JP4372756B2 - ダイアモンド工具 - Google Patents

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Description

本発明は石材、レンガ、コンクリート、アスファルトのような脆性を有する被削材を切断もしくは穿孔する際使用されるダイアモンド工具に関する。より詳しくは切削速度を高め微細粉塵を減らせるダイアモンド工具に関する。
本発明は大韓民国特許出願第2001―60680号に開示されたダイアモンド工具に係わる。人造ダイアモンドは1950年代に発明されたものであり、地球上に存在する物質中最も硬度の高い物質として知られ、その特性から切削、研削工具などに用いられてきた。
とりわけ、上記人造ダイアモンド(以下、「ダイアモンド」と称する)は花崗岩、大理石などの石材を切削、研削する石材加工分野及びコンクリート構造物を切削、研削する建設業分野において広く利用されてきた。
通常、ダイアモンド工具はダイアモンド粒子が分布された切削チップと該切削チップが固定されている金属ボディ(Core)で構成される。
図1には切削チップ(segment)タイプのダイアモンド工具の一例を示してある。図1に示すように、切削チップタイプのダイアモンド工具(1)はディスク形態の金属ボディ(2)に固定されている複数個の切削チップ(11)(12)を含み、各々の切削チップ(11)(12)にはダイアモンド粒子(5)らがランダムに分布されている。
ダイアモンド工具を使用して被削材を切削する場合各々の切削チップに分布されたダイアモンド粒子各々が切削を行う。しかし、本発明者らの研究及び実験結果によれば、図1のように、ダイアモンド粒子が切削チップにランダムに分布される場合はダイアモンド粒子の切削効率が低下することが確認された。
これは、ダイアモンド粒子がランダムに分布された切削チップのみ含むダイアモンド工具には次のような非効率が発生するからである。一つは先行切削チップに分布されたダイアモンド粒子により形成された切削溝同士の間隔がダイアモンド粒子の大きさよりはるかに大きくて、後続切削チップが通過した後にも切削溝と切削溝の間に非切削部が残り被削材が完全に除去されない場合である。さらに他の場合は後続切削チップに分布されたダイアモンド粒子があいにく先行切削チップが形成した切削溝をなぞるばかりで結局何もしない場合である。
一方、上記ダイアモンド粒子がランダムに分布された切削チップを製造する方法としてはダイアモンド粒子を他の金属粉末と混合して焼結する粉末冶金方法が広く利用されてきた。
上記のように粉末冶金法により切削チップを製造する場合には微細なダイアモンド粒子と他の金属粉末とを混合、成型、焼結する過程において粒子の大きさ、 比重の差などによりダイアモンド粒子が金属結合剤中に均一に分布されず、図1に示したように粒子が過多に分布された切削面(3)を提供するか、または過少に分布された切削面(4)を提供するので偏析問題が生じてくる。上記のようにダイアモンド粒子が偏析し分布された場合には工具の切削性能がより劣るばかりでなく、工具寿命が低下する問題がある。
本発明者は上記従来の技術の問題を解決すべく研究及び実験を行い、その結果に基づきダイアモンド工具を構成する切削チップにダイアモンド粒子を適切に配列させることにより、優れた切削性能を有し且つ切削作業時発生する微細粉塵を減少させ得るダイアモンド工具を発明し、該発明されたダイアモンド工具を大韓民国特許出願第2001‐60680号で特許出願した。
本発明は大韓民国特許出願第2001-60680号に係わるもので、ダイアモンド工具を構成する切削チップにダイアモンド粒子を適切に配列させることにより、一層優れた切削性能を有し、且つ切削作業時発生する微細粉塵をより減少させ得るダイアモンド工具の提供を目的とする。
本発明は、ダイアモンド粒子が多層の板状に分布された多数個の切削チップを含み、上記ダイアモンド粒子層は被削材の切削時後続するダイアモンド層によって被削材に形成される切削溝が先行するダイアモンド層によって被削材に形成された切削溝間に形成されるよう配列されるダイアモンド工具において、
各々の切削チップを2個以上の領域に区分して切削方向から見て前方部にはn層(layer)のダイアモンド粒子層が配列され後方部にはn’層のダイアモンド粒子層が配列され(この際n'=n)、上記前方部のn−1層のダイアモンド粒子層のそれぞれの層が、各層ごとの切削溝が個別に上記後方部のダイアモンド粒子層間に来るように配列され、
上記前方部のダイアモンド粒子層が上記後方部の粒子層間に来るようにした配列が、切削面と垂直状に交わり、かつ切削方向と平行な切削チップの側面部に陰刻を施すことにより形成され、上記ダイアモンド粒子は切削方向に平行で切削面と垂直に切断された断面上において、該断面の上部頂点を連結する線または下部頂点を連結する線と一定の角度で傾斜するよう配列され、被削材の切断時ダイアモンド粒子が切削チップの切削面に一定の間隔をおいて突出するようにするダイアモンド工具に関する。
本発明はダイアモンド粒子が多層の板状に分布された複数個の切削チップを含み、上記ダイアモンド粒子層は被削材の切削時後続するダイアモンド層によって被削材に形成される切削溝が先行するダイアモンド層によって被削材に形成された切削溝間に形成されるよう配列されるダイアモンド工具において、
各々の切削チップを2個以上の領域に区分して切削方向から見て前方部にはn層のダイアモンド粒子層が配列され、後方部にはn'層のダイアモンド粒子層(n'=n)が配列され、かつ上記前方部のn−1層のダイアモンド粒子層のそれぞれの層が、各層ごとの切削溝が個別に上記後方部のダイアモンド粒子層間にくるように配列され、
上記前方部のダイアモンド粒子層が上記後方部のダイアモンド粒子層間にくるようにした配列が、切削面と垂直状に交わり、かつ切削方向と平行な切削チップの側面部に陰刻を施すことにより形成されるダイアモンド工具に関する。
本発明によれば、後続ダイアモンド粒子列(layer)が、先行ダイアモンド粒子列が形成した切削溝の隣接箇所に切削溝を形成するようダイアモンド粒子がダイアモンド工具の切削チップに配列される。さらに、先行切削チップと後続切削チップは、後続切削チップのダイアモンド粒子が、先行切削チップのダイアモンド粒子により被削材に形成された切削溝間の非切削部に沿って通過するように交互に配列されている。このため、被削材を切削する際各々のダイアモンド粒子1個の効用性を最大化し切削速度を向上させると同時に、微細粉塵の発生量を減少させられるダイアモンド工具を提供する効果を奏する。
また、本発明は各々のダイアモンド粒子1個の効用性を最大化するようダイアモンド粒子を多層の板状に配列し、適切なフィラーを適切な位置に分布させることにより切削性が向上すると同時に微細粉塵の発生量を減少させ、寿命をより延長させられるダイアモンド工具を提供する効果を奏する。
さらに、本発明は上記効果の他にも、被削材の切削時ダイアモンド粒子が切削チップの切削面に一定の間隔を置いて突出するようにすることによりシャベル効果をより極大化させ切削性がより向上されると同時に微細粉塵の発生量を最少化させられるダイアモンド工具を提供する効果を奏する。
本発明は切削作業過程において被削材と接する切削面にダイアモンドを適切に配列させ各々のダイアモンド粒子一つ一つが最も効率良く使用されるようにするダイアモンド工具に関する。図1のように、ダイアモンド粒子がランダムに配列された工具を使用して被削材を切削する場合には次のように3種の形態の切削溝を被削材の表面に形成するようになる。第一に、後続切削チップのダイアモンド粒子が先行ダイアモンド粒子と同じ軌跡をなぞり被削材に如何なる切削溝も形成せず結局何もしない場合、第二に、先行切削溝同士の隣接した間に後続切削チップの切削溝が形成され被削材が完全に除去される場合、第三に、先行切削溝同士の距離が離れすぎ後続切削チップが通過しても切削溝と切削溝の間に非切削部が残り被削材が完全に除去されず残留する場合である。
本発明は第一と第三のように切削効率を低下させる場合を最小化し、第二の最も効率的な場合を最大にして切削効率を極大化するようダイアモンド粒子を配列するものである。 即ち、本発明は先行切削チップのダイアモンド粒子が被削材を削り取って形成した切削溝同士の最も隣接した箇所に後続切削チップのダイアモンド粒子が切削溝を形成するよう切削チップにダイアモンド粒子を配列させた、いわゆる「シャベル効果」を利用したものである。
本発明にしたがって切削チップ内にダイアモンドを配列すると最も効果的な切削作用が起こるので切削速度が向上され、被削材を大粒で切削可能で、切削作業時発生する微細粉塵を減少させ作業者の健康を保護することができる。
以下、本発明に符合するダイアモンド工具の好ましき例について説明する。本発明はダイアモンド粒子が多層の板状で分布された複数個の切削チップを含み、上記ダイアモンド粒子層は被削材の切削時後続ダイアモンド層によって被削材に形成される切削溝が先行ダイアモンド層によって被削材に形成された切削溝間に形成されるよう配列されるダイアモンド工具に好ましく適用されるものである。
ダイアモンド工具はダイアモンド粒子が分布され切削を直接行う切削チップと該切削チップが付着されるスチールコアー(Core)とから形成される。スチールコアに固定された切削チップの切削面に配列されたダイアモンド粒子層が1以上の列(line)で現れるように、切削チップにおいてダイアモンド粒子はスチールコアの側面(side surface)と平行に1以上の層で配列される。
本発明が好ましく適用されるダイアモンド工具では、先行切削チップにはダイアモンド粒子がn層配列され後続切削チップにはダイアモンド粒子がn’層配列される(この際n'≦n)。先行切削チップと後続切削チップとは交互に配列され、そして後続する切削チップの各々のダイアモンド粒子層は上記先行切削チップのダイアモンド粒子層間に来るように配列される。
この場合にダイアモンド粒子がn層配列された切削チップの両サイドに交互に一定の深さの陰刻を与え一定区間でダイアモンド粒子層が交互に配列されるようにすることもできる。
上記切削チップにおいて陰刻のある部分中後方部にあるダイアモンド粒子層は前方部にあるダイアモンド粒子層の間に来るよう配列されなければならない。
図2から図6には本発明に好ましく適用され得る2個以上の領域に区分された切削チップの例が提示される。
即ち、図2は切削チップを2個の領域に区分して切削方向から見た前方部には3層のダイアモンド粒子層が配列され後方部には2層のダイアモンド粒子層が配列された切削チップを示す。図2に示すように、上記後方部の各々のダイアモンド粒子層(141d、141e)は上記前方部のダイアモンド粒子層(141a、141b、141c)間に来るよう配列される。
図3は切削方向から見た前方部(211)と後方部(212)の両側に各々交互に陰刻が形成された切削チップ(21)を示す。図3に示したように、切削チップ(21)の前方部(211)に3層のダイアモンド粒子層(211a、211b、211c)が配列され後方部(212)にも3層のダイアモンド粒子層(212a、212b、 212c)が配列され、上記前方部(211)の3層のダイアモンド粒子層(211a、211b、211c)各々は上記後方部(212)の3層のダイアモンド粒子層(212a、 212b、212c)間に来るよう配列される。
また、図4は切削チップの両側面側(両側面とは図7において参照番号111の示す面およびその反対面を意味する)に交互に陰刻(depressed portion)を施し、且つ陰刻を有する部分が複数個繰り返されるようにしてダイアモンド粒子層が交互に配列される区間が2個以上(複数個)になるようにした切削チップ(22)を示す。図4に示すように、切削チップ(22)の前方部(221)の前面部(2211)と後面部(2212)に3層のダイアモンド粒子層(221a、221b、221c)及び(221d、221e、221f)が配列され、後方部(222)の前面部(2221)と後面部(2222)にも3層のダイアモンド粒子層(221g、221h、221i)及び(221j、221k、221l)が配列され、上記3層のダイアモンド粒子層(221a、221b、221c)及び(221g、221h、221i)各々は上記3層のダイアモンド粒子層(221d、221e、221f)及び(221j、221k、221l)間に来るよう配列される。
図5及び図6はダイアモンド粒子が側面と接するよう配列された切削チップの例を示す。
上記陰刻が与えられる部分の深さと長さ及び個数は切削チップの大きさ、ダイアモンドの集中度、及びダイアモンドの粒子の大きさによって適切に変化され得る。
また、本発明はダイアモンド粒子がn層配列された切削チップとダイアモンド粒子がn−1層配列された切削チップとを交互に配置したダイアモンド工具にも適用される。
上記ダイアモンド粒子がn−1層配列された切削チップにおいて各々のダイアモンド粒子層はダイアモンド粒子がn層配列された切削チップのダイアモンド粒子層間に来るよう配列される。
本発明の主な特徴は、上記のようにダイアモンド粒子が配置されたダイアモンド工具において、ダイアモンド粒子が、被削材の切削時切削チップの切削面に一定の間隔を置いて突出するよう切削方向に平行で切削面と垂直に切断された断面上において該断面の上部頂点を連結する線または下部頂点を連結する線と一定の角度で傾斜するよう配列されることにある。
本発明が適用され得るセグメントタイプの切削チップを有するダイアモンド工具[ソーブレード(sawblade)]の一例を図7に示す。図7に示すように、ダイアモンド工具(101)はディスク形状のコア(2)に固定された切削チップらを含み、一つの切削チップ(111)には3層のダイアモンド粒子(105)層が配列され、他方の一つの切削チップ(112)には2層のダイアモンド粒子層が配列される。この際、上記2層のダイアモンド粒子層は上記3層のダイアモンド粒子層間に来るようダイアモンド粒子(105)が配列される。
図8及び図9には3層のダイアモンド粒子(105)層が配列された切削チップ(111)及び2層のダイアモンド粒子層が配列された切削チップ(112)の例が各々示してあり、図10は本発明に符合する図2〜図6のダイアモンド工具を使用して被削材を切削する際の切削メカニズムを説明するための概略図を示す。
また、本発明が適用されるダイアモンド工具の一例として、n層のダイアモンド粒子層が配列された切削チップを配列しつつ切削チップの粒子層が隣接した切削チップの粒子層の間に来るよう配列されたものを挙げられるが、その例を図11に示す。図11に示したように、先行切削チップ(121)には3層のダイアモンド粒子層(121a、121b、121c)が配列され、後続切削チップ(122)にも3層のダイアモンド粒子層(122a、122b、122c)が配列され、この際上記3層のダイアモンド粒子層(121a、121b、121c)各々は上記3層のダイアモンド粒子層(122a、122b、122c)間に来るようダイアモンド粒子が配列される。
さらに、本発明はダイアモンド粒子がn層配列された切削チップとダイアモンド粒子がn−2層またはそれ以下の層で配列された2個以上の切削チップが交互に配置され、上記ダイアモンド粒子がn−2層またはそれ以下の層で配列された切削チップにおいて各々のダイアモンド粒子層はダイアモンド粒子がn層配列された切削チップのダイアモンド粒子層間に来るよう配列されるダイアモンド工具にも適用されるが、その一例を図12に示す。図12に示すように、ダイアモンド粒子が1層配列された2個の切削チップ(132)及び(133)の各々のダイアモンド粒子層(132a)及び(133a)は3層配列された切削チップ(131)のダイアモンド粒子層(131a、131b、131c)間に来るよう配列される。
本発明は上記のようにダイアモンド粒子が配置されたダイアモンド工具においてシャベル効果をより極大化するよう被削材の切削時ダイアモンド粒子が切削チップの切削面に一定の間隔を置いて突出するよう切削方向に平行で切削面と垂直に切断された断面において該断面の上部頂点を連結する線または下部頂点を連結する線と一定の傾斜角度(以下、「傾斜角」とも称する)で傾斜するようダイアモンド粒子が配列されるようにするが、これについて詳しく説明する。
本発明に符合するダイアモンド工具を製造する方法としてはダイアモンド粒子を他の金属粉末と混合して焼結する粉末冶金方法が挙げられる。
上記粉末冶金方法を利用して切削チップを製造すべく金属粉末を成型する際切削チップの内部にダイアモンドを板状で配列するが、この際のダイアモンド配列状態の例を図13に示す。図13に示すように、ダイアモンドを配列する基本単位は正方形状でも[図13(a)]、正三角形状でも[図13(b)]、そして二等辺三角形状でもよい[図13(c)]。もちろん、ダイアモンドを配列する基本単位は上記形状に限られるわけではない。
図13(a)のように基本単位が正方形状となるようダイアモンド粒子を配列する場合には切削チップ内のダイアモンド粒子の配列は図14のように示すことができる。即ち、図14に示す配列状態は図15において切削チップをA‐A線に沿って切断したものである。
本発明に使用される「切削方向と平行で切削面と垂直な切断面」は図15のように切削チップをA‐A線に沿って切断して得た断面を意味する。図15において符合91は切削面を示す。
図14において、切削が行われる切削チップ(90)の切削面(91)におけるダイアモンド粒子の状態を観察すると、初期には切削面中央部分のダイアモンド粒子(911b)が切削に参加し、ダイアモンド粒子(911b)が全て脱落すると、中央部分以外の切削面のダイアモンド粒子(911a、 911c)が切削に参加する。切削作業中こうした過程が繰り返されるが、そうすると切削チップの切削面の全領域にダイアモンドが均一に突出せず一部に偏って現れるのでシャベル効果を100%期することはできない。したがって、ダイアモンドを配列する際一定の傾斜角を与えダイアモンド粒子を配列することが効果的である。
図16には正方形を基本単位として、傾斜角によるダイアモンド粒子の配列状態が示してある。図16によると、図16(b)〜(f)の配列が図16(a)の場合より切削面上においてダイアモンド粒子同士の適当な間隔(S)を維持していることが分かる。
一般に、ダイアモンドソーブレードの場合、切削作業中切削面のダイアモンド状態は図17のようにイマージングクリスタル(emerging crystal)(23)、ホールクリスタル(whole crystal)(24)、フラクチャードクリスタル(fractured crystal)(25)、プルアウトホール(pull‐out hole)(26)などの諸形状で示される。
ダイアモンド工具の関連論文によるとホールクリスタル:フラクチャードクリスタル:プルアウトホールの比率が4:4:2の場合が最も効率的な切削作業を行うことが報告されている。したがって、切削チップのダイアモンド粒子を好ましくは一定の傾斜角、より好ましくは5°以上の傾斜角を与えて配列することが、切削チップの切削面にホールクリスタル、フラクチャードクリスタル、プルアウトホールの適切な組合をもたらし切削作業上より効果的であろう。
図16(f)において、正方形を基本単位としたダイアモンド粒子配列においては傾斜角45°を基準に配列が対称をなす。即ち、図18(a)と18(b)、18(c)と18(d)が各々対称となる。図13(b)及び13(c)のように正三角形及び二等辺三角形を基本単位にした場合は傾斜角30°及び90°を基準に各々対称となる。図19と図20に各々正三角形及び二等辺三角形を基本単位とした場合の傾斜角による配列状態と対称関係が示してある。
図14に示したようにダイアモンド粒子同士の間隔が狭く同一な突出高さを有する場合には切断作業時切断面にダイアモンド粒子同士の間隔が狭い領域が部分的に現れるのでシャベル効果が充分に発揮されず、より優れた切削性は期することができない。実際に切削チップの切削面は有限半径を有するのでダイアモンド粒子が直線で配列される場合、切削チップの端部はある程度の傾斜においては図21のE部分のように切削面にダイアモンド粒子が稠密に配列され得る。
図22は一つの切削チップとスチールコアが結合されたダイアモンド工具の一部を示す。図22には切削チップ(460)の切削面(462)において、この切削面(462)の中心と切削チップの両端点とを繋ぐ直線(463)がその切削面上にある場合、その直線(463)と切削面(462)の中心からスチールコア(steel core)(461)の中心までの直線(464)とが成す角αが示してある。実際切削に参加するダイアモンド粒子は切削面(462)に露出するので 角αが図23のように定義される角aまたは角bと等しくならないようにすることが好ましい。即ち、上記αはスチールコア(461)の外径寸法、切削チップ(460)の長さなどによって異なり得るので、ダイアモンド配列時傾斜角はαがaまたはbと等しくない範囲内で設定することが好ましい。
図21は角αが角aまたは角bと等しくなる場合であって、こうした場合には図17に示すように、切削面においてダイアモンド同士の間隔が狭くなり局部的な領域(E)にのみダイアモンド粒子が突出するのでシャベル効果が充分発揮され得ない。
このように、本発明においてはシャベル効果をより向上させるために切削方向に平行で切削面と垂直に切断された断面上において該断面の上部頂点を連結する線または下部頂点を連結する線と一定の傾斜角度で傾斜になるよう、言い換えれば、図22において定義される角αが図23のように定義される角aまたは角bと等しくないようダイアモンド粒子が配列されなければならない。上記のようにダイアモンド粒子を配列することにより被削材の切削時ダイアモンド粒子が一定の間隔で切削面上に常に露出されることによりシャベル効果を一層向上させ、結果として切削効果をより向上させられる。
さらに、本発明は図24にも示すように多数個の切削チップで成るコアビットの切削チップにも適用され得る。図24には本発明に符合するコア切削チップの一例が示してある。図24に示すように、上記コア切削チップ(102)は、本発明によりダイアモンド粒子層(181a、181b、181c)が切削面に3層配列された切削チップ(181)とダイアモンド粒子層(182a、182b)が2層配列された切削チップ(182)とが交互に配列され、且つ切削面と平行かつ垂直な切断面上において該断面の上部頂点を連結する線または下部頂点を連結する線と一定の傾斜角度で傾斜するようダイアモンド粒子が配列されたものである。
また、本発明は本発明により多層のダイアモンド粒子層が配列された切削チップ間にダイアモンド粒子がランダムに配列された切削チップを一つまたはそれ以上配置させるダイアモンド工具にも適用され得る。 例えば、3層×2層×ランダム交互配列、3層×ランダム×2層交互配列、3層×ランダム×2層交互配列または3層×2層×ランダム×ランダム交互配列などが挙げられる。
上記のようにダイアモンド粒子がランダムに配列された切削チップを配置して工具を製造する場合には、切削効率が従来の工具に比しては優れるがダイアモンド粒子がランダムに配列された切削チップを配置しない工具に比しては切削効率が多少劣るようになる。
上記した本発明のダイアモンド工具において先行切削チップに配列される各ダイアモンド粒子層と粒子層の間隔は後続切削チップに配列されたダイアモンド粒子層の厚さ(ダイアモンド列の幅)より小さいか同じくすることが好ましい。
一方、本発明によりダイアモンド粒子を配列して切削チップを製作する場合、とりわけ内部にのみ規則的に配列されたダイアモンドがある場合[図2、図3、図4]は、切削チップの切削面の側面側近傍(outer surface of both lateral sides)にはダイアモンド粒子が無いので金属結合剤が早期に磨耗され規則的に配列されたダイアモンドが早期脱落してしまう虞がある。したがって、切削チップの切削面の側面側近傍の早期磨耗を防止するために本発明においては耐磨耗性の高いフィラーを選択して切削チップの側面側近傍のダイアモンド粒子の無い部位に適切な形態で分布させる。
即ち、本発明により工具の寿命をより延長させるために金属結合剤にフィラー(filler)(硬度の高い研磨材)を添加して金属結合剤の耐磨耗性を増加させることが好ましい。この際、使用されるフィラーとしてはSiC、WC、BN、Al、ダイアモンドなどのように耐磨耗性のある粒子であって、単独または2種以上を複合して使用し得る。
フィラーに使用される材料は切削面の側面側近傍の磨耗防止のために添加されるものなので、フィラーにダイアモンドを使用する場合切削面の側面側近傍にフィラーとして添加されたダイアモンドの含量は切削を目的として中央部に充填されたダイアモンドの集中度より低い含量を有さなければならない。切削面の側面側近傍にフィラーとして添加されたダイアモンドは切削を目的として中央部に充填されたダイアモンドの集中度の10〜60%の低い含量を有することが好ましい。
何故ならば切削面の側面側近傍にフィラーとして添加されたダイアモンドの集中度が切削を目的として中央部に充填されたダイアモンドの集中度の10%未満であると中央部以外の研削面の急激な磨耗により側面側近傍の早期磨耗防止効果が無く、60%を超過すると側面側近傍の早期磨耗防止効果が飽和するばかりでなく、中央部に充填されたダイアモンドの量が相対的に少なくなってむしろ切削性能を低下させるからである。
図25に示すように、フィラー(164)は切削チップ(161)の側面側近傍(lateral side)にランダムに分布されることもでき、また図26のようにフィラー(174)が切削チップ(171)の側面側近傍に規則的に分布させることもできる。図25及び図26において符合161a、161b、161c、171a、171b及び171cはダイアモンド粒子層を示す。
本発明のダイアモンド工具を製造する方法の一例は次のとおりである。スプレイ式接着剤を切削チップ形状に切り取った金属網上に塗布し、その上に一定の間隔でレーザー加工により打ち抜かれた金属治具を載せ微細ダイアモンド粒子を散布する。この際、1個の孔にダイアモンド粒子が1個ずつ入るようにする。金属治具を分離すると金属網上にダイアモンド粒子が一定に配列された金属網が得られる。これを金属結合剤と共に冷間成型して焼結し切削チップを製造する。この際、一つの切削チップを2個以上の領域に区分して製作する場合には成型あるいは焼結時に陽刻を有する上下モールドを使用して製作できるが焼結による方法がより好ましい。この方法はダイアモンド工具業界において広く用いられる方法である。上記した本発明のダイアモンド工具の製造方法は一つの好ましき例に過ぎず、特別に限定されるわけではない。
以下、本発明に符合されるダイアモンド工具を使用して被削材を切削時切削メカニズムについて説明する。図10に示すように、本発明においてはダイアモンド粒子が3層(111a、111b、111c)で配列された切削チップ(111)とダイアモンド粒子が2層(112a、112b)で配列された切削チップ(112)とを連続配列して被削材(113)を切削する場合、3層配列切削チップ(111)により削られた被削材切削溝(113a、113b、113c)の隣接した箇所に2層配列切削チップ(112)のダイアモンド粒子が切削溝(113d、113e)を形成するのでダイアモンド工具の切削能を向上させる効果を奏し、また被削材を大粒で切削でき切削作業時発生する微細粉塵を減らせ、且つ図22に定義される角αが図23のように定義される角aまたは角bと等しくないようダイアモンド粒子を配列することにより被削材の切削時ダイアモンド粒子が一定の間隔で切削面上に常に露出することによりシャベル効果をより向上させ、結果的に切削効果を一層向上させられる。
一方、図11に示すように、先行する切削チップ(121)の切削面に配列された3層のダイアモンド粒子層(121a、121b、121c)が被削材(123)を削り取り切削溝(123a、123b、123c)が形成され、後続するセグメント(122)の切削面に配列された3層のダイアモンド粒子層(122a、122b、122c)が先行する切削チップ(121)により被削材(123)に形成された切削溝(123a、123b、123c)の隣接した箇所に切削溝(123d、123e、123f)を形成して最も効果的に被削材が除去されるので、切削速度を向上させ被削材(123)を大粒で切削でき切削作業時発生する微細粉塵を減らせるばかりでなく、図22に定義される角αが図23のように定義される角aまたは角bと等しくないようダイアモンド粒子を配列することにより被削材の切削時ダイアモンド粒子が一定の間隔で切削面上に常に露出され、シャベル効果をより向上させ結果的に切削効果を一層向上させられる。
以下、実施例を参照に本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
ダイアモンド粒子が切削面と垂直な切断面に板状で配列される際の傾斜角度による切削性能を比較するため、24個の切削チップを有する14 inchソーブレード(saw blade)を製作して切断試験を行い、その結果を下記表1に示した。
上記ソーブレードは、切削チップの切削面における配列形態が図9のように3層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップと2層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップとを交互に配列(3層×2層)したものである。この際、切削チップの寸法は長さ40mm、幅8.2mm、厚さ3.2mmで、Co‐Fe‐Ni系成分の金属結合剤を使用した。ダイアモンドとしては米国のGE社のMBS955を使用し、集中度は0.9cts/ccにした。焼結は高温プレス(Hot press)方式により焼結温度860℃、焼結時間5分の条件で行った。
上記方法により製造した切削チップをレーザー溶接で14インチコア(core)に付着して切込35mmでコンクリート切削試験を行った。この際使用した機械はEDCO(社)のエンジン駆動型切削試験機5.5HPである。ダイアモンド配列時ダイアモンド粒子の傾斜角は0°、15°、25°、35°、45°と変化を与えた。
切削チップの側面には磨耗防止のため、内部に規則的に配列されたダイアモンドと同種のダイアモンドを使用し内部に入ったダイアモンドの集中度より30%低い含量でダイアモンドをフィラー(filler)として添加した。
Figure 0004372756

上記表1に示すように、本発明に符合する発明例(1)〜発明例(4)の場合が従来例及び比較例より切削及び寿命指数の性能が優れていることが分かり、とりわけ25°〜45°の傾斜角を有する発明例(2〜4)の場合に切削性能がより優れていることが分かる。
(実施例2)
下記表2のように、3層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップと2層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップとを交互配列(3層×2層)したソーブレード(saw blade)(発明例5)、4層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップと3層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップとを交互配列(4層×3層)したソーブレード(発明例6)、図2のように3層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップの両側に交互に陰刻を与え配列(3層)したソーブレード(発明例7)、及びダイアモンド粒子を配列せずランダムに混合してダイアモンド粒子を分布させたソーブレード(従来例)を製作した後、切削試験を行って切削性能と寿命性能を調査し、その結果を下記表2に示した。
発明例において切削面と垂直に規則的に配列されたダイアモンド層の傾斜角は実施例1の結果を基に25°とした。この際、切削チップのダイアモンド層の厚さはダイアモンド平均粒子の大きさである0.4mmで、ダイアモンド層同士の間隔は0.3mmになるよう配列した。
この際、使用した金属結合剤としてはCo‐Fe‐Ni系合金を使用し、ダイアモンドは米国GE社のMBS955を使用し、焼結はホットプレス(Hot press)方式で焼結温度860℃、焼結時間5分の条件で行った。残りの実験条件は実施例1と同一である。
Figure 0004372756

上記表2に示すように、本発明に符合する発明例(5)〜(7)の場合が従来の方法により製作した従来例に比して切削性能及び寿命性能において優れていることが分かる。
(実施例3)
上記実施例2における発明例(7)のソーブレードと従来例のソーブレードに対する切削回数による切削時間の様相を調査し、その結果を図27に示した。
ここで切削時間とは、切削作業時ソーブレードが1回切削するのにかかる時間である。1回の切削とは30cm長さの被削材を一定の深さで1回切削することを意味する。図27に示したように、発明例(7)のソーブレードが従来例のソーブレードより切削時間が短く、切削時間の傾向が安定しており、より均一な性能を示すことが分かる。
(実施例4)
切削チップの側面部の早期磨耗防止のために上記実施例2の発明例(5)により3層×2層の交互配列を基本として下記表3のように金属結合剤にフィラー(filler)を添加して切削チップを製作した後切削試験を行い、その結果を下記表3に示した。この際、切削面と垂直に規則的に配列されたダイアモンド層の傾斜角は25°とした。ここで、フィラー(filler)材料としては切削を目的として中央部分に規則的に配列されたダイアモンドと同種のものを使用し、中央部分に規則的に配列されたダイアモンド集中度の5〜70%まで含量を変化させた。
切削チップ側面部の早期磨耗評価は切削作業後セグメントの厚さ減少量により評価した。
切削チップの厚さ減少量は30mと60m切削作業後切削チップの初期厚さ3.2mmより減少した量を測定した。測定部位は24個のセグメント中任意のセグメントから90°ずつ離れて位置した4個のセグメントの平均値を測定して側面部の磨耗量を比較した。他の試験条件は実施例1と同じである。
Figure 0004372756

上記表3に示したように、フィラーを適正量含有させた場合[発明例(8)〜(12)]には切削チップの厚さ減少量が極めて少ないことが分かる。
(実施例5)
3層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップと2層でダイアモンドを規則的に配列した切削チップとを交互配列(3層×2層)したソーブレード(saw blade)(発明例 5)、 発明例(5)のソーブレードにダイアモンドがランダムに分布された切削チップを所々に含んだソーブレード、即ち3層切削チップ、 2層切削チップ、 無秩序配列された切削チップを交互配列(3層×2層×ランダム配列×ランダム配列)したソーブレード(saw blade)(発明例 13)、ランダムに混合してダイアモンド粒子を分布させたソーブレード(従来例)を製作した後、切削試験を行い切削性能と寿命性能を調査し、その結果を下記表4に示した。発明例らにおいて切削面と垂直に規則的に配列されたダイアモンド層の傾斜角は25°とした。
この際使用した金属結合剤としてはCo‐Fe‐Ni系合金を使用し、ダイアモンドは米国のGE社のMBS955を使用し、焼結はホットプレス(Hot press)方式で焼結温度860℃、焼結時間5分の条件で行った。
本実施例における工具は切削チップをレーザー溶接で14 インチコア(core)に24個付着して製作されたもので、切削試験は切込35mmでコンクリート切削試験を行った。使用した機械はEDCO(社)の14インチ・エンジン駆動型試験機5.5HPである。上記各ソーブレードの切削チップの大きさは長さ40mm、高さ8.2mm、厚さ3.2mmである。
Figure 0004372756
上記表4に示したように、本発明に符合する発明例(13)の場合は発明例(5)に比しては性能が劣るが従来例に比しては切削性能及び寿命性能が優れていることが分かる。
切削チップの切削面にダイアモンド粒子がランダムに分布された従来のダイアモンド工具の一例図である。 本発明のダイアモンド工具において本発明により陰刻が与えられた切削チップの一例図である。 本発明のダイアモンド工具において本発明により陰刻が与えられた切削チップの一例図である。 本発明のダイアモンド工具において本発明により陰刻が与えられた切削チップの一例図である。 本発明のダイアモンド工具において本発明により陰刻が与えられた切削チップの一例図である。 本発明のダイアモンド工具において本発明により陰刻が与えられた切削チップの一例図である。 本発明が好ましく適用され得るダイアモンド工具の一例図である。 図7において、ダイアモンド粒子が3層で規則的に配列された切削チップの構成図である。 図7においてダイアモンド粒子が2層で規則的に配列された切削チップの構成図である。 図7のダイアモンド工具を使用して被削材を切削する際の切削メカニズムを説明するための概略図である。 本発明が好ましく適用され得るダイアモンド工具の他の一例図である。 本発明が好ましく適用され得るダイアモンド工具のさらに他の一例図である。 ダイアモンド工具用切削チップの切削面と垂直な切断面におけるダイアモンド配列の例を示す概略図であって、(a)は基本単位が正方形状で配列されるダイアモンド粒子の配列例を示し、(b)は基本単位が正三角形状で配列されるダイアモンド粒子の配列例を示し、(c)は基本単位が二等辺三角形状で配列されるダイアモンド粒子の配列例を示す。 図13(a)のように基本単位が正方形状のダイアモンド粒子配列を有するダイアモンド工具用切削チップの一例を示す概略図である。 ダイアモンド工具用切削チップの切削面と垂直に切断された面におけるダイアモンド粒子の配列を示す一例図である。 基本単位が正方形状のダイアモンド粒子配列が本発明により傾斜するようになっている切削チップの例を示す概略図である。 ダイアモンド工具用切削チップの切削面に配列されたダイアモンド粒子が切削作業時切削面から露出した状態を示す切削チップの切削面の一例図である。 基本単位が正方形状のダイアモンド粒子配列の傾斜角が5 °及び 25°のダイアモンド粒子配列の対称関係を示す概略図である。 基本単位が正三角形状のダイアモンド粒子配列が本発明により傾斜するようになっている切削チップの例を示す概略図である。 基本単位が二等辺三角形状のダイアモンド粒子配列が本発明により傾斜するようになっている切削チップの例を示す概略図である。 ダイアモンド粒子が直線で配列される場合傾斜角が小さく切削チップ終端の切削面においてダイアモンド粒子が稠密に配列される状態を示す切削チップの概略図である。 一つの切削チップとスチールコアが結合されたダイアモンド工具の一部を示す概略図である。 ダイアモンド粒子の配列角度a及びbが定義された切削チップの概略図である。 本発明が適用され得るダイアモンド工具用切削チップのさらに他の例を示す概略図である。 本発明が適用され得るダイアモンド工具用切削チップのさらに他の例を示す概略図である。 本発明が適用され得るダイアモンド工具用切削チップのさらに他の例を示す概略図である。 従来例及び発明例(7)に対する切削回数による切削時間の変化を示すグラフである。
符号の説明
2 コア
101 ダイアモンド工具
21、22、111、112、121、122、131、132、133、141、161、171、181、182、切削チップ
105 ダイアモンド粒子
121a、121b、121c、122a、122b、122c、131a、131b、131c、132a、133a、141a、141b、141c、141d、141e、181a、181b、181c、182a、182b、211a、211b、211c、212a、212b、212c ダイアモンド粒子層
113、123、213 被削材

Claims (18)

  1. ダイアモンド粒子が多層の板状に分布された多数個の切削チップを含み、上記ダイアモンド粒子層は被削材の切削時後続するダイアモンド層によって被削材に形成される切削溝が先行するダイアモンド層によって被削材に形成された切削溝間に形成されるよう配列されるダイアモンド工具において、
    各々の切削チップを2個以上の領域に区分して切削方向からみて前方部にはn層のダイアモンド粒子層が配列され、後方部にはn'層のダイアモンド粒子層(n'=n)が配列され、かつ上記前方部のn-1層のダイアモンド粒子層のそれぞれの層が、各層ごとの切削溝が個別に上記後方部のダイアモンド粒子層間にくるように配列され、
    上記前方部のダイアモンド粒子層が上記後方部の粒子層間にくるようにした配列が、切削面と垂直状に交わり、かつ切削方向と平行な切削チップの側面部に陰刻を施すことにより形成され、上記ダイアモンド粒子は切削方向に平行で切削面と垂直に切断された断面上において、該断面の上部頂点を連結する線または下部頂点を連結する線と一定の角度で傾斜するよう配列され、被削材の切削時ダイアモンド粒子が切削チップの切削面に一定の間隔を置いて突出するようにするダイアモンド工具。
  2. 上記ダイアモンド粒子配列傾斜角が15〜45°であることを特徴とする請求項1記載のダイアモンド工具。
  3. 上記前方部のダイアモンド粒子層と粒子層の間隔は上記後方部のダイアモンド粒子層の厚さより小さいか同じである請求項1又は2記載のダイアモンド工具。
  4. ダイアモンド粒子が板状の層で配列された切削チップと共に、ダイアモンド粒子がランダムに分布された切削チップを単数または多数個含む請求項1又は2記載のダイアモンド工具。
  5. ダイアモンド粒子層が無い部位にフィラーが分布された請求項1又は2記載のダイアモンド工具。
  6. ダイアモンド粒子層が無い部位にフィラーが分布された請求項3記載のダイアモンド工具。
  7. ダイアモンド粒子層が無い部位にフィラーが分布された請求項4記載のダイアモンド工具。
  8. フィラーがSiC、WC、BN、Al及びダイアモンドからなる群から選択された1種または2種以上である請求項5記載のダイアモンド工具。
  9. フィラーがSiC、WC、BN、Al及びダイアモンドからなる群から選択された1種または2種以上である請求項6記載のダイアモンド工具。
  10. フィラーがSiC、WC、BN、Al及びダイアモンドからなる群から選択された1種または2種以上である請求項7記載のダイアモンド工具。
  11. フィラーとして添加されたダイアモンドの含量が切削を目的とするダイアモンドの集中度の10−60%である請求項8記載のダイアモンド工具。
  12. フィラーとして添加されたダイアモンドの含量が切削を目的とするダイアモンドの集中度の10−60%である請求項10記載のダイアモンド工具。
  13. ダイアモンド粒子が多層の板状に分布された多数個の切削チップを含み、上記ダイアモンド粒子層は被削材の切削時後続するダイアモンド層によって被削材に形成される切削溝が先行するダイアモンド層によって被削材に形成された切削溝間に形成されるよう配列されるダイアモンド工具において、
    各々の切削チップを2個以上の領域に区分して切削方向から見て前方部にはn層のダイアモンド粒子層が配列され、後方部にはn'層のダイアモンド粒子層(n'=n)が配列され、かつ上記前方部のn−1層のダイアモンド粒子層のそれぞれの層が、各層ごとの切削溝が上記後方部のダイアモンド粒子層間にくるように配列され、
    上記前方部のダイアモンド粒子層が上記後方部のダイアモンド粒子層間にくるようにした配列が、切削面と垂直状に交わり、かつ切削方向と平行な切削チップの側面部に陰刻を施すことにより形成されるダイアモンド工具。
  14. 上記前方部のダイアモンド粒子層と粒子層の間隔は上記後方部のダイアモンド粒子層の厚さより小さいか同じである請求項13記載のダイアモンド工具。
  15. ダイアモンド粒子が板状の層で配列された切削チップと共に、ダイアモンド粒子がランダムに分布された切削チップを単数または多数個含む請求項13記載のダイアモンド工具。
  16. ダイアモンド粒子層が無い部位にフィラーが分布された請求項13ないし15のいずれかに記載のダイアモンド工具。
  17. フィラーがSiC、WC、BN、Al及びダイアモンドからなる群から選択された1種または2種以上である請求項16記載のダイアモンド工具。
  18. フィラーとして添加されたダイアモンドの含量が切削を目的とするダイアモンドの集中度の10−60%である請求項17記載のダイアモンド工具。
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