JP4360565B2 - 舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法およびそのための自走車両システム - Google Patents

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Description

本発明は、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法およびそのための自走車両システムに関し、より具体的には、アスファルト混合物層の表面を加熱し、アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当するアスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させ、軟化させ、掻き解し、旧アスファルト混合物にし、これに、大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの新材を添加し、混合し、補強アスファルト混合物にした後に、アスファルト混合物層の掻き残された残存層上に補強アスファルト混合物を敷き均し、残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径骨材を含む中間層を大粒径補強層として形成し、該大粒径補強層上に、新表層のためのアスファルト混合物を添加し、敷き均し、新表層を形成し、大粒径補強層と新表層とを蓄熱状態のまま一体に締め固めることによって、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法およびそのための自走車両システムに関する。
舗装道路は、車両の頻繁な交通による垂直および水平方向にかかる圧縮および引張応力歪みによって、クラッキングなどのひび割れや沈下が発生する。そのため、舗装道路は、図1にみるように、通常、路床と路盤とアスファルト混合物層の3層構造に形成される。より詳細には、図2にみるように、締め固められた路床上に、アスファルト舗装の材料になる砂および砕石、すなわち骨材にセメントや石油アスファルト乳剤などの安定剤を添加し、締め固められた2層の路盤がある。それは、強度の観点から、下層および上層の厚さが1層約10〜35cmで、全体で20〜70cmの厚さを有する。その路盤上に、通常は、アスファルト混合物の基層と表層とが、層間接着材を介し締め固められ、アスファルト混合物層を形成する。
舗装とは「路盤+アスファルト混合物層」の4層モデルをいう。アスファルト混合物層は、一般的に、基層と表層の2層モデルであり、厚さを1層約4〜5cmにし、車両交通に耐えられるようにする。というのは、舗装道路の舗装厚は、耐久性の観点から路床の強さ(CBR値)および交通量(N値)によって決まる。その一方で、路盤やアスファルト混合物層の1層の厚さは、通常、それらに含まれる骨材の最大粒径の約2〜3倍に設計される。すなわち、アスファルト混合物層に含まれる骨材の最大粒径が約20mmの場合、1層毎の厚さが約4〜5cmに設計され、全体で約8〜10cmになる。
ところが、これも求められる性状によって、約4〜5cmの表層に含まれる粒度分布の最大粒径骨材を約13mmの密粒度層に形成し、同じ厚さの基層に含まれる粒度分布の最大粒径骨材を約20mmの粗密度層に形成する場合がある。また、基層の厚さは交通量の多寡に応じ弾力的に設定される。そのため、基層の厚さが約4〜35cmに設定される場合がある。詳細は後述するが、図15(1)に示す舗装モデルおよびその断面が典型例である。図15(1)は、多層弾性解析(GAMCS:社団法人 土木学会)に用いる日本国内の幹線道路(国道・地方道)に適用されている標準舗装モデルである。舗装構造は、路床上に下層35cmおよび上層25cmの路盤と、表層5cmおよび基層12cmのアスファルト混合物層とからなる。これは、交通量区分がC交通(1000〜3000台/日・方向)の場合であり、路盤およびアスファルト混合物層の1層毎の変形抵抗性を表す弾性係数、すなわち復元力(E)は、図15(1)の表にみる通りである。
ここで、アスファルト混合物層の再舗装を説明する。
基層および表層は、いずれもバインダ(結合剤)となるアスファルトと、砂および砕石などの骨材と、骨材間の隙間を埋める石灰石の粉末である石粉(フィラー)とで構成される。構成比は、通常、骨材が90%前後、バインダのアスファルトが約5〜8%、残りがフィラーである。
骨材の粒の大きさを粒度といい、その混ざり具合を様々な大きさの篩にかけ分級した結果を粒度分布というが、その一例を図3に示す。これは、横軸を篩目の大きさ、縦軸をそれぞれの大きさの篩目を通過した材料の重量百分率(通過重量百分率)を表したグラフである。
また、骨材のバインダ(結合剤)であるアスファルトは、生の、すなわち改質されていないストレートアスファルトと、粘度を高めるために、ゴム、樹脂などの改質剤が添加された改質アスファルトがある。図4に示す温度と粘度との関係をみると、いずれも180°C前後でアスファルトの粘性が小さくなり、骨材を破壊することなく、アスファルト混合物の骨材をばらばらにする。すなわち骨材は、アスファルトで被覆された状態で単粒化される。一方100°Cを下回るにつれ、アスファルトの粘性が高まり、アスファルトで被覆された骨材は、団粒化し始め、常温で完全に固形化される。
図1に示したように、舗装道路は、長期間、車両の頻繁な交通による垂直および水平方向にかかる圧縮および引張応力歪みによって路面が傷み、また、風雨や外気温に曝され、アスファルト・バインダの軟化や流動化による「わだち掘れ」あるいは氷結にともなうひび割れなどが典型であるように、路面が凹凸化し、劣化する。舗装道路の路上再生工法は、2層構造のアスファルト混合物層を構成する基層と表層のうち、約4〜5cmの表層部分のみを対象にする加熱式の路上再生工法(HIR:Hot In-place Recycling)が一般的である。
具体的には、1つは、図5(1)に示すリミックス方式である。アスファルト混合物層の表層部分を加熱軟化し、掻き解し、アスファルト混合物にし、それに再生剤および新アスファルト混合物を添加し、混合し、再生アスファルト混合物にした後に、それを敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層の表層に再生する工法である。
他の1つは、図5(2)に示すリペーブ方式である。アスファルト混合物層の表層部分を加熱軟化し、掻き解し、アスファルト混合物にし、それに再生剤のみを添加し、混合し、敷き均し、アスファルト混合物層の表層を再生した後に、その表層に新アスファルト混合物を添加し、敷き均し、締め固め、アスファルト混合物層の表層を2層にする工法である。当然のことながら、再生されたアスファルト混合物層は、再生以前より厚さを増すことになる。ちなみに、加熱式の路上再生工法の利点は、いずれの場合もアスファルト混合物層に含まれる骨材を破壊することなく再利用することによって、アスファルト混合物層を再生強化することである。
しかしながら、舗装道路のひび割れや傷みは、層間の境界面から発生して順次上部に及ぶものも含め、すでにみてきたように、路面から約6〜10cmの表層と基層との境界面を越える深さまたは該深さに相当するアスファルト混合物層の深さにまで及ぶものが少なくない。上述したリミックス方式やリペーブ方式など、周知の路上再生工法に用いられる路面加熱手段は、短時間で、アスファルトを発火させることなく熱を浸透させることができる路面からの深さに限界があり、その適用対象が表層またはその一部に限定されていた。そのため、これらの路上再生工法を用いる場合、アスファルト混合物層の基層部分の深さまたはその深さに相当する、路面から6〜10cmの深さにある舗装道路のひび割れや傷みを一部残存させたまま、アスファルト混合物の表層部分のみを再生していた。
また、米国特許第4,534,674号明細書には、舗装道路のひび割れや傷みの修復にも着目した、リミックス方式をリペーブ方式に適用した方式、具体的には、掻き解されたアスファルト混合物にアスファルト再生剤に加え、加熱状態の新たなアスファルト混合物を添加し、混合し、敷き均した層に新表層を形成するという方式が記載されている。この場合も、既存アスファルト混合物層の修復される深さが5cmから6cm強に止まり、やはりその深さに限界がある。いずれにしても、再生された舗装道路の寿命は、一時凌ぎであり、舗装道路のアスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたはその深さに相当する路面から6〜10cmの深さまでを路上で連続的に再生し、寿命を抜本的に改善することは難しく、そうした性状の舗装道路は、これまで、例えば打換え工法に頼らざるを得なかった。
ところで、アスファルト混合物層の表面に600〜700℃の熱風を吹き付ける路面加熱手段を移動させながら、路面の表面温度を250℃前後に保ち、短時間で、アスファルトを発火させることなくアスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたはその深さに相当するアスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させることができる、路上で連続的にアスファルト混合物層を再生する加熱方法および装置を、本出願人は、特許第4024293号として、すでに開発している。本出願人は、このような加熱方法および装置を用いて、上述したアスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたはその深さに相当するアスファルト混合物層の深さにまで達する傷みや劣化に対応し、かつ舗装道路の寿命を大幅に改善することができる再舗装工法の実現を鋭意検討してきた。
「舗装再生便覧」(社団法人 日本道路協会) 特許第4024293号公報 米国特許第4,534,674号明細書
アスファルトは、粒子分のアスファルテンと油分のマルテンからなる。舗装が劣化すると、マルテンすなわち油分が減少硬化し、そこに浮遊しているアスファルテン、すなわち粒子分の割合が増す。その結果、アスファルトの粘度が落ちる。それは、表層も基層も程度の差こそあれ同じ性状である。また、舗装の劣化にともない、アスファルト混合物層に含まれる骨材には、磨耗による減少や破損も起こり得る。舗装発生材となるアスファルト混合物を旧材として再利用する対象は、表層および基層を含めたアスファルト混合物層全体であることが好ましい。
短時間で、アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当するアスファルト混合物層の深さにまで、アスファルトを発火させることなく熱を浸透させることができる上述した加熱方法および装置を用い、アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたはそれに相当する約6〜10cmの深さにまで熱を浸透させ、軟化させることによって、図6に示すように、基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する深さまで掻き解したアスファルト混合物に、アスファルト再生剤のみならず、大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの新材を添加し、それらを混合し、補強アスファルト混合物にした後に、掻き残されたアスファルト混合物層の残存層上に、補強アスファルト混合物を敷き均し、アスファルト混合物層の残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する、大粒径骨材を含む中間層を形成する。ここで、大粒径骨材を含む中間層を「大粒径補強層」と称することにする。次に、大粒径補強層上に新表層のためのアスファルト混合物を敷き均し、新表層を形成し、蓄熱状態にある両者を一体に締め固める工程を含む、アスファルト混合物層を再舗装する方法およびそのための自走車両システムを構想し、提案するものである。
上述の課題の解決は、自走車両システムを自走させ、アスファルト混合物層の表面を加熱し、アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透し、軟化したアスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さまでを掻き解して旧アスファルト混合物にし、これに団粒化しない温度で予め貯留されている大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材を添加し、混合して補強アスファルト混合物にし、掻き残されたアスファルト混合物層の残存層上に、これを敷き均し、残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成し、この大粒径補強層上に、団粒化しない温度で予め貯留されている新表層のためのアスファルト混合物の第2新材を添加し、敷き均し、新表層を形成し、大粒径補強層と新表層とを蓄熱状態のまま一体に締め固め、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装することができるという知見に基づく以下の特徴と有する本発明によって、達成される。
請求項1に記載の発明は、自走車両システムを自走させ、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法であって、(a)前記アスファルト混合物層の表面を加熱し、前記アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させ、軟化させる、加熱軟化工程と、(b)加熱され軟化された前記アスファルト混合物層の前記境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さまで掻き解し、旧アスファルト混合物にする、掻解工程と、(c)掻き解された前記旧アスファルト混合物に、団粒化しない温度で予め貯留装置に貯留されている、大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材を添加する、第1添加工程と、(d)前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を混合し、補強アスファルト混合物にする、混合工程と、(e)前記掻解工程において掻き残された前記アスファルト混合物層の残存層上に、前記補強アスファルト混合物を敷き均し、前記残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成する、大粒径補強層形成工程と、(f)形成される前記大粒径補強層上に、団粒化しない温度で予め貯留装置に貯留されている、新表層のためのアスファルト混合物の第2新材を添加する、第2添加工程と、(g)前記第2新材を敷き均し、新表層を形成する、前記大粒径補強層形成工程と連係される、新表層形成工程と、(h)前記残存層上に形成された前記大粒径補強層と前記新表層とを、蓄熱状態のまま一体に締め固める、締め固め工程と、を含むことを特徴とする方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴に加えて、前記掻解工程に先立ち、前記自走車両システム外から異なるタイミングで運び込まれる前記第1新材と前記第2新材とを、前記異なるタイミングに合わせて、それぞれの前記貯留装置に搬入する、新材搬入工程をさらに含むことを特徴とする方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記第1新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかであることを特徴とする方法である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記補強アスファルト混合物は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材を、全体として、約5%〜35%含むようにしたことを特徴とする方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、
前記混合工程は、前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を混合するときに、アスファルト再生剤を添加する、再生剤添加工程をさらに含むことを特徴とする方法である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記第2新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる骨材が有する粒度分布とほぼ同様の粒度分布を有する骨材を含むアスファルト混合物であることを特徴とする方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記大粒径補強層形成工程は、前記残存層上にアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を散布し、前記残存層と前記大粒径補強層とを接着する、層間接着工程をさらに含むことを特徴とする方法である。
請求項8に記載の発明は、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する自走車両システムであって、舗装道路のアスファルト混合物層の表面を加熱し、前記アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させ、軟化させる、加熱手段を含むプレヒータ車両(A)と、大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材を、団粒化しない温度で予め貯留する、第1タンクと、加熱され軟化された前記アスファルト混合物層の前記境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さまで掻き解し、旧アスファルト混合物にする、掻解手段と、前記第1タンクから排出される、団粒化しない温度で予め貯留されている、前記第1新材を前記旧アスファルト混合物に添加する、第1添加手段と、を含むミラー車両(B)と、新表層のためのアスファルト混合物の第2新材を、団粒化しない温度で予め貯留する、第2タンクと、前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を受け入れ、混合し、補強アスファルト混合物にする、混合手段と、前記掻解手段によって掻き残された前記アスファルト混合物層の残存層上に、前記補強アスファルト混合物を敷き均し、前記残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成する、第1スクリードと、形成される前記大粒径補強層上に、前記第2タンクから排出される、団粒化しない温度で予め貯留されている前記第2新材を添加する、第2添加手段と、添加された前記第2新材を敷き均し、新表層を形成する、前記第1スクリードと連係される、第2スクリードと、を含むミキサー車両(C)と、を含むことを特徴とする自走車両システムである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明の特徴に加えて、前記残存層上に形成された前記大粒径補強層と該大粒径補強層上に形成された前記新表層とを、蓄熱状態のまま一体に締め固める転圧手段(D)を、さらに含むことを特徴とする自走車両システムである。
請求項10に記載の発明は、請求項8または9のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記ミラー車両(B)は、前記自走車両システム外から異なるタイミングで運び込まれる前記第1新材と前記第2新材とを受け入れ、排出するための1つの中継受入排出装置と、該中継受入排出装置から排出された前記第1新材と前記第2新材とを、前記異なるタイミングに合わせて前記第1タンクと前記第2タンクとに搬入するための切換装置を有する少なくとも2つの連続する搬送路を含む新材搬入装置と、をさらに含み、前記第1新材を前記中継受入排出装置から前記第1タンクに搬入するときに、前記切換装置が前記新材搬入装置の連続する2つの搬送路を切り離し、搬入口を形成し、形成された前記搬入口から前記第1新材を前記第1タンクに搬入し、前記第2新材を前記中継受入排出装置から前記第2タンクに搬入するときに、前記切換装置が前記新材搬入装置に形成された前記搬入口を閉じ、前記2つの搬送路を連続させて1つの搬送路を形成し、前記中継受入排出装置から前記1つの搬送路を経由し、前記第2新材を前記第2タンクに搬入するようにしたことを特徴とする自走車両システムである。
請求項11に記載の発明は、請求項8から10のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記第1新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかであることを特徴とする自走車両システムである。
請求項12に記載の発明は、請求項8から11のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記補強アスファルト混合物は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材を、全体として、約5%〜35%含むようにしたことを特徴とする自走車両システムである。
請求項13に記載の発明は、請求項8から12のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記第2新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる骨材が有する粒度分布とほぼ同様の粒度分布を有する骨材を含むアスファルト混合物であることを特徴とする自走車両システムである。
請求項14に記載の発明は、請求項8から13のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記ミキサー車両(C)は、前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を混合するときに、アスファルト再生剤を添加する、再生剤添加手段をさらに含むことを特徴とする自走車両システムである。
請求項15に記載の発明は、請求項8かた14のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記ミキサー車両(C)は、前記残存層と前記大粒径補強層とを接着するアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を予め貯留する第3タンクを、さらに含むことを特徴とする自走車両システム。
請求項16に記載の発明は、請求項8から15のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記ミキサー車両(C)は、前記混合手段と前記第1スクリードとの間に、前記補強アスファルト混合物の前記残存層への供給量を調節する貯留スペースを、さらに含むことを特徴とする自走車両システムである。
請求項17に記載の発明は、請求項8から16のいずれかに記載の発明の特徴に加えて、前記ミキサー車両(C)は、前記第1スクリードと前記第2スクリードとの間に、第2新材の前記大粒径補強層上への供給量を調節する貯留スペースを、さらに含むことを特徴とする自走車両システムである。
本発明を実施するための最良の形態による、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法およびそのための自走車両システムについて、図7〜図21に基づき、詳細に説明する。
図7は、本発明の実施形態に従って舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法の工程全体を示すものであり、本方法は、アスファルト混合物層の表面を加熱し、アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当するアスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させ、軟化させる、加熱軟化工程(以下、「加熱軟化工程」という)と、加熱され軟化されたアスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さまで掻き解し、旧アスファルト混合物にする、掻解工程(以下、「掻解工程」という)と、掻き解された旧アスファルト混合物に、団粒化しない温度で予め貯留装置に貯留されている大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材を添加する、第1添加工程(以下、「第1添加工程」という)と、第1新材が添加された旧アスファルト混合物を混合し、補強アスファルト混合物にする、混合工程(以下、「混合工程」という)と、掻解工程において掻き残されたアスファルト混合物層の残存層上に、補強アスファルト混合物を敷き均し、残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成する、大粒径補強層形成工程(以下、「大粒径補強層形成工程」という)と、形成される大粒径補強層上に、団粒化しない温度で予め貯留装置に貯留されている新表層のためのアスファルト混合物の第2新材を添加する、第2添加工程(以下、「第2添加工程」という)と、第2新材を敷き均し、新表層を形成する、大粒径補強層形成工程と連係される、新表層形成工程(以下、「新表層形成工程」という)と、残存層上に形成された大粒径補強層と新表層とを、蓄熱状態のまま一体に締め固める、締め固め工程(以下、「締め固め工程」という)と、を含む。
本方法は、掻解工程に先立ち、自走車両システム外から異なるタイミングで運び込まれる第1新材と第2新材とを異なるタイミングに合わせて、それぞれの貯留装置に搬入する、新材搬入工程(以下、「新材搬入工程」という)と、第1新材が添加された旧アスファルト混合物を混合するときに、アスファルト再生剤を添加する、再生剤添加工程(以下、「再生剤添加工程」という)と、大粒径補強層形成工程において残存層上にアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を散布し、残存層と大粒径補強層とを接着する、層間接着工程(以下、「層間接着工程」という)とを、さらに含むことができる。
図8は、本発明の上記工程の各々を実現する自走車両システムの一実施形態を示す。本自走車両システムは、プレヒータ車両(A)と、ミラー車両(B)と、ミキサー車両(C)とから構成され、必要に応じ、転圧ローラ(D)が含まれる。以下、本実施形態による舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する自走車両システムを、これら車両の各々の構成要素および機能とともに、説明する。
プレヒータ車両(A)の加熱手段は、図8に示すように、前後の車両タイヤ間に路面と対置するように配され、車両を制御する運転者によって操作される加熱装置である。図9は、車両の移動方向に対して側面からみた加熱装置本体100であり、詳細は省略するが、断面円形ダクト120の複数ノズル孔130から放射された高温燃焼ガス(実線矢印)は、バーナ140によって高温燃焼ガス発生部110に送り込まれた燃料と空気の混合気を点火し、約550℃〜約750℃、好ましくは約650℃に熱せられた高温燃焼ガスであり、高温燃焼ガスの格納部150の一部を構成する中央ダクト160を介し、移動の長手方向に一定間隔に複数併置して簀の子状に構成された格納部150の一部である断面円形ダクト120の各々に均一に供給され、フード170の開放面180とアスファルト表面との間の加熱領域に高温燃焼ガス層を形成する。なお、高温燃焼ガスの伝熱仕事後は、回収燃焼ガス(破線矢印)になり、吸気手段190によって、簀の子状の断面円形ダクト120の各々の外周が形成する隙間を通り、フード170内を経由して燃焼ガス循環ダクト200に吸引され、高温燃焼ガス発生部110に送り込まれる。
したがって、プレヒータ車両(A)は、約2〜5m/分の速度で進みながら、舗装道路の表面に約550℃〜約750℃の高温燃焼ガス層を形成するが、その表面を常に約230〜260°Cに保ち、アスファルトを発火させることなくアスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたはその深さに相当する約6〜10cmの深さにまで熱を浸透させ、最深部を約50〜60°Cにまで高めることができる。このことにより、本発明の加熱軟化工程を実現し、後述するミラー車両(B)の掻解手段340がアスファルト混合物層の骨材を傷めることも破壊することもなく掻き解し、旧アスファルト混合物にする掻解工程を実現することができる。もちろん、加熱手段は、これに限定されるものではなく、同様の機能を有する加熱手段であれば、いずれであってよいことはいうまでもない。
ミラー車両(B)は、図8に示すように、同じく車両を制御する運転者によって操作される装置である。図10は、車両の移動方向に対して側面からみた装置本体300である。ミラー車両(B)は、自走車両システム外から大型トラック400Aによって運び込まれる大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材310を、団粒化しない温度の約120〜150°Cで予め貯留する、第1タンク320と、上述した加熱装置100によって加熱され、軟化されたアスファルト混合物層330の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当するアスファルト混合物層の深さまで掻き解し、旧アスファルト混合物331にする掻解手段340と、前記第1タンク320から排出される、団粒化しない約120〜150°Cの温度で予め貯留されている、第1新材310を掻き解されたアスファルト混合物331に添加する、第1添加手段350とを含む。
ミラー車両(B)のより具体的な構成要素についてみると、図10に示すように、大型トラック400Aで運び込まれる第1新材310は、図示しないプラントで生成され、一連の再舗装に必要な量を約120〜150°Cの団粒化しない温度を保ちながら1つの中継受入排出装置400に受け入れられる。受け入れられた第1新材310は、第1コンベア装置410によって搬送され、第1タンク320に搬入される。このとき、第1タンク320の上部に搬入口420が形成されており、第1新材310が、この搬入口420を経由し、第1タンク320の投入口321から搬入される。搬入口420は、第1コンベア装置410と摺動可能な第2コンベア装置430とによって、閉じられる。また、第2コンベア装置430は、第3コンベア装置440と連動するように配置されている。したがって、搬入口420が閉じられることによって、後述するように、第1コンベア装置410と第3コンベア装置440とがアクチュエータ等により摺動可能な第2コンベア装置430を介し、1つの搬送装置450が形成されることになる。
次に、掻解手段340は、図10に示すように、2つのグラインダ装置341および342が、通常、油圧を駆動源とする少なくとも2つの軸が対向して内側回転するように、舗装道路の幅方向の左右から中央に向けて螺旋状に設けた前後2組のロータリ式スカリファイア(路面掻き解し爪)を有する。このことにより、加熱され軟化されたアスファルト混合物層330の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当するアスファルト混合物層の深さまで掻き解され、道路中央線に畝状に、旧アスファルト混合物331が形成される。ちなみに、2つのグラインダ装置341および342からなる掻解手段340は、図12のミラー車両(B)の他の実施形態に示すように、2連結車両(B1+B2)の前方車両(B1)に配することもできる。
また、第1新材310が予め貯留される第1タンク320に保温装置を設けることが好ましい。予め貯留された予熱状態の第1新材310は、第1タンク320の排出口322から一端が内部に配された第1添加手段350の第4コンベア装置351によって搬送され、旧アスファルト混合物331に添加される。
ミキサー車両(C)の説明に先立ち、後述する第2新材510が、別の大型トラックBによって中継受入排出装置400に運び込まれた場合のミラー車両(B)の各構成要素について、図11を用いて説明すると、第2新材510は、図示しないプラントで生成され、一連の再舗装に必要な量を約120〜150°Cの団粒化しない温度を保ちながら1つの中継受入排出装置400に受け入れられる。このとき、第2コンベア装置430が摺動し搬入口420を閉じる。それと同時に、第2コンベア装置430によって第1コンベア装置410と第3コンベア装置440とが連結される1つの搬送装置450が形成される。より具体的には、大型トラックBによって中継受入排出装置400に運び込まれた第2新材510を第2タンク520に搬入する際に、ミラー車両(B)の運転者が、摺動可能な第2コンベア装置430の切換装置460を動作させることによって、搬入口420を閉じ、第1コンベア装置410が第2コンベア装置を中継し第3コンベア装置440に連結され、1つの搬送装置450を形成する。ちなみに、第2タンク520にも、第1タンク320と同様の保温装置を設けることが好ましい。
かくして第2新材510は、搬送装置450によってミキサー車両(C)の第2タンク520に搬送される。したがって、図10および図11から明らかなように、ミラー車両(B)の中継受入排出装置400には、自走車両システム外から異なるタイミングで第1新材310と第2新材510とが運び込まれ、それぞれが異なるタイミングに合わせて第1タンク320と第2タンク520とに搬入されることになる。
ミキサー車両(C)は、図8に示すように、同じく車両を制御する運転者によって操作される装置である。図13は、車両の移動方向に対して側面からみた装置本体500である。ミキサー車両(C)は、上述したように、自走車両システム外から大型トラック400Bによって中継受入排出装置400に運び込まれる第2新材510の新表層のためのアスファルト混合物を、約120〜150°Cの団粒化しない温度で予め貯留する第2タンク520と、第1新材310を添加した旧アスファルト混合物331をすくい上げ搬送する第5コンベア装置530と、すくい上げられ搬送された第1新材310を添加した旧アスファルト混合物331を受け入れ、混合し、補強アスファルト混合物540にする混合手段550と、掻解手段340によって掻き残されたアスファルト混合物層330の残存層560上に、補強アスファルト混合物540を敷き均し、残存層560の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層570を形成する第1スクリード580と、形成される大粒径補強層570上に、第2タンク520から排出される第2新材510を添加する第2添加手段590と、添加された第2新材510を大粒径補強層570上に敷き均し、新表層600を形成する、第1スクリード580と連係される第2スクリード610とを含む。
また、ミキサー車両(C)は、第1新材310が添加された旧アスファルト混合物331を混合する際に、アスファルト再生剤を添加する再生剤添加手段620と、残存層560と大粒径補強層570とを接着するアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を予め貯留する第3タンク630と、混合手段550と第1スクリード580との間に両側壁を配した、補強アスファルト混合物540の残存層560への供給量を調節する貯留スペース640と、第1スクリード560と第2スクリード610との間に両側壁を配した、第2新材510の大粒径補強層570上への供給量を調節する貯留スペース650とを、さらに含む。
ミキサー車両(C)の第1スクリード580および第2スクリード610は、それぞれ補強アスファルト混合物540および第2新材520を敷き均す際に、通常、敷き均し機能のみならず締め固める機能を有する。したがって、図8に示すような転圧ローラ(D)は、さらに強固に締め固めるときなど、必要に応じて用いることができる。
第1新材310と第2新材520とがそれぞれに予め貯留されたミラー車両(B)およびミキサー車両(C)をプレヒータ車両(A)と連係し、約2〜5m/分の速度で、一体に動作させながら、アスファルト混合物層330の約6〜10cmの深さにまで熱を浸透させ、アスファルト混合物層の最深部を約50〜60°Cにまで高め、このことにより、本発明の加熱軟化工程を実現し、次に、掻解手段340がアスファルト混合物層330の骨材を傷めることも破壊することもなく掻き解し、旧アスファルト混合物331にする掻解工程を実現することができる。これに続く本発明の各工程を以下に示す。
第1添加工程は、掻き解された旧アスファルト混合物に第1新材310を添加する。第1新材310は、アスファルト混合物層330に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいはアスファルト混合物層330に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかでなければならない。次の混合工程において生成される補強アスファルト混合物540が、アスファルト混合物層330に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材を、全体として、約5%〜35%含むようにする。というのは、大粒径骨材の含有量が5%以下の場合、舗装厚による補強を越える強度が出ない。また、大粒径骨材の含有量が35%を越える場合には、アスファルト混合物の粒度分布のバランスが崩れ、密実なアスファルト混合物層を形成することが困難になるためである。このことにより、続く大粒径補強層形成工程において、アスファルト混合物層330の残存層560上に補強アスファルト混合物を敷き均すことによって、アスファルト混合物層330の再利用した層として厚さは増すが、後述するように、残存層560の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成することができる。これに新表層を形成した再舗装構造は、大粒径補強層の構築による舗装構造の強化(Hot In-place Strengthening)を意図したものというべきである。
図14は、詳細な説明は省くが、旧アスファルト混合物に新材を添加し大粒径補強層の構築による舗装構造の強化を意図した場合を想定した結果である。実験データに基づく強化された舗装構造に関するデータは、図18〜図21に譲るが、この結果は、最大粒径13mmの骨材粒度分布を有する厚さ4cmの表層および最大粒径20mmの骨材粒度分布を有する厚さxcmの内の2cm分を掻き解した合計6cmの厚さ分の旧アスファルト混合物に、粒径20〜30mmの骨材からなる「4号採石」を新材として、7対3の割合で混合し敷き均したときの厚さを計測したものである。全体が8.6cmとなる。すなわち、掻き解されたアスファルト混合物層6cmよりも2.6cmの増厚であった。
図15は、平成11年度に九州の筑紫野−古賀線の舗装施工された日本国内の幹線道路(国道・地方道)に適用されている標準舗装モデルが、平成15年に多層弾性解析(GAMCS:社団法人 土木学会)を用いて評価された結果である。舗装構造は、路床上に下層35cmおよび上層25cmの路盤と、表層5cmおよび基層12cmのアスファルト混合物層とからなる。これは、交通量区分がC交通(1000〜3000台/日・方向)の場合であり、路盤およびアスファルト混合物層の1層毎の変形抵抗性を表す弾性係数、すなわち復元力(E)は、図15の表にみる通り、表層寿命は残り1年という結果で、全体の寿命が5年であるということを示している。
ちなみに、表層寿命の予測は、アスファルト混合物の破壊回数(N)を一日・一方向当たり3,000台の車両交通量の上述したC交通の場合、3,000(台)×365(日)で除した値である。なお、アスファルト混合物の破壊回数(N)は、以下の疲労破壊基準式(出典:日本道路協会 アスファルト舗装要領 1992年12月)により算出される。
(式1)
=8.108×10(M−3)/ε 3.291×E0.854
ここで、ε:アスファルト混合物層下面の引張ひずみ、E:アスファルト混合物の弾性係数(kgf/cm)、M:アスファルト混合物の空隙率(V)とアスファルト量(V)の関数であり、M=4.84×{[V/(V−V)]−0.69}の式によって算出される値である。
次に、図16は、上記標準舗装モデルの厚さ5cmの表層部分のみを、例えばリミックス工法で再生した場合の舗装モデルが、同じ交通量区分がC交通の条件下で同様の多層弾性解析に用いて評価された結果である。表層の弾性係数が、再生前が24,000kgf/cmに対して35,000kgf/cmに強化されているが、表層寿命の予測値は僅か2年にすぎない。図15の場合に比べ僅か1年の延命にすぎない。このことは、この標準モデルは、打換え工法によって基層および表層を含め打ち換えるしかないほど、劣化している状態を示していることになる。
これに対して、図17は、同じ交通量区分がC交通の場合の舗装構造について、図14の場合と同様な7対3の割合で、路面から基層と表層との境界面を越える10cmの深さまで掻き解し、これに粒径20〜30mmの骨材からなる「4号採石」を添加し、混合した補強アスファルト混合物によって、掻き残された残存層上に厚さ7cmの大粒径補強層を形成し、表層分5cmと基層分5cmの全体で10cm厚を14cm厚にされたアスファルト混合物層上に、第2新材を添加する第2添加工程によって、厚さ3cmの新表層を形成し、大粒径補強層と新表層とを蓄熱状態のまま一体に締め固めるようにした舗装道路に関する多層弾性解析の結果である。
図15および図16の場合と対比すると、2層構造の厚さ17cmのアスファルト混合物層が、3層構造の厚24cmのアスファルト混合物層に再舗装され、第1新材による厚さ4cmと第2新材による厚さ3cmが増厚されるが、同じ交通量区分がC交通の場合を想定すると、最初に指摘した重交通による縦方向および横方向の応力歪みに対する弾性係数は、粗粒度層の旧基層が24、000kgf/cmに対し、大粒径補強層の弾性係数は、2倍以上の50,000kgf/cmになる。図21に示した実測値もこのことを裏付けている。その結果、5年ないし6年の表層寿命を11年にまで大幅延長することができる。すなわち、従来の加熱式表層再生工法による場合に比べ、本発明は、寿命を5〜6年延長することができるという格別の作用効果を奏するものである。
このことは、図21に示すように、実験データによって裏付けられた。具体的な曲げ強度試験は、2点集中載荷試験により「JIS A 1106コンクリートの曲げ強度試験法」に準じて行う。曲げ強度は、試験体に曲げ応力が作用したときの試験体内部に生じている最大曲げ応力(引張応力)で定義されるが、試験体が弾性体であると仮定した場合、以下の式で算定される。
(式2)
σ=M/Z=(Pl/6)/(bd/6)=Pl/bd[N/mm
ここで、M:試験体に生じている最大曲げもモーメント、Z:断面係数[mm]、p:最大荷重[N]、l:下部支点間距離[mm](300mm)、b:試験体断面幅[mm]、d:試験体断面高さ[mm](b、dともに100mm)である。
結果は、素材特性を表す数値解析に用いた弾性係数と曲げ試験から算定された弾性係数が近似していることが確認された。また、「合成した弾性係数」をみると、従来工法の2層モデルが3,395N/mmである。これに対し、大粒径補強層を含む3層モデルの同じ弾性係数は4,796N/mmとなり、1.41倍に高まっている。そのときの2層モデルの曲げ強度が6.41N/mmであるのに対し、3層モデルの曲げ強度が8.1N/mmである。結果は、約1.3倍の補強効果が確認されたことになる。この内、舗装厚による補強強化を考慮したとしても、その補強効果が顕著であることは、この実測値から容易に判断することができる。
ちなみに実験データは、以下のプロトコルによる。 目的は、本方法による工法で構築される舗装構成の補強効果を室内実験により確認することである。補強前後の各舗装モデルに載下した場合の圧縮ひずみおよびアスファルト舗装下面の引張ひずみを計測する。
次に、比較舗装構成概要は、比較する舗装構成概要を図18に示す。
使用する混合物は、『舗装施工便覧』および全米アスファルト協会(National Asphalt Pavement Association)の技術資料「マーシャル配合設計手法を用いた大粒径混合物の試験評価」に示す基準値を参考とし、基準値を満たす一般的な配合とする。基準値の引用先を以下の表に示す。
Figure 0004360565
舗装モデルの作製方法は、図19に示す作業手順で行う。
試験方法は、コンクリート曲げ試験に規定される試験機を使用し、3等分支点荷重で荷重を与え、圧縮ひずみおよび引張ひずみを測定する。(図20参照)
ひずみの測定方法は、供試体の上面と下面に複数枚ひずみゲージを貼り付け、データを採取する。
試験数は、各舗装モデル3供試体とする。
アスファルト舗装体の曲げ破断時の最大荷重の比較により、従来工法と本方法による工法の比較を行った。
アスファルト舗装体の上端および下端に生じたひずみを用いて、多層弾性論の逆解析によって各層(表層・大粒径補強層・基層)の弾性係数を算出し、従来工法と本方法による工法の補強効果の差を確認した。
結果は、図21に示す通りである。
また本方法は、第1新材が添加された旧アスファルト混合物を混合するときに、アスファルト再生剤を添加する再生剤添加工程と、大粒径補強層形成工程において残存層上にアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を散布し、残存層と大粒径補強層とを接着する層間接着工程(以下、「層間接着工程」という)をさらに含み、劣化したアスファルトの再生や、基層と表層との境界面を越える傷みやひび割れなどの傷がなお深く残存層に達している場合でも、残存層と大粒径補強層との間に接着材を介在させることにより、相互の影響を最小限にくい止めることができる。また、形成された大粒径補強層と新表層とが蓄熱状態のまま一体に締め固めるようにしたことにより、大粒径補強層と新表層との間に接着材を介在させることなく、新表層の底面部分と大粒径補強層の表面部分とが骨材を含めた噛み合い状態に形成できるため、縦方向の応力によって生じやすい層間の滑りによるズレも生じにくいという利点もある。
図22〜図29は、実物大の舗装試験体(舗装モデル)を用いて、大粒径補強層による舗装補強効果、すなわち耐久性向上効果を定量的に評価するために行った試験の概要および結果を示す図である。図22は、大粒径補強層による舗装補強効果を定量的に評価するための試験に用いた、実物大の舗装試験体の舗装構造を示す図である。舗装試験体は、市街地のアスファルト舗装として実用されている舗装構造とした。図22において、舗装試験体No.1〜No.4は、以下のとおりの構造を有するものとした。
No.1:標準舗装構造
No.2:旧表層3cm+旧基層上部3cmを用いて大粒径補強層8cmを形成した構造
No.3:標準舗装構造に対して路盤厚さを1/2に減じ、支持力を低減させた構造
No.4:No.3の構造を大粒径補強層8cmによって補強した構造
これらの舗装試験体の各々に対してFWD(Falling Weight Deflect meter)試験を行い、各々の舗装試験体の舗装表面に生じる変位を計測し、舗装補強効果を比較した。舗装試験体の設計条件として、交通荷重は5t輪荷重、設計交通量は日交通量100〜250台程度、路床支持力は路床CBR=8とした。作成された舗装試験体の品質試験の内容は、図23に示される。
舗装試験体の舗装補強効果は、舗装試験体の疲労破壊輪数(疲労破壊回数又は許容走行輪数とも言う)によって評価することができる。舗装試験体の疲労破壊輪数は、舗装道路において、舗装表面に一定の輸荷重を繰り返し加えた場合に舗装体にひび割れが生じるまでに要する回数である。疲労破壊輪数は、図24に示されるように、5t輪荷重が舗装試験体に載荷された時に生じる舗装試験体のアスファルト混合物下面の引張ひずみの値と路床上面の圧縮ひずみの値とを用いて、計算される。図24の左上の図は従来の舗装体の舗装構造を示し、右上の図は大粒径補強層を含む舗装体の舗装構造を示す。図24の数式は、全米アスファルト舗装協会(NAPA)によって策定された、疲労破壊輪数を算出するための算定式である。
図25は舗装試験体の品質試験の結果を示し、図26はFWD試験による重錘落下直下(D)の表面変位量を示す。この変位量は、アスファルト舗装版に落下した重錘によって版が下方へ曲げられる時のたわみを示すものであり、舗装支持力が大きい程小さな値となる。図25に示されるように、No.2の舗装試験体の変位量は、すべての計測箇所において他の舗装試験体の変位量より小さくなった。また、図26から、以下のことが言えるものと考えられる。
(1)No.1とNo.2の舗装構造上の違いは、No.2の構造が、No.1の構造の基層部の一部を大粒径補強層に置き換えたものであることである。No.2の変位量がNo.1の変位量と比較して小さくなったことから、路床および路盤の支持力が同一の場合には、大粒径補強層によって舗装支持力が改善されることがわかる。
(2)No.3およびNo.4は、それぞれNo.1およびNo.2の路盤厚さを半分にした舗装構造である。これらの舗装試験体は、同一路床上面において舗装体の路盤以深の支持力に変化をつけることを目的に設定した。上述の(1)の場合と同様に、大粒径補強層の設置により、変位量が小さくなっており、舗装支持力が改善されることがわかる。
(3)路盤厚の減少による支持力の変化について、Ta設計法による等値換算厚さで評価した場合、路盤厚さが10cm減少した時、支持力特性は約20%低下する。
図27は、舗装試験体を施工する際に用いた材料によって作成した試験体を用いて測定されたアスファルト混合物の弾性係数を示す図である。アスファルト混合物の弾性係数は、「アスファルト混合物のレジリエントモジュラス試験方法」(舗装試験法便覧別冊)に準拠して計測を行った。試験温度は25℃であった。この弾性係数は、後述するアスファルト舗装の疲労破壊回数の算定の入力値として用いた。なお、一般的なアスファルト混合物の弾性係数は、「舗装設計施工指針(日本道路協会)」によると、600〜12,000(MPa)と示されている。
図27に示されるように、粗粒度アスファルト混合物や大粒径アスファルト混合物の弾性係数は、密粒度アスファルト混合物より大きい値となった。これは、骨材容積率が増加することにより、アスファルト混合物の弾性係数が大きくなることを示していると考えられる。
図28は、多層弾性理論解析を行うことによって算定された、舗装試験体の各々のアスファルト混合物層の下面に生じる引張ひずみと、路床上面に生じる圧縮ひずみとを示す。計算プログラムへの入力値として、レジリエントモジュラス試験により計測されたアスファルト混合物の弾性係数(図27参照)および各舗装試験体の層厚を用いた。
図28の上図から、以下のことが言えるものと考えられる。
(1)アスファルト混合物層の下面に生じる引張ひずみが大きいことは、アスファルト混合物層がひび割れ破壊を生じ易い状態であることを示す。No.1とNo.2を比較すると、No.2は、大粒径補強層の設置によって引張ひずみが約1/2に低減されており、No.1よりひび割れ破壊が生じにくい状態であることがわかる。
(2)No.2とNo.4の比較では、No.4は、No.2の路盤厚さ20cmに対して路盤厚さが半分になっているにもかかわらず、引張ひずみの大きさがNo.2とほぼ同等であった。このことから、路盤以深の支持力が多少低下した状態(約20%低下と推定される)においても、大粒径補強層の設置によって荷重分散効果が得られ、アスファルト混合物のひび割れ破壊に対する抵抗性が向上することがわかる。
また、図28の下図から、以下のことが言えるものと考えられる。
(1)路床上面の圧縮ひずみが大きいことは、輪荷重の載荷によって舗装体に圧縮による変形(わだち掘れ)が生じ易い状態であることを示す。No.1とNo.2の比較から、No.2は、大粒径補強層の設置によって舗装構造が重厚になり、その結果として舗装全体の圧縮量が減少した。
(2)No.1とNo.4とでは、舗装全層の厚さは、No.1が若干厚い。No.4は、路盤厚さが10cmと少ないが、大粒径補強層が設置された構造である。路床上面の圧縮ひずみの大きさは、No.4の方がNo.1と比べて若干ではあるが小さくなっており、大粒径補強層による圧縮変形の抑制効果が見られる。
図29は、舗装設計施工指針において示される計画交通量と疲労破壊輪数との関係、および、図28に示される引張ひずみおよび圧縮ひずみの値を図24に示される算定式に入力することによって得られた各舗装試験体の疲労破壊輪数を示す図である。なお、図29の疲労破壊輪数は、図24に示されるNfaとNfbのうち、少ない方の回数を採用した。
図29から以下のことがわかる。
(1)大粒径補強層を設置したNo.2の疲労破壊輪数(約950,000回)は、No.1の6倍以上に達しており、この結果は、大粒径補強層の設置が舗装の耐久性向上に繋がることを示すものである。また、その結果として、No.2は、計画交通量区分が1ランク上の舗装構造に等しくなった。
(2)No.3は、疲労破壊回数が約50,000回であったのに対して、No.4は約250,000回となり、約5倍の増加を示す結果となった。この結果から、路盤厚さが薄くなり舗装支持力が多少低下した状況においても、大粒径補強層の設置による耐久性改善の効果が確認できた。
重交通のアスファルト舗装に与える影響モデルである。 一般的なアスファルト舗装の断面図である。 アスファルト混合物の骨材の粒度分布である。 アスファルトの温度と粘度との関係図である。 加熱式の路上表層再生工法のリミックス方式(1)およびリペーブ方式(2)である。 本発明による、アスファルト混合物層への補強のための大粒径補強層の形成による舗装道路の路上連続再舗装モデルである。 本発明の実施形態による、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法の工程図である。 本発明の実施形態による、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装するための自走車両システムの概略図である。 本発明の実施形態による自走車両システムを構成するプレヒータ車両(A)の加熱装置本体100の概略図である。 本発明の実施形態による自走車両システムを構成するミラー車両(B)において第1新材の搬入口が形成された装置本体300の概略図である。 本発明の実施形態による自走車両システムを構成するミラー車両(B)において第2新材の搬入装置が形成された装置本体300の概略図である。 本発明の実施形態による自走車両システムを構成するミラー車両(B)の他の2連結車両からなる装置本体300の概略図である。 本発明の実施形態による自走車両システムを構成するミキサー車両(C)の加熱装置本体500の概略図である。 表層(厚さ4cm)および基層の一部(厚さ2cm)分のアスファルト混合物に「4号採石」新材を7対3の割合になるように配合した骨材の粒度分布解析結果および粒度分布図である。 標準舗装モデルの舗装構造および多層断層解析結果である。 標準舗装モデルの舗装構造の表層をほぼ同じ骨材粒度分布を有する新アスファルト混合物で再生した舗装構造および多層断層解析結果である。 標準舗装モデルの舗装構造の表層と基層の境界面を越える10cmの深さのアスファルト混合物層を本発明の方法により再舗装した舗装構造および多層断層解析結果である。 比較舗装構造の概要図である。 舗装モデルの作製方法の作業手順図である。 コンクリート曲げ試験に規定される試験機を用いた3等分支点荷重による圧縮ひずみおよび引張ひずみの試験概要図である。 従来工法の2層モデルと大粒径補強層を含む3層モデルの舗装構造に関する多層断層解析に基づく比較試験による実測値である。 大粒径補強層による舗装補強効果を定量的に評価するための試験に用いた、実物大の舗装試験体の舗装構造を示す図である。 舗装試験体の品質試験の内容を示す図である。 舗装試験体の疲労破壊輪数を算出する際の、引張ひずみおよび圧縮ひずみの位置と疲労破壊輪数を算出するための算定式とを示す図である。 舗装試験体の品質試験の結果を示す図である。 FWD試験による舗装試験体の舗装表面の変位量を示す図である。 舗装試験体を施工する際に用いた材料によって作成した試験体を用いて測定されたアスファルト混合物の弾性係数を示す図である。 舗装試験体の引張ひずみおよび圧縮ひずみの値を示す図である。 舗装設計施工指針において示される計画交通量と疲労破壊輪数との関係、および、図28に示される引張ひずみおよび圧縮ひずみの値を図24に示される算定式に入力することによって得られた各舗装試験体の疲労破壊輪数を示す図である。

Claims (17)

  1. 自走車両システムを自走させ、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する方法であって、
    (a)前記アスファルト混合物層の表面を加熱し、前記アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させ、軟化させる、加熱軟化工程と、
    (b)加熱され軟化された前記アスファルト混合物層の前記境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さまで掻き解し、旧アスファルト混合物にする、掻解工程と、
    (c)掻き解された前記旧アスファルト混合物に、団粒化しない温度で予め貯留装置に貯留されている、大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材を添加する、第1添加工程と、
    (d)前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を混合し、補強アスファルト混合物にする、混合工程と、
    (e)前記掻解工程において掻き残された前記アスファルト混合物層の残存層上に、前記補強アスファルト混合物を敷き均し、前記残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成する、大粒径補強層形成工程と、
    (f)形成される前記大粒径補強層上に、団粒化しない温度で予め貯留装置に貯留されている、新表層のためのアスファルト混合物の第2新材を添加する、第2添加工程と、
    (g)前記第2新材を敷き均し、新表層を形成する、前記大粒径補強層形成工程と連係される、新表層形成工程と、
    (h)前記残存層上に形成された前記大粒径補強層と前記新表層とを、蓄熱状態のまま一体に締め固める、締め固め工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記掻解工程に先立ち、前記自走車両システム外から異なるタイミングで運び込まれる前記第1新材と前記第2新材とを、前記異なるタイミングに合わせて、それぞれの貯留装置に搬入する、新材搬入工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記第1新材が添加された前記補強アスファルト混合物は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材を、全体として、約5%〜35%含むようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記混合工程は、前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を混合するときに、アスファルト再生剤を添加する、再生剤添加工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第2新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる骨材が有する粒度分布とほぼ同様の粒度分布を有する骨材を含むアスファルト混合物であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記大粒径補強層形成工程は、前記残存層上にアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を散布し、前記残存層と前記大粒径補強層とを接着する、層間接着工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再舗装する自走車両システムであって、
    舗装道路の前記アスファルト混合物層の表面を加熱し、前記アスファルト混合物層の基層と表層との境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さにまで熱を浸透させ、軟化させる、加熱手段、
    を含むプレヒータ車両(A)と、
    大粒径の骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは大粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかの第1新材を、団粒化しない温度で予め貯留する、第1タンクと、
    加熱され軟化された前記アスファルト混合物層の前記境界面を越える深さまたは該深さに相当する前記アスファルト混合物層の深さまで掻き解し、旧アスファルト混合物にする、掻解手段と、
    前記第1タンクから排出される、団粒化しない温度で予め貯留されている、前記第1新材を前記旧アスファルト混合物に添加する、第1添加手段と
    を含むミラー車両(B)と、
    新表層のためのアスファルト混合物の第2新材を、団粒化しない温度で予め貯留する、第2タンクと、
    前記第1新材が添加された前記旧アスファルト混合物を受け入れ、混合し、補強アスファルト混合物にする、混合手段と、
    前記掻解手段によって掻き残された前記アスファルト混合物層の残存層上に、前記補強アスファルト混合物を敷き均し、前記残存層の弾性係数より大きい弾性係数を有する大粒径補強層を形成する、第1スクリードと、
    形成される前記大粒径補強層上に、前記第2タンクから排出される、団粒化しない温度で予め貯留されている前記第2新材を添加する、第2添加手段と、
    添加された前記第2新材を敷き均し、新表層を形成する、前記第1スクリードと連係される、第2スクリードと
    を含むミキサー車両(C)と、
    を含むことを特徴とする自走車両システム。
  9. 前記残存層上に形成された前記大粒径補強層と該大粒径補強層上に形成された前記新表層とを、蓄熱状態のまま一体に締め固める転圧手段(D)を、さらに含むことを特徴とする請求項8に記載の自走車両システム。
  10. 前記ミラー車両(B)は、前記自走車両システム外から異なるタイミングで運び込まれる前記第1新材と前記第2新材とを受け入れ、排出するための1つの中継受入排出装置と、該中継受入排出装置から排出された前記第1新材と前記第2新材とを、前記異なるタイミングに合わせて前記第1タンクと前記第2タンクとに搬入するための切換装置を有する少なくとも2つの連続する搬送路を含む新材搬入装置とを、さらに含み、前記第1新材を前記中継受入排出装置から前記第1タンクに搬入するときに、前記切換装置が前記新材搬入装置の連続する2つの搬送路を切り離し、搬入口を形成し、形成された前記搬入口から前記第1新材を前記第1タンクに搬入し、前記第2新材を前記中継受入排出装置から前記第2タンクに搬入するときに、前記切換装置が前記新材搬入装置に形成された前記搬入口を閉じ、前記2つの搬送路を連続させて1つの搬送路を形成し、前記中継受入排出装置から前記1つの搬送路を経由し、前記第2新材を前記第2タンクに搬入するようにしたことを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載の自走車両システム。
  11. 前記第1新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材またはアスファルト被覆された骨材、あるいは前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径骨材を含む粒度分布のアスファルト混合物のいずれかであることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の自走車両システム。
  12. 前記第1新材が添加された前記補強アスファルト混合物は、前記アスファルト混合物層に含まれる最大粒径の骨材より大きい粒径を有する骨材を、全体として、約5%〜35%含むようにしたことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の自走車両システム。
  13. 前記第2新材は、前記アスファルト混合物層に含まれる骨材が有する粒度分布とほぼ同様の粒度分布を有する骨材を含むアスファルト混合物であることを特徴とすることを特徴とする8から12のいずれかに記載の自走車両システム。
  14. 前記ミキサー車両(C)は、掻き解された前記旧アスファルト混合物に前記第1新材を添加するときに、アスファルト再生剤を添加する、再生剤添加手段をさらに含むことを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載の自走車両システム。
  15. 前記ミキサー車両(C)は、前記残存層と前記大粒径補強層とを接着するアスファルト乳剤または防水性および接着性を高める材料を予め貯留する第3タンクを、さらに含むことを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載の自走車両システム。
  16. 前記ミキサー車両(C)は、前記混合手段と前記第1スクリードとの間に、前記補強アスファルト混合物の前記残存層上への供給量を調節する第1貯留スペースを、さらに含むことを特徴とする請求項8から15のいずれかに記載の自走車両システム。
  17. 前記ミキサー車両(C)は、前記第1スクリードと前記第2スクリードとの間に、前記第2新材の前記大粒径補強層上への供給量を調節する第2貯留スペースを、さらに含むことを特徴とする請求項8から16のいずれかに記載の自走車両システム。
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