JP4365942B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源の技術分野にかかり、特に、共振技術を用いたスイッチング電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチング電源に比べ、高効率の電源装置が得られることから、近年では同期整流方式の電源装置が注目されている。
【0003】
図11の符号501は、そのような従来技術の電源装置を示しており、一次側ブリッジ回路510と、二次側整流平滑回路520と、主トランス530と、制御回路540とを有している。
【0004】
一次側ブリッジ回路510は、4個のブリッジトランジスタ511a、511b、512a、512b(ここでは、全てnチャネルMOSFETである。)を有している。
【0005】
このブリッジ回路510の動作をA相とB相に分けた場合、A相動作のときに導通するブリッジトランジスタを、符号511a、512aで示し、B相動作のときに導通するブリッジトランジスタを符号511b、512bで示す。
【0006】
主トランス530内には、一次巻線531と、該一次巻線531と磁気結合した二次巻線532(532a、532b)が設けられている。
【0007】
一次巻線531の両端は、一次側ブリッジ回路510の出力部分に接続されており、該一次側巻線531と、4個のブリッジトランジスタ511a、511b、512a、512bとがHブリッジ接続されている。
【0008】
符号519は、商用電圧を整流平滑した電圧を模式的に示した直流電圧源であり、その高電圧側は電源電圧ライン517に接続され、低電圧側はグラウンドライン518に接続されている。
【0009】
ブリッジ回路510は、電源電圧ライン517とグラウンドライン518に接続されており、B相のブリッジトランジスタ511b、512bが遮断している状態で、A相のブリッジトランジスタ511a、512aが導通すると、直流電圧源519から一次巻線531に、A相の電流iAが供給される。
【0010】
他方、A相のブリッジトランジスタ511a、512aが遮断している状態で、B相のブリッジトランジスタ511b、512bが導通すると、一次巻線531にはB相の電流iBが供給される。A相の電流iAとB相の電流iBとは互いに逆向きである。
【0011】
二次巻線532はセンタータップ構成にされており、A相の二次巻線532aとB相の二次巻線532bとに分割されている。
【0012】
二次側整流平滑回路520は、チョークコイル525と、出力コンデンサ526と、2個の整流用トランジスタ523a、523bを有している。
【0013】
A相及びB相の二次巻線532a、532bの共通端子(センタータップ部分)は、グラウンド端子528に接続されており、他の端子は、それぞれ整流用トランジスタ542a、523bのソース端子に接続されている。
【0014】
各整流用トランジスタ523a、523bのドレイン端子は、チョークコイル525の一端に共通に接続されている。
【0015】
符号527はチョークコイル525の他端を示しており、出力端子にされており、該出力端子527とグラウンド端子528の間に出力コンデンサ526が接続されている。また、符号529は負荷を示しており、出力端子527とグラウンド端子の間に接続されている。
【0016】
出力端子527の電圧は、フォトカプラ549で絶縁された状態で、制御回路540に入力されている。
【0017】
制御回路540は、基準電圧源541と、誤差増幅器542と、発振器543と、比較器544と、駆動回路545とを有しており、誤差増幅器542が、フォトカプラ549から入力された電圧と基準電圧源541の出力電圧との差分を増幅し、比較器544に出力するように構成されている。
【0018】
比較器544は、誤差増幅器542から入力された電圧と、発振器543の出力波形とを比較し、比較結果を駆動回路545に出力するように構成されている。
【0019】
駆動回路545は、比較器544の比較結果に基づいて、誤差増幅器142が検出するフォトカプラ549の出力電圧と、基準電圧源541の出力電圧の差分が小さくなる方向に、ブリッジトランジスタ511a、512a、511b、512bの導通時間を制御するように構成されている。
【0020】
従って、負荷変動等によって出力端子527の出力電圧が変動しても、制御回路540の動作によって、その変動分を吸収するようにブリッジ回路510が制御され、出力端子527の出力電圧は一定電圧を維持するようになっている。
【0021】
この電源装置501の動作を説明する。
図12は電源装置501が運転中であって、A相及びB相のブリッジトランジスタ511a、512a、511b、512bが遮断状態にあり、チョークコイル525に蓄積されたエネルギーにより、二次側に電流が流れている状態を示している。
【0022】
整流用トランジスタ523a、523bの内部には、それぞれ寄生ダイオード524a、524bが形成されており、チョークコイル525に生じた起電力によって寄生ダイオード524a、524bが順バイアスされ、それぞれ電流I551、I552が流れている。
【0023】
図16は、電源装置501の動作を示すタイミングチャートであり、その状態は、タイミングチャート中の時刻t1以前の波形で表される。
【0024】
その状態からA相のブリッジトランジスタ511a、512aのゲート端子に正電圧が印加され、導通すると、一次巻線531の両端は、電源電圧ライン517とグラウンドライン518に接続される。その結果、図13の符号I553で示す電流が流れる。
【0025】
A相の二次巻線532aは、A相のブリッジトランジスタ511a、512aが導通したときには、A相の整流用トランジスタ523aのソース端子に正電圧を印加する極性で接続されており、そのとき、B相の二次巻線523bには、B相の整流用トランジスタ523aのソース端子に負電圧を印加する極性の電圧が誘起される。
【0026】
駆動回路545は、A相の整流用トランジスタ523aのゲート端子に、A相のブリッジトランジスタ511a、512aのゲート端子と一緒に正電圧を印加する。
【0027】
nチャネルMOSFETにおいて、ソース端子の電圧がドレイン端子の電圧よりも高い状態で、ゲート端子にスレッショルド電圧以上の電圧が印加されると、通常の動作とは逆向きに、ソース端子からドレイン端子に向けて電流が流れる。
【0028】
この動作は、MOSFETの第3象限動作と呼ばれている(pチャネルMOSFETでは、ソース端子にドレイン端子よりも低い電圧が印加され、且つ、ゲート端子にもドレイン端子よりも低い電圧が印加される状態が第3象限動作と呼ばれる。)。
【0029】
図17の実線は、nチャネルMOSFETの特性を示すグラフであり、横軸がソース端子を基準としたドレイン端子の電圧VDSを示しており、縦軸がドレイン端子からソース端子に向けて流れる方向を正方向にとった場合のドレイン電流IDを示している。
【0030】
このグラフの第1象限の範囲が通常のMOSFETの動作であり、第3象限の範囲にある実線の特性が第3象限動作である。ドレイン電圧VDSが小さいうちは抵抗特性を示しているが、ドレイン電圧VDSが大きくなり、寄生ダイオード524aが導通以上の電圧になると、ダイオード特性になる。
【0031】
同図のグラフの第3象限の範囲にある破線のグラフは、MOSFETが導通状態にない場合の寄生ダイオードの特性であり、第3象限動作を行っている場合は、寄生ダイオードに電流が流れる場合に比べ、電力損失が小さくなることが分かる。
【0032】
A相の整流用トランジスタ523aは、内部の寄生ダイオード524aが導通しており、ソース端子の電圧がドレイン端子の電圧よりも高くなっている。
【0033】
その状態でゲート端子に正電圧が印加されるから、A相の整流用トランジスタ523aは第三象限動作をし、ソース端子からドレイン端子に向けて図13中の電流I554が流れる。
従って、このときのA相の整流用トランジスタ523aに生じる損失は小さい。
【0034】
A相の整流用トランジスタ523aに流れる電流I554は、チョークコイル525を通って負荷529及び出力コンデンサ526に供給されるため、チョークコイル525に磁気エネルギーが蓄積される。
【0035】
その状態から、時刻t2において、A相のブリッジトランジスタ511a、512aと整流用トランジスタ523aとが遮断すると、図14に示すように、チョークコイル525に起電力が生じ、チョークコイル525に蓄積されたエネルギーによって、2個の寄生ダイオード524a、524bに、それぞれ電流I555、I556が流される。
【0036】
次に、時刻t3において、B相のブリッジトランジスタ511b、512bが導通すると、一次巻線531には、図15に示すように、直流電圧源517から電流I557で示す電流が供給される。このとき、B相の整流用トランジスタ523bのゲート端子には正電圧が印加されるので、その整流用トランジスタ523bは第3象限動作をし、電流I558をチョークコイル525に流し、エネルギーを蓄積させる。
【0037】
時刻t4において、全部のブリッジトランジスタ511a、512a、511b、512b、及び整流用トランジスタ523a、523bが遮断すると、最初に説明した状態に戻る。以後は、上記と同じ動作を繰り返す。
【0038】
以上のように、二次側の整流回路にトランジスタを用い、ゲート端子を制御し、第3象限動作をさせて電流を流す場合には、整流回路にダイオード素子を用いる場合よりも損失が少なくて済む。
【0039】
しかしながら、トランジスタ511a、512a、511b、512b、523a、523bが導通するときに、電流が寄生ダイオード524a、524bに流れている状態で逆電圧が印加されるため、リカバリーの影響が大である。その結果、図16のタイミングチャート中で符号561a、562a、561b、562bに示す波形のように、瞬間的に大電流が流れてしまう。その電流が流れるときには、ソース・ドレイン間に電圧が印加された状態なので、損失が生じてしまう。
【0040】
近年では電源装置の高効率化が増々強く求められるようになっており、その損失を無視することができなくなってきた。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、損失の小さいスイッチング電源を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、二個のA相の主スイッチ素子と二個のB相の主スイッチ素子とがブリッジ接続され、直流電圧源から電流を供給されるように接続されたブリッジ回路と、主トランス内に配置され、前記ブリッジ回路にHブリッジ接続された主一次巻線と、前記主トランス内に配置され、前記主一次巻線に磁気結合されたA相とB相の主二次巻線と、前記A相と前記B相の主二次巻線に誘起された電圧を整流平滑し、負荷に電力を供給する主整流平滑回路と、前記各主スイッチ素子に並列接続された共振コンデンサと、前記各主スイッチ素子に逆並列接続された整流素子と、互いに直列接続され、該直列接続回路が前記ブリッジ回路に並列接続されたA相の副スイッチ素子とB相の副スイッチ素子と、前記A相の副スイッチ素子と前記B相の副スイッチ素子の接続点と前記主一次巻線の一端との間を接続する共振コイルと、前記共振コイルと直列接続され、前記接続点と前記主一次巻線の一端の間に挿入された副一次巻線と、前記副一次巻線と磁気結合され、前記副一次巻線に流れた電流によって電圧が誘起されるように構成された副二次巻線とを有し、前記ブリッジ回路内の四個の前記主スイッチ素子と前記A相、B相の副スイッチ素子とが遮断した状態から、A相とB相のいずれか一方の前記副スイッチ素子と、前記ブリッジ回路内のその副スイッチ素子と同相の一個の前記主スイッチ素子とが導通し、導通した前記主スイッチ素子と、前記主一次巻線と、前記副一次巻線と、前記共振コイルと、導通した前記副スイッチ素子との直列回路に前記直流電圧源の電圧が印加されて電流が流れ、次いで、前記共振コイルと、導通された前記主スイッチ素子と同相で遮断状態にある他の一個の主スイッチ素子に並列接続された前記共振コンデンサとが共振動作し、前記他の一個の主スイッチ素子に逆並列接続された前記整流素子に前記共振コイルの起電力による共振電流が流れる間に前記他の一個の主スイッチ素子が導通される電源装置であって、前記共振電流は前記副一次巻線に流れて前記副二次巻線に電流が誘起されて前記直流電圧源に回生され、前記共振電流が減少するように構成された電源装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電源装置であって、前記共振コンデンサは、前記主スイッチ素子の容量成分が用いられた電源装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電源装置であって、前記共振コイルには、前記副一次巻線の漏れインダクタンス成分が用いられた電源装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電源装置であって、前記副二次巻線を構成するA相の副二次巻線とB相の副二次巻線と、前記A相と前記B相の副二次巻線に誘起された電圧を整流するA相とB相の副整流素子とを有し、前記A相又は前記B相の副整流素子が導通すると、前記A相又は前記B相の副二次巻線の両端には、ほぼ前記直流電圧源の出力電圧が印加されるように構成された電源装置である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電源装置であって、前記各主スイッチ素子にはMOSFETが用いられ、前記逆並列接続された整流素子は、前記各MOSFET内の寄生ダイオードが用いられた電源装置である。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電源装置であって、前記各主スイッチ素子にはIGBTが用いられた電源装置である。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電源装置であって、前記主整流平滑回路は、前記A相と前記B相の主二次巻線に誘起された電圧を整流するA相とB相の主整流素子と、前記A相と前記B相の主整流素子が出力する電圧を平滑し、負荷に供給するチョークコイルとを有する電源装置である。
【0043】
本発明は上記のように構成されており、4個の主スイッチ素子を有するブリッジ回路と、主トランス内の主一次巻線とがHブリッジ接続されている。ブリッジ回路は直流電圧源に接続されており、4個の主スイッチ素子のうち、A相の2個の主スイッチ素子が導通したときに直流電圧源から主一次巻線に供給されるA相の電流と、B相の2個の主スイッチ素子が導通したときに供給されるB相の電流とは、主一次巻線を互いに逆向きに流れるようになっていなる。
【0044】
主トランス内には、主一次巻線と磁気結合したA相及びB相の主二次巻線が設けられており、その主二次巻線には整流平滑回路が接続されている。
【0045】
主一次巻線にA相の電流が供給されたときに主二次巻線に誘起された電圧と、B相の電流が供給されたときに主二次巻線に誘起された電圧を整流平滑回路で平滑し、負荷に供給するようになっている。
【0046】
この電源装置では、A相とB相の副スイッチ素子が直列接続された回路がブリッジ回路に並列接続されており、副スイッチ素子同士の接続点と、ブリッジ回路の出力端子(主一次巻線の一端)との間は、共振コイルを介して接続されている。
【0047】
各主スイッチ素子には共振コンデンサが並列接続されており、その共振コンデンサと共振コイルとは共振動作をできるようになっている。従って、主スイッチ素子は、両端に電圧が印加されていない状態で遮断又は導通することができる。
【0048】
また、共振コイルに副一次巻線を直列接続し、主一次巻線と副スイッチ素子の接続点をと、共振コイルと副一次巻線を介して接続しておくと、共振コイルに印加される電圧は、副一次巻線の両端に生じる電圧だけ減少する。副一次巻線と磁気結合した副二次巻線を設け、副二次巻線の両端の電圧をクランプするようにしておくと、副一次巻線には、副二次巻線の電圧を巻数比倍した電圧が現れるから、共振コイルに印加される電圧は、その分だけ小さくなる。
【0049】
従って、共振コイルに流れる電流変化が緩やかになり、主スイッチ素子が導通する際の損失が減少する。
【0050】
また、共振コイルの起電力によって流れる共振電流は副一次巻線を流れ、副一次巻線から副二次巻線にエネルギーが伝達される。副二次巻線に伝達されたエネルギーを抵抗やツェナーダイオードで消費したり、直流電圧源や負荷に供給すると、共振電流を減少させることができる。抵抗などで消費するよりも、直流電圧源や負荷に供給した方が効率は向上する。
【0051】
主スイッチ素子には、バイポーラトランジスタやMOSFETやIGBTを用いることができる。MOSFETを用いた場合には、内蔵の寄生ダイオードを整流素子として利用することができる。主スイッチ素子にバイポーラトランジスタやIGBTを用いた場合には、整流素子(ダイオード素子)を各主スイッチ素子に逆並列接続するとよい。
【0052】
また、各主スイッチ素子には、外付けの共振コイルを並列接続してもよいが、共振コイルを外付けせずに、主スイッチ素子の内部容量成分を利用することができる。動作周波数が高い場合には、共振コイルの容量値は小さくて済むので、内部容量成分を利用することができる。
【0053】
また、共振コイルは、副一次巻線の漏れインダクタンスを利用することもできる。
【0054】
【発明の実施の形態】
図1の符号1は、本発明の第一例の電源装置を示している。この電源装置1は、一次側ブリッジ回路110と、二次側整流平滑回路120と、主トランス130と、制御回路140と、高効率化回路100とを有している。
【0055】
先ず、一次側の回路構成を説明すると、符号119は、商用電圧を整流平滑した電圧や、蓄電池から供給される直流電圧を模式的に表した直流電圧源である。この直流電圧源119の高電圧側に接続されたラインを電圧ライン117で示し、低電圧側に接続されたラインをグラウンドライン118で示す。
【0056】
一次側ブリッジ回路110は、nチャネルMOSFETで構成された4個の主スイッチ素子111a、111b、112a、112bを有している。
【0057】
4個の主スイッチ素子111a、112a、111b、112bはブリッジ接続されている(4個の主スイッチ素子111a、112a、111b、112bのうち、2個の主スイッチ素子111a、112bと、他の2個の主スイッチ素子111b、112aとがそれぞれ直列接続され、その両端が電源電圧ライン117とグラウンドライン118に接続されている。)。
【0058】
主トランス130内には、主一次巻線131が設けられている。
符号A、Bは、主スイッチ素子111a、112a、111b、112bが互いに直列接続された部分を示しており、その部分はブリッジ回路110の出力端子なっている。主一次巻線131の両端は、出力端子A、Bにそれぞれ接続されており、ブリッジ回路110(4個の主スイッチ素子111a、111b、112a、112b)と、主一次巻線131とでHブリッジ回路が構成されている。
【0059】
なお、ここでは、主一次巻線131とブリッジ回路110の一つの出力端子Aとの間には、偏励磁防止用のコンデンサ159が挿入されており、主一次巻線131に流れる直流成分をカットするようになっている。このコンデンサ159の両端は短絡されていても、後述する本発明の電源装置1の動作には影響がないので、コンデンサ159に関する電圧変化は説明を省略する。
【0060】
4個の主スイッチ素子111a、111b、112a、112bのうち、導通した場合に、直流電圧源119から図中の符号iAで示す電流が主一次巻線131に供給される組をA相の主スイッチ素子111a、112aとし、符号iBで示す電流が供給される組をB相の主スイッチ素子111b、112bとする。
【0061】
A相の電流iAとB相の電流iBは、どちらも各主スイッチ素子111a、112a、111b、112b内部をドレイン端子からソース端子に向けて流れる。
【0062】
ブリッジ回路110の2個の出力端子A、Bのうち、A相の主スイッチ素子111a、112aが導通したときに、高電圧側になる方を第1の出力端子Aとし、B相の主スイッチ素子111b、112bが導通したときに高電圧側になる方を第2の出力端子Bとする。
【0063】
また、各主スイッチ素子111a、111b、112a、112bには、それぞれ共振コンデンサ113a、113b、114a、114bが並列接続されており、後述する高効率化回路100内の共振コイル108と共振動作するように構成されている。
【0064】
符号115a、116a、115b、116bは、主スイッチ素子111a、112a、111b、112b内部の寄生ダイオードを示している。各寄生ダイオード115a、116a、115b、116bは整流素子であり、主スイッチ素子111a、112a、111b、112bに対して逆並列接続されている。
【0065】
次に、二次側の回路構成を説明すると、二次側整流平滑回路120は、チョークコイル125と、出力コンデンサ126と、nチャネルMOSFETで構成された主整流素子123a、123bとを有している。
【0066】
主トランス130内には、主一次巻線131と磁気結合した主二次巻線132が設けられている。主二次巻線132は、センタータップ構成にされており、A相の主二次巻線132aとB相の主二次巻線132bとに分割されている。
【0067】
A相の主二次巻線132aとB相の主二次巻線132bの共通端子(センタータップ部分)は、グラウンド端子128に接続されており、他の端子は、A相の主整流素子123aのソース端子とB相の主整流素子123bのソース端子にそれぞれ接続されている。
【0068】
A相の主整流素子123aのドレイン端子とB相の主整流素子123bのドレイン端子は、チョークコイル125の一端に共通に接続されている。符号124a、124bは、主整流素子123a、123b内部の寄生ダイオードを示している。
【0069】
符号127は出力端子であり、チョークコイル125の他端はその出力端子に接続されている。出力端子127とグラウンド端子128の間には出力コンデンサ126が接続されており、主整流素子123a、123bが整流した電圧は、チョークコイル125と出力コンデンサ126とで平滑され、出力端子127から負荷129に供給される。
【0070】
出力端子127の電圧は、フォトカプラ135等で絶縁された状態で、制御回路140に入力されている。
【0071】
制御回路140は、基準電圧源141と、誤差増幅器142と、発振器143と、比較器144と、駆動回路145とを有しており、誤差増幅器142が、フォトカプラ149から入力された電圧と基準電圧源141の出力電圧との差分を増幅し、比較器144に出力するように構成されている。
【0072】
比較器144は、誤差増幅器142から入力された電圧と、発振器143の出力波形とを比較し、比較結果を駆動回路145に出力するように構成されている。
【0073】
駆動回路145は、比較器144の比較結果に基づいて、誤差増幅器142が検出するフォトカプラ149の出力電圧と、基準電圧源141の出力電圧の差分が小さくなる方向に、主スイッチ素子111a、112a、111b、112bの導通時間を制御するように構成されている。
【0074】
従って、従来技術で説明した電源装置501と同様に、この電源装置1においても、出力端子127の出力電圧が変動した場合、制御回路140の動作によってその変動分が吸収され、出力端子127の出力電圧は一定に維持される。
【0075】
この電源装置1では、ブリッジ回路110と主一次巻線131との接続点P(ブリッジ回路110の出力端子)に、高効率化回路100が接続されている。
【0076】
高効率化回路100は、副トランス105と、共振コイル108と、nチャネルMOSFETで構成されたA相及びB相の副スイッチ素子101a、101bと、ダイオード素子で構成されたA相及びB相の副整流素子102a、103bとを有している。
【0077】
A相の副スイッチ素子101aのドレイン端子は電源電圧ライン117に接続され、B相の副スイッチ素子101bのソース端子はグラウンドライン118に接続されている。
【0078】
A相の副スイッチ素子101aのソース端子とB相の副スイッチ素子101bのドレイン端子は接続点Cで互いに接続されている。A相及びB相の副スイッチ素子101a、101bのゲート端子は駆動回路145に接続され、後述するように、ブリッジ回路110や二次側整流平滑回路120とともに、制御回路140によって制御されている。
【0079】
副トランス105内には、副一次巻線106が設けられており、副一次巻線106の一端は、ブリッジ回路110の出力端子に接続されている。ここでは、ドレイン端子が電源電圧ラインに接続されたB相の主スイッチ素子115bと、ソース端子がグラウンドライン118に接続されたA相の主スイッチ素子112aとが互いに接続された第2の出力端子Bに接続されている。
【0080】
副一次巻線106の他端は、共振コイル108を介して、接続点Cに接続されている。
【0081】
副トランス105内には、副一次巻線106と磁気結合した副二次巻線107が設けられている。副二次巻線107はセンタータップ構成であり、A相の副二次巻線107aとB相の副二次巻線107bに分割されている。
【0082】
A相、及びB相のセンタータップ部分の端子はグラウンドライン118に接続されており、他端子は、A相の副整流素子102aのアノード端子とB相の副整流素子102bのアノード端子にそれぞれ接続されている。
【0083】
A相及びB相の副整流素子102a、102bのカソード端子は電源電圧ライン117に接続されている。従って、副一次巻線106に電流が流れ、副二次巻線107に電圧が誘起された場合、A相の副整流素子102aかB相の副整流素子102bのいずれか一方が順バイアスされる。このように、副二次巻線107に流れる電流は、直流電圧源119に回生されるようになっている。
【0084】
この電源装置1の動作を説明する。図8は、この電源装置1の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図2〜図7は、電源装置1の回路中を流れる電流とその方向を説明するための回路図である。図2〜図7では、図1中の回路ブロックを示す一点鎖線および、その回路ブロックの符号は省略する。
【0085】
図8のタイミングチャート中、Vg111a、Vg112a、Vg111b、Vg112bは、A相及びB相の主スイッチ素子111a、112a、111b、112bのゲート電圧を示している。
【0086】
Vg101a、Vg101bはA相及びB相の副スイッチ素子101a、101bのゲート電圧を示しており、Vg123a、Vg123bは、A相及びB相の主整流素子123a、123bのゲート電圧を示している。
【0087】
Id101aはA相の副スイッチ素子101aに流れる電流を示している。B相の副スイッチ素子101bに流れる電流は省略してある。
【0088】
Ic113a、Ic114aは、A相の主スイッチ素子111a、112bに並列接続された共振コンデンサ113a、114aに流れる電流を示している。充電方向を正、放電方向を負として示している。
【0089】
Id111a、Id112aはA相の主スイッチ素子111a、112aのドレイン電流を示し、Vds111a、Vds112aはドレイン・ソース間の電圧を示している。B相の主スイッチ素子111b、112bのドレイン電流とドレイン・ソース間の電圧は省略する。
【0090】
It131は主一次巻線131に流れる電流を示している。A相の主スイッチ素子111a、112aが導通したときに直流電圧源119から主一次巻線131に電流が供給される方向を正、B相の主スイッチ素子111b、112bが導通したときに供給される方向を負として表している。
【0091】
Vds123a、Vds123bは、A相及びB相の主整流素子123a、123bのドレイン・ソース間の電圧を示しており、ソース端子の電圧がドレイン端子の電圧よりも高い方向を正として表している。
【0092】
It132a、It132bは、A相及びB相の主二次巻線132a、132bに流れる電流を示している。
【0093】
図2は、図8のタイミングチャートの時刻t0〜時刻t1の間に電源装置1に流れる電流を示している。時刻t0〜時刻t1の間は、A相及びB相の主スイッチ素子111a、112a、111b、112bと、A相及びB相の副スイッチ素子101a、101bとは遮断状態にあり、時刻t0よりも前に二次側のチョークコイル125に蓄積されたエネルギーによってチョークコイル125に起電力が生じ、二次側整流平滑回路120内に電流181が流れている状態を示している。
【0094】
時刻t0〜時刻t1では、二次側の主スイッチ素子123a、123bは遮断しているため、チョークコイル125から供給される電流I181は、寄生ダイオード124a、124bの両方に分流し、電流I181a、I181bとなってA相及びB相の主二次巻線132a、132bに流れる。
【0095】
その状態から時刻t1において、A相の電源電圧側の主スイッチ素子111aと、二次側のA相の主整流素子123aと、A相の副スイッチ素子101aが導通する。
【0096】
二次側では、A相の主整流素子123aのソース端子にはドレイン端子よりも高い電圧が印加されているため、その主整流素子123aは第三象限動作をし、低インピーダンスになる。その結果、図3に示すように、チョークコイル125が供給する電流I181は、B相の主整流素子123bの寄生ダイオード124bには流れなくなり、A相側(A相の主整流素子123aとA相の主二次巻線132a)だけに流れる。
【0097】
A相の主二次巻線132aに電流I181が流れることにより、二次側から一次側にエネルギーが戻され、主一次巻線131に電圧が誘起される。その電圧は、第2の出力端子Bに正電圧を印加する極性であり、高電圧側のB相の主スイッチ素子111bの寄生ダイオード115bが順バイアスされる。
【0098】
その結果、主一次巻線131に戻されたエネルギーにより、主一次巻線131と、寄生ダイオード115bと、高電圧側のA相の主スイッチ素子111aとで形成される閉ループ中を、電流I183が流れる。
【0099】
また、直流電圧源119から主一次巻線131に向け、電源電圧ライン117、高電圧側のA相の主スイッチ素子111a、主一次巻線131、副トランス105内の副一次巻線106、共振コイル108、A相の副スイッチ素子101a、グラウンドライン118の順に電流I184が供給される。
【0100】
従って、時刻t1〜時刻t2の間に主一次巻線131に流れる電流IT1は、
T1 = I183+I184
となる。
【0101】
主一次巻線131の巻数をn1、A相の主二次巻線132aの巻数をn2aとすると、
T1 × n1 = I181 × n2a
となる。
【0102】
A相の主二次巻線132aには、チョークコイル125から電流が供給されており、チョークコイル125は定電流源であると近似できるから、主一次巻線131に流れる電流IT1も一定値である。
【0103】
また、時刻t1において、副トランス105内の副一次巻線106に電流が流れ始めるため、副一次巻線106には逆起電力が生じ、その結果、副二次巻線107に電圧が誘起される。
【0104】
副二次巻線107に誘起される電圧は、A相の副整流素子102aを順バイアスする極性になっており、副一次巻線106からA相側の副二次巻線107aにエネルギーが伝達され、A相側の副二次巻線107aに生じた起電力により、電流I185が流される。その電流185は、直流電圧源119を充電する回生電流である。
【0105】
A相の副二次巻線107aとB相の副二次巻線107bの巻数は等しくなっており、A相又はB相の副二次巻線107a、107bの巻数と、副一次巻線106の巻数の比はm:1になっている。
【0106】
回生電流I185が流れることにより、A相側の副二次巻線107aには直流電圧源119の出力電圧Vinが印加されるから、副一次巻線106に生じる逆起電力の大きさは、出力電圧のm分の1の値(Vin/m)でクランプされることになる。
【0107】
直流電圧源119から供給される電流I184の電流経路上、主スイッチ素子111a、主一次巻線131、副スイッチ素子101aに生じる電圧を無視すると、共振コイル108に印加される電圧V108は、
108 =Vin−Vin/m
となる。
【0108】
Vin、mは一定値であるから、共振コイル108に印加される電圧V108は定電圧であり、直流電圧源119から供給され、A相の主スイッチ素子111aと共振コイル108に流される電流I184は徐々に増加する。
【0109】
また、A相の主スイッチ素子111aは、主スイッチ素子111aのドレインとソース間の電圧がゼロVで遮断状態から導通状態に転じることができるため、損失が小さくなる。
【0110】
また、共振コイル108に印加される電圧は、Vin/mの分だけ直流電圧源119の出力電圧Vinよりも小さくなっているため、電流I184の増加もゆるやかになっている。
【0111】
このように、共振コイル108に流れる電流は徐々に増加するのに対し、主主一次巻線131に流れる電流IT1は一定であるから、二次側から一次側に戻される電流I183は徐々に減少する。
【0112】
その電流I183がゼロになった時刻をt2で表すと、時刻t2では、主一次巻線131には、直流電圧源119から供給される電流I184だけが流れる。即ち、時刻t2では、
2a ×I 181 =n1×I184
である。
【0113】
このとき、A相のグラウンド側の主スイッチ素子112aに並列接続された共振コンデンサ114aは、副一次巻線106と共振コイル108に生じた電圧で充電されており、時刻t2で主一次巻線131に流れる電流が定電流となり、その電流I184だけでは共振コイル108に流れる電流が増加できなくなると共振コンデンサ114aと共振コイル108とが共振動作を開始し、共振コンデンサ114aの放電電流により、共振コイル108に流れる電流が増加する。
【0114】
図4の符号I187、I188は、その共振動作によって流れる電流を示しており、共振コンデンサ114aの放電により、共振コンデンサ114aの高電圧側の端子(ブリッジ回路110の第2の出力端子B)の電圧は徐々に低下する。
【0115】
第2の出力端子Bの電圧が低下すると、第2の出力端子Bと電源電圧ライン117の間に接続された共振コンデンサ113bが充電される(この共振コンデンサ113bは、高電圧側のB相の主スイッチ素子111bに並列接続されているコンデンサである。)。
【0116】
図4の符号I188は、その共振コンデンサ113への充電電流を示しており、直流電圧源119の高電圧側から、共振コンデンサ113b、副一次巻線106、共振コイル108、A相の副スイッチ素子101aを通って、グラウンドライン118に流れる。
【0117】
共振コイル108と共振コンデンサ114aの共振動作により、共振コンデンサ114aの放電が終了すると、共振コンデンサ114aに蓄積されていたエネルギーは共振コイル108に全部移行される。すると、共振コイル108には、共振コンデンサ114aを逆向きに充電する方向の起電力が生じる。
【0118】
その起電力は、共振コンデンサ114aに並列接続されている主スイッチ素子112aの内部寄生ダイオード116aを順バイアスする極性なので、共振コイル108に蓄積されていたエネルギーにより、寄生ダイオード116a中を、図5の符号I189で示す電流が流される。
【0119】
このとき、副一次巻線106と共振コイル108には、電流I184と電流I189が流れ、副二次巻線107には、その電流によって電圧が誘起され、直流電圧原119に電流I185が回生される。直流電圧源119に電流I185が回生されることにより、共振コイル108のエネルギーが直流電圧源119の戻り、その結果、共振コイル108の起電力により流れている電流I189は徐々に減少する。もし、副一次巻線106と副二次巻線107によって、共振コイル106のエネルギーを直流電圧源119に回生しなかった場合(又は、後述するように、共振コイル106のエネルギーを二次側に移行させるか、または消費しなかった場合)には、共振コイル106の起電力による電流I189は減少しないことになる。
【0120】
図8のタイミングチャートにおいて、共振コンデンサ114aの放電が終了し、寄生ダイオード116aに電流I189が流れ始めた時刻は符号t3で示されている。
【0121】
制御回路140は、時刻t3後であって、寄生ダイオード116aに電流I189が流れている間に、A相のグラウンド側の主スイッチ素子112aを導通させる。この場合、主スイッチ素子112aのソース・ドレイン間に電圧は印加されていないので、損失が生じない。
【0122】
従って、A相のグラウンド側の主スイッチ素子112aは、ソース・ドレイン間に電圧が印加されていない状態で導通すると、図6の符号I190で示す電流が主スイッチ素子112aを流れる。
【0123】
このとき、主一次巻線131は定電流が流れるため、主スイッチ素子112aに流れる電流I190は徐々に増加し、他方、副スイッチ素子101aに流れる電流I184は徐々に減少する。
【0124】
時刻t3後、副スイッチ素子101aに電流が流れ始めても、共振コイル108は放電を続ける。
【0125】
放電が終了した時刻をt4とすると、時刻t4後の時刻t5において、グラウンド側のA相の主スイッチ素子112aに流れる電流I190が、
190 × n1 = I181 × n2a
になったものとすると(IT1 =I190 )、このとき副スイッチ素子101aに流れる電流I184はゼロになる。この時刻t5では、制御回路140により、副スイッチ素子101aは遮断させられる。
【0126】
この状態では、主一次巻線131の両端は、図7に示すように、電源側及びグラウンド側のA相の主スイッチ素子111a、112aによって、電源電圧ライン117とグラウンドライン118に接続されており、直流電圧源119から電流I190が供給されている。
【0127】
時刻t5後は、主一次巻線131に流れる電流が増加し、主一次巻線131から主二次巻線132にエネルギーが伝達される。このとき、A相の主二次巻線132aには、A相の主整流素子123aのソース端子に正電圧を印加する極性の電圧が誘起される。A相の主整流素子123aのゲート端子には正電圧が印加されているから、第三象限動作によってA相の主二次巻線132aから図7の符号I192で示す電流が流され、チョークコイル125にエネルギーが蓄積される。
【0128】
次に、時刻t6において先ず、電源側のA相の主スイッチ素子111aが遮断すると、その主スイッチ素子111aに並列接続されている共振コンデンサ113aに充電電流が流れ、時刻t7において、その共振コンデンサ113aが電源電圧Vinで充電された後、時刻t8において、グラウンド側のA相の主スイッチ素子112aが遮断すると、ブリッジ回路110内の全ての主スイッチ素子111a、112a、111b、112bが遮断状態になる。
【0129】
この状態は、時刻t0と同じ状態であり、今度は、B相側の主スイッチ素子111b、112b、主整流素子123b、副スイッチ素子101bの動作により、A相が動作した場合と同様に、B相側に電流が流れる。
【0130】
A相の二次巻線132aとB相の二次巻線132bの巻数は同数にされており、B相側に流れる電流の大きさはA相側に流れる電流と等しくなっている。
【0131】
但し、B相側に電流が流れる場合、先ず、グラウンド側のB相の主スイッチ素子112bとB相の副スイッチ素子101bとが導通した後、電源側のB相の主スイッチ素子111bが導通するが、その動作はA相と対称的なので、説明は省略する。
【0132】
上記電源装置1は、二次側の主整流素子123a、123bにnチャネルMOSFETを用いたが、ダイオード素子を用いることもできる。 図9の電源装置2は、本発明の第二例の電源装置であり、その整流平滑回路220は、図1の電源装置1の整流平滑回路120がnチャネルMOSFETで構成された主整流素子123a、123bを有していたのに対し、ダイオード素子で構成された主整流素子223a、223を有している。それらの主整流素子223a、223bはゲート端子を有していないので、制御回路140には接続されていない。
【0133】
図9の第二例の電源装置2では、他の回路、配線は図1の電源装置1と同一であるので、同じ回路や素子には同じ符号を付して説明を省略する。
【0134】
この電源装置2でも、図10のタイミングチャートに示すように、主スイッチ素子111a、112a、111b、112bのソース・ドレイン間に電圧が印加されていない状態で、遮断から導通に転じており、損失が少なくなっている。
【0135】
図10のタイミングチャート中、V223a、V223bは、A相、B相の主整流素子223a、223bの両端の電圧を示している。時刻t2〜t7の間、A相の主整流素子223aが導通している。
【0136】
一次側のブリッジ回路110や高効率化回路100の動作は図1の電源装置1の動作と同様である。
【0137】
なお、上記各実施例では、ブリッジ回路110の第2の出力端子Bに副一次巻線106の一端を接続し、他端を共振コイル108を介して接続点Cに接続したが、それとは逆に、第2の出力端子Bに共振コイル108の一端を接続し、他端を副一次巻線106を介して接続点Cに接続してもよい。また、第2の出力端子Bではなく、第1の出力端子Aに接続してもよい。
【0138】
また、上記各実施例では、主一次巻線131の一端は、偏励磁防止用のコンデンサ159を介してブリッジ回路110の第1の出力端子Aに接続されていたが、コンデンサ159は、主一次巻線131の一端と第1、第2の出力端子A、Bのいずれか一方又は両方の間に挿入されていればよい。更に、偏励磁が無い場合はコンデンサ159は省略することができる。
【0139】
また、以上の実施例では副一次巻線106から副二次巻線107に移行されたエネルギーは、直流電圧源119に回生させていたが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0140】
図18の符号1aに示した電源装置はでは、複整流素子102a、102bのカソード側の端子が出力コンデンサ126の高電圧側の端子(出力コンデンサ126とチョークコイル125の接続部分)に接続されており、副二次巻線107のセンタータップ部分が出力コンデンサ126の低電圧側の端子(二次側のグラウンドライン)に接続されている。
【0141】
この電源装置1aでは、副一次巻線106から副二次巻線107に移行されたエネルギーは、負荷129に供給されるから、共振コイル108の起電力で流れる共振電流のエネルギーを、一次側ではなく二次側に供給できるようになっている。
【0142】
また、副二次巻線107に移行されたエネルギーは、直流電圧源119や負荷129に供給することなく消費することもできる。
【0143】
図19の符号1bは、複整流素子102a、102bのカソード端子と、副二次巻線107のセンタータップ部分の間に、抵抗素子によって構成された電力消費回路155を接続した電源装置である。
【0144】
この電源装置1bでは、副二次巻線107に生じた起電力により、電力消費回路(抵抗素子)155に電流が流れるから、副一次巻線106から副二次巻線107に移行されエネルギーは、電力消費回路(抵抗素子)155で消費される。
【0145】
図20に示した電源装置1cは、抵抗素子に替え、互いに逆向きに直列接続されたツェナーダイオード1561、1562で構成された電力消費回路156を有している。この電力消費回路156は、複整流素子102a、102bのカソード端子と、副二次巻線107のセンタータップ部分の間に接続されている。
【0146】
この電源装置1cでは、副二次巻線107に移行されたエネルギーは、電力消費回路156内のツェナーダイオード1561、1562によって消費される。
【0147】
このように、抵抗素子155やツェナーダイオード1561、1562によって副二次巻線107に移行されたエネルギーを消費してもよいし、抵抗素子155やツェナーダイオード1561、1562を組合わせてもよい。また、他の素子の抵抗成分や定電圧素子等を利用してもよい。要するに、共振コイル106の起電力によって生じる共振電流を副二次巻線107側で消費又は回生等で利用し、共振電流を減少させられればよい。
【0148】
また、上記各実施例では、MOSFETにはnチャネル型のものを用いたが、pチャネル型のものを用いたり、一つの電源装置内で、nチャネル型のMOSFETとpチャネル型のMOSFETとを用いることもできる。
【0149】
更に、主スイッチ素子はMOSFETを用いる場合に限定されるものではない。図21の符号1dは、主スイッチ素子にIGBTが用いられており、4個のIGBT151a、151b、152a、152bがブリッジ接続されている。
【0150】
IGBTでは、内部寄生ダイオードを利用することができないので、各IGBT151a、151b、152a、152bには、外付けのダイオード素子165a、165b、166a、166bが逆並列接続されており、MOSFETを用いた場合と同じように動作できるようになっている。
【0151】
更に、IGBTではなく、バイポーラトランジスタを用いることもできる。この場合も、各バイポーラトランジスタにダイオード素子を逆並列接続する必要があるが、図21の電源装置1dのIGBTをバイポーラトランジスタ(NPN型のバイポーラトランジスタ)に変更すればよいので、回路図は省略する。
【0152】
【発明の効果】
高効率の電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一例の電源装置を示す回路ブロック図
【図2】第一例の電源装置の時刻t0〜t1の間の電流の流れ方を示す図
【図3】第一例の電源装置の時刻t1〜t2の間の電流の流れ方を示す図
【図4】第一例の電源装置の時刻t2後、共振コンデンサ114aが放電している間の電流の流れ方を示す図
【図5】第一例の電源装置のグラウンドライン側の寄生ダイオードに電流が流れ始めてから時刻t3までの間の電流の流れ方を示す図
【図6】第一例の電源装置のグラウンド側のスイッチ素子の導通〜時刻t5の間の電流の流れ方を示す図
【図7】第一例の電源装置の時刻t5〜時刻t6の間の電流の流れ方を示す図
【図8】第一例の電源装置の動作を示すタイミングチャート
【図9】本発明の第二例の電源装置を示す回路ブロック図
【図10】第二例の電源装置の動作を示すタイミングチャート
【図11】従来技術の電源装置の回路ブロック図
【図12】従来技術の電源装置の電源装置の時刻t1よりも前の電流の流れ方を示す図
【図13】従来技術の電源装置の時刻t1〜t2の間の電流の流れ方を示す図
【図14】従来技術の電源装置の時刻t2〜t3の間の電流の流れ方を示す図
【図15】従来技術の電源装置の時刻t3〜t4の間の電流の流れ方を示す図
【図16】従来技術の電源装置の動作を示すタイミングチャート
【図17】MOSFETの第三象限動作を説明するためのグラフ
【図18】負荷側に電流を供給する場合の本発明の一例の電源装置
【図19】抵抗素子で電力を消費する場合の本発明の一例の電源装置
【図20】ツェナー素子で電力を消費する場合の本発明の一例の電源装置
【図21】IGBTを用いた場合の本発明の一例の電源装置
【符号の説明】
1、2、1a、1b、1c、1d……電源装置
101a……A相の副スイッチ素子
101b……B相の副スイッチ素子
102a……A相の副整流素子
102b……B相の副整流素子
106……副一次巻線
107……副二次巻線
108……共振コイル
110……ブリッジ回路
111a……A相の電源電圧ライン側の主スイッチ素子
112a……A相のグラウンドライン側の主スイッチ素子
111b……B相の電源電圧ライン側の主スイッチ素子
112b……B相のグラウンドライン側の主スイッチ素子
113a、113b、114a、114b……共振コンデンサ
119……直流電圧源
123a……A相の主整流素子
123b……B相の主整流素子
125……チョークコイル
130……主トランス
131……主一次巻線
132……主二次巻線
132a……A相の主二次巻線
132b……B相の主二次巻線
151a、151b、152a、152b……IGBT
155、156……電力消費回路
165a、165b、166a、166b……ダイオード

Claims (7)

  1. 二個のA相の主スイッチ素子と二個のB相の主スイッチ素子とがブリッジ接続され、直流電圧源から電流を供給されるように接続されたブリッジ回路と、
    主トランス内に配置され、前記ブリッジ回路にHブリッジ接続された主一次巻線と、
    前記主トランス内に配置され、前記主一次巻線に磁気結合されたA相とB相の主二次巻線と、
    前記A相と前記B相の主二次巻線に誘起された電圧を整流平滑し、負荷に電力を供給する主整流平滑回路と、
    前記各主スイッチ素子に並列接続された共振コンデンサと、
    前記各主スイッチ素子に逆並列接続された整流素子と、
    互いに直列接続され、該直列接続回路が前記ブリッジ回路に並列接続されたA相の副スイッチ素子とB相の副スイッチ素子と、
    前記A相の副スイッチ素子と前記B相の副スイッチ素子の接続点と前記主一次巻線の一端との間を接続する共振コイルと、
    前記共振コイルと直列接続され、前記接続点と前記主一次巻線の一端の間に挿入された副一次巻線と、
    前記副一次巻線と磁気結合され、前記副一次巻線に流れた電流によって電圧が誘起されるように構成された副二次巻線とを有し、
    前記ブリッジ回路内の四個の前記主スイッチ素子と前記A相、B相の副スイッチ素子とが遮断した状態から、
    A相とB相のいずれか一方の前記副スイッチ素子と、前記ブリッジ回路内のその副スイッチ素子と同相の一個の前記主スイッチ素子とが導通し、
    導通した前記主スイッチ素子と、前記主一次巻線と、前記副一次巻線と、前記共振コイルと、導通した前記副スイッチ素子との直列回路に前記直流電圧源の電圧が印加されて電流が流れ、
    次いで、前記共振コイルと、導通された前記主スイッチ素子と同相で遮断状態にある他の一個の主スイッチ素子に並列接続された前記共振コンデンサとが共振動作し、前記他の一個の主スイッチ素子に逆並列接続された前記整流素子に前記共振コイルの起電力による共振電流が流れる間に前記他の一個の主スイッチ素子が導通される電源装置であって、
    前記共振電流は前記副一次巻線に流れて前記副二次巻線に電流が誘起されて前記直流電圧源に回生され、前記共振電流が減少するように構成された電源装置。
  2. 前記共振コンデンサは、前記主スイッチ素子の容量成分が用いられた請求項1記載の電源装置。
  3. 前記共振コイルには、前記副一次巻線の漏れインダクタンス成分が用いられた請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電源装置。
  4. 前記副二次巻線を構成するA相の副二次巻線とB相の副二次巻線と、
    前記A相と前記B相の副二次巻線に誘起された電圧を整流するA相とB相の副整流素子とを有し、
    前記A相又は前記B相の副整流素子が導通すると、前記A相又は前記B相の副二次巻線の両端には、ほぼ前記直流電圧源の出力電圧が印加されるように構成された請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の電源装置。
  5. 前記各主スイッチ素子にはMOSFETが用いられ、前記逆並列接続された整流素子は、前記各MOSFET内の寄生ダイオードが用いられた請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の電源装置。
  6. 前記各主スイッチ素子にはIGBTが用いられた請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の電源装置。
  7. 前記主整流平滑回路は、前記A相と前記B相の主二次巻線に誘起された電圧を整流するA相とB相の主整流素子と、
    前記A相と前記B相の主整流素子が出力する電圧を平滑し、負荷に供給するチョークコイルとを有する請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の電源装置。
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