JP4368129B2 - ブレーキマスタシリンダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ液を使用する自動車用等のブレーキマスタシリンダ(シングルマスタシリンダ又はタンデムマスタシリンダ)の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブレーキマスタシリンダとしてはチェックバルブを備えたものが知られており、このチェックバルブは、ブレーキ液を充填し、空気を排出する際に、ポンピング作動に追随して送液する時の逆止弁として機能すると共に、リターンスプリングの反力に相当する残留圧力を逆止弁の下流、すなわち液圧室に確保する機能を持つものである。チェックバルブを備えたブレーキマスタシリンダとしては例えばJIS D2603の付図5に示されたものがある(非特許文献1参照)。これを図3に示す。101はシリンダボデー、102はピストン、103はピストン102の前端部にスペーサ104を介して着座したプライマリカップシール、105はピストン102の後端部に取り付けられたセンコンダリカップシール、106はピストン102をピストンストッパ107に当たるまで後退させるリターンスプリング、108はピストンストッパ107をシリンダボデー101に固定するスナップリング、109はブーツ、110はプッシュロッド、111はチェックバルブ、112はバルブシート、113はブレーキ液が充填されているリザーバ、114はシリンダボデー101内のピストン102の前方に形成された液圧室、115は液圧室114の液圧をホイルシリンダ等の負荷に供給する液圧送出口、116はピストン102がピストンストッパ107に当接している復帰位置にある状態で液圧室114とリザーバ113を連通するリリーフポート、117は液圧開放途中で液圧室114に負圧が発生した時にリザーバ113よりピストン102の周囲の液室118、連通孔119及びプライマリカップシール103とシリンダボデー内壁面との間隙を通って液圧室114にブレーキ液を供給するサプライポートである。
【0003】
チェックバルブ111及びバルブシート112の拡大図を図4に示す。チェックバルブ111は、シリンダ終端面に弾性的に接触するバルブシート112の上に着座し、複数のバルブポート111bを有する金属製のバルブ本体111aと、バルブポート111bを弾力をもって塞ぐ弾性のシール部材111cと、シール部材111cをバルブ本体111aに取り付ける取付部材111dとから成る。バルブシート112は、中心部に連通穴112aを有し、周縁部に複数の連通溝112bを有する。
【0004】
また、チェックバルブの別の従来品として、図5に示されるようなものもある。このチェックバルブ120は、バルブシート112の上に着座し、複数のバルブポート120bを有する金属製のバルブ本体120aと、バルブポート120bを弾力をもって塞ぐようにバルブ本体120aの内側にはめ込まれた弾性のシール部材120cとから成る。
【0005】
【非特許文献1】
JIS D2603 付図5
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図4や図5に示されるように、従来のチェックバルブは、バルブシートも含めて3個以上の部品を必要としている。また、シール部材111c,120cがバルブポート111b,120bを塞ぐのに際して、全面を塞ぐようになっているので、シール圧力が分散していた。
【0007】
(発明の目的)
本発明の目的は、チェックバルブの構成部品点数を削減して、組み付けの容易化及び価格低減を図り、さらに、チェックバルブのシール性の向上を図ることができるブレーキマスタシリンダを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ピストンの前進により液圧室に発生される液圧を送出する液圧送出口に、チェックバルブが設けられたブレーキマスタシリンダにおいて、前記チェックバルブが、一方の側が開口する硬質のケースと、弾性のバルブ基体とから成り、前記ケースが、側面に複数のバルブポートを有し、前記バルブ基体が、前記液圧送出口の周囲のシリンダ終端面に弾性的に接触するバルブシート部と、該バルブシート部と一体に円筒状に形成され、先端に外側に膨らんだ舌部を有し、前記ケースの内側に挿入されて、前記舌部が前記ケースの側面内側に線状に接触することによって前記バルブポートを弾性的に塞ぐシール部と、前記ケースの開口端縁が嵌合するために前記バルブシート部に設けられた嵌合溝とを有することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態であるシングルタイプのブレーキマスタシリンダを示す断面図である。
【0010】
1はシリンダボデー、2はピストン、3はピストン2の前端部にスペーサ4を介して着座したプライマリカップシール、5はピストン2の後端部に取り付けられたセンコンダリカップシール、6はピストン2をピストンストッパ7に当たるまで後退させるリターンスプリング、8はピストンストッパ7をシリンダボデー1に固定するスナップリング、9はプッシュロッド、10はバルブシートも含めたチェックバルブ、11は不図示のリザーバから供給されるブレーキ液を液圧室に導入するためのユニオン、12はユニオン11を支持するシール、13はシリンダボデー1内のピストン2の前方に形成された液圧室、14は液圧室13の液圧をホイルシリンダ等の負荷に供給する液圧送出口、15はピストン2がピストンストッパ7に当接している復帰位置にある状態で液圧室13とリザーバを連通するリリーフポート、16は液圧開放途中で液圧室13に負圧が発生した時にリザーバよりピストン2の周囲の液室17、連通孔18及びプライマリカップシール3とシリンダボデー内壁面との間隙を通って液圧室13にブレーキ液を供給するサプライポートである。
【0011】
チェックバルブ10の拡大図を図2に示す。図2(a)は弾性のバルブ基体19を、図2(b)は硬質のケース20を、図2(c)はバルブ基体19とケース20との組み付け完了状態を、それぞれ示す。
【0012】
チェックバルブ10は、弾性(例えばゴム製)のバルブ基体19と、一方の側が開口する硬質(例えば金属製)のケース20とから成る。バルブ基体19は、バルブシート部19aと、バルブシート部19aと一体に形成された円筒状のシール部19bと、ケース20の開口端縁が嵌合するためにバルブシート部19aに設けられた嵌合溝19cとを有する。また、バルブシート部19aの中心部には連通穴19dが、周縁部には連通溝19eが、それぞれ形成され、さらに、液圧送出口14の周囲のシリンダ終端面に弾性的に接触する側のバルブシート部19aの面には、環状の突起シール部19fが形成されている。なお、シール部19bの先端は多少外側に膨らんだ舌部19gを形成している。
【0013】
ケース20は、側面に形成された複数のバルブポート20aと、バルブ基体19の嵌合溝19cに嵌合する開口端縁20bと、開口端縁の一部分が複数個所で横方向に切り曲げられることにより形成された止め部20cとを有する。
【0014】
チェックバルブ10を完成させるには、ケース20の内側にバルブ基体19のシール部19bを挿入し、開口端縁20bを嵌合溝19cに差し込み、止め部20cがバルブシート部19aの面に接触するまで嵌入する。図2(c)の状態が組み付け完了の状態である。シール部19bの舌部19gは、バルブポート20aよりケース20の底部に近いところに位置する。舌部19gの外径L1(図2(a))は、舌部19gが接するケース20の個所の内径L2(図2(b))より大きくなるように成形されているので、図2(c)の組み付け完了状態では舌部19gは弾性力によりケース20の側面内側に強く接触する。
【0015】
ユニオン11に接続されたリザーバからのブレーキ液は、ユニオン11を通り、液室17を満たすが、液圧室13以降には空気が存在するので、その空気を排除し、ブレーキ液を充填することが必要である。その充填工程を以下に説明する。
【0016】
プッシュロッド9を押し込むことによってリターンスプリング6が圧縮され、ピストン2及びプライマリカップシール3は同時に前進し、プライマリカップシール3の舌部がリリーフポート15を過ぎた時点から液圧室13内の空気を圧縮し、その空気圧がチェックバルブ10のシール部19bをバルブポート20aから離すので、液圧室13内の圧縮空気はチェックバルブ10を通り、液圧送出口14を経てホイルシリンダに送り込まれ、ホイルシリンダの空気抜弁(不図示)の開閉で以て排除されていく。その後、前進したピストン2は、プッシュロッド9が引き戻されることによりリターンスプリング6の反力によって復帰位置に戻される。この過程で液圧室13の容積は拡大し、負圧が発生して、液室17のブレーキ液が連通孔18からプライマリカップシール3とシリンダ内壁面との隙間を通って液圧室13に流れ込む。
【0017】
以上のような動作を行わせるプッシュロッド9の往復運動とホイルシリンダからの空気抜き作業を繰り返すことによって、ブレーキマスタシリンダからホイルシリンダまでの配管内の空気は排除され、ブレーキ液は充填される。
【0018】
チェックバルブ10の機能としては、存在する空気をポンピング作動によって排除する際の逆止弁として働くこと、また、ブレーキ液充填後には残圧(予備圧)を確保することにある。
【0019】
図1及び図2に示されたチェックバルブ10では、バルブシートを含めた構成部品点数が2であるから、従来に比べて組み付けが容易となり、価格低減を図ることができる。また、シール部19bによるバルブポート20aのシール圧力は、舌部19gがケース20に線状に接触するので、従来のように面状に接触する場合に比べて集中させることができ、シール性の向上を図ることができる。同様に、突起シール部19fによる液圧送出口14のシール圧力も線状に集中させることができ、シール性の向上を図ることができる。
【0020】
さらに、ケース20の開口端縁20b及び止め部20cによってケース20をバルブ基体19にしっかり組み付け、舌部19gのバルブポート20aに対する位置を安定させることができる。
【0021】
なお、本発明は、シングルタイプのみならず、タンデムタイプのブレーキマスタシリンダにも適用できることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チェックバルブの構成部品点数を削減して、組み付けの容易化及び価格低減を図り、さらに、チェックバルブのシール性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるシングルタイプのブレーキマスタシリンダを示す断面である。
【図2】図1におけるチェックバルブの詳細を示す拡大図である。
【図3】従来例を示す断面図である。
【図4】従来のチェックバルブの一例を示す断面図である。
【図5】従来のチェックバルブの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダボデー
2 ピストン
3 プライマリカップシール
6 リターンスプリング
10 チェックバルブ
13 液圧室
14 液圧送出口
15 リリーフポート
16 サプライポート
17 液室
19 バルブ基体
19a バルブシート部
19b シール部
19c 嵌合溝
19d 連通穴
19e 連通溝
19f 突起シール部
19g 舌部
20 ケース
20a バルブポート
20b 開口端縁
20c 止め部
Claims (2)
- ピストンの前進により液圧室に発生される液圧を送出する液圧送出口に、チェックバルブが設けられたブレーキマスタシリンダにおいて、
前記チェックバルブは、一方の側が開口する硬質のケースと、弾性のバルブ基体とから成り、
前記ケースは、側面に複数のバルブポートを有し、
前記バルブ基体は、前記液圧送出口の周囲のシリンダ終端面に弾性的に接触するバルブシート部と、該バルブシート部と一体に円筒状に形成され、先端に外側に膨らんだ舌部を有し、前記ケースの内側に挿入されて、前記舌部が前記ケースの側面内側に線状に接触することによって前記バルブポートを弾性的に塞ぐシール部と、前記ケースの開口端縁が嵌合するために前記バルブシート部に設けられた嵌合溝とを有することを特徴とするブレーキマスタシリンダ。 - 前記液圧送出口の周囲のシリンダ終端面に弾性的に接触する側の前記バルブシート部の面に、環状の突起シール部を形成したことを特徴とする請求項1記載のブレーキマスタシリンダ。
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Applications Claiming Priority (1)
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2003
- 2003-04-10 JP JP2003106270A patent/JP4368129B2/ja not_active Expired - Lifetime
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