JP4368542B2 - 光ピックアップ及びそれを備えた光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに対して情報の記録、再生、消去の少なくとも一つを行う光ディスク装置及びそれに搭載される光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の再生、記録及び消去を行うことができる光ディスクの開発が進展したことにより、民生用やデータ保存用として光ディスクの普及が顕著になっている。現在、その高密度化、大容量化へのさらなる要望を満たす研究が、鋭意進められている。
【0003】
光ディスクの高密度化、大容量化を図るためには、光ディスクに記録情報を実体化するマーク(記録ビット)をより小さくした状態で、情報を再生、記録できるようにすればよく、そのためには、光ディスクに照射される光ビームのスポット径を小さくすることが必要となる。
【0004】
光ビームのスポット径は、原理的にλ/NAに比例する。
(λ:光の波長、NA:対物レンズの開口数)
つまり、記録再生に使用する光の波長を短くすることと、対物レンズの開口数NAを大きくすることによって、ビームスポットの小径化を達成できる。
【0005】
しかし、光の波長を短くしたり、対物レンズの開口数NAを大きくすると、ディスク基板が傾くことにより、大きな波面収差が発生し、光ビームを精度良く集光することができなくなってしまう。これを補うために、従来、ディスク基板の薄型化が進められてきた。
【0006】
例えば、CD−ROMの場合、対物レンズの開口数NAが0.45、光の波長が780nmで、基板の厚さは1.2mmであるのに対して、対物レンズの開口数NAが0.6、光の波長が655nmであるDVD−ROMにおいては、基板の厚さを0.6mmとして、記録容量の増大とディスク基板の傾きに対する許容量の拡大とを図っている。
【0007】
しかしながら、さらにディスク基板が薄くなると、剛性の低下によりディスク基板自体の面振れにともなう基板の傾き(チルト)が大きくなり逆効果となる。したがって、光の波長を短くすることと、対物レンズの開口数NAを大きくすることには限界がある。
【0008】
このような問題を解決するために提案されたものとして、例えば、特開2000−36124号公報に示された光ディスク装置がある。
【0009】
該公報に示された光ディスク装置は、図13に示すように、フォーカス方向108とトラック方向109に駆動可能な二次元アクチュエータ100と、この二次元アクチュエータ100に固定されたレンズホルダ101に保持される第1レンズ102と、レンズホルダ101に対して板バネ103により支持され、かつ、回転する光ディスク104に対して、エアベアリング(空気膜)を介して浮上させられるスライダ105と、このスライダ105に保持される第2レンズ106とを備え、照射されるレーザ光107を上記第1レンズ102と第2レンズ106を含む対物レンズ系により、光ディスク1の信号記録面に集光照射することが可能となる。
【0010】
上記スライダ105は、板バネ103により支持されているため、フォーカス方向108に所定のバネ定数をもつとともに、光ディスク104の傾きに対して自由度を持つよう上記レンズホルダ101に対して支持されている。
【0011】
このような構成においては、スライダ105がエアベアリングにより浮上することにより、スライダ105の傾きが光ディスク104の傾きに倣い、波面収差が抑制できるとともに、第1レンズ102を二次元アクチュエータ100でフォーカス方向108に駆動することにより、光ディスク104の厚みむらや湾曲に起因するディスク表面の厚み方向のぶれ、あるいは、チルトのダイナミックな変動に対しても、スライダ105の光ディスク104に対する負荷荷重をダイナミックに制御することが可能となり、スライダ105を精度良く光ディスク104の表面に倣わすことが可能となり、波面収差を抑制し、高NA化が実現するとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開2000−36124号公報に記載された構成では、トラッキング時に第1レンズ102と第2レンズ106の光軸ずれが発生し易く、集光スポット形状が円形から変形してしまうといった問題がある。
【0013】
すなわち、上記の構成では、レンズホルダ101に固定された第1レンズ102とスライダ105に固定された第2レンズ106とは、板バネ103を介して設置されるが、この板バネ103は、フォーカス方向108だけでなく、トラック方向109にも所定のバネ定数を有している。そのため、レンズホルダ101がトラッキングのためトラック方向109に駆動されると、第1レンズ102と第2レンズ106とがトラック方向109に位置ずれを生じ、第1レンズ102と第2レンズ106との光軸ずれが発生する。光軸ずれが発生すると、光軸ずれに伴う収差により、集光スポット形状が円形から変形してしまい、良好な記録再生特性を維持することが困難となる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、光ディスクの回転にて光ディスク表面より浮上するスライダに、光ビームを光ディスクに集光するための複数のレンズからなる集光レンズ手段を搭載させ、かつ、これら複数のレンズのレンズ間隔を、上記スライダに搭載した圧電素子層にて制御することを特徴としている。
【0015】
なお、上記スライダは、光ディスクが停止している間は光ディスクの表面と接触して配置され、光ディスクが回転されることで、光ディスクの表面に形成されるエアベアリングを介して離間するものであって、浮上という表現を用いいるが、上方へ浮き上がるものに限られるものではない。
【0016】
これによれば、光ディスク表面より浮上するスライダに集光レンズ手段が搭載されるので、スライダが光ディスク表面に倣うことで、波面収差を抑制することができる。
【0017】
そして、集光レンズ手段を構成する複数のレンズのレンズ間隔は、集光レンズ手段と共にスライダに搭載された圧電素子層にて制御されるので、容易にフォーカシングを行って光ディスクに光ビームを集光させることが可能となる。したがって、光ディスクの厚みむらや湾曲に起因するディスク表面の厚み方向のぶれ、或いはチルトといった、スライダがエアベアリングを介して光ディスク表面に倣うことだけでは追随できないダイナミックな変動に対しては、この圧電素子層を駆動してフォーカシングを行うことで容易に対応できる。
【0018】
さらに、この構成では、集光レンズ手段を構成する複数のレンズ全てがスライダに搭載されるので、トラッキング時に集光レンズ手段をトラック方向(水平方向)に移動させても、集光レンズ手段を構成する複数のレンズがスライダとスライダ以外の部材とに分けて搭載された構成のように、各レンズがトラック方向に位置ずれするようなことがない。したがって、集光レンズ手段を構成するレンズを複数枚として高NA化を図っても、複数のレンズ間で光軸ずれが発生せず、光ディスク上の集光スポット形状を良好な円形状とできる。
【0019】
その結果、高NA化を図るべく、複数のレンズからなる集光レンズ手段を使用しても、良好な記録再生特性を維持することが可能となり、ひいては、高密度記録再生の実用化を達成できる。
【0020】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であって、上記第1の弾性部材は導電性材料よりなり、該第1の弾性部材を介して上記圧電素子層への電力供給が行われることを特徴としている。
【0021】
このような、スライダが第1の弾性部材にて光ディスク側に付勢された構成では、光ディスクの回転にてスライダと光ディスク表面との間に形成されるエアベアリング(空気膜)の状態が安定化されるので、スライダは光ディスク表面により安定して倣い、波面収差をより効果的に抑制することが可能となる。
【0022】
ところで、スライダに搭載された圧電素子層へと延びる導線を設けた場合、この導線は自身の持つ剛性にてバネとして働き、スライダの安定浮上を妨げる恐れがある。そこで、上記構成では、第1の弾性部材を導電性材料より形成し、該第1の弾性部材を介して圧電素子層へと電力を供給するようにしている。これにより、圧電素子層へと延びる導線を別途形成する構成に比べて、低コスト化が図れることはもちろんのこと、圧電素子層へと延びる上記導線にてスライダの安定浮上が妨げられることがないので、より安定したフォーカシングが実現される。
【0023】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダを保持するスライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持され、スライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成であって、上記第2の弾性部材は導電性材料よりなり、該第2の弾性部材を介して上記アクチュエータへの電力供給が行われることを特徴としている。
【0024】
このような、スライダ保持体が第2の弾性部材を介してキャリッジにトラック方向に揺動自在に保持され、このスライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成では、偏心を有する光ディスクであっても、トラッキングを行って追随可能となる。
【0025】
ところで、スライダ保持体に保持されたアクチュエータへと延びる導線を設けた場合、この導線は自身の持つ剛性にてバネとして働き、第2の弾性部材にて揺動自在に保持されたスライダ保持体の動きを妨げる恐れがある。そこで、上記構成では、第2の弾性部材を導電性材料より形成し、該第2の弾性部材を介してスライダ保持体に設けられたアクチュエータへと電力を供給するようにしている。これにより、アクチュエータへと延びる導線を別途形成する構成に比べて、低コスト化が図れることはもちろんのこと、アクチュエータへと延びる上記導線にてスライダ保持体のトラック方向への揺動が妨げられることがないので、より安定したトラッキングが実現される。
【0026】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であると共に、上記スライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持され、スライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成であって、上記第1の弾性部材及び第2の弾性部材は共に導電性材料よりなり、これら第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して上記圧電素子層への電力供給が行われると共に、第2の弾性部材を介して上記アクチュエータへの電力供給が行われることを特徴としている。
【0027】
これによれば、既に説明したとおり、エアベアリングの状態が安定化されて波面収差をより効果的に抑制することが可能となると共に、トラッキングを行って偏心を有する光ディスクであっても追随可能となる。そして、これに加えて、圧電素子層への給電を第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して行うと共に、アクチュエータへの給電を第2の弾性部材を介して行うので、安定化したフォーカシング及びトラッキングが実現される。
【0028】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダに、磁界印加手段が搭載されていることを特徴としている。
【0029】
光ディスクにおける記録材料として光磁気記録材料を用いた場合(光磁気ディスク)、光ディスクに対して磁界を印加することが必要となるが、これによれば、上記スライダに磁界印加手段までもが搭載されているので、磁界印加手段を搭載したスライダ等の磁気ヘッドを別途設ける構成に比べて、光ピックアップが搭載される光ディスク装置の構造をより簡素化できる。
【0030】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であって、上記第1の弾性部材は導電性材料よりなり、該第1の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴としている。
【0031】
既に説明したように、スライダが第1の弾性部材にて光ディスク側に付勢された構成とすることで、スライダは光ディスク表面により安定して倣い、波面収差をより効果的に抑制することが可能となる。
【0032】
そしてまた、上記構成では、第1の弾性部材を導電性材料より形成し、該第1の弾性部材を介して磁界印加手段へと電力を供給する構成であるので、スライダに搭載された圧電素子層への電力供給の場合と同様に、磁界印加手段へと延びる導線を別途形成する構成に比べて、低コスト化が図れることはもちろんのこと、磁界印加手段へと延びる上記導線にてスライダの安定浮上が妨げられることがないので、より安定したフォーカシングが実現される。
【0033】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダを保持するスライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持された構成であって、上記第2の弾性部材は導電性材料よりなり、該第2の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴としている。
【0034】
既に説明したように、スライダ保持体を第2の弾性部材を介してキャリッジにトラック方向に揺動自在に保持する構成では、アクチュエータを設けてトラック方向に駆動することで、偏心を有する光ディスクであっても、トラッキングを行って追随可能となる。
【0035】
そしてまた、上記構成では、第2の弾性部材を導電性材料より形成し、該第2の弾性部材を介してスライダ保持体に設けられた磁界印加手段へと電力を供給する構成であるので、スライダ保持体に保持されたアクチュエータへの電力供給の場合と同様に、該磁界印加手段へと延びる導線を別途形成する構成に比べて、低コスト化が図れることはもちろんのこと、磁界印加手段へと延びる上記導線にてスライダ保持体のトラック方向への揺動が妨げられることがないので、より安定したトラッキングが実現される。
【0036】
本発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であると共に、上記スライダ保持体は、当該スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持された構成であって、上記第1の弾性部材及び第2の弾性部材が共に導電性材料よりなり、これら第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴としている。
【0037】
これによれば、既に説明したとおり、エアベアリングの状態が安定化されて波面収差をより効果的に抑制することが可能となると共に、アクチュエータを設けてトラック方向に駆動することで、トラッキングを行って偏心を有する光ディスクであっても追随可能となり、また、磁界印加手段への給電を第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して行うので、安定化したフォーカシング及びトラッキングが実現される。
【0038】
また、本発明の光ディスク装置は、上記課題を解決するために、上記した本発明の光ピックアップを備えてなることを特徴としている。
【0039】
これにより、高NA化を図って、高密度記録再生を実現できる光ディスク装置を提供できる。本発明の光ディスク装置としては、光ディスクの読み取り専用の装置のみならず、磁界変調方式や光パルス変調方式によって光磁気ディスクに読み書き可能な光磁気ディスク装置も含まれる。
【0040】
なお、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていることを特徴としてもよい。
【0041】
これによれば、第1レンズと第2レンズとが、圧電素子層を有するスライダに固定されており、圧電素子層を駆動して、第1レンズと第2レンズとの間隔を制御することにより、容易にフォーカシング駆動を行うことが可能となる。さらに、第1レンズと第2レンズの水平方向の位置関係が固定されているため、トラッキング駆動を行った場合においても、第1レンズと第2レンズの光軸ずれが発生せず、集光スポット形状は良好な円形状となり、良好な記録再生特性を維持することが可能となる。
【0042】
また、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていると共に、上記スライダが、スライダホルダに対して、第1バネを介して固定され、上記光ディスクに対して、該スライダが押圧されていることを特徴としてもよい。
【0043】
これによれば、スライダが光ディスクに対して押圧されることにより、エアベアリングの状態が安定化され、スライダが光ディスク表面に倣い、波面収差を抑制することが可能となる。
【0044】
また、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていると共に、上記スライダが、スライダホルダに対して、第1バネを介して固定され、上記光ディスクに対して、該スライダが押圧され、かつ、上記スライダホルダが、光ピックアップキャリッジに対して、第2バネを介して固定され、トラック方向に駆動可能なアクチュエータによりトラッキングが行われることを特徴としてもよい。
【0045】
これによれば、本発明の第1レンズと第2レンズとを有するスライダ、及び、該スライダを支持するスライダホルダのトラッキング駆動を実現することが可能となり、偏心を有する光ディスクにおいても、本発明の光ピックアップに係るスライダを採用することが可能となる。
【0046】
また、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていると共に、上記スライダに固定された第2レンズの周りに空芯コイルが設けられていることを特徴としてもよい。
【0047】
これによれば、空芯コイルにより、光ディスクに対して磁界を印加することができ、光磁気記録材料を記録媒体として用いた光磁気ディスクにおいて、本発明の光ピックアップに係るスライダを採用することが可能となる。
【0048】
また、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていると共に、上記スライダが、スライダホルダに対して、第1バネを介して固定され、上記光ディスクに対して、該スライダが押圧され、かつ、上記スライダを支持する第1バネを導電性材料で形成し、上記第1バネを介して、圧電素子層への電力供給を行うことを特徴としてもよい。
【0049】
これによれば、スライダに設けられた圧電素子層へ電力を供給するための導線等を別途設ける必要がなくなり、低コスト化が実現するとともに、第1バネによる光ディスクへの押圧力が安定化され、安定したフォーカシングが実現する。
【0050】
また、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていると共に、上記スライダが、スライダホルダに対して、第1バネを介して固定され、上記光ディスクに対して、該スライダが押圧され、かつ、上記スライダホルダが、光ピックアップキャリッジに対して、第2バネを介して固定され、トラック方向に駆動可能なアクチュエータによりトラッキングが行われ、上記スライダホルダを支持する第2バネを導電性材料で形成し、上記第2バネを介して、上記スライダホルダに固定されたトラッキングアクチュエータを構成するコイルへの電力供給を行うことを特徴としてもよい。
【0051】
これによれば、スライダホルダに固定されたトラッキングアクチュエータを構成するコイルへ電力を供給するための導線等を別途設ける必要がなくなり、低コスト化が実現するとともに、第2バネによるスライダホルダの支持状態が安定化され、安定したトラッキングを実現することが可能となる。
【0052】
また、本発明の光ピックアップは、光ディスクに対してエアベアリングを介して浮上させられるスライダと、光ビームを光ディスクに集光するため、該スライダに保持された第1レンズと第2レンズとを有する光ピックアップにおいて、該スライダに、該第1レンズと第2レンズの間隔を制御するための圧電素子層が設けられていると共に、上記スライダに固定された第2レンズの周りに空芯コイルが設けられ、上記スライダを支持する第1バネ、または、上記スライダホルダを支持する第2バネ、または、それらのバネの両方を導電性材料で形成し、上記第1バネ及び第2バネを介して、空芯コイルへの電力供給を行うことを特徴としてもよい。
【0053】
これによれば、スライダに設けられた空芯コイルへ電力を供給するための導線等を別途設ける必要がなくなり、低コスト化が実現する。そして、第1バネによる光ディスクへの押圧力が安定化されるとともに、第2バネによるスライダホルダの支持状態が安定化され、安定したフォーカシングとトラッキングを実現することが可能となる。
【0054】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態について、図1〜図7を用いて説明すれば、以下の通りである。
【0055】
図5に、本実施の形態の光ピックアップ5を搭載する光ディスク装置の概略構成を示す。ここで、1は光ディスクであり、2はセンターハブ、3はスピンドルである。光ディスク1は、センターハブ2を介してスピンドル3に対して固定され回転駆動される。光ピックアップ5は、図示しないリニアモータ又はスイングアームにより、光ディスク1の半径方向にアクセス駆動される。
【0056】
図1に、図5の光ピックアップ5部分の断面拡大図を示す。また、図2に、該光ピックアップ5の平面図を示す。
【0057】
光ディスク1は、光ディスク基板6と光記録媒体7と保護コート8とで構成されている。光ピックアップ5から出射される光ビーム9は、第1レンズ16と第2レンズ17とからなる対物レンズ系を通ることにより、光記録媒体7上に集光照射され、情報の記録、消去、及び再生が行われる。
【0058】
上記光ディスク基板6としては、ポリカーボネート等の樹脂基板を用いることができ、光ディスク基板6の光ビーム集光面には、トラッキングのための案内溝(図示せず)が形成されている。光記録媒体7としては、GeSbTe,InAgSbTe等の相変化記録材料や、TbFeCo等の光磁気記録材料や、TbFeCo及びGdFeCo等を複数層積層した超解像光磁気記録材料や、色素系有機材料を用いた追記型記録材料を用いることができる。
【0059】
保護コート8は、後述するスライダ10が光ディスク1に接触した際に、光記録媒体7が損傷しないように保護を目的に設けられるものであり、少なくとも光を透過する材料であることが必要である。保護コート8としては、例えば、紫外線硬化樹脂層、又は、透明シートを接着した層等の透明な樹脂層とすることができる。また、SiNやAlN等の透明誘電体を用いることもできる。
【0060】
なお、上記光ディスク1としては、光ディスク基板6上に凹凸ピットを形成し、光記録媒体7の代わりに反射膜を設けた読出し専用の光ディスクであっても良い。
【0061】
光ピックアップ5は、光学系として、発光素子23、フォーカシング・トラッキング用受光素子24、及び再生信号検出用受光素子25等の光学素子を有する発光受光素子部11、立上げミラー14、第1レンズ16、第2レンズ17を備えている。発光受光素子部11は、図示しないリニアモータ又はスイングアームにより、光ディスク1の半径方向にアクセス駆動される光ピックアップキャリッジ(キャリッジ)12上に固定配置されている。発光受光素子11から出射された光ビーム9は、スライダホルダ(スライダ保持体)13上に固定配置された立上げミラー14により、光ディスク1の方向へと曲げられ、スライダ10にそれぞれ保持された第1レンズ16と第2レンズ17とを通過して、光記録媒体7上に集光照射される。
【0062】
上記スライダ10は、板バネからなる一対の第1バネ(第1の弾性部材)18・18を介してスライダホルダ13に支持されている。第1バネ18・18は、光ディスク1の方向へとスライダ10を押し上げる方向の付勢力を有しており、スライダ10は第1バネ18・18の付勢力にて光ディスク1側に押圧されている。この構成により、光ディスク1の回転に伴ってスライダ10が光ディスク1表面より浮上(離間)した際、光ディスク1とスライダ10との間に発生するエアベアリングの厚みが安定化され、光ディスク1とスライダ10との間隔を一定間隔に維持される。なお、スライダ10を光ディスク1側に押圧する付勢手段はバネに限定されず、弾性体であればよい。
【0063】
一方、上記スライダ10を支持するスライダホルダ13は、板バネからなる一対の第2バネ(第2の弾性部材)19・19を介して光ピックアップキャリッジ12に支持されている。ここで、スライダホルダ13は、光ピックアップキャリッジ12に対して、トラック方向20(ディスク半径方向)に駆動(揺動)可能に支持される。
【0064】
そして、このスライダホルダ13は、光ピックアップキャリッジ12に固定された一対の永久磁石21・21と、スライダホルダ13に固定された一対のコイル22・22とからなる磁気回路により、トラック方向20に駆動される。上記永久磁石21・21とコイル22・22とにて、トラック方向20に駆動可能なトラッキングアクチュエータが構成される。上記スライダ10、第1レンズ16、及び第2レンズ17は、スライダホルダ13とともに、トラック方向20に駆動される。なお、スライダホルダ13を光ピックアップキャリッジ12に対して揺動可能に支持する手段は、バネに限定されず、弾性体であればよい。
【0065】
また、上記スライダ10は、光ピックアップ5の部分拡大図である図3に示すように、一対のスライダ部材26・26で圧電素子層15を挟み込んだ構成を有している。スライダ部材26・26は、例えば、厚さが0.2〜1.5mmの金属板、ガラス板、プラスチック板等の材料を用いることができる。圧電素子層15は、フォーカス方向4に駆動可能なフォーカスアクチュエータを構成するものであって、厚さが0. 2〜1.0mmの積層型圧電素子、例えば、特開平11−121820号に記載されているような、積層型圧電アクチュエータを用いることができる。
【0066】
上記スライダ10において、第1レンズ16と第2レンズ17とは、圧電素子層15を挟むように、スライダ10を貫く貫通穴27に取り付けられている。したがって、圧電素子層15に電圧を印加することで、第1レンズ16と第2レンズ17との距離が制御され、保護コート8の膜厚変動や、光ディスク1とスライダ10との間の浮上高さの変動等により発生する光記録媒体7上での集光状態の異常を修正すべくフォーカシングが行われる。
【0067】
スライダ10に形成された上記貫通穴27は、スライダ10における光ディスク1に対向する面とスライダホルダ13に対向する面とに、それぞれすり鉢状の窪みを形成することにより構成されている。第1レンズ16及び第2レンズ17はそれぞれ、各すり鉢状の窪みの斜面を基準面として、接着剤にて固定されている。
【0068】
このように第1レンズ16と第2レンズ17とをスライダ10に対して接着固定することにより、両レンズは水平方向(トラック方向)に対して固定され、トラック方向への位置ずれは起こらない。したがって、トラッキング時に、トラック方向に第1レンズ16及び第2レンズ17が駆動されても、第1レンズ16と第2レンズ17の光軸ずれを発生することはなく、集光スポット形状は円形に維持され、良好な記録再生特性を維持することが可能となる。
【0069】
上記光ピックアップ5において、フォーカシング及びトラッキングのサーボ動作は、上記フォーカスアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータに、前述した発光受光素子11内のフォーカシング・トラッキング用受光素子24から出力されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をフィードバックすることで行われる。
【0070】
すなわち、図4に示すように、フォーカシング・トラッキング用受光素子24より出力されるフォーカスエラー信号28及びトラッキングエラー信号29は、制御回路30へ入力され、制御回路30は、入力されたフォーカスエラー信号28に基づいてフォーカスアクチュエータを構成する圧電素子層15へフォーカス制御信号を供給し、フォーカシングを行い、また、入力されたトラッキングエラー信号29に基づいてトラッキングアクチュエータを構成する一対のコイル22・22(図2参照)へトラッキング制御信号を供給し、トラッキングを行う。
【0071】
本実施の形態の光ピックアップ5では、制御回路30から圧電素子層15へのフォーカス制御信号の供給は、制御回路30と圧電素子層15とをつなぐ一対のフォーカス制御用導線31・31を介して行われ、また、制御回路30からコイル22・22へのトラッキング制御信号の供給は、制御回路30とコイル22・22とをつなぐ一対のトラッキング制御用導線32・32を介して行われる。
【0072】
次に、上記構成の光ピックアップ5におけるフォーカシング及びトラッキングの各サーボの性能を調べた結果を示す。
【0073】
性能を調べるにあたり、光ディスク1は、板厚1.2mmの光ディスク基板6上に、膜厚120nmのAg反射膜、膜厚20nmのZnS−SiO2干渉膜、膜厚15nmのAgInSbTe相変化記録膜、膜厚40nmのZnS−SiO2干渉膜からなる光記録媒体7を順次積層し、さらに、紫外線硬化樹脂からなる保護コート8を50μmの厚さで形成した。この光ディスク1の基板上には、幅0.25μmのランドとグルーブとがスパイラル状に形成された凹凸案内トラックが、深さ30nmで形成されている。
【0074】
そして、上記光ディスク1をスピンドル3に取付け、3000rpmで回転させた後、光ピックアップ5を光ディスク1に対して近接させ、光ディスク1とスライダ10との間隔がおよそ10μmとなるように配置した。
【0075】
また、光ピックアップ5の発光受光素子11内の光源としては、波長410nmの半導体レーザを使用し、第1レンズ16と第2レンズ17とで、実効的な開口数NAが1.0となるように構成し、光記録媒体7上における最適状態での光ビームスポット直径は330nmであった。
【0076】
図6に、光ディスク1回転でのフォーカスエラー量の変動を示す。縦軸のフォーカスエラー量は、フォーカスエラー信号28から換算した光記録媒体7上におけるフォーカスエラー量である。
【0077】
この図からわかるように、フォーカスエラー量は、最大でも0.07μmであり、光ピックアップ5のフォーカス制御システムが良好に動作していることがわかる。なお、一般的には、フォーカスエラー量が±0.1μm以内であれば、フォーカス制御システムが良好に動作していると判定される。
【0078】
図7に、光ディスク1回転でのトラックエラー量の変動を示す。縦軸のトラックエラー量は、トラックエラー信号29から換算した光ディスク1上に形成された凹凸トラックに対するトッラクエラー量である。
【0079】
この図からわかるように、トラックエラー量は、最大でも0.03μmであり、光ピックアップ5のトラッキング制御システムが良好に動作していることがわかる。なお、一般的には、トラックエラー量が±0.1μm以内であれば、トラッキング制御システムが良好に動作していると判定される。
【0080】
〔実施の形態2〕
本発明に係る実施の他の形態について、図8、図9を用いて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
実施の形態1の光ピックアップ5では、スライダ10に対して一対のフォーカス制御用導線31・31が接続されているため、フォーカス制御用導線31が自身の有する剛性にてバネとして働くこととなり、フォーカシングが不安定化する恐れがある。図6においても、矢印で示すように局所的なフォーカスエラーが観測され、この局所的なフォーカスエラーが最大フォーカスエラー量を決定している。
【0082】
そこで、本実施の形態の光ピックアップ50は、図8に示すように、スライダホルダ13に対してスライダ10を保持する一対の第1バネ18・18に導電性を持たせ、これら第1バネ18・18を介して、フォーカス方向に駆動可能なフォーカスアクチュエータを構成する圧電素子層15へとフォーカス制御信号を供給するようになっている。
【0083】
すなわち、フォーカス制御用導線31・31が、スライダホルダ13上に固定された導線(図示せず)、または、スライダホルダ13上に形成された導電性金属からなる電極(図示せず)に接続されている。これらスライダホルダ13上に固定された導線または電極は、第1バネ18・18がスライダホルダ13に固定されている部分にまで延設されている。そして、スライダ10においては、スライダ10に第1バネ18・18が固定されている部分からそれぞれ圧電素子層15へと延びる一対の導線33・33が形成されている。
【0084】
これにより、制御回路30から供給されたフォーカス制御信号は、フォーカス制御用導線31・31、スライダホルダ13上に固定された導線または電極、第1バネ18・18、導線33・33を介して圧電素子層15へと供給される。ここで、導線33は、スライダ10表面に形成された導電性金属からなる電極であっても良い。
【0085】
なお、本実施の形態の光ピックアップ50は、フォーカス制御信号を供給する部分の構成が異なる以外は、実施の形態1の光ピックアップ5と同じ構成であるので、これ以上の説明は省略する。
【0086】
このような光ピックアップ50では、スライダ10は、スライダホルダ13に固定された一対の第1バネ18・18のみにより支持されることになり、フォーカス制御がより安定化される。
【0087】
図9に、図6と同様にしてフォーカスエラー量を求めた結果を示す。この図からわかるように、図6に見られるような局所的なフォーカスエラーが低減され、最大フォーカスエラー量が、0.04μmにまで小さくなっていることが確認できる。
【0088】
〔実施の形態3〕
本発明に係る実施の他の形態について、図10、図11を用いて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1、2の図面に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
実施の形態1の光ピックアップ5では、スライダホルダ13に対して一対のトラッキング制御用導線32・32が接続されているため、トラッキング制御用導線32・32が自身の有する剛性にてバネとして働くこととなり、トラッキングが不安定化する恐れがあった。図7においても、矢印で示すように局所的なトラックエラーが観測され、この局所的なトラックエラーが最大トラックエラー量を決定している。なお、同じトラッキング制御用導線32・32の配線構成を有する実施の形態2の光ピックアップ50においても同じ問題がある。
【0090】
そこで、本実施の形態の光ピックアップ51では、図10に示すように、実施の形態2の光ピックアップ50の構成において、光ピックアップキャリッジ12に対してスライダホルダ13を揺動自在に支持する一対の第2バネ19・19に導電性を持たせ、これら第2バネ19・19を介してトラック方向に駆動可能なトラッキングアクチュエータを構成する一対のコイル22・22へトラッキング制御信号を供給するようになっている。
【0091】
すなわち、光ピックアップ5・50においては、一対の第2バネ19・19は、互いに平行に配された一対の平行な板バネから構成されていたが、ここでは、圧電素子層15とコイル22・22とに信号供給を行うことが必要となるため、各板バネ19を2分割して19a・19bとし、合計4本の板バネを用いた構成としている。
【0092】
フォーカス制御用導線31・31は、光ピックアップキャリッジ12上に固定された導線(図示せず)、または、光ピックアップキャリッジ12上に形成された導電性金属からなる電極(図示せず)を通じて、導電性を有する4本の板バネの内の2本の板バネに接続される。そして、該板バネを介して、第1バネ18・18がスライダホルダ13に固定されている部分にまで延設された、前述のスライダホルダ13上の導線または電極に接続されている。
【0093】
一方、トラッキング制御用導線32・32は、光ピックアップキャリッジ12上に固定された導線(図示せず)、または、光ピックアップキャリッジ12上に形成された導電性金属からなる電極(図示せず)を通じて、導電性を有する4本の板バネの内の残りの2本の板バネに接続される。そして、該板バネからスライダホルダ13上に固定された導線(図示せず)、または、スライダホルダ13上に形成された導電性金属からなる電極(図示せず)を通じて、コイル22・22へとトラッキング制御信号が供給される。
【0094】
なお、光ピックアップ51も、フォーカス制御信号を供給する部分と、トラッキング制御信号を供給する部分の構成が異なる以外は、光ピックアップ5と同じ構成であるので、これ以上の説明は省略する。
【0095】
このような光ピックアップ51では、スライダ10が第1バネ18・18のみにより支持されることで、フォーカス制御が安定化されると共に、スライダホルダ13が、光ピックアップキャリッジ12に固定された第2バネ19(19a・19b)・19(19a・19b)のみにより支持されることで、トラッキング制御においても安定化される。
【0096】
図11に、図7と同様にしてトラックエラー量を求めた結果を示す。この図からわかるように、図7に見られるような局所的なトラックエラーが低減され、最大トラックエラー量が、0.015μmまでも小さくなっていることが確認できる。
【0097】
なお、本実施の形態の光ピックアップ51では、フォーカス制御の安定に加えて、トラッキング制御の安定を図ったが、実施の形態1の光ピックアップ5に、トラッキング制御信号を第2バネ19・19を介して供給する構成を採用した実施の形態も考えられる。
【0098】
〔実施の形態4〕
本発明に係る実施の他の形態について、図12を用いて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1、2、3の図面に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
実施の形態1の光ピックアップ5では、スライダ10に磁界印加手段は搭載されていなかった。そのため、光ディスク1における光記録媒体7としては、TbFeCo等の光磁気記録材料や、TbFeCo及びGdFeCo等を複数層積層した超解像光磁気記録材料等を使用した光ディスク1に対しては、別途、磁界印加手段を設ける必要があり、光ディスク装置の構成が複雑化する。
【0100】
そこで、本実施の形態の光ピックアップ52では、上記スライダ53に、磁界印加手段である空芯コイル34を搭載させている。
【0101】
図12に、本実施の形態の光ピックアップ52のスライダ53の拡大断面図を示す。この光ピックアップ52においては、スライダ53に固定された第2レンズ17を囲むように、光記録媒体7に記録磁界を供給するための空芯コイル34が設けられている。ここで、空芯コイル34は、スライダ53を構成する一対のスライダ部材26・26のうちの、光ディスク1と対向する方の表面に、第2レンズ17を囲むように形成されたドーナツ形状の窪み部分26aに巻回されている。
【0102】
また、空芯コイル34の一対の引出し導線35・35は、スライダ53における光ディスク1と対向する面の平滑性を良くするために、スライダ10の窪み部分26aに形成した導線通過孔36から、スライダ10のスライダホルダ13に対向する面へと取り出されている。引出し導線35・35に電圧を印加することにより、空芯コイル34に電流が流れて、記録磁界が発生する。
【0103】
このようなスライダ53を搭載した光ピックアップ52における制御回路30からのフォーカス制御信号及びトラッキング制御信号を供給する構成としては、実施の形態1の光ピックアップ5の構成、実施の形態2の光ピックアップ50の構成、実施の形態3の光ピックアップ51の構成の何れを用いてもよい。但し、引出し導線35・35が、スライダ53に接続されると、前述したフォーカス制御用導線31・31と同様に、引出し導線35・35が自身の有する剛性にてバネとして働いてスライダ53の安定した浮上が妨げられ、フォーカス制御の不安定化を招来する恐れがあるので、望ましくは、実施の形態2、3の構成を採用することである。
【0104】
そして、より望ましくは、実施の形態3の構成を採用すると共に、実施の形態3でフォーカス制御信号を供給するためのラインとして、第2バネ19・19を2分割したと同様に、第2バネ19を2分割した19a・19bの何れか一方をさらに2分割すると共に、第1バネ18・18、及び、各第1バネ18へと信号を供給する導線或いは電極をも2分割し、そのうちの一系統を、上記の空芯コイル34へと電力を供給する引出し導線35・35に接続することである。
【0105】
このようにすることで、空芯コイル34を搭載した構成においても、スライダ53は第1バネ18・18のみにて支持されると共に、スライダホルダ13も第2バネ19・19のみにて支持されることとなり、フォーカシング及びトラッキングがより安定化する。
【0106】
なお、空芯コイル34への電力供給を、第1バネ18・18及び第2バネ19・19の両方を介して行う必要はなく、第1バネ18・18或いは第2バネ19・19の一方のみを介して行うことでも、フォーカシング或いはトラッキングは安定化する。
【0107】
次に、上記構成の光ピックアップ52における、記録再生の性能を調べた結果を示す。
【0108】
記録再生の性能を調べるにあたり、スライダ53に形成した窪み部分26aは、内径φ0.15mm、外径φ1.5mm、深さ0.1mmとし、その中に直径40μmの導線を巻き付け、空芯コイル34とした。そして、スライダ53の窪み部分26aに形成した直径0.1mmの導線通過孔36から、スライダ53のスライダホルダ13に対向する面へと引き出した引出し導線35・35に、直接電圧電源に接続して電力供給を行った。つまり、この性能チェックでは、引き出し導線35・35が、スライダ53の安定浮上を若干妨げることとなる。
【0109】
また、光ディスク1としては、板厚1.2mmの光ディスク基板6上に、膜厚120nmのAg反射膜、膜厚20nmのSiN干渉膜、膜厚30nmのTbFeCo記録膜、膜厚5nmのAlN中間層、膜厚30nmのGdFeCo再生層、膜厚40nmのAlN干渉膜からなる光記録媒体7を順次積層し、さらに、紫外線硬化樹脂からなる保護コート8を50μmの厚さで形成した。この光ディスク1は、温度上昇した領域のみの記録層の磁化情報が、静磁結合により再生層へと転写される超解像光磁気ディスクである。また、光ディスク1の基板上には、幅0.25μmのランドとグルーブとがスパイラル状に形成された凹凸案内トラックが、深さ30nmで形成されている。
【0110】
このような光ディスク1をスピンドルに取付け、3000rpmで回転させた後、図10に示すように、実施の形態3の光ピックアップ51の構成を採用して光ディスク1に対して近接させ、光ディスク1とスライダ53との間隔がおよそ10μmとなる状態とした後、光ディスク1上の凹凸案内トラックに対して、フォーカス制御及びトラッキング制御を行い、記録再生特性を調査した。
【0111】
ここでは、第2レンズ17出射部分での記録パワーを5mWとして、記録される磁区パターンが0.2μm周期となるように空芯コイル34に高周波矩形電圧を印加して記録を行った。
【0112】
上記記録信号を、第2レンズ出射部分での再生パワーを1.5mWとして再生したところ、39.5dBのCNR(信号対雑音比)が得られ、良好な記録再生が行われていることを確認できた。
【0113】
また、上記にてより望ましい構成として説明した構成を採用し、導電性を有する第1板バネ18・18及び導電性を有する第2板バネ19・19を介して、引出し導線35・35に記録磁界発生用電力を供給したところ、フォーカス制御及びトラッキング制御がより安定化され、上記と同様な記録条件及び再生条件にて、41.0dBのCNRが得られ、1.5dBのCNRの向上を確認できた。
【0114】
なお、上記した各実施の形態においては、集光レンズ手段を構成する複数枚のレンズを2枚の構成としたが、さらなる高NA化が可能な3枚以上の構成であってもよく、その場合、少なくと1つのレンズ間隔を、同じくスライダに設けた圧電素子層にて制御することで、同じ効果を得ることができる。
【0115】
【発明の効果】
本発明の光ピックアップは、以上のように、光ディスクの回転にて光ディスク表面より浮上するスライダに、光ビームを光ディスクに集光するための複数のレンズからなる集光レンズ手段を搭載させ、かつ、これら複数のレンズのレンズ間隔を、上記スライダに搭載した圧電素子層にて制御することを特徴としている。
【0116】
これにより、スライダが光ディスク表面に倣うことで、波面収差を抑制することができると共に、集光レンズ手段を構成する複数のレンズのレンズ間隔が、圧電素子層にて制御されるので、容易にフォーカシングを行って光ディスクに光ビームを集光させることが可能となり、光ディスクの厚さやチルト等のダイナミックな変動に対しても容易に対応できる。その上、集光レンズ手段を構成する複数のレンズ全てがスライダに搭載されるので、トラッキング時に各レンズがトラック方向に位置ずれするようなことがなく、集光レンズ手段を構成するレンズを複数枚として高NA化を図っても、複数のレンズ間で光軸ずれが発生せず、光ディスク上の集光スポット形状を良好な円形状とできる。
【0117】
その結果、高NA化を図るべく、複数のレンズからなる集光レンズ手段を使用しても、良好な記録再生特性を維持することが可能となり、ひいては、高密度記録再生の実用化を達成できるという効果を奏する。
【0118】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であって、上記第1の弾性部材は導電性材料よりなり、該第1の弾性部材を介して上記圧電素子層への電力供給が行われることを特徴としている。
【0119】
これにより、光ディスクの回転にてスライダと光ディスク表面との間に形成されるエアベアリング(空気膜)の状態が安定化されることで、波面収差をより効果的に抑制することが可能となると共に、第1の弾性部材を介して圧電素子層へと電力を供給する構成であるので、低コスト化が図れることはもちろんのこと、スライダの安定浮上が妨げられず、安定したフォーカシングが実現されるという効果を併せて奏する。
【0120】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダを保持するスライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持され、スライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成であって、上記第2の弾性部材は導電性材料よりなり、該第2の弾性部材を介して上記アクチュエータへの電力供給が行われることを特徴としている。
【0121】
これにより、偏心を有する光ディスクであっても、トラッキングを行って追随可能となると共に、第2の弾性部材を介してスライダ保持体に設けられたアクチュエータへと電力を供給する構成であるので、低コスト化が図れることはもちろんのこと、スライダ保持体のトラック方向への揺動が妨げられることがなく、より安定したトラッキングが実現されるという効果を併せて奏する。
【0122】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であると共に、上記スライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持され、スライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成であって、上記第1の弾性部材及び第2の弾性部材は共に導電性材料よりなり、これら第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して上記圧電素子層への電力供給が行われると共に、第2の弾性部材を介して上記アクチュエータへの電力供給が行われることを特徴としている。
【0123】
これにより、エアベアリングの状態が安定化されて波面収差をより効果的に抑制することが可能となると共に、トラッキングを行って偏心を有する光ディスクであっても追随可能となる。そして、これに加えて、圧電素子層への給電を第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して行うと共に、アクチュエータへの給電を第2の弾性部材を介して行うので、安定化したフォーカシング及びトラッキングが実現されるという効果を併せて奏する。
【0124】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダに、磁界印加手段が搭載されていることを特徴としている。
【0125】
光ディスクにおける記録材料として光磁気記録材料を用いた場合(光磁気ディスク)、光ディスクに対して磁界を印加することが必要となるが、これによれば、上記スライダに磁界印加手段までもが搭載されているので、磁界印加手段を搭載したスライダ等の磁気ヘッドを別途設ける構成に比べて、光ピックアップが搭載される光ディスク装置の構造をより簡素化できるという効果を併せ奏する。
【0126】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であって、上記第1の弾性部材は導電性材料よりなり、該第1の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴としている。
【0127】
これにより、光ディスクの回転にてスライダと光ディスク表面との間に形成されるエアベアリング(空気膜)の状態が安定化されることで、波面収差をより効果的に抑制することが可能となると共に、第1の弾性部材を介して磁界印加手段へと電力を供給する構成であるので、スライダに搭載された圧電素子層への電力供給の場合と同様に、低コスト化が図れることはもちろんのこと、スライダの安定浮上が妨げられることがないので、より安定したフォーカシングが実現されるという効果を併せて奏する。
【0128】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダを保持するスライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持された構成であって、上記第2の弾性部材は導電性材料よりなり、該第2の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴としている。
【0129】
これにより、偏心を有する光ディスクであっても、アクチュエータを設けることでトラッキングを行って追随可能となると共に、第2の弾性部材を介してスライダ保持体に設けられた磁界印加手段へと電力を供給する構成であるので、スライダ保持体に保持されたアクチュエータへの電力供給の場合と同様に、低コスト化が図れることはもちろんのこと、スライダ保持体のトラック方向への揺動が妨げられることがないので、より安定したトラッキングが実現されるという効果を併せて奏する。
【0130】
本発明の光ピックアップは、以上のように、上記構成の光ピックアップにおいて、上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であると共に、上記スライダ保持体は、当該スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持された構成であって、上記第1の弾性部材及び第2の弾性部材が共に導電性材料よりなり、これら第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴としている。
【0131】
これにより、エアベアリングの状態が安定化されて波面収差をより効果的に抑制することが可能となると共に、アクチュエータを設けることでトラッキングを行って偏心を有する光ディスクであっても追随可能となり、また、磁界印加手段への給電を第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して行うので、安定化したフォーカシング及びトラッキングが実現されるという効果を併せて奏する。
【0132】
また、本発明の光ディスク装置は、以上のように、上記した本発明の光ピックアップを備えてなることを特徴としている。
【0133】
これにより、高NA化を図って、高密度記録再生を実現できる光ディスク装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、光ピックアップの断面図である。
【図2】図1の光ピックアップの平面図である。
【図3】図1の光ピックアップのスライダ部分を示す要部拡大断面図である。
【図4】図1の光ピックアップが搭載された光ディスク装置の要部構成を示す説明図である。
【図5】図1の光ピックアップが搭載された光ディスク装置の概略構成を模式的に示す説明図である。
【図6】図1の光ピックアップにおけるフォーカスエラー量を示す説明図である。
【図7】図1の光ピックアップにおけるトラックエラー量を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の他の形態を示すもので、光ピックアップの断面図である。
【図9】図8の光ピックアップにおけるフォーカスエラー量を示す説明図である。
【図10】本発明の実施のさらに他の形態を示すもので、光ピックアップの断面図である。
【図11】図10の光ピックアップにおけるトラックエラー量を示す説明図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態を示すもので、光ピックアップのスライダ部分の断面図である。
【図13】従来の光ピックアップの一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 光ディスク
5 光ピックアップ
9 光ビーム
10 スライダ
12 光ピックアップキャリッジ(キャリッジ)
13 スライダホルダ(スライダ保持体)
15 圧電素子層
16 第1レンズ(集光レンズ手段)
17 第2レンズ(集光レンズ手段)
18 第1バネ(第1の弾性部材)
19 第2バネ(第2の弾性部材)
20 トラック方向
21 永久磁石(アクチュエータ)
22 コイル(アクチュエータ)
34 空芯コイル(磁界印加手段)

Claims (9)

  1. 光ディスクの回転にて光ディスク表面より浮上するスライダ複数の板状のスライダ部材と当該スライダ部材間に挟持された積層型圧電素子とで構成され、上記スライダに、光ビームを光ディスクに集光するための複数のレンズ全てを含む集光レンズ手段が搭載されており、
    上記集光レンズ手段に含まれる複数のレンズのうち、少なくとも第1レンズと第2レンズとは、上記スライダを貫く貫通穴であって、上記複数のスライダ部材および上記積層型圧電素子を貫く貫通穴において、上記積層型圧電素子を間に挟む一対のスライダ部材の一方と他方とに分かれて取り付けられていることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であって、
    上記第1の弾性部材は導電性材料よりなり、
    該第1の弾性部材を介して上記積層型圧電素子への電力供給が行われることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 上記スライダを保持するスライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持され、スライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成であって、
    上記第2の弾性部材は導電性材料よりなり、
    該第2の弾性部材を介して上記アクチュエータへの電力供給が行われることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  4. 上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であると共に、
    上記スライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持され、スライダ保持体に保持されたアクチュエータにてトラック方向に駆動される構成であって、
    上記第1の弾性部材及び第2の弾性部材は共に導電性材料よりなり、
    これら第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して上記積層型圧電素子への電力供給が行われると共に、第2の弾性部材を介して上記アクチュエータへの電力供給が行われることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  5. 上記スライダに、磁界印加手段が搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  6. 上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介してスライダ保持体に保持された構成であって、
    上記第1の弾性部材は導電性材料よりなり、
    該第1の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
  7. 上記スライダを保持するスライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持された構成であって、
    上記第2の弾性部材は導電性材料よりなり、
    該第2の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
  8. 上記スライダは、スライダを光ディスク方向に付勢する第1の弾性部材を介して、キャリッジに保持されたスライダ保持体に保持された構成であると共に、
    上記スライダ保持体は、スライダ保持体をトラック方向に揺動自在に支持する第2の弾性部材を介してキャリッジに保持された構成であって、
    上記第1の弾性部材及び第2の弾性部材が共に導電性材料よりなり、
    これら第1の弾性部材及び第2の弾性部材を介して上記磁界印加手段への電力供給が行われることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
  9. 上記請求項1〜8の何れか1項に記載の光ピックアップを備えてなることを特徴とする光ディスク装置。
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