JP4362261B2 - 音声符号制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システムの移動端末間の音声通話に関し、特に、途中の経路にIPネットワークが用いられた通話に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムでは、無線区間の周波数利用効率を考慮して、ビットレートが低く、帯域圧縮率の高い音声符号化方式が採用される。異なる移動通信システムに属する移動端末同士が通話するとき、通話路は2つの移動通信システム間を接続するゲートウェイを介して設定される。これら移動通信システムが同じ音声符号化方式を提供していても、ゲートウェイおよび中継網がその音声符号化方式に対応できなければ、中継網を通る信号は、64kPCMなどの汎用的な音声符号化方式に変換される。
【0003】
図13は、従来の移動通信システム間の通話において設定される通話路を示す図である。図13を参照すると、移動交換機(MSC:Mobile Switching Center)903と移動交換機907は互いに異なる移動通信システムに属し、システム間の中継網906を介して相互接続されている。そして、一方のシステムに属する移動端末(MT:Mobile Terminal)901と他方のシステムに属する移動端末910との間に通話が確立されている。また、移動交換機903,907と中継網906の間では、SS7(Signaling System number 7)の共通線信号方式(CCS:Common Channel Signaling)が採用されており、制御信号はユーザ信号と分離されている。
【0004】
移動交換機903は、符号変換器(Transcoder)904および制御部905を有している。移動交換機907は、符号変換器909および制御部908を有している。移動端末901は符号化復号器(CODEC:Coder/Decoder)902を有している。移動端末910は符号化復号器911を有している。
【0005】
本実施形態では、2つの移動通信システムでは同じ音声符号化方式が採用されている。したがって、符号化復号器902と符号化復号器911は、同じ方式で音声符号化および復号をする。また、符号化復号器902,911は複数の音声符号化方式を有し、その中から任意の方式を選択できてもよい。この場合、符号化復号器902と符号化復号器911とは少なくとも1つの共通の音声符号化方式を有していればよい。
【0006】
符号変換器904,909は、異なる符号化方式間の変換を行う。符号化変換器904,909は、中継網906方向に、汎用的な音声符号化方式を提供している。汎用的な音声符号化方式は例えば64kPCMである。また、符号変換器904,909は、移動端末方向に、移動端末が有するのと同じ、圧縮率の高い音声符号化方式を提供している。そして、符号変換器904,909は、圧縮率の高い方式と汎用的な方式の間の変換を行う。通常、符号変換器は1つの移動交換機に複数備えられている。移動交換機に備えられた各符号変換器は、他システムとの間に呼が設定されるとき、その呼に割り当てられる。つまり、移動端末と移動交換機の間では、移動通信システムに特有の音声符号化方式が採用されており、中継網を含めて移動交換機間では中継網に特有の音声符号化方式が採用されている。
【0007】
制御部905,908は、呼の設定、通話路の設定、呼への符号変換器の割り当てなどの処理を行う。
【0008】
図13では、移動端末901と移動端末910との間に呼が設定されている。その呼の通話路は、移動端末901の符号化復号器902、移動交換機903の符号変換器904、移動交換機907の符号変換器909、および移動端末910の符号化復号器911を通っている。符号化復号器902と符号変換器904の間、および符号化復号器911と符号変換器909の間の信号は圧縮率の高い音声符号化方式である。また、符号変換器904と符号変換器911の間の信号は汎用的な音声符号化方式である。
【0009】
つまり、異なるシステムに属する移動端末間の通話では、音声信号は音声符号化方式が2回変換される。以下、これをタンデム接続と称する。タンデム接続では、圧縮率の高い音声符号化方式の圧縮および伸張が2回されるので、音声品質の劣化が大きい。音声品質を改善するには、タンデム接続を行わず、各移動端末の符号化復号器同士を直接対向させればよい。
【0010】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、インバンドの制御信号を用いて移動端末の符号化復号器を直接対向させる、TFO(Tandem Free Operation)が提案されている。
【0011】
TFOによれば、移動交換機903と移動交換機907は、通話中のインバンドのユーザ信号に符号化方式の制御のためのビットを挿入し、互いにネゴシエーションする。そして、移動交換機903および移動交換機907は、可能であれば、符号変換器904および符号変換器909をバイパスする。そうすると、移動端末901の符号化復号器902と、移動端末910の符号化復号器911とが直接対向する。以下、これをバイパス接続を称する。TFOによれば、同様にして、バイパス接続からタンデム接続に戻すことができる。
【0012】
また、3GPPでは、アウトバンドの制御信号を用いて移動端末の符号化復号器を直接対向させる、TrFO(Transcoder Free Operation)も提案されている。
【0013】
TrFOによれば、符号化方式の制御信号は、SS7のアウトバンド、すなわちユーザ信号と分離された制御信号として定められており、バイパス接続およびタンデム接続の制御に用いられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
インバンドによる制御は、移動端末901と移動端末910が通話中になった後に可能となる。TFOの場合、呼が設定された直後には移動交換機の符号変換器が用いられており、インバンドの制御によりバイパス接続となる。したがって、TFOでは、通話開始直後には音声品質の良いバイパス接続の通話ができなかった。
【0015】
また、TFOでは、制御ビットがユーザ信号に挿入されるので、制御ビットが送られるときユーザ信号の一部が欠落し、通話品質が劣化するという問題があった。
【0016】
また、TFOでは、中継網906は、PCMをベースとしたSTM網に限定されており、IP網を中継網906として用いたVoIPを実現することができなかった。
【0017】
TrFOでは、制御信号がユーザ信号と分離されているので、タンデム接続およびバイパス接続の切り替えでユーザ信号が欠落することがなく、また、呼設定時にタンデム接続またはバイパス接続を選択できる。しかし、TrFOでもやはりTFOと同様に、中継網がPCMをベースとしたSTM網に限定されており、IP網を中継網906として用いたVoIPを実現することができなかった。
【0018】
本発明の目的は、IPネットワークを介して音声品質の良い通話を実現する音声符号制御方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の音声符号制御方法は、音声信号の符号化方式を変換することのできる少なくとも2つの移動交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、前記2つの移動交換機にそれぞれ登録された2つの移動端末間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を通話中に制御する音声符号制御方法であって、
パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより符号化方式を照合し、前記2つの移動端末で用いられている符号化方式が一致しているか否か判定するステップと、
前記符号化方式が一致していれば、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信するステップと、
前記符号化方式が一致していなければ、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を行い、前記IPネットワーク内の音声信号を汎用的な符号化方式にするステップを有している。
【0020】
したがって、IPネットワークを介して接続された移動交換機に登録された移動端末間の通話が、IPヘッダ内のフィールドを利用して転送される制御信号による制御で、移動交換機による符号化方式の変換なしに直接接続される。
【0021】
なお、一方の移動交換機が、他方の移動交換機から該他方の移動交換機に登録された移動端末で用いられている符号化方式の情報を取得し、取得された情報と自身に登録されている移動端末で用いられている符号化方式とを比較することにより、前記2つの移動端末で用いられている符号化方式が一致しているか否か判定してもよい。
【0022】
本発明の他の音声符号制御方法は、音声信号の符号化方式を変換することのできる少なくとも2つの移動交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、前記2つの移動交換機にそれぞれ登録された2つの移動端末間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を呼設定時に制御する音声符号制御方法であって、
呼設定時に、パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより符号化方式を照合し、双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式があるか否か判定するステップと、
双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式があれば、双方の前記移動端末に該符号化方式を用いることを指示し、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信するステップと、
双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式がなければ、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を行い、前記IPネットワーク内の音声信号を汎用的な符号化方式にするステップを有している。
【0023】
したがって、IPヘッダ内のフィールドを利用して転送される制御信号による制御により、IPネットワークを介した移動端末間の呼設定時に移動交換機による符号化方式の変換のない接続がされる。
【0024】
なお、発信側の移動交換機から着信側の移動交換機に、発信側の移動端末で用いられることのできる符号化方式を通知し、前記着信側の移動交換機で、双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式があるか判定し、
双方の移動端末で用いられることのできる符号化方式があれば、該符号化方式を前記着信側の移動交換機から前記発信側の移動交換機に通知し、
前記発信側の移動交換機から双方の前記移動端末に共通の符号化方式を用いることを指示してもよい。
【0025】
本発明のさらに他の音声符号制御方法は、音声信号の符号化方式を変換することのできる少なくとも2つの移動交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、2つの移動交換機にそれぞれ登録された2つの移動端末間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を通話中に制御する音声符号制御方法であって、
予め、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信するステップと、
いずれかの移動端末から、前記移動端末間の音声信号の符号化方式では利用できない付加サービスが要求されると、パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて前記2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより相互に確認しながら、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を開始し、前記IPネットワーク内の音声信号を汎用的な符号化方式にするステップを有している。
【0026】
したがって、移動交換機による符号化方式の変換のない接続による通話中に、ユーザから付加サービスの要求があったとき、その負荷サービスが移動端末の符号化方式では利用できないものであれば、移動交換機により汎用的な符号化方式に変換する接続に切り替わる。
【0027】
なお、前記付加サービスの利用が終了すると、パケットのIPヘッダの前記フィールドを用いて前記2つの移動交換機間所定のシーケンスに従ってで相互に通信し、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信することが望ましい。
【0028】
本発明のさらに他の音声符号制御方法は、ビットレートの異なる複数の符号化方式のうちの任意の符号化方式より、アナログ音声信号を符号化し、また復号することのできる少なくとも2つのIP交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、2つのIP交換機にそれぞれ収容された2つの電話機間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を通話中に制御する音声符号制御方法であって、
いずれかのIP交換機で前記IPネットワークの負荷が高くなったことを検出すると、パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて2つのIP交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより相互に確認しながら、前記2つのIP交換機の符号化方式を低ビットレートのものに変更するステップと、
いずれかのIP交換機で前記IPネットワークの負荷が低くなったことを検出すると、パケットのIPヘッダの前記フィールドを用いて2つのIP交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより相互に確認しながら、前記2つのIP交換機の符号化方式を高ビットレートのものに変更するステップを有している。
【0029】
したがって、IPネットワークで中継される音声通信において、IPネットワークの負荷が高くなると、符号化方式のビットレートが下がってIPネットワークの負荷が低減され、IPネットワークの負荷が低いときには、符号化方式のビットレートが上がって音声品質が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本実施形態の通信システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の通信システムは複数の移動通信システムを含んでいる。移動通信システム間はIPネットワークで接続されており、異なる移動通信システムの端末同士は、IPネットワークを介した通話路により通話する。
【0032】
図1を参照すると、通信システムは、移動交換機(MSC:Mobile Switching Center)103,107、移動端末(MT:Mobile Terminal)101,110およびIPネットワーク106を有している。移動交換機103と移動交換機107は互いに異なる移動通信システムの構成要素である。移動交換機103と移動交換機107の間はIPネットワーク106で接続されている。移動端末101は、移動交換機103の属する移動通信システムの端末である。移動端末110は、移動交換機107の属する移動通信システムの端末である。
【0033】
IPネットワーク106は、IPパケット化されたデジタル音声のユーザ情報をIPヘッダを参照してルーチングし、異なる移動通信システム間の通話を可能とする。移動端末101と移動端末110とは、IPネットワーク106を介したVoIP(Voice over Internet Protocol)で通話する。
【0034】
移動端末101は、符号化復号器(Codec)102を含んでいる。符号化復号器102は、アナログ音声信号を、移動交換機103の属する移動通信システムで用いられる符号化方式で符号化し、また、その符号化方式の信号をアナログ音声信号に復号する。
【0035】
同様に、移動端末110は、符号化復号器111を含んでいる。符号化復号器111は、アナログ音声信号を、移動交換機107の属する移動通信システムで用いられる符号化方式で符号化し、また、その符号化方式の信号をアナログ音声信号に復号する。
【0036】
移動交換機103は、符号変換器(Transcoder)104および制御部105を含んでいる。符号変換器104は、移動交換機103の属する移動通信システムで用いられる符号化方式とIPネットワーク106内で用いられる符号化方式との間のデジタル−デジタル変換を行う。制御部105は、移動交換機103内の各種制御を行う。
【0037】
移動交換機107は、符号化変換器109および制御部108を含んでいる。符号変換器109は、移動交換機107の属する移動通信システムで用いられる符号化方式とIPネットワーク106内で用いられる符号化方式との間のデジタル−デジタル変換を行う。制御部108は、移動交換機107内の各種制御を行う。
【0038】
移動端末101と移動端末110との呼設定時または通話中において、制御部105と制御部108は、IPネットワーク106を介して互いにネゴシエーションし、符号変換器104および符号変換器109を用いるか否かを選択する。このとき、制御部105および制御部108は、移動端末101と移動端末110の符号化方式が合えば、符号変換器104,109を用いず、符号化復号器102と符号化復号器111を直接対向させる。それにより、音声品質の劣化が低減される。
【0039】
図2は、本実施形態の通信システムにおける、一対の符号変換器を含む通話路の接続を示す図である。一対の符号変換器を用いた接続をタンデム接続と称することとする。なお、ここでは、移動端末101から移動端末110への信号の流れについて説明するが、逆方向の信号の流れもそれと同様である。
【0040】
移動端末101の符号化復号器102は、ユーザのアナログ音声信号を、その端末の属する移動通信システムで用いられる符号化方式に変換し、無線区間を介して移動交換機103に送る。移動交換機103の符号変換器104は、符号化復号器102からの信号を、IPネットワーク106内で用いられる符号化方式に変換し、IPネットワーク106を介して移動交換機107に送る。
【0041】
移動交換機107の符号変換器109は、符号変換器104からの信号を、移動交換機107の属する移動通信システムで用いられる符号化方式に変換し、無線区間を介して移動端末110に送る。移動端末110の符号化復号器111は、移動交換機107からの信号をアナログ音声信号に変換して出力する。
【0042】
このように、タンデム接続では、ユーザ間において音声符号の変換が2回行われるため音声品質が劣化する。
【0043】
図3は、本実施形態の通信システムにおける、符号変換器を含まない通話路の接続を示す図である。図3に示されたように、符号変換器が用いられない接続をバイパス接続と称することとする。なお、ここでは、移動端末101から移動端末110への信号の流れについて説明するが、逆方向の信号の流れもそれと同様である。
【0044】
移動端末101の符号化復号器102は、ユーザのアナログ音声信号を、その端末の属する移動通信システムで用いられる符号化方式に変換し、無線区間を介して移動交換機103に送る。バイパス接続では、移動交換機103の符号変換器104は用いられない。符号化復号器102からの信号からの信号は、そのままの符号化方式でIPネットワーク106を介して移動交換機107に送られる。
【0045】
バイパス接続では、移動交換機107の符号変換器109も用いられない。符号化復号器102からの信号は、そのまま無線区間を介して移動端末110に送られる。移動端末110の符号化復号器111は、符号化復号器102からの信号をアナログ音声信号に変換して出力する。
【0046】
このように、バイパス接続では、ユーザ間において音声符号の変換が行われないため音声品質が劣化しない。
【0047】
本実施形態の通信システムの動作について説明する。
【0048】
図4は、図1に示された通信システムの接続切り替え動作を示すシーケンス図である。ここでは、移動端末101と移動端末110との通話が、タンデム接続により確立された後に、バイパス接続に切り替わるときの動作が示されている。
【0049】
図4を参照すると、移動端末101と移動端末110は、当初、図2に示されたタンデム接続による通話中である。なお、タンデム接続による通話は従来と同じ手順により確立される。
【0050】
次に、移動交換機103は、IPネットワーク106を介して移動交換機107に、コーデック種別要求のトランスコーダ制御情報を送信する。
【0051】
図5は、本実施形態における、トランスコーダ制御情報を含んだユーザパケットのフォーマットを示す図である。図5中の矢印はパケットが送られる方向を示している。
【0052】
本実施形態では、トランスコーダ制御情報は、図5に示されたように、パケットのIPヘッダ内に定義されたフィールドに挿入され、転送される。トランスコーダ制御情報は、移動交換機間でタンデム接続およびバイパス接続の切り替えを行うための制御情報である。また、コーデック種別要求は、相手側の移動端末で用いられている符号化方式を問い合わせるための信号である。
【0053】
次に、コーデック種別要求のトランスコーダ制御情報を受信した移動交換機107は、コーデック種別のトランスコーダ制御情報を移動交換機103に返す。コーデック種別とは、移動端末で用いられている符号化方式を通知する信号である。
【0054】
次に、コーデック種別のトランスコーダ制御情報を受信した移動交換機103は、バイパス接続への切り替えが可能であるか否か判定する。
【0055】
図6は、バイパス接続への切り替えが可能であるか否か判定するときの移動交換機の動作をフローチャートである。図6を参照すると、コーデック種別のトランスコーダ制御情報を受信した移動交換機は、相手側の移動端末の符号化方式と、自身側の移動端末の符号化方式が同一であるか否か判定する(ステップA1)。それらの符号化方式が同一でなければ、バイパス接続への切り替えを行わず、タンデム接続を維持する(ステップA2)。それらの符号化方式が同一であれば、バイパス接続への切り替えを行う(ステップA3)。
【0056】
バイパス接続への切り替えが可能な場合、移動交換機103は、バイパス要求のトランスコーダ制御情報を移動交換機107に送る。バイパス要求は、バイパス接続への切り替えを要求するための信号である。
【0057】
バイパス要求のトランスコーダ制御情報を受信した移動交換機107は、内部の符号変換器109をバイパスし、バイパス応答のトランスコーダ制御情報を移動交換機103に返す。バイパス応答は、バイパス要求に応じてバイパス接続に切り替えた旨を通知する信号である。
【0058】
バイパス応答のトランスコーダ制御情報を受信した移動交換機103は、内部の符号変換器104をバイパスする。このようにして、移動端末101と移動端末110との通話は図3に示されたようなバイパス接続に切り替わる。
【0059】
したがって、本実施形態の通信システムによれば、IPネットワーク106を介して接続された移動端末101と移動端末110との通話が、タンデム接続からバイパス接続に切り替わるので、IPネットワークで中継される通話の音声品質の劣化が低減される。
【0060】
本実施形態の通信システムは、呼設定時からバイパス接続を行うことも可能である。図7は、本実施形態の通信システムが呼設定においてバイパス接続をするときの動作を示すシーケンス図である。ここでは、移動端末101から移動端末110へ発信するときの動作が示されている。
【0061】
図7を参照すると、まず、発側の移動端末101は移動交換機103に発信要求を送る(ステップB1)。この発信要求は、移動端末110との通話を確立することを移動交換機103に要求するものである。この発信要求には、コーデック種別リストが含まれている。コーデック種別リストは、移動端末101の符号化復号器102により使用されることのできる符号化方式のリストである。
【0062】
次に、移動交換機103は、IPネットワーク106を介して移動交換機107に着信要求のパケットを送信する。着信要求のパケットには、トランスコーダ制御情報として、移動端末101からのコーデック種別リストが含まれている。
【0063】
コーデック種別リストを含む着信要求のパケットを受信した移動交換機107は、その着信要求を移動端末110に送る。
【0064】
コーデック種別リストを含む着信要求を受信した移動端末110は、移動端末101からのコーデック種別リストと、自身の符号化復号器111で使用されることのできる符号化方式とから、移動端末101および移動端末110の双方で使用されることのできる符号化方式を抽出する。そして、移動端末110は、抽出された符号化方式のコーデック種別リストを含む着信受付を移動端末110に送信する。この着信受付は、着信要求を受け付けた旨を示す信号である。
【0065】
次に、移動端末110から着信受付を受信した移動交換機107は、コーデック種別通知のパケットを移動交換機103に送る。コーデック種別通知のパケットは、移動端末の符号化復号器により使用されることのできる符号化方式のリストを通知するためのパケットである。このコーデック種別通知のパケットには、トランスコーダ制御情報としてコーデック種別リストが含まれている。
【0066】
コーデック種別通知のパケットを受信した移動交換機103は、そのパケットのトランスコーダ制御情報にあるコーデック種別リストに含まれている符号化方式を1つ選択し、内部の符号変換器104をバイパスし、移動端末101にコーデック制御要求を送る。コーデック制御要求は、移動端末に符号化方式を指示するための信号である。このコーデック制御要求には、選択された1つの符号化方式を示すコーデック種別が含まれている。
【0067】
コーデック制御要求を受信した移動端末101の符号化復号部102は、それ以降、指示された符号化方式を用いる。
【0068】
また、移動交換機103は、符号化方式の選択を指示するコーデック制御要求のパケットを移動交換機107に送る。このコーデック制御要求のパケットは、移動端末101に指示したのと同じ符号化方式を選択するように移動交換機107に指示するものである。このコーデック制御要求のパケットには、トランスコーダ制御情報として、選択を指示される符号化方式が含まれている。
【0069】
コーデック制御要求のパケットを受信した移動交換機107は、移動端末110にコーデック制御要求を送る。このコーデック制御要求には、コーデック制御要求のパケットに含まれていた符号化方式がコーデック種別として含まれている。
【0070】
コーデック制御要求を受信した移動端末110の符号化復号部111は、それ以降、指示された符号化方式を用いる。
【0071】
移動端末110のユーザが着信に応答すると、移動端末110は、着信応答を移動交換機107に送る。着信応答は、着信に対する応答を移動交換機に通知するための信号である。
【0072】
着信応答を受信した移動交換機107は、着信応答のパケットを移動交換機103に送る。着信応答のパケットを受信した移動交換機103は、応答を移動端末101に送る。この応答は、移動端末101からの発信要求に対する応答を示す信号である。
【0073】
このようにして、移動端末101と移動端末110とのバイパス接続による通話が開始される。
【0074】
図8は、図7と同じく、本実施形態の通信システムが呼設定においてバイパス接続をするときの動作を示すフローチャートである。
【0075】
図8を参照すると、まず、発側の移動端末101は、呼設定の開始とともに、自身のコーデック種別リストを着側の移動端末110に送る(ステップB1)。次に、着側の移動端末110は、自身のコーデック種別リストを収集する(ステップB2)。次に、移動端末110は、移動端末101のコーデック種別リストと自身のコーデック種別リストを比較する(ステップB3)。
【0076】
次に、移動端末110は、移動端末101および自身の双方のコーデック種別リストに含まれている符号化方式があるか否か判定する(ステップB4)。
【0077】
双方のコーデック種別リストに含まれている符号化方式がなければ、通信システムはタンデム接続により移動端末101と移動端末110の間の通話を確立する(ステップB5)。
【0078】
双方のコーデック種別リストに含まれている符号化方式があれば、移動端末110は、双方に含まれている符号化方式のコーデック種別リストを作成する(ステップB6)。次に、移動端末110は、作成されたコーデック種別リストを発側の移動交換機103に通知する(ステップB7)。
【0079】
移動交換機103は、移動端末110から通知されたコーデック種別リストから1つの符号化方式を選択する(ステップB8)。また、移動交換機103は、その選択された符号化方式を移動端末101および移動端末110に指示する(ステップB9)。
【0080】
そして、通信システムはバイパス接続により移動端末101と移動端末110の間の通話を確立する(ステップB10)。
【0081】
したがって、本実施形態の通信システムによれば、IPネットワーク106を介した移動端末101と移動端末110との呼設定時にバイパス接続をできるので、IPネットワークで中継される移動端末間の音声品質の劣化が通話開始時から低減される。
【0082】
一般的に通信システムでは、様々な付加サービスが提供されており、ユーザは端末のプッシュボタン等を操作することによりこれらの付加サービスを利用できる。
【0083】
バイパス接続では、発側の移動端末101と着側の移動端末110とが同じ符号化方式であるという前提で移動交換機103および移動交換機107の一対の符号変換器をバイパスする。バイパス接続では音声信号は移動通信システムに特有の符号化方式でIPネットワーク106内を転送されるので、移動端末101あるいは移動端末110を、そのまま付加サービスのためのサービストランクあるいは音源に接続することができない。つまり、付加サービスを受けるためには、通信システムはバイパス接続をタンデム接続に切り替える必要がある。
【0084】
本実施形態の通信システムは、ユーザからの付加サービス要求により、バイパス接続とタンデム接続を切り替えることができる。
【0085】
図9は、本実施形態の通信システムが、ユーザの要求によりバイパス接続からタンデム接続に切り替えるときの動作を示すシーケンス図である。
【0086】
図9を参照すると、移動端末101と移動端末110は、当初、バイパス接続により通話中である。ここで、移動端末101のユーザが付加サービスを利用するための操作をすると、移動端末101は、移動交換機103に付加サービス要求を送る。付加サービス要求は、移動端末が移動交換機に対して付加サービスの利用を求めるための信号である。
【0087】
付加サービス要求を受信した移動交換機103は、要求された付加サービスを利用するためにタンデム接続に戻す必要があるか否か判定する。
【0088】
その必要があれば、移動交換機103は、タンデム接続要求のトランスコーダ制御情報をユーザパケットに挿入する。タンデム接続要求は、移動交換機が対向する移動交換機に、バイパス接続からタンデム接続への切り替えを要求するための信号である。
【0089】
タンデム接続要求を受信した移動交換機107は、それまでバイパスされ使用されていなかった符号変換器109を使用し、タンデム接続応答のトランスコーダ制御情報をユーザパケットに挿入する。タンデム接続応答は、タンデム接続要求を受信した移動交換機が、タンデム接続要求に応じてタンデム接続に切り替えた旨を、対向する移動交換機に通知するための信号である。
【0090】
タンデム接続応答を受信した移動交換機103は、それまで使用されていなかった自身の符号変換器104を使用する。
【0091】
このようにして、通信システムは、移動端末101と移動端末110との通話をバイパス接続からタンデム接続に切り替える。これにより、移動端末101は、サービストランクや音源に接続可能となり、付加サービスの利用が可能となる。
【0092】
なお、本実施形態の通信システムは、移動端末101からの付加サービスの利用が終了すると、図9と同様の手順でタンデム接続からバイパス接続に戻る。
【0093】
したがって、本実施形態の通信システムによれば、移動端末101と移動端末110とがバイパス接続で通話中にユーザから付加サービスの要求があったとき、その付加サービスを提供するにはタンデム接続に戻す必要があれば、タンデム接続に戻る。また、このときの移動交換機間のトランスコーダ制御情報はユーザパケットのIPヘッダ内のフィールドで転送されるため、切り替え制御のために音声信号が欠落することがない。
【0094】
本発明の他の実施形態について図面を参照して説明する。
【0095】
図10は、本発明の他の実施形態の通信システムの構成を示すブロック図である。図10に示された通信システムは、図1のものと異なり、IP交換機に接続された固定電話間の通話をIPネットワークで中継するVoIPのシステムである。図10の通信システムは、IP交換機204,206、電話機201,209およびIPネットワーク205を有している。
【0096】
IPネットワーク205は、IPパケット化されたデジタル音声信号のユーザ情報をIPヘッダを参照してルーチングし、電話機201と電話機209の間の通話を可能とする。電話機201と電話機209とは、IPネットワーク205を介したVoIPで通話可能である。
【0097】
電話機201,209は一般的な固定電話である。
【0098】
IP交換機202は、符号化復号器(Codec)203および制御部204を含んでいる。符号化復号器203は、電話機201からのアナログ音声信号を、VoIPで用いられる符号化方式で符号化し、また、その符号化方式の信号をアナログ音声信号に復号する。VoIPで用いられる符号化方式は、低ビットレートから高ビットレートまで速度を変更可能であり、網内の負荷状態等により変更される。制御部204は、呼設定、通話路の設定、呼への符号化復号器203の割り当て、VoIPの各呼の速度変更などの処理を行う。
【0099】
同様に、IP交換機206は、符号化復号器208および制御部207を含んでいる。符号化復号器208は、電話機209からのアナログ音声信号を、VoIPで用いられる符号化方式で符号化し、また、その符号化方式の信号をアナログ音声信号に復号する。制御部207は、呼設定、通話路の設定、呼への符号化復号器208の割り当て、VoIPの各呼の速度変更などの処理を行う。
【0100】
IPネットワーク205の負荷が高くなると、IPパケットのIPネットワーク205内での遅延が増加する。そのため、IPネットワーク205の負荷が高くなると、制御部204および制御部207は、IPネットワーク205で中継される音声信号の符号化方式を情報量の少ない低ビットレートのものに変更する。これにより、IPネットワーク205内の負荷が緩和され、IPパケットの遅延が低減される。
【0101】
IPネットワーク205の負荷が下がってくると、制御部204および制御部207は、符号化方式を音声品質がよい高ビットレートのものに変更する。なお、IPネットワーク205の負荷状態は、IPパケットの遅延量の測定などから既存の技術により把握される。
【0102】
図11は、図10の通信システムが音声信号の符号化方式を低ビットレートのものから高ビットレートのものに変更するときの動作を示すシーケンス図である。図11を参照すると、電話機201と電話機209の通話は高い音声品質を得るために、当初、IPネットワーク205内において高ビットレートの符号化方式とされている。ここで、IPネットワーク205の負荷が高くなったことを検出すると、IP交換機202は、IP交換機206へのユーザパケットのトランスコーダ制御情報のフィールドに、低速接続要求を挿入する。低速接続要求は、IP交換機が対向するIP交換機に音声符号化方式を低ビットレートのものに変更することを要求するための信号である。
【0103】
低速接続要求を受信したIP交換機206は、IP交換機202へのユーザパケットのトランスコーダ制御情報に低速接続応答を挿入する。そして、IP交換機206は、符号化復号器208の符号化方式を低ビットレートのものに変更する。低速接続応答は、低速接続要求に応じて、音声符号化方式を低ビットレートのものに変更する旨を、対抗するIP交換機に通知する信号である。
【0104】
低速接続応答を受信したIP交換機202は、符号化復号器203の符号化方式を低ビットレートのものに変更する。これにより、IPネットワーク205の負荷が緩和され、IPパケットの遅延が低減される。
【0105】
図12は、図10の通信システムが符号化方式を高ビットレートのものから低ビットレートのものに変更するときの動作を示すシーケンス図である。図12を参照すると、電話機201と電話機209の音声信号は、IPパケットの遅延を低減するために、当初、IPネットワーク205内において低ビットレートの符号化方式とされている。ここで、IPネットワーク205の負荷が低くなったことを検出すると、IP交換機202は、IP交換機206へのユーザパケットのトランスコーダ制御情報のフィールドに、高速接続要求を挿入する。高速接続要求は、IP交換機が対向するIP交換機に音声符号化方式を高ビットレートのものに変更することを要求するための信号である。
【0106】
高速接続要求を受信したIP交換機206は、IP交換機202へのユーザパケットのトランスコーダ制御情報に高速接続応答を挿入する。そして、IP交換機206は、符号化復号器208の符号化方式を高ビットレートのものに変更する。高速接続応答は、高速接続要求に応じて、音声信号の符号化方式を高ビットレートのものに変更する旨を対抗するIP交換機に通知するための信号である。
【0107】
高速接続応答を受信したIP交換機202は、符号化復号器203の符号化方式を高ビットレートのものに変更する。これにより、電話機201と電話機209の間の音声品質が向上する。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、IPネットワークを介して接続された移動交換機に登録された移動端末間の通話が、移動交換機による符号化方式の変換なしに直接接続されるので、IPネットワークで中継された移動端末間の通話の音声品質の劣化が低減される。
【0109】
また、本発明によれば、音声符号を制御するために、移動交換機間の制御信号がIPヘッダ内のフィールドを利用して転送されるので、接続の切り替え制御のために音声信号が欠落することがない。
【0110】
また、本発明によれば、IPネットワークを介した移動端末間の呼設定時に、移動交換機による符号化方式の変換のない接続がされるので、IPネットワークで中継される移動端末間の音声品質の劣化が通話開始時から低減される。
【0111】
また、本発明によれば、移動交換機による符号化方式の変換のない接続による通話中に、ユーザから付加サービスの要求があったとき、その負荷サービスが移動端末の符号化方式では利用できないものであれば、移動交換機により汎用的な符号化方式に変換する接続に切り替わるので、良好な通話の音声品質と付加サービスの利用性が両立される。
【0112】
また、本発明によれば、IPネットワークで中継される音声通信において、IPネットワークの負荷が高くなると、符号化方式のビットレートが下がってIPネットワークの負荷が低減され、IPネットワークの負荷が低いときには、符号化方式のビットレートが上がって音声品質が向上するので、IPネットワークの過負荷が防止され、かつ、できるだけ良好な通話の音声品質が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の通信システムにおける、一対の符号変換器を含む通話路の接続を示す図である。
【図3】図1の通信システムにおける、符号変換器を含まない通話路の接続を示す図である。
【図4】図1に示された通信システムの接続切り替え動作を示すシーケンス図である。
【図5】図1の実施形態における、トランスコーダ制御情報を含んだユーザパケットのフォーマットを示す図である。
【図6】バイパス接続への切り替えが可能であるか否か判定するときの移動交換機の動作をフローチャートである。
【図7】図1の通信システムが呼設定においてバイパス接続をするときの動作を示すシーケンス図である。
【図8】図1の通信システムが呼設定においてバイパス接続をするときの動作を示すフローチャートである。
【図9】図1の通信システムが、ユーザの要求によりバイパス接続からタンデム接続に切り替えるときの動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の他の実施形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図11】図10の通信システムが音声信号の符号化方式を低ビットレートのものから高ビットレートのものに変更するときの動作を示すシーケンス図である。
【図12】図10の通信システムが符号化方式を高ビットレートのものから低ビットレートのものに変更するときの動作を示すシーケンス図である。
【図13】従来の移動通信システム間の通話において設定される通話路を示す図である。
【符号の説明】
101,110 移動端末(MT)
102,111,203,208 符号化復号器(Codec)
103,107 移動交換機(MSC)
104,109 符号変換器(Transcoder)
105,108,204,207 制御部
106,205 IPネットワーク
201,209 電話機
202,206 IP交換機
A1〜A3,B1〜B10 ステップ

Claims (7)

  1. 音声信号の符号化方式を変換することのできる少なくとも2つの移動交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、前記2つの移動交換機にそれぞれ登録された2つの移動端末間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を通話中に制御する音声符号制御方法であって、
    パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより符号化方式を照合し、前記2つの移動端末で用いられている符号化方式が一致しているか否か判定するステップと、
    前記符号化方式が一致していれば、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信するステップと、
    前記符号化方式が一致していなければ、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を行い、前記IPネットワーク内の音声信号を汎用的な符号化方式にするステップを有する音声符号制御方法。
  2. 一方の移動交換機が、他方の移動交換機から該他方の移動交換機に登録された移動端末で用いられている符号化方式の情報を取得し、取得された情報と自身に登録されている移動端末で用いられている符号化方式とを比較することにより、前記2つの移動端末で用いられている符号化方式が一致しているか否か判定する、請求項1記載の音声符号制御方法。
  3. 音声信号の符号化方式を変換することのできる少なくとも2つの移動交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、前記2つの移動交換機にそれぞれ登録された2つの移動端末間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を呼設定時に制御する音声符号制御方法であって、
    呼設定時に、パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより符号化方式を照合し、双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式があるか否か判定するステップと、
    双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式があれば、双方の前記移動端末に該符号化方式を用いることを指示し、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信するステップと、
    双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式がなければ、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を行い、前記IPネットワーク内の音声信号を汎用的な符号化方式にするステップを有する音声符号制御方法。
  4. 発信側の移動交換機から着信側の移動交換機に、発信側の移動端末で用いられることのできる符号化方式を通知し、前記着信側の移動交換機で、双方の前記移動端末で用いられることのできる符号化方式があるか判定し、
    双方の移動端末で用いられることのできる符号化方式があれば、該符号化方式を前記着信側の移動交換機から前記発信側の移動交換機に通知し、
    前記発信側の移動交換機から双方の前記移動端末に共通の符号化方式を用いることを指示する、請求項3記載の音声符号制御方法。
  5. 音声信号の符号化方式を変換することのできる少なくとも2つの移動交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、2つの移動交換機にそれぞれ登録された2つの移動端末間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を通話中に制御する音声符号制御方法であって、
    予め、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信するステップと、
    いずれかの移動端末から、前記移動端末間の音声信号の符号化方式では利用できない付加サービスが要求されると、パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて前記2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより相互に確認しながら、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を開始し、前記IPネットワーク内の音声信号を汎用的な符号化方式にするステップを有する音声符号制御方法。
  6. 前記付加サービスの利用が終了すると、パケットのIPヘッダの前記フィールドを用いて前記2つの移動交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信し、双方の前記移動交換機による音声信号の符号化方式の変換を停止して、前記2つの移動端末間の音声信号をパケットに直接載せて前記IPネットワークを介して送受信する、請求項5記載の音声符号制御方法。
  7. ビットレートの異なる複数の符号化方式のうちの任意の符号化方式より、アナログ音声信号を符号化し、また復号することのできる少なくとも2つのIP交換機がIPネットワークを介して接続された通信システムにおいて、2つのIP交換機にそれぞれ収容された2つの電話機間の音声信号の前記IPネットワーク内での符号化方式を通話中に制御する音声符号制御方法であって、
    いずれかのIP交換機で前記IPネットワークの負荷が高くなったことを検出すると、パケットのIPヘッダの所定のフィールドを用いて2つのIP交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより相互に確認しながら、前記2つのIP交換機の符号化方式を低ビットレートのものに変更するステップと、
    いずれかのIP交換機で前記IPネットワークの負荷が低くなったことを検出すると、パケットのIPヘッダの前記フィールドを用いて2つのIP交換機間で所定のシーケンスに従って相互に通信することにより相互に確認しながら、前記2つのIP交換機の符号化方式を高ビットレートのものに変更するステップを有する音声符号制御方法。
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