以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図2は遊技盤6を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くバネの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することが可能となる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを超えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方の左右には、それぞれ始動入賞口スイッチ11a,12aを内蔵した左・右の始動入賞口11,12が配置されている。始動入賞口11,12に遊技球が入賞すると、遊技球は始動入賞口スイッチ11a,12aで検出される。この検出に応じて、可変入賞球装置20が所定期間開放する始動動作が実行される。
なお、始動入賞口11,12のうち右の始動入賞口12に入賞した場合には、可変入賞球装置20が1回開放され、始動入賞口11,12のうち左の始動入賞口11に入賞した場合には、可変入賞球装置20が2回開放される。また、このように始動入賞口スイッチ11a,12aの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態(あるいは、始動態様)という。
可変入賞球装置20の上方には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の下方には、始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口13に入った入賞球は、始動口スイッチ14によって検出され遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態とされる。
可変入賞球装置20の右下には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、2つの7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の下方には、始動入賞口13に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。すなわち、始動記憶数のうち入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やす。そして、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態とするLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口13への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)を設けているが、上限数を4個以上としてもよい。
可変入賞球装置15の下部の左右には、それぞれ、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド16aによって開閉板16が開状態とされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、特別可変入賞球装置17の大入賞口を開閉する手段である。大入賞口から入った入賞球はV入賞スイッチ25またはカウントスイッチ19で検出される。
遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるための誘導板としてのシーソーが設けられている。シーソーは、ソレノイド(図示せず)によって駆動される。
ゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10にて普通図柄(本例では「○」と「×」)の表示の可変表示(本例では「○」と「×」が交互に点灯する表示)が開始される。この実施の形態では、可変表示の終了時に「○」が点灯していれば当たりとなり、「×」が点灯していればはずれとなる。普通図柄表示器10における停止図柄が「○」であれば、「当たり」となって、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13とされる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(特別可変入賞球装置17等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。
打球が始動入賞口13に入り始動口スイッチ14で検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「00」〜「99」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「33」、「77」などの左右図柄が同一の図柄)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板16が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで(カウントスイッチ19とV入賞スイッチ25とで合わせて所定個数の遊技球が検出されるまで)開放する。そして、開閉板16の開放中に打球がV入賞領域に入賞してV入賞スイッチ25で検出されると、継続権が発生し、開放パターンに従って開閉板16の開放が行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
なお、V入賞スイッチ25を設けない場合には、大当り遊技状態に移行したときに、あらかじめ決められた回数のラウンドが必ず実行される構成としてもよい。
特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄:具体的には、例えば「33」、「77」のような大当り図柄のうちあらかじめ定められた組合せの図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が、確変状態でない通常状態であるときは約2/630(1/315)とされているのに対し、約10/630(1/63:通常状態の5倍程度)に高められる。具体的には、大当り判定用乱数の抽出値と比較される大当り判定値の数を増やすことで、大当りとなる確率が高められる。
本例では、大当りとなったときに、確変大当りである確率(確変突入率)は1/2とされる。また、確変状態は、例えば次に大当りが発生するまで継続する。
なお、大当りとなったときに常に確変大当りとなる構成(すなわち非確変大当りが存在しない構成)としてもよい。また、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、確変状態を終了するか否かの抽選を、乱数を用いて行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
なお、本実施の形態において、「抽選を乱数を用いて行う」というときには、特に明示されていなくても、乱数の抽出値と比較される比較値と、各比較値に対応付けされている抽選結果とが設定された抽選結果決定用のテーブルが用いられ、乱数の抽出値と同値の比較値に対応付けされている抽選結果が、乱数抽選の抽選結果として決定されることとする。具体的には、「確変状態を終了するか否かの抽選を乱数を用いて行う」という場合には、確変状態を終了するか否かを決定するための確変終了判定用乱数の抽出値と比較される比較値が設定され、各比較値に「確変終了」又は「確変継続」が抽選結果として対応付けされいる確変終了判定用テーブルが用いられ、確変終了判定用乱数の抽出値と同値の比較値に「確変終了」が対応付けされてれば確変状態を終了することに決定され、確変終了判定用乱数の抽出値と同値の比較値に「確変継続」が対応付けされてれば確変状態を継続することに決定される。
大当り遊技状態が終了したあとは、例えば、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで、時短状態となる。時短状態は、特別図柄の変動時間(可変表示期間:特別図柄の可変表示が開始してから表示結果が導出表示されるまでの期間)が、時短状態でない通常状態である場合に比べて短縮される。なお、時短状態において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態に比べて高められるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにしてもよい。例えば、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が時短を伴う大当り図柄(時短図柄:具体的には、例えば「22」、「88」のような大当り図柄のうちあらかじめ定められた組合せの図柄)である場合には、大当り遊技状態が終了したあとに時短状態となる。また、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動および時短を伴う大当り図柄(確変時短図柄:具体的には、例えば「11」のような確変図柄のうちあらかじめ定められた組合せの図柄)である場合には、大当り遊技状態が終了したあとに確変状態および時短状態となる。すなわち、大当り遊技状態が終了したあとの遊技状態は、確変状態、時短状態、確変・時短状態(確変状態かつ時短状態)、あるいは通常状態(確変状態でも時短状態でもない通常の状態)のいずれかとなる。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、所定条件が成立したこと(特別図柄の停止図柄が確変図柄となったこと、特別図柄の停止図柄が時短図柄となったこと)にもとづいて高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
次に、可変入賞球装置20について、図3を参照して説明する。可変入賞装置20は、図3に示すように、可変入賞球装置20を遊技盤1の表面に取り付けるための取付基板21を有し、取付基板21には、上部入賞空間22aが形成されている。上部入賞空間22aには、左右一対の開閉片23a,23bが回転可能に設けられている。開閉片23a,23bは、それぞれリンク機構を介してソレノイド24a,24bに連結され、ソレノイド24a,24bがオンしたときに、上部入賞空間22aを開放する方向に回転する。また、ソレノイド24a,24bがオフしたときには、上部入賞空間22aを閉鎖する方向に回転する。なお、図3には、上部入賞空間22aが開放された状態の可変入賞球装置20が表されている。
上部入賞空間22aに進入した遊技球は、左右に設けられている球通路33a,33bの何れかを通り、球通路33a,33bに設けられている役物流入スイッチ34a,34bの何れかで検出されたあと、上部入賞空間22aの中央方向に導かれる。
上部入賞空間22aの底壁部分には、上部入賞空間22aに入賞した遊技球を下部入賞空間22bに導く誘導穴が開閉可能に設けられている。誘導穴の開閉は、例えばソレノイドのオン/オフによって行われる。誘導穴から落下した遊技球は、可変入賞球装置20の内部に設けられた図示しない球通路を通って下部進入口27a,27bから下部入賞空間22bに送り込まれる。
下部進入口27a,27bから下部入賞空間22bに送り込まれた遊技球は、遊技機1の前方に向かって転動する。転動していく下流端の下部には、特定入賞口30と、非特定口29A,29Bとが設けられている。特定入賞口30に入賞した遊技球は、特定入賞スイッチ30aで検出されたあと、排出スイッチ29aでも検出される。特定入賞口30に入賞しなかった遊技球は、非特定口29A,29Bに何れかに流入し、排出スイッチ29aで検出される。すなわち、特定入賞口30および非特定口29A,29Bの流入した遊技球は、ともに排出通路に導かれ、排出通路に設けられている排出スイッチ29aで検出される。
なお、遊技球が特定入賞口30に入賞し特定入賞スイッチ30aで検出されたことをV入賞ともいう。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータ60)53と、特定入賞スイッチ30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14,11a,12a、排出スイッチ29a、カウントスイッチ19、V入賞スイッチ25、および役物流入スイッチ34a,34bからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド15a、可変入賞球装置20を開閉するソレノイド24a,24b、開閉板を開閉するソレノイド16aおよび大入賞口16内の経路を切り換えるためのソレノイド16bを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、特定入賞スイッチ30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14,11a,12a、排出スイッチ29a、カウントスイッチ19、V入賞スイッチ25、および役物流入スイッチ34a,34b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う特定入賞スイッチ30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14,11a,12a、カウントスイッチ19、およびV入賞スイッチ25の各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球は対応するV入賞スイッチ25のみで検出されるので、大入賞口16に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ25による検出数とカウントスイッチ19による検出数との和になる。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球が、V入賞スイッチ25で検出されるとともにカウントスイッチ19でも検出されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口16に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ19による検出数に相当する。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータ60と、I/Oポート部57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56で実現される。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよい。このため、ROM54は外付けであってもよい。また、I/Oポート部57が遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されていてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に電源が復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
なお、図4には明示されていないが、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、例えば、払出制御基板37上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための駆動信号は、タッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝達される。遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサで検出され、タッチセンサからの信号がタッチセンサ基板91に搭載されているタッチセンサ回路(遊技者が操作ノブ5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)を介して払出制御基板37に伝達される。払出制御基板37上の回路は、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
図5は、演出制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプ制御基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80は、図示しない演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ101を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、主基板31から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。なお、主基板31からの信号を中継基板を介して演出制御基板80に送信する構成とし、主基板31からの信号が演出制御基板80に向かう方向にしか信号を通過させない信号方向規制手段としての単方向性回路を、中継基板に搭載する構成としてもよい。なお、単方向性回路として、ダイオードやトランジスタが使用される。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプ制御基板35において、演出制御用マイクロコンピュータ101から入力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側や盤側に設けられている各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され賞球LED51や球切れLED52などの枠側や盤側に設けられている各LEDに供給される。
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101によって制御される。また、可変表示装置9およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置されてもよい。
音声制御基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
上記のように、この例では、ランプ制御基板35および音声制御基板70にはマイクロコンピュータが搭載されず、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101が、遊技機に設けられているランプ・LED、およびスピーカ27を制御する構成としているが、ランプ制御基板35および音声制御基板70にもマイクロコンピュータを搭載し、演出制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70にてそれぞれ別個に主基板31からの制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドにもとづいて、演出制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70にてそれぞれ別個に電気部品の制御を行うようにしてもよい。
図6は、特別図柄表示器8や可変表示装置9などの表示装置の接続状態の例を示す説明図である。図6に示すように、本例では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄表示器8と、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄表示器10と、普通図柄始動記憶表示器41と、異常報知表示器67との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて、可変表示装置9を制御して飾り図柄の表示制御を行う。
本例では、特別図柄表示器8は、2つの7セグメント表示器によって構成され、2桁のセグメント表示を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器の点滅表示によって行われる。特別図柄表示器8では、可変表示が終了したときの停止図柄が「7、7」などの左右同一の奇数図柄で揃ったときは確変大当りを意味し、「0、0」などの左右同一の偶数図柄で揃ったときは非確変大当りを意味し、「3、7」などの左右図柄が異なる図柄となったときははずれを意味する。特別図柄表示器8にて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)の確率とされる。なお、特別図柄は1桁であっても3桁以上であってもよい。
また、本例では、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄始動記憶表示器41と、左側開放報知表示器201と、右側開放報知表示器202とがLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10が2つのランプによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成され、異常報知表示器67が1つの7セグメント表示器によって構成されている。飾り図柄は、例えば左中右の3図柄によって表示され、左中右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄が左中右それぞれが同一の図柄(例えば「000」、「111」)である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)している図柄(単に「大当り図柄」ということがある)を意味し、それ以外の停止図柄(例えば「012」、「767」)である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)している図柄(単に「はずれ図柄」ということがある)を意味する。また、大当りを示唆する停止図柄のうちあらかじめ定められた一部の停止図柄(例えば「333」、「777」)である場合には「確変大当り」を示唆(単に「確変大当り」ということがある)している図柄(単に「確変図柄」ということがある)を意味する。なお、可変表示装置9による表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。本例では、飾り図柄は、特別図柄と連動して変動表示され、特別図柄の表示結果に合致した表示結果が導出表示される。すなわち、例えば、特別図柄の表示結果が大当り図柄であるときは、飾り図柄の表示結果は大当りを示唆する図柄となる。
次に遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ60(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、主基板31の内部状態と演出制御基板80等の他の基板の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球LED51および球切れLED52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ60に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図8に示すステップS21〜S37の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、スイッチ回路58を介して、特定入賞スイッチ30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14,11a,12a、排出スイッチ29a、カウントスイッチ19、V入賞スイッチ25、役物流入スイッチ34a,34b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、および普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。表示制御処理では、ステップS34〜S37にて設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御が実行される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS26)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄(例えば左右図柄が異なる図柄)を決定する(特別図柄判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、飾り図柄でリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS26では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置プロセス処理を行う(ステップS28a)。可変入賞球装置プロセス処理では、可変入賞球装置20の動作状態を所定の順序で制御するための可変入賞球装置プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、可変入賞球装置プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ(賞球払い出しの条件とされている始動口スイッチ14などの各スイッチ)の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている図示しない払出制御用CPUおよびRAMを含む払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。なお、RAMは、払出制御用マイクロコンピュータに内蔵されておらず、外付けとされていてもよい。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15,20や開閉板を開状態または閉状態としたり、大入賞口16内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド15a,16a,16b,24a,24b等を駆動する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄の始動入賞記憶数の記憶状態に応じた普通図柄保留記憶数データを普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファに設定するとともに、特別図柄の始動入賞記憶数の記憶状態に応じた特別図柄保留記憶数データを特別図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファに設定する(記憶処理:ステップS34)。なお、ここで出力バッファに設定された保留記憶数データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、普通図柄始動記憶表示器41および特別図柄始動記憶表示器18の点灯/消灯制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、特別図柄表示器8での特別図柄の演出表示が実行される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、普通図柄表示器10での普通図柄の演出表示が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態や時短状態などの遊技状態を報知するための遊技状態表示制御データを遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示制御処理を行う(ステップS37)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、遊技状態を報知するための遊技状態表示器(図示せず)にて確変状態である旨の表示や時短状態である旨の表示などが実行される。遊技状態表示器は、例えば7セグメント表示器によって構成され、例えば遊技領域7に設置される。
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS38)、割込許可状態に設定する(ステップS39)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図8のフローチャートにおけるステップS27の具体的な処理である。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口13に入賞する始動入賞(第1始動入賞)が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動時間設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせ、特別図柄の変動表示を開始する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):役物未排出個数等を監視し、可変入賞球装置20内への遊技球の進入を確認したときに特別図柄の変動表示を中断するための制御(特別図柄の変動時間の進行を中断させるための制御)を行い、進入した遊技球の全てが可変入賞球装置20から排出されたことを確認したとき等に特別図柄の変動表示の中断を解除するための制御を行う。また、特別図柄の変動時間を監視し、その変動時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。また、演出制御基板80に対して、飾り図柄の停止を指示するための飾り図柄停止コマンドを送信する。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口16を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド16aを駆動して大入賞口16を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間(大入賞口開放時間)を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口16の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口16の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ25の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ101に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図11は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、確変大当りとするか否か、非確変大当りとするか否か、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様など、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出は、飾り図柄を用いて行う。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとなる場合(大当り図柄)と大当りを生じさせるものとならない場合(はずれ図柄)とがある。
なお、短縮表示パターンが用いられるようにしてもよい。短縮表示パターンは、左中右の図柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。なお、図11には示されていないが、リーチ演出以外にも、予告演出の有無や、再変動演出の有無など、他の特定演出の実行の有無を含む変動パターンが含まれていてもよい。
図12は第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図9に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間を変動短縮タイマにセットする(ステップS119)。なお、上述したように、ここでセットされた変動短縮タイマはステップS310にて減算される。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS50)、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS51)。
なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動がなされておらず、かつ、特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当りにもとづく大当り遊技の実行中でもない場合である。
第2大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
なお、第2大当りフラグがセットされていない場合とは、遊技球が特定入賞口30に入賞したことにもとづく大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)でない場合である。第2大当りフラグは、第2大当り遊技状態に移行するときにセットされ、第2大当り遊技状態が終了するときにリセットされる。すなわち、本例では、第2大当り遊技状態の実行中であるときには、特別図柄の変動表示は開始されない。
始動入賞記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、第1大当りとするか否かの判定を行う(ステップS56)。はずれとする場合には、乱数格納バッファからリーチ判定用乱数を読み出し、リーチとするか否かの判定を行う(ステップS57)。なお、第1大当りと判定された場合には、ステップS57の判定を行うことなく、例えば第1大当りフラグをセットする。第1大当りフラグは、後述するステップS59等で参照され、第1大当り遊技演出が終了したときにリセットされる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS58)。
なお、ステップS56では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1大当りの有無を決定すると、その決定結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS56にて第1大当りとすることに決定されている場合には(ステップS59のY)、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS60)。また、ステップS56にてはずれとすることに決定されている場合には(ステップS59のN)、乱数格納バッファに格納されているはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)の値に従ってはずれ図柄を決定する(ステップS61)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスフラグの値を変動時間設定処理に対応した値に更新する(ステップS58)。
図15は、特別図柄プロセス処理における変動時間設定処理(ステップS302)の例を示すフローチャートである。変動時間設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS56〜S57での大当りの有無やリーチの有無の決定結果に応じて変動パターンを判定する(ステップS63)。本例では、変動パターンを決定することによって、特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
なお、ステップS63では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS56の判定結果に応じて設定される変動パターン決定用テーブルと、特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数とにもとづいて、図11に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する。変動パターン決定用テーブルは、例えば、大当り用、確変大当り用、リーチ用、はずれ用がそれぞれあらかじめ用意され、ステップS56,S57等の判定結果に応じて使用テーブルが設定される。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS64)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS65)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御基板80に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
また、ステップS63にて特別図柄の変動時間を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動時間を示す変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS66)、後述する計測実行フラグをセットし、特別図柄表示器8での特別図柄の変動表示を開始する(ステップS67)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS68)。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS303)の例を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動表示の進行が中断されているか否か確認する(ステップS71)。具体的には、中断フラグがセットされているか否かを確認することで、特別図柄の変動表示における変動時間の進行が中断されているか否か確認する。すなわち、中断フラグは、特別図柄の変動表示の進行を中断するときにセットされ、特別図柄の変動表示の進行を再開するときにリセットされるフラグである。
特別図柄の変動表示の進行が中断されていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、役物未排出個数が0であるか否か確認する(ステップS72)。役物未排出個数は、可変入賞球装置20に進入したあと未だ排出されていない遊技球の個数を意味し、RAM55の所定の記憶領域に記憶されている。
役物未排出個数が0であれば(ステップS72のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS73)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトして変動時間が終了したことを確認すると(ステップS73のY)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理に対応した値に更新する(ステップS74)。
役物未排出個数が0でなければ(ステップS72のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、中断フラグをセットするとともに(ステップS75)、変動進行中断指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS76)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS77)。また、排出監視タイマをスタートさせ、可変入賞球装置20に遊技球が進入したときからの時間の計測を開始する(ステップS78)。このように、特別図柄の変動表示の進行が中断されてないときに役物未排出個数が0でなくなった場合には、可変入賞球装置20に遊技球が進入したことを意味するため、第2大当り遊技状態に移行する可能性があると判定し、特別図柄の変動表示の進行を中断するための制御を行う。
排出監視タイマは、可変入賞球装置20に遊技球が進入したときから排出されるまでに通常要する期間よりもやや長い期間であって、あらかじめ定められた期間が経過したか否かを確認するために用いられるタイマである。なお、複数個の遊技球が連続して可変入賞球装置20に進入することもあるため、排出監視タイマをスタートさせたあと、役物未排出個数が増加する度にリスタートさせる必要がある。排出監視タイマは、後述するステップS85にてタイムアウトしているか否かを確認する前にタイマ値が1減算され、第2大当りが発生したとき、または、役物未排出個数が0になったときにリセットされる。
ステップS71にて特別図柄の変動表示の進行が中断されていると判定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、役物未排出個数が0であり(ステップS79のY)、かつ第2大当りフラグがセットされていなければ(ステップS80のN)、中断フラグをリセットするとともに(ステップS81)、変動進行再開指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS82)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS83)。このように、特別図柄の変動表示の進行が中断されているときに役物未排出個数が0となった場合には、可変入賞球装置20に進入した全ての遊技球が排出されたことを意味するため、第2大当り遊技状態に移行していないことを条件として、特別図柄の変動表示の進行を再開するための制御を行う。
なお、ステップS80にて第2大当りフラグがセットされていた場合には、第2大当り遊技状態に移行したものとみなして、特別図柄の変動表示の進行の中断状態を継続する。この場合、第2大当り遊技状態における最終ラウンドにて可変入賞球装置20に進入した全ての遊技球が排出され、第2大当り遊技状態が終了して第2大当りフラグがリセットされたときに、ステップS81以降の処理が実行されることになる。
特別図柄の変動表示の中断中において、役物未排出個数が0でなく(ステップS79のN)、かつ第2大当りフラグがセットされていなければ(ステップS84のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、排出監視タイマを1減算したあと、排出監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS85)。タイムアウトしていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、異常報知表示器67に所定の表示(例えば「0」)を行うことで、可変入賞球装置20に遊技球が詰まっていることを示す球詰まりエラーが発生したことを示す異常報知を行う(ステップS86)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技の進行を停止するために、遊技制御を停止する(ステップS87)。具体的には、遊技制御を停止するための処理として、例えば排出エラーフラグをセットするようにすればよい。そして、排出エラーフラグがセットされた状態では、例えば、可変入賞球装置20の始動動作を停止させ、その他は通常と同じ制御(遊技球の払い出しに係わる制御を含む)を行うようにすればよい。この場合、特別図柄の可変表示が中断されていれば、中断状態となったままとなる。また、第2大当りが発生したあと、第2大当り遊技の開始前に球詰まりエラーが発生した場合には、第2大当り遊技は開始されない状態となる。同様に、第2大当り遊技の実行中におけるラウンド間に球詰まりエラーが発生した場合には、次のラウンド遊技が開始されない状態となる。
なお、第2大当り遊技の実行中におけるラウンド間に球詰まりエラーが発生した場合には、第2大当り遊技が終了したあとに排出エラーフラグをセットするようにしてもよい。すなわち、第2大当り遊技の実行中に排出の不具合による球詰まりエラーが発生した場合には、実行中の第2大当り遊技が終了したあとにエラー状態に制御するようにしてもよい。
なお、排出エラーフラグがセットされたあと、排出スイッチ29aによって遊技球が検出され、役物未排出個数が0となった場合には、排出エラーフラグがリセットされ、通常の遊技状態に復帰する。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)の例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、飾り図柄停止指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS91)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS92)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定されている停止図柄で特別図柄を停止表示する(ステップS93)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りとするときには(ステップS94のY)、大入賞口制御タイマに大入賞口開放前時間をセットし(ステップS95)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新する(ステップS96)。一方、はずれとするときには(ステップS94のN)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する(ステップS97)。
図18は、表示制御処理(ステップS22)を示すフローチャートである。表示制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、および普通図柄始動記憶表示器41に対する駆動信号を停止する(ステップS22a)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄表示制御処理(図20参照)にて特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、特別図柄表示器8に対して駆動信号を出力する(ステップS22b)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、特別図柄表示器8に、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、特別図柄表示器8の表示状態を点滅状態とするための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして開放回数表示指定値がセットされていれば、特別図柄表示器8に、大当り中における大入賞口16の開放回数を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして消灯指定値がセットされていれば、特別図柄表示器8に、大当り中における大入賞口16の開放回数の表示を消灯するための駆動信号を出力する。
また、表示制御データとして中断状態指定値が設定されていれば、特別図柄表示器8に、図柄変動の進行の中断中に任意のはずれ図柄を表示した状態とするための駆動信号を出力する。表示するはずれ図柄は、例えば、あらかじめ定められた所定のはずれ図柄であってもよく、乱数抽選などによって決定したはずれ図柄であってもよい。なお、表示制御データとして中断状態指定値が設定されている場合に、特別図柄表示器8に、図柄変動の進行の中断中に、特別図柄表示器8の表示状態を点滅状態としておくための駆動信号を出力するようにしてもよい。すなわち、図柄変動の進行中と同じ表示状態としておくための駆動信号を出力するようにしてもよい。
さらに、表示制御データとして予告状態指定値が設定されていれば、特別図柄表示器8に、図柄変動の進行の中断中に、その変動表示の表示結果を予告する予告表示(例えば、表示結果が大当り表示結果となることを予告する大当り予告表示、表示結果がリーチを伴うものであることを予告するリーチ予告表示)を行うための駆動信号を出力する。なお、本例では、予告表示として、例えば、左右図柄を「3」、「7」となった状態で点滅表示させることによって大当り予告表示を行い、左右図柄を「1」、「9」となった状態で点滅表示させることによってリーチ予告表示を行うようにすればよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(普通図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、普通図柄表示器10に対して駆動信号を出力する(ステップS22d)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、普通図柄表示器10に、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、普通図柄表示器10における左右の何れかの領域を点灯状態とするための駆動信号を出力する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(特別図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された特別図柄保留記憶数データに応じて、特別図柄始動記憶表示器18に対して、現在の特別図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22e)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(普通図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された普通図柄保留記憶数データに応じて、普通図柄始動記憶表示器41に対して、現在の普通図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22f)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、他のデータ設定用の出力バッファ(例えば遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファなど)の設定内容に応じて、駆動信号を出力する(ステップS22g)。ステップS22gでは、例えば、確変状態や時短状態などの遊技状態を表示する遊技状態表示器に対して、遊技状態を表示させるための駆動信号を出力する処理などが実行される。
図19は、記憶処理(ステップS34)を示すフローチャートである。記憶処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、現在の普通図柄の保留記憶数に応じた普通図柄保留記憶数データを普通図柄用始動入賞記憶数バッファに設定する(ステップS34a)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、現在の特別図柄の保留記憶数に応じた特別図柄保留記憶数データを特別図柄用始動入賞記憶数バッファに設定する(ステップS34b)。
図20は、特別図柄表示制御処理を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、特別図柄プロセスフラグが示す値に応じて、特別図柄表示器8に表示すべき特別図柄の表示内容を特定する指定値を、特別図柄用出力バッファにセットする処理が実行される。ここで特別図柄用出力バッファにセットされた指定値に応じて、ステップS22bにて駆動信号が出力される。特別図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、特別図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS35a)。次いで、読み出した特別図柄プロセスフラグがステップS303(特別図柄変動処理)を示す値であれば(ステップS35bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動表示の進行が中断されているか否か確認する(ステップS35n)。具体的には、中断フラグがセットされているか否かを確認することで、特別図柄の変動表示における変動時間の進行が中断されているか否か確認する。
特別図柄の変動表示の進行の中断中であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、中断中に予告演出を実行するか否か判定し(ステップS35o)、予告演出を実行する場合には、予告状態指定値を選択し(ステップS35p)、選択した予告状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35q)。
なお、ステップS35oでは、予告演出を実行するか否かを乱数による抽選によって行う。具体的には、予告演出を実行するか否かを決定するための予告判定用乱数の抽出値と比較される比較値が設定され、各比較値に「予告する」又は「予告しない」が抽選結果として対応付けされいる予告判定用テーブルが用いられ、予告判定用乱数の抽出値と同値の比較値に「予告する」が対応付けされてれば予告演出を実行することに決定され、予告判定用乱数の抽出値と同値の比較値に「予告しない」が対応付けされてれば予告演出を実行しないことに決定される。なお、中断中の変動表示の表示結果が大当りとなるか、大当りとならないリーチとなるか、リーチとなることなくはずれとなるかによって、異なる予告判定用テーブルが用いられるようにしてもよい。この場合、例えば、中断中の変動表示の表示結果が大当りとなるときに用いられる予告判定用テーブルは、他の予告判定用テーブルと比較して、高確率で予告することに決定されるように比較値が設定される。
また、ステップS35pにて、例えば、特別図柄に対応して可変表示されている飾り図柄がリーチ表示状態となっていれば(リーチ成立後の状態であれば)大当り予告を行うための予告状態指定値を選択し、その飾り図柄の左右図柄が未だ停止していない状態であれば(リーチ成立前の状態であれば)リーチ予告を行うための予告状態指定値を選択するようにしてもよい。なお、飾り図柄の左右図柄が未だ停止していない状態であったときに、例えば乱数による抽選によって大当り予告を行うかリーチ予告を行うかを決定し、決定結果に応じて予告状態指定値を選択するようにしてもよい。特別図柄にてリーチ表示を行うことが可能な構成とされている場合(例えば特別図柄が左中右の3図柄から成る場合)には、特別図柄がリーチ表示状態となっていれば大当り予告を行うための予告状態指定値を選択し、特別図柄の左右図柄が停止していない状態であればリーチ予告を行うための予告状態指定値を選択するようにすればよい。
一方、予告演出を実行しない場合には、中断状態指定値を選択し(ステップS35r)、選択した中断状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35s)。そして、特別図柄プロセスタイマを減算することなく、処理を終了する。
特別図柄の変動表示の進行の中断中でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスタイマを1減算し(ステップS35c)、変動状態指定値を選択し(ステップS35d)、選択した変動状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35e)。なお、変動状態指定値は、特別図柄の変動期間に応じて選択され、本例では、ステップS35dにて点滅表示における点灯状態を示す変動状態指定値か、点滅表示における消灯状態を示す変動状態指定値が選択される。
ステップS35aにて読み出した特別図柄プロセスフラグが、ステップS300(特別図柄通常処理)、ステップS301(特別図柄停止図柄設定処理)、ステップS302(変動時間設定処理)、ステップS304(特別図柄停止処理)のいずれかを示す値であれば(ステップS35f)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄指定値を選択し(ステップS35g)、選択した停止図柄指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35h)。
なお、本例では、ステップS35fにて特別図柄プロセスフラグの示す値が所定の値であれば、ステップS35gに移行し、図柄が停止しているときでもステップS35hにて停止図柄指定値を毎回セットするようにしているが、特別図柄プロセスフラグの示す値を記憶しておき、ステップS35fにて特別図柄プロセスフラグが更新されたか否かを判定し、特別図柄プロセスフラグが更新されていたときにのみ処理をステップS35gに移行させるようにしてもよい。ただし、本例のように、ステップS35hにて停止図柄指定値を毎回セットする構成とした方が、特別図柄プロセスフラグの示す値を記憶する処理や、特別図柄プロセスフラグが更新されたか否かを判定する処理が不要となるため、遊技制御用マイクロコンピュータ60の負荷を軽減することができる。
なお、停止図柄指定値は、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、特別図柄プロセスフラグがステップS300〜ステップS302のいずれかを示す値であれば、ステップS35gにて、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、特別図柄プロセスフラグがステップS304を示す値であれば、ステップS35gにて、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。なお、特別図柄プロセスフラグがステップS302を示す値である場合に、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値として大当り図柄を示す停止図柄指定値が選択された場合には、はずれ図柄を示す停止図柄指定値に差し替えるようにしてもよい。
ステップS35aにて読み出した特別図柄プロセスフラグが、ステップS300〜ステップS304のいずれかを示す値でもなければ(ステップS35fのN)、すなわち大当り遊技状態であるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口開放回数表示待ちタイマが0であるか否か確認する処理を行う(ステップS35i)。
大入賞口開放回数表示待ちタイマは、例えば、ステップS306からステップS307に移行するときにセットされ、次回のラウンドが開始するときにタイムアウトするような時間がセットされるタイマである。
大入賞口開放回数表示待ちタイマが0でなければ(ステップS35iのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口開放回数表示待ちタイマを1減算し(ステップS35j)、消灯指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35k)。消灯指定値は、大入賞口開放回数の表示の終了を指示するための指定値である。
大入賞口開放回数表示待ちタイマが0であれば(ステップS35iのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開放回数表示指定値を選択し(ステップS35l)、選択した開放回数表示指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35m)。
なお、開放回数表示指定値は、大当り遊技状態におけるラウンド数に応じて選択される。具体的には、これから移行するラウンドのラウンド数を示す開放回数表示指定値が選択される。
図21は、普通図柄表示制御処理(ステップS36)を示すフローチャートである。普通図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、普通図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS36a)。次いで、読み出した普通図柄プロセスフラグが普通図柄変動処理(普通図柄を可変表示させる処理)を示す値であれば(ステップS36bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄変動時間タイマを1減算し(ステップS36c)、変動状態指定値を選択し(ステップS36d)、選択した変動状態指定値を普通図柄用出力バッファにセットする(ステップS36e)。なお、変動状態指定値は、特別図柄の変動期間に応じて選択され、本例では、ステップS36dにて左右の発光体が交互に点灯する変動表示におけるいずれかの時点での表示状態を示す変動状態指定値が選択される。
ステップS36aにて読み出した普通図柄プロセスフラグが、普通図柄変動処理以外の処理(普通図柄の可変表示を開始する前の処理、普通図柄を停止表示したあとの処理)を示す値であれば(ステップS36bのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄指定値を選択し(ステップS36f)、選択した停止図柄指定値を普通図柄用出力バッファにセットする(ステップS36g)。
停止図柄指定値は、普通図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、普通図柄プロセスフラグが普通図柄の可変表示を開始する前の処理のいずれかを示す値であれば、ステップS36fにて、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、普通図柄プロセスフラグが普通図柄を停止表示したあとの処理のいずれかを示す値であれば、ステップS36fにて、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。
なお、本例では、上記のように、特別図柄プロセス処理(ステップS27)と特別図柄表示制御処理(ステップS35)とを別個に設けているが、双方をまとめて処理するようにしてもよい。また、特別図柄プロセス処理(ステップS27)と特別図柄表示制御処理(ステップS35)とで実行される各種の処理について、特別図柄プロセス処理では特別図柄プロセスフラグを更新する処理のみを行い、他の処理は全て特別図柄表示制御処理で行うようにしてもよい。
また、本例では、上記のように、普通図柄プロセス処理(ステップS28)と普通図柄表示制御処理(ステップS36)とを別個に設けているが、双方をまとめて処理するようにしてもよい。また、普通図柄プロセス処理(ステップS28)と普通図柄表示制御処理(ステップS36)とで実行される各種の処理について、普通図柄プロセス処理では普通図柄プロセスフラグを更新する処理のみを行い、他の処理は全て普通図柄表示制御処理で行うようにしてもよい。
次に、主基板31から演出制御基板80に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図22は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図22には、演出制御コマンドの例が示されているが、払出制御基板37への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図23に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図23に示された極性と逆極性であってもよい。
図24は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24に示す例において、コマンド8000(H)〜8058(H)は、特別図柄に対応して可変表示装置9にて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
また、コマンドE400(H)は、確変状態が終了して高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、確変状態が開始して低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ60から上述した演出制御コマンドを受信すると図24に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図24に示された例以外の制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、賞球LED51や球切れLED52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。
図25は、始動入賞口11,12への入賞にもとづく始動動作を説明するためのタイミング図である。ここでは、始動入賞口11への入賞に伴う制御を例にして説明を行う。また、通常の遊技状態において、始動有効期間は、始動入賞口スイッチ11a,12aがオンしてその後にオフするまで有効が継続され、特定入賞有効期間は、可変入賞球装置20の始動動作が開始されるまで無効が継続される。図25に示すように、始動入賞による開閉動作がある場合、始動入賞口スイッチ11aがオンしてその後にオフすると、そのオフ時点から始動有効期間が無効となり、始動入賞口スイッチ11aのオン時点から所定時間が経過すると、可変入賞球装置20の始動動作が開始され、その開始時点から特定入賞有効期間が有効となる。始動動作において、可変入賞球装置20(開閉片23a,23b)は、所定のインターバルをおいて2回開放する。この開放時に可変入賞球装置20に遊技球が流入すると、役物流入スイッチ34a,34bにて流入した遊技球が検出される。その後は、所定時間の特定入賞有効期間中に特定入賞スイッチ30aのオン(V入賞の検出)がないと、始動有効期間を無効から有効に切り替える。また、所定時間の特定入賞有効期間中に特定入賞スイッチ30aのオン(V入賞の検出)がないと、特定入賞有効期間を有効から無効に切り替える。なお、可変入賞球装置20に流入した遊技球は、特定入賞スイッチ30aにて検出されたか否かに係わらず、可変入賞球装置20から排出される際に排出スイッチ29aにて検出される。
図26は、可変入賞球装置20の制御に関する処理をまとめて示す可変入賞球装置処理の例を示すフローチャートである。可変入賞球装置処理は、遊技制御処理内で定期的に実行される可変入賞球装置制御プロセス処理(ステップS28a)内の処理の一部をまとめて示す処理である。従って、実際には、図26に示す可変入賞球装置処理は、一連の処理ではなく、遊技制御処理における他の処理と同様に間欠的に実行される処理である。可変入賞球装置処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞口スイッチ11a,12aが遊技球を検出すると(ステップS101)、第1大当り遊技状態に制御されていなければ(ステップS102)、ソレノイド24a,24bをオン/オフすることにより開閉片23a,23bの開閉動作である始動動作を実行する(ステップS103)。
なお、第1大当り遊技状態に制御されているか否かは、特別図柄プロセスフラグの値がステップS305〜S308の何れかであるか否かによって判定される。
始動入賞口スイッチ11a,12aが遊技球を検出したときに(ステップS101)、第1大当り遊技状態に制御されていた場合には(ステップS102)、この例では、ソレノイド24a,24bのオン/オフ制御は行わず、始動動作は実行しない。なお、このような場合であっても、始動入賞口スイッチ11a,12aによる遊技球の検出にもとづく賞球の払い出しは行うようにしてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、役物流入スイッチ34a,34bがオンすると役物未排出個数を1加算し(ステップS104,S105)、排出スイッチ29aがオンすると役物未排出個数を1減算する(ステップS106,S107)。
また、特定入賞有効期間中に特定入賞スイッチ30aにて遊技球が検出されると(ステップS108)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2特定遊技状態に制御する(ステップS109)。ステップS109では、最高16ラウンドまで継続権が許容された第2大当り遊技制御が実行される。なお、第2特定遊技状態が発生したあとも、上述したステップS104〜S107と同様の処理が継続して実行される。
また、本例では、第2特定遊技状態に制御されている間、大入賞口内に設けられているスイッチを監視する処理を実行する。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2特定遊技状態に制御されている間(ステップS109dのY)、カウントスイッチ19とV入賞スイッチ25がオンしたか否かをそれぞれ繰り返し確認し(ステップS109a)、カウントスイッチ19又はV入賞スイッチ25がオンしたことを確認すると、異常報知表示器67に所定の表示(例えば「2」)を行うことで、検出されるはずのないとき(第2特定遊技状態に制御されている間)に大入賞口内に設けられているスイッチで遊技球が検出されたことを示す異常検出エラー2が発生したことを報知する(ステップS109b)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技の進行を停止させるために、遊技制御を停止するための処理を実行する。例えば、異常検出エラー2フラグをセットし、少なくとも遊技球の払い出しに係わる制御を実行しない状態にする。なお、異常検出エラー2フラグがセットされたことに応じて、実行中の第2特定遊技状態を停止するようにしてもよい。
特定入賞スイッチ30aにて遊技球が検出されることなく特定入賞有効期間が経過すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置処理を終了する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ101の動作を説明する。図27は、演出制御用マイクロコンピュータ101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、割込フラグをクリアし(ステップS703)、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンドの受信処理について説明する。図28は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用マイクロコンピュータ101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ101において割込がかかる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図29は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく(ステップS612a)。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS613)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS614)。
受信した演出制御コマンドが変動進行中断指定の演出制御コマンドであれば(ステップS615)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、中断指定フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが変動進行再開指定の演出制御コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、再開指定フラグをセットする(ステップS618)。
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS619)。
図30は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
飾り図柄通常処理(ステップS800):変動パターンコマンドが送信されてくるのを待つ。変動パターンコマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に変更する。
飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
飾り図柄停止処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図31は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9およびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ101が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9およびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御基板80のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
図31に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。なお、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図11に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図32は、図30に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターン決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータにもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS822)。本例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および事前判定結果(大当り、はずれ、リーチなど)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択する。上記のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグを飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS824)。
図33は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS833)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS834)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS835)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS837)。
図34は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動中断フラグがセットされているか否か確認する(ステップS841)。飾り変動中断フラグは、飾り図柄の変動表示の進行を中断するときにセットされ、飾り図柄の変動表示の進行を再開するときにリセットされるフラグである。
飾り変動中断フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ101は、中断指定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS842)。中断指定フラグは、変動進行中断指定コマンドを受信したか否かを示すフラグである。
中断指定フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマの進行を停止するとともに(ステップS843)、変動時間タイマの進行を停止する(ステップS844)。また、中断指定フラグをリセットし(ステップS845)、飾り変動中断フラグをセットする(ステップS846)。すなわち、変動進行中断指定コマンドを受信していれば、飾り図柄の変動表示を中断するための制御を行う。
一方、飾り変動中断フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、再開指定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS847)。再開指定フラグは、変動進行再開指定コマンドを受信したか否かを示すフラグである。
再開指定フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマの進行を再開するとともに(ステップS848)、変動時間タイマの進行を再開する(ステップS849)。また、再開指定フラグをリセットし(ステップS850)、飾り変動中断フラグをリセットする(ステップS851)。すなわち、変動進行再開指定コマンドを受信していれば、飾り図柄の変動表示を再開するための制御を行う。
ステップS842にて中断指定フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS852)。タイムアウトしたら、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS853)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS854)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS855)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS856)。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS857)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS858)。
ステップS847にて再開指定フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動表示の中断中の演出制御を実行する(ステップS859)。具体的には、飾り図柄の変動表示の中断時に用いるものとしてあらかじめ用意されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行うとともに、飾り図柄の変動表示の中断時に用いるものとしてあらかじめ用意されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う。この中断時の制御によって、例えば、はずれ図柄を可変表示装置9に停止表示するようにしたり、高速変動表示を可変表示装置9に表示したりする。
なお、プロセスタイマは、ステップS832あるいはステップS854にてスタートされたあと、例えば、演出制御処理におけるタイマ更新処理(図27には図示されていない)にて定期的にタイマ値が更新される。また、タイマの進行を停止するための制御(ステップS843:例えばプロセスタイマ停止フラグのセット)がなされていれば、その後にタイマの進行を再開するための制御(ステップS848:例えばプロセスタイマ停止フラグのリセット)がなされるまで、タイマ更新処理でのプロセスタイマの更新は行われない。
同様に、変動時間タイマは、ステップS836にてスタートされたあと、例えば、演出制御処理におけるタイマ更新処理(図27には図示されていない)にて定期的にタイマ値が更新される。また、タイマの進行を停止するための制御(ステップS844:例えば変動時間タイマ停止フラグのセット)がなされていれば、その後にタイマの進行を再開するための制御(ステップS849:例えば変動時間タイマ停止フラグのリセット)がなされるまで、タイマ更新処理での変動時間タイマの更新は行われない。
図35は、演出制御プロセス処理における飾り図柄停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。飾り図柄停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS861)。飾り図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、自己が決定した停止図柄で飾り図柄を停止させる制御を行う(ステップS862)。なお、停止図柄は、例えばステップS801にて、演出制御用マイクロコンピュータ101が、変動パターンコマンドが示す特別図柄の表示結果に対応する図柄となるように決定する。
そして、ステップS862で飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には(ステップS863のY)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS864)。
ステップS862で飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS865)。
次に、本例の遊技機における特別図柄と飾り図柄の変動状態の関係について詳しく説明する。すなわち、特別図柄表示器8と可変表示装置9の図柄変動状態の関係について説明する。
図36は、始動入賞口13への始動入賞があった場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。ここでは、始動入賞口13へ始動入賞(第1始動入賞)にもとづく特別図柄の変動表示が実行されているときに、始動入賞口11,12への始動入賞(第2始動入賞)にもとづく始動動作が実行され、その始動動作の際に可変入賞球装置20に遊技球が進入(役物入賞)した場合を例に説明する。
第1始動入賞が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となっていれば、事前判定(ステップS56〜S63参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS64,S65参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動入賞に応じた特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS66,S67参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1始動入賞にもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの実行中に役物流入スイッチ34a,34bによって可変入賞球装置20への遊技球の流入(役物入賞)を検出すると、特図変動Aを中断するとともに(例えばステップS75,S35n参照)、飾り図柄の変動表示を中断することを指示するための変動進行中断指定コマンドを送信する(ステップS76,S77参照)。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの中断中は、特別図柄表示器8にはずれ図柄を停止表示させるための制御、または特別図柄表示器8に高速変動表示を継続して表示させるための制御を行う(ステップS35s,S22b参照)。
変動進行中断指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aを中断する(例えばステップS615,S616,ステップS842〜S846,S841,S847参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aの中断中は、可変表示装置9にはずれ図柄を示唆する図柄を停止表示させるための制御、または可変表示装置9に高速変動表示を継続して表示させるための制御を行う(ステップS859参照)。
特図変動Aを中断したあと、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置20に進入した遊技球の全てを排出スイッチ29aによって検出(排出確認)すると、特図変動Aを再開するとともに(例えばステップS81,S35n参照)、飾り図柄の変動表示を再開することを指示するための変動進行再開指定コマンドを送信する(ステップS82,S83参照)。
変動進行再開指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aを再開する(例えばステップS617,S618,ステップS841,S847〜S851参照)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの変動期間が終了し、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動Aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Aを終了する。
上記のように、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、特別図柄の変動開始時に変動パターンコマンドを送信し、変動停止時に図柄停止コマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、特別図柄の変動中断時に変動進行中断コマンドを送信し、変動再開時に変動進行再開コマンドを送信する。従って、特別図柄と飾り図柄との間の同期を確実にとることができる。
図37は、始動入賞口13への始動入賞があった場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態の他の具体例を示すタイミング図である。ここでは、始動入賞口13へ始動入賞(第1始動入賞)にもとづく特別図柄の変動表示が実行されているときに、始動入賞口11,12への始動入賞(第2始動入賞)にもとづく始動動作が実行され、その始動動作の際に可変入賞球装置20に遊技球が進入(役物入賞)し、さらにV入賞が発生して第2大当り遊技が実行される場合を例に説明する。
第1始動入賞が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となっていれば、事前判定(ステップS56〜S63参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS64,S65参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動入賞に応じた特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS66,S67参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1始動入賞にもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの実行中に役物流入スイッチ34a,34bによって可変入賞球装置20への遊技球の流入(役物入賞)を検出すると、特図変動Aを中断するとともに(例えばステップS75,S35n参照)、飾り図柄の変動表示を中断することを指示するための変動進行中断指定コマンドを送信する(ステップS76,S77参照)。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの中断中は、特別図柄表示器8にはずれ図柄を停止表示させるための制御、または特別図柄表示器8に高速変動表示を継続して表示させるための制御を行う(ステップS35s,S22b参照)。
変動進行中断指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aを中断する(例えばステップS615,S616,ステップS842〜S846,S841,S847参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aの中断中は、可変表示装置9にはずれ図柄を示唆する図柄を停止表示させるための制御、または可変表示装置9に高速変動表示を継続して表示させるための制御を行う(ステップS859参照)。
特図変動Aを中断したあと、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置20に進入した遊技球の全てを排出スイッチ29aによって検出(排出確認)したときであっても(例えばステップS79のY参照)、第2大当り遊技状態となっている場合には中断状態を継続する(例えばステップS80のY参照)。その後、第2大当り遊技状態が終了したことを確認すると(例えばステップS80のN参照)、特図変動Aを再開するとともに(例えばステップS81,S35n参照)、飾り図柄の変動表示を再開することを指示するための変動進行再開指定コマンドを送信する(ステップS82,S83参照)。
変動進行再開指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aを再開する(例えばステップS617,S618,ステップS841,S847〜S851参照)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの変動期間が終了し、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動Aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Aを終了する。
以上に説明したように、可変入賞球装置20に進入した遊技球と、可変入賞球装置20に進入したあと排出された遊技球とを監視し、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御し、特別図柄の可変表示の実行が中断状態に制御されているときに、可変入賞球装置20に進入した遊技球が排出スイッチ29aによって全て検出されたことを条件に中断状態を解除する構成としたので、遊技者を混乱させることなく、複数の遊技態様におけるそれぞれの大当り遊技状態に同時に制御されることを防止することができる。
すなわち、一方の大当り遊技状態の発生に伴い他方の大当り遊技状態が強制的に終了される構成とされたり、一方の大当り遊技状態が発生しているときは他方の大当り遊技状態への移行条件が見た目上成立していたとしても当該他方の大当り遊技状態に移行されないような構成とされている場合には、遊技者が混乱してしまうおそれがある。
これに対し、上述した実施の形態では、第2大当り遊技状態が発生する可能性のある状態となったときに特別図柄の可変表示の実行を中断し、その後、第2大当り遊技状態が発生する可能性がなくなったときにときに特別図柄の可変表示の実行を再開する構成としたので、遊技者を混乱させることなく、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とに同時に制御されてしまうことを防止することができる。
なお、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とに同時に制御されてしまうことが防止されるのは、遊技者に過度に有利な遊技状態とされることのないようにするとともに、遊技内容が複雑化してしまうことを防止するためである。
また、上述した実施の形態では、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成とされているので、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態が同時に発生する可能性がより高い状態(第1始動入賞が発生しただけの状態と比較して高い状態)になったときに、第1特定遊技状態に移行されることを防止することができる。よって、第1特定遊技状態への移行を防止するための措置が無駄に行われてしまうことを極力回避することができ、遊技が無用に中断されることを極力防止することができる。
なお、役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときでなく、始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成とするようにしてもよい。すなわち、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成とするようにしてもよい。このように構成した場合であっても、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態が同時に発生する可能性がある状態になったことにもとづいて、第1特定遊技状態に移行されることを防止することができる。また、第1始動入賞口への始動入賞の発生に応じて特別図柄の変動表示が中断されるので、第1始動入賞口への始動入賞の発生にもとづく遊技態様(例えば始動動作やV入賞の有無など)に注目させることができる。このように、複数の遊技態様のいずれかに遊技者を注目させることができる。
上記のように、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成とする場合には、始動入賞口スイッチ11a,12aによる遊技球の検出にもとづく可変入賞球装置20の始動動作(開閉片23a,23bを開閉する動作)が終了したときまで(具体的には、あらかじめ定められた期間であって、始動動作が開始したときから、始動動作の終了時に可変入賞球装置20に進入した遊技球が役物流入スイッチ34a,34bに到達するまでの期間内)に、役物流入スイッチ34a,34bによって遊技球が検出されなかったときは、中断状態を解除することが望ましい。このようにすれば、第1特定遊技状態への移行を防止するための措置が無駄に行われてしまうことを極力回避することができ、遊技が無用に中断されることを極力防止することができる。
また、上述した各実施の形態では、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときに、あるいは、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成としていたが、始動入賞口スイッチ11a,12aへの始動入賞にもとづき可変入賞球装置20の始動動作が開始されるときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、始動入賞口スイッチ11a,12aへの始動入賞にもとづき始動動作を行うためにソレノイド24a,24bに駆動信号を出力する前に、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成とすればよい。このように構成すれば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態が同時に発生する可能性がある状態になったときに、第1特定遊技状態に移行されることを防止することができるとともに、第1特定遊技状態への移行を防止するための措置が無駄に行われてしまうことを極力回避することができ、遊技が無用に中断されることを極力防止することができる。
また、特別図柄の変動時間の残りによって、始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたときに中断状態に制御する場合と、役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときに中断状態に制御する場合とを分けるようにしてもよい。具体的には、実行中の特別図柄の変動時間の残りが少なければ、始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたときに中断状態に制御することとし、特別図柄の変動時間の残りに余裕があるときは役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときに中断状態に制御するようにすればよい。
なお、上述した各実施の形態では、可変表示装置9での特別図柄の可変表示の実行中に、始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたとき、あるいは、役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたときに、特別図柄の可変表示の実行を中断した中断状態に制御する構成としているが、始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたあと、あるいは、役物流入スイッチ34a,34bにより遊技球が検出されたあと、特別図柄の可変表示の実行が中断状態に制御される前に、特別図柄の可変表示が大当り図柄で停止表示され、第1大当り遊技に移行することが決定された場合には、その後にV入賞スイッチ25によって遊技球が検出されたとしても、その特定入賞を無効とし、第2大当り遊技は実行しないようにすればよい。なお、第1大当り遊技への移行が決定されたときが、始動入賞口スイッチ11a,12aにより遊技球が検出されたあと、可変入賞球装置20の始動動作を開始する前であれば、始動動作を行わないようにしてもよい。
また、上述したように、第1大当り遊技状態であるときには、可変入賞球装置20による始動動作の実行を禁止する構成としたので、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とが同時に発生することを確実に防止することができる。
また、上述したように、第2大当り制御の実行中に大入賞口16内のスイッチ19,22aで遊技球が検出されたときに、第2大当り制御の実行中に遊技球の異常検出が発生した旨を示す異常検出エラー2報知を行う構成としたので、不正行為(例えば、第2大当り制御の実行中は派手な演出が行われ遊技者の行為が目立たなくなり、かつ遊技球が大量に払い出されている状態となっていることから不正入賞によって遊技球が払い出されていることが分かりづらくなるため、第2大当りの実行中に、第1大当りとなったときに開放される大入賞口16に不正に遊技球を入れる行為。)などにもとづく異常検出がなされていることを遊技店員等に認識させることができる。
また、上述したように、第2大当り制御の実行中に大入賞口16内のスイッチ19,22aで遊技球が検出されたときに、遊技の進行を停止する構成としたので、不正行為(例えば、第2大当り制御の実行中は派手な演出が行われ遊技者の行為が目立たなくなり、かつ遊技球が大量に払い出されている状態となっていることから不正入賞によって遊技球が払い出されていることが分かりづらくなるため、第2大当りの実行中に、第1大当りとなったときに開放される大入賞口16に不正に遊技球を入れる行為。)などにもとづく異常検出にもとづいて遊技媒体の払い出しなどがなされてしまうことを防止することができる。なお、「遊技の進行の停止」は、例えば第2大当り制御の実行を停止することや、遊技制御処理を停止することを意味する。
また、上述したように、可変入賞球装置20に進入した遊技球が役物流入スイッチ34a,34bによって計数されたあと排出スイッチ29aによって計数されることなく所定期間が経過したときに、その旨を報知する構成とされているので、不正行為(たとえば、磁石などを用いて、可変入賞球装置20に進入した遊技球を留まらせ、V入賞スイッチ25を狙って遊技球を不正に誘導する行為。)や球詰まりなどにもとづく未検出異常が発生していることを遊技店員等に認識させることができる。
また、上述したように、可変入賞球装置20に進入した遊技球が役物流入スイッチ34a,34bによって計数されたあと排出スイッチ29aによって計数されることなく所定期間が経過したときに、遊技の進行を停止する構成とされているので、不正行為(たとえば、磁石などを用いて、可変入賞球装置20に進入した遊技球を留まらせ、V入賞スイッチ25を狙って遊技球を不正に誘導する行為。)や球詰まりなどにもとづく未検出異常が発生しているにもかかわらず遊技媒体の払い出しなどがなされてしまうことを防止することができる。
また、上述したように、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示が中断されているときに、例えば、特別図柄表示器8にて表示結果以外の表示態様(例えばはずれ図柄)で特別図柄を停止表示する構成とされているので、第1大当り遊技状態への移行条件が成立したと誤認させてしまうことを確実に防止することができ、遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
また、上述したように、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示が中断されているときに、例えば、特別図柄表示器8にて特別図柄が可変表示しているときの様子を継続して表示する構成とされているので、第1大当り遊技状態への移行条件が成立したと誤認させてしまうことを確実に防止することができ、遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
また、上述したように、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示が中断されているときに、例えば、特別図柄表示器8にて中断された特別図柄の可変表示の表示結果を予告する予告報知を実行する構成とされているので、特別図柄の可変表示を中断している特別図柄表示器8を、遊技者を混乱させてしまうことなく有効活用させることができるとともに、第2大当り遊技状態の発生に対する期待感だけでなく、中断している特別図柄の可変表示についても遊技者の興味を惹きつけることができる。
なお、上述した実施の形態では、可変表示を中断している特別図柄表示器8を用いて予告報知を実行する構成としていたが、予告報知を特別図柄表示器8以外の表示装置によって行うようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60が表示制御する所定の表示装置や、可変表示装置9などによって予告報知を行うことが考えられる。
なお、上述した実施の形態では、第2大当り遊技状態にて、最高16ラウンドまでラウンド遊技が実行される構成としていた。具体的には、第2大当り遊技状態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60がソレノイド24a,24bのオン/オフ制御を行うことによって、開閉片23a,23bが所定時間の開放動作を18回繰り返す(18回の開閉サイクル)。なお、開閉サイクルが18回終了する以前に、役物流入スイッチ34a,34bによって10個の入賞球が検出された場合には、その時点で開閉片23a,23bの開閉動作を終了する。その後、開閉サイクルが終了したとき(開閉サイクル終了後、入賞した遊技球が全て排出スイッチ29aで検出されるのに十分な時間を待って)は、その開閉サイクル中に特定入賞スイッチ30aにて遊技球が検出されていたときには、18回の開閉サイクルの継続権が成立している。継続権が成立していれば、所定のインターバル時間の経過後に再度開閉片23a,23bの開放サイクルが開始される。すなわち、次ラウンドが開始される。上述した実施の形態では、始動入賞にもとづく始動動作で入賞空間に入賞した遊技球がV入賞したことによって特定遊技状態が発生した場合には、開閉サイクルの継続回数は、最高16回(16ラウンド)まで許容されるようになっている。
上記のように第2大当り遊技状態にて最高16ラウンドまでラウンド遊技が実行される構成とされていたが、ラウンド遊技が継続し得る最高回数を抽選により決定する構成としてもよい。また、抽選によりラウンド遊技の最高回数を決定する構成とする場合、さらに、特別図柄の変動表示の中断時であって、第2大当り遊技状態に制御されているときに、ラウンド遊技の最高回数を予告する予告表示を特別図柄表示器8にて行う構成としてもよい。
図38は、特別図柄表示制御処理(図20参照)の他の例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動表示の進行を中断している場合には(ステップS35n)、第2大当り遊技制御中であれば(ステップS35t)、例えば最高ラウンド数予告判定用の乱数を抽出し、抽出結果に応じて最高ラウンド数予告を行うか否か判定する(ステップS35u)。
最高ラウンド数予告を行う場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、既に抽出されている最高ラウンド数決定用の乱数の抽出結果に応じて予告する最高ラウンド数を決定し、決定した最高ラウンド数となることを予告(なお、予告した最高ラウンド数と実際の最高ラウンド数とが異なる場合を含む)する予告表示を行うためのラウンド数予告指定値を選択し(ステップS35v)、選択したラウンド数予告指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35w)。
本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、始動入賞時(ステップS101にてYと判定されたとき)又は役物流入時(ステップS104にてYと判定されたとき)に最高ラウンド数決定用の乱数を抽出し、特定入賞があったとき(ステップS108にてYと判定されたとき)に、最高ラウンド数決定用の乱数の抽出値に応じてラウンド遊技の最高回数を決定する。よって、この例では、始動入賞時又は役物流入時に抽出された最高ラウンド数決定用の乱数の抽出値は、ラウンド遊技の最高回数を決定するときと、予告する最高ラウンド数を決定するときとの双方で用いられる。
上記のように特別図柄表示制御処理を実行する構成とすれば、表示制御処理(図18参照)におけるステップS22の処理によって、特別図柄表示器8に最高ラウンド数の予告表示(例えば「8」、「10」、「16」など)が実行される。
上記のように、特別図柄の変動表示の中断時であって、第2大当り遊技状態に制御されているときに、ラウンド遊技の最高回数を予告する予告表示を特別図柄表示器8にて行う構成とすれば、多様な遊技演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図38に示す例では、第2大当り遊技状態に制御されているときに、ラウンド遊技の最高回数を予告する予告表示を行うように構成されているが、そのような予告表示を、第2大当り遊技状態に制御される前に行うようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、ステップS35tの判定を行うことなく、ステップS35vにて、始動入賞時又は役物流入時に既に抽出されている最高ラウンド数決定用の乱数の抽出結果に応じて予告する最高ラウンド数を決定し、決定した最高ラウンド数となることを予告(なお、予告した最高ラウンド数と実際の最高ラウンド数とが異なる場合を含む)する予告表示を行うためのラウンド数予告指定値を選択し、ステップS35wにて選択したラウンド数予告指定値を特別図柄用出力バッファにセットするようにすればよい。このように構成すれば、第2大当り遊技状態がその後に発生した場合に、その第2大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の最高回数を予告表示することができる。
また、上述した実施の形態では、第2大当り遊技状態であるときに、第1大当り遊技状態となったときに開放される大入賞口内のスイッチにて異常検出がなされたときには、エラー報知を行うとともに、遊技の進行を停止する構成としていたが、同様に、第1大当り遊技状態であるときに、第2始動入賞が発生したときに開放される可変入賞球装置20内のスイッチにて異常検出がなされた場合には、エラー報知を行うとともに、遊技の進行を停止する構成としてもよい。
図39は、第1大当り遊技状態であるときに実行される異常監視処理の例を示すフローチャートである。この異常監視処理は、例えば特別図柄プロセス処理におけるステップS305〜S308内でそれぞれ実行される。異常監視処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、役物流入スイッチ34a,34b、特定入賞スイッチ30a、排出スイッチ29aのいずれかがオンしたか否か監視する(ステップS151〜S153)。役物流入スイッチ34a,34b、特定入賞スイッチ30a、排出スイッチ29aのいずれかがオンした場合には、異常報知表示器67に所定の表示(例えば「1」)を行うことで、第1大当り遊技中に異常な検出が確認されたことを示す異常検出エラー1が発生したことを報知する(ステップS154)。その後、遊技の進行を停止するために、遊技制御を停止するための制御を行う(ステップS155)。例えば、異常検出エラー1フラグをセットし、少なくとも遊技球の払い出しに係わる制御を停止する。なお、異常検出エラー1フラグがセットされたことに応じて、実行中の第1大当り遊技を停止するようにしてもよい。
上記のように、第1大当り遊技状態であるときに、第2始動入賞が発生したときに開放される可変入賞球装置20内のスイッチにて異常検出がなされた場合には、エラー報知を行う構成とすれば、不正行為(例えば、第1大当り制御の実行中は派手な演出が行われ遊技者の行為が目立たなくなり、かつ遊技球が大量に払い出されている状態となっていることから不正入賞によって遊技球が払い出されていることが分かりづらくなるため、第1大当りの実行中に、第2大当りとなったときに開放される可変入賞球装置20に不正に遊技球を入れる行為。)などにもとづく異常検出がなされていることを遊技店員等に認識させることができる。
また、上記のように、第1大当り遊技状態であるときに、第2始動入賞が発生したときに開放される可変入賞球装置20内のスイッチにて異常検出がなされた場合には、遊技の進行を停止する構成とすれば、不正行為などにもとづく異常検出にもとづいて遊技媒体の払い出しなどがなされてしまうことを防止することができる。なお、ここでの「遊技の進行の停止」は、例えば第1大当り制御の実行を停止することや、遊技制御処理を停止することを意味する。
また、上記の各実施の形態では、特別図柄に対応する始動入賞記憶数を最大4個であるとしていたが、3個以下あるいは5個以上とされていてもよい。さらに、あらかじめ定められた所定条件の成立によって、始動入賞記憶数の上限が変化するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、通常時は最大4個であるが、大当りが発生した場合には、大当り遊技状態が終了するまで、最大15個となるようにすることが考えられる。
また、上述した各実施の形態では、特別図柄表示器8にて、図柄変動の進行の中断中にその変動表示の表示結果を予告するための予告表示と、第2大当りにおけるラウンド遊技の最高回数を予告するための予告表示とが行われる構成としていたが、図柄変動の進行の中断中に、変動表示の表示結果を予告するための予告表示の実行条件と、ラウンド遊技の最高回数を予告するための予告表示の実行条件とがともに成立した場合には、両方の予告を行うようにしてもよいし、乱数等による抽選によって何れか一方の予告のみを行うようにしてもよいし、あらかじめ定められた優先順位の高い方の予告を行うようにしてもよい。また、変動表示の表示結果と、ラウンド遊技の最高回数とのうち、遊技者に有利な結果となる方の予告を優先した行うようにしてもよい。例えば、変動表示の表示結果が大当りとなるときは、変動表示の表示結果が大当りとなることを予告する大当り予告を優先して実行し、ラウンド遊技の最高回数が最大値である16回となるときは、ラウンド遊技の最高回数を予告するための予告表示を優先して実行するようにすればよい。
また、上述した各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御によって、特別図柄表示器8にて、図柄変動の進行の中断中にその変動表示の表示結果を予告するための予告表示、第2大当りにおけるラウンド遊技の最高回数を予告するための予告表示などを行うようにしていたが、これらの表示を、演出制御用マイクロコンピュータ101の制御によって可変表示装置9にて行うようにしてもよい。すなわち、可変表示装置9にて、図柄変動の進行の中断中にその変動表示の表示結果を予告するための予告表示、第2大当りにおけるラウンド遊技の最高回数の予告表示などを行う構成とされていてもよい。この場合、各予告表示は、変動表示で用いられる図柄とは異なる各種のキャラクタ(例えば予告演出用の人物・動物・乗り物)などを用いた演出表示(変動表示の表示結果を予告する予告演出であれば例えばキャラクタが「大当りかも」や「リーチかも」と言っている様子を吹き出しを用いて表す表示等、ラウンド遊技の最高回数の予告表示であれば例えばキャラクタが「最高8回まで継続するよ」と言っている様子を吹き出しを用いて表す表示等)によって行うようにしてもよい。なお、上記の構成とする場合、上述した各実施の形態において、予告表示を行うと決定されたとき(例えば、ステップS35oにてYと判定されたとき、ステップS35uにてYと判定されたとき)に、遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対して、該当する予告演出(特別図柄の表示結果の予告演出、あるいは第2大当りにおけるラウンド遊技の最高回数の予告演出)を行う旨の演出制御コマンドを送信するようにすればよい。そして、予告演出を行う旨の演出制御コマンドの受信に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ101が、該当する予告演出の内容を決定(例えばあらかじめ用意された複数種類の予告演出の中から乱数抽選によって実行する予告演出を決定する)し、可変表示装置9にて予告演出を行うための制御を実行するようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの演出制御コマンドにもとづいて、予告演出を行うか否かについても、演出制御用マイクロコンピュータ101が決定するようにしてもよい。
ここで、可変表示装置9にて予告演出を行う構成とした場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態の関係について図40を参照して説明する。すなわち、特別図柄表示器8と可変表示装置9の表示状態の関係について説明する。なお、ここでは、特別図柄表示器8と可変表示装置9の双方で予告演出を行うものとする。
図40は、始動入賞口13への始動入賞があった場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。ここでは、始動入賞口13へ始動入賞(第1始動入賞)にもとづく特別図柄の変動表示が実行されているときに、始動入賞口11,12への始動入賞(第2始動入賞)にもとづく始動動作が実行され、その始動動作の際に可変入賞球装置20に遊技球が進入(役物入賞)した場合を例に説明する。
第1始動入賞が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となっていれば、事前判定(ステップS56〜S63参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS64,S65参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動入賞に応じた特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS66,S67参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1始動入賞にもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの実行中に役物流入スイッチ34a,34bによって可変入賞球装置20への遊技球の流入(役物入賞)を検出すると、特図変動Aを中断するとともに(例えばステップS75,S35n参照)、飾り図柄の変動表示を中断することを指示するための変動進行中断指定コマンドを送信する(ステップS76,S77参照)。
この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの中断中は、特別図柄表示器8にて予告表示を行うための制御を行う。例えば、「3」、「7」の左右図柄を点滅表示したり、7セグメントLEDの各セグメントを1つずつ順次点滅させていく表示を行うことで、特図変動Aの表示結果が大当りとなる可能性があることを予告する大当り予告表示を行う。
変動進行中断指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、予告演出決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に応じて飾り変動Aの表示結果が大当りとなる可能性があることを予告する大当り予告演出を実行するか否か決定する。大当り予告演出を行うことに決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、あらかじめ用意されている複数種類の予告演出の中の何れの予告演出を実行するか決定する。そして、飾り変動Aを中断し、飾り変動Aの中断中に大当たり予告演出を可変表示装置9に表示させるための制御を行う。なお、大当り予告演出を実行するか否かを決定する際には、例えば、受信している変動パターンコマンドにもとづき飾り変動Aの表示結果を確認し、大当り表示結果となる場合には高確率で大当り予告演出を実行することに決定し、はずれとなる場合には低確率で大当り予告演出を実行することに決定するようにすればよい。
大当り予告演出は、例えば可変表示装置9にキャラクタを登場させたり、キャラクタを登場させるだけでなく、そのキャラクタが「大当りになるかも」と言っている様子を表示するようにしたりすればよい。なお、大当り予告演出の実行中に、可変表示装置9の表示領域の一部で、飾り図柄が変動表示されている様子を表示(実際には中断されているが、変動が継続しているかのように見せるための表示)するようにしてもよい。
特図変動Aを中断したあと、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置20に進入した遊技球の全てを排出スイッチ29aによって検出(排出確認)すると、予告表示を終了する。そして、特図変動Aを再開するとともに(例えばステップS81,S35n参照)、飾り図柄の変動表示を再開することを指示するための変動進行再開指定コマンドを送信する(ステップS82,S83参照)。
変動進行再開指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、予告演出を終了する。そして、飾り変動Aを再開する(例えばステップS617,S618,ステップS841,S847〜S851参照)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの変動期間が終了し、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動Aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Aを終了する。
上記のように、この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、特別図柄の変動中断時に変動進行中断コマンドを送信し、変動再開時に変動進行再開コマンドを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101が、変動進行中断コマンドの受信に応じて予告演出を行うか否かを判定し、予告演出を行うと決定した場合にどの種類の予告演出を行うかを決定し、決定結果に従って予告演出を行う。このように構成すれば、演出制御用マイクロコンピュータ101の制御によって可変表示装置9にて予告演出を行うことができる。
なお、上記の例において、演出制御用マイクロコンピュータ101が、予告演出を行うと決定したときに、可変表示している飾り図柄が既にリーチ表示状態となっている状態であれば(リーチ成立後の状態であれば)大当り予告を行うことに決定し、その飾り図柄の左右図柄が未だ停止していない状態であれば(リーチ成立前の状態であれば)リーチ予告を行うことに決定するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101の制御によって可変表示装置9にて各種の報知を行うようにしていたが、可変表示装置9によって報知されていた各種の情報を、遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御する表示装置によって報知する構成としてもよい。この場合、可変表示装置9を遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御することで上記の報知を行うようにしてもよく、可変表示装置9とは別個の表示装置を遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御することで上記の報知を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御によって、異常報知表示器67にて各種の異常報知(ステップS86、ステップS109b、ステップS154)を行う構成としていたが、異常報知表示器67を演出制御用マイクロコンピュータ101などの主基板31以外の基板に搭載されているマイクロコンピュータが行う構成としてもよい。また、上述した各実施の形態では、異常報知表示器67への表示によって各種の異常報知(ステップS86、ステップS109b、ステップS154)を行う構成としていたが、それらの異常報知をランプの点灯・点滅やスピーカ27からの音声出力によって行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、図柄変動の進行の中断中にその変動表示の表示結果を予告するための予告表示(予告演出)や、第2大当りにおけるラウンド遊技の最高回数を予告するための予告表示(予告演出)を行う構成としていたが、当該予告演出には、予告内容に合致した特別図柄の表示結果やラウンド遊技の最高回数となる演出(真予告演出)、予告内容と異なる特別図柄の表示結果やラウンド遊技の最高回数となる演出(偽予告演出:いわゆるガセ予告の演出)を含む。偽予告演出は、例えば、真予告演出と同一の演出態様で実行されるようにすればよい。すなわち、予告演出が出現しただけでは、その演出が偽予告演出であるのか真予告演出であるのかがわからないようにしておくようにすればよい。
また、上述した各実施の形態では、特別図柄表示器8と普通図柄表示器10とが7セグメント表示器によって構成され、特別図柄始動記憶表示器18と普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成されることとしていたが、各表示装置には、それぞれ、7セグメント表示器、LED、ランプ、ドットマトリクスなどの各種の表示装置を適用することができる。
また、上述した各実施の形態では、可変入賞球装置20に進入した遊技球の排出を排出スイッチ29aのみによって行っていた。すなわち、特定入賞スイッチ30aにて検出されたか否かにかかわらず、可変入賞球装置20から排出される全ての遊技球を排出スイッチ29aによって検出する構成としていたが、特定入賞スイッチ30aにて検出されなかった遊技球のみが排出スイッチ29aによって検出され、特定入賞スイッチ30aを可変入賞球装置20から排出される遊技球の検出にも用いる構成としてもよい。この場合、特定入賞口30に入賞した遊技球の排出経路と、特定入賞口30に入賞しなかった遊技球の排出経路とを別個に設け、特定入賞口30に入賞しなかった遊技球の排出経路上に排出スイッチ29aを設置するようにすればよい。
また、上述した各実施の形態では、可変入賞球装置20に進入したあと未だ排出されていない遊技球の個数である役物未排出個数を監視し、特別図柄の変動中に役物未排出個数が0でなくなったら(ステップS72のN)変動表示を中断し、その後に役物未排出個数が0になったら(ステップS79のY)変動表示を再開する構成としていたが、可変入賞球装置20に進入した遊技球の数(役物進入個数)と、可変入賞球装置20から排出された遊技球の数(役物排出個数)とをそれぞれ監視し、役物進入個数と役物排出個数とを比較することによって特別図柄の変動を中断するか否かや、特別図柄の変動を再開するか否かを決定する構成としてもよい。この場合、例えば、役物流入スイッチ34a,34bによって検出された遊技球の数を役物進入個数としてRAM55に記憶し、排出スイッチ29aによって検出された遊技球の数を役物排出個数としてRAM55に記憶し、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、特別図柄の変動中にRAM55に記憶されている役物進入個数と役物排出個数とを比較し、役物進入個数が役物排出個数よりも大きくなったとき(役物進入個数が加算されたとき)に可変入賞球装置20に遊技球が進入したと判定して特別図柄の変動を中断し、その後に役物進入個数と役物排出個数とが同じ値になったときに可変入賞球装置20に進入していた遊技球が全て排出されたと判定して特別図柄の変動を再開するようにすればよい。
なお、上記のように、役物進入個数と役物排出個数とを比較することによって特別図柄の変動の中断するか否かや再開するか否かを決定する構成とした場合には、役物進入個数が最後に加算されたときから、所定期間(例えば、可変入賞球装置20に遊技球が進入したときから排出されるまでに通常要する期間よりもやや長い期間であって、あらかじめ定められた期間)が経過しても、役物進入個数と役物排出個数とが同じ値にならなかったときに、球詰まりエラーが発生したとして、エラー報知を行うとともに(ステップS86参照)、遊技の進行を停止する(ステップS87参照)ようにすればよい。
上記のようにして球詰まりエラーが発生し遊技の進行が停止状態となっている場合に、遊技機に設けられたエラー解除用のボタン(図示せず)が遊技店員等によって押下されると、RAM55に記憶されている役物進入個数および役物排出個数がクリアされるとともに、エラー状態が解除されて(排出エラーフラグがリセットされる)、遊技の進行が再開される。なお、上述したステップS87にて遊技の進行が停止状態となっている場合についても、同様にしてエラー状態が解除される。この場合、エラー解除用のボタンが遊技店員等によって押下されると、役物未排出個数がクリアされるとともに、エラー状態が解除されて、遊技の進行が再開される。
また、上述した各実施の形態では、可変入賞球装置20を、開閉片23a,23bを開放状態とする第2の状態と、開閉片23a,23bを閉成状態とする第1の状態に制御する構成としたが、「第2の状態」は遊技者にとって有利な状態であれば他の制御状態であってもよく、「第1の状態」は遊技者にとって不利な状態であれば他の制御状態であってもよい。例えば、「第2の状態」として、可変入賞球装置20に入賞しやすいように可動部材の状態を変化させて、遊技球を可変入賞球装置20内に誘導する状態としてもよい。また、例えば、「第1の状態」として、可変入賞球装置20に入賞し難いように可動部材の状態を変化させて、遊技球を可変入賞球装置20に誘導しない状態としてもよい。
また、始動入賞にもとづいて特別図柄表示器8に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機と、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機との両方の機能を併せ持つ遊技機であれば、他の構成の遊技機であっても、本発明を適用できる。