JP4368600B2 - 超電導コイル装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超電導撚線及び超電導撚線を使用したコンジット強制冷却型導体を使用する超電導コイル装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超電導コイル装置においては、次のように導体接続部を構成し、製造していた。まず、超電導導体のコンジットの先端部分を除去して、超電導撚線がコンジットから露出された状態とする。次に、通電用管を含む複合金属管がコンジットに溶接され、さらに、この複合金属管の端部にステンレス鋼製配管継手が溶接される。その後、通電用管をかしめ加工して縮径し、通電用管を超電導撚線に圧着させる。そしてさらに、接続されるべき2本の超電導導体が相互の導体接続部を平行にして並べられ、各々の超電導導体の通電用管が、接続片を介して相互にはんだ付けされて固定される。
【0003】
電流は、超電導コイル装置に通電された際、一方の超電導導体の通電用管から接続片を通り、次にはんだ層を通って、他方の超電導導体の通電用管に至る。通電用管はかしめられて超電導撚線に密着しているため、通電用管と超電導撚線の接触界面を通して電流が超電導撚線へと流れ、超電導コイル装置本体に流れる。
【0004】
一方、超電導コイル装置を冷却する冷媒ヘリウムは、端部に接続された配管継手から超電導導体の内部に流入し、超電導撚線内の空隙に浸透流入する。そして、このように構成された超電導コイル装置に通電すると、超電導コイル装置の本体内空間のみならず、導体接続部にも強い磁場が発生する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−332414号公報(第2−3頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超電導コイル装置は上述のように構成されているので、通電用管と超電導撚線との間の電気接続は、かしめによって圧着されているのみである。超電導コイルをくり返し通電すると、繰返し荷重が導体接続部に作用し、ひいては通電用管と超電導撚線との間のかしめによる密着が緩み、電気抵抗が増大して、超電導コイルが過熱し、超電導破壊するか、もしくは冷凍負荷が異常に増大して冷凍機が運転不可能となり、さらに超電導コイル装置が運転不可能となるおそれがあった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、繰返し運転に対しても長期的に安定した状態を保つことができ信頼性が向上する超電導コイル装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る超電導コイル装置は、超電導撚線を金属管内に収納するとともに金属管内に冷媒が流通するコンジット型の超電導導体が、複数条直列に接続されてなる超電導コイル装置において、複数条の超電導導体は、端部に形成された導体接続部に各々通電用管を有しており、通電用管は、導体で作製されて管状をなし、金属管に気密に接続され、金属管から突出する超電導撚線を全体にわたって覆うとともに超電導撚線に対して密着縮径加工されており、複数条の超電導導体は、通電用管の外部表面を相互に電気的に接続されて、1条の超電導コイルを形成しており、通電用管の内周面と超電導撚線の外周面とが溶融接続金属により機械的及び電気的に接続されており、通電用管の内周面には、溶融した溶融接続金属が通電用管の内周面と超電導撚線の外周面との間の接触界面に選択的に浸透するよう案内する溶融接続金属導入溝が通電用管の軸線に沿って形刻されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の超電導コイル装置の斜視図である。図1において、複数条の超電導導体3を巻回してなる超電導コイル装置1は、各条の両端にある導体接続部2を介して各導体条間の電気的接続が行われ、超電導コイル装置1の全体が多数ターンを有する電気巻線となっている。
【0010】
図2は図1の超電導コイル装置の超電導導体3の斜視図である。超電導導体3は図2に示すように、例えば直径0.5〜1mm程度の太さの超電導線を多数撚り合せてなる超電導撚線4を、角型金属管(コンジット)5に密閉して収納したものである。超電導撚線4は、超電導線を多数撚り合せて構成されているので、各超電導線間には微小な隙間が形成されている。この隙間には超電導コイル装置1を冷却する目的で、後述する冷媒ヘリウムが流通される。このような構成の超電導導体3は、いわゆる内部強制冷却型超電導導体と称されている。
【0011】
図1の導体接続部2における超電導導体3の外観を図3に示す。また、図1の導体接続部2の詳細断面を図4に示す。図4のV−V線に沿う矢視断面を図5に示す。さらに、図5における一側の通電用管6aの拡大断面を図6に示す。図3から図6において、超電導コイル装置の導体接続部2においては、2条の超電導導体3a,3bの端部が、互いの通電用管6a,6bを相互に平行になるように対向して配置されている。
【0012】
ここで、説明のために、一側の超電導導体3aの端部に設けられた超電導撚線、角型金属管、通電用管、はんだ層、冷媒管及びはんだ導入溝を、それぞれ超電導撚線4a、角型金属管5a、通電用管6a、はんだ層8a、冷媒管10a及びはんだ導入溝15aとして表し、一方、他側の超電導導体3bの端部に設けられた超電導撚線、角型金属管、通電用管、はんだ層、冷媒管及びはんだ導入溝を、それぞれ超電導撚線4b、角型金属管5b、通電用管6b、はんだ層8b、冷媒管10b及びはんだ導入溝15bとして表す。説明は、主に一側の超電導導体3aについて説明するが、他側の超電導導体3bの端部構造もこれと同様なものである。
【0013】
超電導導体3aの導体接続部2においては、角型金属管5aの端部に円筒状の通電用管6aが軸線方向に突出するように接続されている。通電用管6aは、後で述べるように、複数の超電導導体3a,3bが直列に接続されて1つの超電導コイル装置となる場合の導体接続部2における通電路となる。そのため、通電用管6a,6bとしては、通常、電気抵抗が小さい銅管が使用されている。
【0014】
そして、超電導導体3aの端部において、超電導撚線4aが通電用管6aにより覆われている。通電用管6aは超電導撚線4aを収納する角型金属管5aの端部に、継手を介して例えば溶接等により気密に接合されており、超電導導体3a端部の気密性が確保されている。
【0015】
超電導撚線4aを構成する超電導素線は通常は銅であり、この銅は素線の表面に露出している。通電用管6aは超電導撚線4aに対して密着縮径加工され、さらに超電導撚線4aの外周面と通電用管6aの内周面とは、はんだ層8aによりはんだ接合されている。また、通電用管6aの先端には、冷媒管10aが接続されている。
【0016】
この超電導導体3aの端部と接続される他の超電導導体3bの端部は、上述のように向かい合って互いに同じ構造をなしている。これら2つの超電導導体3a,3bの端部は、互いの通電用管6a、6bの外周面が、導体間接続片7を介して、はんだ層9によりはんだ接合されている。そして、図3及び図6に示されるように、通電用管6aの内周面には、軸線に沿って溶融接続金属導入溝としてのはんだ導入溝15aが形刻されている(溶融接続金属導入溝形成工程)。
【0017】
次に動作について説明する。超電導コイル装置1は、内部に冷媒である超臨界ヘリウムが流通され、図示しない保冷容器内で4.5Kの極低温に冷却される。超電導導体3a,3bを含む多数の超電導導体の条は、互いに端部を直列に接続されて一つの気密冷却回路を構成し、導体接続部2において、図4に示される端部の冷却管10aから冷媒ヘリウムが出入する。
【0018】
導体接続部2における通電用管6aの内部の超電導撚線4aでは、超電導撚線4aの隙間を通して冷媒ヘリウムが流れ、超電導導体3aを極低温に冷却保持する。このように超電導撚線4aは、コイルを形成するとともに冷媒ヘリウムの流路でもあるため、はんだは超電導撚線4aと通電用管6aの内面との接触界面以外に存在することは望ましくない。
【0019】
超電導コイル装置1が所定の温度に冷却された後に、超電導コィル装置1には所定の電流が通電され、所定の磁場を発生する。導体接続部2においては、図4に示すように構成されているので、電流は超電導撚線4aからはんだ層8aを通り、さらに通電用管6aの壁を通り、はんだ層9を通り、導体間接続片7を通って対となる超電導導体3b側へと流れる。
【0020】
通常は銅製である通電用管6aとはんだ層8a,9は、常電導体であり電気抵抗がある。当然超電導コイル装置の損失は、できるだけ少なくされる必要があり、導体接続部2の電気抵抗は低いことが望ましい。低い電気抵抗を実現するため、はんだ層8a,9は薄く且つ広い面積で接合されていることが必要である。
【0021】
図7は本実施の形態の導体接続部2での製造過程におけるはんだ付けの方法を示すもので一側の超電導導体3aの端部のみを詳細に示す断面図である。超電導撚線4aを収納した通電用管6aは、ヒータ14によりはんだ融点以上の所定の温度に加熱され、加熱された状態ではんだ11が差込まれる。
【0022】
使用するはんだ材としては、例えば流れがよい4Pb−6Snはんだ(通称4分6はんだ)を使用することが望ましい。この製造過程により、供給されて溶融したはんだは、図3及び図6に示したはんだ導入溝15aに沿って超電導撚線4aの軸線方向へと浸透し、通電用管6a内周面の周方向に通電用管6aと超電導撚線4aの接触界面に沿って広がり、通電用管6aと超電導撚線4aの間に選択的にはんだ接合がなされる(接続工程)。これにより、はんだの存在が望ましくない超電導撚線4a内部へのはんだの浸透が防止される。そして、はんだは、通電用管6aと超電導撚線4aとの間に選択的に浸透するので、超電導撚線4a内部の隙間がはんだにより閉塞することはなく、冷媒ヘリウムが過大な圧力損失無しに流通する。
【0023】
超電導コイルに電流が通電されると、超電導コイルにはいわゆる拡張力という超電導コイルの半径方向外側に作用する電磁力が発生する。この電磁力は、超電導導体3aの軸線方向への張力に変換される。超電導導体3aの端部では、この電磁力に起因して、超電導撚線4aと通電用管6aとが軸線方向にずれようとする力が作業するが、超電導撚線4aと通電用管6aがはんだ付けされているので、超電導撚線4aは繰返し通電によっても長期間安定で機械的強度が保持され且つ低電気抵抗となる。
【0024】
このような構成の超電導コイル装置1は、超電導撚線4a,4bを金属管5a,5b内に収納するとともに金属管5a,5b内に冷媒である冷媒ヘリウムが流通するコンジット型の超電導導体3a、3bが、複数条直列に接続されてなる超電導コイル装置にであって、複数条の超電導導体3a、3bは、端部に形成された導体接続部2に各々通電用管6a、6bを有しており、通電用管6a、6bは、導体で作製されて管状をなし、金属管5a,5bに気密に接続され、金属管5から突出する超電導撚線4a,4bを全体にわたって覆うとともに超電導撚線4a、4bに対して密着縮径加工されており、複数条の超電導導体3a、3bは、通電用管6a,6bの外部表面を相互に電気的に接続されて、1条の超電導コイルを形成しており、通電用管3a、3bの内周面と超電導撚線4a,4bの外周面とが溶融接続金属としてのはんだにより機械的及び電気的に接続されている。
【0025】
通電用管6a,6bの内周面には、溶融したはんだが通電用管6a,6bの内周面と超電導撚線4a,4bの外周面との間の接触界面に選択的に浸透するよう案内するはんだ導入溝(溶融接続金属導入溝)15aが、それぞれ通電用管6a,6bの軸線に沿って形刻されている。そのため、繰返し運転に対しても長期的に安定した状態を保つことができ信頼性が向上する。
【0026】
このような構成の超電導コイル装置の製造方法は、通電用管6a,6bの内周面に、通電用管6a,6bの軸線に沿ってはんだ導入溝(溶融接続金属導入溝)15aを形刻する溶融接続金属導入溝形成工程と、このはんだ導入溝15aに溶融した溶融接続金属としてのはんだを導入し、このはんだを溶融接続金属導入溝15によって、通電用管6a,6bの内周面と超電導撚線4a,4bの外周面との間の接触界面に選択的に浸透させて接続する接続工程とを有するので、繰返し運転に対しても長期的に安定した状態を保つことができ信頼性が向上する超電導コイル装置1を用意に作成することができる。
【0027】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2の超電導コイル装置の通電用管の横断面図である。上記の実施の形態1では、通電用管6aの内部のはんだ導入溝15aが円弧形のものについて述べたが、図8に示すようにはんだ導入溝の形状を、断面矩形のものとすることではんだの軸線方向の浸透効果を高くすることができる。この理由を図9により説明する。図9の(a)では断面円弧状のはんだ導入溝15aに、はんだ17aが流れる場合の断面図を示している。はんだはほぼ均一な厚さで溝に沿って流れる。一方、同図の(b)で示す断面矩形状のはんだ導入溝16aの場合は、特に角部ではんだの厚さが大きく、且つはんだ表面形状からくる表面張力効果により底部のはんだの厚さも厚い。従って断面全体としてはんだ部分が占める断面積が大きくはんだをより多く導くことができる。
【0028】
このような考察に基づき発明者らが図9に示した溝に沿ってはんだを浸透させる実験をしたところ、図10に示す結果が得られた。同図に示すように断面円弧形のはんだ導入溝15aでははんだの溝長手方向の濡れ長さが10mm程度であるのに対し、断面矩形のはんだ導入溝16aではその5倍以上の濡れ長さが得られたことから、断面矩形のはんだ導入溝16aによるはんだ浸透力向上効果が裏付けられた。
【0029】
このように本実施の形態2では、超電導コイルの導体接続部2において、通電用管6a内面のはんだ導入用溝61aの形状を断面矩形の形状としたので、はんだがより確実に広い範囲に浸透し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0030】
実施の形態3.
図11はこの発明の実施の形態3の超電導コイル装置の通電用管の横断面図である。図12は図11の超電導コイル装置の導体接続部の縦断面図である。上記実施の形態1では、通電用管6aの端部からはんだを差すはんだ付け施工法の場合について述べたが、図11に示すように、通電用管6aの中間部にはんだを差すための溶融接続金属導入孔としてのはんだ導入孔13aを穿孔し、このはんだ導入孔13aからはんだ12を差すようにしてもよい。このような工法においては、導体接続部2が長い場合であっても、その奥部まで確実にはんだを浸透させることができる。この場合の導体接続部2の気密構造は図12に示すような気密箱25を使用すると有効である。また強制冷却型導体の金属管に多数穴をあけて保冷容器内と導体内との間で冷媒ヘリウムを流通させる形式の超電導コイル装置の場合にも有効である。
【0031】
このように本実施の形態3は、超電導コイルの導体接続部2において、通電用管6a長手方向の中間部に溶融接続金属導入孔としてのはんだ導入孔13aを設けたので、はんだが導体接続部2の長手方向奥までに確実に浸透し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
尚、本実施の形態3は、実施の形態1と同様に通電用管6aの端部からはんだを差す工法と併用するようにしてもよい。
【0032】
実施の形態4.
図13はこの発明の実施の形態4の超電導コイル装置を説明するはんだの特性の特性図である。上記実施の形態1では、導体接続部2の超電導撚線4aと通電用管6a内面との間を接続するはんだ材について4分6はんだを使用する場合について述べたが、はんだ材として95wt%以上錫を含有する錫はんだ(Snはんだ)を使用すると、4分6はんだ使用の場合より電気抵抗が小さい導体接続部2とすることができる。
【0033】
図13によりこれを説明する。同図は4分6はんだ(4Pb−6Snはんだ)と錫はんだ(Snはんだ)の極低温での電気抵抗率の測定結果を示したもので、縦軸ははんだの電気抵抗率[Ωm]を表し、横軸は磁場の大きさ[T]を表している。磁束密度が極端に小さく0に近い磁束密度領域では4分6はんだの方が電気抵抗率が小さいものの、僅かに磁場が印加されて磁束密度が1T以上となると、4分6はんだの電気抵抗率は錫はんだより3倍以上高くなる。これは4分6はんだが小さい磁束密度領域では超電導性を示すが磁場が僅かに印加されると超電導破壊して高い電気抵抗率を示す性質があるためである。通常超電導コイルの導体接続部2でも1T以上の磁束密度があり、このような一般的な場合は錫はんだを使用した導体接続部2の方が電気抵抗が小さくなる。
【0034】
このように本実施の形態4では、超電導コイルの導体接続部2において、超電導撚線4aと通電用管6a内面との間を接合するはんだ材として錫はんだを使用するようにしたので、電気抵抗が少なく、発熱が小さい超電導コイル装置が得られる効果がある。
【0035】
実施の形態5.
図14はこの発明の実施の形態5の超電導コイル装置を説明するはんだの特性のデータ図である。上記実施の形態1では、導体接続部2の超電導撚線4aと通電用管6a内面との間を接続するはんだ材について4分6はんだを使用する場合について述べたが、はんだ材として燐を微量に含むはんだを使用すると、4分6はんだ使用の場合よりはんだの濡れが良好となる。
【0036】
この利点を図14により説明する。同図は発明者らがはんだ材の種類により接合材との濡れ性がどのように変るかを実験した結果である。通常の超電導コイルの導体接続部2では、超電導線の表面は銅であり、通電用管6a材料も銅であるので、これらを模擬するため加熱した銅板上にはんだを置いて、銅板表面と溶融したはんだ流表面との間の角度、つまり接触角を測定したものである。接触角は小さい程濡れ性が良いことを意味する。
【0037】
同図に示すように、燐を含まない4分6はんだの接触角が90度と大きいのに対し、燐入りはんだでは接触角が45度と小さく、両者のはんだの間の濡れ性の差は明らかで、燐入りはんだの濡れ性が優れている。従って燐入りはんだの軸線方向の浸透効果が高くなる。
【0038】
このように本実施の形態5では、超電導コイルの導体接続部2において、超電導撚線4aと通電用管6a内面との間を接合するはんだ材として浸透性が高い燐入りはんだを使用するようにしたので、はんだがより確実に広い範囲に浸透し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0039】
実施の形態6.
図15はこの発明の実施の形態6の超電導コイル装置を説明するはんだの特性のデータ図である。上記実施の形態1では、超電導体の種類について特に述べなかったが、超電導体が1例えばNb3Snのような超電導コイルの巻線形状成型後に高温の超電導体生成のための熱処理が必要なものに適用する場合は、はんだの濡れが向上する効果がある。
【0040】
Nb3Sn超電導導体3aを使用した超電導コイルのNb3Sn生成熱処理は、600〜700℃の高温で100〜500時間もの長時間熱処理である。この熱処理過程で、超電導導体3aの金属管内を炉内雰囲気と隔離した気密構造とし、金属管内部に清浄な不活性ガス、たとえばArガスを流通させると、超電導撚線4aの撚線製造工程で不可避的に付着している有機物が、ベーキング効果によりほぼ完全に除去できる。
【0041】
超電導撚線4aの表面に付着している有機物は、はんだの超電導撚線4a表面に対する濡れ性を阻害するが、この除去処理により濡れ性低下を防止することができる。図15はNb3Sn生成熱処理中に有機物除去処理を施したNb3Sn超電導線と、生成熱処理を施さないNb3Sn超電導線の表面に付着している油脂の量の測定結果例を示す。同図に示すようにNb3Sn生成熱処理と組合された有機物除去処理の効果は著しく、有機物はほぼ完全に除去される。従ってはんだの軸線方向の浸透効果が高くなる。
【0042】
このように本実施の形態6では、Nb3Sn等高温により超電導体生成熱処理をコイル成型後に実施する超電導コイルの導体接続部2の、超電導撚線4aと通電用管6a内面との間を接合にはんだ付けを適用するようにしたので、はんだ濡れを阻害する有機物が除去され、はんだがより確実に広い範囲に浸透し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0043】
実施の形態7.
図16はこの発明の実施の形態7の超電導コイル装置を説明するはんだの特性のデータ図である。上記実施の形態1では、超電導撚線4aを構成する超電導素線の表面が銅である場合について述べたが、超電導素線の表面はクロムメッキされていると、超電導撚線4a内へのはんだ浸透がより確実に防止できる効果がある。撚線で構成された超電導導体3aで、超電導コイル装置が、電流または磁場が変化するような使用条件である場合、超電導素線間に誘起される電流による発熱損失を防ぐために、超電導素線の表面をクロムメッキする場合がある。
【0044】
このような超電導撚線4aを使用した超電導導体3aに適用する場合は、超電導撚線4aが通電用管6aと接触する面に露出している超電導素線表面のクロムを、例えばサンドブラスト処理により除去し超電導素線の下地の銅を露出させ、しかる後に通電用管6aで超電導導体条端部を被覆する。
【0045】
クロムメッキは、はんだの濡れ性が悪いので、このように構成すると、はんだを超電導撚線4aと通電用管6aの境界にさした時に、クロムメッキに覆われている超電導線の内部へのはんだ浸透が強く抑制される。図16は発明者らがクロムメッキの有無が超電導撚線4a内部へのはんだ浸透にどの程度影響するか実験した結果であり、同図によればクロムメッキ無し超電導撚線4aの場合、撚線内部へのはんだの浸透が撚線内空隙の約80%にもなることに対し、クロムメッキ有り超電導撚線4aの場合、撚線内部へのはんだ浸透は5%程度と軽微である。一方超電導撚線4aの超電導撚線の外周表面に露出する部分はクロムメッキが除去されているので、はんだの濡れ性に障害がなく、超電導撚線4aの超電導撚線の外周表面に露出する部分の通電用管6a内面に対するはんだ付けは良好のままである。
【0046】
このように本実施の形態7では、超電導素線の表面にクロムメッキが施されている超電導撚線4aを使用する超電導コイルの導体接続部2の、超電導撚線4aの超電導撚線の外周表面に露出する部分と通電用管6a内面との間を接合にはんだ付けを適用するようにしたので、超電導撚線4a内部にはんだが浸透せず、冷媒ヘリウムの流れが阻害されず、結果として超電導導体3aの冷却が良好な導体接続部2を得られる効果がある。
【0047】
実施の形態8.
図17はこの発明の実施の形態8の超電導コイル装置の通電用管の斜視図である。上記実施の形態1では、超電導撚線4aが金属管5a内に収納された内部強制冷却型超電導導体を使用する場合について述べたが、超電導撚線4aが剥き出しであり金属管5aが無い形式の超電導コイル装置においても、はんだ導入溝15aを有する通電用管6aを適用すると、冷却性に優れた超電導コイル装置とすることができる。
【0048】
金属管を使用する超電導導体3cは通常、高い強度と高い耐電圧性能が必要な超電導コイル装置に適用されるが、一方で所定の容器内に貯液された液体ヘリウム等の静止液体冷媒に超電導撚線4aを直接沈めるタイプの超電導コイル装置と比較すると、冷却性能が不十分である。冷却性能をより重視し撚線4aが冷媒液に直接露出する形式の超電導コイル装置の導体接続部2に実施する場合を説明する。
【0049】
図17に示すように、超電導導体3cの端部において、超電導撚線4aと超電導撚線4aに密着縮径加工された通電用管6aの構成は実施の形態1に示した図3と同様である。このように構成された導体接続部2では、超電導撚線4aと通電用管6aの間に施工するはんだを通電用管6aの両端から実施することができ、導体接続部2の全長にわたりより確実にはんだを浸透させることができる。
【0050】
このような構成の超電導コイル装置は、所定の容器内に貯液された静止液体冷媒に直接沈められる超電導撚線4aを有する超電導導体3cが、複数条直列に接続されてなる超電導コイル装置において、複数条の超電導導体3cは、端部に形成された導体接続部2に各々通電用管6aを有しており、通電用管6aは、導体で作製されて管状をなし、超電導撚線4aの端部を全体にわたって覆うとともに超電導撚線4aに対して密着縮径加工されており、複数条の超電導導体3cは、通電用管6aの外部表面を相互に電気的に接続されて、1条の超電導コイルを形成しており、通電用管6aの内周面と超電導撚線4aの外周面とが溶融接続金属としてのはんだ8aにより機械的及び電気的に接続されており、通電用管6aの内周面には、溶融したはんだ8aが通電用管6aの内周面と超電導撚線4aの外周面との間の接触界面に選択的に浸透するよう案内する溶融接続金属導入溝15aが通電用管6aの軸線に沿って形刻されている。
【0051】
そのため、撚線4aのみからなる超電導導体3cを使用する超電導コイルの導体接続部2において、通電用管6aの両端からはんだ付けを施工するようにしたので、はんだが導体接続部2の全長に確実に浸透し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0052】
実施の形態9.
図18はこの発明の実施の形態9の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。上記実施の形態1では、導体接続部2の超電導撚線4aと通電用管6a内面との間のはんだ接続施工の雰囲気について述べなかったが、はんだ接続施工時の雰囲気を水素を含む不活性ガス、例えば水素添加窒素ガスとすると、はんだの濡れが良好となる。
【0053】
図18に本実施の形態を説明する図を示す。超電導コイルの端部は気密室18に設置され、他の端部は図示しないが、気密に閉塞されている。気密室は真空ポンプ19により初期の大気状態から真空引きされ、次に容器20から水素添加窒素ガスが気密室内に導入される。この結果、通電用管6aの内部が水素添加窒素ガス雰囲気となる。この状態のままヒータ14により通電用管6aをはんだ溶融温度以上の温度に加熱すると、水素の還元作用により、通電用管6aと超電導撚線4aの接続する面の銅表面の酸化膜が除去され、気密室18に設けられた図示しない気密グローブにより作業者が気密室18の外部からはんださし作業することにより、銅管内面へのはんだ材の浸透が良く、良好なはんだ付けができる。
【0054】
このように本実施の形態9では、超電導コイルの導体接続部2のはんだ施工において、水素を含む不活性ガス雰囲気中ではんだ付けするようにしたので、はんだの浸透を阻害する酸化膜が表面から除去され、はんだの浸透性が向上し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0055】
実施の形態10.
図19はこの発明の実施の形態10の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。上記実施の形態9では、端子間内部にガスを流さない場合について述べたが、はんだ接続施工時に水素を含む不活性ガスを通電用管内部に流すと、はんだの濡れが良好となる。
【0056】
図19に本実施の形態を説明する図を示す。超電導コイルの導体接続のためのはんだ付けをしようとする端部の反対側の端部は、水素添加窒素ガス容器20に接続され、はんだ付けする通電用管6aの端部から水素添加窒素ガスが大気に放出される。この結果、超電導導体3a内部と通電用管6a内部が水素添加窒素ガス雰囲気となる。この状態のままヒータ14により通電用管6aをはんだ溶融温度以上の温度に加熱すると、水素の還元作用により、通電用管6aと超電導撚線4aの接続する面の銅表面の酸化膜が除去され、はんだを通電用管端部から差すことにより銅管内面へのはんだ材の浸透が良く、良好なはんだ付けが得られることは実施の形態9と同じであるが、気密雰囲気室と真空ポンプが不要で、はんだ付け施工のための設備が簡易で、安価に施工できる。
【0057】
このように本実施の形態10では、超電導コイルの導体接続部2のはんだ施工において、水素を含む不活性ガスを通電用管内に流すようにしたので、はんだ付け施工のための設備が簡易で安価に施工できる効果がある。
【0058】
実施の形態11.
図20はこの発明の実施の形態11の超電導コイル装置を示す加熱パターン図である。上記実施の形態9および実施の形態10では、導体接続部2の超電導撚線4aと通電用管6a内面との間のはんだ接続施工の加熱条件について述べなかったが、はんだ接続施工時の加熱条件を、所定温度到達後、所定時間保持した後にはんださし施工すると、はんだの濡れを良好とすることができる。
【0059】
図20に本実施の形態を説明する図を示す。実施の形態9と同様に、超電導コイルの端部を水素添加窒素ガス雰囲気に保つか、または実施の形態10と同様に通電用管6a内部に水素添加窒素ガスを流すことは、それぞれ実施の形態9または実施の形態10と同様である。いずれの実施の形態でも、通電用管6a内部を所定のガス雰囲気にした後、図20に示すように通電用管6aを加熱する(予備加熱工程)。加熱温度は、発明者らの実験によれば、銅表面の大気雰囲気下で生成された酸化膜を除去するためには300℃以上が必要である。保持時問は同じく発明者らの実験によれば、銅表面の酸化膜を除去するために30秒以上が必要であった。従って300℃以上に30秒以上加熱保持すれば銅表面の酸化膜を除去できる。
【0060】
この加熱保持過程で、水素の還元作用により、通電用管6aと超電導撚線4aの接続する面の銅表面の酸化膜が除去され、はんださし作業することにより、銅管内面へのはんだ材の浸透が良く、良好なはんだ付けができる。
【0061】
このように本実施の形態11では、超電導コイルの導体接続部2のはんだ施工において、水素を含む不活性ガス雰囲気中または通電用管6a内に同ガスを流しつつ、300℃以上の温度に30秒以上保持した後はんだ付けするようにしたので、はんだの浸透を阻害する酸化膜が除去され、はんだの浸透性が向上し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0062】
実施の形態12.
図21はこの発明の実施の形態12の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。なお、上記実施の形態1では、導体接続部2の超電導撚線4aと通電用管6a内面との間のはんだ接続施工をはんだを差す工法とすることについて述べたが、はんだ接続施工時にはんだを差す替りに通電用管6aを溶融はんだ槽に浸漬する工法にすると、はんだ付けの品質が向上する。
【0063】
図21に本実施の形態を説明する図を示す。図示しない超電導コイル本体部分の端部の通電用管6aは、ヒータ23によりはんだ22が加熱され溶融状態を保持されているはんだ槽21に浸漬され、通電用管6a内部にはんだが導入される。はんだは超電導撚線4aと通電用管6a内面との接触界面を選択的に浸透し、超電導導体3aと通電用管6aははんだ付けされる。はんだを差す場合、はんだを加熱溶融し、流動させて浸透させると、固体はんだ表面の酸化膜、溶融したはんだ表面の新たな酸化膜がはんだとともに移動するが、酸化膜は固体であり、流動性が悪いので、有効な接合に寄与しないのみならず、溶融はんだの浸透をブロックするという悪影響がある。これに対して本実施の形態では、はんだ溶融槽の表面下の大気に晒されていないはんだが通電用管6a内に浸透するので、このようなはんだ酸化皮膜の侵入を防ぐことができ、良好なはんだ付けができる。
【0064】
また、図22に示すように、通電用管6a内に水素入り不活性ガス容器20からガスを供給しつつ溶融はんだ槽に通電用管6aを浸漬しても良い。
【0065】
このように本実施の形態12では、超電導コイルの導体接続部2のはんだ施工において、通電用管6aを溶融はんだ槽に浸漬する施工とするようにしたので、流動性を阻害する酸化はんだの浸入を防ぐことにより、はんだの浸透性が向上し、結果としてはんだ付け品質が向上する効果がある。
【0066】
実施の形態13.
図23はこの発明の実施の形態13の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。上記実施の形態1では、導体接続部2の超電導撚線4aと通電用管6a内面との間のはんだと通電用管6a外面と導体間接続片の間のはんだを同一のものとして説明したが、通電用管6a外面と導体間接続片7の間のはんだ材を溶融温度が相対的に低いはんだ材を使用すると、はんだ付けの品質が向上する。
【0067】
図23に本実施の形態を説明する導体接続部2の断面図を示す。超電導撚線4aと通電用管6a内面との間のはんだ層8aのはんだ付けが融点T1であるはんだ材を使用して先に施工され、通電用管6a外面と導体間接続片7との間のはんだ層9が融点T2であるはんだ材を使用して後から施工される。
【0068】
はんだ層8aのはんだ材と、はんだ層9のはんだ材の組合せとしては、例えば前者用として融点が232℃である錫はんだを、後者用として融点が183℃である4分6はんだを用いる。この時、T2<T1で且つ通電用管6a外面と導体間接続片との間のはんだ付け温度をヒータ24により厳密に制御することにより、通電用管6a外面と導体間接属片7との間のはんだ付け温度はT1より低く保持できる。従って通電用管6a外面と導体間接続片7との間のはんだ付けの時にはんだ層8aが溶融し流動することなく、はんだ付けを施工できる。はんだ層8aが溶融し流動すると、すでになされたはんだ接合がはがれる可能性があるが、これを防ぐことで良好なはんだ付けを保持できる。
【0069】
このように本実施の形態13では、超電導コイルの導体接続部2の通電用管6aと導体間接続片との間のはんだ施工において、超電導撚線4aと通電用管6a内面間のはんだ材より低融点のはんだ材を使用するようにしたので、はんだ接合の剥がれを防止し、はんだ付け品質が向上する効果がある。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る超電導コイル装置は、超電導撚線を金属管内に収納するとともに金属管内に冷媒が流通するコンジット型の超電導導体が、複数条直列に接続されてなる超電導コイル装置において、複数条の超電導導体は、端部に形成された導体接続部に各々通電用管を有しており、通電用管は、導体で作製されて管状をなし、金属管に気密に接続され、金属管から突出する超電導撚線を全体にわたって覆うとともに超電導撚線に対して密着縮径加工されており、複数条の超電導導体は、通電用管の外部表面を相互に電気的に接続されて、1条の超電導コイルを形成しており、通電用管の内周面と超電導撚線の外周面とが溶融接続金属により機械的及び電気的に接続されており、通電用管の内周面には、溶融した溶融接続金属が通電用管の内周面と超電導撚線の外周面との間の接触界面に選択的に浸透するよう案内する溶融接続金属導入溝が通電用管の軸線に沿って形刻されているので、繰返し運転に対しても長期的に安定した状態を保つことができ信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の超電導コイル装置の斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の超電導コイル装置の超電導導体の斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の超電導コイル装置の超電導導体の端部の斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1の超電導コイル装置の導体接続部の縦断面図である。
【図5】 図4のV−V線に沿う矢視断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の超電導コイル装置の通電用管の横断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2の超電導コイル装置の通電用管の横断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2の超電導コイル装置のはんだ導入溝を説明する部分横断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態2の超電導コイル装置のはんだ導入溝を説明する実験データである。
【図11】 この発明の実施の形態3の超電導コイル装置の通電用管の横断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態3の超電導コイル装置の導体接続部の縦断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4の超電導コイル装置を説明するはんだの特性の特性図である。
【図14】 この発明の実施の形態5の超電導コイル装置を説明するはんだの特性のデータ図である。
【図15】 この発明の実施の形態6の超電導コイル装置を説明するはんだの特性のデータ図である。
【図16】 この発明の実施の形態7の超電導コイル装置を説明するはんだの特性のデータ図である。
【図17】 この発明の実施の形態8の超電導コイル装置の通電用管の斜視図である。
【図18】 この発明の実施の形態9の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。
【図19】 この発明の実施の形態10の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。
【図20】 この発明の実施の形態11の超電導コイル装置を示す加熱パターン図である。
【図21】 この発明の実施の形態12の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。
【図22】 この発明の実施の形態12の超電導コイル装置の導体接続部の他の施工法を示す縦断面図である。
【図23】 この発明の実施の形態13の超電導コイル装置の導体接続部の施工法を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 超電導コイル、2 導体接続部、3,3a,3b 超電導導体、4,4a,4b 超電導撚線、5,5a,5b 角型金属管、6a,6b 通電用管、7導体間接続片、10a,10b 冷却管、8a,8b はんだ層(溶融接続金属)、9 はんだ層、15a,15b,16a はんだ導入溝(溶融接続金属導入溝)、11,12 はんだ材(溶融接続金属)、13 はんだ導入孔、14,23,24 加熱ヒータ、18 気密室、19 真空ポンプ、20 水素入り不活性ガス容器、21 はんだ溶融槽、22 溶融はんだ、25 気密箱。

Claims (8)

  1. 超電導撚線を金属管内に収納するとともに該金属管内に冷媒が流通するコンジット型の超電導導体が、複数条直列に接続されてなる超電導コイル装置において、
    複数条の前記超電導導体は、端部に形成された導体接続部に各々通電用管を有しており、
    前記通電用管は、導体で作製されて管状をなし、前記金属管に気密に接続され、該金属管から突出する前記超電導撚線を全体にわたって覆うとともに前記超電導撚線に対して密着縮径加工されており、
    複数条の前記超電導導体は、前記通電用管の外部表面を相互に電気的に接続されて、1条の超電導コイルを形成しており、
    前記通電用管の内周面と前記超電導撚線の外周面とが溶融接続金属により機械的及び電気的に接続されており、
    前記通電用管の内周面には、溶融した前記溶融接続金属が前記通電用管の内周面と前記超電導撚線の外周面との間の接触界面に選択的に浸透するよう案内する溶融接続金属導入溝が該通電用管の軸線に沿って形刻されている
    ことを特徴とする超電導コイル装置。
  2. 前記溶融接続金属導入溝は、断面矩形の形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  3. 前記超電導撚線を構成する超電導物質が、高温における超電導物質生成熱処理を必要とするものであり、前記超電導撚線表面の付着有機物は、前記溶融接続金属を溶融する該熱処理中に熱分解して除去される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の超電導コイル装置。
  4. 前記超電導撚線を構成する素線の表面がクロムメッキされたものであり、前記導体接続部に突出する部分の該超電導撚線は、該超電導撚線の外周表面に露出する部分のクロムメッキが除去されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超電導コイル装置。
  5. 超電導撚線を金属管内に収納するとともに該金属管内に冷媒が流通するコンジット型の超電導導体が、複数条直列に接続されてなる超電導コイル装置の製造方法において
    複数条の前記超電導導体は、端部に形成された導体接続部に各々通電用管を有しており、
    前記通電用管は、導体で作製されて管状をなし、前記金属管に気密に接続され、該金属管から突出する前記超電導撚線を全体にわたって覆うとともに前記超電導撚線に対して密着縮径加工されており、
    複数条の前記超電導導体は、前記通電用管の外部表面を相互に電気的に接続されて、1条の超電導コイルを形成しており、
    前記通電用管の内周面に、該通電用管の軸線に沿って溶融接続金属導入溝を形刻する溶融接続金属導入溝形成工程と、
    前記溶融接続金属導入溝に溶融した溶融接続金属を導入し、該溶融接続金属を前記溶融接続金属導入溝によって、前記通電用管の内周面と前記超電導撚線の外周面との間の接触界面に選択的に浸透させて接続する接続工程とを有する
    ことを特徴とする超電導コイル装置の製造方法。
  6. 前記接続工程は、水素を含む不活性ガスを前記通電用管内に流しつつ行われる
    ことを特徴とする請求項5に記載の超電導コイル装置の製造方法。
  7. 前記接続工程は、貯液された前記溶融接続金属の中で、水素を含む不活性ガスを前記通電用管内に流しつつ行われ
    前記導体接続部を溶融したはんだ中に浸漬して前記はんだ付けを行う
    ことを特徴とする請求項に記載の超電導コイル装置の製造方法。
  8. 前記前記通電用管の内周面と前記超電導撚線の外周面とを接続する前記溶融接続金属は、前記通電用管の外周部の接続に使用する溶融接続金属より融点が高い
    ことを特徴とする請求項5からのいずれかに記載の超電導コイル装置の製造方法。
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