JP4366908B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に画像が形成されるシート状媒体が収容されたマガジンの複数台が、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成され、このマガジンを脱出方向に移動させないようにロックするためのマガジンロック機構備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる画像形成装置として、写真感光材料(シート状媒体に相当)の乳剤面に画像を焼付露光して写真プリントを作成する写真処理装置が知られている。写真感光材料は長尺状のものがロール状の形態でマガジンに収容されている。マガジンから、長尺状の写真感光材料を順次引き出していき、仕上がりのプリントサイズに切断する。プリントサイズに切断した後に、写真感光材料は画像露光部に送り込まれ、乳剤面に画像が焼付露光される。その後、写真感光材料は、現像処理部と乾燥処理部に送り込まれ、現像処理及び乾燥処理が施された後、装置外部に写真プリントとして排出される。
【0003】
上記において、マガジン内の写真感光材料は徐々に消費されていくため、それがなくなると新しい写真感光材料をマガジン内に装填しなければならない。そこで、マガジンは写真処理装置に対して着脱(装着・脱出)可能に構成されている。マガジンの装着場所としては、装置の内部や上部等種々のものが知られている。そこで、装置内部にマガジンを装着するものにおいて、マガジンの着脱手順を説明する。
【0004】
まず、装置のカバーを開く。マガジンは、着脱操作の際に、収容されている写真感光材料の幅方向に沿った方向に移動可能であるが、マガジンの装着完了状態では、不用意にマガジンが動くことのないようにロック機構を設けている。かかるロック機構の従来技術について図5により説明する。(a)は側面図、(b)は正面図である。
【0005】
マガジンMはマガジン台100に搭載された形で装置内部に装着される。マガジンMの着脱方向は、図5(a)に矢印A(装着方向)及びB(脱出方向)で示される。マガジン台100の下部には、ロック操作部101が回転中心に対して回転可能に取り付けられている。また、ロック操作部101とロック板103とは、連結軸104により一体結合されている。
【0006】
一方、写真処理装置本体側には、ロック固定板105が本体フレーム106に固定されている。よって、ロック操作部101を回転操作し、図5(a)に示すように、ロック板103とロック固定板105とを係合状態にすることで、マガジンMの脱出方向Bへの移動を阻止し、ロックをすることができる。マガジンMを脱出させるときは、ロック操作部101を図5(b)の時計方向に回転させ、上記係合状態を解除することで、マガジンM及びマガジン台100を脱出方向Bに移動させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
写真処理装置には、上記マガジンを複数台装着できるものがある。この場合、複数のマガジンをそれぞれロックさせる必要があるが、そのためのロック機構を装着可能なマガジンの数だけ設けている。例えば、マガジンを2台装着できる装置では、図5に示すロック機構を2つ設けている。
【0008】
しかしながら、装着できるマガジンの数と同じ数のロック機構を設けることは、部品点数が増加し、部品コストの上昇を招くと共に、部品組み立て時間が長くなる(組立てコストが上昇する)という問題がある。また、複数のマガジンを同時に着脱しようとする場合には、ロック操作部の操作回数が増えてくるため作業性が悪くなる。
【0009】
これに対処するため、図6に示すように、マガジン台100にマガジン固定用のスプリング107を設ける構成が考えられる。スプリング107をホルダー108の内部に収容し、扉を閉めるときに押圧ボタン109を図5の右側から押すことで、複数のマガジンMを同時にロックすることができる。
【0010】
しかしながら、図6の機構は、扉を閉める操作で同時にロックをできるものの、扉を閉めるときにスプリング107を圧縮する負荷が加わるため扉を閉めにくくなり操作性が悪くなる。また、図6のロック機構においても、マガジンの装着台数の分だけ同じ部品が必要となり、部品コスト等の面で問題がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、ロック機構に必要な部品コストを削減し、複数のマガジンを同時にロック/ロック解除するときの作業性を改善したマガジンロック機構設けられる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る画像形成装置は、
画像が形成されるシート状媒体が収容されたマガジンの複数台が、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成され、このマガジンを脱出方向に移動させないようにロックするためのマガジンロック機構が設けられた画像形成装置であって、
前記マガジンロック機構は、
ロック解除位置とロック作用位置の間を操作可能なロック操作部と、
このロック操作部の前記ロック作用位置への操作により、マガジンをロックするロック作用部とを備え、
このロック作用部は、前記複数のマガジンに対応して複数設けられており、前記ロック作用位置において、前記夫々のロック作用部が対応する前記マガジンを同時にロックするように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
この構成による画像形成装置の作用・効果は、以下の通りである。すなわち、ロック操作部を備えており、ロック解除位置とロック作用位置との間を操作可能である。ロック解除位置では、複数のマガジンが同時にロック解除された状態にある。そして、ロック操作部を操作しロック作用位置に移動させると、ロック作用部が複数のマガジンを同時にロックする。したがって、ロック操作部の1回の操作により、ロック/ロック解除を行うことができるので、操作が簡単になる。また、それぞれのマガジンについて、 個別にロック機構を設けなくてすむので、部品数を削減可能である。その結果、ロック機構に必要な部品コストを削減し、複数のマガジンを同時にロック/ロック解除するときの作業性を改善したマガジンロック機構を提供することができる。
【0012】
本発明の好適な実施形態として、 前記ロック作用部には、ローラが設けられており、このローラがマガジン又はマガジンを収容している収容体に作用するものがあげられる。
【0013】
ローラを作用させることで、ロック操作部の操作によりマガジンや収容体を傷つけたりすることを防止でき、ロック操作部の操作感触もよくなる。
【0014】
本発明の別の好適な実施形態として、前記ローラをマガジン又は前記収容体に対して付勢する弾性部材を設けたものがあげられる。
かかる弾性部材により、マガジン又は収容体に対してローラを介して押圧力を付与し、確実にマガジンを装着することができる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るマガジンロック機構が設けられたものであり、
複数台のマガジンが上下方向又は左右方向に並んだ状態でマガジンを装着可能に配置する配置空間を備えており、かつ、前記ロック操作部は、回転操作によりロック解除位置とロック作用位置の間を切り換えるものであり、
前記上下方向又は左右方向に並ぶ配置空間の境界位置に、前記ロック操作部の回転中心を配置したことを特徴とするものである。
【0016】
複数台のマガジンを装着可能に構成する場合、上下方向、又は、左右方向に並べて配置できるように配置空間を確保することが好ましい。そして、上下方向、又は、左右方向に並ぶ配置空間の境界位置に、ロック操作部を操作する場合の回転中心を配置する。したがって、ロック機構をいずれのマガジンに対しても同じような距離に配置できるので、ロック機構を構成し易くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るマガジンロック機構及び画像形成装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、画像形成装置の1例である写真処理装置の構成の一部を示す。
【0018】
<写真処理装置の構成>
この写真処理装置には、2台のペーパーマガジンM(以下、単にマガジンという)が着脱可能に構成されている。マガジンMは、装置内部に上下方向に並べた状態で装着できるように、配置空間が確保されている。上下の配置空間を仕切るために、その境界位置に本体フレーム1が固定されている。上側のマガジンM1はマガジン台2(収容体に相当)に搭載されており、下側のマガジンM2もマガジン台2’に搭載されている。マガジンM内には、写真感光材料であるペーパー(シート状媒体に相当)がロールRの形態で収容されている。
【0019】
マガジンMの着脱操作ができるように、マガジンM及びマガジン台2,2’は、図1の紙面に垂直な方向に移動可能になっている。マガジンM及びマガジン台2,2’をスムーズに移動させるために、公知のガイド部材3,3’が設けられている。ガイド部材3,3’は上下とも3つずつ設けられている。マガジンM及びマガジン台2,2’をロックするためのマガジンロック機構4が設けられており、その詳細は後述する。
【0020】
実際に写真処理を行う場合は、いずれかの選択された方のマガジンMからペーパーを引き出して所定の搬送経路へと導く。上側のマガジンM1から引き出されるペーパーは、ガイド板5によりアドバンスローラ6に導かれ、下側のマガジンM2から引き出されたペーパーは、ガイド板5’によりアドバンスローラ6に導かれる。アドバンスローラ6の下流側の搬送経路には、第1搬送機構7が設けられ、露光エンジン8へとペーパーを導く。露光エンジン8として、レーザーエンジン等の適宜の構造のエンジンが用いられる。露光エンジン8により、ペーパーの乳剤面に画像が焼付露光される。なお、露光エンジン8にペーパーが送り込まれる前に、不図示のカッターによりペーパーをプリントサイズに切断するようにしている。
【0021】
露光エンジン8により画像の焼付露光されたペーパーは、第2搬送機構9により、更に下流側に設けられた現像処理部、乾燥処理部(不図示)へと送り込まれる。これら現像処理部及び乾燥処理部で所定の処理が施された後、装置外部に仕上がりの写真プリントが排出されることになる。
【0022】
<マガジンロック機構の構成>
次に、マガジンロック機構4(以下、単にロック機構という。)の詳細構成を図2の斜視図、図3の側面図、図4の正面図により説明する。
【0023】
まず、ロック機構は、オペレータにより操作される操作レバー40(ロック操作部に相当)を備えている。操作レバー40は、本体フレーム1に対して回転自在に取り付けられた回転軸41と結合されており、図4に実線で示すロック作用位置と想像線で示すロック解除位置との間を回転操作可能に構成されている。
【0024】
回転軸41の長手方向の一端に操作レバー40が結合され、他端に第1連結プレート42が結合されている。第1連結プレート42は、回転軸41と直交する方向に伸びた細長形状を有しており、かつ、断面形状が略コの字形状を有している。第2連結プレート43が、第1連結プレート42の長手方向の両側に、固定ピン44により取り付けらている。第2連結プレート43も断面形状が略コの字形状を有しており、第1連結プレート42のコの字形状よりも寸法的には若干小さくなっている。これにより、第1連結プレート42のコの字形状の中に、第2連結プレート43のコの字形状を嵌合できるように構成している。この場合、第1連結プレート42のコの字の開放側と、第2連結プレート43のコの字の開放側とが向かい合うような形で嵌合されている。
【0025】
第2連結プレート43には、折り曲げ部43aが一体形成されている。この折り曲げ部43aに、回転自在なローラ45が軸支されている。このローラ45がマガジンM及びマガジン台2に対して押圧力を付与するようにしており、ロック作用部として機能する。これにより、図4に示すように、第1連結プレート42の長手方向の両端部には一対のローラ45が配置されることになる。
【0026】
第1連結プレート42の長手方向の両端部には、バネ支持軸46が適宜の方法で固定されている。このバネ支持軸46には、コイルスプリング47(弾性部材に相当)が挿入されている。このコイルスプリング47のバネ力により、第2連結プレート43は、固定ピン44回りに回転しようとする力が付与される。したがって、第2連結プレート43に支持されたローラ45も固定ピン44回りに回転しようとする力が付与され、マガジンMやマガジン台2に対して押圧力を作用させることができる。なお、第2連結プレート43及びローラ45が必要量以上に回転してしまわないように、回転量を規制する機構を設けておくことが好ましい。
【0027】
その他の構成について説明すると、回転軸41は、本体フレーム1に設けられた回転軸支持プレート1aにより軸支される。また、ガイド部材3は、本体フレーム1に固定された支持プレート1b,1cと、マガジン台2の裏面に固定された支持プレート2a,2bに取り付けられている。
【0028】
<マガジン着脱操作>
次にマガジンMの着脱操作について説明する。図4は、マガジンMを2つとも同時にロックした状態である。すなわち、 上側のマガジンM1は、マガジン台2の裏面側に形成された突出部分2cをローラ45が押さえていることでロックされている。下側のマガジンM2は、マガジンM2の外ケースに対して直接ローラ45を押し付けることで、ロックされている。これらマガジンMを脱出させる場合は、オペレータは、写真処理装置の不図示の扉を開放し、ロック機構4の操作レバー40を図4の時計方向に回転する。すなわち、 ロック作用位置からロック解除位置へと操作する。これにより、上下一対のローラ45も時計方向に回転し、マガジンMとマガジン台2に対するロックが同時に解除される。ロック解除位置におけるローラ45と操作レバー40の位置を図4に想像線で示す。次に、 マガジンM及びマガジン台2を図4の紙面に垂直な方向(図3の矢印B)に移動させる。所定量移動させた後、マガジンMをマガジン台2から取り出し、暗室で新しいペーパーのロールを装填する。この時、マガジンMは上下2つとも同時にロック解除されるので、両方のマガジンMのペーパーを交換する場合に操作が簡単になる。
【0029】
次に、新しいペーパーを装填したマガジンMをマガジン台2に搭載し、装着方向(図3の矢印A)へマガジンM及びマガジン台2を移動させる。一番奥まで移動させた後、操作レバー40を先ほどとは逆の反時計方向に回転させる。ロック解除位置において、ローラ45は、マガジンMやマガジン台2の方向に少し突出した状態にある。操作レバー40を回転させると、その突出した分、回転操作の途中でローラ45がマガジンMやマガジン台2に当接するが、その後、ローラ45が少し押し込まれる形になり、コイルスプリング47が圧縮する方向に作用する。これにより、操作レバー40の操作完了位置では、ローラ45により適切な押圧力がマガジンMやマガジン台2に付与されることになる。
【0030】
以上の通り、操作レバー40の回転操作により、2つのマガジンMを同時にロックし、 かつ、 同時にロック解除できるので、オペレータの操作に係る作業性が改善される。また、ロック機構4は1つですむので、部品点数の削減に伴う部品コストの削減に寄与できる。ロック作用部としてローラを採用しているので、操作レバー40の回転操作における操作感触向上に寄与できる。また、操作レバー40の回転軸41を上下のマガジンMの配置空間の境界位置に設けており、同時にマガジンMをロックするときの部品配置を合理的に行うことができる。
【0031】
<別実施形態>
本実施形態では、マガジンとして写真感光材料を収容するものについて説明したが、それ以外の画像形成用のシート状媒体(一般用紙、インクジェット用紙等)の場合にも、本発明は応用できる。よって、画像形成装置としては、写真プリントを作成する写真処理装置に限定されるものではない。
【0032】
本実施形態では2台のマガジンを選択的に使用する構成を説明したが、2台のマガジンを同時並行して使用する写真処理装置も考えられる。例えば、2台のマガジンから同時並行にペーパーを引き出していき、同時に露光処理を行う。これにより、写真処理の能力を高めることができる。かかる場合は、ペーパーの消費も2台のマガジンで同様に進行するため、本発明に係るロック機構は特に有用である。
【0033】
本実施形態では、マガジンを2台取り付ける構成について説明したが、3台以上のマガジンを取り付ける場合にも本発明は応用できる。3台以上の場合も、操作レバーの作動を伝達できる機構を設けることで、3台以上のマガジンのロック/ロック解除を同時に行うことができる。また、3台以上の場合、例えば、4台の場合、本実施形態で説明した機構を2つ設けて構成してもよい。この場合でも、4台それぞれにロック機構を設けるものに比べると、部品削減等のメリットを有する。
【0034】
本実施形態では、上下に2つのマガジンを並べて配置する構成を説明したが、左右に2つのマガジンを並べて配置する場合も、同様にロック機構を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真処理装置の構成の一部を示す模式図
【図2】マガジンロック機構の構成を示す斜視図
【図3】 マガジンロック機構の構成を示す側面図
【図4】 マガジンロック機構の構成を示す正面図
【図5】 従来技術に係るマガジンロック機構を示す図
【図6】マガジンロック機構の構成例を示す図
【符号の説明】
2,2’ マガジン台
4 マガジンロック機構
40 操作レバー
41 回転軸
42 第1連結プレート
43 第2連結プレート
44 固定ピン
45 ローラ
46 バネ支持軸
47 コイルスプリング
M,M1,M2 ペーパーマガジン

Claims (3)

  1. 画像が形成されるシート状媒体が収容されたマガジンの複数台が、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成され、このマガジンを脱出方向に移動させないようにロックするためのマガジンロック機構が設けられた画像形成装置であって、
    前記マガジンロック機構は、
    ロック解除位置とロック作用位置の間を操作可能なロック操作部と、
    このロック操作部の前記ロック作用位置への操作により、マガジンをロックするロック作用部とを備え、
    前記ロック作用位置において、前記ロック作用部が複数のマガジンを同時にロックするように構成され、さらに、前記複数台のマガジンが上下方向又は左右方向に並んだ状態でマガジンを装着可能に配置する配置空間を備えており、かつ、前記ロック操作部は、回転操作によりロック解除位置とロック作用位置の間を切り換えるものであり、
    前記上下方向又は左右方向に並ぶ配置空間の境界位置に、前記ロック操作部の回転中心を配置したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ロック作用部には、ローラが設けられており、このローラがマガジン又はマガジンを収容している収容体に作用することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ローラをマガジン又は前記収容体に対して付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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