JP4363742B2 - ポリオール樹脂組成物及びこれを用いたポリマーセメント硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーセメント用ポリオール樹脂組成物及び該ポリオール樹脂組成物を用いたポリマーセメント硬化性組成物に関し、詳しくは、硬化速度が適切で、硬度、耐薬品性等の物性に優れた硬化物を提供することができ、特に硬質の床仕上材に好適なポリマーセメント用ポリオール樹脂組成物及び該ポリオール樹脂組成物を用いたポリマーセメント硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
硬質の床仕上材としては、施工に費やす時間は硬化せずに、施工後は速やかに硬化して次の作業に移行できる強度を発現するもの、完全に硬化した後は、凹凸のない表面、強度、耐薬品性を有するものが求められており、一般にエポキシ樹脂及びウレタン樹脂が用いられている。エポキシ樹脂は高硬度で、かつ美しい塗面が得られるがフレキシビリティーに欠けること及び一般にアミンを使用するため皮膚に障害を与える恐れがあるため好ましくない。また、ウレタン樹脂はフレキシビリティーに富み、かつ低温時の硬化性も優れているが、十分な硬度が得られず、また発泡を生じやすい等の欠点を有している。
【0003】
これらの問題を解決するために、例えば特開昭57−92015号公報には、ポリメチレンフェニルポリイソシアネートからなるNCO成分並びにビスフェノール類のオキシアルキレンエーテル及びひまし油等の水酸基当量200〜2000の高分子ポリオールからなる活性成分を必須成分としたポリウレタン系の硬質の床用仕上用組成物が提案されているが、硬化速度が遅くて十分な硬度が得られず、耐薬品性にも劣り、未だ満足できるものは得られていない。また、特開平10−77402号公報には、エステル構造を持つポリオール及びエステル構造を持たないポリオールの併用によるポリオール樹脂組成物が提案されているが、耐薬品性はある程度改良されたが、硬度が不十分であった。
【0004】
上記問題を解決するために、特許第2898044号には、水硬化性セメント、ポリイソシアネート、ひまし油ロジン酸エステル又はひまし油からなるポリマーセメント硬化性組成物が提案されているが、該組成物は、硬化反応が速く、それを遅延調整するためにパイン油が必要であり、施工時又は施工後の臭気に問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、硬化速度が適切であり、かつ物性、耐薬品性に優れる硬質の床仕上に有用な硬化物を得ることができるポリオール樹脂組成物及び該ポリオール樹脂組成物を用いたポリマーセメント硬化性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の構造を有するポリオール樹脂組成物を使用することにより上記課題を解決しうることを知見し、本発明に到達した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記一般式(I)で表されるひまし油脂肪酸エステル化合物からなるポリマーセメント用ポリオール樹脂組成物を提供するものである。
【化3】
(式中、XはR−、RO(R’O)n−、RCOO−を表し、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基を表し、R’は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、nは0又は1を表し、R1 はひまし油脂肪酸由来の基を表す)
【0008】
また、本発明は、一般式(II)で表されるエポキシ化合物にひまし油脂肪酸を反応させて得られる上記ポリオール樹脂組成物を提供するものである。
【化4】
(式中、X、R、R’及びnは、上記一般式(1)と同様である)
【0009】
さらに本発明は、上記ポリオール樹脂組成物及び水を含有するA原料、ポリイソシアネート化合物からなるB原料、セメントを含有するC原料を配合してなるポリマーセメント硬化性組成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明のポリオール樹脂組成物とは、ポリマーセメントに用いられるものであり、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸を主成分とする脂肪酸組成物であるひまし油脂肪酸から得られる上記一般式(I)で表されるエステル化合物からなることに特徴を有する。
【0012】
上記一般式(I)において、置換基X中のRで表される炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ペプタデシル、オクタデシル等が挙げられる。炭素数6〜30のアリール基としては、フェニル、ナフチル、メチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、イソブチルフェニル、第三ブチルフェニル、ヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニル、オクチルフェニル、2−エチルヘキシルフェニル、ステアリルフェニル、ジメチルフェニル、ジエチルフェニル、ジ第三ブチルフェニル、ジ第三ペンチルフェニル、ジ第三オクチルフェニル、ビニルフェニル、プロペニルフェニル、オクテニルフェニル、ペンタデカンジエニルフェニル、ジクミルフェニル、ビフェニル、トリメチルフェニル(以上の置換フェニル基の置換位置は任意である)、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。R’で表される炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、3−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、ブチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン等が挙げられる。
【0013】
本発明のポリオール樹脂組成物において、その製造方法については、特に制限を受けることはなく、周知一般の方法を用いることができる。例えば、1,2−ジオール化合物とひまし油脂肪酸とのエステル化反応、1,2−ジオール化合物とひまし油とのエステル交換反応、エポキシ化合物とひまし油脂肪酸との反応により得ることができ、エポキシ化合物とひまし油脂肪酸との反応により得る方法が、副反応が少なくコストも小さく効率的であるので好ましい。
【0014】
本発明に係る上記一般式(II)で表されるエポキシ化合物は、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸を主成分とするひまし油脂肪酸と反応して上記の一般式(I)に示すエステル化合物からなるポリオール樹脂組成物を与えるものである。
【0015】
上記一般式(II)で表されるエポキシ化合物において、Xで表される置換基としては、上記例示と同様のものが挙げられる。
【0016】
上記一般式(II)で表されるエポキシ化合物の更なる具体例としては、以下に例示する化合物No.1〜No.17等が挙げられる。
【0017】
【化5】
α−オレフィンオキサイド類
【0018】
【化6】
グリシジルエーテル類
【0019】
【化7】
グリシジルエステル類
【0020】
上記エポキシ化合物とひまし油脂肪酸とから本発明のポリオール樹脂組成物を製造する場合、その製造方法については、特に制限を受けることはなく、周知一般の方法を用いることができる。例えば、有機カルボン酸とエポキシ化合物とを三級アミン化合物、ホスホニウム塩等の触媒の存在下で60℃〜200℃で加熱することにより得られる。
【0021】
本発明のポリオール樹脂組成物は、その酸価によって特に制限を受けることないが、床仕上材に用いる場合、酸価が5.0mgKOH/gより大きいと硬化時に発泡が起こることがあるので5.0mgKOH/g以下が好ましく、2.0mgKOH/g以下がより好ましい。
【0022】
本発明のポリマーセメント硬化性組成物とは、上記一般式(I)で表されるエステル化合物からなるポリオール樹脂組成物及び水を必須成分として含有するA原料、ポリイソシアネート化合物からなるB原料、セメントを必須成分として含有するC原料を配合してなる硬化性組成物を指す。
【0023】
上記硬化性組成物は、A原料に含有されるポリオール樹脂組成物及び水とB原料であるポリイソシアネートとの硬化反応及びA原料に含有される水とC原料に含有されるセメントとの硬化反応により硬化するもので、床仕上材として、最適な硬化速度、硬化状態を与えるものである。
【0024】
本発明に係る上記A原料は、必須成分である上記ポリオール樹脂組成物及び水以外に必要に応じて、他の成分を任意で含有してもよい。
【0025】
A原料に必要に応じて使用される成分としては、一般に用いられる乳化剤、硬化抑制剤や硬化促進剤等の硬化反応調整剤、艶等の外観やすべり防止等の表面状態の調整に用いられる樹脂類、発泡抑制剤、希釈剤等が挙げられ、これらは各々1種又は2種以上混合して用いることができる。乳化剤としては、例えば、アルキルフェノールアルコキシレート、アルコールアルコキシレート、ポリオキシエチレングリコールオレート、天然アルコールアルコキシレート、ロジンアルコキシレート、テルペンフェノールアルコキシレート等が挙げられ、反応調整剤としては、(ポリ)アミン類、(多価)アルコール類、(多価)フェノール類、(ポリ)ヒドラジド類、有機酸類、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ジブチル錫ジラウレート、チタン酸テトラブチル、オクタン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オクタン酸第一錫、塩化第二錫、塩化第二鉄、オクタン酸鉛、オレイン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸コバルト、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−エチルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ−2,2,2−オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、オキシプロピル化トリエタノールアミン、β−ジエチルアミノエタノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシ)エチレンジアミン等が挙げられ、樹脂類としては、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、発泡抑制剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カドミウム、珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸ナトリウム、水酸化鉛、塩基性酢酸鉛、(ポリ)シロキサン、(ポリ)アルキルシロキサン、(ポリ)ジアルキルシロキサン等が挙げられ、希釈剤としては、高沸点芳香族炭化水素化合物、各種エポキシ樹脂用希釈剤、ジカルボン酸ジエステル、パラフィン系炭化水素化合物等が挙げられる。
【0026】
本発明に係る硬化剤であるB原料のポリイソシアネート化合物とは、一般の分子中に平均1個より多くのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を指し、該ポリイソシアネート化合物は、1種類又は2種以上混合して使用できる。
【0027】
上記ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等が挙げられ、これらは、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよく、各種ブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよく、また、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類とこれらのポリイソシアネート化合物との付加物等の末端にイソシアネート基を有する高分子量ポリイソシアネート(プレポリマー)を用いてもよい。
【0028】
上記ポリイソシアネート化合物の使用量は、ポリオール樹脂組成物における水酸基1個当たりのポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の個数で換算される。これについては、特に制限を受けずに用途により任意の量を使用することができるが、施工のために適切な硬化速度を与える範囲である1.0〜10個が好ましい。
【0029】
本発明に係る上記C原料の必須成分として用いられるセメントとは、水と混和して使用され、その後、存在する水を消費して起こる物理的又は化学的変化の結果として硬化あるいは凝結する無機構造材料を指す。これらのセメントとしては、例えば、ポルトランドセメント、高いアルミナ含量を特徴とする迅速硬化型セメント、珪酸二カルシウムとアルミノ亜鉄酸四カルシウムの含有率が高く、珪酸三カルシウムとアルミン酸三カルシウムの含有率が低いことを特徴とする低熱セメント、珪酸三カルシウムと珪酸二カルシウムの含有率が異常に高く、アルミン酸三カルシウムとアルミノ亜鉄酸四カルシウムの含有率が異常に低いことを特徴とする耐硫酸塩セメント、ポルトランドセメントクリンカーと顆粒状鉱滓との混合物であることを特徴とするポルトランドブラストファーネースセメント、ポルトランドセメントと、水和石灰、顆粒状鉱滓、粉砕石灰石、コロイド状粘土、珪藻土、もしくはその他のシリカ、ステアリン酸カルシウムとパラフィンの微粉状物の中から選ばれた1種又は2種以上のものとの混合物であることを特徴とするメーソンリーセメント、天然セメント、純粋な又は不純な形のカルシウムの酸化物であり、若干の粘土質材料を含んでおり、もしくは含んでいないことを特徴とする石灰セメント、石灰に5〜10%の焼石膏を添加したことを特徴とするセレナイトセメント、火山灰、火山性珪藻土、軽石、石灰華、サントリン土もしくは顆粒状鉱滓と石灰モルタルとの混合物であることを特徴とする火山灰混合セメント、硫酸カルシウムの水和によるもので、焼石膏、キーンスセメント及び石膏プラスターを含有していることを特徴とする硫酸カルシウムセメントが挙げられる。
【0030】
また、上記C原料には、必要に応じて、一般に使用される公知の顔料、充填材を用いてもよい。顔料としては、例えば、酸化鉄、三酸化二クロム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、レーキ顔料、群青、カーボンブラック等が挙げられ、充填材としては、例えば、砂、粘土含量の少ない砂利、硝子の粉砕物等の珪質充填材;ポリスチレンフォーム及びポリウレタンフォーム等の発泡プラスチック充填材;ナイロンポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、尿素/ホルムアルデヒドポリマー、フェノール/ホルムアルデヒドポリマー、メラミン/ホルムアルデヒドポリマー、アセタールポリマー及びコポリマー、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンターポリマー、酢酸セルローズ、セルローズ酢酸酪酸エステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン並びにポリプロピレン等の熱可塑性又は熱硬化性のポリマー及びコポリマー等を射出成型やその他の方法で成形された物品をトリミングする際に出る粉砕物チップ、旋削屑、テープ、顆粒等の廃物樹脂充填材;硝子繊維、綿、羊毛、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の繊維性材料;鋸屑、木屑、軽石、ひる石、発電所のフライアッシュ、膨張粘土、発泡鉱滓、雲母、チョーク、滑石、カオリン粘土、バリタ、シリカ等が挙げられる。
【0031】
また、本発明のポリオール樹脂組成物又はポリマーセメント硬化性組成物には、必要に応じて上記以外の成分を更に添加剤として使用することができる。該添加剤としては、帯電防止剤、耐光性付与剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0032】
本発明のポリマーセメント硬化性組成物において、各成分の配合比については、特に制限を受けることなく任意の量を用いることができるが、施工の作業性と硬化後の物性が床仕上材用途に良好な性質を与える範囲が好ましく、具体的にはポリオール樹脂組成物100質量部に対してセメント50〜5000質量部、水10〜1000質量部が好ましく、セメント100〜2500質量部、水20〜500質量部がより好ましい。
【0033】
本発明の上記ポリマーセメント硬化性組成物において、その使用方法については特に制限されることはなく、一般に公知の方法を用いることができる。例えば、セメントミキサーや強制へらミキサー等で混合した後、こて塗り、注入、吹きつけ等の方法により使用される。
【0034】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の製造例、実施例及び比較例によって何ら制限を受けるものではない。
【0035】
〔製造例1〕
(ポリオール樹脂組成物No.1の製造)
系内を窒素置換した1リットルの反応用フラスコに上記化合物No.5のエポキシ化合物330g、ひまし油脂肪酸を447gを仕込み、窒素気流下で100℃まで加熱した。これにエチルトリフェニルホスホニウムブロミドをエポキシ化合物とひまし油脂肪酸の仕込量の和の0.03質量%を加え、4時間反応させ、酸価0.8mgKOH/g、粘度160mP・s(25℃)のポリオール樹脂組成物1を得た。以下、同様の操作によりポリオール樹脂組成物を得た。原料のエポキシ化合物とポリオール樹脂組成物について記載する。
【0036】
〔製造例2〕
(ポリオール樹脂組成物No.2の製造)
原料:エポキシ化合物No.7 270g
物性:酸価;0.5mgKOH/g、粘度;750mP・s(25℃)
【0037】
〔製造例3〕
(ポリオール樹脂組成物No.3の製造)
原料:エポキシ化合物No.8 245g
物性:酸価;0.7mgKOH/g、粘度;2700mP・s(25℃)
【0038】
〔製造例4〕
(ポリオール樹脂組成物No.4の製造)
原料:エポキシ化合物No.11 450g
物性:酸価;1.0mgKOH/g、粘度;440mP・s(25℃)
【0039】
〔製造例5〕
(ポリオール樹脂組成物No.5の製造)
原料:エポキシ化合物No.13 589g
物性:酸価;1.2mgKOH/g、粘度;250mP・s(25℃)
【0040】
〔製造例6〕
(ポリオール樹脂組成物No.6の製造)
原料:エポキシ化合物No.15 375g
物性:酸価;0.9mgKOH/g、粘度;570mP・s(25℃)
【0041】
〔実施例〕
(1)A原料の調製
表1に記載の配合により、上記製造例1〜6により製造されたポリオール樹脂組成物及びひまし油(比較1及び2)、乳化剤;YP−90LL(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノールアルコキシレート系活性剤)、反応調整剤;N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシ)エチレンジアミン、艶出し用樹脂;ニカノールY−50(三菱ガス化学社製、キシレン樹脂)をホモディスパーでゆっくり撹拌しながら水を40質量部を徐々に添加した後、4000rpmで10分間撹拌してA原料を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
(2)ポリマーセメント硬化性組成物の製造
300mlの容器に下記表2のA原料を9質量部、表2記載のポリイソシアネートのB原料を、ポリイソシアネートNCO数/ポリオール樹脂組成物のOH数が3.9になるように配合し、20秒間スパチュラで混合した後、ポルトランドセメント14質量部、4号ケイ砂32質量部、6号ケイ砂32質量部、顔料(三酸化二クロム)4質量部からなるC原料82質量部を加え、60秒間スパチュラで混合した。
【0044】
【表2】
【0045】
(3)硬化試験
下記表3に示すポリマーセメント硬化性組成物をスレート板上に厚さ3mmにこて塗りし、塗布物の発泡の有無の確認と流動性がなくなる時間(ゲル化時間)及び5時間後、24時間後のショアD測定した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
ポリマーセメント硬化組成物PS9〜13及び比較PS2を直径35mmの円柱状のポリエチレンの型に注入し、20℃、7日間放置して作成した厚さ6mmの成型品について、以下の方法によって耐薬品評価を行った。
【0048】
<耐薬品評価1>
14日間浸漬し、質量変化率(%)の測定と表面状態の評価を行った。なお、表面状態については、白:表面白化、B:ブリスター(表面の細かいくぼみ)出現を表し、記載がないものは、変化がなかったものである。結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
<耐薬品評価1>
28日間浸漬し、圧縮強度の変化率(%)を測定した。結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】
本発明のポリオール樹脂組成物を用いたポリマーセメント硬化性組成物は、硬化速度が適切であり、かつ硬化物の物性、耐薬品性に優れ、硬質の床仕上に有用である。
Claims (4)
- 酸価が5.0mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載のポリオール樹脂組成物。
- 請求項1〜3に記載のポリオール樹脂組成物及び水を含有するA原料、ポリイソシアネート化合物からなるB原料、セメントを含有するC原料を配合してなるポリマーセメント硬化性組成物。
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