JP4365660B2 - 繊維強化樹脂構造体の製造方法及び、その製造装置 - Google Patents

繊維強化樹脂構造体の製造方法及び、その製造装置 Download PDF

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本発明は、航空機の機体、風車の翼のような大型の構造物に適用することができる繊維強化樹脂構造体の製造方法及び、その製造装置に関する。
繊維強化樹脂(FRP)の用途は、多方面に拡がっている。カーボン繊維ロツドは、釣り竿、ゴルフパターに有用に用いられている。多層化繊維強化樹脂は、ボート、ヨットのような船体構造に有用に用いられている。
このように軽量で、かつ高強度の特性から航空機の機体、風車の翼のような大型の構造物に対する繊維強化樹脂の利用が望まれる。
この種の構造化物体の強度の保証又はその物性の安定のためには、繊維強化樹脂の中に泡、空洞が製造プロセスで、入り込まないことが重要である。成形型の中に敷かれている繊維層に流動性樹脂を流し込んでその繊維層に流動性樹脂を含浸させる工法では、樹脂層の中に空洞が生じることがある。この空洞を層中に生じさせない技術として、真空成形方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1によると、型の内面と真空フィルムで閉じられるモールドキャビティーの中は一方側で真空引きが行われ他方側から流動性樹脂が注入され、キャビティーの中で空気は流動性樹脂により置換され、泡、空洞がない繊維強化樹脂構造体が製造される技術が記載されている。
この技術によると、流動性がある樹脂が繊維層に空間的に均一に分散して配分されるように、真空成形技術が改良される必要がある。そのような改良技術として、(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。
これらの公知技術の共通点は、図12に抽象化されて概念的に示されるように、型101と真空フィルム102との間に形成されるキャビティーに格子状穴を持つ構造特にナイロンネット103を敷き、図13に示されるように、樹脂注入用ホース104に開けた多くの穴から流動性樹脂105を注入し、キャビティーの端部106から真空引き107を行い、ナイロンネット103の格子状網目を透過させて樹脂を基層の繊維マット108に含浸させることである。ナイロンネット103は、流動性樹脂の2次元の拡散均一性を与えるために用いられている。
この技術によると、中空化されることで軽量化されるが、構造上強度が高い半円筒形状、扁平楕円体中空形状(の半分)のFRP製品を製造する場合には、流動速度が均一になり難く、図13に示されるように、流動性樹脂が均一に流れず、樹脂が繊維層に含浸されない未含浸部位108が発生しやすく、含浸欠陥が生じやすい。
このように、注入される樹脂の流動性と拡散性とを同時的に改善することにより含浸欠陥の発生を抑制することが求められる。その結果、樹脂注入速度を速くすることにより製造サイクルを短縮することが望まれる。
そこで、樹脂注入速度の調整を容易にすることにより含浸欠陥の発生を抑制するとともに、樹脂注入速度を速くすることにより製造サイクルを短縮することができる繊維強化樹脂構造体の製造装置、及び、その製造方法を先に出願した(特願2002−167785号)。
特開昭60−83826号公報 米国特許第4902215号明細書 米国特許第5904972号明細書
この製造方法によると、注入される樹脂の流動性と拡散性とを、より改善することにより含浸欠陥の発生を抑制することが求められるとともに、特に板厚が10mmを超える厚板構造体の製造に際して課題を有していた。
本発明は、含浸欠陥の発生を抑制し、樹脂注入速度をより速くすることにより製造サイクルを短縮することができるとともに、板厚が10mmを超える厚板構造体の製造に際して顕著な効果を奏することができる繊維強化樹脂構造体の製造方法及び、その製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造方法において、上記繊維層の両面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置するとともに、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の全域または部分的に配置し、上記繊維層の両面に加えて繊維層の少なくとも一対の側面にも、上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、上記繊維層の両面および側面の樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造することにある。
また、本発明は、第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造方法において、上記第1型に樹脂通路を形成した第1の樹脂通路構造体を載置するとともに、この樹脂通路構造体に上記繊維層を配置し、該繊維層の上に上記流動性樹脂を1次元方向に案内する案内通路と、該案内通路の上記流動性樹脂の流れを案内通路の流れと交叉する2次元方向に拡散させる拡散通路とからなる第2の樹脂通路構造体を形成し、上記第1の樹脂通路構造体と上記繊維層との間、および第2の樹脂通路構造体と上記繊維層との間に、上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面の全域または部分的に配置し、上記繊維層の両面に加えて繊維層の少なくとも一対の側面にも、上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、上記第1および第2の樹脂通路構造体および側面の樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造することにある。
さらに、本発明は、上記繊維層の上面に別の繊維層を重ねるとともに、この別の繊維層の周りに上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて平板と補強桁とを一体成形した繊維強化樹脂構造体を製造することにある。
また、本発明は、第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造装置において、上記繊維層の両面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置し、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面の全域または部分的に配置し、上記繊維層の下部側の樹脂通路構造体として、樹脂案内通路を互いに等間隔で形成し、これら樹脂案内通路から上面に開口した多数の貫通孔を形成した樹脂通路型を配設したことにある。
さらに、本発明は、第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造装置において、上記繊維層の両面および少なくとも1対の側面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置し、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面および側面の全域または部分的に配置したことにある。
本発明による、繊維強化樹脂構造体の製造方法及び、その製造装置によれば、以下の効果を奏する。
第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造方法において、上記繊維層の両面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置するとともに、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の全域または部分的に配置し、上記繊維層の両面に加えて繊維層の少なくとも一対の側面にも、上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、上記繊維層の両面および側面の樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造するので、3次元的に均一に流動性樹脂を拡散させて繊維層に含浸させることができるとともに、未含浸欠陥の発生を防止し、短時間にFRP製品を成形することができる。よって、風車ブレード、航空機部材、高速車両部材、建築部材、橋梁、船舶などの多くの製品分野で利用することができる。特に、板厚が10mmを超える厚板構造体においても速やかに樹脂を含浸させることができ、製品の製造時間を大幅に短縮することができる。
また、第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造方法において、上記第1型に樹脂通路を形成した第1の樹脂通路構造体を載置するとともに、この樹脂通路構造体に上記繊維層を配置し、該繊維層の上に上記流動性樹脂を1次元方向に案内する案内通路と、該案内通路の上記流動性樹脂の流れを案内通路の流れと交叉する2次元方向に拡散させる拡散通路とからなる第2の樹脂通路構造体を形成し、上記第1の樹脂通路構造体と上記繊維層との間、および第2の樹脂通路構造体と上記繊維層との間に、上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面の全域または部分的に配置し、上記繊維層の両面に加えて繊維層の少なくとも一対の側面にも、上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、上記第1および第2の樹脂通路構造体および側面の樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造するので、3次元的に均一に流動性樹脂を拡散させて繊維層に含浸させることができるとともに、未含浸欠陥の発生を防止し、短時間にFRP製品を成形することができる。よって、風車ブレード、航空機部材、高速車両部材、建築部材、橋梁、船舶などの多くの製品分野で利用することができる。特に、板厚が10mmを超える厚板構造体においても速やかに樹脂を含浸させることができ、製品の製造時間を大幅に短縮することができる。
またさらに、上記繊維層の上面に別の繊維層を重ねるとともに、この別の繊維層の周りに上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて平板と補強桁とを一体成形した繊維強化樹脂構造体を製造するので、未含浸欠陥の発生を防止し、短時間に樹脂を含浸させてFRP製品を成形することができる。各種形状の製品を成形できるので、風車ブレード、航空機部材、高速車両部材、建築部材、橋梁、船舶などの多くの製品分野で利用することができる。
特に、板厚が10mmを超える厚板構造体においても速やかに樹脂を含浸させることができ、製品の製造時間を大幅に短縮することができる。
上記パスメディアに、網を用いることで、繊維層に流動性樹脂を拡散させることができる。
また、上記パスメディアに、空隙を有するシートを用いることで、繊維層に流動性樹脂を拡散させることができる。
さらに、上記繊維層にガラス繊維あるいはカーボン繊維を用いるとともに、上記パスメディアに、繊維層と同質のガラス繊維あるいはカーボン繊維のマットを用いることで、繊維強化樹脂構造体成形後にパスメディアを取り外す必要がない。
またさらに、上記繊維層の上面に別の繊維層を重ねるとともに、この別の繊維層の周りに上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、平板と補強桁とを一体成形した繊維強化樹脂構造体を製造できるので、各種形状の製品を成形することができる。
また、本発明によれば、第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造装置において、上記繊維層の両面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置し、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面の全域または部分的に配置し、上記繊維層の下部側の樹脂通路構造体として、樹脂案内通路を互いに等間隔で形成し、これら樹脂案内通路から上面に開口した多数の貫通孔を形成した樹脂通路型を配設したので、3次元的に均一に流動性樹脂を拡散させて繊維層に含浸させることができる。本発明による繊維強化樹脂構造体の製造装置は、拡散均一性がよく、次世代風車のような大型又は超大型の構造体の成形に特に好適である。
第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造装置において、上記繊維層の両面および少なくとも1対の側面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置し、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面および側面の全域または部分的に配置したので、未含浸欠陥の発生を防止し、短時間にFRP製品を成形することができる。よって、風車ブレード、航空機部材、高速車両部材、建築部材、橋梁、船舶などの多くの製品分野で利用することができる。
特に、板厚が10mmを超える厚板構造体においても速やかに樹脂を含浸させることができ、製品の製造時間を大幅に短縮することができる。
さらに、上記繊維層にガラス繊維あるいはカーボン繊維を用いるとともに、上記パスメディアに、繊維層と同質のガラス繊維あるいはカーボン繊維のマットを用いたので、繊維強化樹脂構造体成形後にパスメディアを取り外す必要がないことから、製造作業の能率を向上することができる。
またさらに、上記下部側樹脂通路構造体として、樹脂案内通路を互いに等間隔で形成し、これら樹脂案内通路から上面に開口した多数の貫通孔を形成した樹脂通路型を配設したので、満遍なく、樹脂を供給することができる。
また、上記樹脂案内通路相互間を樹脂副通路で連結したので、満遍なく樹脂を樹脂案内通路に供給することができる。
さらに、上記上部側樹脂通路構造体として、片面に凹形状を有する構造体を案内通路として複数用いるとともに該構造体の凹形状部を上記繊維層に向けて配置したので、流動性樹脂の流動性を向上することができる。
またさらに、上記案内通路の下部側に拡散通路として配置される接合体を用いるとともに、該接合体の上面に上記案内通路との間に拡散通路を形成する複数の間隙を形成したので、3次元的に均一に流動性樹脂を拡散させて繊維層に含浸させることができる。
また、上記接合体に上面が凹凸に形成された板を用いたので、低コストで流動性樹脂の拡散通路を形成することができる。
さらに、上記接合体の板面に上記流動性樹脂の通路となる多数の孔を形成したので、接合体の下面にも流動性樹脂を供給することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明による繊維強化樹脂構造体の製造装置の実施の形態は、真空用シートが不変形成形型とともに用いられる。
図1ないし図3に示すように、第2型となる真空用シート(変形成形型)1は、第1型となる不変形成形型2とによりキャビテイー3を構成する。キヤビティー3は、真空ポンプ(図示しない)により減圧される。真空用シート1は、透明樹脂フィルムまたは透明樹脂シートなどで形成され、それぞれの面の法線の方向に変形自在で、透明又は半透明である。真空用シート1は、光透過性であり、作業員は、樹脂の拡散の状況を見ながら、注入位置、注入圧力を制御して、その拡散の均一性を調整することができる。
真空用シート1には、図4に示されるように、複数の樹脂注入口4が配置されている。真空用シート1と樹脂注入口4は密着していて、真空用シート1と樹脂注入口4との間で空気漏れはない。フレキシブルである樹脂供給ホースの注入口端5は、樹脂注入口4に着脱自在である。注入ロ端5が樹脂注入口4に差し込まれれば樹脂注入口4と注入ロ端5が接続され、注入ロ端5が樹脂注入ロ4から抜かれれば樹脂注入口4と注入ロ端5が離脱される形式のカップリングが用いられている。
図1ないし図4は、本発明による繊維強化樹脂構造体の製造方法の実施の形態を示している。
第1型となる不変形成形型2は、工場の床面などに配置されている。不変形成形型2の上面には、平板状の第1の樹脂通路構造体6が載置されている。樹脂通路構造体6は、互いに一定間隔で多数の樹脂通路61が成形されており、これら各樹脂通路61から樹脂通路構造体6の上面に向けて多数の貫通孔62が一定間隔で形成されている。また、これら各樹脂通路61は、複数の樹脂副通路63を介して互いに連通されている。上記各樹脂通路61には、樹脂を注入する注入口64がそれぞれ設けられている。
この樹脂通路構造体6は、上面に離型剤が塗られ離型剤層7が形成されている。離型剤層7を形成した樹脂通路構造体6の上面には、樹脂の流動性に優れ、かつフレキシブルな素材で成形されたパスメディア8が配置されている。
このパスメディア8としては、例えば、網、あるいは連続した空隙を有するシートなどが用いられる。このパスメディア8は、樹脂通路構造体6の上面の全域あるいは一部を覆うように配置されている。このパスメディア8は、流動性樹脂の流動性を増幅するもので、構造体の成形後には除去される。
このパスメディア8の上には、繊維層として繊維積層体9が配置されており、この繊維積層体9は、図3に示すように、複数層の繊維層10と複数層の発泡樹脂層11とが複合して多層化した積層構造を有している。
上記繊維層10の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭素チューブが用いられる。
上記繊維層10は、通常は多層化されより強化される。繊維層10は、格子状に繊維群が延びマトリックス状に織られているマトリックス繊維から形成される。2つの繊維層10の間にサンドイッチ発泡体が介設されることが好ましい。
上記繊維積層体9の上面には、上記パスメディア8と同様のパスメディア18が配置され、パスメディア18の上に、第2の樹脂通路構造体16が載置されている。第2の樹脂通路構造体16は、樹脂拡散促進注入口群形成樋12と樋受け13とで構成されており、第1の樹脂通路構造体6とともに樹脂を繊維積層体9の表裏の両面から含浸させるものである。第2の樹脂通路構造体16は、パスメディア18が配置された繊維積層体9の最上層の層面に、案内通路12Aとなる複数の樹脂拡散促進注入口群形成樋12が配列される。複数の樹脂拡散促進注入口群形成樋12は、一定間隔で互いに平行に並び、それぞれ第1の樹脂通路構造体6の樹脂通路61と同方向に延びている。
上記樹脂拡散促進注入口群形成樋12と、パスメディア18が設けられた繊維積層体9との間に、樹脂拡散促進注入口群形成樋12とともに拡散通路12Bを形成する樋受け13が接合体13Aとして介設されて配置される。1つの樹脂拡散促進注入口群形成樋12に対して、1つの樋受け13が配置されている。樋受け13は、パスメディア18の上面あるいは繊維積層体9の上面に接着剤で軽く固定されている。拡散通路12Bは、案内通路12Aに沿って1次元的に流動する粘性抵抗が大きい流動性樹脂の流れを、その1次元方向に直交する成分をもって多数の注入口群17から2次元方向に拡散し、案内通路12Aの流れと交叉する2次元方向に拡散させるものである。
上記樋受け13は、図5に示されるように、上面側が波面14に又は凹凸面状に形成されている。半割り状の樹脂拡散促進注入口群形成樋12の両端面は、樋受け13の波面14に対して接平面15を形成している。接平面15は、繊維積層体9の面の軸方向に向く直線に対して平行ではなく、小さい角度で傾斜していることが好ましい。上記樹脂拡散促進注入口群形成樋12には、半円筒状の管を用いたが、半角筒状の管でも良く、片面に凹形状を有する樹脂通路構造体であれば、いずれの形状のものでも用いることができる。
また、樹脂拡散促進注入口群形成樋12と樋受け13との間に形成される複数の隙間の集合である注入ロ群17の1つ1つの隙間、すなわち拡散通路12Bの断面積は、互いに同じでなく、少しずつ異なっていることが好ましい。隣り合う波面14の頂点領域の間隔Djは、同じでなく少しずつ異なっていることが好ましい。断面積又は間隔のこのような相違は、樹脂拡散促進注入口群形成樋12の中に導入される流動性樹脂が隙間、すなわち拡散通路12Bから流出する量を調整して均一化する。凹凸面は、滑らかな波面14に限られず、断面上で三角形あるいは矩形等の任意の形状で形成されるジグザグ面に代替され得る。樋12と樋受け13とは一体化され得る。
上記繊維積層体9を形成する多層形成工程の次の工程は、繊維積層体9の上にパスメディア18を配置してから繊維積層体9と樹脂拡散促進注入口群形成樋12の上側に真空用シート1を被せる手作業のシート被覆工程である。不変形成形型2の両側上面にシール帯19を置いて、繊維積層体9と樹脂拡散促進注入口群形成樋12とシール帯19の上側に真空用シート1が載せられる。
そして、真空ポンプを作動して、第1の樹脂通路構造体6の上の両側に配置された真空引きパイプ20から空気を吸い込むことにより、真空用シート1と不変形成形型2との間の空気が吸引されて外部に排出され、真空用シート1と不変形成形型2の間にキヤビティー3が形成される。
そして、シート被覆工程の次の工程は、キヤビティー3に流動性樹脂を注入する注入工程である。
樹脂通路構造体6へは、注入口64から樹脂を、各樹脂通路61に供給し、貫通孔62からパスメディア8に含浸させる。そして、パスメディア8に含浸した樹脂は、繊維積層体9に含浸する。
各樹脂通路61に供給された樹脂は、複数の樹脂副通路63を介して各樹脂通路61に送られ、キャビティー3内の負圧によって注入口64からそれぞれ均等にパスメディア8側に供給される。
一方、第2の樹脂通路構造体16では、図4に示される樹脂注入口4が、図6および図7に示されるように、1本の樹脂拡散促進注入口群形成樋12に1箇所又は複数箇所に配置されて設けられている。樹脂注入口4から図6矢印のように導入される流動性樹脂は、樹脂拡散促進注入口群形成樋12の中で軸方向Aに流れる(図6参照)。流動性樹脂は、樹脂拡散促進注入口群形成樋12から強い粘性抵抗を受けて樹脂拡散促進注入口群形成樋12の中で流れながら、軸方向Aと直交する両方向B1,B2に押し出されてキャビティー3に注入される(図6および図7参照)。
上記のようにキヤビティー3は真空状態であり、流動性樹脂は真空用シート1を介して大気圧を受けて円滑にキヤビティー3に浸入する。隣り合う注入口群17から押し出される流動性樹脂の複流は、拡散し且つ混ざり合い、更に、繊維積層体9に染み込むように深層まで浸透する。樹脂拡散促進注入口群形成樋12から注入された流動性樹脂は2次元的に拡散し、次に、3次元的に拡散して、パスメディア18を通して繊維積層体9の中に均等に浸透し、真空引きパイプ20からの真空引きによって空気は抜かれ、繊維積層体9と繊維積層体9に浸透した樹脂とから構成される繊維強化樹脂は気泡を含まない。このように高拡散率で浸透する流動性樹脂の浸透速度は速く、生産サイクルが短縮される。
このように形成された繊維強化樹脂は、真空用シート1を介して大気圧に押されながら、自然に、又は、積極的加熱環境で硬化して、硬い繊維強化樹脂構造体に変容する。繊維強化樹脂構造体が製造された後、真空用シート1を外して、樹脂拡散促進注入口群形成樋12および樋受け13を取り除き、パスメディア18を外して、繊維強化樹脂構造体を不変形成形型2から取り出す。
なお、上記実施の形態では、パスメディア8、18を繊維強化樹脂構造体製造後に、取り除いたが、繊維層と同質のガラス繊維あるいはカーボン繊維マット(フエルト)で成形することにより、繊維強化樹脂構造体の製造後にパスメディア8、18を取り除く必要がなくなる。この場合、パスメディア18は繊維強化樹脂構造体と完全に一体化し、補強材の一部を構成する。
これによって、製造工数が削減され、作業能率の向上を図ることができる。
このマットは、樹脂の通路確保のためには、空隙率が大きく厚いほうが望ましいが、厚すぎると繊維強化樹脂自体の材料物性を低下させる可能性があるため、目的に応じて材質を選定する。
上記実施の形態によると、繊維強化樹脂構造体の製造時に繊維積層体9の表面および裏面にパスメディア8、18を配置したので、流動性樹脂の流動性を増幅することができ、流動性樹脂が均一に含浸した繊維強化樹脂構造体を製造することができる。
なお、図8に示すように、樋受け13の板面に多数の孔13aを開けることにより、流動性樹脂を孔13aから樋受け13の下面側に通して繊維積層体9に含浸させることができる。
また、本発明の注入工程では、1本の樹脂拡散促進注入口群形成樋12の複数の注入口4の開閉度を制御して、全体的に流れ量を均一化することができる。その制御は、作業員が透明シート1の外側から流れ状況を見ながら判断することが望ましい。
さらに、実施の既述の形態のFRP構造体は、平板として記述されているが、樹脂成形技術特にインサート射出成形技術の一般的特徴として、多様に複合化される内外曲面を持つ複雑なFRP構造体の成形が可能である。そのようなFRP成形方法は、硬さと弾性(柔軟性)が同時に要求されるボート、ヨット、船舶、車体、航空機機体、船舶回転翼、風車のような曲面形成構造体のために有益に利用され得る。
図9は、本発明の他の実施の形態を示したもので、図1と同一部分は同符号を付して同一部分の説明は省略して説明する。なお、図1の実施の形態で説明した図面および説明はこの実施の形態においても、そのまま適用されるものである。
この場合、平板状の繊維積層体9の上面には、上記パスメディア8と同様のパスメディア18が配置され、パスメディア18の上に、第2の樹脂通路構造体16が載置されている。第2の樹脂通路構造体16は、図3で示した構造を有しており、繊維積層体9の少なくとも一対の側面9aにも配置され、繊維積層体9の上下面同様パスメディア28が配置されている。
第1の樹脂通路構造体6とともに第2の樹脂通路構造体16を通して、樹脂を繊維積層体9の表裏の両面および側面から含浸させるものである。これによって、板厚が10mmを超える厚板構造体においても速やかに樹脂を含浸させることができ、製品の製造時間を大幅に短縮することができる。
図10は、図9と同様、本発明の他の実施の形態を示したもので、この実施の形態では、平板とともに補強桁を一度に成形するような場合の製造方法である。また、図9と同一部分は同符号を付して同一部分の説明は省略して説明する。
この場合、繊維積層体9の上面に、平板状の繊維積層体29を重ね、この繊維積層体29の上に補強桁を作るため平板状の繊維積層体39を立設している。そして、繊維積層体29の少なくとも一対の側面(端面)にパスメディア38を、上面にパスメディア48を配設し、繊維積層体39の両面にパスメディア58を、上端面にパスメディア68を配設している。上記繊維積層体29のパスメディア38を配設した側面には、第2の樹脂通路構造体26を配設している。また、繊維積層体39の両面には、パスメディア58の上から第2の樹脂通路構造体36が配設されている。この、繊維積層体39の上端面にはパスメディア68の上に、真空引きパイプ20が配設されている。
そして、製造に際しては、まず、第1の樹脂通路構造体6に樹脂を流し込み、繊維積層9に含浸させる。繊維積層体9にある程度樹脂が含浸したところで、次に、繊維積層体9の側面、および上面に配設された第2の樹脂通路構造体16に樹脂を流し込む。そして、繊維積層体29の第2の樹脂通路構造体26に樹脂を流し込み、繊維積層体29の上下面および側面から樹脂を含浸させる。次に、繊維積層体39の両面に配設した第2の樹脂通路構造体36に樹脂を流し込み、繊維積層体39の両面から樹脂を含浸させる。
この実施の形態においても、第1の樹脂通路構造体6および第2の樹脂通路構造体16と合わせて第2の樹脂通路構造体26および第2の樹脂通路構造体36を通して樹脂を、繊維積層9の表裏の両面および側面、繊維積層体29の側面および上面、繊維積層体39の両面から含浸させるものである。こうして、各繊維積層体9、繊維積層体29、繊維積層体39内に速やかに樹脂が含浸され、平板と補強桁からなる製品においても、製品の製造時間を短縮することができる。
本発明によれば、未含浸欠陥の発生を防止し、短時間にFRP製品を成形することができる。よって、風車ブレード、航空機部材、高速車両部材、建築部材、橋梁、船舶などの多くの製品分野で利用することができる。
これによって、板厚が10mmを超える厚板構造体においても速やかに樹脂を含浸させることができ、製品の製造時間を大幅に短縮することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、第1の樹脂通路構造体6は、図11に示すように、第1型となる不変形成形型2に一体成形することにより、第1型2に樹脂通路61および貫通孔62を成形する構造にすることができる。これによって、第1の樹脂通路構造体6を省略することができる。また、第1の樹脂通路構造体6は、平板状のものを用いたが、上面を波板に形成したものを用いても良い。さらに、樹脂通路構造体6に形成する樹脂通路61、貫通孔62、樹脂副通路63は、必要に応じてその数、径、を設定すれば良い。
またさらに、樹脂拡散促進注入口群形成樋12および樋受け13の数、および材質は、必要に応じて選定すれば良く、樋受け13は、繊維積層体9全体を覆うような構造のものでも良い。さらに、パスメディア8、18は、繊維積層体9の全体あるいは一部を覆うようなものでも良く、その厚さも材質によって任意に設定することができる。その他、本発明の要旨を変更しない範囲内で、適宜、変更して実施し得ることは言うまでもない。
本発明の実施の形態による繊維強化樹脂構造体の製造装置を示す図2のX−X線断面図である。 本発明の実施の形態による繊維強化樹脂構造体の製造装置を示す平面図である。 図1の部分拡大断面図である。 図1の樹脂注入口を示す断面図である。 図3のY−Y線断面図である。 図1の拡大平面図である。 図6の全体を示す概念図である。 未含浸部の除去方法を示す概念図である。 本発明の他の実施の形態による繊維強化樹脂構造体の製造装置を示す図1と同一部分の断面図である。 本発明の他の実施の形態による繊維強化樹脂構造体の製造装置を示す断面図である。 本発明の変形例による繊維強化樹脂構造体の製造装置を示す断面図である。 従来の成形装置を示す断面図である。 図12の平面図である。
符号の説明
1 真空用シート(変形成形型、第2型)
2 不変形成形型(第1型)
3 キャビティー
6 第1の樹脂通路構造体
8、18、28、38、48、58、68 パスメディア
9 繊維積層体(繊維層)
10 繊維層
12 樹脂拡散促進注入口群形成樋
12A 案内通路
12B 拡散通路
13 樋受け(波板)
13A 接合体
14 波面
16、26、36 第2の樹脂通路構造体
17 注入口群(隙間)
19 シール
20 真空引きパイプ
29、39 繊維積層体
A1 1次元方向
B1,B2 2次元方向
61 樹脂通路
62 貫通孔
63 樹脂副通路

Claims (16)

  1. 第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造方法において、上記繊維層の両面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置するとともに、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の全域または部分的に配置し、上記繊維層の両面に加えて繊維層の少なくとも一対の側面にも、上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、上記繊維層の両面および側面の樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造することを特徴とする繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  2. 第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造方法において、上記第1型に樹脂通路を形成した第1の樹脂通路構造体を載置するとともに、この樹脂通路構造体に上記繊維層を配置し、該繊維層の上に上記流動性樹脂を1次元方向に案内する案内通路と、該案内通路の上記流動性樹脂の流れを案内通路の流れと交叉する2次元方向に拡散させる拡散通路とからなる第2の樹脂通路構造体を形成し、上記第1の樹脂通路構造体と上記繊維層との間、および第2の樹脂通路構造体と上記繊維層との間に、上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面の全域または部分的に配置し、上記繊維層の両面に加えて繊維層の少なくとも一対の側面にも、上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、上記第1および第2の樹脂通路構造体および側面の樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造することを特徴とする繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  3. 上記繊維層の上面に別の繊維層を重ねるとともに、この別の繊維層の周りに上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、樹脂通路構造体から供給される流動性樹脂を上記パスメディアを通して上記繊維層に含浸させて平板と補強桁とを一体成形した繊維強化樹脂構造体を製造することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  4. 上記パスメディアに、網を用いたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  5. 上記パスメディアに、空隙を有するシートを用いたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  6. 上記繊維層にガラス繊維あるいはカーボン繊維を用いるとともに、上記パスメディアに、繊維層と同質のガラス繊維あるいはカーボン繊維のマットを用いたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  7. 上記第2型が設けられる上記繊維層の上面に別の繊維層を重ねるとともに、この別の繊維層の周りに上記パスメディアを介して上記樹脂通路構造体を配置し、平板と補強桁とを一体成形した繊維強化樹脂構造体を製造することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  8. 第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造装置において、上記繊維層の両面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置し、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面の全域または部分的に配置し、上記繊維層の下部側の樹脂通路構造体として、樹脂案内通路を互いに等間隔で形成し、これら樹脂案内通路から上面に開口した多数の貫通孔を形成した樹脂通路型を配設したことを特徴とする繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  9. 第1型とフィルム状の第2型とでキャビティーを形成し、このキャビティー内を真空引きすることでキャビティー内に流動性樹脂を注入し、該キャビティー内に配置された繊維層に流動性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂構造体を製造する製造装置において、上記繊維層の両面および少なくとも1対の側面に、上記流動性樹脂を供給する樹脂通路を有する樹脂通路構造体を配置し、該樹脂通路構造体と上記繊維層との間に上記流動性樹脂の流動性を増幅するパスメディアを上記繊維層の両面および側面の全域または部分的に配置したことを特徴とする繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  10. 上記繊維層にガラス繊維あるいはカーボン繊維を用いるとともに、上記パスメディアに、繊維層と同質のガラス繊維あるいはカーボン繊維のマットを用いたことを特徴とする請求項8または9に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  11. 上記下部側樹脂通路構造体として、樹脂案内通路を互いに等間隔で形成し、これら樹脂案内通路から上面に開口した多数の貫通孔を形成した樹脂通路型を配設したことを特徴とする請求項9に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  12. 上記樹脂案内通路相互間を樹脂副通路で連結したことを特徴とする請求項8または11に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  13. 上記上部側樹脂通路構造体として、片面に凹形状を有する構造体を案内通路として複数用いるとともに該構造体の凹形状部を上記繊維層に向けて配置したことを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  14. 上記案内通路の下部側に拡散通路として配置される接合体を用いるとともに、該接合体の上面に上記案内通路との間に拡散通路を形成する複数の間隙を形成したことを特徴とする請求項13に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  15. 上記接合体に上面が凹凸に形成された板を用いたことを特徴とする請求項14に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
  16. 上記接合体の板面に上記流動性樹脂の通路となる多数の孔を形成したことを特徴とする請求項15に記載の繊維強化樹脂構造体の製造装置。
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