JP4361673B2 - 自動二輪車用サドルバッグのロック構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車用サドルバッグに関し、特にそのロック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車の後輪の左右両側にサドルバッグが取付けられる場合がある。このサドルバッグは、車体フレームに取付けステー等を介して上面が開口するバッグ本体を固定し、このバッグ本体にその上面を覆う蓋をヒンジ結合したものである。このサドルバッグのロック構造として、爪とこれが係合する係止部とからなる従来の一般的なロック構造が適用可能であり、例えば蓋側に爪を有するロック部材を設け、この爪が係止する係止部を有するロック受け部材をバッグ本体側に設けてロック構造を形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の爪とその係止部とからなるロック構造を単にサドルバッグに適用すると、通常樹脂製のサドルバッグが外部から力を受けて弾性変形した場合等に、爪と係止部とが容易に外れてロックが外れるおそれがある。これを防止するために、リブや補強材でサドルバッグ自体の剛性を高めようとすれば構造が複雑になり、また金属その他の剛性の高い材料を用いれば材料の選択範囲が制約されコスト上昇の要因となる。
【0004】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、簡単な構成で確実にロック状態に保持してロック機能の信頼性を高めた自動二輪車用サドルバッグの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、後輪側面に取付けられた上面が開口するバッグ本体と、該バッグ本体の上面を覆う蓋とからなり、前記バッグ本体および蓋のうち一方に爪を有するロック部材を設け、他方にこの爪が係止する係止部を有するロック受け部材を設けた自動二輪車用サドルバッグのロック構造において、前記ロック受け部材は、その係止部に対向する位置に、前記ロック部材をガイドするとともに爪が係止した状態でロック部材を保持するための外れ防止部を一体に備えたことを特徴とする自動二輪車用サドルバッグのロック構造を提供する。
【0006】
この構成によれば、ロック受け部材側に例えば射出成形により外れ防止部を一体に設けるという簡単な構成で、ロックする際、ロック部材をロック受け部材に挿入する場合に、ロック部材は、その爪がロック受け部材側の係止部と例えば相互に弾発的に係合しながらこの係止部と反対側から外れ防止部によりガイドされてロック位置まで押込まれるため、装着動作が円滑に行われ、また、爪が係止部に引っ掛ってロックされた状態ではこの外れ防止部が係止部の反対側からロック部材を押えるため、ロック部材は、確実にロック状態に保持される。
【0007】
好ましい構成例では、前記ロック受け部材は、前記バッグ本体側に該バッグ本体とは別体部品として取付けられたことを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、ロック受け部材がバッグ本体とは別部品として形成されこれをバッグ本体に取付けて一体結合するため、サドルバッグの形状や大きさ或はデザインに合せてロック受け部材を選定したり取付け位置を適宜変更することができ、各種形態のサドルバッグに対する汎用性が高まる。
【0009】
さらに好ましい構成例では、前記ロック受け部材は、外部から進入した水を前記バッグ本体の内壁面に沿ってその底部にガイドするための水ガイド部を有することを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、例えば蓋とロック部材との間の隙間等からバッグ内部に進入した雨水は、ロック受け部材に設けた水ガイド部に沿ってバッグ本体の底部に流れるため、バッグ本体内の荷物収容部に水が入り込むことはない。バッグ本体底部に流れた水は例えば底部に設けた水抜き孔から外部に排出される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るサドルバッグを備えた自動二輪車の側面図である。
【0012】
この自動二輪車1は、車体中央部にエンジン2を有し、後述のように車体フレーム18(図2)に対し前輪3および後輪4が装着され、シート5の後部にはタンデムライダー用の背もたれ6が備わる。ハンドル7は、そのステアリング軸8が車体フレーム18の一部を構成するヘッドパイプ9を挿通し、前輪3を保持するフロントフォーク10に連結される。後輪4は、その軸部がブラケット11を介してリヤアーム12に装着される。リヤアーム12は車体フレーム18に揺動可能に取付けられる。ブラケット11にはリヤクッション(ショックアブソーバ)13の下端が装着される。リヤクッション13の上端は車体フレーム18側に固定される。シート5の下部の車体フレーム18にはタンデムライダー用の折畳み式のフートレスト14が引出し可能に取付けられる。
【0013】
後輪4の左右両側にサドルバッグ15が設けられる。左右のサドルバッグ15は、後述のように、それぞれサドルバッグ取付けステー16を介して後輪4の左右の車体フレーム18に取付けられる。背もたれ6は、背もたれフレーム17を介して車体フレーム18に固定される。サドルバッグ15の後端部下側の位置にフラッシャ97が備わる。
【0014】
図2は、車体フレーム18の側面図である。
この車体フレーム18は、前述のステアリング軸8(図1)が挿通するヘッドパイプ9と、このヘッドパイプ9の後方側上部および下部に固着されたメインパイプ19およびダウンチューブ20と、メインパイプ19の途中から左右両側の後方に延びるシートレール21と、メインパイプ19の端部に固着したブラケット22と、左右各シートレール21とブラケット22とを連結するバックステー23と、シートレール21の後部に設けた補強フレーム24と、左右バックステー23の途中とブラケット22とを連結するフートレストステー25とにより構成される。ブラケット22にはピボット軸(不図示)を介してリヤアーム12(図1)が枢着される。エンジン2(図1)は、ダウンチューブ20の下端部とブラケット22に支持される。
【0015】
フートレストステー25の途中には、タンデムライダー用フートレスト14を取付けるブラケット26が固着される。このブラケット26にはさらに取付け孔27を介してサドルバッグ取付けステー16(図1)の前側下端部が固定される。補強フレーム24の前部にはリヤクッション取付ボス28が設けられ、リヤクッション13(図1)の上端部がボルト締めされるとともにサドルバッグ取付ステー16の前側上端部が共締めされて固定される。なお、補強フレーム24を省略してリヤクッション13およびサドルバッグ取付ステー16を直接シートレール21のブラケット等にボルトで共締めしてもよい。
【0016】
左右のシートレール21の後部には、シート5(図1)を取付けるためのクロスメンバー29,30が両シートレール21間に架け渡されて固定される。シートレール21の後端部には背もたれフレーム17を固定するためのクロスメンバー31が架け渡されて固定される。
【0017】
図3は、サドルバッグ15(図1)の構成図である。
このサドルバッグ15は、上面が開口するバッグ本体32と、その上面を覆う蓋33からなる。蓋33はバッグ本体32の前端部にヒンジ部材34を介して開閉可能に取り付けられる。蓋33とバッグ本体32間には連結ワイヤ35が取付けられる。連結ワイヤ35の一端はワイヤプレート36を介して蓋33の内面に取り付けられ、他端はワイヤプレート37を介してバッグ本体32の側壁上縁部に取付けられる。
【0018】
蓋33の後端部にはロック部材取付孔38が形成され、後述のロック部材(不図示)が装着される。このロック部材に対向する位置のバッグ本体32側に後述のロック受け部材39が装着される。バッグ本体32の側壁内面2ヵ所に補強用肉厚部40が形成され(後述の図7参照)各々その上端部に内側取付孔41が設けられる。なお、この肉厚部40は省略して同一厚さの側壁としてもよい。バッグ本体32の底板32aの2ヵ所に下側取付孔42が形成される。バッグ本体32は、後述のように、これらの内側取付孔41および下側付孔42を介してサドルバッグ取付けステー16(図1)に固定される。43は、蓋33とバッグ本体32間のがたつきによるびびり振動を防止するためのリブである。なお、後述の図7ではこのリブ43は図示省略してある。
【0019】
バッグ本体32の底部には空間44が形成され、後述のように、ロック受け部材39を通して流れた水をバッグ本体32の前部に流す。この水は、前端部の水抜きプラグ45を外して外部に排出される。
【0020】
図4は、蓋33の後部内面を示す。
蓋33の後端部には位置決め用切欠き46が形成されたロック部材取付孔38が設けられるとともに、内面側に重量表示47や材質表示48が施される。蓋33の外縁49に沿ってその内側にシール材嵌め込み用の溝50が形成され、後述のように、弾性シール材(不図示)が装着される。
【0021】
図5は、車体の左側(進行方向を前として見た時)に取付けられるサドルバッグ15の前面図である。
バッグ本体32の底部にはステー装着用凹部51が形成されるとともにその両側に水通路を構成する空間44が形成される。空間44の前端部にはそれぞれ水抜き用の孔52が形成されプラグ45が嵌め込まれる。
【0022】
ヒンジ部材34は、軸53を介して相互に回動可能に連結された上ヒンジ54および下ヒンジ55からなり、それぞれネジ56により蓋33およびバッグ本体32に固定される。蓋33の外縁49の内面にリング状弾性シール材57が装着され、この弾性シール材57にバッグ本体32の上縁58が当接し蓋33をシールする。
【0023】
図6は、サドルバッグ15のロック構造の構成図である。
背もたれ6を支持するフレーム17は、例えば断面コ字状の鋼材を門形に形成した門形フレーム59の両下端部にブラケット60を2個のボルト61で連結したものである。各ブラケット60は、前述の図2に示した車体フレーム18のクロスメンバー31に固定される。この背もたれ用フレーム17の後面側に、左右のサドルバッグ取付ステー16同士を連結する例えばパイプ材からなる連結ステー62が配設される。この連結ステー62は、これに固着された取付片63が背もたれのブラケット60にボルト61で共締めされることにより、車体フレーム側に連結されて固定される。この連結ステー62は、シートの後方でリヤフェンダの上方を左右に掛け渡されるので、タンデムライダーが体を安定させるために把持するグラブバーとしても利用できる。
【0024】
連結ステー62の左右両下端部は、取付片64を介してボルト65により、サドルバッグ取付ステー16の内側ステー16a(図8参照)の前後方向長さの中間部より後方上部に位置する取付片66に固定される。内側ステー16aに沿ってリードケーブル67が配設される。リードケーブル67は止め具68により内側ステー16aに固定保持される。
【0025】
バッグ本体32は、後述(図7、図8)のように、サドルバッグ取付ステー16の内側ステー16aの内側取付部69および下側ステー16bの下側取付部70に固定される。
【0026】
蓋33の後端部のロック部材取付孔38(図3)にロック部材71がシール材72を介して装着される。ロック部材71は、キー差込み部71aとネジ部71bと本体部71cとからなり、本体部71cに爪73が出し入れ可能に設けられる。ネジ部71bを蓋33の取付孔38に挿通し、ワッシャ74を介してナット75で締め付けることによりロック部材71が蓋33に固定される。
【0027】
ロック部材71に対向して、バッグ本体32にロック受け部材39が取付られる。このロック受け部材39は、例えば樹脂材料の射出成形体からなり、ロック部材71の爪73が引っ掛る係止部39aと、この係止部39aに対向する位置(ロック状態で爪73と反対側からロック部材71を囲う位置)に設けた外れ防止部39bと、バッグ本体32の内壁面に沿って上下方向に配設される断面コ字状(図7、図11参照)の水ガイド部39cとからなる。このロック受け部材39は、後述の図7に示すように、これと一体の上取付部39dおよび下取付部39eを介してそれぞれリベット81およびネジ82によりバッグ本体32に固定される。
【0028】
ロック部材71の爪73は、キー差込み部71aへのキー挿入及び回転操作により、本体部71cから突出したロック状態および本体部71c内に引っ込んだロック解除状態にすることができる。爪73を常に突出した状態に付勢するスプリングが内蔵されている。蓋33を閉めることにより、ロック部材71がその爪73をロック受け部材39の係止部39aに弾発的に係合しながら押込まれ、爪73が係止部39aを乗り越えて引っ掛った状態でロックされる。このとき、ロック部材71の本体部71cの背面側(爪73の反対側)がロック受け部材39の外れ防止部39bに囲まれてガイドされるため、爪73が係止部39aと適正に係合するロック位置まで円滑に挿入される。この場合、後述の図10に示すように、外れ防止部39b上縁の内面側にテーパ状の面取り加工76を施しておくことが望ましい。これにより、多少の組立て誤差があってもその誤差を吸収して円滑に確実にロック部材71をロック受け部材39内にガイドすることができる。
【0029】
外れ防止部39bの内側には、ロック部材71の本体部71cの底面に当接する弾性材からなるストッパ77が取付けられる。ロックした状態で、このストッパ77がロック部材71を下から弾発的に押上げることにより、蓋側に設けたリング状弾性シール材57の弾性作用と相俟って、爪73と係止部39aががたつくことなく弾発的に確実にロック状態に維持される。
【0030】
また、ロック状態では、外れ防止部39bがロック部材71の本体部71cの背面側を囲うため、蓋33に無理な外力が作用して変形した場合であっても、ロック部材71の爪73がロック受け部材39の係止部39aから外れることはなく、確実にロック状態に維持される。
【0031】
ロックした状態で、万一ロック部材71のキー孔やシール材72を通して雨水等がサドルバッグ15内に進入しロック受け部材39内に入り込んだ場合、その雨水等は、水ガイド部39cを通してバッグ本体32の底部にガイドされる。この雨水等はさらに底部の空間44を通して前方に流れ(バッグ本体15は幾分前下がりとなるように車体に装着されている)、その前部に装着された水抜きプラグ45(図3,図5)を外した状態で外部に排出される。79はフラッシャ(不図示)を弾発的に押えてがたつきを防止する弾性突起である。バッグ本体32の底板32a上には床材80が敷かれる。
【0032】
図7は、上記サドルバッグ15の分解斜視図である。
リング状弾性シール材57は、蓋33の外縁49の内面側の溝50(図3)に沿って嵌め込まれる。床材80はバッグ本体32の底部に装着される。ヒンジ部材34の上ヒンジ54および下ヒンジ55はそれぞれ4本のネジ56により蓋33およびバッグ本体32に取付けられる。連結ワイヤ35の両端部は、ネジ132によりワイヤプレート36,37を介して蓋33の内面およびバッグ本体32の内側に固定される。
【0033】
爪73を有するロック部材71は、前述のように、蓋33のロック部材取付孔38に挿入され、ワッシャ74を介してナット75で固定される。
【0034】
ロック受け部材39は、水ガイド部39cの上端部両側に一体に形成した上取付部39dが2本のリベット81によりバッグ本体32の後端部内面に固定され、水ガイド部39cの下端部に一体に形成した下取付部39eがネジ82によりバッグ本体32の底板に固定される。ロック受け部材39に隣接した内側(車体側)の位置にフラッシャ押え用の弾性突起79が装着される。
【0035】
バッグ本体32の内側(車体側)の内壁面2ヵ所に補強用肉厚部40が形成され、その上端部に内側取付孔41が形成される。この内側取付孔41を通してボルト86によりバッグ本体32が、サドルバッグ取付ステー16の内側ステー16a(図8参照)の内側受け材87に固定される。このとき、肉厚部40の内側取付孔41にはカラー83が装着されるとともにその両側から弾性材84で挟まれ、ワッシャ85を介してボルト86が挿通し、内側受け材87(図8参照)に螺着する。これにより、バッグ本体32の内側ステー16aに対する内側取付部69(図6)が構成される。
【0036】
バッグ本体32の底板32a(図3参照)は、上記内側取付部69と同様に、下側取付孔42を通してカラー91が装着され、ワッシャ89および両側の弾性材90(図8参照)を介して、ボルト88により下側ステー16bの下側受け材92に固定される。これにより、バッグ本体32の下側ステー16bに対する下側取付部70(図6)が構成される。
【0037】
図8は、サドルバッグ取付ステー16の構成を示す分解斜視図である。
サドルバッグ取付ステー16は、曲げ加工したパイプ材を溶接して組立てたものであり、車体(不図示)側に近接した内側ステー16aと、サドルバッグ底部を支持する下側ステー16bと、サドルバッグ前部を保護する前側ステー16cとにより構成される。
【0038】
内側ステー16aの前端部はボルト93により、前述(図1、図2)のように、車体フレーム18のシートレール21にリヤクッション13とともに共締めされて固定される。
【0039】
下側ステー16bの前端部はボルト94により、前述(図1、図2)のように、フートレストステー25のブラケット26に固定される。ブラケット26にはタンデムライダー用フートレスト14(図1)の取付ステー95が備わる。
【0040】
内側ステー16aの下端部には、ブラケット96を介してフラッシャ97を保持するフラッシャアセンブリ98が取付けられる。内側ステー16aに沿って、このフラッシャアセンブリ98とリヤフェンダー99内の不図示の電装ボックス又はメインケーブルハーネスとを連結するリードケーブル67が配設され、一部は内側ステー16a内を挿通し、露出した部分は止め具68で内側ステー16aに固定保持される。ブラケット96から外部に出たリードケーブル67は、車体左右のサドルバッグ取付ステー16(図は左側の構成のみを示す)に対し共通の一対のケーブルカバー(後部連結ステー)100,101で前後から挟まれて覆われる。ケーブルカバー100,101は、ボルト106をブラケット96のカラー104に挿通させてナット105で締付けることによりサドルバッグ取付ステー16に固定される。したがって、このケーブルカバー100,101も連結ステー62とともに左右のサドルバッグ取付ステー16同士を連結する機能を有する。
【0041】
車体左右のサドルバッグ取付ステー16同士を連結する連結ステー62は、その下端部の取付片64を介してボルト65により内側ステー16aの取付片66に固定される(図6参照)。
【0042】
図9は、上記本実施形態に係るロック受け部材39の外観図である。
斜線で示した外観部分に凹凸のシボ加工を施してもよい。このようなシボ加工を施すことにより、サドルバッグ15の蓋33を開けたときの内部外観の向上が図られる。
【0043】
図10は上記ロック受け部材39の上端部の構成図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。
図示したように、外れ防止部39bの上端部内縁に沿って面取り加工76が施される。これにより、ロック部材71の挿入動作が円滑に行われる。102はストッパ77(図6)を装着するための取付孔である。
【0044】
図11は、バッグ本体に装着した上記ロック受け部材39の水ガイド部39cの水平断面図である。
図示したように、水ガイド部39cは断面がコ字状であり、その左右両辺に対応した位置のバッグ本体32の内壁面に沿って上下にガイド片103が形成される。水ガイド部39cはその左右両外側からガイド片103に挟まれて装着される。これにより、水ガイド部39c内を流れる水が途中でバッグ本体32内に漏出することなく確実にバッグ本体底部までガイドされる。
【0045】
図12は、下側ステー16bに対しバッグ本体32を固定する下側取付部70(図6参照)の縦断面図である。
図示したように、バッグ本体32の底板32aは、ワッシャ89および上下両側の弾性材90を介して、カラー91を挿通するボルト88により、下側ステー16bに固着された下側受け材92に固定される(図7,図8参照)。このバッグ本体32の底部に敷かれた床材80の下側の左右両側に、前述のロック受け部材39の水ガイド部39cに連通する空間44が形成され、バッグ本体内に入り込んだ水をその前方に流す。
【0046】
図13は、内側ステー16aに対しバッグ本体32を固定する内側取付部69(図6参照)の縦断面図である。
図示したように、バッグ本体32は、上記下側取付部70と同様に、ワッシャ85および内外両側の弾性材84を介して、カラー83を挿通するボルト86により、内側ステー16aに固着された内側受け材87に固定される(図7,図8参照)。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ロック部材とロック受け部材とからなる自動二輪車のサドルバッグ用ロック構造において、ロック受け部材側に例えばモールド成形により外れ防止部を一体に設けるという簡単な構成で、ロックする際、ロック部材をロック受け部材に挿入する場合に、ロック部材は、その爪がロック受け部材側の係止部と例えば相互に弾発的に係合しながらこの係止部と反対側から外れ防止部によりガイドされてロック位置まで押込まれるため、装着動作が円滑に行われる。また、爪が係止部に引っ掛ってロックされた状態ではこの外れ防止部が係止部の反対側からロック部材を押えるため、ロック部材は、確実にロック状態に保持される。
【0048】
また、ロック受け部材をバッグ本体とは別部品として形成し、これをバッグ本体に取付ける構成とすれば、サドルバッグの形状や大きさ或はデザインに合せてロック受け部材を選定したり取付け位置を適宜変更することができ、各種形態のサドルバッグに対する汎用性が高まる。
【0049】
さらに、ロック受け部材が、外部から進入した水を前記バッグ本体の内壁面に沿ってその底部にガイドするための水ガイド部を有する構成とすれば、例えば蓋とロック部材との間の隙間等からバッグ内部に進入した雨水は、ロック受け部材に設けた水ガイド部に沿ってバッグ本体の底部に流れるため、バッグ本体内の荷物収容部に水が入り込むことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のサドルバッグを備えた自動二輪車の側面図。
【図2】 図1の自動二輪車の車体フレームの側面図。
【図3】 本発明のサドルバッグの構成図。
【図4】 本発明のサドルバッグの蓋の内面図。
【図5】 本発明のサドルバッグの前面図。
【図6】 本発明のサドルバッグのロック構造部分の構成図。
【図7】 本発明のサドルバッグの分解図。
【図8】 本発明のサドルバッグ取付ステー部分の分解図。
【図9】 本発明のロック受け部材の外観図。
【図10】 本発明のロック受け部材の上端部の構成図。
【図11】 本発明のロック受け部材の水ガイド部分の断面図。
【図12】 本発明のサドルバッグの下側取付部の構造図。
【図13】 本発明のサドルバッグの内側取付部の構造図。
【符号の説明】
1:自動二輪車、2:エンジン、3:前輪、4:後輪、5:シート、
6:背もたれ、7:ハンドル、8:ステアリング軸、9:ヘッドパイプ、
10:フロントフォーク、11:ブラケット、12:リヤアーム、
13:リヤクッション、14:タンデムライダー用フートレスト、
15:サドルバッグ、16:サドルバッグ取付ステー、16a:内側ステー、
16b:下側ステー、16c:前側ステー、17:背もたれフレーム、
18:車体フレーム、19:メインパイプ、20:ダウンチューブ、
21:シートレール、22:ブラケット、23:バックステー、
24:補強プレート、25:フートレストステー、26:ブラケット、
27:取付孔、28:リヤクッション取付ボス、
29,30,31:クロスメンバー、32:バッグ本体、
32a:底板、33:蓋、34:ヒンジ部材、35:連結ワイヤ、
36,37:ワイヤプレート、38:ロック部材取付孔、
39:ロック受け部材、39a:係止部、39b:外れ防止部、
39c:水ガイド部、40:肉厚部、41:内側取付孔、42:下側取付孔、
43:びびり振動防止用のリブ、44:空間、45:水抜きプラグ、
46:位置決め用切欠き、47:重量表示、48:材質表示、49:外縁、
50:シール材嵌め込み用の溝、51:下側ステー装着用の凹部、
52:水抜き用の孔、53:軸、54:上ヒンジ、55:下ヒンジ、
56:ネジ、57:リング状弾性シール材、58:上縁、59:門形フレーム、
60:ブラケット、61:ボルト、62:連結ステー、63:取付片、
64:取付片、65:ボルト、66:取付片、67:リードワイヤ、
68:止め具、69:内側取付部、70:下側取付部、71:ロック部材、
71a:キー差込み部、71b:ネジ部、71c:本体部、72:シール材、
73:爪、74:ワッシャ、75:ナット、76:面取り加工、
77:ストッパ、79:弾性突起、80:床材、81:リベット、82:ネジ、
83:カラー、84:弾性材、85:ワッシャ、86:ボルト、
87:内側受け材、88:ボルト、89:ワッシャ、90:弾性材、
91:カラー、92:下側受け材、93:ボルト、94:ボルト、
95:タンデムライダー用フートレスト取付ステー、96:ブラケット、
97:フラッシャ、98:フラッシャアセンブリ、99:リヤフェンダ
100,101:ケーブルカバー、102:ストッパ取付孔、
103:ガイド片、104:カラー、105:ナット、106:ボルト、
132:ネジ。
Claims (3)
- 後輪側面に取付けられた上面が開口するバッグ本体と、該バッグ本体の上面を覆う蓋とからなり、
前記バッグ本体および蓋のうち一方に爪を有するロック部材を設け、他方にこの爪が係止する係止部を有するロック受け部材を設けた自動二輪車用サドルバッグのロック構造において、
前記ロック受け部材は、その係止部に対向する位置に、前記ロック部材をガイドするとともに爪が係止した状態でロック部材を保持するための外れ防止部を一体に備えたことを特徴とする自動二輪車用サドルバッグのロック構造。 - 前記ロック受け部材は、前記バッグ本体側に該バッグ本体とは別体部品として取付けられたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用サドルバッグのロック構造。
- 前記ロック受け部材は、外部から進入した水を前記バッグ本体の内壁面に沿ってその底部にガイドするための水ガイド部を有することを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車用サドルバッグのロック構造。
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