断層(露光膜)
2′′ 外光遮断層
3 蛍光体層(塗布膜)
3′ 蛍光体層(露光膜)
3′′ 蛍光体層
32 ブラックマトリックス
33′ 青色外光遮断層
33′′ 緑色外光遮断層
33′′′ 赤色外光遮断層
34′ 青色蛍光体層
34′′ 緑色蛍光体層
34′′′ 赤色蛍光体層
35 オーバーコート

Claims (7)

  1. 有機物層形成用溶液を塗布する工程、塗布後の塗布膜を露光する工程および露光後の露光膜を現像する工程を少なくとも有する有機物層形成手段により、少なくとも第1有機物層および第2有機物層を、基材上に順次積層してなる有機物積層体を有する有機積層部材の製造方法であって、
    第1有機物層形成用溶液を塗布し、塗布膜を露光した後に第2有機物層形成用溶液を塗布し、その後、露光および現像を行うことを特徴とする有機積層部材の製造方法。
  2. 第1有機物層形成用溶液を塗布しその塗布膜を露光した後に、第2有機物層形成用溶液を塗布しその塗布膜を露光し、その後、第1有機物層のための露光膜と第2有機物層のための露光膜とを同時に現像することを特徴とする請求項1に記載の有機積層部材の製造方法。
  3. 前記第1有機物層形成用溶液を、第1有機物層のための露光膜が第2有機物層形成用溶液に溶解しない成分で構成することを特徴とする請求項2に記載の有機積層部材の製造方法。
  4. 前記第1有機物層形成用溶液および前記第2有機物層形成用溶液の少なくとも一方を、光硬化型フォトレジスト材料またはアルカリ可溶型フォトレジスト材料を含有する溶液とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法。
  5. 前記有機物積層体を構成する少なくとも一の有機物層を、顔料分散型カラーフィルターを構成する層とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法。
  6. 前記有機物積層体を構成する少なくとも一の有機物層を、紫外光もしくは可視光を含む光を吸収して、該吸収光よりも低エネルギーの光を発する蛍光色素を含有する層とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法。
  7. 前記有機物積層体を基材上に平面的に分離配置することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の有機積層部材の製造方法。
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