JP4368657B2 - キャップ、キャップ付ボトル缶 - Google Patents
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このような、キャップ付ボトル缶に被着されるキャップの内面側には、図9に示されるように、ライナ19が設けられている(特許文献1参照)。このライナ19の内面側には、ボトル缶の口金部に形成されカール部の圧接予定箇所32が形成され、このカール部の圧接予定箇所32の外周側に、第一の環状凸部30が形成されており、カール部の圧接予定箇所32の内周側には第二の環状凸部31が形成されている。
ミドルスリーブ52の先端部54の内周縁部には環状凹部56が形成されており、同外周縁部には環状凹部57が形成されている。
また、ミドルスリーブ52の上端部には、バネ等の弾性体59が設けられていることから、ミドルスリーブ52は、下方に付勢されている。
このように構成されたキャップ成形装置50を用いて、キャップシェル70の天板部71の内面側にライナ19を成形する。
まず、ライナ19を成形する際には、キャップシェル70の開口端部72を上方に向け、この開口端部72の上方からライナ成形樹脂73を挿入する。
そして、キャップ成形装置50のアウタースリーブ51とセンタースリーブ53を、キャップシェル70に挿入すると共に、僅かに遅らせて、ミドルスリーブ52をキャップシェル70に挿入する。
そして、ミドルスリーブ52は、このセンタースリーブ53とアウタースリーブ51との間にあふれ出したライナ成形樹脂73を押圧する。
ここで、キャップシェル70に挿入されるライナ成形樹脂73の挿入量によっては、センタースリーブ53とアウタースリーブ51との間にあふれ出すライナ成形樹脂73の量が多い場合がある。
そのため、従来のキャップ成形装置50においては、ミドルスリーブ52の上端部に弾性体59を設け、ライナ成形樹脂73に過大な圧力が生じた際には、この弾性体59が収縮し、ミドルスリーブ52が上方に移動することによって、ライナ成形樹脂73に生じる圧力を軽減することにしている。
つまり、ライナ成形樹脂成形物73がミドルスリーブ52の下面を押圧することにより、ミドルスリーブ52の上端部に設けられた弾性体59が収縮して、ミドルスリーブ52が上方へ変位させられることになる。
ここで、ライナ成形樹脂73が、ミドルスリーブ52に形成された環状凹部57を押圧することによって、ミドルスリーブ52を良好に上方に変位させることができるのであり、この環状凹部57が形成されていない場合には、ミドルスリーブ52は、上方に変位し難くなっている。
したがって、従来のキャップ成形装置50によれば、ミドルスリーブ52の先端部の内周縁部には環状凹部57が不可避的に形成されている。
このように構成された従来のキャップ成形装置50を用いて、キャップ成形すると、キャップの内面側に装着されるライナ19の外周縁部に環状凸部30が形成され、この環状凸部30の内周側にも、環状凸部31が形成されることになる。
そして、このように形成されたキャップシェル70をボトル缶の口金部に被着させることによって、ボトル缶内に充填された内容物を密封することになる。
つまり、従来のキャップ成形装置によって形成されたキャップをボトル缶の口金部に被着させると、口金部のカール部とライナの内周側に形成された環状凸部との間に内容物が溜まることになり、キャップを開栓した際に、内容物が流出するという問題があった。
このような、液だれは、例えば、ボトル本体の口金部にねじのところにキャップのライナからたれた内容物が付着し、乾燥すると、内容物の後が残って見栄えが悪くなったり、キャップの開け閉めがしにくくなったり、シール性が低下したりするという問題を引き起こすため不都合であった。
よって、本発明においては、キャップからの液だれが生じにくいキャップ、キャップ成形装置、及びキャップ成形方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、先端部にカール部が形成されている口金部を有するボトル缶に被着されるキャップにおいて、天板部の内面側にライナが設けられ、該ライナの内面に、前記カール部の圧接予定箇所より外周側に位置されて前記天板部の周方向に沿って延びる第一の環状凸部が形成され、前記カール部の圧接予定箇所より内周側に、前記天板部の周方向に沿う第二の環状凸部が形成されるとともに、該第二の環状凸部の内周面側から外周面側に連通する溝部が形成されていることを特徴とする。
この発明に係るキャップによれば、第二の環状凸部には溝部が形成されていることから、カール部と第二の環状凹部に内容物が付着したとしても、溝部を介してボトル缶内に戻ることになる。
この発明に係るキャップによれば、溝部の底部とライナの底部とが同位置であることから、カール部とライナの第二の環状凸部との間に溜まった内容物が、溝部を伝ってボトル缶内に戻る際に、何等抵抗を受けることなく流動することになる。
この発明に係るボトル缶によれば、ライナの第二の環状凸部とカール部との間に溜まった内容物が良好にボトル缶内に戻ることから、キャップを開栓した際においても液だれが生じ難いことになっている。
図1(a)は、この発明の第1の実施形態に係るキャップCを示す図であって、このキャップCは、キャップシェル70と、ライナ19とによって概ね構成されている。キャップシェル70は、天板部11と天板部11の周縁部に形成された周壁部12によって概ね構成されている。
周壁部12の上端部には、周方向に凹部と凸部とが交互に形成されたナール部13が形成されており、このナール部13の先端部には、ナール部13よりも縮径されたグルーブ14が形成されている。
また、グルーブ14の先端部には、ネジ形成予定部15が形成され、このネジ形成予定部15の先端部には僅かに拡径されたビード16が形成されており、このビード16にはスリット17とブリッジ17aとが交互に形成されている。さらに、ビード16の先端部には、フレア18が形成されている。
また、天板部11の内面側には、ライナ19が装着されており、このライナ19の外周縁部は、内周側よりも厚肉に形成された厚肉部33が形成されている。
また、第一の環状凸部30の内周側には、厚肉部33の底部33aから突出し、天板部11の周方向に沿って形成された第二の環状凸部31が形成されている。
図1(b)に示されるように、第二の環状凸部31には、溝部31aが等間隔に複数形成されている。
また、第一の環状凸部30と第二の環状凸部31との間は、環状の凹部とされたカール部の圧接予定部32が形成されている。このようなライナ19が形成されたキャップCは、キャップ成形装置50によって形成される。
図2に示されるように、キャップ成形装置50は、センタースリーブ53と、ミドルスリーブ52と、アウタースリーブ51とによって概ね構成されている。
図2に示されるように、ミドルスリーブ52は、円筒状に形成されており、センタースリーブ53の外周に設けられている。
また、ミドルスリーブ52の上端部は装置本体に固定されており、ミドルスリーブ52の先端部54は、センタースリーブ51の先端部55よりも装置本体側の上方に位置させられている。
環状凹部56が形成されており、内周縁部には、複数の凹部57と凸部60とが交互に環状に形成されている。
ここで、ミドルスリーブ52に形成された凹凸部57、60と、センタースリーブ52に形成された凹凸部60、57とが協働することによって、センタースリーブ53の先端部55の外周縁部と、ミドルスリーブ52の先端部54の内周縁部との間に、複数の凹部が環状配置されることになる。
つまり、凸部60と凸部61とは、工具本体の周方向に対して一致させられ、互いに当接するように設けられている。
また、センタースリーブ53に形成された凹部58と、ミドルスリーブ52に形成された凹部57とは、天板部11の周方向に一致するように設けられている。
このように構成されたキャップ成形装置50を用いて、ライナ19を成形するライナ成形工程がなされる。
図4(a)、(b)に示されるように、ライナ19を成形するに際して、まずキャップシェル70の開口端部72を上方に向け、キャップシェル70の天板部11の内面側の中心付近にライナ成形樹脂73を挿入する。
この際、アウタースリーブ51の上端部に設けられた弾性体59が引き伸ばされ、アウタースリーブ51に上方への引張力が生じる。
そして、図4(b)に示されるように、キャップシェル70はアウタースリーブ51によって上方に引き上げられ、ライナ形成樹脂組成物73はセンタースリーブ53及びミドルスリーブ52の下面に押圧される。
このため、ライナ成形樹脂73は、天板部71の内面側において薄く形成されることになる。その一方で、天板部71の外周縁部はアウタースリーブ51が当接させられていることから、アウタースリーブ51が囲む領域内で、ライナ成形樹脂73が変形することになる。
ミドルスリーブ52の先端部54はセンタースリーブ53の先端部55よりも上方に設置されていることから、ライナ成形樹脂73の外周縁部は厚肉部33が形成されることになる。
さらに、ミドルスリーブ52の先端部54の外周縁部には、環状凹部56が形成されていることから、厚肉に形成されたライナ成形樹脂73の外周縁部には、環状凸部30が形成される。
ここで、センタースリーブ52の先端部55には凸部61が形成され、ミドルスリーブ52の先端部54には凸部60が形成されていることから、ライナ成形樹脂73に形成される環状凸部31には溝部31aが形成されることになる。
しかし、このキャップ成形装置50においては、アウタースリーブ51の上端部にバネ等の弾性体59が形成されていることから、ライナ成形樹脂73に生じる圧力は、過大なものとならず、略一定に保つことができる。
つまり、キャップシェル70は、アウタースリーブ51によって工具本体の上方に向けて引き上げられ、このアウタースリーブ51は弾性体59の引張力によって工具本体の上方に向けて引き上げられる。
即ち、ライナ成形樹脂73が成形される際にライナ成形樹脂73に生じる圧力が過大なものとならないように、予め、弾性体59の初期値(例えば、バネの弾性係数など)を設定することによって、ライナ成形樹脂73がアウタースリーブ51とミドルスリーブ52との間に入り込むことを防止することができる。
このため、ライナ成形樹脂73の挿入量が多い場合には、適宜ライナ19の厚みLを調整することができる。
このように成形されたライナ成形樹脂73が硬化することによって、図1に示されるキャップCが成形される。
口金部4の上端部にはカール部4Cが形成され、カール部4Cの下端部にはネジ部4Bが形成され、また、ネジ部4Bの下端部には拡径されたかぶら部4Aが形成されている。
キャップCをボトル缶1の口金部4にキャッピング装置20を用いて被着させる。
図6(a)(b)に示されるように、キャッピング装置20は、キャップCの天板部11を押圧するインサート22と、キャップCの肩部を押圧して段差部を形成するブロックインサート21と、キャップCのねじ形成予定部15にねじ部を形成するROローラ23と、キャップCのフレア18をボトル缶1のかぶら部4Aに巻き締めるPPローラ24とから概ね構成されている。
さらに、PPローラ24がフレア18をかぶら部4Aに巻き締めることにより、図7に示されるように、キャップCがボトル缶1の口金部4に被着されることになる。
図8に示されるように、キャップCがボトル缶1の口金部4に被着されると、カール部4CがキャップCのカール部の圧接予定箇所32に当接され、ライナ19の環状凸部30がカール部4Cの側面に押圧され、ボトル缶1が密封されることになる。
ここで、カール部4Cの内周面と、ライナ19の環状凸部31との間には、ボトル缶1内に充填された内容物が溜まる場合がある。
このため、カール部4Cと環状凸部31との間に溜まった内容物が、溝部31aを介してボトル缶1内に戻ることになる。
つまり、カール部の内周面と環状凸部との間に内容物が溜まり難い構成となっていることから、液だれが生じ難いことになっている。
したがって、ボトル缶1のネジ部4BのところにキャップCのライナ19からたれた内容物が付着し、乾燥することにより、内容物の後が残って見栄えが悪くなったり、キャップCの開け閉めがしにくくなったり、シール性が低下したりするという問題を解決することができる。
つまり、環状凸部31はキャッピングのいわゆるセンタリングとしての機能を発揮することから、良好にキャップCを口金部4に被着させることができる。
なお、本実施形態においては、環状凸部31に形成された溝部31aの底部が厚肉部33の底部33aと一致させられて形成されているが、これに限られない。
例えば、溝部31aの底部が、厚肉部33の底部33aよりも缶底方向に位置するように形成されてもよい。
このような形状をしたライナ19を成形するには、キャップ成形装置50のセンタースリーブ53とミドルスリーブ52とを交換することによって成形することができる。
即ち、本発明に係るキャップ成形装置50によれば、センタースリーブ53とミドルスリーブ52を交換することによって、種々の形状のライナを成形することができる。
11 天板部
19 ライナ
30 環状凸部(第一の環状凸部)
31 環状凸部(第二の環状凸部)
31a 溝部
50 キャップ成形装置
51 アウタースリーブ
52 ミドルスリーブ
53 センタースリーブ
56 環状凹部(第一の環状凹部)
57 凹部
58 凹部
60 凸部
61 凸部
Claims (3)
- 先端部にカール部が形成されている口金部を有するボトル缶に被着されるキャップにおいて、
天板部の内面側にライナが設けられ、該ライナの内面に、前記カール部の圧接予定箇所より外周側に位置されて前記天板部の周方向に沿って延びる第一の環状凸部が形成され、前記カール部の圧接予定箇所より内周側に、前記天板部の周方向に沿う第二の環状凸部が形成されるとともに、該第二の環状凸部の内周面側から外周面側に連通する溝部が形成されていることを特徴とするキャップ。 - 請求項1に記載のキャップにおいて、
前記第二の環状凸部がライナの底部から缶底方向に突出すると共に、前記溝部の底部が前記ライナの前記底部に位置させられていることを特徴とするキャップ。 - 請求項1又は2に記載のキャップが口金部に被着されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
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