JP4368386B2 - 輪転機用インキレール - Google Patents

輪転機用インキレール Download PDF

Info

Publication number
JP4368386B2
JP4368386B2 JP2007028876A JP2007028876A JP4368386B2 JP 4368386 B2 JP4368386 B2 JP 4368386B2 JP 2007028876 A JP2007028876 A JP 2007028876A JP 2007028876 A JP2007028876 A JP 2007028876A JP 4368386 B2 JP4368386 B2 JP 4368386B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
chamber
rail
ink chamber
leakage space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007028876A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008188971A (ja
Inventor
昇 藤尾
和幸 本島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd filed Critical Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority to JP2007028876A priority Critical patent/JP4368386B2/ja
Priority to CNB2007101401485A priority patent/CN100540303C/zh
Publication of JP2008188971A publication Critical patent/JP2008188971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4368386B2 publication Critical patent/JP4368386B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F31/00Inking arrangements or devices
    • B41F31/02Ducts, containers, supply or metering devices
    • B41F31/027Ink rail devices for inking ink rollers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41PINDEXING SCHEME RELATING TO PRINTING, LINING MACHINES, TYPEWRITERS, AND TO STAMPS
    • B41P2231/00Inking devices; Recovering printing ink
    • B41P2231/12Axially segmented ink blades

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

この発明は、輪転印刷機のインキ供給装置において、印刷幅方向を複数に分割し、分割されたそれぞれの分割領域毎にインキポンプから送られてくるインキをインキ元ローラーに供給する輪転機用インキレールに関する。
輪転機用インキレールの概要は、例えば凸版新聞輪転機のインキ供給装置に関する「印刷技術一般(改訂版)」(印刷技術一般刊行会 昭和63年2月25日 第27刷発行)(以下公知刊行物1という)の357頁乃至359頁の「i)インキポンプ式」に記載されている。
特許第3464457号公報(以下特許文献1という)は「インキ出しローラ用のインキ供給装置」に関し、印刷幅方向を複数に分割された分割領域(特許文献1ではインキゾーン)ごとのインキ元ローラー(特許文献1ではインキ出しローラ)の周面に均一にインキを供給するために以下に記すような発明が開示されている。
特許文献1には、インキ供給管路が接続する第1インキチャンバー(特許文献1では前チャンバ)と、第1インキチャンバーからインキが流入してインキ元ローラーにインキを供給する第2インキチャンバー(特許文献1では主チャンバ)とを有するインキ供給装置が開示されている。そして、第1インキチャンバーのインキ流入部横断面積が第1インキチャンバーのインキ流出部(第2インキチャンバーのインキ流入部と同意)横断面積よりも大きく形成されている。そして第2インキチャンバーは、インキの流れる方向で拡幅され、かつ厚みを減少されていてインキ流入部の幅が端部より狭く、端部がスリットノズルとして構成されている。
更に特許文献1には、前述の構成に加えて各第2インキチャンバーが、インキ元ローラーに近接する端部で、溢出開口を介して隣接する第2インキチャンバーに接続されている構成が開示されている。第2インキチャンバーのスリットノズル端部におけるインキ流出部横断面に対し第1インキチャンバーのインキ流出部横断面が大きく、かつ2倍より小さい範囲にあり、インキ元ローラー回転方向下流側にドクター装置が配置されている。
他方、輪転印刷機用のインキの性状特性については、例えば「印刷インキ入門」(相原次郎 昭和63年7月30日 第2刷発行)(以下公知刊行物2という)の70頁乃至73頁「3・3・1印刷インキの流動性」、及び「わかりやすい紙・インキ・印刷の科学」(市川家康 昭和56年9月15日増補改訂版第6版)(以下公知刊行物3という)の89頁乃至91頁「2インキの流動形式」、同書の92頁乃至93頁「3インキの流動性の測定と計測器 毛細管粘度計」に記載されている。
すなわち、印刷インキは、印刷方式や印刷物により粘度が異なる。例えば新聞インキでも、オフセット輪転機用インキは凸版輪転機用インキより粘度は高い。また、一般に印刷インキは、ニュートン流体と異なり塑性流動を示す塑性流体であるものが多い。そして流体が比較的細い円管内を流れる場合の管内流れの状態は、まず管入口から一様速度で流入すると管内壁に沿って境界層が発達し、それが厚みを増して中心部に達すると、管内の速度分布は一定になる。一定になった円管内の速度分布は、管中心部が速く、管内壁付近では遅い。水やアルコールのようなニュートン流体では、この速度分布は図6(a)に示すように放物線型を示す。これに対し塑性流体であるインキの速度分布は図6(b)に示すように栓流型となる。
特許第3464457号公報
特許文献1に開示された発明では、分割領域毎のインキ元ローラーの周面に均一にインキを供給するために、第1インキチャンバー及び第2インキチャンバーは、インキ流入部とインキ流出部とでその形状を変え、それらの横断面積をインキの流れていく方向で順次狭くしている。
第2インキチャンバーは、その室内形態をインキの流れていく過程において徐々に幅を広げつつ同時に厚みを減少させている。更にインキ流出端部で溢出開口を介して隣接する第2インキチャンバーに接続されており、インキ元ローラー回転方向下流側にドクター装置が配置されている。インキの中では比較的粘度の低い、例えば凸版輪転機用新聞インキの場合には、インキチャンバー壁面と流動しているインキの間に生じるずり応力は小さいため、インキは比較的インキチャンバー形状にしたがって流れることが可能であり、上述したインキチャンバーの室内形態によりインキはスリットノズル部より均一なインキ流れとなってインキ元ローラーの周面に供給することができた。
オフセット輪転機用新聞インキは、凸版輪転機用新聞インキに比べ粘度が高い。特に最近のカラー印刷では色調再現性を向上させるためにドットゲインの少ない高粘度インキが用いられている。しかもオフセット輪転機用インキ等の流動性は、塑性流動であり、流体に掛かる力が、ある値(降伏価)に達すると流動を始める。
上述のインキのような比較的粘度の高い塑性流体の流動特性から、特許文献1に示されたインキレール内におけるインキの流れをインキ元ローラーの軸方向で見ると、インキ元ローラーに分割領域ごとにインキを供給する第2インキチャンバーの隣接する分割領域間でインキの流れを仕切る各仕切り壁をどんなに薄くしてもインキと壁面間に生じるずり応力が大きいため、仕切り壁近くではインキが流れるにしたがい境界層が発達し、インキの流速は著しく低下する。
そのため、インキの流速は、第2インキチャンバーの仕切り壁面間中央部一帯が速く、仕切り壁面近傍で遅い速度分布となり、図6(b)に示すような栓流型となる。したがってインキの流れていく過程において、各分割領域のインキ元ローラーの軸方向でインキを均一にインキ元ローラーに供給することができなかった。つまり第2インキチャンバーの仕切り壁に付着しているインキの流速はゼロであるから、インキ流出端部でわずかな溢出開口を設けても第2インキチャンバーのインキ元ローラー軸方向で仕切り壁間中央部付近と仕切り壁近傍の流速差を解消されない。そのためインキ元ローラー周面のインキは、第2インキチャンバーの仕切り付近が他よりも少なくなり、これを解消するためにドクター装置によってインキ元ローラー周面のインキを均一にならさなければならなかった。
さらに、第2インキチャンバーは徐々に拡幅されかつ厚みを減少されていて、インキ流出部の横断面積がインキ流入部の横断面積よりも狭く形成されており、第2インキチャンバー端部の仕切り壁付近にはインキの供給圧力が及びにくい。そのため、第2インキチャンバー内のインキは、第1インキチャンバーのインキ流出部幅の範囲では流れるが、端部の分割領域の間の仕切り壁付近のインキは流れにくくなって仕切り壁付近が他よりも少なくなり、その結果インキ元ローラー周面に分割領域ごとに均一にインキを供給することができない問題点があった。
上記課題を解決するために、インキ供給装置のインキ元ローラー外周面の周面方向の一部を軸方向に少なくとも印刷横幅だけを覆うように近接して設けられ、インキ元ローラー外周面に対し、印刷横幅を複数に分割した分割領域ごとにそれぞれ必要量のインキを供給可能である輪転機用インキレールにおいて、
仕切りを介して他の空間と隣接される一の空間であり、それぞれが前記分割領域に対応する横幅を有し、かつインキ供給源に連結されるとともに、分割領域の横幅とほぼ同じ横幅で第2インキチャンバーに連続される各第1インキチャンバーを複数印刷幅方向に設けるとともに、
第1インキチャンバーのインキ流れ方向下流側に設けられ、各第1インキチャンバーのインキ流出口と連通するとともに、インキ元ローラーの軸線と平行に少なくとも印刷横幅にわたってインキ元ローラーの外周面に対向する面に開口するスロットノズルを開口部とする一室構成のインキ通路である第2インキチャンバーを設け、
隣り合う第1インキチャンバーのインキ流出口の端部及び第2インキチャンバーと連通し、その付近のインキ流出抵抗を小さくするインキ漏出空間を設けたことを特徴とする輪転機用インキレールを提案する。
更に、インキ漏出空間が、第1インキチャンバー間の各仕切りを、少なくとも第2インキチャンバー側から一定の範囲で除去したインキ漏出空間である0014欄記載の輪転機用インキレール、及びインキ漏出空間が、各第1インキチャンバーの両端近傍部位において、第2インキチャンバーの間隔を第2インキチャンバーの他の部位の間隔より拡大させたインキ漏出空間である0014欄記載の輪転機用インキレールを提案する。
更に又、0014欄後半に記載の輪転機用インキレールにおいて、インキ漏出空間が、インキ元ローラーの外周面に対向する面に開口するスロットノズルまで到らせて設けたインキ漏出空間である輪転機用インキレールを提案する。
この発明によれば、第1インキチャンバーのインキ流出部の横方向の長さを1つの分割領域長さに略等しくし、かつ第1インキチャンバーの横方向両端部仕切り近傍にインキ漏出空間を設けることにより第1インキチャンバーのインキ流出部において、第1インキチャンバーの両端部仕切り近傍で流出するインキの量を補完し、第2インキチャンバーの流入部で分割領域の横幅において均一なインキ流量とすることができる。
更に、第2インキチャンバーは分割領域間の仕切り壁がなく連続した一室構成の形状なので、分割領域の横幅において均一となったインキの流れをインキの流れ方向において何ら阻害されないでスロットノズルよりインキ元ローラー周面に供給することが可能になった。そのため粘度の高いインキにおいてもドクター装置によってインキ元ローラーの周面のインキをならす必要がなくなり、ドクター装置を設けなくてもよいという効果がある。
次にこの発明の2つの実施形態について図面を参照して説明する。なお、この明細書中においてインキ元ローラー30の軸方向は、横方向として記している。
図1は、この発明のインキレールを用いたオフセット輪転印刷機のインキング装置の概要を示した図である。インキレール10又は20からインキ元ローラー30に供給されたインキは、インキングローラー41乃至47を経て版胴50へ運ばれブランケット胴60を介して連続紙(図示せず)に印刷される。
この発明の第1の実施形態について図2及び図3に基づいて説明する。インキレール10は、主インキレール11と副インキレール12とからなり、互いに対面する主インキレール11の組付け面117と副インキレール12の組付け面120とを密接に組み付けてなるブロック体であり、インキ元ローラー30に沿って設けられる。インキレール10の主インキレール11と副インキレール12にわたって設けられるインキ元ローラー30と対向する面は、インキ元ローラー30外周面300の凸曲面の径よりわずかに大きな径になる凹曲面として形成される。
インキレール10は、ステー100に取り付けられており、ステー100は、インキ元ローラー30と平行になるように取付部材(図示せず)を介してフレームに取り付けられている。インキレール10は、この図示しない取付部材を操作することによって、凹曲面が、インキ元ローラー30の外周面300にインキ元ローラー30と略同心状態で近接し、インキ元ローラー30の外周面300の周面方向の一部を、横方向に少なくともこの印刷機の印刷幅に相当する幅だけ覆う位置に位置決め可能である。更にインキレール10は、必要に応じて凹曲面が、インキ元ローラー30の外周面300から大きく離隔する位置に移動可能である。
主インキレール11には、副インキレール12の組付け面117に向いて開口された凹部(空間)である第1インキチャンバー111を複数、印刷機の印刷横幅方向に複数に分割した分割領域と同じ数だけ横方向に設けられる。各第1インキチャンバー111は、この実施形態では組付け面117に直角な横断面が、開口部を弦とする弓形断面を有する空洞であり、互いに隣接する空洞間を仕切り113で仕切っている。各第1インキチャンバー111の他の実施形態では、組付け面117に直角な横断面が、台形状、長方形状の空洞でもよく、互いに隣接する空洞間を仕切り113で仕切っている。
仕切り113の横幅はb1であり、この第1インキチャンバー111の両側の仕切り113、113の中央間の寸法Wは、複数分割される分割領域の横幅に等しい。d1は、第1インキチャンバー111の横方向に平行な対向する2つの内壁面の間隔である。
第2インキチャンバー112は、第1インキチャンバー111のインキ流出口115で連通し第1インキチャンバー111の凹曲面側に設けられる一室構成の空洞からなる。第2インキチャンバー112は、組付け面117と直角方向に組付け面117から深さaaだけ窪ませた比較的浅い凹部であり、両端部を閉鎖壁116で閉鎖されて複数の第1インキチャンバー111の横方向に亘り、かつ第1インキチャンバー111から凹曲面に開口するスロットノズル118までの通路として形成されている。e1は、第2インキチャンバー112の通路としての長さ(第2インキチャンバー内のインキ流れ方向長さ)を示す。
主インキレール11の組付け面117からの凹部である複数の第1インキチャンバー111と、1つの凹部である第2インキチャンバー112は、主インキレール11の組付け面117と副インキレール12の組付け面120とを密接させて組み付けられると、それぞれの第1インキチャンバー111は、仕切り113によって区切られた複数の空間として形成され、第2インキチャンバー112は、第1インキチャンバー111のインキ流出口115から凹曲面に開口しインキ元ローラー30の外周面300にインキを供給するスロットノズル118までの一室構成の空間となる。インキ元ローラー30の外周面300と対向する第2インキチャンバー112の凹曲面の開口部がスロットノズル118として形成され、第1インキチャンバー111から第2インキチャンバー112へインキが移行する境界部分がインキ流出口115である。
各第1インキチャンバー111へは、それぞれ1つのインキ供給管路110が開口されている。それぞれのインキ供給管路110の他方の開口は、組付け面117とは異なる面に開口しており、インキポンプ(図示せず)に管路で連結している。インキポンプは、第1インキチャンバー111と対応する分割領域が必要とするインキ量を調節してインキ供給管路110を通して各第1インキチャンバー111へ供給する。
隣接する2つの第1インキチャンバー111、111間を仕切る仕切り113は、組付け面117において横幅寸法b1が1mm前後の薄い壁からなる。この実施形態では仕切り113の横幅寸法b1は1mmである。各仕切り113は、第1インキチャンバー111と第2インキチャンバー112との間に設けられるインキ流出口115に当たる部分から第1インキチャンバー111方向へ適宜範囲除去されており、その除去部分がインキ漏出空間114として形成される。このインキ漏出空間114は、隣接する2つの第1インキチャンバー111、111を、そのインキ流出口115近傍で連通するとともに、第2インキチャンバー112とも連通している。仕切り113の除去する範囲は、第1インキチャンバー111の横方向に平行な対向する2つの内壁面の間隔d1の半分程度であるが、適宜決める。
次にこの発明の第1の実施形態におけるインキの流れについて説明する。図3においてC1は、インキ供給管路110内のインキ流れ方向を示す矢印であり、D1は、第1インキチャンバー111内のインキ流れ方向を示す矢印であり、E1は第2インキチャンバー112内のインキ流れ方向を示す矢印である。図示されないインキポンプから管を通って送られてきたインキは、各インキ供給管路110を通り、各第1インキチャンバー111へ送られ、それぞれの第1インキチャンバー111の空洞内に満たされる。1つの第1インキチャンバー111内を流れるインキを横方向で見ると、壁面近くのインキの流速は、壁面とのずり応力により、第1インキチャンバー111内の平均流速より遅いが、それ以外を栓流として流れるインキの流速の差はほとんどない。
各第1インキチャンバー111のインキが、第2インキチャンバー112へ流れ込むとき、各第1インキチャンバー111は横方向では組付け面117側の間隔が1つの分割領域の横幅Wに略等しいので、この方向におけるインキ流速分布は、第1インキチャンバーの仕切り113付近の両端部では他の部分より遅いが、それ以外の大部分の範囲で概略一様となっている。
つまりインキの流速が遅い各第1インキチャンバー111の両端部に当たるインキ流出口115付近では、第2インキチャンバー112へのインキ流入量は少ないが、インキ漏出空間114によって第2インキチャンバー112へ流れ込むインキ量が補完される。すなわち、インキ漏出空間114が形成されることによって、隣接する2つの第1インキチャンバー111、111内のインキは自らのインキ流出口115の範囲に加え、互いに隣接する第1インキチャンバー111の方向へも流れ出すことが可能になる。そして、互いに隣接する2つの第1インキチャンバー111、111からインキ漏出空間114へ流れ込んだインキは、各第1インキチャンバー111のインキ流出口115から流れ出るインキと一体となって第2インキチャンバー112へ向かう。
このようにして第2インキチャンバー112では、第1インキチャンバー111のインキ流出口115の両端部でインキ漏出空間114から流れ込むインキが合流しインキを補完することによって、1つの分割領域に対応する横幅Wにわたって必要量のインキが均一に流れ込むことになる。したがって第2インキチャンバー112の全体にわたってインキ量に過不足が生じない。
第2インキチャンバー112へ流れ込んだインキは、一室構成な空洞からなり横方向で均一の厚さを有する第2インキチャンバー112内を、その両側の閉鎖壁116近傍を除き抵抗むらのない状態で流れる。そのため第1インキチャンバー111から流れ込む状態を維持したまま、すなわち第2インキチャンバー112の全体にわたってインキ量を過不足のない状態を維持して、インキをスロットノズル118からインキ元ローラー30の外周面300へ供給することができる。
次に、この発明の第2の実施形態について図4及び図5に基づいて説明する。インキレール20は、主インキレール21と副インキレール22とからなり、互いに対面する主インキレール21の組付け面217と副インキレール22の組付け面220とを密接に組み付けてなるブロック体であり、インキ元ローラー30に沿って設けられる。インキレール20の主インキレール21と副インキレール22にわたって設けられるインキ元ローラー30と対向する面は、インキ元ローラー30外周面300の凸曲面の径よりわずかに大きな径になる凹曲面として形成される。
インキレール20は、ステー100に取り付けられており、ステー100は、インキ元ローラー30と平行になるように取付部材(図示せず)を介してフレームに取り付けられている。インキレール20は、この図示しない取付部材を操作することによって、凹曲面が、インキ元ローラー30の外周面300にインキ元ローラー30と略同心状態で近接し、インキ元ローラー30の外周面300の周面方向の一部を、横方向に少なくともこの印刷機の印刷幅に相当する幅だけ覆う位置に位置決め可能である。更にインキレール20は、必要に応じて凹曲面が、インキ元ローラー30の外周面300から大きく離隔する位置に移動可能である。
主インキレール21には、副インキレール22の組付け面220に向いて開口された凹部(空間)である第1インキチャンバー211を複数、印刷機の印刷横幅方向に複数に分割した分割領域と同じ数だけ横方向に設けられる。それぞれの第1インキチャンバー211は、この実施形態では組付け面217に平行な断面が、横方向両端が半円形でありその間を半円の接線で結んだ小判型形状であり、組付け面217から直角方向へ深さf2を有する凹部である。第2実施形態の第1インキチャンバー211の凹部形状として、他の実施例として組付け面217に平行な断面は、長方形等の形状でよく、組付け面217から直角方向へ深さf2を有する空洞であればよい。
各第1インキチャンバー211のインキ流出口215部は、仕切り213で仕切っている。この第1インキチャンバー211のインキ流出口215両側の仕切り213、213の中央間の寸法Wは、複数分割される分割領域の横幅に等しい。d2は、第1インキチャンバー211の横方向に平行な対向する2つの内壁面の間隔である。
第2インキチャンバー212は、第1インキチャンバー211とインキ流出口215で連通し第1インキチャンバー211の凹曲面側に設けられる一室構成の空洞からなる。第2インキチャンバー212は、組付け面217と直角方向に組付け面217から深さaaだけ窪ませた比較的浅い凹部であり、両端部を閉鎖壁216で閉鎖されて複数の第1インキチャンバー211の横方向に亘り、かつ第1インキチャンバー211から凹曲面に開口するスロットノズル218までの通路として形成されている。e2は、第2インキチャンバー212の通路としての長さ(インキ流れ方向長さ)を示す。
主インキレール21の組付け面217からの凹部である複数の第1インキチャンバー211と、1つの凹部である第2インキチャンバー212は、主インキレール21の組付け面217と副インキレール22の組付け面220とを密接させて組み付けられることにより、それぞれの第1インキチャンバー211は、仕切り213によって区切られた複数の空間として形成され、第2インキチャンバー212は、第1インキチャンバー211のインキ流出口215から凹曲面に開口しインキ元ローラー30の外周面300にインキを供給するスロットノズル218までの一室構成の空間となる。インキ元ローラー30の外周面300と対向する第2インキチャンバー212の凹曲面の開口部が、スロットノズル218として形成され、第1インキチャンバー211から第2インキチャンバー212へインキが移行する境界部分がインキ流出口215である。
複数の各第1インキチャンバー211へは、それぞれ1つのインキ供給管路210が開口されている。それぞれのインキ供給管路110の他方の開口は、組付け面217とは異なる面に開口しており、インキポンプ(図示せず)に管路で連結している。インキポンプは、第1インキチャンバー211と対応する分割領域が必要とするインキ量を調節してインキ供給管路210を通して各第1インキチャンバー211へ供給する。
隣接する2つの第1インキチャンバー211、211のインキ流出口215、215間を仕切る仕切り213は、組付け面217において横幅寸法b2が1mm前後の薄い壁からなる。この実施形態では仕切り213の横幅寸法b2は1mmである。
第1インキチャンバー211のインキ流出口215及び第2インキチャンバー212には、仕切り213及び閉鎖壁216近傍にインキ漏出空間214を設ける。インキ漏出空間214は、第2インキチャンバー212の組付け面217からの深さaaより深い深さbbで、幅を仕切り213の幅より広い溝状に形成される。インキ漏出空間214である溝状部分は、この実施例では凹曲面に開口するスロットノズル218まで延長されており、その部分のスロットノズル218の開口間隔が広く形成される。インキ漏出空間214である溝状部分の他の実施例では、凹曲面に開口するスロットノズル218まで至らない形状でもよい。この場合はスロットノズル218の開口間隔は変更がない。更にインキ漏出空間214である溝状部分の他の実施例では、インキ漏出空間を副インキレール22に設けてもよい。インキ漏出空間214は、仕切り213近傍では仕切り213の幅より幅広に形成し、閉鎖壁216近傍では幅は、仕切り213近傍におけるインキ漏出空間214の半分程度である。
次にこの発明の第2の実施形態におけるインキの流れについて説明する。図5においてC2は、インキ供給管路210内のインキ流れ方向を示す矢印であり、D2は、第1インキチャンバー211内のインキ流れ方向を示す矢印であり、E2は第2インキチャンバー212内のインキ流れ方向を示す矢印である。図示されないインキポンプから管を通って送られてきたインキは、各インキ供給管路210を通り、各第1インキチャンバー211へ送られそれぞれの第1インキチャンバー211の空洞内に満たされる。1つの第1インキチャンバー211内を流れるインキを横方向で見ると、壁面近くのインキの流速は、壁面とのずり応力により、第1インキチャンバー211内の平均流速より遅いが、それ以外を栓流として流れるインキの流速の差は、ほとんどない。
各第1インキチャンバー211のインキが、第2インキチャンバー212へ流れ込むとき、各第1インキチャンバー211のインキ流出口215の横幅は、1つの分割領域横幅Wに略等しい。しかしそれぞれの第1インキチャンバー211のインキ流速は両端部で遅いうえに、横方向両端部の組付け面217が半円形に開口しているため、インキ流量が平行な2平面部の間隔d2を有する中間部に比べ両端部は少ない。 つまり各第1インキチャンバー211からインキ流出口215を通って第2インキチャンバー212へ流れ込むインキ流入量は、第1インキチャンバー211の両端部で少ないが、インキ漏出空間214によって第2インキチャンバー212へ流れ込むインキ量が補完される。
すなわち、インキ漏出空間214が形成されることによって、各第1インキチャンバー211の両端付近で第2インキチャンバー212へのインキの流入抵抗が減る。インキは、流入抵抗が高いところより低いところへ流れようとするため、インキ漏出空間214を形成することにより、第1インキチャンバー211の両端付近から第2インキチャンバー212へ流入するインキ流量は、第1インキチャンバー211の平行な2平面部の間隔d2を有する中間部から第2インキチャンバー212へ流入するインキ流量と均衡を得ることができる。
このようにして第2インキチャンバー212へは、第1インキチャンバー211のインキ流出口215の両端部でインキ漏出空間214から流れ込むインキが合流しインキを補完することによって、1つの分割領域に対応する横幅Wにわたって必要量のインキが均一に流れ込むことになる。更にこの図示される実施例の場合、溝状のインキ漏出空間214は、仕切りのない一室構成の第2インキチャンバー112内で凹曲面に開口するスロットノズル218まで設けられているため、均衡のとれたインキの流れを何ら妨げるものがない。すなわち第2インキチャンバー212の全体にわたってインキ量に過不足のない状態を維持して、インキをスロットノズル218からインキ元ローラー30の外周面300へ供給することができる。
この発明は、インキ供給装置を有する輪転印刷機に利用される。
この発明の実施形態のインキレールを備えたオフセット輪転印刷機のインキング装置概要を示した斜視図 この発明の第1の実施形態の一部を斜め上方から見た斜視図であり、副インキレールの一部を削除した斜視図 この発明の第1の実施形態を示す図2のAA線断面図 この発明の第2の実施形態の一部を斜め上方から見た斜視図であり、副インキレールの一部を削除した斜視図 この発明の第2の実施形態を示す図4のBB線断面図 (a) 管内を流れるニュートン流体の速度分布を模式的に示した図 (b) 管内を流れる塑性流体の速度分布を模式的に示した図
符号の説明
10 インキレール(第1の実施形態)
100 ステー
11 主インキレール(第1の実施形態)
110 インキ供給管路
111 第1インキチャンバー
112 第2インキチャンバー
113 仕切り
114 インキ漏出空間
115 第1インキチャンバーのインキ流出口
116 閉鎖壁
117 主インキレールの副インキレールとの組付け面
118 スロットノズル
12 副インキレール
120 副インキレールの主インキレールとの組付け面
20 インキレール(第2の実施形態)
100 ステー
21 主インキレール(第2の実施形態)
210 インキ供給管路
211 第1インキチャンバー
212 第2インキチャンバー
213 仕切り
214 インキ漏出空間
215 第1インキチャンバーのインキ流出口
216 閉鎖壁
217 主インキレールの副インキレールとの組付け面
218 スロットノズル
22 副インキレール
220 副インキレールの主インキレールとの組付け面
30 インキ元ローラー
300 インキ元ローラーの外周面
41、42、43、44、45、46、47 インキングローラー
50 版胴
60 ブランケット胴
W 1つの分割領域の横幅
aa 第2インキチャンバーの主インキレール組付け面からの深さ
bb 第2の実施形態におけるインキ漏出空間の主インキレール組付け面からの深さ
b1、b2 仕切りの横幅寸法
c インキ供給管路の内径
d1、d2 第1インキチャンバーの横方向に平行な対向する2平面の間隔
e1、e2 第2インキチャンバーのインキ流れ方向長さ
f2 第2の実施形態における第1インキチャンバーの主インキレール組付け面からの深さ
C1、C2 インキ供給管路内のインキ流れ方向を示す矢印
D1、D2 第1インキチャンバー内のインキ流れ方向を示す矢印
E1、E2 第2インキチャンバー内のインキ流れ方向を示す矢印

Claims (4)

  1. インキ供給装置のインキ元ローラー外周面の周面方向の一部を軸方向に少なくとも印刷横幅だけを覆うように近接して設けられ、インキ元ローラー外周面に対し、印刷横幅を複数に分割した分割領域ごとにそれぞれ必要量のインキを供給可能である輪転機用インキレールにおいて、
    仕切りを介して他の空間と隣接される一の空間であり、それぞれが前記分割領域に対応する横幅を有し、かつインキ供給源に連結されるとともに、分割領域の横幅とほぼ同じ横幅で第2インキチャンバーに連続される各第1インキチャンバーを複数印刷幅方向に設けるとともに、
    第1インキチャンバーのインキ流れ方向下流側に設けられ、各第1インキチャンバーのインキ流出口と連通するとともに、インキ元ローラーの軸線と平行に少なくとも印刷横幅にわたってインキ元ローラーの外周面に対向する面に開口するスロットノズルを開口部とする一室構成のインキ通路である第2インキチャンバーを設け、
    隣り合う第1インキチャンバーのインキ流出口の端部及び第2インキチャンバーと連通し、その付近のインキ流出抵抗を小さくするインキ漏出空間を設けたことを特徴とする輪転機用インキレール。
  2. インキ漏出空間が、第1インキチャンバー間の各仕切りを、少なくとも第2インキチャンバー側から一定の範囲で除去したインキ漏出空間である請求項1記載の輪転機用インキレール。
  3. インキ漏出空間が、各第1インキチャンバーの両端近傍部位において、第2インキチャンバーの間隔を第2インキチャンバーの他の部位の間隔より拡大させたインキ漏出空間である請求項1記載の輪転機用インキレール。
  4. インキ漏出空間が、インキ元ローラーの外周面に対向する面に開口するスロットノズルまで到らせて設けたインキ漏出空間である請求項3記載の輪転機用インキレール。
JP2007028876A 2007-02-08 2007-02-08 輪転機用インキレール Active JP4368386B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007028876A JP4368386B2 (ja) 2007-02-08 2007-02-08 輪転機用インキレール
CNB2007101401485A CN100540303C (zh) 2007-02-08 2007-08-06 转轮机用流墨沟槽

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007028876A JP4368386B2 (ja) 2007-02-08 2007-02-08 輪転機用インキレール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008188971A JP2008188971A (ja) 2008-08-21
JP4368386B2 true JP4368386B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=39749514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007028876A Active JP4368386B2 (ja) 2007-02-08 2007-02-08 輪転機用インキレール

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4368386B2 (ja)
CN (1) CN100540303C (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN2280622Y (zh) * 1996-05-03 1998-05-06 北人印刷机械股份有限公司 印刷机的墨量调整装置
DE19860641A1 (de) * 1998-12-29 2000-07-06 Koenig & Bauer Ag Farbzuführeinrichtung für einen Farbduktor
EP1293342A1 (de) * 2001-09-14 2003-03-19 Windmöller & Hölscher KG Farbkammer für Rotationsdruckmaschinen mit stirnseitiger Abdichtung
US6796231B2 (en) * 2002-09-20 2004-09-28 The Provident Group Shield for doctor blade holder
JP2005088586A (ja) * 2003-09-12 2005-04-07 Metronic Ag インキ壺
JP4133760B2 (ja) * 2003-11-19 2008-08-13 株式会社小森コーポレーション 輪転印刷機のインキ壷装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101239529A (zh) 2008-08-13
CN100540303C (zh) 2009-09-16
JP2008188971A (ja) 2008-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5588442B2 (ja) 基材上に流体膜を塗布する塗布装置
KR100940986B1 (ko) 슬릿 노즐
ITTO970552A1 (it) Cartuccia di inchiostro.
US5085144A (en) Ink fountain apparatus
JP7105138B2 (ja) 塗工装置
WO2021181968A1 (ja) スリットダイ
JP4368386B2 (ja) 輪転機用インキレール
BRPI1002922A2 (pt) revestidor por cortina
ATE42503T1 (de) Farbwalze fuer druckmaschinen.
JP2001187443A (ja) 印刷機のインキ装置のインキ供給装置において貯蔵インキを受容するための装置、ならびに、該インキ受容装置を備えたインキつぼ、インキ装置および印刷装置
GB2162094A (en) Liquid application apparatus
CN102501609A (zh) 一种墨盒
FI76607C (fi) Anordning foer matning av massa pao viran i en pappersmaskin.
JPH07506640A (ja) 多層原料溜りにおけるジェット速度制御
JP2018538179A (ja) フレキソ印刷用装置および注入口モジュール
JPS59111852A (ja) 流動性の媒体を所定の幅で一様に若しくは規則的に分割するための装置
JP4866706B2 (ja) 金属箔電解製造装置
US5325775A (en) Chambered doctor blade
US11806985B2 (en) Device for applying a fluid to a roller
CN115245889B (zh) 模头
JP2011067977A (ja) チャンバ式インキ供給装置
CN110813633B (zh) 涂布工具
JP2017225930A (ja) 塗布器及び塗布装置
JP3546258B2 (ja) 塗工装置
US5531161A (en) Gravure coating feeder apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4368386

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150904

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250