JP4371669B2 - 溶接用治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種溶接方式の溶接作業に使用される溶接用治具に係り、特に、1台の溶接用治具により、突合せ溶接と重ね合わせ溶接の両方に適用できるようにした溶接用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶接用治具は、突合せ溶接専用と、重ね合わせ溶接専用のように、その溶接内容に対応した専用治具であった。例えば、亜鉛メッキされた薄板素材を重ね合わせ溶接する際に、被溶接材への突起の形成を不要にして作業性の向上を図った重ね合わせ溶接専用の溶接治具が提供されている。具体的には、一方の被溶接材を載置させる第1載置台と、他方の被溶接材を載置させる第2載置台とを所定の相対位置関係に設置し、第2載置台の上面に形成された凹所内に弾性部材により上面を突出してフローティングガイドを上下動自在に収容するとともに、このフローティングガイドの下面と前記凹所の底面との間に交換可能にフローティングガイドの下動限界を規制するストッパーブロツクを設置する。これにより、第1載置台に載置される一方の被溶接材および第2載置台に載置される他方の被溶接材を各々位置決めして溶接部位を対向させた状態で第1載置台およびフローティングガイドに押し付けて固定保持させることができ、両被溶接材を適度な間隔に形成して重ね合わせすることができるようにした。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−10991号公報における(要約書の【構成】および図1)
【0004】
他方、突合せ溶接専用の溶接用治具は、上記重ね合わせ溶接専用の溶接用治具において、第2載置台のフローティングガイドを省略した。その他は、プツシャーで左右一対の被溶接材の突合せ先端面が同じ高さ位置で突合わされ、この突合わせ状態で各被溶接材を不動に各クランパーで固定させ、この状態にて突合わせ溶接させる構成としものである。特に、半導体レーザ溶接装置及びその他のレーザ溶接装置においては、レーザ光線の光軸直径は、0.9mm程度と小径である。このことから、突合せ溶接に先立ち、一対の被溶接材(板厚1〜2mm)の両端面のバラツキは、高精度な隙間寸法(0〜0.3mm)の初期設定が要求される。このためには、一対の被溶接材の両端面を所定の隙間寸法に微調節・固定させることのできる固定治具が望まれる。(特許文献無し)
【0005】
しかし、上記従来の溶接用治具は、突合せ溶接専用と重ね合わせ溶接専用のものに限定されているから、1台の溶接システムにおいて、次々に突合せ溶接と重ね合わせ溶接とを変更して実施する時、治具の載せ替え変更作業を伴なって溶接作業の効率を低下させる。更には、用途の異なる2つの固定治具の製作とこの保守・管理や保管を伴うため、この製作費と保守・管理費等の諸費用が倍増するという多くの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の溶接用治具における問題に鑑みてなされたものである。然るに、本発明の目的は、突合せ溶接と重ね合わせ溶接の両方に適用できる溶接用治具を提供し、異なる溶接作業効率の向上と、治具の製作費や保守・管理費等の低下を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の溶接用治具は、一対の被溶接部材をテーブル上に固定する溶接用治具であって、固定テーブルと可動テーブルとを適宜間隔に設置して備え、上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側には一対の被溶接部材の接近度合いの位置決めを行い且つ位置決め後は退却するストッパーを備え、上記位置決めストッパーの反対側となる固定テーブル及び可動テーブルの外側には各々の被溶接部材を各位置決めストッパーに押当てる第1押圧手段と第2押圧手段を備え、また、上記固定テーブル及び可動テーブルの片側部には各々の被溶接部材の側縁を受止める基準板を備え、更に、上記固定テーブル及び可動テーブルの反基準板側には各々の被溶接部材を基準板に押当てる第3押圧手段及び第4押圧手段を備え、更に、上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側には一対の被溶接部材の突合せ近傍を各々独立してクランプする第1拘束手段と第2拘束手段とを備え、上記各位置決めストッパーを一対の被溶接部材からの回避状態で、上記可動テーブルをリニアガイトとシリンダの駆動により一対の被溶接部材の突合わせ端面を接近位置決めする位置規制手段を上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側に配置し
上記固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段を備え、上記固定テーブル又は可動テーブルに備える位置決めストッパーは、その何れか一方を交換可能とし、上記交換可能な位置決めストッパーは、突合わせ端面隙間をゼロ設定する切欠を持つ第1位置決めストッパーと、重ね合わせのオーバーラップ量を設定する切欠を持つ第2位置決めストッパーと、からなることを特徴とする。
【0008】
請求項2の溶接用治具は、請求項1記載の溶接用治具において、上記高さ調節手段は、間座であることを特徴とする。
【0009】
請求項3の溶接用治具は、請求項1記載の溶接用治具において、上記高さ調節手段は、送り制御りモータであることを特徴とする。
【0010】
【作用】
上記請求項1の溶接用治具によると、適宜間隔に設置した固定テーブル及び可動テーブルの対面側には、一対の被溶接部材の接近度合いの位置決めを行い且つ位置決め後は退却するストッパーを備え、上記位置決めストッパーの反対側となる固定テーブル及び可動テーブルの外側には、各々の被溶接部材を各位置決めストッパーに押当てる第1押圧手段と第2押圧手段を備えている。また、上記固定テーブル及び可動テーブルの片側部には各々の被溶接部材の側縁を受止める基準板を備え、更に、上記固定テーブル及び可動テーブルの反基準板側には各々の被溶接部材を基準板に押当てる第3押圧手段及び第4押圧手段を備えている。更に、上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側には一対の被溶接部材の突合せ近傍を各々独立してクランプする第1拘束手段と第2拘束手段とを備えている。そして、上記各位置決めストッパーを一対の被溶接部材からの回避状態で、上記可動テーブルをリニアガイトとシリンダの駆動により一対の被溶接部材の突合わせ端面を接近位置決めする位置規制手段を上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側に配置している。
【0011】
これにより、一対の被溶接部材は、その平面上の前後・左右方向の二次元位置決めが正確且つ迅速に自動制御される。更に、上記のようにして位置決めされた一対の被溶接部材は、第1拘束手段と第2拘束手段とにより、各々独立して突合せ近傍がクランプされ、且つ各位置決めストッパーの回避時に、位置規制手段により一対の被溶接部材の突合わせ端面を接近位置決めするから、突合せ端面の突合せ精度が向上し正確な突合せ溶接が実行できる。
【0012】
更に、固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方に、高さ位置決めする高さ調節手段を備えている。そして、上記固定テーブ及び可動テーブルに備える位置決めストッパーは、その何れか一方を交換可能とし、この交換可能な位置決めストッパーは、突合わせ端面隙間をゼロ設定する切欠を持つ第1位置決めストッパーと、重ね合わせのオーバーラップ量を設定する切欠を持つ第1位置決めストッパーとが用意されている。これにより、1つの溶接用治具において、突合せ溶接と重ね合わせ溶接とが実施できる。
【0013】
その切換操作は、高さ調節手段による両テーブル高さの同一調節と、突合わせ端面隙間をゼロ設定の切欠を持つ第1位置決めストッパーとの組み合せ、又は両テーブル「板厚+隙間寸法」の段差調節と、重ね合わせのオーバーラップ量を設定の切欠を持つ第2位置決めストッパーとの組み合せ変更によって行われる。従って、2つの異なる溶接作業に対して、2組の溶接用治具を必要とせず、設備費の低減と溶接作業の効率化・フロアスペースの低減化に寄与できる。
【0014】
請求項2の溶接用治具によると、固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段を、間座としたから、その寸法出しが確実・正確で且つ簡便に行なえる。これにより、一対の被溶接部材に対する高さ違いの設定が簡潔に行われ、重ね合わせ溶接における隙間設定が簡単且つ確実に実施される。従って、最適な隙間を確保しての亜鉛メッキ薄板の重ね合わせ溶接が確実に行われる。
【0015】
請求項3の溶接用治具によると、固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段を送り制御モータとしたから、その寸法出しが自動制御されて正確に行われる。これにより、一対の被溶接部材に対する高さ違いの設定が短時間に行われ、重ね合わせ溶接における隙間設定が素早く確実に実施される。しかして、最適な隙間を確保しての亜鉛メッキ薄板の重ね合わせ溶接が確実に行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る溶接用治具を図面に示す実施形態により説明する。図1は本発明の実施形態となる溶接用治具を備えたレーザ溶接システム100の斜視図である。図2〜図13は溶接用治具の構成説明図と作用図である。
【0017】
先ず、図1によりレーザ溶接システム100を説明する。このユニット構成は、ベッドBと、3軸直交移動体100Aと、この手首体100Bと、上記手首100Bに取付けたレーザ溶接ヘッド200と、この半導体レーザ発振器HOと、レーザ溶接制御装置LCと、レーザ電源部400と、上記3軸直交移動体100A及びこの各駆動制御用の送りモータSMX,SMY,SMZと、Y軸方向のガイドレールL1,L2を図示し、手首100Bを6軸制御して駆動するNC制御装置65と、ベッドB上に載置した本発明の溶接用治具250,250´とからなる。
【0018】
続いて、上記溶接用治具250の詳細構成を、図2〜図5により突合せ溶接に適用した具体例で説明する。上記溶接用治具250は、一対の被溶接部材10,11を各テーブル13,15上に載置して固定するものである。まず、上記固定テーブル13と可動テーブル15とは、適宜間隔を空けて設置されている。そして、上記固定テーブル13及び可動テーブル15の対面側には、一対の被溶接部材10,11の接近度合いの位置決めを行い且つ位置決め後は退却する位置決めストッパーS1,S2を備えている。この位置決めストッパーS1は、一対の爪体17,19が軸受体21,23にその支軸25で旋回自在に支持されている。そして、爪体17,19の下端部には、エアシリンダC1のロッド27が連結され、その進退動により、爪片17A,19Aが固定テーブル13の上面13Aに出没する関係になっている。他方の位置決めストッパーS2も同様に、一対の爪体30,31が軸受体33,34にその支軸35で旋回自在に支持されている。そして、爪体30,31の下端部には、エアシリンダC2のロッド37が連結され、その進退動により、爪片30A,31Aが固定テーブル15の上面15Aに出没する関係になっている。上記位置決めストッパーS1,S2は、突合わせ端面隙間をゼロ設定する。
【0019】
上記位置決めストッパーS1,S2の反対側となる固定テーブル13及び可動テーブル15の外側には、各々の被溶接部材10,11を各位置決めストッパーS1,S2に押当てる第1押圧手段(エアシリンダ)P1と第2押圧手段(エアシリンダ)P2と、その押板P1´,P2´を備えている。また、上記固定テーブル13及び可動テーブル15の片側部には各々の被溶接部材10,11の側縁を受止める基準板SPを備えている。更に、上記固定テーブル13及び可動テーブル15の反基準板側には、各々の被溶接部材10,11を基準板SPに押当てる第3押圧手段(エアシリンダ)P3及び第4押圧手段(エアシリンダ)P4と、その押板P3´,P4´を備えている。更に、上記固定テーブル13及び可動テーブル15の対面側には一対の被溶接部材10,11の突合せ近傍を各々独立してクランプする第1拘束手段(一対のエアシリンダCKと拘束バーKBで構成)K1と、第2拘束手段(一対のエアシリンダCKと拘束バーKBで構成)K2とを備えている。上記各位置決めストッパーS1,S2を、一対の被溶接部材10,11からの回避状態で、上記可動テーブル15をリニアガイトLGとシリンダC4の駆動により一対の被溶接部材の突合わせ端面10A,11Aを接近位置決め又は当接する位置規制手段(ストップ片40,41)PSを固定テーブル13及び可動テーブル15の対面側に配置している。
【0020】
しかして、上記溶接用治具250の構成によると、固定テーブル13及び可動テーブル15に載せた一対の被溶接部材は、その平面上の前後・左右方向の二次元位置決めが行われる。その機能は、位置決めストッパーS1,S2と第1押圧手段(エアシリンダ)P1と第2押圧手段(エアシリンダ)P2との機能、及び基準板SPと第3押圧手段(エアシリンダ)P3及び第4押圧手段(エアシリンダ)P4により行われる。そして、一対の被溶接部材の拘束は、第1拘束手段(一対のエアシリンダCKと拘束バーKBで構成)K1と、第2拘束手段(一対のエアシリンダCKと拘束バーKBで構成)K2と、により行われる。更に、一対の被溶接部材の端面当接は、位置決めストッパーS1,S2の解除状態において、可動テーブル15をリニアガイドLGとシリンダC4の駆動と位置規制手段(ストップ片40,41)PSとにより行われる。以上の作用が正確且つ迅速に自動制御される。しかして、突合せ端面の突合せ精度が向上し、正確な突合せ溶接が実行できる。
【0021】
続いて、上記溶接用治具250について、重ね合わせ溶接用の溶接用治具250´とした具体的な実施形態を、図6〜10により説明する。上記固定テーブル13の上面13A又は可動テーブル15の上面15Aの何れか一方、図示では、左側の可動テーブル15に高さ位置決めを行う高さ調節手段HCを備えることで、適用させる。この高さ調節手段HCは、可動テーブル15の下台15Cと上台15Bとの間に間座50を介在して下駄を履かせたものである。この間座50により、可動テーブル15の上面15Aは、固定テーブル13の上面13Aよりも、間座50の高さ寸法hだけ高くなる。上記間座の高さ寸法hは、例えば、亜鉛メッキの薄板10,11の場合は、「二枚の板厚寸法+要求隙間=間座高さ」hとなる。
【0022】
そして、二枚の薄板10,11を重ね合せる部分の長さ寸法Lは、図8に示すようにして行われる。即ち、上記固定テーブル13又は可動テーブル15に備える位置決めストッパーS1,S2は、その何れか一方を交換可能とする。図示では、固定テーブル13側の位置決めストッパーS1を、交換可能な第2位置決めストッパーS3とする。その構成は、重ね合わせのオーバーラップ量(重ね合せる部分の長さ寸法L)を設定する切欠Kが形成されている。
【0023】
しかして、その操作は、図6〜図10に示すように、まず、可動テーブル15の位置決めストッパーS2と、固定テーブル13の第2位置決めストッパーS3とを、各テーブル13,15の上面に突出させる。続いて、この状態において、各テーブル13,15の上面に載せた二枚の薄板P1,P2を、重ね合せるべくその先端部を各々位置決めストッパーS2と第2位置決めストッパーS3に押し当てる。この押し当て操作により、各テーブル13,15からの二枚の薄板P1,P2の突出量が定まり、この状態で一対の被溶接部材の突合せ近傍を各々独立する第1拘束手段と第2拘束手段によりクランプする。次に、各ストッパーS2,S3を各テーブル13,15下に回避させた状態で、可動テーブル15をリニアガイドLGとシリンダC4の駆動により一対の被溶接部材の重ね合わせ端面を接近位置決めする位置規制手段にストップさせる。この操作により、二枚の薄板P1,P2を重ね合せる部分の長さ寸法Lが所定寸法になり、且つその隙間も要求隙間Gに設定される。
【0024】
以上のように、溶接用治具250,250´によると、部材50,S1,S3の一部交換だけで、1つの溶接用治具において、突合せ溶接と重ね合わせ溶接とが実施できる。
【0025】
その切換操作は、高さ調節手段HC(50)による両テーブル高さの同一調節と、突合わせ端面隙間をゼロ設定の切欠を持つ第1位置決めストッパーS1との組み合せ、又は両テーブル「板厚+隙間寸法」13,15の段差調節と、重ね合わせのオーバーラップ量Lを設定する切欠Kを持つ第2位置決めストッパーS3との組み合せ変更によって行われる。従って、2つの異なる溶接作業に対して、2組の溶接用治具を必要とせず、設備費の低減と溶接作業の効率化・フロアスペースの低減化に寄与できる。
【0026】
更に、第1押圧手段P1と第2押圧手段P2及び第3押圧手段P3と第4押圧手段P4とは、何れもエアシリンダを採用したから、エアの圧力設定により一対の被溶接部材に対する押圧力が最適に容易に調節できる。従って、撓み易い薄板から厚板まで、その板厚寸法や重量に対応したエアの圧力設定にすることができ、最適な突合せの当接力のもとに最適な突合せ溶接が実施させれる。
【0027】
更に、第1拘束手段K1と第2拘束手段K2とは、エアシリンダを採用したから、エアの圧力設定により一対の被溶接部材に対するその突合わせ近傍の拘束力(クランプ力)を最適値に容易に調節できる。従って、撓み易い薄板から厚板まで、その板厚寸法や重量に対応したエア圧力にすることができ、最適な拘束力のもとに最適な突合せ溶接が実施させれる。
【0028】
更に、固定テーブル13の上面13A又は可動テーブル15の上面15Aの何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段HCを、間座50としたから、その寸法出しが確実・正確で且つ簡便に行なえる。これにより、一対の被溶接部材10,11に対する高さ違いの設定が簡潔に行われ、重ね合わせ溶接における隙間設定が簡単且つ確実に実施される。従って、最適な隙間を確保しての亜鉛メッキ薄板の重ね合わせ溶接が確実に行われる。
【0029】
更に、固定テーブル13の上面13A又は可動テーブル15の上面15Aの何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段HCを、送り制御モータSMとすることが可能である。その実施形態となる溶接用治具250”を図11と図12に示す。即ち、可動テーブル15をその上下中腹部で切断分離し、上台15Bの上部可動テーブル15Bを可動テーブル15の上側に載置して形成する。上記上部可動テーブル15Bは、可動テーブル15に対してその中央位置付近に設けた垂直摺動面SLにより、昇降可能に係合されている。そして、上部可動テーブル15Bにおける垂直摺動面SLの近くに付設した支持片15Dに、下側の可動テーブル15に付設した送り制御モータ(サーボモータ)SMの送りネジ棒60を螺合させている。詳細には、支持片15Dに備える雌ネジ(ナット体)に送りネジ棒(ボールネジ)60を螺合させている。これで、送り制御モータ(サーボモータ)SMの回転駆動制御により、上部可動テーブル15Bの昇降移動量が精密に微調節され、重ね合わせ溶接における要求隙間Gに数値的に精密制御される。尚、上記送り制御モータ(サーボモータ)SMの取付位置は、可動テーブル15であるが、固定テーブル13側に設計変更しても良い。
【0030】
しかして、上記送り制御モータ(サーボモータ)SMの回転駆動制御により、その要求隙間Gの寸法出しが自動制御されて簡単・正確に行われる。これにより、一対の被溶接部材10,11に対する高さ違いの設定が短時間に行われ、重ね合わせ溶接における隙間設定が素早く確実に実施される。この結果として、最適な隙間を確保しての亜鉛メッキ薄板の重ね合わせ溶接が確実に行われる。
【0031】
尚、上記溶接用治具250´,250”によると、突合せ溶接において、板厚寸法の異なるテーラードブランク溶接が合理的に実施できる。図13に示すように、固定テーブル13上の薄板10´に対して、可動テーブル15上の薄板11´が薄い場合には、両薄板の板厚寸法の差分h´だけ薄板11´を高い位置までレベルアップさせ、両薄板の上面を面一に揃える。上記可動テーブル15の高さ制御は、溶接用治具250´によるときはで行われ、又溶接用治具250”によるときは高さ調節手段HC(送り制御モータ(サーボモータ)SM)により行われる。
【0032】
従って、両薄板寸法違いが何枚も一定している場合は、溶接システムや溶接用治具のコスト面で高さ調節手段HC(間座50)に優位性がある。また、両薄板寸法違いが頻繁に変更される場合は、寸法変更が自動制御できる高さ調節手段HC(送り制御モータ(サーボモータ)SM)に作業効率で優位性が発揮される。
【0033】
本発明の溶接用治具250,250´,250”は、上記各実施形態に限定されない。例えば、各実施形態において、細部構成に係わる部分の設計変更や構成ユニットや部材の取付位置の変更、及び部材を均等部材との変更等は、適宜に変更されることである。従って、本発明は、上記変更によっては、その発明の要旨から逸脱することはない。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳述したように、上記請求項1の固定治具によると、一対の被溶接部材は、その平面上の前後・左右方向の二次元位置決めが正確且つ迅速に自動制御できる。更に、上記のようにして位置決めされた一対の被溶接部材は、第1拘束手段と第2拘束手段とにより、各々独立して突合せ近傍がクランプされ、且つ各位置決めストッパーの回避時に、位置規制手段により一対の被溶接部材の突合わせ端面を接近位置決めするから、突合せ端面の突合せ精度が向上し正確な突合せ溶接が実行できる。
【0035】
固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方に、高さ位置決めする高さ調節手段を備え、上記固定テーブ及び可動テーブルに備える位置決めストッパーは、その何れか一方を交換可能とし、この交換可能な位置決めストッパーは、突合わせ端面隙間をゼロ設定する切欠を持つ第1位置決めストッパーと、重ね合わせのオーバーラップ量を設定する切欠を持つ第1位置決めストッパーとが用意されているから、1つの溶接用治具において、突合せ溶接と重ね合わせ溶接とが実施できる。
【0036】
その切換操作は、高さ調節手段による両テーブル高さの同一調節と、突合わせ端面隙間をゼロ設定の切欠を持つ第1位置決めストッパーとの組み合せ、又は両テーブル「板厚+隙間寸法」の段差調節と、重ね合わせのオーバーラップ量を設定の切欠を持つ第2位置決めストッパーとの組み合せ変更により行うから、2つの異なる溶接作業に対して、2組の溶接用治具を必要とせず、設備費の低減と溶接作業の効率化・フロアスペースの低減化に寄与できる。
【0037】
請求項2の溶接用治具によると、固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段を間座としたから、その寸法出しが確実・正確で且つ簡便にでき、且つ一対の被溶接部材に対する高さ違いの設定が簡潔に行われ、重ね合わせ溶接における隙間設定が簡単・確実に実施できる。従って、最適な隙間を確保しての亜鉛メッキ薄板の重ね合わせ溶接が確実にできる。
【0038】
請求項3の溶接用治具によると、高さ調節手段を送り制御モータとしたから、その寸法出しが自動制御されて正確にでき、一対の被溶接部材に対する高さ違いの設定が短時間に行われ、重ね合わせ溶接における隙間設定が素早く確実に実施でき、最適な隙間を確保しての亜鉛メッキ薄板の重ね合わせ溶接が確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示し、溶接用治具を備えたレーザ溶接システムの斜視図である。
【図2】 本発明の溶接用治具を突合せ溶接可能なものとした平面図である。
【図3】 本発明の溶接用治具を突合せ溶接可能なものとした正面図である。
【図4】 本発明の溶接用治具を突合せ溶接可能なものとした作用の平面図である。
【図5】 本発明の溶接用治具を突合せ溶接可能なものとした作用の正面図である。
【図6】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能なものとした正面図である。
【図7】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能なものとした作用の正面図である。
【図8】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能なものとした作用の正面図である。
【図9】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能なものとした作用の正面図である。
【図10】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能な作用と要部拡大の正面図である。
【図11】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能な第2実施形態と要部拡大の正面図である。
【図12】 本発明の溶接用治具を重ね合わせ溶接可能な第2実施形態と要部拡大の正面図である。
【図13】 本発明の溶接用治具でテーラードブランク溶接する実施形態の要部拡大正面図である。
【符号の説明】
10,11 被溶接部材
10´,11´ 薄板
10A,11A 端面
13 固定テーブル
13A 上面
15 可動テーブル
15A 上面
15B 上台,上部可動テーブル
15C 下台
15D 支持片
17,19 爪体
17A,19A 爪片
21,23 軸受体
30,31 爪体
50 間座
60 送りネジ棒(ボールネジ)
65 NC制御装置
100 レーザ溶接システム
100A 3軸直交移動体
100B 手首
200 レーザ溶接ヘッド
250,250´ 溶接用治具
250” 溶接用治具
400 レーザ電源部
B ベッド
C1〜C4 エアシリンダ
G 要求隙間
K 切欠
K1 第1拘束手段(エアシリンダCK、拘束バーKB)
K2 第2拘束手段(エアシリンダCK、拘束バーKB)
L 重ね合わせ寸法
LC レーザ溶接制御装置
LG リニアガイド
HC 高さ調節手段
HO 半導体レーザ発振器
h 間座高さ
h´ 両薄板の板厚寸法の差分
S1,S2,S3 位置決めストッパー
SL 垂直摺動面
SM 送り制御モータ(サーボモータ)
SMX〜SMZ 送りモータ
P1 第1押圧手段(エアシリンダ)
P2 第2押圧手段(エアシリンダ)
P3 第3押圧手段(エアシリンダ)
P4 第4押圧手段(エアシリンダ)
P1´〜P4´ 押板
PS 位置規制手段(ストップ片40,41)

Claims (3)

  1. 一対の被溶接部材をテーブル上に固定する溶接用治具であって、固定テーブルと可動テーブルとを適宜間隔に設置して備え、上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側には一対の被溶接部材の接近度合いの位置決めを行い且つ位置決め後は退却するストッパーを備え、上記位置決めストッパーの反対側となる固定テーブル及び可動テーブルの外側には各々の被溶接部材を各位置決めストッパーに押当てる第1押圧手段と第2押圧手段を備え、また、上記固定テーブル及び可動テーブルの片側部には各々の被溶接部材の側縁を受止める基準板を備え、更に、上記固定テーブル及び可動テーブルの反基準板側には各々の被溶接部材を基準板に押当てる第3押圧手段及び第4押圧手段を備え、更に、上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側には一対の被溶接部材の突合せ近傍を各々独立してクランプする第1拘束手段と第2拘束手段とを備え、上記各位置決めストッパーを一対の被溶接部材からの回避状態で、上記可動テーブルをリニアガイトとシリンダの駆動により一対の被溶接部材の突合わせ端面を接近位置決めする位置規制手段を上記固定テーブル及び可動テーブルの対面側に配置し
    上記固定テーブルの上面又は可動テーブルの上面の何れか一方を高さ位置決めする高さ調節手段を備え、上記固定テーブル又は可動テーブルに備える位置決めストッパーは、その何れか一方を交換可能とし、上記交換可能な位置決めストッパーは、突合わせ端面隙間をゼロ設定する切欠を持つ第1位置決めストッパーと、重ね合わせのオーバーラップ量を設定する切欠を持つ第2位置決めストッパーと、からなることを特徴とする溶接用治具。
  2. 上記高さ調節手段は、間座であることを特徴とする請求項1記載の溶接用治具。
  3. 上記高さ調節手段は、送り制御モータであることを特徴とする請求項1記載の溶接用治具。
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