JP4369218B2 - ヌメリとり剤 - Google Patents

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Description

この発明はヌメリとり剤に関し、特にエビのヌメリとりに関する。
冷凍剥きエビ等の冷凍魚介類を解凍した後の加工時においては、歩留まりの向上や発色をよくすることを目的として、リン酸塩などのアルカリ性調整剤が使用されている。特に発色は、アルカリ性でないとその効果が大きく低下するため、アルカリ性状態で用いることが必要となる。
しかし、アルカリ性環境においてはたんぱく質が溶解するため、上記のアルカリ性調整剤を用いると、ヌメリが発生する。また、アルカリ性調整剤を用いなくても、その冷凍魚介類が元来からヌメリを有する場合もある。これらのヌメリをそのままにしておくと触感に影響するため、予めこのヌメリを除去しておく必要がある。しかし、従来はこのヌメリを除去するために、大量の流水で洗浄するといった多大な時間と労力と資源とを消費する方法が用いられている。
そこでこの発明は、冷凍魚介類を解凍した後で生じるヌメリを簡便に取り除くことを目的とする。
この発明は、有機酸を含有する、冷凍魚介類用のヌメリとり剤によって上記の課題を解決したのである。
解凍した冷凍魚介類をアルカリ性である発色剤などの調整剤に浸すことでヌメリが増えた後、この発明にかかる有機酸からなるヌメリとり剤に浸すと、アルカリ性だった表面が中性又は酸性になり、ヌメリを生じるたんぱく質の溶解が起こりにくくなる。さらに、流水でヌメリを洗い落とすよりも短時間でヌメリをとるため、発色剤による発色効果やその他の調整剤による効果を失うことなくヌメリをとることができる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるヌメリとり剤は、有機酸を含有することを特徴とし、冷凍魚介類に付着するヌメリをとるために用いる。
上記有機酸としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、DL−酒石酸、L−酒石酸、乳酸、酢酸、フマル酸、DL−リンゴ酸、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸等のカルボン酸類や、フィチン酸等のリン酸類などが挙げられる。また、二酸化炭素、グルコノデルタラクトンなどのように、水に溶けて酸となるものも含む。
また、上記ヌメリとり剤に用いる有機酸の供給源は、上記の有機酸を含有する食酢やリンゴ果汁、柑橘果汁等の食材であってもよい。
上記ヌメリとり剤には、上記有機酸以外に、魚介類の種類や用途に合わせて、ビタミンC等の酸化防止剤、物性改良剤、pH調整剤、酸味料、強化剤などの食品添加剤が含まれていてもよい。また、アミノ酸類、糖類などの調味料が含まれていても良い。また、上記有機酸のナトリウム塩やカリウム塩などの塩類が、上記ヌメリとり剤全体で酸性を維持できる程度に含まれていても良い。
さらに、上記ヌメリとり剤は、酸性を有していれば、酸化防止剤、物性改良剤、pH改良剤、酸味料、強化剤などを兼ねたものであってもよい。例えば、ヌメリとり剤として作用するクエン酸と、酸化防止剤として作用するL−アスコルビン酸及び/又は日持向上剤として作用するグリシンとを混合した製剤を用いると、上記冷凍魚介類の処理工程を簡略化することができて望ましい。
上記ヌメリとり剤を使用する際には、上記有機酸の水溶液または希釈液に、ヌメリを取るべき上記食品を浸すことによって、ヌメリをとると望ましい。
上記ヌメリとは、主にたんぱく質がアルカリ性溶液に溶かされて生じるものであり、特に冷凍食品などを溶解させる際に、アルカリ性調整剤などの効果により生じるものがある。上記のアルカリ性調整剤としては、酸化防止剤、物性改良剤、pH改良剤、酸味料、強化剤、発色剤、日持向上剤などが挙げられる。またこのほかに、上記の魚介類が元々ヌメリを有している場合もある。
上記ヌメリとり剤は、元からヌメリを有する解凍した冷凍魚介類に対してそのまま用いてもよいが、上記アルカリ性調整剤によりヌメリが増加した後で用いると、特にその効果が有益である。上記有機酸により、アルカリ性の溶液を中和することによって、ヌメリを生じなくさせることができる。
上記ヌメリとり剤を、上記アルカリ性調整剤と、このアルカリ性調整剤の使用後に使用するヌメリとり剤とから構成される二段階製剤として用いるとより望ましい。上記ヌメリとり剤を上記のアルカリ性調整剤と同時に用いると、上記アルカリ性調整剤による効果を発揮できなくさせてしまうおそれがあり、また、上記ヌメリとり剤の効果も中和によって薄れてしまうおそれがあるからである。
このような二段階製剤は、特に、剥きエビ、イカ、タコなどの冷凍魚介類を解凍した後に用いるとよい。上記二段階製剤を構成するアルカリ性調整剤の水溶液に、上記の冷凍魚介類を浸して上記アルカリ性調整剤の効果を得た後、上記アルカリ性調整剤の水溶液から引き上げると、上記アルカリ性調整剤により、上記解凍食品がヌメリを伴うことになる。そこで上記解凍食品を、上記ヌメリとり剤の水溶液中に浸すと、簡便にヌメリをとることができる。
なお、上記冷凍魚介類を上記ヌメリとり剤に浸す時間は、2〜60秒程度であることが望ましい。長時間に亘って酸性である上記ヌメリとり剤の水溶液に浸されていると、上記アルカリ性調整剤による発色効果などが失われたり、味が変わってしまったりするおそれがあったりするためである。
また、上記の冷凍魚介類を上記ヌメリとり剤の水溶液から引き上げた後、付着している上記ヌメリとり剤を落とすために、短時間でも水で洗浄することが望ましい。上記ヌメリとり剤が表面に残存していると、上記解凍食品の味や保存性に影響を及ぼすおそれがある。ただし、上記ヌメリとり剤を用いずにヌメリをとる場合と同じほど長時間に亘って洗浄する必要はないので、上記解凍食品の旨味が洗浄により散逸してしまうおそれは少なくなる。
以下、実施例によりこの発明をより詳細に説明する。ベトナム産の冷凍剥きエビを解凍した後、表面の水分をふき取り計量した500g分について、以下の試験を行い、ヌメリの残存具合の他、歩留まり、鮮度感等を調べた。
ここで、用いる製剤は以下の通りである。
剥きエビ用品質改良剤製剤(SL−10:(株)アルス製)
・ピロリン酸四カリウム・・・・・・25.0%
・ピロリン酸四ナトリウム(無水)・25.0%
・炭酸ナトリウム(無水)・・・・・21.0%
・ポリリン酸ナトリウム・・・・・・12.0%
・L−グルタミン酸ナトリウム・・・・3.5%
・グリシン・・・・・・・・・・・・・2.0%
・酢酸ナトリウム(無水)・・・・・・2.0%
・食塩・・・・・・・・・・・・・・・9.5%
ヌメリとり剤(ヌメリクリン−SL:(株)アルス製)
・クエン酸(無水)・・・・60.0%
・クエン酸三ナトリウム・・10.0%
・糖類・澱粉・・・・・・・30.0%
3重量%の塩化ナトリウム水溶液に、3重量%分のSL−10を溶解させ、この中に上記の解凍した冷凍剥きエビを6時間浸漬させた。浸漬後に取り出した剥きエビを、1重量%のヌメリとり剤水溶液に10秒間浸漬させた後、20秒間水洗いをした。
6時間浸漬後と水洗い後の歩留まりを表1に示す。得られた剥きエビは、ヌメリが取り除かれてあり、色目に透明感があり、かつ赤みが出て鮮度感が高く、身が張ってプリプリ感もあった。また、ヌメリとり後の水洗いにより重量の減少が見られたが、その減少幅はわずかなものであった。
Figure 0004369218
比較例1
3重量%の塩化ナトリウム水溶液に、3重量%分のSL−10を溶解させ、これに解凍した冷凍剥きエビを6時間浸漬させた。浸漬後に取り出した剥きエビを、15分間流水で水洗いをした。
6時間浸漬後と水洗い後の歩留まりを表1に示す。得られた剥きエビは、色目に透明感があり、かつ赤みが出て鮮度感が高く、身が張ってプリプリ感もあったが、はっきりとしたヌメリが残存した。
比較例2
3重量%の塩化ナトリウム水溶液に、解凍した冷凍剥きエビを6時間浸漬させた。
6時間浸漬後の歩留まりを表1に示す。得られた剥きエビは、エビ本来のものと思われるヌメリが残った。また、色目に透明感がなく、身が白っぽくなってしまい、赤味も得られなかった。さらに、翌日にはドリップを生じてしまい、エビの有する旨味が失われてしまい、得られた歩留まり向上効果も失ってしまった。

Claims (2)

  1. 解凍した冷凍魚介類を、アルカリ性調整剤に浸した後に、有機酸を含有するヌメリとり剤に浸して、表面を酸性にし、ヌメリを除去する、冷凍魚介類の処理方法。
  2. 上記冷凍魚介類が剥きエビである、請求項に記載の冷凍魚介類の処理方法。
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