JP4363236B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
特許文献1に係るディスクブレーキは、ディスクの外周外方にてディスクを軸方向に跨ぐ一対のレールを有するマウンティングと、一対のレールによって両端部が案内支持されるパッドを有している。パッドの両端部には、各レールの径方向外側のレール外側面に張出すパッド外張出部と、レールの径方向内側のレール内側面に張出すパッド内張出部とが形成されている。そしてレールとパッドの間には、これらが直接当たることを防止するパッドサポートが設けられている。
パッドサポートは、パッドをディスク軸中心側に付勢する付勢部を有していた。このためパッドは、付勢部によってディスク径方向(ラトル方向)の動きが抑制され、異音の発生が抑制され得る構成になっていた。
またこのタイプのディスクブレーキは、ディスクが大きく傾く対策としてパッドをディスク軸方向に大きく移動させ得る等のために開発されたものである。そのためパッドを付勢するための付勢部は、ディスクが大きく傾いた際にもディスクに当たらない位置にて設ける必要がある。例えば特許文献1に係る付勢部は、パッド外張出部の径方向外側面をディスク軸中心側に付勢する構成であって、ディスクの外周外方にて設けられることでディスクに当たらない構成であった。
そこで本発明は、ディスクの外周外方にてディスクを軸方向に跨ぐ一対のレールによってパッドの両端部が案内支持されるタイプのディスクブレーキにおいて、異音の発生を効果的に抑制し得るディスクブレーキを提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明によると、パッドの両端部には、各レールの径方向外側のレール外側面に張出すパッド外張出部と、レールの径方向内側のレール内側面に張出すパッド内張出部とが形成されており、レールとパッドの間には、これらが直接当たることを防止するパッドサポートが設けられている。
そしてパッドサポートは、レール外側面とパッド外張出部の間に配設されるサポート外片と、レール内側面とパッド内張出部の間に配設されるサポート内片と、サポート外片とサポート内片とを連結しかつパッドとレールとに挟まれて押圧を受けるサポート受圧片とを有している。そしてサポート外片には、パッド外張出部とレール外側面との間において、これらを離間する方向に付勢する付勢部が設けられている。
したがってパッドサポートは、サポート外片の保持部とサポート内片とによってレールに対してディスク径方向に移動抑制された状態にて取付けられる。また保持部と付勢部とが一体に形成されているためにその構造は容易である。
したがって連結部が、パッドとレールとに挟まれることが回避され得る。そのため連結部の折れを逃げ部によって抑制することができる。
したがってパッドは、突部において付勢されやすい。また突部は、パッド外張出部の先端に設けられているため、付勢部の先端側部にて付勢されやすい。そのためパッドは、付勢部によって安定良く付勢され得る。
請求項4に記載の発明によると、サポート外片には、サポート内片と協働してレールを弾性的に保持する保持部と、パッド外張出部とレール外側面との間において、これらを離間する方向に付勢する付勢部が設けられている。保持部は、サポート受圧片からパッド外張出部に向けて延出しかつレールのレール外側面に弾性的に当接する。付勢部は、保持部からパッド外張出部に向けて片持ち梁状に延出してパッド外張出部に弾性的に当接する。
ディスクブレーキ1は、図1に示すようにディスクDに押圧される一対のパッド2と、パッド2をディスクDに押圧するキャリパ5と、パッド2とキャリパ5を支持するマウンティング3を備えている。
マウンティング3は、車両本体に取付けられる。
キャリパ5は、ディスク外周外方にてディスク軸方向にディスクDを跨ぐ構成である。そして車両インナ側にピストン50を有し、図2に示すように車両アウタ側に爪部51を有している。
ピストン50は、インナ用のパッド2aをディスクDに向けて押圧する(図1参照)。そしてキャリパ5がピストン50の移動方向と逆方向に移動することで、爪部51がアウタ用のパッド2bをディスクDに向けて押圧する。
摩擦材20は、ディスクDに押圧されることで摩擦力を生じ、ディスクDの回転力を減速させる部材である。裏板21は、鉄などの金属、あるいは樹脂から形成されており、摩擦材20の裏面を支持する。
パッド2とマウンティング3の間には、図3に示すようにパッド2をディスク軸方向に移動可能に支持する支持構造(22,30)が設けられている。
支持構造は、パッド2の裏板21に一体状に設けられた一対のパッド腕部22と、マウンティング3に一体状に設けられた一対のレール30を有している。
レール30は、図4に示すようにディスク軸方向に直線状に延出しており、図1,3に示すようにディスクDの外周外方にてディスクDを跨いでいる。
一対のレール30は、ほぼ平行に延出しており、一対のレール30の一端側間にてインナ用のパッド2aの両端部が案内支持されている。そして他端側間にてアウタ用のパッド2bの両端部が案内支持されている。
パッド腕部22は、レール30に向けて張出すパッド外張出部23とパッド内張出部24を有している。パッド外張出部23は、レール30のディスク径方向外側のレール外側面30aに向けて張出す。パッド内張出部24は、レール30のディスク径方向内側のレール内側面30cに張出す。
パッド外張出部23とパッド内張出部24の間には、レール30が差し込まれる矩形状(例えば四角形状)の凹部26が形成されている。そして凹部26の底面のパッド受圧部25にレール30のレール受圧面30bが押し当てられる。
パッドサポート4は、図4に示すようにレール30とほぼ同じ長さであって、各レール30に一つのパッドサポート4が取付けられる。パッドサポート4は、レール30とともにディスク外周外方においてディスク軸方向にディスクDを跨ぐ構成になっている(図1参照)。
サポート外片40は、レール外側面30aとパッド外張出部23の間に配設されている。サポート内片42は、レール内側面30cとパッド内張出部24の間に配設されている。そしてサポート受圧片41は、サポート外片40とサポート内片42とを連結し、パッド受圧部25とレール受圧面30bとに挟まれて押圧を受ける構成になっている。
保持部40aは、図7に示すようにサポート受圧片41の一端から上方に延出し途中下方に向けて延出し、レール外側面30aに当接している。そしてレール外側面30aを弾性的にサポート内片42に向けて付勢し、サポート内片42と協働してレール30を保持する。したがってパッドサポート4は、保持部40aの弾性力を利用してレール30に取付く。
そのためパッド2のパッド内張出部24が、ディスク径方向外方に向けてサポート内片42を押し、サポート内片42がレール内側面30cを押す。これによってパッド内張出部24とレール内側面30cとがサポート内片42を挟んだ状態にて密接する(クリアランスがほとんどない状態になる)。
二つの切込み部40dの間には、止め片40eが形成されている。止め片40eは、図9に示すようにサポート受圧片41から延出し、レール外側面30aに当接している。そしてレール外側面30aを弾性的にレール内側面30cに向けて付勢し、サポート内片42との協働によってレール30を挟持する構成になっている。
インナ側の規制片43〜45がレール30のインナ側の端面に掛け止められ、アウタ側の規制片43〜45がレール30のアウタ側の端面に掛け止められる。これによりパッドサポート4は、レール30に対してディスク軸方向に移動することが規制された状態にて取付けられる。
突部23aは、パッド外張出部23の先端部からサポート外片40の付勢部40bに向けて突出している。
逃げ部23bは、パッド外張出部23の基端部にて凹設されている。そのため逃げ部23bは、サポート外片40とサポート受圧片41とを連結する連結部46に対応する位置、および保持部40aに対応する位置にて設けられている。かくして逃げ部23bによって連結部46と保持部40aがパッド2とレール30によって挟まれることが回避される構成になっている。
図3に示すように矢印X方向に回転しているディスクDに向けてパッド2を押圧した場合は、パッド2がディスクDとの間にて発生した摩擦力によって矢印E方向の力を受ける。これによりパッド2が矢印E方向、すなわちディスク回出側に向けて移動し、ディスク回出側のレール30に当って停止する。そしてパッド2が矢印F方向の力をレール30から受ける。そのためパッド2には偶力が発生し、矢印Y方向のモーメントが生じる。
一方、ディスク回入側のパッド2には、図8に示すように矢印W方向の力が発生する。そしてその力は、ディスク回出側に生じるZ方向の力に比べて小さいものである(図7参照)。そしてディスク回入側のパッド2は、図8に示すように付勢部40bによって矢印W方向と逆方向の付勢力を受けている。したがってパッド2は、矢印W方向へ移動しにくい構成になっている。
すなわちパッドサポート4は、図7に示すように付勢部40bを有しており、付勢部40bは、パッド外張出部23とレール外側面30aの間に設けられている。そして付勢部40bが、パッド外張出部23をディスク径方向外方に向けて付勢している。したがってパッド2は、レール30に対してディスク径方向外方に向けて常時付勢されている。
また付勢部40bがパッド外張出部23とレール外側面30aとの間に設けられている。そのため付勢部40bは、図3に示すようにディスクDの外周外方に位置する。かくして付勢部40bは、ディスクDが大きく振れた場合であってもディスクDに当たらない。
したがってパッドサポート4は、サポート外片40の保持部40aとサポート内片42とによってレール30に対してディスク径方向に移動抑制された状態にて取付けられる。また保持部40aと付勢部40bとが一体に形成されているためにその構造は容易である。
したがって連結部46が、パッド2とレール30とに挟まれることが回避され得る。そのため連結部46の折れを逃げ部23bによって抑制することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されず、例えば下記の形態であっても良い。
上記の実施形態に係るディスクブレーキは、二つのパッドサポートを有しており、両パッドサポートが付勢部を有する形態であった。しかしディスク回出側のパッドサポートのみが付勢部を有し、ディスク回入側のパッドサポートが付勢部を有していない形態などであっても良い。
2,2a,2b…パッド
3…マウンティング
4…パッドサポート
23…パッド外張出部
23a…突部
23b…逃げ部
24…パッド内張出部
25…パッド受圧部
30…レール
30a…レール外側面
30b…レール受圧面
30c…レール内側面
40…サポート外片
40a…保持部
40b…付勢部
40d…切込み部
41…サポート受圧片
42…サポート内片
46…連結部
Claims (4)
- ディスクの外周外方にてディスクを軸方向に跨ぐ一対のレールを有するマウンティングと、前記一対のレールによって両端部が案内支持されるパッドとを有し、前記パッドの両端部には、前記各レールの径方向外側のレール外側面に張出すパッド外張出部と、前記レールの径方向内側のレール内側面に張出すパッド内張出部とが形成されており、前記レールと前記パッドの間には、これらが直接当たることを防止するパッドサポートが設けられているディスクブレーキであって、
前記パッドサポートは、前記レール外側面と前記パッド外張出部の間に配設されるサポート外片と、前記レール内側面と前記パッド内張出部の間に配設されるサポート内片と、前記サポート外片と前記サポート内片とを連結しかつ前記パッドと前記レールとに挟まれて押圧を受けるサポート受圧片とを有し、
前記サポート外片には、前記パッド外張出部と前記レール外側面との間において、これらを離間する方向に付勢する付勢部が設けられ、
前記サポート外片と前記サポート受圧片とを連結する連結部が前記パッドに当たることを避けるために、前記パッド外張出部には、前記連結部に対応する位置にて逃げ部が凹設されていることを特徴とするディスクブレーキ。 - 請求項1に記載のディスクブレーキであって、
パッド外張出部の先端には、サポート外片の付勢部に向けて突出し、前記付勢部にて付勢される突部が設けられていることを特徴とするディスクブレーキ。 - 請求項1または2に記載のディスクブレーキであって、
サポート外片は、サポート内片と協働してレールを弾性的に保持する保持部を有し、前記保持部は、サポート受圧片からパッド外張出部に向けて延出しかつ前記レールのレール外側面に弾性的に当接し、
前記保持部が、逃げ部の凹設範囲内に配設されていることを特徴とするディスクブレーキ。 - ディスクの外周外方にてディスクを軸方向に跨ぐ一対のレールを有するマウンティングと、前記一対のレールによって両端部が案内支持されるパッドとを有し、前記パッドの両端部には、前記各レールの径方向外側のレール外側面に張出すパッド外張出部と、前記レールの径方向内側のレール内側面に張出すパッド内張出部とが形成されており、前記レールと前記パッドの間には、これらが直接当たることを防止するパッドサポートが設けられているディスクブレーキであって、
前記パッドサポートは、前記レール外側面と前記パッド外張出部の間に配設されるサポート外片と、前記レール内側面と前記パッド内張出部の間に配設されるサポート内片と、前記サポート外片と前記サポート内片とを連結しかつ前記パッドと前記レールとに挟まれて押圧を受けるサポート受圧片とを有し、
前記サポート外片には、前記サポート内片と協働して前記レールを弾性的に保持する保持部と、前記パッド外張出部と前記レール外側面との間において、これらを離間する方向に付勢する付勢部が設けられ、
前記保持部は、サポート受圧片からパッド外張出部に向けて延出しかつ前記レールのレール外側面に弾性的に当接し、
前記付勢部は、前記保持部からパッド外張出部に向けて片持ち梁状に延出して前記パッド外張出部に弾性的に当接することを特徴とするディスクブレーキ。
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