JP4365232B2 - 車両の衝撃吸収部材 - Google Patents

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本発明は、衝突荷重が入力される荷重入力部と衝突荷重が伝達される荷重伝達部との間に介在されて軸方向に圧縮変形することにより衝突時のエネルギーを吸収する車両の衝撃吸収部材に関する。
従来から、フロントサイドメンバの前端部とフロントバンパリインフォースメントとの間に衝撃吸収部材としてのクラッシュボックスを設定することが行われている。
この種のクラッシュボックスは、筒状のクラッシュボックス本体部と、クラッシュボックス本体部の後端部に固定されてボディーへの取付部とされるボディー側取付ブラケットと、クラッシュボックス本体部の前端部に固定されてフロントバンパリインフォースメントへの取付部とされるバンパリインフォースメント側取付ブラケットの三部品によって構成されていることが多い。
しかし、クラッシュボックスを三部品で構成すると、部品点数が多くなり、組付工数も増えることから、前後どちらかの取付ブラケットをクラッシュボックス本体部に一体形成することも行われている。更に部品点数を削減するべく、鋼板を深絞り成形することによりクラッシュボックスを一部品で構成したものもある(下記特許文献1、2参照)。
これらの特許文献に開示された構造について簡単に説明すると、このクラッシュボックスでは、鋼板の深絞り成形によって全体が断面ハット形状に形成されている。閉止端となるクラッシュボックスの底部(前端部)にはウエルドナットが予め固着されており、ボルト締結によりフロントバンパリインフォースメントに固定されるようになっている。また、開放端となるクラッシュボックスの後端部にはフランジ部が一体に形成されており、かかるフランジ部がフロントサイドメンバの前端部にボルト締結により固定されるようになっている。
さらに、上記クラッシュボックスでは、クラッシュボックス本体部とフランジ部との間に折り返し部が設定されており、かかる折り返し部をクラッシュボックスの前端部内へ嵌合させて取付状態とし、前面衝突時にはクラッシュボックス本体部の後端部が順次折り返し部の一部とされながら、フロントサイドメンバの前端部の内方へ押し込まれるようになっている。
特開2003−312400号公報 特開2003−312401号公報
ところで、この種のクラッシュボックスでは、前面衝突時にどのようなエネルギー吸収を行わせるのか、というエネルギー吸収特性が非常に重要な要素となる。かかる観点から、クラッシュボックスの断面形状を単体の筒状に形成するのではなく、複数の筒状部の複合体として構成することも検討されている。この場合、単体の筒状に形成されたものよりエネルギー吸収性能が上がるが、複数の筒状部が接する部位に壁が密に配置されるため、この部分の強度が高くなり、前面衝突時のエネルギー吸収を妨げ、狙い通りのエネルギー吸収性能が十分に発揮されない可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、少ない部品点数で衝突時に狙い通りのエネルギー吸収特性(即ち、衝突初期のピーク荷重を抑制すること)が得られる車両の衝撃吸収部材を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両の衝撃吸収部材は、衝突荷重が入力される荷重入力部と衝突荷重が伝達される荷重伝達部との間に介在されて軸方向に圧縮変形することにより衝突時のエネルギーを吸収する車両の衝撃吸収部材であって、前記衝撃吸収部材は、全体として複数の筒状部が軸直角方向に並列的に配置された筒状部の複合体として構成されており、更に軸方向の一端部は閉止されて荷重入力部へ結合される底部とされかつ軸方向の他端部は開放されて荷重伝達部へ結合されるフランジ部が周囲に形成されており、さらに、前記衝撃吸収部材の底部における筒状部を構成する壁が集まる部位の厚さを、当該底部の他の部位の厚さよりも薄く設定した、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車両の衝撃吸収部材は、請求項1記載の発明において、前記底部の他の部位と前記底部における筒状部を構成する壁が集まる部位との段差は、衝突初期のピーク荷重が発生するストロークに対応する高さに設定されている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車両の衝撃吸収部材は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記底部の他の部位に、荷重入力部への取付部が設定されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、衝突時になると、衝突荷重は荷重入力部に入力される。入力された衝突荷重は、衝撃吸収部材を介して荷重伝達部へ伝達される。この際に、衝撃吸収部材が備える複数の筒状部が軸方向に圧縮されて変形することにより、衝突時のエネルギーが吸収される。
ここで、本発明では、衝撃吸収部材の軸方向の一端部は閉止されて荷重入力部へ結合される底部とされており、かかる底部における筒状部を構成する壁が集まる部位の厚さを、当該底部の他の部位の厚さよりも薄く設定したので、衝突時には荷重入力部は最初に(厚さが厚い)底部の他の部位に当接し、当該底部の他の部位を軸圧縮変形させた後に、(厚さが薄い)底部における筒状部の壁が集まる部位に当接する。
今仮に、衝撃吸収部材の底部の厚さが一様であったとすると、筒状部を構成する壁が集まる部位にも最初から荷重入力部が当接することになる。壁が集まるということはその部分の剛性が高くなることを意味するから、荷重伝達能力も高くなり、その結果、衝突時の初期荷重が急峻に立ち上がるエネルギー吸収特性となる。
これに対し、本発明では、底部における筒状部の壁が集まる部位の厚さを他の部位の厚さよりも薄くしたので、薄くなった分だけ衝突時の初期荷重の入力量が低減される。従って、衝突初期のピーク荷重が低減される。
さらに、本発明によれば、衝撃吸収部材が複数の筒状部の複合体として構成されており、軸方向の一端部側に形成された底部が荷重入力部に結合され、軸方向の他端部側に形成されたフランジ部が荷重伝達部に結合されるため、一部品で衝撃吸収部材を構成することができる。従って、従来の三部品で構成された衝撃吸収部材よりも部品点数が少なくなり、その分コストダウンを図ることができる。
請求項2記載の本発明によれば、衝撃吸収部材の底部の他の部位と底部における筒状部を構成する壁が集まる部位との段差を、衝突初期のピーク荷重が発生するストロークに対応する高さに設定したので、衝突初期のピーク荷重が発生する前に、底部における筒状部を構成する壁が集まる部位に荷重入力部が当接して衝突荷重が直接入力されるのを避けることができる。
請求項3記載の本発明によれば、衝撃吸収部材の底部の他の部位に荷重入力部への取付部を設定したので、衝突時には確実に荷重入力部から当該底部の他の部位に衝突荷重が入力される。
以上説明したように請求項1記載の本発明に係る車両の衝撃吸収部材は、衝突荷重が入力される荷重入力部と衝突荷重が伝達される荷重伝達部との間に介在されて軸方向に圧縮変形することにより衝突時のエネルギーを吸収する車両の衝撃吸収部材であって、衝撃吸収部材は、全体として複数の筒状部が軸直角方向に並列的に配置された筒状部の複合体として構成されており、更に軸方向の一端部は閉止されて荷重入力部へ結合される底部とされかつ軸方向の他端部は開放されて荷重伝達部へ結合されるフランジ部が周囲に形成されており、さらに、衝撃吸収部材の底部における筒状部を構成する壁が集まる部位の厚さを、当該底部の他の部位の厚さよりも薄く設定したので、少ない部品点数で衝突時に狙い通りのエネルギー吸収特性(即ち、衝突初期のピーク荷重を抑制すること)が得られるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両の衝撃吸収部材は、請求項1記載の発明において、衝撃吸収部材の底部の他の部位と底部における筒状部を構成する壁が集まる部位との段差を、衝突初期のピーク荷重が発生するストロークに対応する高さに設定したので、衝突初期のピーク荷重が発生する前に、底部における筒状部を構成する壁が集まる部位に荷重入力部が当接して衝突荷重が直接入力されるのを避けることができ、その結果、より高い精度で狙い通りのエネルギー吸収特性を得ることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両の衝撃吸収部材は、請求項1又は請求項2記載の発明において、衝撃吸収部材の底部の他の部位に荷重入力部への取付部を設定したので、衝突時には確実に荷重入力部から当該底部の他の部位に衝突荷重を入力させることができ、その結果、衝突時の入力荷重にバラツキが生じないという意味で、より高い精度で狙い通りのエネルギー吸収特性を得ることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図10を用いて、本発明に係る車両の衝撃吸収部材の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図7には、本実施形態に係る衝撃吸収部材としてのクラッシュボックス10が採用された車体前部の平面図が示されている。この図に示されるように、車体の前端部には、平面視で略コ字状に形成された荷重入力部としての長尺状のフロントバンパリインフォースメント12が車両幅方向を長手方向して配置されている。このフロントバンパリインフォースメント12は高強度部材であり、その前面側に図示しないフロントバンパカバーが取り付けられている。
一方、前輪14が配置されるフロントホイールハウス16の内側には、長尺状に形成された荷重伝達部としての高強度のフロントサイドメンバ18が車両前後方向を長手方向として配置されている。フロントサイドメンバ18の後端部は、フロントクロスメンバ20の前面に結合されている。また、フロントサイドメンバ18の前端部は、フロントバンパリインフォースメント12に対して所定距離だけ車両後方側へ離間した位置(オフセットした位置)に配置されている。そして、フロントサイドメンバ18の前端部とフロントバンパリインフォースメント12の後端面との間に、長尺状のクラッシュボックス10が介在されている。なお、クラッシュボックス10は、フロントサイドメンバ18に対して連続的に配置されている。
図1には上記クラッシュボックス10の全体斜視図が示されており、又図2〜図4には当該クラッシュボックス10の適宜断面図が示されている。さらに、図5にはクラッシュボックス10の正面図が示されており、又図6には、クラッシュボックス10の横断面図が示されている。
これらの図に示されるように、本実施形態のクラッシュボックス10は、上下二個の上側筒状部22及び下側筒状部24が軸直角方向(車両上下方向)に並列的に配置された筒状部の複合体として構成されている。図2及び図3に示されるように、上側筒状部22及び下側筒状部24は各々正八角形に形成されており、底壁と頂壁を共有することで全体としては高いエネルギー吸収性能を発揮する略8の字形状に形成されている。また、上側筒状部22の左右の上部壁22A及び下側筒状部24の左右の下部壁24Aには、座屈起点を特定するためのビード(脆弱部)26が形成されている。
上記クラッシュボックス10の軸方向の一端部(前端部)は閉止されており、フロントバンパリインフォースメント12へ結合される底部28とされている。なお、底部28の先端面(前端面)は、フロントバンパリインフォースメント12の湾曲形状に合わせて所定角度の傾斜面とされている(図4参照)。一方、クラッシュボックス10の軸方向の他端部(後端部)は開放されており、フロントサイドメンバ18の前端部へ結合される矩形平板状のフランジ部30が周囲に一体に形成されている。フランジ部30の四隅には、ボルト挿通孔32が形成されている。なお、フランジ部30の板厚は、フロントサイドメンバ18の前端部への結合剛性を確保するべく、上側筒状部22及び下側筒状部24の板厚よりも厚く設定されている。
このように本実施形態に係るクラッシュボックス10は一部品によって構成されており、後述するようにアルミニウム合金を鍛造することにより製作されている。
ここで、図1及び図5等に示されるように、上述したクラッシュボックス10の底部28は、略8の字形状に形成された縦長の厚肉部28Aと、この厚肉部28Aの高さ方向中間部の左右両側を抉るように形成された一対の薄肉部28Bと、によって構成されている。
薄肉部28Bは、上側筒状部22の下部壁22Bと、下側筒状部24の上部壁24Bと、上側筒状部22及び下側筒状部24の共有壁23の三枚の壁が交差する部分(なお、この部分が請求項1記載の「衝撃吸収部材の底部における筒状部を構成する壁が集まる部位」に相当する。)を包囲した範囲に設定されている。一方、厚肉部28Aは、クラッシュボックス10の8の字状の外形形状から左右一対の薄肉部28Bを除いた範囲(なお、この部分が請求項1記載の「当該底部のその他の部位」に相当する。)に設定されている。
また、図6に示されるように、薄肉部28Bの厚さtは一定であるが、厚肉部28Aの厚さは、前述したように底部28の先端面をフロントバンパリインフォースメント12の湾曲形状に合わせて傾斜させている関係で一定ではない。最も厚いところで厚さT1であり、最も薄いところで厚さT2である。但し、最も薄いところの厚さT2は薄肉部28Bの厚さtよりも厚く設定されているため、厚肉部28Aと薄肉部28Bとの間には最低でも高さh分の段差34が形成されている。この段差34の高さhは、衝突初期のピーク荷重が発生するストロークL(図8参照)に対応する所定高さ(数ミリ程度)に設定されている。
さらに、厚肉部28Aの上下四箇所(上側筒状部22の中間両サイド二箇所と下側筒状部24の中間両サイド二箇所)には、フロントバンパリインフォースメント12への取付部としての取付孔36が形成されている。取付孔36の内周面には雌ねじが形成されており(図1参照)、フロントバンパリインフォースメント12側から図示しないボルトが螺合されるようになっている。なお、クラッシュボックス10のフロントバンパリインフォースメント12側への締結方向及びフロントサイドメンバ18の前端部側への締結方向は、いずれも車両前後方向とされている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
まず、本実施形態に係るクラッシュボックス10の製造方法について説明する。
本実施形態に係るクラッシュボックス10は、前方押出し工法と後方押出し工法の二工程を活用した(組み合わせた)アルミニウム合金の鍛造によって製造されている。
すなわち、図9に示されるように、最初に前方押出し工法(アルミ鍛造1工程目)によって、クラッシュボックス10の全体形状が成形される。このとき使用される下型38は、フランジ部30の外形形状に合致する中空の本体部38Aを備えており、本体部38Aの底部38Bには上側筒状部22及び下側筒状部24の外形形状に合致する所定深さの凹部40が形成されている。そして、この下型38とその本体部38A内に配置された上型42とで鍛造成形することにより、材料を図上において下側へ押し出すことにより、第一段階の成形品44が作られる。
続いて、図10に示されるように、後方押出し工法(アルミ鍛造2工程目)によって、上記成形品44をクラッシュボックス10に成形していく。具体的には、図10(A)に示されるように、断面ハット形状に形成された下型46と、上側筒状部22及び下側筒状部24に相当する一対の筒体48が形成された上型50とを使って鍛造成形することにより、図10(B)に示されるように、材料が図上において上側へ押し出されていく。
このように二段階の鍛造成形によってクラッシュボックス10は製造される。補足すると、仮に前方押出し工法だけでクラッシュボックス10を成形しようとすると、アルミの変形抵抗が大き過ぎるため、クラッシュボックス10の高さが得られない。そして、通常の押出し工法を採用すると、フロントバンパリインフォースメント12への取付用のブラケットを別途接合する必要があり、一部品から成る本実施形態のクラッシュボックス10は製造できない。一方、仮に後方押出し工法だけでクラッシュボックス10を成形しようとすると、今度はフランジ部30を成形することができなくなり、フロントサイドメンバ18への取付用のブラケットを別途接合する必要があり、やはり一部品から成る本実施形態のクラッシュボックス10は製造できない。
上記の製造方法によって製造されたクラッシュボックス10が、フロントバンパリインフォースメント12とフロントサイドメンバ18の前端部との間に組付けられる。そして、この車両が正面衝突すると、その際の衝突荷重はフロントバンパリインフォースメント12に入力される。入力された衝突荷重は、クラッシュボックス10を介してフロントサイドメンバ18へ伝達される。この際、クラッシュボックス10の上側筒状部22及び下側筒状部24が軸方向に圧縮されて変形(圧壊)することにより、所定のエネルギー吸収がなされる。
ここで、本実施形態では、クラッシュボックス10の軸方向の一端部は閉止されてフロントバンパリインフォースメント12へ結合される底部28とされており、かかる底部28を厚肉部28Aと薄肉部28Bで構成し、更に上側筒状部22及び下側筒状部24を構成する壁が集まる部位に薄肉部28Bを設定したので、前面衝突時にはフロントバンパリインフォースメント12は最初に厚肉部28Aに当接し、当該厚肉部28Aを軸圧縮変形させた後に、薄肉部28Bに当接する。
今仮に、クラッシュボックスの底部の厚さが一様であったとすると、筒状部を構成する壁が集まる部位にも最初からフロントバンパリインフォースメント12が当接することになる。壁が集まるということはその部分の剛性が高くなることを意味するから、荷重伝達能力も高くなり、その結果、前面衝突時の初期荷重が急峻に立ち上がるエネルギー吸収特性(図8のグラフP参照)となる。
これに対し、本実施形態では、底部28における上側筒状部22及び下側筒状部24の壁が集まる部位に薄肉部28Bを設定したので、薄くなった分だけ前面衝突時の初期荷重の入力量が低減される。従って、衝突初期のピーク荷重が低減される(図8のグラフQ参照)。
さらに、本実施形態では、クラッシュボックス10のエネルギー吸収部がエネルギー吸収効率が高い略8の字形状の上側筒状部22及び下側筒状部24によって構成されており、更に前述した製造方法を採用することにより、フロントバンパリインフォースメント12への結合部となる底部28を軸方向の一端部側に一体形成すると共に、フロントサイドメンバ18の前端部への結合部となるフランジ部30を軸方向の他端部側に一体形成したので、一部品でクラッシュボックス10を構成することができる。従って、従来の三部品で構成されたクラッシュボックスよりも部品点数が少なくなり、その分コストダウンを図ることができる。
総じて言えば、本実施形態に係るクラッシュボックス10によれば、少ない部品点数で衝突時に狙い通りのエネルギー吸収特性(即ち、衝突初期のピーク荷重を抑制すること)が得られる。補足すると、エネルギー吸収量をどの程度にするかは、薄肉部28Bと厚肉部28Aとの配置バランス(機能的には強度バランス)で任意に調節することができるというメリットもある。
加えて、本実施形態に係るクラッシュボックス10では、底部28の厚肉部28Aと薄肉部28Bとの(最小の)段差34を、前面衝突初期のピーク荷重が発生するストロークL(mm)(図8参照)に対応する高さh(図6参照)に設定したので、前面衝突初期のピーク荷重が発生する前に、底部28における上側筒状部22及び下側筒状部24を構成する壁が集まる部位にフロントバンパリインフォースメント12が当接して衝突荷重が直接入力されるのを避けることができる。その結果、本実施形態によれば、より高い精度で狙い通りのエネルギー吸収特性を得ることができる。
さらに、本実施形態によれば、クラッシュボックス10の底部28の厚肉部28Aにフロントバンパリインフォースメント12への結合用のボルト挿通孔32を設定したので、換言すれば、フロントバンパリインフォースメント12への取付部となる厚肉部28Aを、底部28の一部としてクラッシュボックス10の断面内に設定したので、前面衝突時には確実にフロントバンパリインフォースメント12から当該底部28の厚肉部28Aへ衝突荷重が入力される。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時の入力荷重にバラツキが生じないという意味で、より高い精度で狙い通りのエネルギー吸収特性を得ることができる。
なお、上述した本実施形態では、クラッシュボックス10のエネルギー吸収部を軸圧壊性能が優れる上側筒状部22及び下側筒状部24から成る略8の字状に形成したが、これに限らず、「日」の字状等に形成してもよい。また、筒状部も二本に限らず、三本以上でもよい。
また、上述した本実施形態では、底部28を厚肉部28Aと薄肉部28Bの二種類で構成したが、例えば、厚肉部28Aを更に二段階の厚さに分けて厚肉部、中肉部、薄肉部の三種類で構成するようにしてもよい。
本実施形態に係るクラッシュボックスを単体で示す斜視図である。 図1に示されるクラッシュボックスの縦断面構造(車両前後方向に切断した状態)を示す図1のA−A線断面図である。 図1に示されるクラッシュボックスの縦断面構造(車両幅方向に切断した状態)を示す図1のB−B線断面図である。 図1に示されるクラッシュボックスの横断面構造を示す図1のC−C線断面図である。 本実施形態に係るクラッシュボックスの正面図である。 図5に示されるクラッシュボックスの底部の横断面構造を示す図5のD−D線断面図である。 本実施形態に係るクラッシュボックスが採用された車体前部の構造を示す平面図である。 本実施形態に係るクラッシュボックスのエネルギー吸収特性を従来例との対比において示すF−S線図である。 本実施形態に係るクラッシュボックスの製造方法の鍛造第1工程を示す説明図である。 本実施形態に係るクラッシュボックスの製造方法の鍛造第2工程を示す説明図である。
符号の説明
10 クラッシュボックス(衝撃吸収部材)
12 フロントバンパリインフォースメント(荷重入力部)
18 フロントサイドメンバ(荷重伝達部)
22 上側筒状部
22B 下部壁
23 中間壁
24 下側筒状部
24B 上部壁
28 底部
28A 厚肉部
28B 薄肉部
30 フランジ部
34 段差
36 取付孔(取付部)

Claims (3)

  1. 衝突荷重が入力される荷重入力部と衝突荷重が伝達される荷重伝達部との間に介在されて軸方向に圧縮変形することにより衝突時のエネルギーを吸収する車両の衝撃吸収部材であって、
    前記衝撃吸収部材は、全体として複数の筒状部が軸直角方向に並列的に配置された筒状部の複合体として構成されており、更に軸方向の一端部は閉止されて荷重入力部へ結合される底部とされかつ軸方向の他端部は開放されて荷重伝達部へ結合されるフランジ部が周囲に形成されており、
    さらに、前記衝撃吸収部材の底部における筒状部を構成する壁が集まる部位の厚さを、当該底部の他の部位の厚さよりも薄く設定した、
    ことを特徴とする車両の衝撃吸収部材。
  2. 前記底部の他の部位と前記底部における筒状部を構成する壁が集まる部位との段差は、衝突初期のピーク荷重が発生するストロークに対応する高さに設定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両の衝撃吸収部材。
  3. 前記底部の他の部位に、荷重入力部への取付部が設定されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の衝撃吸収部材。
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