JP4361866B2 - 能動的に騒音を低減するための装置と方法、ならびに航空機用のエンジン - Google Patents

能動的に騒音を低減するための装置と方法、ならびに航空機用のエンジン Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の前提部分おいて書き部に係る能動的(アクティブ)に騒音(ノイズ)を低減するための装置、エンジン(それも特に航空機のエンジン)へのこの装置の使用、能動的に騒音を低減するための方法、ならびに航空機用のエンジンに関する。
騒音の低減ならびに高い騒音レベル(sound level)の低減がますます重要になってきている。とりわけ、航空機のエンジンの分野では、快適さと環境の理由から、防音と消音のための手段が広く求められている。
特に、能動的な騒音の低減(アクティブ・ノイズ・リダクション)手段ならびにそのハイブリッド型が従来技術において公知である。能動型の技術は、例えば、journal Aeroacoustics, Volume 1, Number 1, 2002, 第53頁(非特許文献1)に記載されている。この文献では、振動膜形態のスピーカが、もともとの(1次の)音の場をキャンセルするような2次的な音の場を生成するのに用いられる。また、スピーカないしアクチュエータは、1次の音場における音源の直ぐ近く、特にエンジンの静翼の上に配置される。しかしながら、アクチュエータを取り付けるために利用できるスペースがほんの少ししかない上に、静翼が極めて薄く作られているという問題がある。加えて、利用可能な取り付けスペースに限界があることから、生成される音のレベル(騒音レベル)が非常に小さくて、1次音場のほんの僅かな割合しか低減されない。つまり、音響学的アクチュエータでは、組み立て寸法、重さ、及びパワー消費量が、多くの用途にとって大き過ぎるために、大きな音のレベルを生成することが殆ど不可能なのである。
電動変換機もしくは圧電効果を用いる変換機といったような電磁的な変換機によって駆動される振動膜が用いられる場合、一般に振動膜の機械‐音響学的効率性は極めて低い。加えて、低周波に対しては大きな面積が必要になる。そのため、組み立て寸法、重さ、及びパワー消費量に限度があるような用途においては、音響アクチュエータないし振動膜を用いると、1次音場を大体消してしまうのに適すると思われる大きさの音のレベルは殆ど適切に生成できない。
また、ハイブリッド型の仕様が知られている。この場合には、受動素子が吸音に用いられる。受動素子は、例えば、ヘルムホルツ共鳴器を利用することによる共鳴特性を用いる。既に述べたjournal Aeroacoustics, Volume 1, Number 1, 2002の第52頁(非特許文献2)には、エンジン内の吸音用のアクティブ・ヘルムホルツ共鳴器が開示されている。ヘルムホルツ共鳴器の効果は、狭い周波数領域に限られるので、例えばロータのRPMの変化といった特定の要求に合わせて共鳴器の特性を適合させるために能動素子が用いられる。
「Active Resonators for Control of Multiple Spinning Modes in an Axial Flow Fan Inlet」B.E. Walker and A.S. Hersh著, 1999, American Institute of Aeronautics & Astronautics, 第339-343頁の論文(非特許文献3)には、エンジン内の騒音低減に用いられる能動的に制御されたヘルムホルツ共鳴器が詳しく記載されている。特定の周波数に調整するために、ヘルムホルツ共鳴器の容積がアクチュエータによって制御される。
こういったハイブリッド型の仕様ないし技術は、確かに既存の、純粋な能動型の仕様を改善することにはなるものの、それでも2次の音場は生成されず、音を相殺するに至らない。
「Optimization of Flow Distortions for Fan Noise Reduction with One-Sided Actuators」 C.Pietelet et al, AIAA 2001-2219の論文(非特許文献4)の場合には、エンジンのインテークに干渉ロッドが取り付けられている。それらは、自ら音を発することはないが、ロータの流入時に干渉を引き起こし、それによって、2次音がロータから放射される。しかしながら、この種の構成は、1次音場の変化に適応させることが難しく、そのために著しく柔軟性に欠けるという欠点を有している。これ以外の欠点は、ロータの空気力学に対して悪影響があることと、安全基準及び安全規定の遵守に際してかなり問題があるということである。
また、従来技術では、キャビティが流れにさらされることで発生する音が抑制されている。この場合には、音は、流れの不安定性によって生じる。キャビティは、これらの流れを所定の周波数で強く励起するが、これが非常に大きな騒音となるのである。こういった音を抑えて騒音が発生しないようにするために、アクチュエータが用いられる。アクチュエータを用いることによって、流れの不安定性が励起されないように共鳴特性が操作される。このようにして、不安定性によるチャンバの共鳴特性との相互作用が防止される。
公知文献、独国実用新案出願公開第29611884号明細書(特許文献1)では、スピーカを用いることで排気ガスダクト内にアンチノイズ(相殺音)が生成される。この場合、チャンバは、スピーカの前方で正圧を生成するために排気ガスダクトとスピーカとの間に配置され、これにより、排気ガスダクトからの燃焼残留物やダストといった侵食性のガスからスピーカを保護している。
独国実用新案出願公開第29611884号明細書 journal Aeroacoustics, Volume 1, Number 1, 2002, 第53頁 journal Aeroacoustics, Volume 1, Number 1, 2002, 第52頁 「Active Resonators for Control of Multiple Spinning Modes in an Axial Flow Fan Inlet」B.E. Walker and A.S. Hersh著, 1999, American Institute of Aeronautics & Astronautics, 第339-343頁 「Optimization of Flow Distortions for Fan Noise Reduction with One-Sided Actuators」 C.Pietelet et al, AIAA 2001-2219
上述の従来技術の欠点に鑑み、本発明の課題は、大きな音のレベルを発生させることができる一方で、ほんの僅かなパワーしか必要としないような、騒音を低減するための装置ならびに方法を提供することにある。また、能動的に騒音を低減するにために非常に僅かな取り付けスペースと少ないパワーしか要らないような、動作中に極めて静かな航空機エンジンを作製しなければならない。
この課題は、請求項1に係る能動的に騒音を低減するための装置、請求項14に係る該装置の使用方法、請求項15に係る能動的に騒音を低減するための方法、及び請求項18に係る航空機エンジンによって解決される。本発明のさらなる優れた特徴、態様、ならびに詳細は、独立請求項、明細書、及び図面に提示されている。
能動的な騒音の低減(アクティブ・ノイズ・リダクション)のための本発明の装置は、内部にチャンバが形成されたハウジングと、前記チャンバの壁部に形成されたチャンバ開口部とを備えてなり、前記チャンバ開口部は、ガスの流れ(ガスフロー)から見て横の方に(脇に)設置されているか又は設置可能とされており、さらに、調整可能な転向(ないし偏向)装置が一つのチャンバ開口部に設けられ、該転向装置は、第1の姿勢位置においては、前記チャンバ開口部に沿って流れているガスの流れを少なくとも一部前記チャンバ内に向けてそこにガスを詰め込むようにし、第2の姿勢位置においては、このガスを前記チャンバからガスの流れへと導いて前記チャンバ内のガスを解放するように設けられている。
このようにして、稼動中、1次音場に重なって少なくともこれを部分的に打ち消す大きな音量(騒音レベル)を生成することができ、そのとき、構造の大きさ、重さ、そして消費するパワーも低いレベルに保つことができる。本発明の装置によれば、高い効率が得られる。必要なパワーは、ガスないし空気の流れから引き出される。その際、この空気の流れは、一定であっても構わない。制御には、単に空気の流れを偏向するのに使われるだけのほんの僅かのパワーしか要らない。本発明の装置の構成は、比較的単純であり、僅かなスペースと重さしか使わない。
本発明においては、大きな音圧を発生させるために、空気音響学的な音の発生メカニズム(aeroacoustic sound origination mechanism)が利用される。このメカニズムは、ホイッスルならびにキャビティを吹き鳴らすときの音の発生をつかさどるものでもある。この原理によれば、音の発生は、自由境界層流内の不安定性によって引き起こされる。この圧力及び速度変動が音響学的な共鳴器に結合される。チャンバによって形成された共鳴器は、自由境界層の発生個所に変動成分の音響学的なフィードバックを生じさせる。共鳴器のこの応答が、特定の周波数の場合に、不安定性を大きくする音響学的フィードバック条件を生じさせる。つまり、共鳴が起きる。或る一定の過渡的な応答時間が経過すると、この働きにより、圧力の強い変動(増減)が共鳴器内に生成され、音として放射される。共鳴が発生した場合には、自由境界層の流れが共鳴周波数のリズムで共鳴器内の空間に取り込まれたり、吐き出されたりする程に不安定性が吹き起されたが、これは流体粒子の圧縮に起因するものである。この場合、共鳴器内部における音響的な圧力変動へ速度変動を変換することがかなり効果的なプロセスであるという事実が利用される。流体粒子は、直接圧縮されたり解放されたりするが、これは音の発生メカニズムそのものの特徴である。
本発明は、この効果を役立つ仕方で利用し、それによってフロー内の、あるいはフローダクト内の音を減らすようにする。もっとも、境界層流中の不安定性によるストカスティックな励起は使用せず、転向装置がその代わりに用いられる。この装置によって、音の発生プロセスの決定論的な励起が可能になり、つまりはチャンバの容積内への空気流の導入、又は容積外への空気流の導出が可能になる。
生成される音場の位相ならびに振幅は、転向装置制御ユニットによって調節可能とされているため、この音の生成器は、能動的な音の調節に適したものである。
調整可能に配置された転向装置を用いることにより、チャンバ内に交番する圧力が生成され、チャンバ開口部を通して音として放射される。この放射された音がもとの1次の音場に重なって、この1次音場を低減する。
このようにして、放射される音の周波数は、転向装置が第1の姿勢位置にある間、ならびに第2の姿勢位置にある間の期間によって決定することができる。音圧変動の位相は、チャンバ内に導入される空気流の位相に対して決まった関係にある。この関係により、音圧は、チャンバ内に導入される空気の量、又は転向装置のための励起信号の振幅ならびにチャンバ容積に依存する。
有利には、転向装置はゲート(門扉/フラップ弁)を備え、このゲートが軸の周りに回動され、このとき、前記軸がガスフローの流れの方向に対して垂直な方向に揃えられている。この結果、本発明の装置は、構成に特に費用をかけないで実現することができる。
転向装置は、片側が取り付けられた揺動するプレートとして設けることもできる。
チャンバは好ましくは共鳴器として設けられ、このとき、転向装置は、チャンバ開口部の上流側にあるエッジ(縁部)上に配置されている。空気流は、転向装置の励起信号に対して比例して指向されることが好ましい。
好ましくは、ガスフロー用のフローダクトがチャンバ開口部よりも少なくとも上流側に配置され、チャンバ開口部の傍にガスフローを案内するのに用いられる。フローダクトは、本発明の装置の一部とすることもできるし、あるいは、既存のフローダクト(例えばエンジン)が上記のフローダクトに用いられるように本発明の装置を設計することもできる。
有利には、転向装置は転向面を備えてなり、この転向面が、初期の姿勢位置では、ガスフローに直面しかつガスフローに対して斜めに向けられ、第2の姿勢位置では、ガスフローに背を向けるようにガスフローと反対方向の向きかつガスフローに対して斜めに向けられる。このようにして、比較的安いコストでチャンバに向けてガスフロー(ないしはその一部)を正確に転向させることができ、それと同じようにして、転向装置の第2の姿勢位置では、チャンバ内にあるガスを正確に解放することができる。
有利には、装置は、転向装置に接続された駆動ユニットおよび/または制御ユニットを備えている。転向装置は、例えば弾性部材を備えていてもよい。これにより零点方向に作用する復元力が転向装置に働き、その結果、周波数が高められた場合でも転向装置が効果的かつ効率的に機能するようになる。
好ましくは、チャンバは、調整可能なチャンバ壁部を備えている。このようにして、チャンバ容積は、所与の要求に応じて調整することができる。稼動中に本発明の装置により生成された音圧は、チャンバ容積に依存するとともに、チャンバ内に導入された空気の量に依存する。従って、音圧は、調整可能なチャンバ壁部を用いることによって柔軟に調節することができる。
特に好ましいのは、ガスフローがエンジンの吸気口の流れによって形成される場合である。このようにして、エンジンの騒音を低減するために必要なエネルギーは、直接的にガスないし空気の流れから取り出され、その結果、本装置を稼動させるためにいかなる複雑な動力供給源も必要としない。
もっとも、圧縮空気を個別に供給することによってガスフローが形成されるというものでも構わない。一般に、ガスないし空気の流れは、既存のユニットから生成することができ、この場合、圧縮空気供給機が斯かるユニットの例に相当する。
とりわけ、フローダクトは、航空機のエンジン・インテークによって形成することができる。
本発明の特殊な観点によれば、本発明の装置をエンジンに、それも特に航空機のエンジンに用いることが提供される。
本発明の他の観点によれば、アクティブ・ノイズ・リダクション(能動的な騒音の低減)のための工程が提供される。この工程には、次のステップが含まれる:
ガスフローをチャンバ内に少なくとも部分的に転向し、チャンバ内の圧力を高めるステップ;
チャンバの内側が最大圧に達したら、チャンバの傍を通り過ぎるようにガスフローを案内するステップ;
チャンバ内にあるガスを導いて上記ガスフローに戻し、チャンバ内の圧力を解放するステップ;
これらのステップを周期的に連続して行なう。
騒音を低減するために、非常に大きな騒音レベル(音量)が本発明の方法により生成できる。にもかかわらず、これを実現するのにほんの僅かなパワーしか要らない。言い換えれば、本発明の方法を用いてとりわけ高い効率が得られている。これは、騒音を低減するためのエネルギーが既存のガスないし空気の流れから引き出されるためである。
本発明の方法は、有利にも、本発明の装置を用いて行なわれる。特に本方法は、エンジンの運転時に行なうことができる。これにより、エンジン音の放射を著しく低減することができる。装置に関して上述された特性と長所はまた、本発明の方法にも当てはまる。
さらに、本明細書に記載されるようなアクティブ・ノイズ・リダクションのための本発明の装置を備えてなる航空機用のエンジンが提供される。
以下に、図による実例を示しながら本発明を詳述する。
図1aは、第1の動作段階にある吸音のための装置10を示す。装置10は、ハウジング11から構成され、このハウジングの内側にチャンバ12が設けられている。チャンバ12は、壁部12aにチャンバ開口部13を有している。チャンバ開口部は、チャンバ12の一方の側に配置され、動作中にその上方を空気やガスの流れ(ガスフロー)14がかすめて通過していく。チャンバ12の壁部12a(この壁部内にチャンバ開口部13がある)は、チャンバ12の上流側に存在するガスフロー14の方向に対して平行になるように向きが整えられている。
チャンバ開口部13aの領域には、本発明の実施形態ではプレートの形状を有した転向装置15が配置されている。転向装置15は、導きこまれるガスフロー14の方向に対して垂直な方向に向けられた軸Aの周りに回動される。
プレート形の転向装置15は、様々な姿勢をとることができる。その姿勢は、ガスフロー14が少なくとも部分的にチャンバ内に導き入れられ得るような姿勢、あるいは、チャンバ開口部13の外側を走り抜けようとしているガスフロー14に向けてチャンバ12の外へガスが導かれ得るような姿勢である。図1aに示される第1の段階では、転向装置15は、ガスフロー14に向けて傾けられ、その結果、流れているガスが転向装置15の斜めに置かれた下側面15aに当たることになるため、ガスは、その流れの方向が転向(偏向)されてチャンバ12内に導かれる。この第1の段階では、圧力は増加し、つまりは、チャンバ12内へのガスの流入によってカウンタ圧力(対抗圧力)が蓄積する。
チャンバ開口部13の上流側に位置する端には、縁部16があるため、ガスフロー14からのガスは、チャンバ開口部13を通ってチャンバ12内にガスが入るときに、転向のため、つまりは転向装置15によって引き起こされた流れの方向の変化によって縁部16の傍を通るように導かれ、該縁部をかすめて行くことになる。
チャンバ12の上流側の側方には、フローダクト17が設けられている。このフローダクトは、ガスフロー14のためのガイド部として用いられ、さらには、装置10を構成する一部とすることができる。しかしながら、同様に、装置10は、既存のフローダクトに対して側方に取り付けることもできる。
チャンバ12は、その一方の側に調整可能なチャンバ壁部18を有しているので、チャンバの容積は、可変に調節できる。図示された実施形態においては、調整可能なチャンバ壁部18は、チャンバ12のチャンバ開口部13の反対側に設けられている。チャンバ容積を制御しかつ要求に適うようにするために、進退自在のチャンバ壁部18に、制御機構及び駆動機構(図示せず)が接続されている。
図1bは、第2の段階(90°)における装置10を示す。この段階では、プレート形の転向装置15は、ガスフロー14の方向に対して平行に向きが揃えられている。この体勢では、ガスフロー14は偏向されず、その代わりプレート形の転向装置15の上側においてチャンバ開口部13上をかすめて行くので、ガスは、チャンバ12の傍を通り過ぎるように導かれる。この段階では、チャンバ12内の圧力は、圧力最大値に達している。図1において、圧力は、概略的に円を用いて記号化されており、この場合、直径が振幅に対する尺度を表す。本実施形態では、図1b内の黒丸が、チャンバの外側にあるガスの流れの部分に対して正圧がチャンバ12内に存在していることを示している。
図1cは、第3の段階(180°)における装置10を示す。この段階では、転向装置15は、フローダクト17内のガスの流れが転向装置の上側を通り過ぎるように導かれてチャンバ12内に入らないようにしながら、その一方でチャンバ12内部のガスがチャンバ開口部13を通って外に出ることができるように傾けられるため、チャンバ内部のガスは膨張できるようになる。つまり、転向装置15は、ガスフロー14の流れの向きに対して斜めに置かれるため、チャンバ開口部13は、開口部に向かうガスの流れに対して閉鎖される。傾けられた転向装置15の下側面15aでは、チャンバ12からのガスが、上側周りに導かれるガスの流れの方に向けて導かれる。
図1dは、第4の段階(270°)における本発明の装置10を示す。この段階では、チャンバ12内の圧力が最小になっている。この段階において、最小圧力は、図1cに示された膨張プロセスの緩慢さによってもたらされたものである。図示された第4の段階において、転向装置15は、再びガスフロー14の方向に対して平行な向きになっており、そのため、ガスフロー14は、転向装置15を用いることによってチャンバ開口部13の傍を通り過ぎるように導かれる。この段階でチャンバ12内に存在している真空(負圧)は、図1dにおいて白丸によって記号化されている。
続いて、サイクルが最初(つまり図1aの第1の段階に示されたように)からスタートし、ガスないし空気が転向装置15を用いることでチャンバ12内に導かれ、その後、後続の段階が連続して実行される。
上述の図1a〜図1dに示されるように、空気ないしガスのフローは、転向装置15を用いることによってチャンバ12内に制御可能に導かれる。転向装置15を調整することで、交番する圧力がチャンバ12内に生成される。交番する圧力は、チャンバ開口部13を通して音として放射される。動作中には、空気ないしガスのフローは、転向装置15の励起信号に比例して外に導かれる。
放射される音の周波数は、図示された段階の継続時間によって決定される。このとき、音圧の増減(波動)の位相は、チャンバ12内に導入されるガスフローの位相と決まった関係にある。音圧は、チャンバ12内に導入される空気の量と、チャンバの容積とに依存している。然るべき制御ユニットを用いることで、導入される空気の量を転向装置15が決めるのに当たって、励起信号の振幅が用いられる。チャンバ容積は、調整可能なチャンバ壁部15を用いることで調節される。
本発明では、空気音響学的な音の発生(aeroacoustic sound origination)メカニズムが、騒音を低減するのに用いられる。その上、必要なパワーは、利用可能なガスの流れから取り出される。この目的のために、ガスの流れの向きが、側方に(脇に)取り付けられたチャンバ12内へと変更され、このとき、ガスの流れは減速され、利用できるチャンバ容積に限りがあることからガスの流れが圧縮される。次に、ガスフローは、チャンバ開口部13を迂回して導かれ、このとき、圧縮されたガスは、チャンバ12内でチャンバ開口部13を介して開放可能とされる。密度の変化によって生成される音は、チャンバ開口部13を通して放射され、この音が、うるさいもとの音場に重なり、位相と周波数の適切な制御を用いれば、もとから存在する邪魔な音を部分的に相殺することになる。
本発明の装置10は消費するパワーが低いにもかかわらず、騒がしい音場を打ち消すために、かなり大きな騒音レベル(sound level)を生成することができ、このとき、構成は極めて単純で、僅かなスペースや重さしか取らない。
様々な動作段階における本発明の好ましい実施形態を概略的に断面で示す図である。 様々な動作段階における本発明の好ましい実施形態を概略的に断面で示す図である。 様々な動作段階における本発明の好ましい実施形態を概略的に断面で示す図である。 様々な動作段階における本発明の好ましい実施形態を概略的に断面で示す図である。
符号の説明
10 アクティブ・ノイズ・リダクション装置(能動的な騒音低減のための装置)
12 チャンバ
13 チャンバ開口部
14 ガスフロー
15 転向装置

Claims (18)

  1. 内部にチャンバ(12)が形成されたハウジング(11)と、前記チャンバ(12)の壁部に形成されかつガスフロー(14)に対して側方に設けられているか又は設けられるようになっているチャンバ開口部(13)とを備えた能動的に騒音を低減するための装置(10)において、
    前記チャンバ開口部(13)に調整可能に設けられた転向装置(15)を備え、該転向装置(15)は、第1の姿勢において、前記チャンバ開口部(13)を通り過ぎる前記ガスフロー(14)を前記チャンバ(12)内に少なくとも部分的に導いてそこでガスを圧縮し、第2の姿勢において、前記チャンバ(12)内部のガスを解放するために、前記ガスを前記ガスフロー(14)の方へと前記チャンバ(12)の中から外に導くように設けられていることを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、
    前記転向装置(15)は、前記ガスフロー(14)の流れの方向に対して垂直な方向に揃えられた軸(A)の周りに回動される扉を有していることを特徴とする装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の装置において、
    前記転向装置(15)は、片側だけつながれた揺動するプレートとして形成されていることを特徴とする装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置において、
    前記チャンバ(12)は共鳴器として形成され、前記転向装置(15)は、上流側に位置した前記チャンバ開口部(13)の縁部(16)に設置されていることを特徴とする装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装置において、
    前記ガスフロー(14)を前記チャンバ開口部(13)の傍を通り過ぎるように導くために、前記チャンバ開口部(13)の上流側に設けられた前記ガスフロー(14)用のフローダクト(17)を備えていることを特徴とする装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装置において、
    前記転向装置(15)は、転向面(15a)を有し、該転向面は、前記第1の姿勢では、前記ガスフロー(14)に対向するようにして前記ガスフロー(14)に斜めに向けられ、前記第2の姿勢では、前記ガスフロー(14)から背くようにして前記ガスフロー(14)に対して斜めに向けられることを特徴とする装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装置において、
    前記転向装置(15)を調節するための制御ユニットを備えていることを特徴とする装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置において、
    前記転向装置(15)に接続された駆動ユニットを備えていることを特徴とする装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の装置において、
    前記転向装置(15)は、弾性的な部材からなることを特徴とする装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の装置において、
    調整可能なチャンバ壁部(18)を備えていることを特徴とする装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の装置において、
    前記ガスフロー(14)は、エンジンの吸気フローとされていることを特徴とする装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の装置において、
    前記ガスフロー(14)は、圧縮された空気を供給することによって作られることを特徴とする装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の装置において、
    前記フローダクト(17)は、航空機エンジンのインテークとされていることを特徴とする装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の装置をエンジンに使用する方法。
  15. 能動的に騒音を低減するための方法であって、少なくとも一部ガスフロー(14)をチャンバ(12)内へと転向して前記チャンバ(12)内の圧力を増加させるステップと、前記チャンバ(12)内で最大圧力が達成された時点で前記チャンバ(12)を通り過ぎるように前記ガスフロー(14)を向け直すステップと、前記チャンバ(12)内の圧力を解放するために前記チャンバ(12)内にある前記ガスを前記ガスフロー(14)に戻すように導くステップとを有し、これらのステップを周期的に連続して行なう方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、
    門扉の形状をした転向装置(15)を異なる姿勢の間で往ったり来たりさせて振動させ、前記チャンバ(12)内の圧力を周期的に増やしたり減らしたりすることを特徴とする方法。
  17. 請求項15または請求項16に記載の方法において、
    エンジンの稼動中に行なうことを特徴とする方法。
  18. 航空機エンジンにおいて、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の能動的に騒音を低減するための装置を備えていることを特徴とする航空機エンジン。
JP2004528354A 2002-07-16 2003-07-09 能動的に騒音を低減するための装置と方法、ならびに航空機用のエンジン Expired - Fee Related JP4361866B2 (ja)

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