JP4363576B2 - 車両用サイドミラーの雨滴除去装置 - Google Patents
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この雨滴がサイドミラーに付着すると、昼間での走行時においても視認性が悪く、まして夜間になると、走行はより困難となってくる。
また、いずれの雨滴除去装置も同じであるが、走行風を反転することによりサイドミラーの鏡面に走行風を吹き付ける構造となっているため、走行風取入口より取り込まれた塵芥・砂塵や虫が、その反転部分に留まり、走行風の流れを悪化させることになる。
それに、取り込まれた走行風を反転させるため、空気抵抗が増加し、走行性能を低下させるとともに、その走行風の流れによりサイドミラーに振動を与え、視認性を悪化させることになる。
本発明は、上記種々の課題を解消し、雨天時においても視認性の良好な車両用サイドミラーの雨滴除去装置を提供することを目的とするものである。
また、雨天時のワイパー作動時にのみ取入口を開くので、雨滴除去装置の反転部に砂塵や虫が溜まったとしても、取入口より進入した雨水で洗い流され、通風道内を常に綺麗な状態に維持することができる。
晴天時などワイパーが作動していない状態での走行では取入口を閉じているので、走行風が雨滴除去装置の外周に沿って流れるため、走行風の反転によって生じる空気抵抗を著しく減少させることができると共に、サイドミラーに振動を生じさせるなどの影響を与えることはない。
また、開閉弁を放出口および排出口の近傍に装備した場合も同様に、放出口あるいは排出口への切り替えを忘れることなく、常にサイドミラーの視認性を著しく向上させることができる。
図1は本発明による車両用サイドミラーの雨滴除去装置の最良の形態を示す断面側面図である。同図において、1はサイドミラーで、該サイドミラー1は、ミラーハウジング2を有し、該ミラーハウジング2内には傾動装置によりミラーユニット4を上下左右に傾動可能にするパワーユニット3が装備されている。ミラーハウジング2は、詳細には図示しないが、一体形成されたステーを介して車両ドアーに取り付けられ、車両の前方側(同図左側)の部分が閉塞され、車両の後方側(同図右側)の部分が開口されている。
ミラーユニット4は、鏡面を有するミラー41と該ミラー41を保持するミラーホルダ42とから構成され、ミラーホルダ42がパワーユニット3に傾動可能に取り付けられている。パワーユニット3によりミラーホルダ42を駆動することにより、ミラー41の鏡面が、ミラーハウジング2の開口部で上下左右に傾動可能となるものである。
なお、サイドミラーに関するその他の構成については、本発明の要旨に関係しないので、詳細な説明を省略する。
後端(ミラーユニット4側)は弧状に形成することにより反転部8を形成し、排出口9がミラーユニット4に対向して開口されている。走行風12の取入口7から排出口9までは通風道6にて連結されている。雨天時にワイパーを作動すると、開閉弁が開かれ、車両が走行することにより、走行風12が、雨滴除去装置5に装備された取入口7より導入される。そして、同図に示すように走行風12は通風道6に沿って流れ、同図中矢印で示すように反転部8によりミラーユニット4の方向へ反転され、雨滴除去装置5の後端に形成された排出口9より吹き出されミラー41の鏡面に吹きつけられる。ミラー41の鏡面に付着した雨滴は、その風圧により吹き飛ばされ、常時綺麗な表面を維持するものである。
上記雨滴除去装置5は、ミラーハウジング2に直接固着しても良いし、該雨滴除去装置5を本体とベースに分割して構成し、ベースをサイドミラー1上部周壁のミラーハウジング2に固着し、該ベースに本体を嵌合することにより一体的に形成し、通風道6を形成するようにしても良い。
なお、上記反転部8の形状は、本実施例に示す弧状に限定するものではなく、逆くの字状あるいはコの字状に屈曲することにより形成しても良いことは言うまでもない。また、本実施例では、排出口9を単に開口したものを示しているが、ノズル状に形成すれば、走行風12の吹き出す圧力を高めることができ、ミラー41の鏡面に付着した雨滴を除去する効果がより向上することは言うまでもない。
図2Aは開閉弁10を開いた状態を示すもので、雨天時などにワイパーを作動させると、該ワイパーの作動に連動して同図示のように開閉弁10が開き、走行風12の取入口7が開口した状態となり、走行風12が通風孔11を通過できる。ワイパーを止めると、同図Bは開閉弁10がほぼ90°回動され、開閉弁10が閉じた状態となり、取入口7が閉口しており、走行風12が通風孔11を通過することができず、走行風12は同図中矢印で示すように雨滴除去装置5の周壁に沿って通過する状態を示すものである。従って、開閉弁10を閉じた状態では、走行風12は雨滴除去装置5の周壁に沿って通過するので、走行風12の空気抵抗を著しく減少させることができる。
同図において、点線で示すものは、取入口7を閉口した状態を示すもので、雨天時以外はこの状態で走行し、雨天時にワイパーを作動させることにより開閉弁10が開かれて、実線のように取入口7を開口し、走行する。板状の開閉弁10を実線のように開くことにより、取入口7を開口すれば、前記最良の形態で説明したように、走行風12が取入口7より導入され、通風道6に沿って流れ、該走行風12が反転部8によりミラーユニット4の方向へ反転され、雨滴除去装置5の後端に装備された排出口9より吹き出てミラー41の鏡面に吹きつけられる。ミラー41の鏡面に付着した雨滴は、その風圧により吹き飛ばされ、常時綺麗な表面を維持するものである。
本参考例の場合、開閉弁10を板状にしたことにより、該板状開閉弁10がやや上方に向いているため、より多くの風量の走行風12を取り込むことができ、ミラー41鏡面への吹き付け力を高めることができ、ミラー41鏡面に付着した雨滴を確実に吹き飛ばすことができる。
ワイパーを止めると、該ワイパーの動きに連動して開閉弁10が閉じられ、走行風12が導入されることはない。
同図において、点線で示すものは、取入口7を閉口した状態を示すもので、雨天時以外はこの状態で走行し、雨天時には、実線のように取入口7を開口し、走行する。上記参考例と同様に、ワイパーを作動した時にルーバー状の開閉弁10を実線のように開くことにより、前記最良の形態で説明したように、取入口7を開口すれば、走行風12が取入口7より導入され、通風道6に沿って流れ、該走行風12が反転部8によりミラーユニット4の方向へ反転され、雨滴除去装置5の後端に装備された排出口9より吹き出てミラー41の鏡面に吹きつけられる。ミラー41の鏡面に付着した雨滴は、その風圧により吹き飛ばされ、常時綺麗な表面を維持するものである。
本参考例の場合、開閉弁10をルーバー状にしたことにより、参考例1と同様にルーバー状開閉弁10がやや上方に向いているため、より多くの風量の走行風を取り込むことができると共に、走行風12の整流性を向上することができ、通風道6内での走行風12の流れをよりスムースに行えることができる。
同図において、点線で示すものは、取入口7を閉口した状態を示すもので、雨天時以外はこの状態で走行し、雨天時にワイパーを作動させることにより開閉弁10が開かれて、実線のように取入口7を開口し、走行する。上記参考例と同様に、への字状の開閉弁10を実線のように開くことにより、前記最良の形態で説明したように、取入口7を開口すれば、走行風12が取入口7より導入され、通風道6に沿って流れ、該走行風12が反転部8によりミラーユニット4の方向へ反転され、雨滴除去装置5の後端に装備された排出口9より吹き出てミラー41の鏡面に吹きつけられる。ミラー41の鏡面に付着した雨滴は、その風圧により吹き飛ばされ、常時綺麗な表面を維持するものである。
本参考例による開閉弁10をへの字状にしたことにより、お互いの弁間の密閉性をより向上させることが可能となり、開閉弁10を閉じた際、より気密性を維持することができ、雨滴除去装置5の空気抵抗をより軽減することができる。
同図において、14は放出口で、該放出口14は、排出口9の近傍で走行風12の取入口7とほぼ同じ水平位置で雨滴除去装置5の後端に開口されており、走行風12は開閉弁10の開閉により、排出口9あるいは放出口14に分岐され吹き出される。開閉弁10は排出口9および放出口14の近傍で、これら排出口9および放出口14の通路を跨ぐようにして雨滴除去装置5の側壁に軸支されており、ワイパーの作動に連動して開閉する。晴天時などでワイパーが作動していない時は、該開閉弁10を開口することにより上記取入口7より取り込んだ走行風12を、図中点線の矢印で示すように放出口14より吹き抜けるようにし、雨天時にワイパーを作動した時には上記開閉弁が閉じられ、放出口14への出口を閉口して走行風12を排出口9に導入し、前記参考例と同様に走行風12が反転部8によりミラーユニット4の方向に反転され、排出口9より吹き出て、ミラー41の鏡面に吹きつけられる。ミラー41の鏡面に付着した雨滴は、その風圧により吹き飛ばされ、常時綺麗な表面を維持するものである。即ち、開閉弁10により、走行風12の流れを排出口9あるいは放出口14に切り替えるようにしたものである。
本実施例は、他の参考例にも適用できることは言うまでもない。
図7において、15はノズルで、該ノズル15は、雨滴除去装置5に一体的に固着されており、サイドミラー1のミラーハウジング2の側壁に沿って形成され、雨滴除去装置5の側方より延設されている。このノズル15より噴出される走行風12により運転席側および助手席側のドアーウィンドウに付着した雨滴を吹き飛ばすものである。
また、通風道6内部には、図8に示すように、隔壁16が形成され、該隔壁16により通風道6が通風道61と通風道62に分岐され、走行風12の一部は通風道61を通過してノズル15へ導入され、その残部は通風道62を通過して排出口9へ導入するように形成したものである。このように構成することにより、雨天時などにワイパーを作動させると、該ワイパーの作動に連動して図7および図8に示すように開閉弁10が開き、取入口7より進入した走行風12は、隔壁16で分岐され、その一部がノズル15へ導かれ、図8に示すように運転席側あるいは助手席側のドアーウィンドウに付着した雨滴も吹き飛ばすことができるものである。残部の走行風12は、前記参考例・実施例で説明したように通風道6に沿って流れ、反転部8によりミラー41の方向へ反転され、雨滴除去装置5の後端に装備された排出口9より吹き出てミラー41の鏡面に吹きつけられる。ミラー41の鏡面に付着した雨滴は、その風圧により吹き飛ばされ、常時綺麗な表面を維持するものである。ドアーウィンドウ側へ導かれる走行風12の流れは、車両進行方向の後方側に向け吹き出されるので、空気抵抗が増加することはない。
なお、17は整流板で、該整流板17を形成することにより、通風道6内を流れる走行風12をよりスムースに流すことができるもので、該整流板17は必須のものではなく、形成しなくても良い。
同図中、18は自動車・トラックなどの車両を示し、19は車両18の運転席側のドアーウィンドウを示す。図8で説明したように、前記隔壁15にて分岐され、雨滴除去装置5に流入した走行風12の一部が、ドアーウィンドウ19に付着した雨滴を吹き飛ばし、ドアーウィンドウ19の窓越しに見るサイドミラー1の確認が容易となり、雨天時においても後方視認性が著しく向上するものである。
本参考例では、車両18の運転席側のサイドミラー1についてのみ説明したが、車両18の助手席側の左側ドアーウィンドウに対しても装備することにより、同様にして視認性が向上することは言うまでもない。また、助手席側のサイドミラー1は、図7,図9に示す参考例と対称に形成されることは言うまでもない。そして、この思想は、最良の形態にのみ適用できるものではなく、前記した参考例・実施例にも適用できることは言うまでもない。
また、上記参考例・実施例においては、ドアーに装備される電動格納式のサイドミラー装置について説明したが、この発明においては、電動格納式のサイドミラー装置以外の車両の外側に装備されるフェンダーミラーにも適用可能であり、トラック等の貨物車両のサイドミラーにも適用可能であることは言うまでもない。
2 ミラーハウジング
3 パワーユニット
4 ミラーユニット
41 ミラー
42 ミラーホルダ
5 雨滴除去装置
6 通風道
7 取入口
8 反転部
9 排出口
10 開閉弁
12 走行風
14 放出口
15 ノズル
16 隔壁
Claims (1)
- 自動車・トラックなどの車両におけるサイドミラーの周壁に固着し、車両走行による走行風を取り込む取入口と、該取入口とほぼ同じ水平位置で開口され、走行風を通過放出させる放出口と、該走行風を反転してサイドミラー鏡面に吹き付ける排出口と、これら取入口と放出口および排出口とを連結する通風道と、上記放出口および排出口近傍に、これら放出口および排出口の通路を跨ぐようにして軸支され、ワイパーの作動に連動して開閉する開閉弁とを備え、ワイパーが作動していない時に該開閉弁を開口することにより上記取入口より取り込んだ走行風を放出口より吹き抜けるようにし、ワイパーが作動した時に開閉弁を閉口することにより上記取入口より取り込んだ走行風を排出口より吹き出しサイドミラー鏡面に付着した雨滴を吹き飛ばすようにしたことを特徴とする車両用サイドミラーの雨滴除去装置。
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