以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の送受信システムの構成図である。
同図において送受信システムは、放送番組等を作成する局内システム100、専用回線10、局内システム100により作成された放送番組等を放送電波に変換して送信アンテナ30より中継機40に送出する送信装置20、送信アンテナ30、中継機40、放送電波に含まれる放送番組等を受信する受信装置200、201、受信された放送番組等を表示するディスプレイ50、51、受信装置のユーザが放送番組の視聴契約の申込を行うための電話機60、61、公衆回線70及び71を備える。
この構成において送受信システムは、放送番組について視聴契約していない未契約者の受信装置のディスプレイに、その放送番組の再生画面を部分的に覆い隠すようにして隠蔽画像を表示する。そして視聴契約されない限り、その放送番組の累積再生時間が長くなるにつれて隠蔽画像の表示面積を段階的に大きくして表示する。隠蔽画像の表示中に視聴契約された場合や、番組再生開始時に既に視聴契約が済んでいる場合には、隠蔽画像の表示を制止する。このような表示方法により、隠蔽された再生画面の視聴を望むユーザの視聴契約を促す。
同図においては受信装置200が未契約のものであり、それに接続されたディスプレイ50には、隠蔽画像が表示されている。一方、受信装置201は視聴契約されたものであり、ディスプレイ51には隠蔽画像が表示されていない。
図2(a)〜(c)は、段階的に大きくなる隠蔽画像の表示態様を示す。
同図(a)〜(c)に示すように、ディスプレイ50には、視聴契約がない限り、放送番組の累積再生時間の経過とともに隠蔽画像52、53、54が同順で、番組の再生画面の上に表示され、再生画面を覆い隠す面積が段階的に大きくなっている。
例えば、週1回のペースで15回、各回につき1時間放送されるシリーズ番組について、未契約の受信装置による再生が累計5時間を越える毎に、同図(a)から(b)、(b)から(c)へと隠蔽画像が段階的に大きく表示される。受信装置の累積再生時間によって隠蔽画像の段階が決まるものなので、各受信装置毎に同時点での隠蔽画像の段階は異なることになる。
なお、同図(a)〜(c)のいずれも、隠蔽画像の背景に同じ画像が示されているが、これは再生画面を簡略的に表しているだけであって、これに限らないのはもちろんのことである。例えば通常考えられるのは、同図(a)〜(c)それぞれに異なる動画像が再生画面として表示されることである。
このように隠蔽画像が表示されている状態において、受信装置200のユーザが電話機60及び公衆回線70を通じて局内システム100に連絡して視聴契約を申し込むと、送受信システムは、ディスプレイ50に表示された隠蔽画像の表示を停止する。
隠蔽画像の表示が停止されると、ディスプレイ50の表示態様は図3のようになる。同図に示すようにディスプレイ50には、視聴契約済みのディスプレイ51と同様に、放送番組の再生画面が隠蔽されることなく表示される。
では次に、送受信システムの主要な構成要素である局内システム100及び受信装置200について詳細な構成を説明する。
図4は、局内システム100の詳細構成を示すブロック図である。
同図において局内システム100は、番組データや番組編集情報や後述する隠蔽制御情報等を編集して送出部160に出力する番組編集部110、各放送受信者の視聴契約状況等を記憶する受信者管理DB120、受信者管理DB120の記憶内容を管理する受信者管理部130、受信者管理DB120に記憶された放送受信者毎に各放送番組についての視聴契約状況を管理する契約者管理部140、CAS装置150、送出部160を備える。
受信者管理部130は、受信者管理DB120に管理情報を作成し、受信者登録、視聴契約登録及びそれら登録した情報の管理を行う。
ここで受信者登録とは、受信者管理部130が、受信者から通知されるカードIDを受信者管理DB120に記録することである。カードIDとは、受信装置に装着されるICカードに記録された識別番号のことである。ICカードは受信装置の購入時等にすべての受信装置毎に同梱されて受信者に届けられるもので、それを受取った受信者が、はがきや電話等で受信者管理部130にカードIDを通知すると、受信者管理部130は受信者登録を行う。
また視聴契約登録とは、受信者管理部130が、受信者登録済みのICカードを持つ受信者から、ある放送番組についての視聴契約の申込を受けたときに、そのカードIDと視聴契約に係る放送番組との対応関係を、受信者管理DB120に記録することである。通常は、この視聴契約によってその番組の売買が成立し、受信者は視聴料を支払うことになるが、もちろん無料であってもよい。
図5は、受信者管理部130が受信者管理DB120内に作成する管理情報の一例である。
同図において、管理情報121は、左から一列目のカードID「12345678」、「13572468」及び「37542010」等は受信者登録されたカードIDを示す。
二列目以降の各列は、視聴契約登録に基づいて作成される契約情報を示すもので、「Drama」、「News」及び「Sports」という番組名の各番組について、各カードIDそれぞれの視聴契約の有無を○か×により示す。例えば、二列目にある番組名「Drama」という番組については、その列で○が付された欄に対応するカードID「12345678」、「13572468」、「58663721」及び「39741038」のICカードが視聴契約登録していることを示す。なお、二列目で×が付された欄に対応するカードID「37542010」のICカードは、番組名「Drama」の番組について視聴契約登録していないことを示す。
番組編集部110は、オペレータや外部装置からの映像音声コンテンツや各種制御情報の入力を基に各放送番組、番組編成情報及び隠蔽制御情報等を編集し、送出部160へ出力する。
ここで放送番組は、図5に示す番組名「Drama」、「News」、「Sports」の番組を含む。また番組編成情報は、PSI(伝送制御信号:Program Specific Information)やSI(Servise Information)等といった、放送されるデータの中から「Drama」や「News」等を選択して受信するための情報を含む。
隠蔽制御情報は、図2に示したような受信装置200がディスプレイ50に隠蔽画像の表示を行う際に必要となる情報である。番組編集部110は、オペレータ等の入力に基づいて番組毎の隠蔽制御情報を編集し、番組編成情報に含まれる番組識別情報と対応付けて隠蔽制御情報を送出部160へ出力する。
図6は、隠蔽制御情報の一例を示す。
同図において隠蔽制御情報151は、左から一列目は、隠蔽の程度に対応するレベルを示す。レベルは、1から3の3つあり、レベル1が3つの中で最も隠蔽の程度が小さく、レベル3が隠蔽の程度が最も大きい。
なお、同図は、図2(a)、(b)、(c)の隠蔽画像に対応する隠蔽制御情報であり、レベル1が図2(a)に対応し、レベル2が図2(b)に対応し、レベル3が図2(c)に対応している。
同図において各行はそれぞれ1つのレベルについての隠蔽制御情報を示し、隠蔽画像の表示期間、表示サイズ、表示位置及び表示メッセージからなる。
表示期間は、ディスプレイ上に隠蔽画像を表示する期間を示す。つまり、同図の例では、未視聴契約の受信装置に接続されたディスプレイ上に、番組の再生開始から当番組の累積再生時間が5時間経過するまでの間、レベル1の隠蔽画像が表示され、続いて累積再生時間が5時間経過するまでの間、レベル2の隠蔽画像が表示され、さらに続いて累積再生時間が5時間経過するまでの間、レベル3の隠蔽画像が表示される。
表示サイズは、ディスプレイ上における隠蔽画像の表示サイズを示す。
表示位置は、ディスプレイ上における隠蔽画像の表示位置を示す。
表示メッセージは、隠蔽画像中に表示するメッセージを示す。
契約者管理部140は、管理情報121の各番組についての契約情報に基づいて、各番組毎の視聴契約登録されているカードIDをCAS装置150に通知する。例えば、番組名「Drama」の番組については、管理情報121からカードID「12345678」、「13572468」、「58663721」及び「39741038」をCAS装置150に通知する。
また契約者管理部140は、番組再生中に受信者管理部130により新規の視聴契約登録があった場合には、その視聴契約登録に係るカードIDもCAS装置150に通知する。
CAS装置150は、契約者管理部140から各番組毎の視聴契約登録されたカードIDを取得し、それを用いて個別メッセージを作成し、各番組が放送されている間、その番組に対応する個別メッセージを送出部160に出力する。
図7は、個別メッセージの一例を示す。
同図において個別メッセージ152は、管理情報121に記録された「Drama」の番組に対応する。
CAS装置150は、契約者管理部140に要求して、「Drama」についての視聴契約登録されたカードIDを取得し、そのカードIDを載せた個別メッセージ152を作成し、「Drama」の放送中に繰り返し送出部160に出力する。
送出部160は、番組編集部110から出力される放送番組、番組編成情報、及び隠蔽制御情報等、CAS装置150から出力される個別メッセージを多重化し、専用回線10を通じて送信装置20へ伝送する。そして、伝送された多重化信号は、送信装置20により放送電波に変換されて、中継機40に伝送され、中継機40から各受信装置200に伝送される。
では、このように構成された局内システム100の動作について、図5、6及び7で例示したデータを用いて以下に説明する。
図10は、局内システム100の動作を示すフローチャートである。
まず、番組編集部110は、外部からの入力を基に「Drama」の番組データの編集及び「Drama」に対応する隠蔽制御情報151を作成し、送出部160へ出力する(ステップS11)。
続いてCAS装置150は、契約者管理部140が管理情報121より抽出した「Drama」についての視聴契約登録済みのカードIDを取得し、それを用いて個別メッセージ152を作成し、送出部160に出力する(ステップS12)。ここでステップS11とステップS12の処理は同順に行われる必要はない。
送出部160は、「Drama」の放送開始時刻になると、番組編集部110及びCAS装置150から得られる番組データ、隠蔽制御情報及び個別メッセージ等を多重化して送信装置20へ伝送することを開始する(ステップS13、S14)。
「Drama」の放送中において、受信者管理部130は、ICカードを所有するユーザから「Drama」についての視聴契約の申込を受けると、そのICカードのカードIDと「Drama」とを対応させて管理情報121に契約情報を追加する視聴契約登録を行う。この視聴契約登録があったとき、契約者管理部140は、その視聴契約登録に係るカードIDをCAS装置150に通知する(ステップS15)。
その通知を受けたCAS装置150は、個別メッセージ152に、通知されたカードIDを追加する(ステップS16)。
CAS装置150及び送出部160は、「Drama」の放送が終了する時まで、ステップS14〜16を繰り返す(ステップS17)。
なお、このフローチャートにおいては隠蔽制御情報と個別メッセージの送信の繰り返しの周期が同じになっているが、同じである必要はない。
次に、受信装置200について説明する。
図8は、受信装置200の詳細構成を示すブロック図である。
同図において受信装置200は、受信部210、隠蔽制御情報取得部220、個別メッセージ取得部230、隠蔽制御部240、累計部250、ICカード260、リモコンIF270及び表示部280を備える。
受信アンテナにより受信された放送電波は、受信部210に入力される。この放送電波は、放送番組、番組編成情報、隠蔽制御情報及び個別メッセージを含んでいる。
受信部210は図示しないリモコンによる指示を受けて、放送電波の中から特定の放送番組を抽出して表示部280へ出力する。ここでリモコンによる指示は、放送中の番組についての再生指示や番組の切り替え指示等で、リモコンIF270から入力される。なお受信部210は、特定の番組を抽出するために番組編成情報を用いている。この番組編成情報の用い方は、従来からの汎用的な方法であるので説明を省略する。
隠蔽制御情報取得部220は、受信部210に入力される放送電波から再生中の番組に対応する隠蔽制御情報151を抽出して隠蔽制御部240へ出力する。
ここで、隠蔽制御情報は、対応する番組の番組識別情報が付加されているか、あるいは、番組と隠蔽制御情報との対応関係が番組編成情報等に示されていること等によって、番組との対応関係を把握することが可能なものとする。
例えば、局内システム100の説明で既出の「Drama」を受信装置200が再生している場合、隠蔽制御情報取得部220は、図6に示す「Drama」に対応する隠蔽制御情報151を取得して隠蔽制御部240へ出力する。
また隠蔽制御情報取得部220は、一旦取得した隠蔽制御情報を受信装置200の内部メモリ又はICカード260に記憶させておき、それら隠蔽制御情報については、受信部210から取得する代わりに内部メモリ又はICカード260から取得する。
個別メッセージ取得部230は、受信部210に入力される放送電波から再生中の番組に対応する個別メッセージを抽出し、その中にICカード260のカードIDに対応する個別メッセージが含まれているか否かを監視し、含まれていることを発見した場合には隠蔽制御部240へその旨を通知する。つまり、ある番組の個別メッセージ中にICカード260のカードIDが含まれている場合には、ICカード260はその番組について視聴契約済であることを示し、カードIDが含まれていない場合には、ICカード260はその番組について未契約であることを示す。
この個別メッセージについても、対応する番組の番組識別情報が付加されているか、あるいは、番組と個別メッセージの対応関係が番組編成情報等に示されていることに等によって、番組との対応関係を把握することが可能なものとする。
例えば、局内システム100の説明で既出の「Drama」を受信装置200が再生している場合、個別メッセージ取得部230は、図7に示す「Drama」に対応する個別メッセージ152を抽出して隠蔽制御部240へ出力する。
隠蔽制御部240は、ICカード260のカードIDを視聴契約登録していない放送番組について、その放送番組の累積再生時間が長くなるにつれて当放送番組の再生画面を隠蔽する程度が大きくなるように、隠蔽制御情報に基づいて再生画面の隠蔽制御を行う。
累計部250は、隠蔽制御部240の指示に従って、各放送番組についての累積再生時間を計測し、累積再生時間が隠蔽制御情報の各レベルに定義された期間を経過する毎に、その旨を隠蔽制御部240に通知する。
ここで累積再生時間は、1つの番組について連続的に再生される期間を累積したものである。例えば、1時間の放送番組を、最初に15分再生し、一旦他の番組にチャンネルを切り替えた後、またチャンネルを戻して5分再生した場合、累積再生時間は15分と5分を合わせた20分である。また、週1回のペースで15回、各回につき1時間放送されるシリーズ番組について、第1回目の放送で50分再生し、第2回目の放送で1時間再生し、第3回目の放送で30分再生した場合、累積再生時間は、50分と1時間と30分を合計した2時間20分である。
このような各放送番組についての累積再生時間と隠蔽制御情報とを管理するために隠蔽制御部240は、累計管理情報を受信装置200の内部メモリ又はICカード260に記憶させて管理している。
図9は、累計管理情報の一例を示す。
同図に示すように累計管理情報251は、各放送番組について、放送番組を識別する番組識別情報、当該放送番組の累計再生時間、隠蔽制御情報の記憶所在地を示すポインタから構成される。
ここで番組識別情報の欄には、番組名が記載されているが、隠蔽制御部240が番組と各番組についての累計管理情報との対応を把握できるものであれば何でもよく、番組名でもよいし番組識別情報でもよい。
累計時間は、1つの放送番組について、チャンネル切り替えや放送終了等により連続的な再生が終了したときに、累計部250から累積再生時間が隠蔽制御部240に通知され、記録されたものである。
例えば番組名「Drama」の番組が15分再生された後、一旦他の番組にチャンネルが切り替えられると、累計管理情報の「Drama」の累計時間の欄に「15min」が記録され、その後チャンネルが戻って再び「Drama」が5分再生されると、「15min」と記録された欄は「20min」に更新される。
隠蔽制御情報ポインタは、受信装置200の内部メモリ又はICカード260に記録された隠蔽制御情報の記憶場所を指す。例えば番組名「Drama」の隠蔽制御情報ポインタは、図6に示す隠蔽制御情報151の記憶場所を指している。
隠蔽制御部240は、このような累計管理情報251を用いて各放送番組についての累計再生時間を管理し、累計再生時間に応じて隠蔽制御を行っている。
表示部280は、受信部210により抽出された放送番組等を再生し、また隠蔽制御部240の制御に従って放送番組の再生画面上に隠蔽画像を表示する。
このように構成された受信装置200の動作について、図6、7及び図10で例示したデータを用いて以下に説明する。
図11は、受信装置200の動作を示すフローチャートである。
リモコンの操作によりチャンネルが切り替えられ、又は受信装置200及びディスプレイ50の電源がオンになることにより、「Drama」の再生が選択されると、受信部210は「Drama」の番組データを放送電波から抽出して表示部280に出力する。このとき隠蔽制御情報取得部220、個別メッセージ取得部230及び隠蔽制御部240は、「Drama」の番組識別情報を放送電波中の番組編成情報等から取得する。
続いて個別メッセージ取得部230は、「Drama」の番組識別情報をキーとして用いて「Drama」に対応する個別メッセージ152を放送電波から抽出し、その中にICカード260のカードIDが含まれているか否かを監視し、ICカード260が「Drama」について視聴契約しているか否かを判定する(ステップS23)。
ここでもし個別メッセージ152にICカード260のカードIDが含まれていれば、視聴契約済であるということなので、個別メッセージ取得部230は、その旨を隠蔽制御部240に通知し、その結果、隠蔽制御が停止される(ステップS29)。
一方、個別メッセージ152にICカード260のカードIDが含まれていない場合には、ICカード260は「Drama」について未契約であるということなので、ステップS23以降の隠蔽画像を表示する処理を行う。
隠蔽制御情報取得部220は、「Drama」の番組識別情報をキーとして用いて「Drama」に対応する隠蔽制御情報151を取得し、隠蔽制御部240へ出力する(ステップS23)。ここにおいて隠蔽制御情報取得部220は、隠蔽制御情報151を初めて取得する場合には、放送電波から抽出して取得し、受信装置200の内部メモリ又はICカード260に既に記憶されている場合にはそこから取得する。さらに隠蔽制御情報取得部220は、放送電波から隠蔽制御情報151を取得した場合には、それを内部メモリ又はICカード260に記憶させ、そのポインタを番組識別情報と対応させて累計管理情報251に記録する。
隠蔽制御部240は、累計管理情報251を参照して、「Drama」に対応する累計時間が記憶されている場合にはそれを読み出し、その累計時間に対応するレベルを隠蔽制御情報151の期間の情報から決定し、決定したレベルにおける表示サイズ、表示位置、表示メッセージを用いて隠蔽画像を生成し、表示部280に出力する(ステップS24)。
例えば、累計管理情報251に記憶されている「Drama」の累計時間が0分〜5時間の範囲内の場合、レベル1と決定され、5時間〜10時間の範囲内の場合、レベル2と決定され、10時間〜15時間の範囲内の場合、レベル3と決定される。図9の例では、「Drama」の累計時間は20分であるので、隠蔽制御部240は、レベル1と決定して、表示サイズ「小」、表示位置「左下」、表示メッセージ「ご視聴契約により、このメッセージは自動的に消えます。ご連絡はTEL:×××−××××」を用いて図2(a)に示す隠蔽画像52を生成し、表示部280に出力する。
ステップS24とほぼ同時に隠蔽制御部240は、累計部250に累計管理情報251の「Drama」の累計時間「20分」を初期値、レベル1の期間「5時間」を上限値として設定し、タイマーの計時を開始させる。これにより累計部250は、20分から時間をカウントアップする。
チャンネルの切り替えや受信装置200の電源のオフ又は「Drama」の放送終了により「Drama」の再生が終了した場合には、累計部250は、累計管理情報251の「Drama」の累計時間の欄に、再生終了時のタイマーの計時時間を書き込み(ステップS27)、隠蔽制御部240は隠蔽画像の表示を停止する(ステップS29)。
また視聴契約された場合、つまり個別メッセージ取得部230が個別メッセージ152の中にICカード260のカードIDが含まれていることを見つけ、その旨が隠蔽制御部240に通知された場合にも、隠蔽制御部240は隠蔽画像の表示を停止する(ステップS29)。
一方、番組の再生終了も視聴契約もない限り、累計部250は、ステップS25において設定された初期値「20分」が上限値の期間「5時間」を超えるまでカウントアップを続け、「5時間」を超えたとき、期間経過の旨を隠蔽制御部24に通知し、ステップS31に進む(ステップS30)。
期間経過を通知された隠蔽制御部240は、隠蔽制御情報151を参照し、今まで表示していた隠蔽画像のレベルより1つ上のレベルがある場合には、そのレベルの隠蔽画像の表示を行うためにステップS24に戻る(ステップS31)。
このようにして隠蔽制御部240は、「Drama」の累計再生時間が5時間を超える毎に、レベル1、2、3の順にレベルを変えて、そのレベルにおける隠蔽画像を生成し、表示部280に出力する。
隠蔽制御部240は、レベル1、2、3の隠蔽画像を累積再生時間の経過に応じて段階的に表示した後、番組の再生画面を完全に隠蔽する画像を表示する(ステップS32)。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2の送受信システムについて説明する。
実施の形態1の送受信システムが受信側で累計再生時間を計測して、その計測結果に応じて隠蔽の程度を変化させていたのに対し、本実施の形態の送受信システムは、放送側で放送時間を累計し、その結果に応じて隠蔽の程度を変化させるものである。
図12は、局内システム300の構成を示すブロック図である。
同図において番組編集部310は、番組編集部110と同様に放送番組や番組編成情報を編集するのに加えて、図13に例示する隠蔽制御情報b361を作成する。
隠蔽制御情報b361は、送出部160による図14に示す隠蔽制御情報a362の作成と、CAS装置350による図15に示す個別メッセージ352、353、354の作成に利用される。
隠蔽制御情報b361は、実施の形態1の隠蔽制御情報と比較して、メッセージ番号の列が加わっている点が異なる。メッセージ番号は、各レベルの隠蔽画像の識別子を示すものでCAS装置350による個別メッセージの作成に用いられる。
累計部360は、送出部160により送出される番組データの放送時間を累計する。
CAS装置350は、累計部360の累計結果と隠蔽制御情報b361の期間の情報とに基づいて、隠蔽制御情報のレベルを決定し、対応するメッセージ番号と未契約のICカードのカードIDとをペアにした個別メッセージを作成し、送出部160に出力する。なお、視聴契約済みのICカードについては、そのカードIDと隠蔽しない旨を示す情報「0」とをペアにして個別メッセージに含ませる。図15(a)、(b)、(c)は、放送時間とともにレベルが変化する個別メッセージの一例を示す。
図16は、受信装置400の構成を示すブロック図である。
同図において受信装置400は、受信装置200に対して累計部250がなくなっている点と、隠蔽制御部440が累計を行わずに単に局内システム300より送られる情報のレベル値に従って隠蔽画像を生成する点とが異なっている。
図17は、局内システム300の動作を示すフローチャートである。
CAS装置360等は、放送される番組の番組識別情報を取得し、番組識別情報に対応する累計時間が内部メモリに記憶されていれば、その累計時間を読み出す(ステップS33)。ここで内部メモリに当該番組に対応する累計時間が記憶されていない場合には、累計時間は0である。
CAS装置350は、番組の受信者全員が視聴契約をしている場合にはこの処理を終了する。一方、1人でも視聴契約していない場合にはステップS35に進む(ステップS34)。
CAS装置350は、ステップS33により読み出された累計時間と隠蔽制御情報b361とから隠蔽制御情報のレベルを決定し、対応するメッセージ番号を取得する。そしてそのメッセージ番号を未契約のICカードのカードIDとペアにした個別メッセージを作成する。ここで視聴契約済みのICカードのカードIDについては0とペアにして個別メッセージに追加する(ステップS35)。
送出部160は、隠蔽制御情報a362を作成し、これと個別メッセージとを送出し、累計部360はその送出の時間について累計を開始する(ステップS36、S37)。
その後、番組の放送が終了した場合には、その番組の番組識別情報と対応付けて累計時間を内部メモリに記憶し、処理を終了する(ステップS38、S39)。
番組放送中に視聴契約がなされた場合には、その視聴契約にかかるICカードのカードIDと0とを対応付けるように個別メッセージを更新する(ステップS40、S41)。
隠蔽制御情報b361に示される現在のレベルの期間の間、ステップS38〜ステップS41の処理が繰り返され、期間経過後ステップS43に進む(ステップS42)。
隠蔽制御情報b361に次のレベルの隠蔽制御情報がある場合にはステップS36に戻って、未視聴契約のICカードのカードIDと次のレベルのメッセージ番号とを対応付けるように個別メッセージを更新して送出する。
図18は、受信装置400の動作を示すフローチャートである。
隠蔽制御部440は、個別メッセージ取得部430に取得される個別メッセージ中から、ICカード260のカードIDに対応するレベルを取得し、レベルが0であれば、隠蔽制御を停止する(ステップS44、S45、S46)。
一方、レベルが0でない場合には、隠蔽制御情報取得部420により取得される隠蔽制御情報aからレベルに対応する隠蔽制御情報を取得し、その隠蔽制御情報に従って隠蔽画像を生成し、表示部280に出力する(ステップS47、S48)。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3の送受信システムについて説明する。
図19は、局内システム500の構成を示すブロック図である。
同図において受信者管理DB520は、図20に示す管理情報521を記憶する。管理情報521は、受信者のICカードのカードIDと契約時間とを対応させたものである。契約時間は、受信者が番組について視聴契約した時間のことであり、例えば、受信者は、30分100円というように時間単位の視聴料金で番組を購入する契約をする。
CAS装置550は、図21に例示する隠蔽制御情報531を作成する。これは実施の形態1の隠蔽制御情報151と同じ構成である。
さらにCAS装置550は、管理情報521を個別メッセージの形式にして送出部160に出力する。送出部160は、個別メッセージ及び隠蔽制御情報を番組の出力とともに送信装置20に出力する。
図22は、受信装置600の構成を示すブロック図である。
同図において受信装置600は、累計部650及び減算部660を備える点が実施の形態1と異なっている。
累計部650は、各放送番組毎に累計再生時間の計測を行う。
減算部660は、ICカード260のカードIDに対応する契約時間を、個別メッセージ取得部230により取得される個別メッセージから抽出する。そして累計部650が計測した累積再生時間から契約時間を差し引いて、その結果の差分の期間を隠蔽制御部240に渡す。
隠蔽制御部240は、渡された差分の期間をもって隠蔽制御情報531に基づきレベルを決定し、決定したレベルの隠蔽制御情報を用いて隠蔽画像を生成し表示部280に出力する。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4の送受信システムについて説明する。
なお、本実施の形態の送受信システムの基本構成は、図1と同じであるので必要に応じて同図を流用して説明することとする。
本実施の形態の送受信システムは、時間の経過とともに放送の形態を、第1の放送形態から第2の放送形態を経て第3の放送形態へと段階的に変化させ、これによってより多くの視聴者を獲得することを目標としている。
第1の放送形態は、視聴者が、放送事業者と放送の受信についての契約である受信契約を行ない、この受信契約に基づいて放送事業が運営されるような放送形態である。このような放送形態としては、例えば、視聴者が放送事業者に対し、放送受信の対価として受信料を支払うが、未契約でもその受信視聴が可能であるような放送形態がある。また、上記受信料のような対価を支払う必要がない無料放送ではあるが、視聴者がその放送事業者に対して受信契約、あるいは受信者登録を行なうような放送形態であってもよい。すなわち、第1の放送形態は、言い換えれば、契約等必要ではあるが、契約等の有無にかかわらず、受信装置は受信契約に基づいた視聴制御を行わないので、視聴者は放送事業者の放送番組を、視聴制限を受けることなく視聴可能な放送形態である。つまり、第1の放送形態は、図2(a)や(b)のような隠蔽画像を表示した視聴制限を行わず、図3のように隠蔽画像のない再生画面を表示する放送形態とする。
第2の放送形態は、視聴者が放送事業者と放送番組の視聴についての契約である視聴契約を行ない、放送事業者がこの視聴契約に基づき放送事業を運営するための移行段階であり、また、未契約の受信装置には、契約に関するメッセージが、放送番組の表示に対して所定の隠蔽度で表示されるような放送形態である。第2の放送形態では、視聴者は、第1の放送形態と同様に放送事業者の放送番組を視聴可能ではあるが、視聴契約の有無に基づいて視聴未契約の受信装置が図2(b)のように部分的に視聴制限される。
第3の放送形態は、視聴者が放送事業者と放送番組の視聴についての契約である視聴契約を行ない、放送事業者がこの視聴契約に基づき放送事業を運営するための移行段階であり、また、未契約の受信装置には、契約に関するメッセージが、上記所定の隠蔽度に比べて、より大きい隠蔽度で表示されるような放送形態である。第3の放送形態では、視聴契約の有無に基づいて視聴未契約の受信装置がほぼ完全、あるいは完全に視聴制限され、視聴未契約の視聴者は放送事業者の放送番組を、図2(c)」のように部分的にしか、あるいは全く視聴できない。
第1の放送形態において、局内システム100は、放送事業者が所有する番組の制作や編集を行なうシステムである。局内システム100で制作、編集された番組のコンテンツは、専用回線10を経由して送信装置20に伝送される。送信装置20は、局内システム100から受け取ったコンテンツをデジタル放送電波として放送衛星40に送信する。放送衛星40は、このデジタル放送電波を、各視聴者に向けて送信し、このようにしてデジタル放送が実施される。各視聴者は、それぞれが所有する受信装置によりデジタル放送電波を受信し、表示部に、受信したデジタル放送電波からの各番組のコンテンツを表示することで、番組の視聴を行なう。
まず第1の放送形態における局内システム100の構成を説明する。
第1の放送形態では、ある視聴者の受信装置200、およびそのディスプレイ50と、他の視聴者の受信装置201、およびそのディスプレイ51とを代表して示している。なお、各受信装置、および表示部において区分する必要がない場合は、単に受信装置及びディスプレイと呼ぶ。また、各視聴者の受信装置は、公衆回線70、71を経由して放送事業者の局内システム100に接続されており、受信装置から局内システム100に対して各種情報の伝送が可能である。以上のような構成により、放送事業者が有する局内システム100で制作、編集された番組が送信装置20を経由し、放送衛星40よりデジタル放送として放送され、視聴者が所有する受信装置によりデジタル放送が受信される送受信システムが構成される。
なお、本実施の形態では、放送衛星40を利用した送受信システムを例に挙げて説明するが、通信衛星を利用したデジタル放送であっても、また地上波を利用したデジタル放送であってもよい。また、メッセージ表示制御可能な情報を伝送できるアナログ放送であってもよい。
局内システム100は、図示しない番組制作部で制作された各番組の映像や音声信号等で構成されるコンテンツが入力されると、それらの番組を放送するため各番組毎の編集を行ない、内部の送出システムにより送信装置20へと伝送する。また、送出システムは、送出する番組に対して、スクランブルを行ない、視聴権を持つ受信装置のみがスクランブルを解除して視聴可能とする機能を提供する限定受信方式であるCAS(Conditional Access System)装置を有している。局内システム100において、CAS装置を設けることにより、放送事業者は、例えば有料放送など、スクランブル放送の運営が可能となる。なお、第1の放送形態では、各視聴者に対して、スクランブルのような視聴制限を行なわない放送形態で運用される。ここでは、CAS装置は、CASの機能として設けられた「自動表示メッセージ」を利用し、例えば視聴者に対する案内のメッセージ表示の制御を行なう目的のみに使用される。
局内システム100は、視聴者管理システムを有し、当該システムは、受信装置を所有する視聴者からの通知や契約依頼等を受け付け、受け付けた内容に関する情報を管理するシステムである。視聴者は、公衆回線70、71を経由して、視聴者管理システムに視聴者登録や受信契約通知を行なう。視聴者管理システムは、視聴者から受け付けた内容に関する視聴者情報を、局内システム100内部の管理データベース装置(以下、管理DB装置と呼ぶ)内に構築した視聴者管理データベース(以下、視聴者管理DBと呼ぶ)に記憶する。このように、視聴者管理システムが、視聴者からの受信契約に関する依頼を受け付け、受信契約に関する情報を視聴者管理DBに登録することにより、視聴者と放送事業者との受信契約が締結される。
なお、ここでは、このような視聴者登録等は公衆回線70、71を経由して行なう例で説明したが、書面郵送などの別手段で行なってもよい。また、この例では、視聴者管理システムは、局内システム100内に設けられた例を示したが、複数の放送事業者のCAS制御を一括して管理するCAS管理事業者がこのような管理システムを所有し、各放送事業者は、このCAS管理事業者から視聴者情報等を入手するような構成であってもよい。このような、複数の放送事業者のCAS制御を一括して管理するCAS管理事業者を設けて、送受信システムを運用する方式は、B−CASカードと呼ばれる受信装置内に設置するICカードを利用したBS送受信システムで既に運営されている。
以上、第1の放送形態は、送信装置20から送信される放送事業者の放送を受信することのできる受信装置を有する視聴者が、放送事業者とその放送の受信についての契約である受信契約を行ない、受信契約に基づいて放送事業が運営される放送形態である。この例では、受信装置に対して視聴を排除するようなスクランブルは行なっていないので、受信未契約の受信装置200においてもディスプレイ50により放送番組を視聴することができる。
なお、第1の放送形態では、送出システムはCAS装置を有している。このため、上述したように、「自動表示メッセージ」の機能を利用することが可能である。このような、「自動表示メッセージ」の機能を利用することにより、例えば、受信未契約の視聴者に対して契約を呼びかけるメッセージを表示することができ、受信未契約の視聴者に対しての契約促進を図ることができる。第1の放送形態では、「自動表示メッセージ」の機能を特に利用しなくてもよいが、以上の説明のように、「自動表示メッセージ」の機能を利用することも可能である。
次に第2の放送形態における局内システム100の構成を説明する。
第2の放送形態は、放送番組の視聴についての契約を行なう視聴契約に基づき放送事業を運営するための、移行段階における放送形態である。すなわち、最終目的とする、例えば有料放送のようなスクランブル等の視聴制限を行なうための視聴制御を利用したスクランブル放送の放送形態へと移行させる前段階として、まず、契約内容が受信契約から視聴契約へと切り換えられる。ここでの視聴契約とは、視聴者が放送事業者の放送番組を視聴し、視聴者がその視聴の対価を支払うような契約である。
第2の放送形態では、例えば、視聴者の番組視聴に対する対価として、放送事業者は、月ぎめ等の視聴料を視聴者から受け取るような契約を行なう。このため、視聴者は放送事業者と新たに視聴契約を結ぶ。また、視聴者の希望により、受信契約を既に行なった視聴者は、引き続き視聴契約へと継続されるようにしてもよい。
このような放送形態へと移行させるため、第2の放送形態では、局内システム100は、視聴者管理システムに付随して、顧客管理システムをさらに有している。また、管理DB装置には、既に有した視聴者管理DBに加えて、顧客情報を記憶する顧客管理データベース(以下、顧客管理DBと呼ぶ)が構築される。顧客管理DBは、最終目的とするスクランブル放送の放送形態へと移行させる前段階として、視聴料等の課金を加味したデータベースとして構築される。なお、受信契約を既に行なった視聴者が引き続き視聴契約へと継続される場合、視聴者管理DBの既に獲得した視聴者情報を、顧客情報として顧客管理DBに利用することができる。
さらに、図2で示す送受信システムでは、「自動表示メッセージ」の機能を利用し、例えば、視聴未契約の視聴者に対して契約を呼びかけるメッセージをディスプレイ50の画面上に表示する。
すなわち、顧客管理システムは、顧客管理DBに登録された視聴契約に関する情報を検索し、各視聴者毎の視聴契約の有無に関する情報を取得する。顧客管理システムは、取得した各視聴者毎の視聴契約の有無に関する情報をCAS装置に通知する。CAS装置は、各視聴者毎の視聴契約の有無に関する情報をメッセージ表示制御情報とし、送出システムは、メッセージ表示制御情報を番組データに多重化して送出する。送信装置20は、番組データとともにメッセージ表示制御情報を送信する。このようにして、送信装置20は、視聴契約の有無に基づいてメッセージの表示制御を行なうメッセージ表示制御情報を送信することができる。
また、これにより、視聴契約した受信装置201に接続のディスプレイ51にはメッセージが表示されず、視聴未契約の受信装置200に接続のディスプレイ50のみにメッセージが表示される。このようにして、「自動表示メッセージ」の機能を利用し、例えば、視聴未契約の視聴者に対して契約を呼びかけるメッセージを表示する。なお、契約を呼びかけるとともに、例えば有料放送移行へのメッセージ等を表示してもよい。
メッセージの表示形態としては、例えば、放送番組の表示に対して部分的にスーパーインポーズするような表示形態とする。これにより、最終目的とするスクランブル放送形態への移行の前段階として、放送番組がある程度小さな所定の隠蔽度で部分的視聴制限されるような、「ゆるい隠蔽」による視聴制御が行なわれる。すなわち、スクランブル放送では未契約の受信装置に対して視聴を排除するような「きつい隠蔽」であるのに対し、ここでは、「ゆるい隠蔽」として、未契約の視聴者にも魅力ある番組を視聴可能とするとともに、メッセージの表示により契約を呼びかける。なお、ここでの隠蔽度とは、放送番組の表示に対するメッセージの表示の割合であり、スーパーインポーズによる隠蔽に加えて、メッセージの表示時間間隔を変えたり、あるいはメッセージの表示を透明にすることなどによっても隠蔽度を変えることができる。
第2の放送形態において、未契約者の受信装置200に対してメッセージ表示制御を行なったときの、ディスプレイ50上のメッセージ表示状態は、例えば図2(b)のようになる。ディスプレイ50上には、番組画面の一部に、視聴契約呼びかけの自動表示メッセージが表示される。
以上、第2の放送形態は、送信装置20から送信される放送事業者の放送を受信することのできる受信装置を有する視聴者が、放送事業者とその放送番組の視聴についての契約である視聴契約を行ない、この視聴契約に基づき放送事業を運営するための移行段階である放送形態である。ここでは、視聴未契約の受信装置200は、視聴契約の有無に基づくメッセージ表示制御情報に従い、放送番組の表示に対して、メッセージを所定の隠蔽度で表示するように制御される。
続いて第3の放送形態における局内システム100の構成を説明する。
第3の放送形態は、放送番組の視聴に対して契約を行なう視聴契約に基づき放送事業を運営するための、第2の放送形態からの移行段階の放送形態である。ここでは、第2の放送形態と比較して、視聴未契約の受信装置200は、番組の視聴をほぼ、あるいは全く排除するようなメッセージが表示されるように視聴制限される。また、第3の放送形態では、第2の放送形態より視聴契約が引き継がれるが、例えば、視聴者の番組視聴に対する対価として、放送事業者は、チャンネル毎や番組毎に視聴料を視聴者から受け取るような視聴契約を行なってもよい。
このような放送形態へと移行させるため、第3の放送形態では、局内システム100は、第2の放送形態における、視聴者管理システム及び顧客管理システムに付随して、課金管理システムをさらに有している。また、管理DB装置には、既に有した視聴者管理DBに加えて、顧客情報とともに顧客の課金情報も含めた顧客管理DBが構築される。すなわち、最終目的とするスクランブル放送の放送形態へと移行させる前段階として、顧客管理DBは、視聴料等の課金情報を含めたデータベースとして構築される。
さらに、第3の放送形態では、「自動表示メッセージ」の機能を利用し、第2の放送形態と同様に、視聴未契約の視聴者に対して契約を呼びかけるメッセージをディスプレイ50の画面上に表示する。しかし、第2の放送形態と比較して、メッセージは、第2の放送形態における所定の隠蔽度に比べて、より大きい隠蔽度で表示するように表示制御される。
すなわち、第3の放送形態では、放送事業者は、視聴契約者の増加を図るとともに最終目的とするスクランブル放送へと円滑に移行させるため、CAS装置を利用して、視聴未契約のディスプレイ50上には、放送番組の画面が、ほぼ完全、あるいは完全に視聴できないようなメッセージを表示する。このように、最終目的とするスクランブル放送形態への移行の前段階として、放送番組の視聴が困難となるような、第2の放送形態における所定の隠蔽度に比べて、より大きい隠蔽度でメッセージが表示される。言い換えれば、第3の放送形態では、番組画面のほぼ全部分に契約呼びかけのメッセージを表示して契約を呼びかけるとともに、番組の視聴を排除するような「きつい隠蔽」による視聴制御が行われ、その結果、視聴未契約者への視聴契約の促進を図りながら、番組視聴を排除する簡易なスクランブルの機能を実現している。
第3の放送形態において、未契約者の受信装置200に対してメッセージ表示制御を行なったときの、ディスプレイ50上のメッセージ表示状態は、例えば図2(b)のようになる。このようにディスプレイ50上では、表示画面のほぼ全面に、視聴契約呼びかけとともに番組の視聴を排除するような自動表示メッセージが表示される。
以上、第3の放送形態は、送信装置20から送信される放送事業者の放送を受信することのできる受信装置を有する視聴者が、放送事業者とその放送番組の視聴についての契約である視聴契約を行ない、この視聴契約に基づき放送事業を運営するための移行段階である放送形態である。ここでは、視聴未契約の受信装置200は、視聴契約の有無に基づくメッセージ表示制御情報に従い、放送番組の表示がほぼ完全、あるいは完全に視聴できないように、メッセージを重ねて表示するように制御される。
以上のように構成された送受信システムにおいて、放送形態を、受信契約に基づく第1の放送形態から、例えば有料放送のようなスクランブル等の視聴制御を利用したスクランブル放送の放送形態へと移行させる放送形態移行方法の手順について、以下説明する。
図23は、本実施の形態における放送形態移行方法の、放送形態の移行の推移例を示す図である。図23においては、第1の放送形態を第1のステップS101、第2の放送形態を第2のステップS102、および第3の放送形態を第3のステップS103とし、最終目的の放送形態としてのスクランブル放送へと移行させる手順を示している。また、図23では、各ステップにおける、契約形態、視聴制御形態、視聴者管理形態、および管理DB装置に記憶した管理DBに区分して示している。
図23において、第1のステップS101では、視聴者は放送事業者と受信契約を行なうが、視聴者の契約の有無にかかわらず視聴者は放送番組の視聴が可能な放送形態として、送受信システムが運営される。ここでは、視聴者が放送受信の対価として受信料を支払う例を挙げている。
すなわち、第1のステップS101では、放送事業者は、各視聴者に対して受信契約を結ぶように呼びかける。また、視聴者は、この放送事業者からの受信契約の呼びかけに応じて、受信契約を希望する視聴者は、視聴者管理システムへ受信契約の申し込みを行なう。この受信契約の申し込みにより視聴者管理システムは、受信契約を受け付けた視聴者の情報を視聴者情報として視聴者管理DBに登録する。これにより、契約形態として受信契約が、視聴者と放送事業者とで締結される。さらに、放送事業者は、受信契約した視聴者の放送受信に対して、月額や年額一律の受信料を課金し、視聴者から受信料を受け取る。なお、受信契約を行なっていない視聴者の受信装置200に対しては、「自動表示メッセージ」の機能により、ディスプレイ50に受信契約呼びかけのメッセージを表示してもよく、受信契約を行なっていない視聴者に対して受信契約意欲を促すことも可能である。
図23において、第2のステップS102では、視聴者は放送事業者と視聴契約を行なうが、視聴者の契約の有無にかかわらず視聴者は放送番組の視聴が可能な放送形態として、送受信システムが運営される。ここでは、視聴者が放送番組視聴の対価として視聴料を支払い、また、視聴未契約者に対して視聴契約を促すためのメッセージを表示する例を挙げている。
すなわち、第2のステップS102では、放送事業者は各視聴者に対して、受信契約から視聴契約へと変更することを通知するとともに、視聴契約を結ぶように呼びかける。また、視聴者は、この放送事業者からの視聴契約の呼びかけに応じて、視聴契約を希望する視聴者は、顧客管理システムへ視聴契約の申し込みを行なう。この視聴契約の申し込みにより顧客管理システムは、視聴契約を受け付けた視聴者の情報を顧客情報として顧客管理DBに登録する。これにより、契約形態として視聴契約が、視聴者と放送事業者とで締結される。さらに、放送事業者は、視聴契約した視聴者の放送番組視聴に対して、月額や年額一律の視聴料を課金し、視聴者から視聴料を受け取る。
また、既に受信契約した視聴者に対しては、例えば、受信契約時と同一金額で視聴契約へ継続可能とする。すなわち、既に受信契約した視聴者は、このような契約変更に対して抵抗感が少ない。このため、無料放送から直接有料放送へと移行するような場合に比べて、契約者が脱退するような動機を低減することができる。よって、放送事業者にとっては、第1のステップS101で獲得した契約者を引き続き確保できる可能性が高くなり、より円滑に最終目的とするスクランブル放送形態へと移行できる。また、受信契約により構築した視聴者管理DBを顧客管理DBとして継続できるため、スクランブル放送形態のときに必要な顧客管理システムや顧客管理DBを容易に構築していくことができる。
また、第2のステップS102では、視聴契約を行なっていない視聴者の受信装置200に対しては、「自動表示メッセージ」の機能により、ディスプレイ50に視聴契約呼びかけのメッセージが表示される。このとき、表示されるメッセージは、契約を呼びかける効果とともに、視聴制御形態として番組の視聴を部分的に隠蔽する部分的視聴制限を行なうため、例えば、メッセージの表示枠をある程度小さくして表示する。このような、メッセージの表示により、視聴契約を行なっていない視聴者は、番組を視聴しながら視聴契約の呼びかけを知るとともに、メッセージの表示が目障りとなり、その結果、視聴契約の意欲が高められる。このように、視聴契約メッセージを表示することで、視聴契約を行なっていない視聴者に対して視聴契約意欲を促す。なお視聴契約を行なっていない視聴者は、視聴契約することにより、その視聴者のディスプレイ50に表示されていたメッセージが消去される。
このように、第2のステップS102で示す第2の放送形態では、受信契約で既に獲得した受信契約者を引き続き視聴契約者として確保でき、視聴契約の意志がない視聴未契約者に対しては、「自動表示メッセージ」の機能を利用した番組の視聴を部分的に隠蔽する部分的視聴制限により、視聴契約の意欲を高め、これにより、視聴契約の加入を促進する。
図23において、第3のステップS103では、視聴契約の有無に基づき、視聴未契約の受信装置200は、番組の視聴をほぼ、あるいは全く排除するようなメッセージが表示されるように視聴制限される放送形態として、送受信システムが運営される。ここでも、視聴者は放送番組視聴の対価として視聴料を支払うが、番組視聴に対する対価として、月単位等で代金を支払うフラット契約、番組を時間帯などいくつかの群に分けて代金を支払うティア契約、番組単位で代金を支払うPPV契約等の例を挙げている。
すなわち、第3のステップS103でも、放送事業者は各視聴者に対して、視聴契約を結ぶように呼びかける。また、視聴者は、この放送事業者からの視聴契約の呼びかけに応じて、視聴契約を希望する視聴者は、顧客管理システムへ視聴契約の申し込みを行なう。この視聴契約の申し込みにより顧客管理システムは、視聴契約を受け付けた視聴者の情報を顧客情報として顧客管理DBに登録する。これにより、契約形態として視聴契約が、続行される。さらに、放送事業者は、フラット契約、ティア契約、PPV契約等に従い視聴契約した視聴者の放送番組視聴に対して、契約内容に従った視聴料を課金し、視聴者から視聴料を受け取る。すなわち、最終目的とするスクランブル放送の放送形態へと移行させる前段階として、視聴者の希望にきめ細かく対応させるため、選択性を高めた契約形態を設けている。
一方、第3のステップS103では、視聴契約を行なっていない視聴者の受信装置200に対しては、「自動表示メッセージ」の機能により、ディスプレイ50に視聴契約呼びかけのメッセージが表示される。このとき、表示されるメッセージは、契約を呼びかける効果とともに、放送番組の視聴を妨げる、あるいは番組の視聴を排除するような「きつい隠蔽」による視聴制限を行なうため、例えば、メッセージの表示枠を大きくし、番組表示をほぼ完全、あるいは完全に隠蔽するように表示する。このような、メッセージの表示により、視聴契約を行なっていない視聴者に対しては、視聴制御形態として放送番組の視聴を妨げる、あるいは番組視聴を排除する簡易視聴制限、すなわち簡易なスクランブルとして機能する。
このように、第3のステップS103で示す簡易な視聴制限を行なう第3の放送形態では、契約形態としては、スクランブル放送の形態と同一にしており、また、視聴制御形態としては、「自動表示メッセージ」の機能を利用した簡易なスクランブルの機能を有した形態としている。このため、第3のステップS103から、最終目的である、例えば有料放送のようなスクランブル等の視聴制御を利用したスクランブル放送の放送形態へと、円滑に移行することができる。
以上のように、本実施の形態による放送形態移行方法は、送受信システムにおいて、第1のステップS101で示した受信契約に基づいて放送事業が運営される第1の放送形態から、例えば有料放送など視聴契約に基づいて受信装置が視聴制御されるスクランブル放送を利用して放送事業が運営されるスクランブル放送形態へと移行させるとき、この中間段階において、受信契約から視聴契約へと移行させ、この視聴契約の有無に基づいて、視聴未契約の受信装置200は、メッセージを放送番組の表示に対して所定の隠蔽度で表示するように制御されることで、番組の視聴を部分的に隠蔽する部分的視聴制限が行なわれる第2のステップS102で示した第2の放送形態の段階と、視聴契約に基づいて、視聴未契約の受信装置200は、メッセージを上記所定の隠蔽度に比べてより大きい隠蔽度で表示するように制御されることで、番組の視聴を排除するような簡易視聴制限が行なわれる第3のステップS103で示した放送形態の段階とを設けている。
すなわち、図23で示したように放送形態を、最終目標とするスクランブル放送形態に向けて、段階的に移行させる放送形態移行方法により、部分的視聴制限を行なう第2の放送形態の段階においては、例えばメッセージによる視聴契約を促すメッセージにより、視聴契約者の増加を図り、簡易視聴制限を行なう第3の放送形態の段階においては、例えばメッセージによる番組の視聴を排除するようなメッセージ画面を提示することで、簡易なスクランブル効果を得ることができる。これにより、第1のステップ101での受信契約で獲得した受信契約者を、第2のステップ102での視聴契約者として継続することで、多くの契約者を維持した状態で、最終目的とするスクランブル放送の放送形態へと移行できる。また、第3のステップ103での簡易なスクランブル効果を得ることができる放送形態から、最終目的とするスクランブル放送の放送形態へと移行するため、放送形態の移行が円滑、かつ容易に行なわれる。また、各ステップにおける視聴制御は、「自動表示メッセージ」の機能を利用しているため、放送事業者は、スクランブル放送を開始するにあたり設備投資等必要なく、簡易に放送形態を移行させることができる。
なお、本実施の形態では、受信契約に基づいて放送事業が運営されるような第1の放送形態である第1のステップS101から、最終目的であるスクランブル放送の放送形態へと移行させる例を挙げて説明したが、例えば、最終目的である放送形態として、第3のステップS103で示した第3の放送形態であってもよい。第3のステップS103では、「自動表示メッセージ」の機能を利用した簡易なスクランブルの機能を実現でき、特に、暗号化機能等を利用したセキュリティの高いスクランブル機能が必要ではない場合、第3のステップS103での「自動表示メッセージ」を利用した放送形態を、最終目的であるスクランブル放送の放送形態とすることも可能である。
また、本実施の形態では、第1の放送形態である第1のステップS101から、最終目的であるスクランブル放送の放送形態へと移行させる中間段階に、第2の放送形態である第2のステップS102、および第3の放送形態である第3のステップS103を設けた例を挙げて説明したが、中間段階に、第2の放送形態である第2のステップS102のみを設けてもよい。すなわち、第2のステップS102、第3のステップS103と段階的に視聴制御することで視聴契約者の獲得にはより効果があるが、中間段階に、番組の視聴を部分的に隠蔽する部分的視聴制限を行なう第2のステップS102のみを設けることでも、視聴者に対し視聴契約の意欲を高められ、視聴契約の加入を促進することが可能である。
また、本実施の形態では、受信契約に基づいて放送事業が運営されるような第1の放送形態である第1のステップS101から、最終目的であるスクランブル放送の放送形態へと移行させる放送形態移行方法としての例を挙げて説明したが、本放送形態移行方法を利用して、例えば有料放送など視聴契約に基づいて受信装置が視聴制御されるスクランブルを利用したスクランブル放送を円滑に導入することが可能な番組視聴制御方法が実現できる。すなわち、視聴契約に基づいて受信装置が視聴制御されるスクランブルを利用したスクランブル放送を放送事業者が導入するとき、受信装置を有する視聴者が、放送事業者と放送番組の視聴についての契約である視聴契約を行ない、視聴未契約の受信装置200は、視聴契約の有無に基づくメッセージ表示制御情報に従って、メッセージを放送番組の表示に対して所定の隠蔽度で表示するように視聴制御される第2のステップS102で示す段階と、視聴未契約の受信装置200は、視聴契約の有無に基づくメッセージ表示制御情報に従って、メッセージを所定の隠蔽度に比べてより大きい隠蔽度で表示するように視聴制御される第3のステップS103で示す段階とを、少なくとも設ける。これにより、例えば有料放送のようなスクランブル等の視聴制御を利用したスクランブル放送を導入するにあたり、視聴契約者の増加を図りながら円滑にスクランブル放送を導入可能とする番組視聴制御方法が実現できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の形態に限らず、以下のようにしてもよい。
(1)時間とともに隠蔽画像を大きくしていく代わりに、時間とともに隠蔽画像の透明度を低くしていくことによって再生画面の隠蔽の程度を大きくしてもよい。
つまり、最初のうちは、再生画面が十分に透けて見える程の透明度の高い隠蔽画像を、再生画面の上に重ねて表示し、その隠蔽画像が時間の経過とともに徐々に不透明にしていって、再生画面が透けにくくなるようにする。
より具体的な構成は例えば、実施の形態1を流用して行うとすれば、以下の通りとなる。
局内システム100は、図6に示す隠蔽制御情報151に透明度の列を加えた隠蔽制御情報を作成して送信する。ここで透明度の列の各欄には、レベルが高くなるほど低い透明度を示すパラメータが記載される。なお、表示サイズ及び表示位置の列はあってもよいが必須ではない。
そしてその隠蔽制御情報を受信した受信装置200は、未契約の間、番組の累積再生時間が経過するにつれて、各レベルの透明度のパラメータに応じた透明度の隠蔽画像を生成し、再生画面上に重ねて表示する。
また実施の形態2を流用して行うとすれば、以下の通りとなる。
局内システム300は、図13及び図14の隠蔽制御情報b及びaに、レベル値が高くなるほど低い透明度を示すパラメータが記載された透明度の列を加えた隠蔽制御情報を作成し、送出する。なお、表示サイズ及び表示位置の列はあってもよいが必須ではない。そして受信装置400は、図15に示す個別メッセージによって通知されるメッセージ番号に従って、そのメッセージ番号に対応するレベルの隠蔽制御情報を取得し、それに示される透明度で隠蔽画像を表示する。
(2)時間とともに隠蔽画像を大きくしていく代わりに、時間とともに隠蔽画像の表示頻度が高くしていくことによって再生画面の隠蔽の程度を大きくしてもよい。
例えば、再生開始の初期段階では一回につき数秒間の隠蔽画像を1時間に1回表示し、その後、再生時間が3時間経過した後には、1回につき数秒間の隠蔽画像を1時間に6回表示し、さらにその後、再生時間が3時間経過した後には、1回につ数秒間の隠蔽画像を1時間に12回表示するよう構成する。
より具体的な構成は例えば、実施の形態1を流用して行うとすれば、以下の通りとなる。
局内システム100は、図6に示す隠蔽制御情報151に、表示頻度の列を加えた隠蔽制御情報を作成して送出する。ここで表示頻度の列の各欄は、レベルが高くなるほど高い表示頻度を示すパラメータが記載されている。なお、表示サイズ及び表示位置の列はあってもよいが必須ではない
そしてその隠蔽制御情報を受信した受信装置200は、未契約の間、番組の累積再生時間が経過するにつれて、各レベルの表示頻度のパラメータに応じた表示頻度で、隠蔽画像を再生画面上に重ねて表示する。
また実施の形態2を流用して行うとすれば、以下の通りとなる。
局内システム300は、図13及び図14の隠蔽制御情報b及びaそれぞれに表示頻度の列を加えた隠蔽制御情報を作成し、送出する。ここで表示頻度の列の各欄は、レベルが高くなるほど高い表示頻度を示すパラメータが記載されている。なお、表示サイズ及び表示位置の列はあってもよいが必須ではない。そして受信装置400は、図15に示す個別メッセージによって通知されるメッセージ番号に従って、そのメッセージ番号に対応するレベルの隠蔽制御情報を取得し、それに示される表示頻度で隠蔽画像を表示する。
(3)時間とともに隠蔽画像を大きくしていく代わりに、時間とともに隠蔽画像の表示時間間隔が短くなるようにしていくことによって再生画面の隠蔽の程度を大きくしてもよい。
例えば、最初は1時間毎に1回隠蔽画像を表示し、再生時間がある程度経過したら10分毎に1回隠蔽画像を表示し、さらに再生時間が経過したら5分毎に1回隠蔽画像を表示するよう構成する。
より具体的な構成は例えば、実施の形態1を流用して行うとすれば、以下の通りとなる。
局内システム100は、図6に示す隠蔽制御情報151に、表示時間間隔の列を加えた隠蔽制御情報を作成して送出する。ここで表示時間間隔の列の各欄は、レベルが高くなるほど短い表示時間間隔を示すパラメータが記載されている。表示時間間隔とは、1つ目の隠蔽画像を表示した時から次の隠蔽画像を表示する時までの期間のことを指す。なお表示サイズ及び表示位置の列はあってもよいが必須ではない。
そしてその隠蔽制御情報を受信した受信装置200は、未契約の間、番組の累積再生時間が経過するにつれて、各レベルの表示時間間隔のパラメータに応じた表示時間間隔で、隠蔽画像を再生画面上に表示する。
また実施の形態2を流用して行うとすれば、以下の通りとなる。
局内システム300は、図13及び図14の隠蔽制御情報b及びaそれぞれに表示時間間隔の列を加えた隠蔽制御情報を作成し、送出する。ここで表示時間間隔の列の各欄は、レベルが高くなるほど短い表示時間間隔を示すパラメータが記載されている。なお表示サイズ及び表示位置の列はあってもよいが必須ではない。そして受信装置400は、図15に示す個別メッセージによって通知されるメッセージ番号に従って、そのメッセージ番号に対応するレベルの隠蔽制御情報を取得し、それに示される表示時間間隔で隠蔽画像を表示する。
(4)時間とともに隠蔽画像を大きくしていく代わりに、時間とともに再生画面の画質が悪くしていくことによって再生画面の隠蔽の程度を大きくしてもよい。
画質を悪くしていく方法としては、例えば、時間経過とともに再生画面の解像度を低くしていく、時間経過とともに再生画面の画素信号に加えるノイズの量を増やしていく、時間経過とともに再生画面の画素信号のbpp(bits per pixel:色深度)を少なくしていく、等が考えられる。また再生画面に碁盤の目状のモザイクをかけ、そのモザイクを時間経過とともに荒くして再生画面が見えにくくなるようにしてもよい。
これらの方法のように、再生画面の上に隠蔽画像を重ねるのではなく、再生画面の画像信号そのものを加工して本来の再生画面を見えにくくすることも、本発明の隠蔽の意味に含むものとする。
(5)放送の形態に無料で放送を行う無料視聴期間と視聴料金を支払った視聴者のみにスクランブルを解く鍵を与えてスクランブル放送を行う有料視聴期間とを設け、本発明の各実施の形態を、有料視聴期間に移行する前の無料視聴期間中に実施するようにしてもよい。そのように実施すれば、無料視聴期間の間に効率よく視聴契約を促進することができる。