JP4373075B2 - 再封可能な振出容器用蓋材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓋材を容器から剥離することにより、内蓋に開口を形成することができるとともに、剥離させた外蓋を再度容器の口部に接着させて再封することができる振出容器用蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容器の口部に接着させた蓋材を剥離することにより内蓋に開口を形成できるようにした蓋材としては、外蓋と、所定位置に開口部形成用切目及び剥離開始部形成用切目が形成された内蓋とからなり、外蓋の内面と内蓋の外面が開口部形成用切目に囲まれた領域を除いて剥離可能に接着された構成の蓋材であり、剥離開始部形成用切目が形成された部分から外蓋を内蓋から剥離させることにより、内蓋の開口部形成用切目に囲まれた領域が外蓋に接着した状態で抜き取られ内蓋に開口が形成できる構成の蓋材が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記構成の蓋材では、外蓋を内蓋から剥離することにより開口を形成できるが、開口を再封止できないという欠点を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−208722公報(特許文献1、[0004])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、摘み部を掴んで蓋材を容器から剥がすことにより、外蓋を内蓋から剥離させて内蓋に開口を形成することができるとともに、剥離させた外蓋を再度容器の口部に押圧することにより容器口部を封止することができる再封可能な振出容器用蓋材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
外蓋と内蓋が離型層ないし感熱粘着剤層を介して積層された構成からなり外周縁の1か所に外方に突出する摘み部を有する形状の蓋材であって、前記内蓋に前記内蓋を貫通するように、前記摘み部の内側に剥離開始切目が形成されるとともに前記剥離開始切目より内側の位置に閉じられた形状の開口用切目が形成され、前記外蓋の内面に前記摘み部側の周縁に沿って所定巾で前記感熱粘着剤層が形成され、前記感熱粘着剤層の内側の前記開口用切目に囲まれた部分を除いた領域及び前記摘み部の反対側の端縁部を除いた領域に前記離型層が形成された構成とすることにより、容器口部に接着された蓋材の摘み部を掴んで剥離開始部から剥離すると、蓋材の外蓋を内蓋から剥離させて内蓋に開口を形成することができるので、その開口から容器に収納されている内容物を振り出して取り出すことができるととともに、容器口部の摘み部側の周縁及び外蓋の摘み部側の周縁に感熱粘着剤層が露出した状態となり、剥離した外蓋を容器口部に押圧することにより露出した感熱粘着剤層により外蓋の周縁を容器口部を接着させて再封することができる。また、蓋材の外蓋を内蓋から剥離させてゆき、外蓋内面の離型層が形成れていない領域に達すると剥離できなくなるので、外蓋が内蓋から完全に分離してしまうことがない。
【0006】
上記の再封可能な振出容器用蓋材において、感熱粘着剤層が剥離開始切目と開口用切目間の領域を除いて摘み部側の周縁に所定巾を有する円弧状に形成された構成とすることにより、容器側に残った内蓋に内容物の粉末が付着することなく内容物を取り出すことができるとともに、内蓋から剥離した外蓋の周縁に沿って露出した感熱粘着剤層により容器口部に接着させて容器の口部を再封することができる。
【0007】
上記の再封可能な振出容器用蓋材において、外蓋の内面の剥離開始切目より外側の摘み部の領域に離型層を形成し、剥離開始切目より外側の領域の内蓋を除去した構成とすることにより、摘み部を掴んで蓋材を剥離させて、剥離開始切目の箇所から確実に外蓋を内蓋から剥離させることができる。
【0008】
上記の再封可能な振出容器用蓋材において、外蓋の内面に前記離型層を形成した領域を除いてアンカー剤層が形成された構成とすることにより、外蓋と内蓋の接着強度が強くなるので、容器に熱接着された蓋材を剥離した際に、開口用切目に囲まれた部分の内蓋が外蓋に強く接着した状態で抜き取られて確実に開口を形成できるとともに、離型層が形成されていない領域にて外蓋と内蓋の剥離を確実に止めることができる。
【0009】
上記の再封可能な振出容器用蓋材において、感熱粘着剤層が、酸価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和された水溶性樹脂からなる海とラジカル重合性単量体の乳化重合により得られたガラス転移温度が−20℃以下の樹脂からなる島との海島構造を有し、前記感熱粘着剤層を加熱することにより海と島とが逆転して粘着性が発現する構成とすることにより、蓋材に形成された感熱粘着剤層は初期状態では粘着性のない状態でロール状に巻き取ることができるので蓋材の製造が可能となる。蓋材に形成された感熱粘着剤層は蓋材を容器に熱接着する際の加熱により粘着性を発現させることができるので、接着部を剥離させて開封した後に、感熱粘着剤層が形成された部分にて蓋材を容器材に圧着して容器口部を再封することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す要部透視底面図、図2は図1における表裏を反転したI−I断面図、図3は第1実施形態の蓋材を容器口部に接着した後に蓋材を剥離して内蓋に開口を形成した状態の縦方向の断面図、図4は本発明の第2実施形態を示す要部透視底面図、図5は図4における表裏を反転したII−II断面図、図6は本発明の第3実施形態を示す図2に対応する断面図であって、2は摘み部、3は剥離開始切目、4は開口用切目、5, 5'は感熱粘着剤層、6, 6', 6"は離型層、7は容器、7aはフランジ部、8は熱接着部、9は開口、10は外蓋、11は絵柄層、20は内蓋をそれぞれ表す。
【0011】
本発明の第1実施形態は図1、図2に示すとおりである。要部透視底面図が図1に示されているように、外蓋10と内蓋20が部分的に形成された離型層6及び感熱粘着剤層5を介して積層され、外周縁の1か所に外方に突出する摘み部2を有する蓋材であって、内蓋20には、摘み部2の内側に剥離開始切目3が形成され、剥離開始切目3より所定距離だけ内側の位置に円形状の開口用切目4が形成され、外蓋10の内面には、感熱粘着剤層5が蓋材の摘み部2側の周縁に沿って所定巾で円弧状に形成され、離型層6が感熱粘着剤層5が形成された領域と開口用切目4に囲まれた領域及び摘み部2と反対側の蓋材の端縁部の領域を除いた領域に形成された構成からなる。
【0012】
本発明の第1実施形態の図1における表裏を反転したI−I断面図は、図2に示すとおりであり、外蓋10と内蓋20が、外蓋10の内面に部分的に形成された離型層6と感熱粘着剤層5を介して積層されており、離型層6及び感熱粘着剤層5が形成された領域にて蓋材が外蓋10と内蓋20に剥離して分離する構成である。内蓋20には剥離開始切目3及び開口用切目4が内蓋20を貫通するように形成されている。外蓋10の外面には絵柄層11が形成されている。
【0013】
第1実施形態の蓋材を容器7のフランジ部7aに熱接着部8にて接着して取り付けた後、摘み部2を持って容器7から蓋材を引き剥がすことにより、図3に示すように、剥離開始切目3の箇所から外蓋10と内蓋20が分離し始め、離型層6及び感熱粘着剤層5が形成された領域にて外蓋10が内蓋20から剥離し、離型層6が形成されていない領域に達すると外蓋10と内蓋20の剥離が止まり、蓋材が部分的に外蓋と内蓋に分離して開封した状態となる。図3に示す状態で、感熱粘着剤層5が層間で剥離して容器7のフランジ部7aに接着されて残った内蓋20の外面と剥離した外蓋20の内面に付着した状態となり、内蓋20に形成された開口用切目4に囲まれた部分が外蓋10に接着した状態で抜き取られ、内蓋20に開口用切目4に対応した開口9が形成されるので、形成された開口9から容器7に収納されている粒状の内容物を振り出して取り出すことができる。また、内容物を振り出して取り出した後に、剥離した外蓋10を内蓋20に圧着することにより、容器7の口部の周縁に露出した感熱粘着剤層5により内蓋20に形成された開口9を封止することができる。
【0014】
本発明の第2実施形態は図4、図5に示すとおりである。要部透視底面図が図4に示されているとおり、外蓋10と内蓋20が部分的に形成された離型層6'及び感熱粘着剤層5'を介して積層され、外周縁の1か所に外方に突出する摘み部2を有しており、内蓋20には、摘み部2の内側に剥離開始切目3が形成され、剥離開始切目3より所定距離だけ内側の位置に円形状の開口用切目4が形成され、外蓋10の内面には、感熱粘着剤層5'が蓋材の摘み部2側の周縁に沿って所定巾で摘み部2の内側の部分で一部切り欠いた円弧状に形成され、離型層6'が感熱粘着剤層5'が形成された領域と開口用切目4に囲まれた領域及び摘み部2と反対側の蓋材の端縁部の領域を除いた領域に形成された構成である。第2実施形態は第1実施形態と比較して離型層6'及び感熱粘着剤層5'の塗布形状が異なる以外は基本的には同一の構成である。
【0015】
本発明の第2実施形態の図4における表裏を反転したII−II断面図は、図5に示すとおりであり、外蓋10と内蓋20が外蓋10の内面に部分的に形成された離型層6'と感熱粘着剤層5'を介して積層され、離型層6'及び感熱粘着剤層5'が形成された領域にて蓋材が外蓋10と内蓋20に剥離するようになっており、図5において、摘み部2の内側における外蓋20の内面の離開始切目3と開口用切目4に挟まれた部分に感熱粘着剤層5'が形成されずに離型層6'が形成されているものである。第1実施形態と同様に、内蓋20には剥離開始切目3と開口用切目4が内蓋20を貫通する状態で形成されている。第2実施形態の蓋材を容器の口部に熱接着して取り付けた後、摘み部を掴んで蓋材を容器から剥離した状態は、図示しないが、露出する感熱粘着剤層5'の形状が、第1実施形態と異なり、摘み部2の内側の部分で感熱粘着剤層5'が部分的に除去されているので、形成された開口から容器に収納された内容物を振り出す際に内容物が感熱粘着剤層5'の露出した面に付着することがない。
【0016】
本発明の第3実施形態の図2に対応する断面形状は、図6に示すとおり、外蓋10の内面の剥離開始切目3より外側の摘み部2の領域に離型層6を形成し、剥離開始切目3より外側の領域の内蓋20を除去した構成であり、剥離開始切目3より外側の摘み部2の領域の内蓋が除去されている点で異なる以外は、第1実施形態と同じ構成である。第3実施形態では、摘み部2を掴んで蓋材を剥離する際に剥離開始切目3の箇所から外蓋を内蓋から剥離しやすくなる。なお、第1〜3実施形態において、外蓋10の内面の離型層6,6',6" が形成された領域を除いた領域にアンカー剤層を形成した構成とすることもできる。その構成の場合、外蓋と内蓋の接着強度が強くなり、容器に熱接着された蓋材を剥離した際に、開口用切目に囲まれた部分の内蓋が外蓋に強く接着した状態で抜き取られるので確実に開口を形成することができるとともに、離型層が形成されていない領域にて外蓋と内蓋の剥離を確実に止めることができる。
【0017】
感熱粘着剤層5を形成する感熱粘着剤組成物としては、例えば、特開平8−269420号公報、特開平11−5959号公報等に記載されているような、初期状態では非粘着性かまたは粘着性がきわめて低く、一定温度以上に加熱することにより粘着性を発現する感熱粘着剤組成物を使用することができる。
【0018】
特開平8−269420号公報に記載されているディレードタック型粘着剤組成物は、 (A) カルボキシル基を有する不飽和単量体3〜60重量%、疎水性単量体40〜97重量%、その他の単量体0〜50重量%を共重合させて得られるガラス転移温度が20℃以上の樹脂であり、その5重量%以上が可溶化された樹脂を含有する樹脂含有溶液、及び、 (B) ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂からなるアクリル系樹脂水性エマルジョンからなり、前記各成分の不揮発分の重量比 (A) / (B) が15/85〜50/50であるディレードタック型粘着剤組成物である。
【0019】
上記のディレードタック型粘着剤組成物において、カルボキシル基を有する不飽和単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等であり、疎水性単量体としてはメチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、塩化ビニル、酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等であり、その他の単量体としてはアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジアセトンアクリルアミド等である。また、ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂からなるアクリル系樹脂水性エマルジョンとしてはブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート等の単独重合体が使用される。
【0020】
特開平11−5959号公報に記載されている感熱粘着剤組成物は、 (A) 酸価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和された水溶性樹脂と、 (B) ラジカル重合性単量体の乳化重合により得られたガラス転移温度が−20℃以下の重合体、からなる水性エマルジョン型粘着剤組成物であって、60℃未満の乾燥によって成分 (A) が海となり成分 (B) が島となる海島構造を備え、60℃以上の加熱処理により上記の海島構造が逆転して、 (A) 成分が島となり (B) 成分が海となって粘着性が発現する感熱粘着剤組成物である。なお、上記の海島構造としては、海(連続層)が完全に連続しており島(不連続層)の全てが海中に独立して分散している構造に限らず、海が部分的に途切れている状態及び島の一部が互いに融合している状態等をも含むものである。
【0021】
上記の感熱粘着剤組成物において、 (A) 成分としてはα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単位及び疎水性のラジカル重合性単量体単位を主構成単位とする共重合体が好ましく使用され、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としてはアクリル酸,メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸等の1種又は2種以上が使用される。ラジカル重合性単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が使用される。 (B) 成分のラジカル重合性単量体の乳化重合により得られたガラス転移温度が−20℃以下の重合体としては、アクリル系単量体の乳化重合物、エチレン−ビニルエステル系単量体の乳化重合物、共役ジエン系単量体の乳化重合物を使用できる。アクリル系単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等であり、エチレン−ビニルエステル系単量体におけるビニルエステル系単量体としては酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル等であり、共役ジエン系単量体としてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン等である。
【0022】
感熱粘着剤層の厚さとしては、5〜20g/m2 の範囲であり、5〜10g/m2 とするのが好ましい。感熱粘着剤層を形成するには、水性エマルジョンタイプの感熱粘着剤組成物をグラビア印刷等により行うことができる。5〜20g/m2 の厚さに感熱粘着剤層を形成することにより、容器に熱接着された蓋材を剥離した際に露出した感熱粘着剤層により、感熱粘着剤層が形成された箇所にて蓋材と容器材を加圧して接着することにより、30〜100g/15mm巾の接着強度が得られるので、十分な強度で再封することができる。感熱粘着剤層は蓋材を容器材に熱接着する工程での加熱により活性化して粘着性が発現するものである。
【0023】
離型層を形成するための樹脂としては、硝化綿、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の単体ないしは混合物が使用できる。必要により少量のシリコーン等を添加してもよい。離型層は上記の樹脂からなるインキを使用して紙面にグラビア印刷等により印刷することにより形成される。離型層はグラビア等のベタ印刷版ないしは網点面積率が30〜90%の網点印刷版を使用して形成される。離型層が形成された領域では外蓋と内蓋が容易に剥離し離型層が形成されていない領域では外蓋と内蓋が剥離しにくくなる。
【0024】
本発明の再封可能な振出容器用蓋材の積層構成は特に制限はないが、印刷絵柄層/コート紙50g/m2/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔7μ/ウレタン系接着剤/2軸延伸ポリエチレンテレフタレート12μ/離型層・感熱粘着剤層・アンカー剤層/押出ポリエチレン15μ/アルミニウム箔15μ/熱接着性樹脂層25μ等とするのが好ましく、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートの内面の所定位置に印刷絵柄層に見当を合わせて部分的に離型層・感熱粘着剤層及びアンカー剤層がグラビア印刷等により印刷して形成されるものである。アンカー剤としては、イソシアネート系又はウレタン系のものが好ましい。熱接着性樹脂層としては、熱溶融して押出しラミネーションすることのできるエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする構成のものが使用できる。
【0025】
本発明の再封可能な振出容器用蓋材の製造方法としては、コート紙/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔/ウレタン系接着剤/2軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる外蓋用の積層体を作製した後、外面のコート紙面に所定の絵柄を印刷するとともに、内面の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート面に、コート紙面に印刷された絵柄に見当を合わせた所定位置に、部分的に離型層,感熱粘着剤層,アンカー剤層を印刷により形成する。外蓋の内面に離型層,感熱粘着剤層,アンカー剤層を印刷により形成した後に、その面に押出ポリエチレンによりアルミニウム箔/熱接着性樹脂層からなる積層体をラミネートして内蓋を積層することにより、蓋材用の積層体が作製される。作製した蓋材用の積層体の内面側からのハーフカットにより外面の印刷絵柄に見当を合わせた所定位置に剥離開始切目及び開口用切目を形成した後に、所定位置にて打ち抜くことにより本発明の再封可能な振出容器用蓋材が作製できる。上記で説明した構成の、初期状態では非粘着性かまたは粘着性がきわめて低く、一定温度以上に加熱することにより粘着性を発現する感熱粘着剤組成物を使用して感熱粘着剤層を形成することにより、感熱粘着剤組成物を所定の領域に所定の形状で所定の厚さに部分的に塗布した後に、乾燥させて水分を揮散させることにより粘着性を有しない感熱粘着剤層となるので、ロール状に巻き取ることが可能となり蓋材を作製することができるものである。感熱粘着剤層は蓋材を容器材に熱接着する工程での加熱により活性化して粘着性が発現する。
【0026】
【発明の効果】
外蓋と内蓋が離型層ないし感熱粘着剤層を介して積層された構成からなり外周縁の1か所に外方に突出する摘み部を有する形状の蓋材であって、内蓋に内蓋を貫通するように、摘み部の内側に剥離開始切目が形成されるとともに剥離開始切目より内側の位置に閉じられた形状の開口用切目が形成され、外蓋の内面に摘み部側の周縁に沿って所定巾で感熱粘着剤層が形成され、感熱粘着剤層の内側の開口用切目に囲まれた部分を除いた領域及び摘み部の反対側の端縁部を除いた領域に離型層が形成された構成とすることにより、容器口部に接着された蓋材の摘み部を掴んで剥離開始部から剥離すると、蓋材の外蓋を内蓋から剥離させて内蓋に開口を形成することができるので、その開口から容器に収納されている内容物を振り出して取り出すことができるととともに、容器口部の摘み部側の周縁及び外蓋の摘み部側の周縁に感熱粘着剤層が露出した状態となり、剥離した外蓋を容器口部に押圧することにより露出した感熱粘着剤層により外蓋の周縁を容器口部を接着させて再封することができる。また、蓋材の外蓋を内蓋から剥離させてゆき、外蓋内面の離型層が形成れていない領域に達すると剥離できなくなるので、外蓋が内蓋から完全に分離してしまうことがない。
【0027】
上記の再封可能な振出容器用蓋材において、前記感熱粘着剤層が、水溶性樹脂からなる海とラジカル重合性単量体の乳化重合により得られたガラス転移温度が−20℃以下の樹脂からなる島との海島構造を有し、前記感熱粘着剤層を加熱することにより海と島が逆転して粘着性が発現する構成とすることにより、蓋材に形成された感熱粘着剤層は粘着性のない状態となり、感熱粘着剤層を形成してロール状に巻き取ることができるので蓋材の製造が可能となる。蓋材に形成された感熱粘着剤層は蓋材を容器に熱接着する際の加熱により粘着性を発現させることができるので、接着部を剥離させて開封した後に、感熱粘着剤層が形成された部分にて蓋材を容器材に圧着して容器口部を再封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す要部透視底面図。
【図2】図1における表裏を反転したI−I断面図。
【図3】第1実施形態の蓋材を容器口部に接着した後、蓋材を剥離して内蓋に開口を形成した状態の縦方向の断面図。
【図4】本発明の第2実施形態を示す要部透視底面図。
【図5】図5における表裏を反転したII−II断面図。
【図6】本発明の第3実施形態を示す図2に対応する断面図。
【符号の説明】
2 摘み部
3 剥離開始切目
4 開口用切目
5, 5' 感熱粘着剤層
6, 6', 6" 離型層
7 容器
7a フランジ部
8 熱接着部
9 開口
10 外蓋
11 絵柄層
20 内蓋

Claims (5)

  1. 外蓋と内蓋が離型層ないし感熱粘着剤層を介して積層された構成からなり外周縁の1か所に外方に突出する摘み部を有する形状の蓋材であって、前記内蓋に前記内蓋を貫通するように、前記摘み部の内側に剥離開始切目が形成されるとともに前記剥離開始切目より内側の位置に閉じられた形状の開口用切目が形成され、前記外蓋の内面に前記摘み部側の周縁に沿って所定巾で前記感熱粘着剤層が形成され、前記感熱粘着剤層の内側の前記開口用切目に囲まれた部分を除いた領域及び前記摘み部の反対側の端縁部を除いた領域に前記離型層が形成された構成からなることを特徴とする再封可能な振出容器用蓋材。
  2. 前記感熱粘着剤層が、前記剥離開始切目と前記開口用切目間の領域を除いて前記摘み部側の周縁に所定巾を有する円弧状に形成された構成からなることを特徴とする請求項1記載の再封可能な振出容器用蓋材。
  3. 前記外蓋の内面に前記剥離開始切目より外側の摘み部の領域に離型層を形成し、前記剥離開始切目より外側の領域の内蓋を除去した構成からなることを特徴とする請求項1または2記載の再封可能な振出容器用蓋材。
  4. 前記外蓋の内面に前記離型層を形成した領域を除いてアンカー剤層が形成された構成からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の再封可能な振出容器用蓋材。
  5. 前記感熱粘着剤層が、酸価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和された水溶性樹脂からなる海とラジカル重合性単量体の乳化重合により得られたガラス転移温度が−20℃以下の樹脂からなる島との海島構造を有し、前記感熱粘着剤層を加熱することにより海と島とが逆転して粘着性が発現する構成からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の再封可能な振出容器用蓋材。
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