JP4365152B2 - 高輝度放電ランプのための始動補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動補助装置、特に高輝度放電ランプのための始動補助装置に関する。本発明は、セラミック発光管を利用する高輝度放電ランプへの特定の用途を有する。
【0002】
【従来の技術】
アーク放電ランプは動作のために安定器を必要とする。安定器は、放電管内にアークを発生させかつ支持するための所要の開回路電圧を供給し、放電管を通る電流を制限する。1つのタイプ安定器は、放電管内に絶縁破壊を開始するために高電圧パルスを使用する。発光管の絶縁破壊はランプ始動の第1段階であり、したがってランプ動作のために重要である。このタイプの安定器のための典型的な高電圧パルスは、3〜4キロボルト(KV)の振幅を有しており、2.7KVにおいて1.0μsのパルス幅を有する。ランプに典型的な電圧を提供するための2つの商業的な安定器方法が存在する。第1の方法は、ランプ口金の中央接点にパルス電圧を加える。第2の方法は、中央接点と口金のシェルとの間でパルスを分割する。スプリットリード式と呼ばれる第2の方法は、普通ではない特徴を有しており、両ランプワイヤが地面に関してパルス電圧を支持するようにランプ導入線を浮かせる。パルス電圧がランプに加えられると、ランプの中央接点に1.7KVが加えられ、ほぼ等しい大きさの逆極性が、ランプ口金のシェルに加えられる。
【0003】
実質的に3つの別個の区分を含む設計を利用するセラミック発光管の比較的新しいタイプが今や利用可能である。例えば、米国特許第4795943号明細書、第5424609号明細書、第6004503号明細書及び第5993725号明細書を参照されたい。3つの区分とは、放電が行われる主中央ボディ若しくは発光管と、このボディの両側に1つずつ配置された2つの脚であり、これらの脚は、電極構造物と、この電極構造物のための導入線とを有している。電極構造物は、外部リード線と、内部リード線と、電極とを有している。内部リード線は、外部リード線を、発光管内に配置された電極に接続している。もちろん発光管は、アーク発生及び維持媒体も収容している。発光管、ひいては媒体は、電極構造物を含む向かい合った脚のそれぞれの途中まで続いている。
【0004】
石英の前例と比較した、予め形成されかつ予めサイズ決めされたセラミック発光管の特徴的利点の1つは、ランプごとの一定の幾何学的配列である。この幾何学的均一性は、一貫した熱伝導機構と、発光管からの一貫した放射とを提供する。この一貫性は、ランプ性能を著しく向上させる。このようなランプは、色温度、ルーメン出力及び演色評価数のランプごとのばらつきを最小限にすることが認められている。
【0005】
しばしば、放電ランプを始動するために、高電圧を供給する安定器に加えてグローボトルを使用する必要がある。これらのグローボトルは、通常は石英から形成された、密閉シールされたカプセルから成り、このカプセルは、アルゴン、窒素又はその他のガス混合物の部分圧力(すなわち<1気圧)を有している。グローボトルは、さらに水銀の部分圧力を含んでいてよい。これらのグローボトルは、付加的な導入部を有しており、この付加的な導入部は、グローボトル導入部に十分なポテンシャルが加えられた場合に、含有されたガスの“グロー”若しくはイオン化を促進する。グローボトルのガラス容器は、収容されたガスのイオン化を生ぜしめるために、逆ポテンシャルの導入部に近接していなければならばい。グローボトルに通電するとUVが生じ、このUVはランプ内のアーク放電を開始させる。このようなグローボトルは米国特許第4818915号明細書に記載されている。
【0006】
グローボトルの使用は、有効ではあるが、ランプのコストを増大し、さらに、概してセラミック発光管と共に使用することが不可能である。このようなセラミック発光管は通常、発光管を近傍で取り囲んだアルミノケイ酸塩シュラウド内に収容されており、グローボトルを適切に配置するための空間が不十分となる。また、アルミノケイ酸塩シュラウドはUV放射の有効な吸収体であるので、グローボトルをシュラウドの外側に配置することは効果的ではない。
【0007】
さらに、セラミック発光管が用いられている場合には外部ジャケットの内側と発光管との間の環境は真空であるので、この環境を、始動を高めるためのUV放射源として使用することは不可能である。
【0008】
ランプの始動を促進するために用いられるその他の方法は、放射性クリプトン85等の危険な材料を使用し、このような材料の使用を回避することはこの分野における明瞭な進歩である。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第4795943号明細書
【特許文献2】
米国特許第5424609号明細書
【特許文献3】
米国特許第6004503号明細書
【特許文献4】
米国特許第5993725号明細書
【特許文献5】
米国特許第4818915号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は従来技術の欠点を排除することである。
【0011】
本発明の別の課題は、始動補助装置を向上させることである。
【0012】
本発明のさらに別の課題は、始動補助装置のコスト及び始動補助装置を用いるランプのコストを低減することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
これらの課題は、本発明の1つの態様によれば、中空のアーク放電光源を有しており、このアーク放電光源が、アーク発生及び維持媒体を含有する中央アークチャンバと、電極収容毛管を備えた第1及び第2の端部とを有しており、電極収容毛管が、それぞれの端部から延びておりかつ長手方向軸線に沿って配列されているランプアセンブリによって解決された。端部は断面が円筒形である。電極構造物はそれぞれの毛管に位置決めされており、これらの電極構造物のそれぞれは、中央アークチャンバの内部に突入した近位電極端部と、毛管の外側に突出した遠位端部と、近位電極端部と遠位端部との間の中間区分とを有している。中間区分の第1の領域と毛管との間は密閉されており、中間区分の第2の領域は媒体に曝されている。
【0014】
管状のシュラウドは、光源を取り囲んでおり、長手方向軸線と同軸的である。シュラウドは2つの端部を有している。前記シュラウドの各端部に1つずつ設けられた1対のばねクリップは、光源をシュラウド内に取り付けている。ばねクリップはそれぞれ、第1の平面における基部を有しており、基部の中央に配置された開口を有しており、各ばねクリップの開口は、中間区分の第2の領域に隣接した位置において、光源の円筒状端部のうちの一方に係合している。
【0015】
【発明の実施の形態】
その他の課題、利点及び能力と共に本発明をさらに深く理解するために、後述の図面に関連して以下の開示及び添付の請求項を参照されたい。
【0016】
ここで図面を特に詳しく参照すると、図1には、第1の平面において延びた基部12を有しておりかつ基部の中央に配置された開口14を有するばねクリップ10が示されている。開口14は実質的に円形であり、柔軟性を提供するために切り込み14aが設けられている。基部12のそれぞれの端部に1つずつ、直立した壁部16,18が設けられている。
【0017】
第1のリップ20は、第2の平面において壁部16から離れる方向に直交方向で延びており、第2のリップ22は、やはり第2の平面において壁部18から離れる方向に直交方向で延びている。第2の平面は第1の平面に対して実質的に平行であるが、第1の平面から所定の距離24だけ間隔を置いており、このことの重要性を以下で説明する。リップ22にはフラッグ26が形成されており、このフラッグは、第1及び第2の平面に対して垂直な平面において、リップから離れる方向に延びている。
【0018】
ここで図2を参照すると、光源32を有するランプのためのアセンブリ30が示されており、光源32は、中央区分34と、突出した、向かい合った、長手方向軸線40に沿って配置された電極収容毛管端部36,38とを有している。端部は断面が円筒形である。本発明の有利な実施形態において、光源32は、サファイア又は多結晶アルミナ(Al)等の金属酸化物から形成された発光管である。付加的に、窒化アルミニウム等の窒化金属又は酸窒化アルミニウム(AION)等の酸窒化金属を使用することができる。
【0019】
管状のシュラウド42は、光源32を包囲しており、長手方向軸線40に対して同軸的である。シュラウドは2つの端部44,46を有している。
【0020】
光源32をシュラウド42内に支持するために、1対のばねクリップ10が、シュラウド42の各端部44,46に1つずつ設けられている。
【0021】
光源32は円筒形として示されている。しかしながら、米国特許同時係属出願第10/128866号明細書に示されているような樽形を含むその他の形状が可能である。
【0022】
電極構造物48は毛管のうちの一方に位置決めされており、電極構造物48′は毛管のうちの他方に位置決めされている。各電極構造物は、中央のアークチャンバの内部に突入した近位電極端部50,50′と、毛管の外部に突出した遠位端部52,52′と、近位電極端部と遠位端部との間の中間区分54,54′とを有している。中間区分の第1の領域56,56′と毛管との間は密閉されており、中間区分54,54′の第2の領域58,58′は媒体に曝されている。
【0023】
光源をシュラウドを組み付けるためには、端部36,38を開口14に差込み、リップが第2の領域58,58′において端部に接触するか又は近付くようにクリップを端部の長さに沿った適切な距離に位置決めすることによって、クリップ10は光源の円筒状の端部36,38に位置決めされる。クリップ10が第2の領域に接触するか又は近接するので、長さ若しくは距離24が重要である。クリップが始動補助装置として機能するために、この長さは、クリップが第2の領域の近傍に到達するか、有利には第2の領域と接触するような長さでなければならない。
【0024】
次いで、クリップ10のうちの一方が、リップ20と22との間の距離が使用されているシュラウドの内径よりも小さくなるまでこれらのリップを互いに向かって内方へ曲げることにより、相互に圧縮される。次いで、クリップと、このクリップに関連した光源とが、シュラウド内に押し込まれ、クリップは、所要の挿入距離に到達した時、すなわちリップ20及び22が開放端部、例えばシュラウドの端部44から出た時に弾性的に拡開する。これと同時に、第2のクリップ若しくは下部のクリップも、シュラウドの端部46における最終位置に位置する。
【0025】
択一的に、クリップは、所要の距離において毛管の一端に位置決めされることができ、シュラウドが光源上に位置決めされることができる。次いで、第2のクリップは、光源の他方の端部に位置決めされることができる。有利には、適切な整合及び位置決めを維持するために、取付け補助装置若しくはジグが使用される。
【0026】
この動作はアセンブリ30を完成させ、このアセンブリ30は、図2に示されているように今や適切なフレーム60に取り付けられることができる。フレーム60は、第1の電気的な導入線を有することができ、この導入線は、電極構造物48の遠位端部52への電気的接続を提供する。第2の電気的な導入線62は、電極構造物48′の別の遠位端部52′への電気的接続を提供する。
【0027】
クリップの一方24が電極構造物48′の第2の領域58′に位置決めされておりかつ、クリップが、電極構造物48に接続したフレーム60に取り付けられているので、ランプアセンブリに電気が供給されると、アークの脚において、静電結合されたイオン化機構が行われる。
【0028】
始動補助装置として発光管取付け部材を使用することにより、ランプの組立てが著しく単純化され、コストが大幅に削減される。取付けを完成させるために必要な溶接部の数も著しく削減され、このことはコストのさらなる削減に寄与する。
【0029】
現時点で本発明の有利な実施形態であると考えられるものが図示及び説明されているが、添付の請求項によって定義されているような本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を加えることができることが当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と共に使用されるばねクリップの斜視図である。
【図2】ランプアセンブリの縦断面図である。
【符号の説明】
10 ばねクリップ、 12 基部、 14 開口、 14a 切り込み、 16,18 壁部、 20,22 リップ、 24 距離、 26 フラッグ、30 アセンブリ、 32 光源、 36,38 電極収容毛管端部、 40長手方向軸線、 42 シュラウド、 44,46 端部、 48,48′ 電極構造物、 50,50′ 近位電極端部、 52,52′ 遠位端部、 54,54′ 中間区分、 56,56′ 第1の領域、 58,58′ 第2の領域、 60 フレーム、 62 導入線

Claims (5)

  1. ランプにおいて、
    中空のアーク放電光源が設けられており、該アーク放電光源が、アーク発生及び維持媒体を含有した中央のアークチャンバと、第1及び第2の端部とを有しており、
    各端部から延びておりかつ長手方向軸線に沿って配置された、電極を収容する毛管が設けられており、該毛管の断面が円筒形であり、
    前記毛管のそれぞれに位置決めされた電極構造物が設けられており、該電極構造物のそれぞれが、前記中央のアークチャンバの内部に突入した近位電極端部と、前記毛管の外部に突出した遠位端部と、近位電極端部と遠位端部との間の中間区分とを有しており、該中間区分の第1の領域と前記毛管との間が密閉されており、前記中間区分の第2の領域が前記媒体に曝されており、
    前記長手方向軸線に対して同軸的な、前記光源を包囲した管状のシュラウドが設けられており、該シュラウドが2つの端部を有しており、改良が、
    前記光源を前記シュラウド内に取り付ける1対のばねクリップが設けられており、該ばねクリップが、該シュラウドのそれぞれの端部に1つずつ設けられており、少なくとも一方のばねクリップが、第1の平面における基部と、該基部の中央に配置された開口とを有しており、前記ばねクリップのうちの一方の前記開口が、前記中間区分の第2の領域に半径方向で隣接した位置において、前記光源の前記円筒状の毛管のうちの一方に係合しており、
    前記ばねクリップが、前記基部のそれぞれの端部に設けられた直立した壁部を有しており、該壁部が、前記シュラウドの内面に隣接して位置しており、前記各壁部の少なくとも一部が、前記内面に摩擦を生じながら接触しており、
    前記ばねクリップがさらに、第2の平面において、第1の壁部から離れる方向にほぼ直交方向で延びている第1のリップを有しており、
    前記ばねクリップがさらに、第2の平面において、第2の壁部から離れる方向にほぼ直交方向で延びている第2のリップを有しており、前記第2の平面が前記第1の平面に対して実質的に平行であり、前記リップが前記シュラウドの前端部に接触していることを特徴とする、ランプ。
  2. 前記リップの内の一方にフラッグが形成されており、該フラッグが、前記第2の平面に対して垂直な平面において前記リップから離れる方向に延びている、請求項1記載のランプ。
  3. 前記ランプに第1の電気的な導入線(60)及び第2の電気的な導入線(62)が設けられており、前記第1の電気的な導入線が、前記電極構造物の内の第1の電極構造物に接続されており、前記第2の電気的な導入線が、前記電極構造物の内の他方に接続されており、前記1対のばねクリップの両方が、前記第1の電気的な導入線に機械的及び電気的に接続されている、請求項2記載のランプ。
  4. 前記1対のばねクリップの両方が、フラッグによって、前記第1の電気的な導入線に機械的及び電気的に接続されている、請求項3記載のランプ。
  5. 前記内面に摩擦を生じながら接触している前記壁部の前記一部が、前記第1及び第2のリップにそれぞれ隣接した第1及び第2の端部である、請求項2記載のランプ。
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