JP4372913B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋硬化した樹脂からなる表面保護層を有した化粧材に関するものであって、特に、表面の耐汚染性が優れていると共に、基材が薄いシート状であっても、表面保護層形成時の架橋硬化による収縮が原因であるカールが生じにくい化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化粧材は、建築物の内外、家具の表面、もしくは生活環境にある様々な物品の表面を装飾する目的で被覆するものである。また、多くの化粧材は、その基材を選ぶことにより上記の種々の物品を保護する役目も持っている。
化粧材を、使用頻度の高い場所に用いる場合には、表面に硬化型樹脂からなる表面保護層が被覆され、より高い耐久性を備えたものを選ぶのが普通である。
【0003】
ところで化粧材は、その適用された環境により、種々の物質が表面に付着し、拭き取り等によっては除去しきれずに残留し、汚染を生じることがある。
汚染の種類や汚染の起こりやすさは、化粧材が適用される面の性格によって、区分され、それらの面としては、テーブル、机、もしくは家具の上面等の水平面、家具の扉もしくは壁等の垂直面、および、天井面があり、概して、
また、食卓や化粧台等には、食品や化粧品等をこぼしたり、飛沫が付着する等の原因により、汚染が発生する頻度が高く、また、これらの汚染の原因になる物の多くは対象物に染着しやすい物質を含んでいる等、化粧材が適用されている環境の影響もある。
【0004】
従来の化粧材の中で、種々の耐久性が良いとされているメラミン化粧板は、その製造に種々の工程を要し、しかも、加熱プレス工程を経るため、連続的な生産に適していない等の欠点が避けられない。
そこで、紙やプラスチックフィルム等のシート状の基材に印刷し、従来は、表面保護層形成のために、ポリウレタン樹脂等の硬化型塗料を塗布し、硬化させていたコーティングタイプの化粧シートに代えて、表面保護層を、電子線硬化型塗料の塗布、および電子線照射による架橋硬化により形成した、電子線硬化化粧シート(EB化粧シート、基材が上の場合は特にEB化粧紙と呼ぶ)が用いられることが多くなった。
【0005】
EB化粧シートにおける表面保護層の例として、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジアクリレートをトリメチロールプロパントリアクリレートと共に用いて電子線照射により架橋させたものがある。
しかし、この処方による表面保護層は、耐汚染性が十分でない上、表面保護層が架橋の際に収縮するため、得られるEB化粧シートはカールしやすく、しかも小さい径のカールを生じるので、取り扱い上の支障が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、従来の化粧材における表面の耐汚染性が不十分な点を解消し、また、シート状の基材を有するEB化粧シートの場合にあっては、カールしやすさを解消することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
上記の課題は、表面保護層を構成するために、好ましくは2以上の反応性水酸基を有するメラミンアクリレート化合物を使用し、架橋剤として、好ましくは、イソシアネート化合物もしくは多官能アクリレート化合物を使用することにより解決することができた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、化粧を施した基材上に、メラミンアクリレート化合物が架橋剤により硬化した表面保護層を積層してなる化粧材であって、前記メラミンアクリレート化合物が1以上の反応性水酸基を有しており、前記架橋剤が2以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物であることを特徴とする化粧材に関するものである
【0009】
【発明の実施の形態】
図1を引用しながら本発明の対象となる化粧材1の構造を説明すると、化粧材1は、基材2の上面に、着色による着色層3、および模様付けによる模様層4が形成されて、化粧が施されたものであって、化粧が施された上に更に表面保護層5が積層されたものである。
化粧材1は、図2に示すように、その基材2の下面に、接着剤層6を介して、別の基材7と積層されていてもよい。
基材2としては、シート状のものも、板状のものも、いずれも利用できるが、図2に示すような場合は、例えば、上側の基材2をシート状とし、下側の基材7を板状とすることができる。図1に示すような場合は、基材2としては、シート状のものでも、板状のものでも、いずれでもよい。
なお、シート状の基材のうち、紙を使用したものを化粧紙、化粧紙を含み、プラスチックシートのような基材のものもふくめたものを化粧シートと言う。また、板状の基材を使用したものを化粧板と言い、ここで言う板は木製のものに限らない。本発明で言う化粧材は化粧紙、化粧シート、化粧板をすべて含む。
【0010】
図1および図2を引用して説明した例では、化粧として、着色及び模様付けの2種類が施されており、化粧材の分野で印刷する際には、この構造をとることが普通であるが、化粧としては、着色もしくは模様付けのいずれか一方を施してもよい。
これら以外の化粧として、エンボス加工や、エンボス加工による凹部を着色するワイピング塗装、艶の調整や艶差による模様の形成等を行なうことでもよい。
【0011】
基材2および7としては、通常、化粧材に用いられている素材であれば、いずれも使用可能である。
大別すれば、種々の種類や厚みの紙類、プラスチックフィルム、プラスチックシートもしくはプラスチック板、金属箔、金属シート、もしくは金属板、木材などの木質系の板、または各種の窯業系素材等の各群である。
【0012】
これら各群に含まれる素材は単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプラチスチックの複合体等、これら素材の任意の組合わせによる積層体も利用できる。
これらの基材は、色彩を整える意味で塗装を施されていたり、デザイン的な観点で通常の模様が予め形成されていてもよい。塗装や通常の模様形成に先立って表面が平滑化されていたり、模様の密着度を上げるために下地処理が施されていてもよい。塗装や通常の模様形成後には、後の加工を容易にするための接着性改善処理を施すことも差し支えない。
【0013】
各種の紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、予め紙間の強化の目的で樹脂を含侵してある樹脂含浸紙、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、もしくは紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い一群の原反が挙げられる。
【0014】
紙類としては、事務分野や通常の印刷、包装などに用いられる次の紙類も使用可能である。即ち、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等である。
又、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ次のような各種繊維の織布や不織布も基材2および7として利用できる。各種繊維とは即ち、ガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、若しくはビニロン繊維などの合成繊維である。
【0015】
プラスチックフィルム、プラスチックシート、もしくはプラスチック板としては、次に例示するような各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。各種の合成樹脂とは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等である。
【0016】
金属箔、金属シート、もしくは金属板としては次に例示するような金属からなるものである。即ち、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等である。しばしばめっき等を施して使用することがある。各種の木質系の板としては、木材の板、合板、パーチクルボード、又はMDFと呼ばれる中密度繊維板等が挙げられる。窯業系素材としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、木片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、ガラス、ホウロウ、焼成タイル等が例示される。これらの他、繊維強化プラスチックの板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂をサンドウィッチしたもの等、各種の素材の複合体も基材2および7として使用できる。
【0017】
基材2上に印刷する際には、基材2との接着性を考慮して、適切なインキを選び、印刷法により行うのがよい。
模様層4を印刷により形成する場合には、着色層3もまた、印刷により形成するとよい。模様層4を形成せず、着色層3のみを形成する場合には、塗装によってもよい。
印刷は基材2の上面のみならず、基材2として透明なものを選んだときは、基材2の下面に行なってもよいし、少なくとも上側は透明な2枚の基材の間に印刷してもよい。
【0018】
印刷に用いるインキは、適宜なバインダー樹脂、着色剤としての染料もしくは顔料、溶剤もしくは希釈剤、および、必要に応じて添加することがある各種の添加剤を、溶解ないし分散し、かつ混練したものである。
塗料もインキとほぼ同様の成分を有しており、一概には言えないが、インキと比べて、溶剤もしくは希釈剤として乾燥時間の長くかかるものを用いている。
【0019】
インキもしくは塗料のバインダー樹脂としては、ロジン、ロジン変成マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル等のエチレン/アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレンマレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、もしくはポリベンゾチアゾール等が使用できる。
【0020】
印刷としては、公知の印刷手法が利用できる。
基材2が種々の素材であり得るので、素材が変わっても、インキのバインダーを変えることにより対応が容易なグラビア印刷がよく用いられるが、他の手法でもよく、例えば、平版オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、もしくはシルクスクリーン印刷等の従来から長く利用されている手法のほか、比較的新しい手法として、インクジェットや電子写真の手法も利用できる。
【0021】
印刷の際の模様層3の絵柄は、用途に合わせて適宜に選ぶことができる。一例を挙げると、木目模様、布目模様、もしくは大理石等の模様を模したもの等、具象模様、もしくは抽象模様がある。
【0022】
着色層の形成は塗装によっても行なえる。塗装法としては、前記した印刷の手法も、一様均一な色を一面に施すことができるので、塗装法として利用できる。
印刷の手法以外では、ロールコーティング、ディップコーティング、キスコーティング、スプレイコーティング、かけ流しコーティング、ホイーラーコーティング、スピンナーコーティング、もしくはカーテンフローコーティング等が利用できる。
一様均一な色を一面に施すことが出きる点で、印刷の手法と塗装の手法は似ているが、概して、塗装の手法による方が、塗膜の厚みが数十μm前後と厚く、印刷の手法によるときは数十μm前後である。
【0023】
化粧の一つであるエンボス加工は、例えば、模様層3で説明したような種々の模様との関連性のある凹凸模様や、あるいは必ずしも関連性のない凹凸模様を基材2に付与することである。例えば、模様層3があるときは模様層3の絵柄に合わせた凹凸模様や、梨地模様のように、必ずしも模様層3の絵柄と合わせる必要のない凹凸模様である。
エンボス加工のうち、微細な凹凸を付与するものもあり、化粧材の表面の艶を調整するのに用いられる。
【0024】
エンボス加工を行なうには、化粧材の表面に必要な凹凸形状の逆型形状を表面に有するエンボス型板、もしくは金属ロール等の表面に連続的に凹凸形状を形成したエンボスロール等のエンボス版を用い、必要に応じて基材2および/またはエンボス版を加熱しつつ、基材2に当てて加圧し、エンボス版の表面の凹凸形状を基材2表面に転移させる。
なお、エンボス加工を化粧材の最表面、即ち表面保護層5上に行なってもよいが、エンボス加工を行なった後に、表面保護層5を形成してもよい。
【0025】
エンボス加工によって生じた凹凸の凹部に、着色剤を充填することがある。
凹部を有する基材上に、着色剤である塗料もしくはインキを供給し、余分の塗料もしくはインキをぬぐって(=ワイピング)除去することにより、凹部に着色剤が残留する。例えば、木目の導管模様を凹部として形成しておき、凹部に比較的濃い色の着色剤を充填すると、導管が強い調子で表現された木目調の化粧材が得られ、ワイピング塗装と呼ばれる。
なお、ワイピング塗装を化粧材の最表面、即ち表面保護層5上に行なってもよいが、ワイピング塗装を行なった後に、表面保護層5を形成してもよい。
【0026】
以上は、化粧材に適用されることの多い化粧の例であるが、このほか、染色、植毛、刺しゅう、金属箔貼り、切り抜いた模様形状のシートの貼り付け、酸やアルカリによるエッチング、陽極酸化による着色、もしくはサンドブラスト等も化粧として適用できる。
【0027】
表面保護層5を構成する素材のうち、主たるものはメラミンアクリレートである。メラミンアクリレートを得るには、まず、メラミン(C366)のアミノ基をホルムアルデヒド(HCHO)と反応させて得られるメチロールメラミンのメチロール基をアルコール(例えばメタノール等の炭素数1〜4程度の脂肪族アルコール)と反応させて、アルコキシメチルメラミンを生成させ、続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート等と反応させて、アルコキシメチル基の部分にアクリロイル基を生成させる。
表面保護層を電子線照射により硬化させるため、メラミンアクリレート中のアクリレート基の数は好ましくは2以上、より好ましくは3以上の多官能であることが望ましい。
メラミンアクリレートには、多官能アクリレートである架橋剤を併用して架橋密度を調整することができる。
【0028】
多官能アクリレートである架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、もしくはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0029】
ところで、メラミンのアミノ基の数は3であり、アミノ基に付いている水素の数は合計6であるので、アルコキシメチル基の数は最大で6である。
このアルコキシメチル基を導入する数を減らすか、もしくは、一旦、6つのアルコキシメチル基を導入した後、その一部をメチロール基の形に戻すことにより、メチロール基中の水酸基の数を0〜6の範囲で制御することができる。従って、架橋剤を用いてメラミンを架橋させる際に、水酸基の数を変えることにより、メラミンアクリレートの架橋密度を制御することが可能である。
このようにしてメラミンの架橋密度を変え、架橋密度を向上させると、耐汚染性が向上する。耐汚染性向上の意味での水酸基の導入数は1以上であることが望ましく、3以上であれば、ほとんどの物質により汚染されることが無い。
なお、上記の例ではメラミンにアクリレート基が導入されているが、アクリレート基礎に代えて、そのほかのビニル基が導入されていてもよい。
【0030】
メラミンの架橋を行なわせるための架橋剤としては、上記の水酸基が導入されたメラミンの水酸基と反応し得る官能基を分子中に2以上有するものであることが望ましく、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、もしくはキシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物が使用でき、非常に優れた耐汚染性が得られ、化粧シートのカールも適度となって、取り扱いやすい。
ただし、本発明においては、メラミンアクリレートを使用することによる効果が大きいため、架橋剤としては前記した多官能アクリレートを使用しても耐汚染性が優れ、化粧シートの場合もカールしにくい。また、多官能アクリレートを使用する方が反応が速い利点もある。
【0031】
以上のようなメラミンアクリレートと架橋剤とは、所定の配合比になるよう、必要に応じて、充填剤等の添加剤、溶剤、もしくは希釈剤と共に混合して塗料組成物とした後、被塗布対象である化粧を施した基材上に適宜な塗布手段により塗布し、塗膜を形成する。塗布の手法としては、着色層の形成の手法として挙げたものが利用できる。
塗膜の厚みとしては、2μm〜50μm程度である。
塗布した後、加熱することにより、塗膜中の熱硬化成分を反応させる。水酸基を有するメラミンアクリレートと上記イソシアネート化合物の例であれば、メラミンアクリレート中の水酸基とイソシアネートとの反応が進行する。
反応の条件としては、一例として、120℃で1分程度であり、塗布の速度にもよるが、この時間は、一般的なコーターにおける乾燥ゾーンを通過するのに要する時間とほぼ同等である。
【0032】
続いて、塗膜に電子線を照射して、塗膜の硬化を行なう。
電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種の電子線加速器を用い、100〜1000KeV、このましくは100〜300KeVのエネルギーを持つ電子を照射するものを使用する。
なお、本発明の化粧材においては、塗膜の厚みを厚くする方が有利であり、浸透性の点で電子線が有利であるが、紫外線も使用できる。この場合、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。
【0033】
表面保護層5には、その層の表面の耐摩耗性を向上させる意味で、好ましくは無機質であって、架橋硬化した樹脂よりも高硬度の球状粒子を含有させる。高硬度の球状粒子を添加すると、一層の表面強化が実現される。こで球状粒子は真球である必要はなく、表面が滑らかであればよい。球状粒子の役割は、表面保護層の表面の一部を突出させて、摩耗の原因となる外力を球状粒子上で受け止め、球状粒子自身が次第に磨耗することによって、下層の磨滅を防止する事である。球状粒子としてはα−アルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ダイアモンド、黒鉛等があるが、中でも、硬度が高く、球形のものが多い点から、球形のα−アルミナ(昭和電工株式会社の球状アルミナAS−10からAS50)が推奨できる。球状粒子の粒径は、平均粒径で1〜10μm程度が好ましい。無機質の球状粒子を表面保護層に用いる際に、表面保護層を構成する樹脂中での密着性を上げる意味で、予めシランカップリング剤等で処理するとよい。
【0034】
表面保護層には、表面の滑りを良くして擦れによる傷つきを防止する目的で滑り剤を添加してもよい。滑り剤としてはワックス、シリコーンオイル等が使用できる。表面保護層からのブリードを防止する意味で、シリコーンアクリレートを使用することが好ましい。
【0035】
【実施例】
建材用印刷用紙(天間特殊製紙(株)製、SWC30、重量30g/m2)に化粧紙用グラビアインキ(ザ・インクテック(株)製、HAT、バインダー樹脂;アクリル樹脂およびニトロセルロース)を用い、グラビア印刷により、一面に一様均一な色で着色した着色層、および模様層を形成して印刷シートとした。
その後、印刷シート上に、ロールコーターを用い、別記の6種類の組成の電子線硬化性樹脂組成物を、塗布量が10g/m2(塗布時)になるよう塗布して塗膜を形成した後、120℃の温度で1分間、熱乾燥ゾーンを通して加熱した。
加熱後、加速電圧175KeV、照射線量5Mradの電子線を照射して塗膜を硬化させて表面保護層を有するEB化粧紙を得た。
【0036】
得られたEB化粧紙の耐汚染性試験は次のようにして行なった。
各々から試料片を採取し、表面保護層側に、耐汚染性試験用として、市販の各物質を塗布し、カバーガラスを被せて、24時間放置し、その後、カバーガラスを除去し、表面を乾いた布で拭って各物質を取り除き、表面の状態を観察した。
次の「表1」に、実施例および比較例で使用した6種類の電子線硬化性樹脂組成物の各成分(左端の列)と配合重量比を、また、「表2」に、使用した耐汚染性試験用物質(左端の列)、および各々の物質に対する実施例および比較例の化粧材の耐汚染性試験の結果を示す。
「表2」中の耐汚染性試験の結果の○、△、×の意味は次の通りである。
○;試験前と比較して変化が無いか、変化がごく軽微である。
△;試験前と比較して若干の変化があるが、淡色の化粧紙であれば目立たない。
×;試験前と比較して著しく変化がある。
【0037】
【表1】
Figure 0004372913
【0038】
【表2】
Figure 0004372913
【0039】
「表1」、および「表2」から明らかなように、比較例の従来品では、組成を変更しても汚染が完全には無くならず、また、化粧紙のカールが激しく、取り扱うのに支障があったのに対し、本発明の化粧紙においては、メラミンアクリレートを使用したために、耐汚染性が優れており、特に水酸基を有するメラミンアクリレートを使用してイソシアネート化合物で架橋硬化した場合は、耐汚染性が非常に優れている。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、表面保護層をメラミンアクリレートを用いて構成しているので、耐汚染性が優れ、カールが激しくない化粧材を提供することができる。また、メラミンアクリレート化合物が1以上の反応性水酸基を有しており、架橋剤が2以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物である構成としているので、特に、耐汚染性が非常に優れた化粧材を提供できる
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧材の断面図である。
【図2】別の基材上に貼った状態の化粧材の断面図である。
【符号の説明】
1 化粧材
2、7 基材
3 着色層
4 模様層
5 表面保護層
6 接着剤層

Claims (1)

  1. 化粧を施した基材上に、メラミンアクリレート化合物が架橋剤により硬化した表面保護層を積層してなる化粧材であって、前記メラミンアクリレート化合物が1以上の反応性水酸基を有しており、前記架橋剤が2以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物であることを特徴とする化粧材。
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