JP4374119B2 - アブソリュート式エンコーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリエンコーダやポテンショメータとして使用されるアブソリュート式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のアブソリュート式エンコーダとして、例えば特公平5−346036号公報により、被測定物に連動して移動する目盛板に複数種類の幅寸法のスリットを該目盛板の移動方向に沿って一定の間隔で形成すると共に、該目盛板を挟んで一方に目盛板方向に平行光線を照射する送光部を配設し、他方にスリットを通過する送光部からの光を受光して光の強度分布に対応した電気信号に変換する光電変換素子を備えた受光部を取り付け、該受光部からの電気信号の出力分布に基づいてスリットの中心位置及び幅寸法及び配列を求め、目盛板の受光部に対する絶対位置を決定するようにしたものが知られている。このものでは、回折効果によりスリットを通過した光はスリットの投影部分より外側に拡がる。そのため光電素子から出力される電気信号はスリットの中心位置に対応する位置を中心とする山形に分布曲線を形成する。そこで、所定の閾値より電気信号が大きい範囲の中点位置を分布曲線で囲まれた面積の重心位置とし、該重心位置をスリットの中心位置としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、スリットの開口部分が汚れたりゴミなどの異物が付着すると上記光電素子の出力する電気信号により形成される分布曲線が横方向にずれ、あるいは分布曲線の形状が歪む。すると分布曲線で囲まれる部分の重心位置は汚れやゴミの付着がない場合の重心位置に対して横方向にずれる場合が生じる。上記従来のアブソリュート式エンコーダでは該重心位置をスリットの中心位置として目盛板の位相を規定しており、重心位置が正規の位置からずれるとスリットの中心位置に誤差が含まれエンコーダによる測定結果が不正確なものになる。
【0004】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、目盛板が汚れたり異物が付着しても正確な測定が行なえるアブソリュート式エンコーダを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、被測定物に連動して移動する目盛板に複数種類の幅寸法のスリットを該目盛板の移動方向に沿って一定の間隔で形成すると共に、該目盛板を挟んで一方に目盛板方向に平行光線を照射する送光部を配設し、他方にスリットを通過する送光部からの光を受光し、その受光した光の強度分布に対応した電気信号に変換する光電変換素子を備えた受光部を取り付け、該受光部からの電気信号の出力分布に基づいてスリットの中心位置及び幅寸法及び配列を求め、目盛板の受光部に対する絶対位置を決定するアブソリュート式エンコーダにおいて、受光部からの電気信号の出力分布に対して相互に異なる複数の閾値を用いてスリットの中心位置を求め、各閾値毎に求められるスリットの中心位置のばらつきが所定値以上の場合にそのスリットについて受光部の電気信号から求められた中心位置を無視することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明をロータリエンコーダに適用した場合の構成を説明する。1は透明なガラス製の薄板からなる目盛板である。該目盛板1のガラス部分には全周にわたって遮光する金属膜が蒸着され、且つ該金属膜にはエッチング等により等ピッチのスリット11が形成されている。該スリット11は幅寸法が相違する2種類のスリットから構成されており、例えば幅の広いスリットに「1」を対応させ、幅の狭いスリットに「0」を対応させて得られる2値の数列から所定の長さの数列、例えば連続して24個取り出した数列が他のいずれの場所から取り出した数列に対しても一致しないように形成されている。したがって、上記所定の長さの数列が得られれば目盛板上の位置を決定することができる。
【0007】
該目盛板1を挟んで上方にはスリット11に対して平行光線を照射する送光部2が設けられている。一方、目盛板1の下方には送光部2から照射されスリット11を通過した光を受光する光電変換素子を備えた受光部3が配設されている。本実施の形態では光電変換素子としてCCDラインセンサーを用いている。受光した光の強度分布に対応して受光部3から出力される電気信号はアンプ4で増幅された後、A/D変換機5に入力されアナログ信号からディジタル信号に変換される。A/D変換機5で変換されたディジタル信号は電気信号の出力分布としてCPU6に入力され、該ディジタル信号を基に目盛板1の回転位相が演算される。尚、61はクロック信号に基づいてコントロール信号を発生させるCCDラインセンサーのドライバ回路である。またCPU6には、演算プログラムや各種パラメータ等が格納されているROM62や、ディジタル信号や演算結果等を一時的に格納するRAM63が接続されている。そしてCPU6での演算結果は表示器64に表示される。
【0008】
次に、受光器3の電気信号のピクセル毎の出力レベルから、目盛板1の受光部3に対する絶対位置を求める手順について説明する。まず1つの閾値に対するスリットの中心位置及び幅寸法の算出方法について説明すれば、図2はスリット11の3個分の出力レベルを示しており、図示のごとく、出力レベルはスリット11の中心位置に対応する位置を中心にした山形の分布を示す。従って、各ピクセル毎の出力レベルの頂点を結ぶ分布曲線を想定し、その分布曲線と適宜の閾値を示す横線との2つの交点を求め両交点の中点を各スリット11の中心位置とすれば良い。分布曲線と閾値を示す横線との交点は以下のようにして求める。図3はスリット11の1個分の出力レベルを示した図であり、この図中の分布曲線の立上がり部を抜き出したのが図4である。図4に示すように、分布曲線の立上がり部のn番目のピクセルの中心線と該n番目のピクセルの出力レベルであるlnとの交点であるPn及びn+1番目のピクセルの中心線と該n+1番目のピクセルの出力レベルであるln+1との交点Pn+1を求め、交点Pnと交点Pn+1とを分布曲線の一部である直線で結んだ。該直線Lと閾値lshとの交点X1のピクセル上の位置をi1とする。各ピクセルのピッチをpとすると、
i1=(a/(a+b))×p+n×p
=((lsh−ln)/(ln+1−ln))×p+n×p
=(n+((lsh−ln)/(ln+1−ln)))×p
と表すことができる。
同様に、分布曲線の立下り部と閾値lshの示す横線の交点X2についてもピクセル上の位置i2を
i2=(m+((lsh−lm)/(lm+1−lm)))×p
と表すことができる。
【0009】
このように、ピクセルのピッチpを最小単位として、より正確にi1、i2の位置を求めることができる。このようにして求めたi1、i2を用い、スリット11の中心位置Cを
C=(i1+i2)/2
とする。
【0010】
また、このようにして求めたi1、i2を用いてスリット11の幅寸法Wを
W=i2−i1
と表すことができる。
【0011】
次に、図5を参照して、相互に異なる2つの閾値を用いてスリット11の中心位置を算出する方法について説明する。本実施の形態においては、まず第1の閾値SH1を設定し、該第1の閾値SH1により求められる中点を順次C11、C21、C31として記憶する。次に第2の閾値SH2を設定し、同様にして順次中点C12、C22、C32を求めて記憶する。目盛板が汚れていたりゴミ等の異物が付着してスリット11の開口部分を部分的に遮光すると、受光部3のピクセル毎の出力レベルが形成する分布形状が、図5の右に示すもののように左右非対称の形状となる。その結果、第1の閾値SH1を用いて求められる中点の位置C31と第2の閾値SH2を用いて求められる中点の位置C32とが一致しない。尚、左及び中央に示す分布形状は左右対称であるため、第1の閾値SH1を用いて求められる中点位置C11、C21と第2の閾値SH2を用いて求められる中点位置C12、C22とはそれぞれ一致する。この場合には、第1の閾値SH1を用いて求められる中点位置と第2の閾値SH2を用いて求められる中点位置の平均を求めてその平均値をスリット11の中心位置とする。第1の閾値SH1を用いて求められる中点位置と第2の閾値SH2を用いて求められる中点位置とが一致しない場合に両中点の位置の平均を求めてその平均値を対応するスリット11の中心位置とすると、真の中心位置と求められた中心位置とが一致しなくなる。そこで、本実施の形態では第1の閾値SH1を用いて得られる中点位置C31と第2の閾値SH2を用いて得られる中点位置C32との差が所定値以上の場合、そのスリット11の中心位置を目盛板の受光部に対する絶対位置を決定するのに用いないこととした。尚、スリット11の開口部分が汚れやゴミ等により部分的に遮光されている場合、そのスリット11の幅寸法が不確定となる場合があるが、このような場合でも、目盛板1の絶対位置を決定する数列として、数列を構成する一部のビットが不確定の場合でも絶対位置の決定に支障をきたさないような数列を選択して使用する。また、本実施の形態では第1の閾値SH1と第2の閾値SH2とを用いたが、更に異なる閾値を用いて中点位置を求め、各中点位置の最大値と最小値との差が所定値以上の場合や標準偏差が所定値以上の場合にそのスリット11の中心位置を目盛板の受光部に対する絶対位置を決定するのに用いないようにしてもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、スリットを通過した光に基づいて光電変換された電気信号の分布形状が目盛板が汚れていたりゴミ等の異物が付着して歪んだ場合に、そのスリットを通過した光により求められる中心位置を無視するので演算される中心位置に含まれる誤差を可及的に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】ピクセル毎の出力レベルを示す図
【図3】1個のスリットに対応する出力レベルを示す図
【図4】分布曲線と閾値との交点近傍を示す拡大図
【図5】ピクセル毎の出力レベルを示す図
【符号の説明】
1 目盛板
2 送光部
3 受光部
11 スリット
Claims (1)
- 被測定物に連動して移動する目盛板に複数種類の幅寸法のスリットを該目盛板の移動方向に沿って一定の間隔で形成すると共に、該目盛板を挟んで一方に目盛板方向に平行光線を照射する送光部を配設し、他方にスリットを通過する送光部からの光を受光し、その受光した光の強度分布に対応した電気信号に変換する光電変換素子を備えた受光部を取り付け、該受光部からの電気信号の出力分布に基づいてスリットの中心位置及び幅寸法及び配列を求め、目盛板の受光部に対する絶対位置を決定するアブソリュート式エンコーダにおいて、受光部からの電気信号の出力分布に対して相互に異なる複数の閾値を用いてスリットの中心位置を求め、各閾値毎に求められるスリットの中心位置のばらつきが所定値以上の場合にそのスリットについて受光部の電気信号から求められた中心位置を無視することを特徴とするアブソリュート式エンコーダ。
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