JP4368489B2 - オートクレーブ養生用水硬性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強度等に優れる高い性能を有していて、建築・土木・船舶用等の材料として用いられるオートクレーブ養生用水硬性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セメント、石膏、水 スラグなどの水硬性物質からなる成形物の機械的物性、耐凍害性、寸法安定性、表面状態の改良、成形性等を改善するために、水硬性物質にポリビニルアルコール(以下、PVAという)を添加することは従来から知られている。
【0003】
例えば、特開昭49−45934号公報にはパルプセメント板の曲げ強度や衝撃強度の向上のためにPVAを添加することが記載されており、また特開昭61−77655号公報、特開昭61−209950号公報にはスラグ石膏板の曲げ強度、衝撃強度、寸法安定性の向上、クラック防止のためにPVAを使用することが記載されている。
【0004】
さらに、特開平3−97644号公報および特開平3−193651号公報、特開平6−144952号公報、特開平6−271368号公報、特開平6−329457号公報、特開平7−117027号公報、特開平8−325051号公報、特開平8−245257号公報にはPVAを粉末状で水硬性材料中に添加し、成形した後、蒸気養生、オートクレーブ養生の少なくとも一方を行って水硬性成形物の強度、耐凍害性等を向上させることが記載されている。
【0005】
PVAが水硬性物質を成形するに際して上記のような効果を有する理由は、PVAが一般的に水硬性物質の水和反応を阻害しないことにあり、また、PVA粉末はスラリーの混合、成形中に水に溶けにくく、粉体の状態で基材中に分散し、蒸気養生中にPVA粉末は基材中に溶けだし、乾燥工程によって耐水性に優れた層を形成することにある。この層は水だけでなく炭酸ガスも通しにくく、基材の中性化を防ぐ。また、耐凍害性に悪影響を与える細孔を密封し、PVAの溶解によって新たに形成される気孔は水分の凍結融解の際に発生する内部圧力を緩衝する効果があると考えられている。さらに、PVA層は、マトリックスと骨剤や補強繊維の接着力を向上させ、曲げ強度、引っ張り強度、衝撃強度が向上し、同時に曲げや引っ張りの破壊歪みが大きくなる。
【0006】
しかしながら、オートクレーブ養生を行う際には、水硬性組成物に含有されるPVA系樹脂やパルプ等の補強繊維はアルカリ性雰囲気下で長時間高温・高湿・高圧下にさらされ、PVA系樹脂や補強繊維が一部劣化し、成形物の機械的強度等の改善効果が十分でなかったり、分解に伴い臭気成分が発生し、作業環境を低下させるといった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、オートクレーブ養生時におけるPVA系樹脂や補強繊維の一部劣化を防止し機械的強度等に優れた水硬性成形物を得ると共に、分解に伴う臭気を防止し作業環境を改善することのできる水硬性組成物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、水硬性物質(A)とPVA系樹脂(B)とヒドラジン系化合物(C)とからなり、かつPVA系樹脂(B)の含有量が全固形分に対して0.1〜20重量%、ヒドラジン系化合物(C)の含有量がPVA系樹脂(B)に対して0.01〜20重量%であるオートクレーブ養生用水硬性組成物である。前記PVA系樹脂(B)の増粘物質をPVA系樹脂(B)に対して0.5〜20重量%含有してなるものであることが望ましく、また補強繊維を全固形分に対し0.1〜10重量%含有してなることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる水硬性物質(A)としては、水と反応して硬化する無機物質のいずれも使用することができ、例えば各種ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメント、石膏、水滓スラグ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等を挙げることができるが、これに限らない。これらの1種類のみ、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の組成物には、必要により、前記成分以外に、水硬性成形物に使用される添加剤を含んでいても良く、例えば粉末シリカ、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュ、パーライト等の無機充填材や、砂、砂利、軽量骨材等の充填材を添加剤として含有しても良く、さらに気泡を含んでいても良い。
【0010】
本発明において用いられるPVA系樹脂(B)は、公知の方法によって得られる各種のPVA系樹脂が用いられる。例えば、脂肪酸ビニルエステルを塊状、溶液、懸濁、乳化などの公知の重合方法によって重合して得られる脂肪酸ビニルエステルを公知の方法によりケン化することにより得られるものや、本発明の効果を損なわない範囲であれば他の共重合可能な単量体と共重合したものでも、また、連鎖移動剤を使用してポリマー末端を修飾したものであっても良い。前記脂肪酸ビニルエステルとしては、ぎ酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、酪酸ビニルエステル等を挙げることができるが、これに限らない。中でも、酢酸ビニルが工業的には好ましい。
【0011】
また、脂肪酸ビニルエステルと共重合可能な他の単量体としては、例えばエチレン、プロピレンなどのオレフィン類:アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの重合性モノカルボン酸類:マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの重合性ジカルボン酸類:無水マレイン酸などの重合性ジカルボン酸無水物:重合性モノカルボン酸類および重合性ジカルボン酸類のエステル類や塩類:アクリルアミド、メタクリルアミドなどの重合性酸アミド類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル類:塩化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類:塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類:アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基を有する単量体:メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類:酢酸アリル、塩化アリル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシプロピレンアリルエーテルなどのアリル化合物:ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニルなどが挙げられるが、これに限られない。
【0012】
ポリマー末端を修飾する連鎖移動剤としては、アルデヒド類、メルカプタン類、ハロゲン含有化合物などを挙げることができるが、これに限定されない。
【0013】
また、2種類以上のPVA系樹脂を併用しても良い。
【0014】
PVA系樹脂の含有量は、全固形分に対して0.1〜20重量%である。PVA系樹脂の含有量が0.1重量%より少ないと、添加による補強効果が達成できない。また、PVA系樹脂の含有量が20重量%より多く添加しても添加に見合った補強効果が得られず不経済となり、さらに水硬性組成物スラリーの粘度が極度に高くなり、作業性が極端に低下する。また、PVA系樹脂の含有量を水硬性組成物中の水硬性物質に対しての割合で表すと、0.2〜40重量%が好ましい。
【0015】
PVA系樹脂のケン化度は特に限定されるものではないが、水硬性組成物スラリーへの常温での溶け出しを抑え、スラリー粘度の増加を抑制する点では95mol%以上であることが好ましい。
【0016】
PVA系樹脂の形状は特に限定されないが、粒子径2.0mm以下の粉末状であることが好ましい。
【0017】
本発明に用いられるヒドラジン系化合物(C)としては、各種のものが使用され、例えば、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、ヒドラジンの1水和物もしくは塩、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、メチルカルバゼート、エチルカルバゼート、セミカルバジド塩酸塩、ステアリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、1−ナフトエ酸ヒドラジド、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4′−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N′−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、イタコン酸ジヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,3−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド、およびN−アミノポリアクリルアミドなどの分子内にヒドラジノ基またはヒドラジド基を有する化合物および上記ヒドラジン化合物にケトン化合物を反応させた、カルボヒドラジドジアセトンヒドラゾン、アジピン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾンなどのヒドラジン誘導体が挙げられるが、これに限定されない。
【0018】
上記のヒドラジン系化合物の含有量は、PVA系樹脂(B)に対し、0.01〜20重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0019】
ヒドラジン化合物の含有量が0.01重量%未満であると、PVA系樹脂および補強繊維の劣化や分解防止効果が不十分であり、添加による補強効果や臭気防止効果が得られない。また、20重量部を越えると、添加による補強効果や臭気防止効果は頭打ちとなり、経済的に不利であり、時には得られた水硬性成形物の物性が損なわれるといった問題もある。
【0020】
また、機械的強度等の性能を向上させるため、PVA水溶液を増粘、ゲル化させる増粘物質を添加することが好ましい。増粘物質としては、硼酸、硼砂、クロム酸や重クロム酸のアルカリ金属性が還元されたときに生成する3価のクロム、三塩化チタンの酸化でできる4価のチタン、銅イオン、コンゴーレッドのような染料、没食子酸等が知られているが、硼酸または硼砂が実用的には好ましい。
【0021】
例えば、抄造方式で水硬性成形物を製造する場合、スラリーの粘度が高すぎると濾水性が悪くなり、作業性・生産性が問題となる。しかし、粉末状PVA並びに増粘物質である硼酸等を添加した場合は水に殆ど溶解しなくなるので、増粘せず、その大部分が金網上に抄き上げられ、その後の養生工程で加熱され溶解して補強効果が発揮される。増粘物質の含有量は一般に多いほど、増粘効果は大きいが、PVA系樹脂に対して0.5〜20重量%、好ましくは3〜20重量%である。0.5重量%未満では実用的な効果が得られない。
【0022】
また、さらに高性能の製品強度を発現させるために補強繊維を使用することが好ましい。補強繊維の含有量としては全固形分に対して0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。0.1重量%未満では水硬性物質の補強効果はグリーンシートの強度向上効果が得難く、また、10重量%を越えても分散性の問題が有り、逆に補強効果を低下させることになる。補強繊維の種類としては通常セメント等の補強材として使用されるもの全てが挙げられるが、例えば、ビニロン系、アクリル系、オレフィン系、カーボン、アラミド系の各繊維、合成パルプ、木材パルプ、木材の高叩解パルプ等のパルプ類(本発明ではこれらも含めて繊維と称す)であり、使用に際してはこれら単独または2種類以上を併用しても良い。
【0023】
本発明の水硬性組成物は、水とともに水硬性組成物スラリーとして使用される。水硬性組成物スラリーの調整は、従来から既知の方法を使用することができ、各成分および水を混合するに当たっては、混合方法や混合手段が特に限定されるものではない。例えば、コンクリートミキサー、スクリュー型混練装置、ペラー型混練装置等を使用することができる。
【0024】
前記水硬性組成物スラリーは成形することができる。その成形方法は、従来から既知の各種の方法を用いることができる。例えば、型枠法、押出法、湿式抄造法、フローオン法、乾式法等を挙げることができる。湿式抄造式である場合にはパルプ、叩解パルプ、合成パルプ等のパルプ等の何れかが含まれていることが望ましい。
【0025】
養生条件は、得られる特性や用途のみでなく、組成物の種類、補強繊維によっても異なるが、PVA系樹脂を成形物内に均一に分散させ、高い寸法安定性や機械的性能を有する水硬性成形物を得るためには、オートクレーブ養生法が簡便で効果的な方法である。この際、PVAは粉末状で使用するのが最も効果的である。
【0026】
本発明の水硬性組成物から得られる水硬性成形物は、建築、土木、船舶など種々の分野で広く使用することができ、特に、その強度と寸法安定性により、屋根、外壁、内壁などに用いられる板状物、道路用、護岸用ブロック等の成形材料として極めて有効に使用できる。
【0027】
【実施例】
実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
また、以下の実施例での製品物性は次の示す評価方法によって評価した。
(1).比重
JISA5413に準拠し、試験片をかき混ぜ機付空気乾燥機に入れ、
105℃±5℃で24時間乾燥後の重量と体積を測定し、これから比重を求めた。
(2).曲げ強度、曲げたわみ
JISA1408「建築ボード類の曲げ試験法」に準拠して下記の試験条件で測定した。
<試験条件>
試料サイズ:幅40mm 厚み5〜8mm
スパン幅:100mm
クロスヘッド速度:20mm/min
温度・湿度:20℃・65%RH
スパン中央部の最大たわみ量を曲げたわみとした。
(3).異臭
オートクレーブから取り出した成形体の臭いについて、以下の評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
○:全く臭いなし
△:少し刺激臭あり
×:激しい刺激臭あり
(4).総合評価
◎:成形物の曲げ強度、曲げたわみともに非常に高く、異臭の発生もない。
○:成形物の曲げ強度、曲げたわみともに高く、異臭の発生もない。
×:成形物の曲げ強度、曲げたわみ、異臭の発生において、この内1つ以上の性能が劣っている。
【0028】
実施例1
セメント(普通ポルトランドセメント) 45重量%
フライアッシュ(関電フライアッシュ) 45重量%
パーライト(トプコ パーライト51) 10重量%
上記の組成物に加えて、PVA(粘度平均重合度=1680、ケン化度=99.4モル%)の83メッシュをパスした粉末を全固形分に対し1重量%、およびヒドラジン系化合物としてセバシン酸ジヒドラジドをPVAに対して2重量%を添加し、さらに水を加えて固形分濃度15重量%のスラリーを作成した。
このスラリーを用いてハチェック法(丸編み抄造機)による湿式抄造を行い、厚さ6mmの中間体を得た。次いで、この中間体を180℃で8時間オートクレーブ養生を行って成形体サンプルを作成した。この成形体サンプルの特性は表1に示すように、曲げ強度、曲げたわみが高く、またオートクレーブから取り出したときの異臭もなかった。
【0029】
比較例1
ヒドラジン化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体の特性は表1に示すように、オートクレーブから取り出したときに激しい異臭があり、曲げ強度の向上効果も低かった。これは、使用したPVAの一部がオートクレーブでの湿熱処理により分解し、曲げ強度、曲げたわみの向上効果を低くするとともに、激しい異臭が発生したものと考えられる。
【0030】
比較例2
PVAおよびヒドラジン化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体の特性は表1に示すように、異臭は発生しなかったが、曲げ強度、曲げたわみの劣るものであった。
【表1】
【0031】
実施例2
セメント(普通ポルトランドセメント) 50重量%
フライアッシュ(関電フライアッシュ) 30重量%
パルプ(NUKP csf500ml) 5重量%
パーライト(微粉パーライト) 15重量%
上記の組成物に加えてPVA(粘度平均重合度=1680、ケン化度=99.4モル%)の83メッシュをパスした粉末を全固形分に対し2重量%、およびヒドラジン系化合物としてセバシン酸ジヒトラジドをPVAに対して2重量%を添加し、水を加えて固形分濃度40重量%のスラリーを調整し、型枠に流し込んだ後、プレスして厚さ8mmのかさ比重約1.0の板状物を作成した。これは、通常の長編み式一層抄きに相当する。その後、80℃で24時間スチーム養生後、180℃で6時間オートクレーブ養生し、さらに90℃で16時間乾燥して、成形体サンプルを作成した。この成形体サンプルの特性は表2に示すように、曲げ強度、曲げたわみが高く、またオートクレーブから取り出したときの異臭もなかった。
【0032】
実施例3
セバシン酸ジヒドラジドの添加量をPVAに対して0.1重量%としたこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体サンプルの特性は表2に示すように、曲げ強度、曲げたわみが高く、またオートクレーブから取り出したときの異臭もなかった。
【0033】
実施例4
セバシン酸ジヒドラジドの添加量をPVAに対して10重量%としたこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体サンプルの特性は表2に示すように、曲げ強度、曲げたわみが高く、またオートクレーブから取り出したときの異臭もなかった。
【0034】
実施例5
ヒドラジン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジドを用いたこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体サンプルの特性は表2に示すように、曲げ強度、曲げたわみが高く、またオートクレーブから取り出したときの異臭もなかった。
【0035】
実施例6
増粘剤として硼酸をPVAに対して10重量%添加したこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体サンプルの特性は表2に示すように、曲げ強度、曲げたわみが非常に高くなっており、またオートクレーブから取り出したときの異臭もなかった。
【0036】
比較例3
ヒドラジンを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体の特性は表2に示すように、オートクレーブから取り出したときに激しい異臭があり、曲げ強度、曲げたわみの向上効果も低かった。
【0037】
比較例4
増粘剤として硼酸をPVAに対して10重量%添加し、ヒドラジンを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体の特性は表2に示すように、オートクレーブから取り出したときに激しい異臭があり、曲げ強度の向上効果も低かった。
【0038】
比較例5
PVA及びヒドラジンを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして成形体サンプルを作成した。この成形体の特性は表2に示すように、オートクレーブから取り出したときに少し異臭があり、曲げ強度、曲げたわみが劣るものであった。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
本発明の水硬性組成物を用いれば、オートクレーブ養生時におけるPVA系樹や補強繊維の一部劣化を防止し、機械的強度等に優れた水硬性成形物を得ると共に、分解に伴う臭気を防止し作業環境を改善することができる。
Claims (3)
- 水硬性物質(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)とヒドラジン系化合物(C)とを含有し、かつポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有量が全固形分に対して0.1〜20重量%、ヒドラジン系化合物(C)の含有量がポリビニルアルコール系樹脂(B)に対して0.01〜20重量%であることを特徴とするオートクレーブ養生用水硬性組成物。
- ポリビニルアルコール系樹脂(B)の増粘物質をポリビニルアルコール系樹脂(B)に対して0.5〜20重量%含有してなることを特徴とする請求項1記載のオートクレーブ養生用水硬性組成物。
- 補強繊維を全固形分に対し0.1〜10重量%含有してなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のオートクレーブ養生用水硬性組成物。
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