JP4365075B2 - 軟ろう金属微粒子を含有する導電性インキ - Google Patents

軟ろう金属微粒子を含有する導電性インキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性インキおよび導電性インキが印刷され、ラミプレス工程などにより回路が溶融形成されたシート積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触IC製品のアンテナを初めとするRF−ID(Radio Frequency IDentification)用アンテナ、プリント回路基板の回路、層間接続導電層、ディスプレイ装置の電極などは、導電性インキが印刷されて作製される。また、ICチップ接続用の半田代替材などとしても、導電性インキが使用される。
【0003】
従来、導電性インキは溶剤を含有しており、また加熱により硬化されるため、溶剤の揮発による不具合が生じる場合があった。また、加熱により硬化するバインダー樹脂として、フェノール樹脂およびポリエステル樹脂などを使用している場合、硬化に長時間の加熱時間を必要とするため、生産性が不足したり、基材が劣化する場合があった。
【0004】
以上の様な不具合を回避するために、例えば、特許文献1及び2に記載されるように、無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−219829号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−319583号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの無溶剤型導電性インキ及び光硬化型導電性インキを用いたとしても、以下の様な不具合が発生する場合があった。
【0008】
第1に、従来の導電性インキは、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたものである。このため、従来の導電性インキにより作製される回路においては、バインダー樹脂が硬化して形成された樹脂製の回路マトリクス中に、導電性粒子が分散された状態で担持されているため、回路の電気抵抗率が不安定な場合があった。
【0009】
第2に、従来の導電性インキから得られる回路においては、導電性粒子が樹脂製の回路マトリクス中に分散された状態で担持されているため、導電性粒子間のコンタクトが不足し、導電性が不足する場合があった。また、導電性粒子の含有量を増加して導電性を向上しようとすると、多量の導電性粒子を添加する必要があるため、バインダー樹脂の含有量が不足して、印刷特性が低下したり、得られるプリント回路の強度が不足する場合があった。
【0010】
第3に、従来の導電性インキから得られるプリント回路においては、バインダー樹脂が硬化する際に収縮が生じるため、得られるプリント回路の樹脂製マトリクスに亀裂などが生じる場合があった。
【0011】
第4に、従来の導電性インキを用いてプリント回路積層体を作製する際には、先ず、基体上に導電性インキを印刷して回路前駆体を作製し、熱および光などでバインダー樹脂を硬化してプリント回路を完成した後に、得られた基体と必要な他の基体とを加熱および加圧しラミプレスすることで積層体を作製していたため、導電性インキの硬化工程とシートの積層工程とが独立に行われることとなり、生産性が不十分な場合があった。
【0012】
以上の様な状況に鑑み、本発明においては、次世代の導電性インキとして、印刷特性に優れ、十分で安定した導電性および強度を有するプリント回路を、亀裂などを生じることなく、シートの積層と同時に形成できる導電性インキの開発を目的とし、更に、この様な導電性インキを用いて作製されるプリント回路積層体およびその製造方法を提供することも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、軟ろう金属微粒子と、導電性金属微粒子と、フラックスと、アルコール類およびエーテル類の少なくとも何れか一方と、を含み、バインダー樹脂を含まない導電性インキが提供される。
【0015】
また、上記の様な導電性インキにより回路が形成された回路シートが提供される。
【0016】
また、回路シートの使用例として、上記の様な導電性インキにより基体上に印刷され、軟ろう金属微粒子の融点以上に加熱されて形成されたプリント回路シートを具備するプリント回路積層が提供される。
【0017】
また、上記の様な導電性インキにより第1基体上に回路前駆体を印刷する工程と、
少なくとも、該第1基体と、第2基体とを重ね合わせる工程と、
該重ね合わされたものを前記軟ろう金属微粒子の融点以上に加熱および加圧して一体の積層体とすると同時に、該回路前駆体を回路とする工程と
を具備するプリント回路積層体の製造方法が提供される。
【0018】
上記の様な導電性インキは印刷特性に優れ、上記の様な導電性インキを用いれば、十分で安定した導電性および強度を有するプリント回路を、亀裂などを生じることなく、シートの積層と同時に形成できる。
【0019】
具体的には、第1に、本発明の導電性インキは導電性金属微粒子と軟ろう金属微粒子とを含有している。この様な導電性インキにより作製される回路においては、軟ろう金属微粒子が融点以上に加熱され溶融した後、冷却により固化して形成される低融点導電性金属製の回路マトリクス中に、導電性金属微粒子が分散された状態で担持されている。このため、回路を構成する材料の界面は、実質的に全て導電性金属間で形成されているため、電気抵抗率の安定性が向上する。
【0020】
第2に、本発明の導電性インキから得られる回路においては、導電性金属微粒子が低融点導電性金属製の回路マトリクス中に分散された状態で担持されている。このため、導電性金属微粒子間のコンタクトは、導電性金属微粒子同士の接触または低融点導電性金属を介して形成されるため、実質的に全てのコンタクトが導電性金属によるものとなり十分な導電性を実現できる。
【0021】
また、導電性金属微粒子の含有量を増加した場合でも、回路マトリックスが低融点導電性金属より形成されているため、プリント回路の十分な強度を実現できる。
【0022】
第3に、本発明の導電性インキから得られるプリント回路においては、回路マトリクスは、軟ろう金属微粒子が融点以上に加熱され溶融した後、冷却により固化して形成されるため、バインダー樹脂が硬化して樹脂製の回路マトリクスが形成される場合と比較して収縮が小さいため、得られるプリント回路の低融点導電性金属製の回路マトリクスに亀裂などが生じることは少ない。
【0023】
なお、導電性金属微粒子の含有量が高い場合は、低融点導電性金属製の回路マトリクス中に導電性金属微粒子が分散された状態で担持されているが、導電性金属微粒子が低融点導電性金属製のバインダーにより接着され担持されていると考えることもできる。この様な場合は、回路中に導電性金属微粒子間で亀裂が生じる場合もあるが、本発明においては、例え亀裂が生じたとしても、低融点導電性金属が溶融し、この亀裂に流れ込むため、回路として亀裂が生じることは抑制され導電性は阻害されない。
【0024】
第4に、プリント回路積層体は、回路パターンが印刷された基体と、プリント回路積層体に必要な他の1枚以上の第2基体とを重ね合わせ、これを加熱および加圧しラミプレスすることで作製されるが、本発明においては、ラミプレス時の加熱温度を、軟ろう金属微粒子の融点以上とする。これにより、ミプレスと同時に軟ろう金属微粒子が溶融して回路が形成されるため、回路の形成工程とシートの積層工程とを同時に行うことができ、良好な生産性を実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0026】
(軟ろう金属微粒子)
軟ろう金属微粒子としては、例えば、はんだ合金を使用する。また、軟ろう金属微粒子の融点は、ラミプレス時に十分溶融し、良好な導電性を実現する観点から、250℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましく、200℃以下が更に好ましい。なお、融点の下限は一般に180℃であるが、必要に応じて融点が90℃や70℃の軟ろう金属微粒子を使用する場合もある。
【0027】
軟ろう金属微粒子の成分は、ラミプレス時に十分溶融し、良好な導電性を実現できれば特に制限されないが、特に導電性が良好であり、融点が低く、信頼性が高い等の理由から、Sn、Pb、Bi、Sb、Ag、Cd、Zn及びIn等が好ましく、これらの金属を1種以上含む合金などを使用する。
【0028】
軟ろう金属微粒子の平均粒子径としては、十分な導電性を確保する等の理由から、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましく、一方、安定したペーストを作製できる等の理由から、60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。
【0029】
なお、平均粒子径は、光散乱法などにより体積を基準として測定できる。
【0030】
また、スクリーン印刷法などを採用する際には、普通、平均粒子径が25μm以下のものを使用する。また、良好な印刷特性を実現するには、軟ろう金属微粒子の平均粒子径と、導電性金属微粒子の平均粒子径とは同程度であることが好ましい。
【0031】
軟ろう金属微粒子の導電性インキに占める割合としては、最終的に得られる回路に亀裂などが発生することを抑制するために、1質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、8質量%以上が更に好ましく、一方、十分な導電性を実現し、十分な印刷特性を確保するために、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。
【0032】
(導電性金属微粒子)
導電性金属微粒子はプリント回路において電気を主に通電させる構成材料であり、十分な導電性を有していれば限定されないが、特に導電性が良好であり、信頼性が高い等の理由から、Cu、Ag、Al及びこれらの金属を1種以上含む合金などを使用する。
【0033】
また、導電性金属微粒子の形態としては、略球形微粒子、鱗片状微粒子、複数の放射状突起部を有する微粒子などを使用できるが、接触面積が増加するため導電性が向上し、軟ろう金属微粒子の使用量を低減できるなどの理由から、鱗片状微粒子および複数の放射状突起部を有する微粒子が好ましい。また、導電性金属微粒子がCu微粒子の場合には、複数の放射状突起部を有するCu微粒子として、例えば、電解銅粉を使用する。なお、必要に応じて、2種以上の形状の微粒子を併用することもできる。
【0034】
導電性金属微粒子の平均粒子径としては、入手が容易であり、取扱い性に優れ、高性能の導電性インキを調製できる限りでは、得られる回路の導電性の観点から、小さい方が好ましい。
【0035】
例えば、Cuの場合、十分な導電性を確保でき、入手が容易である等の理由から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、一方、安定したペーストを作製できる等の理由から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下が更に好ましい。
【0036】
また、Agの場合、Cuと同程度の粒子径を有する微粉に加え、平均粒子径が0.1〜1μmの極微粉を用いることもできる。
【0037】
なお、平均粒子径は、光散乱法などにより体積を基準として測定できる。
【0038】
また、スクリーン印刷法などを採用する際には、普通、平均粒子径が25μm以下のものを使用する。また、良好な印刷特性を実現するには、導電性金属微粒子の平均粒子径と、軟ろう金属微粒子の平均粒子径とは同程度であることが好ましい。
【0039】
導電性金属微粒子の導電性インキに占める割合としては、十分な導電性を実現する等の理由から、50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましく、一方、十分な印刷特性を確保し、最終的に得られる回路に亀裂などが発生することを抑制するために、97質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。
【0040】
(フラックス)
低融点導電性金属よりなる回路マトリクッスと、導電性金属微粒子との密着性を向上するために、導電性インキにフラックスを添加することが好ましい。
【0041】
フラックスとしては、加熱中に導電性金属微粒子が酸化されることを抑制し、溶融した軟ろう金属微粒子の表面張力を低下し、導電性金属微粒子と軟ろう金属微粒子が溶融して形成される回路マトリックスとの十分な密着性を実現するものであれば特に制限されず、ロジン系フラックス及び水溶性フラックスを使用する。中でも、洗浄による除去が容易である、残留物が少ない、塩素含有量が少ない等の理由から、ロジン系フラックスが好ましい。
【0042】
ロジン系フラックスとしては、非活性型、弱活性型、強活性型があり、加熱中に活性化されて上記の様な作用を実現する。より具体的には、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等を使用する。
【0043】
フラックスの導電性インキに占める割合は、最終的に得られる回路に亀裂などが発生することを抑制するために、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、一方、十分な導電性を実現し、十分な印刷特性を確保するために、2.5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。
【0044】
(有機系助剤)
フラックスに加え、導電性インキの印刷特性を向上する目的で、有機系助剤を使用するこのこともできる。有機系助剤は、例えば、フラックスを溶解する溶媒として使用したり、導電性金属微粒子のペーストを作製する際の媒体として使用したり、軟ろう金属微粒子のペーストを作製する際の媒体として使用する。導電性インキを作製する際に、導電性金属微粒子のペーストと、軟ろう金属微粒子のペーストと、フラックス溶液とを予め調製しておき、これを混合することで、高品位の導電性インキを生産性良好に作製できる。
【0045】
有機系助剤としては、安定な導電性インキを調製でき、導電性インキの十分な印刷特性を確保できる等の理由から、フラックスを溶解するアルコール類およびエーテル類が好ましい。
【0046】
アルコール類の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の炭素数4以下のアルキルアルコール類が好ましく、エーテル類の具体例としては、カルビトール、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のカルビトール類が好ましい。なお、必要に応じて、これらの溶剤を2種類以上併用することもできる。
【0047】
アルコール類およびエーテル類の導電性インキに占める割合は、安定な導電性インキを調製する、導電性インキの十分な印刷特性を確保する等の理由から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、最終的に得られる回路に亀裂などが発生することを抑制するために、15質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
【0048】
なお、フラックス、アルコール類およびエーテル類以外にも、安定な導電性インキおよびペースト等を作製するために、安定剤、分散剤、助剤などを使用する場合もある。
【0049】
(プリント回路積層体)
以上の様な導電性インキは、スクリーン印刷法、オフセット印刷法およびコーター法などを用いて、入手可能な基体に汎用的に塗工することができる。
【0050】
基体としては、低融点金属微粒子の融点以上の軟化温度および融点を有するものであれば特に制限されず、セラミック及びガラスをはじめ、無機繊維あるいは有機繊維の織物あるいは不織布、紙、それらと熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂との複合材、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリイミドアミド、ポリアセタール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴムなどに代表される樹脂製シートを使用することができる。
【0051】
なお、これらの基体の表面には、印刷特性および定着性などを改善するために、カップリング剤処理やプライマー処理などの化学的処理や、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線処理、研磨処理などの物理的処理を施してもよい。
【0052】
これらの基体上に導電性インキからなるパターンをスクリーン印刷法で形成する場合、印刷厚みはスクリーンの材質(ポリエステル、ポリアミド、あるいはステンレスなど)、メッシュおよび張力、ペーストの粘度を調整することによって任意に制御できるが、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、一方、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましい。
【0053】
以上の様な導電性インキは、非接触IC製品のアンテナ形成をはじめとするRF−ID(Radio Frequency IDentification)用アンテナ形成、プリント回路基板の回路形成および層間接続導電層形成、ディスプレイ装置の電極形成、ICチップ接続用の半田代替材などで、好適に利用することができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。また実施例2〜5および実施例7は参考例である。
【0055】
(実施例1)導電性インキ1、プリント回路積層体1
弱活性ロジンをイソプロピルアルコールに溶解し、14質量%ロジン溶液を調製した。更に、平均粒子径25μmのSnPb微粒子(融点:185℃)89質量部に11質量部のロジン溶液を加え混合し、SnPbペーストを調製した。
【0056】
得られたSnPbペースト35質量部と、平均粒子径8μmの鱗片状Cu微粒子65質量部と、ロジン溶液15質量部とを混合して導電性インキ1を調製した。
【0057】
得られた導電性インキ1を用いて、ポリエチレンテレフタレート製フィルム上に、株式会社ミノグループ製スクリーン印刷用WHTにより、テストパターンを印刷し、150℃で30分乾燥した。なお、印刷性は良好であった。
【0058】
これに、接着性基体を重ね合わせ、HUETTENHOLSCHER社製プラスチックラミネーター(商品名:CP−5000)を用いて、200℃で加熱プレスし、プリント回路積層体1を作製した。
【0059】
得られたプリント回路積層体1の回路部分を、オリンパス社製実態顕微鏡(商品名:SZ−40)で観察したところ、SnPb微粒子が溶融して形成された回路マトリックスにCu微粒子が密着して担持されている構造が確認され、亀裂などは確認されなかった。また、良好な導電性を確認できた。
【0060】
以上より導電性インキ1は印刷特性に優れ、導電性インキ1を用いれば、十分で安定した導電性および強度を有するプリント回路を、亀裂などを生じることなく、シートの積層と同時に形成できることが分った。
【0061】
(実施例2〜5)導電性インキ2〜5、プリント回路積層体2〜5
平均粒子径7.5μmの鱗片状Ag微粒子98質量部と、関東化学工業社製ブチルカルビトールアセテート1質量部と、ポリビニルブチラール1質量部とを混合し、Agペーストを調製した。
【0062】
また、関東化学工業社製ロジンを同社製ブチルカルビトールアセテートに溶解し、25質量%ロジン溶液を調製した。更に、平均粒子径20μmのSnPb微粒子(融点:185℃)180質量部に12質量部のロジン溶液を加え混合し、SnPbペーストを調製した。
【0063】
以上で得られたAgペースト90質量部と、以上で得られたSnPbペースト10質量部とを混合して導電性インキ2を調製した。また、Agペーストの使用量を夫々85質量部、80質量部および75質量部とし、SnPbペーストの使用量を夫々15質量部、20質量部および25質量部として、導電性インキ3〜5を夫々調製した。
【0064】
得られた導電性インキ2〜5を用いて、ポリエチレンテレフタレート製フィルム上に、株式会社ミノグループ製スクリーン印刷用WHTにより、テストパターンを印刷し、150℃で30分乾燥した。なお、印刷性は良好であった。
【0065】
これに、接着性基体を重ね合わせ、HUETTENHOLSCHER社製プラスチックラミネーター(商品名:CP−5000)を用いて、200℃で加熱プレスし、プリント回路積層体2〜5を作製した。
【0066】
得られたプリント回路積層体2〜5の回路部分を、オリンパス社製実態顕微鏡(商品名:SZ−40)で観察したところ、SnPb微粒子が溶融して形成された回路マトリックスにAg微粒子が密着して担持されている構造が確認され、亀裂などは確認されなかった。更に、Ag微粒子間に、SnPb微粒子が溶融して形成された回路マトリックスが流れ込み、亀裂の発生が抑制されている構造も確認でき、良好な導電性も確認できた。
【0067】
以上より導電性インキ2〜5は印刷特性に優れ、導電性インキ1を用いれば、十分で安定した導電性および強度を有するプリント回路を、亀裂などを生じることなく、シートの積層と同時に形成できることが分った。
【0068】
中でも、プリント回路積層体2の導電性が良好であった。
【0069】
(実施例6)導電性インキ6、プリント回路積層体6
平均粒子径8μmの鱗片状Cu微粒子に代えて、平均粒子径が8μmで電解銅粉を使用する以外は、導電性インキ1の場合と同様にして導電性インキ6を調製し、プリント回路積層体1の場合と同様にしてプリント回路積層体6を作製した。得られたプリント回路積層体6の回路部分を観察したところ、SnPb微粒子が溶融して形成された回路マトリックスにCu微粒子が密着して担持されている構造が確認され、亀裂などは確認されなかった。また、導電性は良好であり、プリント回路積層体1と同等以上であった。
【0070】
(実施例7)導電性インキ7、プリント回路積層体7
平均粒子径7.5μmの鱗片状Ag微粒子に代えて、平均粒子径0.7μmの鱗片状Ag微粒子を使用する以外は、導電性インキ2の場合と同様にして導電性インキ7を調製し、プリント回路積層体2の場合と同様にしてプリント回路積層体7を作製した。得られたプリント回路積層体7の回路部分を観察したところ、SnPb微粒子が溶融して形成された回路マトリックスにAg微粒子が密着して担持されている構造が確認され、亀裂などは確認されなかった。また、導電性は良好であり、プリント回路積層体2と同等以上であった。
【0071】
(実施例8)導電性インキ8、プリント回路積層体8
平均粒子径8μmの鱗片状Cu微粒子に代えて、平均粒子径25μmの鱗片状Cu微粒子を使用する以外は、導電性インキ1の場合と同様にして導電性インキ8を調製し、プリント回路積層体1の場合と同様にしてプリント回路積層体8を作製した。得られたプリント回路積層体8の回路部分を観察したところ、SnPb微粒子が溶融して形成された回路マトリックスにCu微粒子が密着して担持されている構造が確認され、亀裂などは確認されなかった。また、導電性は良好であり、特に印刷特性が良好であった。
【0072】
(比較例1)導電性インキ9、プリント回路積層体9
SnPbペーストを使用しないこと以外は、導電性インキ2の場合と同様にして導電性インキ9を調製し、プリント回路積層体2の場合と同様にしてプリント回路積層体9を作製した。得られたプリント回路積層体9の回路部分を観察したところ、亀裂が確認された。また、導電性および印刷特性は不十分であった。
【0073】
【発明の効果】
導電性金属微粒子と、融点が250℃以下の軟ろう金属微粒子とを含む導電性インキは印刷特性に優れ、この導電性インキを用いれば、十分で安定した導電性および強度を有するプリント回路を、亀裂などを生じることなく、シートの積層と同時に形成できる。

Claims (11)

  1. 軟ろう金属微粒子と、導電性金属微粒子と、フラックスと、アルコール類およびエーテル類の少なくとも何れか一方と、を含み、バインダー樹脂を含まない導電性インキ。
  2. 前記軟ろう金属微粒子の融点は250℃以下である請求項1記載の導電性インキ。
  3. 前記軟ろう金属微粒子は、Sn、Pb、Bi、Sb、Ag、Cd、Zn及びInからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む請求項1又は2記載の導電性インキ。
  4. 前記軟ろう金属微粒子の平均粒子径は、10〜60μmである請求項1乃至3何れかに記載の導電性インキ。
  5. 前記軟ろう金属微粒子の前記導電性インキに占める割合は、1〜30質量%である請求項1乃至4何れかに記載の導電性インキ。
  6. 前記導電性金属微粒子は、鱗片状の導電性金属微粒子および複数の放射状突起部を有する導電性金属微粒子の少なくとも何れか一方を含む請求項1乃至5何れかに記載の導電インキ。
  7. 前記導電性金属微粒子の平均粒子径は、0.1〜50μmである請求項1乃至6何れかに記載の導電性インキ。
  8. 前記導電性金属微粒子の前記導電性インキに占める割合は、50〜97質量%である請求項乃至何れかに記載の導電性インキ。
  9. 前記フラックスは、ロジン系フラックスである請求項1乃至8何れかに記載の導電性インキ。
  10. 請求項1乃至何れかに記載の導電性インキにより回路が形成された回路シート。
  11. 請求項1乃至何れかに記載の導電性インキにより第1基体上に回路前駆体を印刷する工程と、
    少なくとも、該第1基体と、第2基体とを重ね合わせる工程と、
    該重ね合わされたものを前記軟ろう金属微粒子の融点以上に加熱および加圧して一体の積層体とすると同時に、該回路前駆体を回路とする工程と
    を具備するプリント回路積層体の製造方法。
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