JP4359421B2 - 重合体組成物、改質剤、及び熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、他の樹脂に配合することにより、軟質且つ優れた寸法安定性、耐衝撃性及び流動性を付与できる重合体組成物、改質剤、及び該重合体組成物を含む熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得る方法として、無機充填剤、金属粉末、補強剤等の各種樹脂添加剤を樹脂に添加して、熱可塑性樹脂組成物の線膨張係数を下げる方法が広く知られている。しかし、この方法により得られる熱可塑性樹脂組成物は、通常、熱可塑性樹脂組成物の流動性、耐衝撃性、及び柔軟性が損なわれ、また、曲げ弾性率は大きく、引っ張り伸び率が小さい硬い樹脂となり、その結果、柔軟性が必要な用途に用いるには困難となる。一方、樹脂を軟質化する方法としては、可塑剤の添加、ジエン系ゴムの添加、及びABS樹脂やAES樹脂のブレンド比率を多くする等の方法が知られている。しかし、この方法では、寸法安定性に劣る樹脂となるという問題がある。このように、従来、寸法安定性と柔軟性が両立する熱可塑性樹脂組成物及びそのような熱可塑性樹脂組成物を得る方法は知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、他の樹脂に配合することにより、軟質且つ優れた寸法安定性、耐衝撃性及び流動性を付与できる重合体組成物、該重合体組成物を含む改質剤、及び該重合体組成物を含む熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のとおりである。
〔1〕芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a1)を重合する第1工程を行い、次いで、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(b1)を重合する第2工程を行い、その後、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a2)を重合する第3工程を行う(但し、単量体(a1)+単量体(b1)+単量体(a2)=100質量部とした場合、単量体(a1)+単量体(a2)=5〜70質量部である。)重合体組成物の製造方法であって、
他の共重合可能な単量体が、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれることを特徴とする重合体組成物の製造方法。
〔2〕重合体組成物を含む改質剤の製造方法であって、
上記重合体組成物は、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a1)を重合する第1工程を行い、次いで、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(b1)を重合する第2工程を行い、その後、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a2)を重合する第3工程を行う(但し、単量体(a1)+単量体(b1)+単量体(a2)=100質量部とした場合、単量体(a1)+単量体(a2)=5〜70質量部である。)ことにより得る改質剤の製造方法であって、
他の共重合可能な単量体が、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれることを特徴とする改質剤の製造方法。
〔3〕上記〔1〕記載の製造方法により重合体組成物を得て、又は上記〔2〕記載の製造方法により改質剤を得て、
次いで、上記重合体組成物又は上記改質剤と、他の熱可塑性樹脂とを混合し、両者の含有量の合計を100質量%とした場合、上記重合体組成物又は上記改質剤の含有量が0.1〜70質量%であり、上記他の熱可塑性樹脂の含有量が30〜99.9質量%(両者の含有量の合計を100質量%とする。)である熱可塑性樹脂組成物を得ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
〔4〕上記重合体組成物又は上記改質剤の含有量が0.1〜20質量%であり、上記他の熱可塑性樹脂の含有量が80〜99.9質量%である上記〔3〕記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)重合体組成物
<1>共重合体(A)
本発明の重合体組成物に含まれる上記共重合体(A)は、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体を重合して得られる共重合体である。
【0006】
上記芳香族ビニル単量体の種類及び構造について特に限定はない。また、上記芳香族ビニル単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記芳香族ビニル単量体として具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体(メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン及びt−ブチルスチレン等)等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記共重合体(A)を構成する全単量体に対する上記芳香族ビニル単量体の割合は、上記共重合体(A)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、55〜85質量%、好ましくは60〜85質量%、特に好ましくは65〜85質量%である。上記芳香族ビニル単量体の割合が50質量%未満であると、重合体組成物の分散状態が劣り、他の樹脂と配合した場合の樹脂の流動性が低下するので好ましくない。一方、上記芳香族ビニル単量体の割合が90質量%を越えると、他の樹脂に配合した場合、重合体組成物の分散状態が劣る上、樹脂の耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0007】
上記シアン化ビニル単量体の構造及び種類についても特に限定はない。また、上記シアン化ビニル単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記シアン化ビニル単量体として具体的には、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記共重合体(A)を構成する全単量体に対する上記シアン化ビニル単量体の割合は、上記共重合体(A)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、10〜40質量%、好ましくは15〜40質量%、特に好ましくは15〜35質量%である。上記シアン化ビニル単量体の割合が10%質量未満であると、他の樹脂に配合した場合、重合体組成物の分散状態が劣るので好ましくない。一方、上記シアン化ビニル単量体の割合が50質量%を越えると、他の樹脂に配合した場合、重合体組成物の分散状態が劣る上、樹脂の耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0008】
上記共重合体(A)の上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体の組み合わせは特に限定はないが、スチレン及び/又はα−メチルスチレンとアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルとの組み合わせが好ましい。
【0009】
上記共重合体(A)は、上記芳香族ビニル単量体と上記シアン化ビニル単量体とを共重合したものでもよいが、更に上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体以外の他の共重合可能な単量体を加えて共重合を行ってもよい。上記他の共重合可能な単量体は、上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体以外であり、且つ、上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体と共重合することができ、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれる。また、上記他の共重合可能な単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
【0010】
上記他の共重合可能な単量体としては、上述のように、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物である。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
上記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記不飽和酸としては、アクリル酸及び/又はメタクリル酸等が挙げられる。
上記不飽和酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の1種又は2種以上が挙げられる。また、無水マレイン酸を(共)重合させ、その後、イミド化してマレイミドを導入する方法でもよい。
上記エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記水酸基含有不飽和化合物としては、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレン等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等の1種又は2種以上が挙げられる。
尚、本発明の重合体組成物は、上記構成を備えることにより、上記他の共重合体としてマレイミド系単量体を含まなくても、樹脂に添加した場合に耐熱性及び流動性を向上させることができるので、上記他の共重合可能な単量体として、上記のマレイミド系単量体以外の他の共重合可能な単量体を用いるのが好ましい。
【0011】
また、上記共重合体(A)を構成する全単量体に対する上記他の共重合可能な単量体の割合は、上記共重合体(A)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、0〜35質量%、好ましくは0〜30質量%、更に好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0より大きく20質量%以下である。
【0012】
<2>共重合体(B)
本発明の重合体組成物に含まれる上記共重合体(B)は、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体を重合して得られる共重合体である。
【0013】
上記共重合体(B)中の上記アクリル酸アルキルエステル単量体の種類及び構造については特に限定はない。例えば、上記アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキルエステル(RCOO−)を構成するアルキル基(R)の種類については特に限定はない。上記アルキル基は飽和アルキル基でも不飽和アルキル基でもよい。また、上記アルキル基は直鎖状、分岐状又は環状アルキル基のいずれでもよい。更に、上記環状アルキル基には脂環式アルキル基の他、芳香環も含まれる。通常、上記アルキル基として、炭素数1〜12、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8のアルキル基が用いられる。また、上記アクリル酸アルキルエステル単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。上記アクリル酸アルキルエステル単量体として具体的には、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0014】
また、上記共重合体(B)を構成する全単量体に対する上記アクリル酸アルキルエステル単量体の割合は、上記共重合体(B)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、26〜80質量%、好ましくは26〜75質量%、より好ましくは30〜75質量%である。上記アクリル酸アルキルエステル単量体の割合が26質量%未満であると、他の樹脂に配合した場合、重合体組成物の分散状態が劣る上、樹脂の耐衝撃性、柔軟性及び線膨張係数が劣るので好ましくない。一方、上記アクリル酸アルキルエステル単量体の配合割合が85質量%を越えると、他の樹脂に配合した場合、重合体組成物の分散状態が劣るので好ましくない。
【0015】
上記共重合体(B)中の上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体の種類及び構造について特に限定はない。また、上記共重合体(B)中の上記芳香族ビニル単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、上記共重合体(B)中の上記芳香族ビニル単量体は、上記共重合体(A)中の上記芳香族ビニル単量体と同じ種類の単量体でもよく、異なる種類の単量体でもよい。また、上記共重合体(B)中の上記シアン化ビニル単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、上記共重合体(B)中の上記シアン化ビニル単量体は、上記共重合体(A)中のシアン化ビニル単量体と同じ種類の単量体でもよく、異なる種類の単量体でもよい。上記共重合体(B)中の上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体として具体的には、例えば、上記共重合体(A)中の上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体として挙げられたものの1種又は2種以上が挙げられる。
【0016】
また、上記共重合体(B)を構成する全単量体に対する上記共重合体(B)中の上記芳香族ビニル単量体の割合は、上記共重合体(B)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、5〜55質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%である。また、上記共重合体(B)を構成する全単量体に対する上記共重合体(B)中の上記シアン化ビニル単量体の割合は、上記共重合体(B)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、10〜40質量%、好ましくは12〜40質量%、更に好ましくは12〜35質量%、より好ましくは12〜33質量%である。上記共重合体(B)を構成する全単量体に対する上記芳香族ビニル単量体又は上記シアン化ビニル単量体の配合割合が上記範囲から外れていると、他の樹脂と配合した場合の重合体組成物の分散状態が劣り、また、樹脂の耐衝撃性も低下するので好ましくない。
【0017】
上記共重合体(B)中の上記アクリル酸アルキルエステル単量体、上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体の組み合わせには特に限定はないが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート及びi−ブチルアクリレートの1種又は2種以上と、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルと、の組み合わせが好ましい。
【0018】
上記共重合体(B)は、上記アクリル酸アルキルエステル単量体、上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体を共重合したものでもよいが、更に他の共重合可能な単量体を加えて共重合を行ってもよい。上記他の共重合可能な単量体は、上記アクリル酸アルキルエステル単量体、上記芳香族ビニル単量体及び上記シアン化ビニル単量体と共重合することができる限り、その構造及び種類には特に限定がなく、必要に応じて種々の種類の単量体を用いることができるが、本発明では、上記共重合体(A)で示された他の共重合可能な単量体を用いる。また、上記他の共重合可能な単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。また、上述のように、上記他の共重合可能な単量体として、マレイミド系単量体以外の他の共重合可能な単量体を用いるのが好ましい。尚、上記共重合体(B)中の上記他の共重合可能な単量体は、上記共重合体(A)中の上記他の共重合可能な単量体と同じ種類の単量体でもよく、異なる種類の単量体でもよい。
【0019】
また、上記共重合体(B)を構成する全単量体に対する上記共重合体(B)中の上記他の共重合可能な単量体の割合は特に限定はなく、必要に応じて種々の割合とすることができる。通常、上記共重合体(B)を構成する全単量体に対する上記他の共重合可能な単量体の割合は、上記共重合体(B)を構成する全単量体の合計を100質量%とした場合、0〜58質量%、好ましくは0〜55質量%、より好ましくは0より大きく55質量%以下である。
【0020】
本発明の重合体組成物中の上記共重合体(A)及び(B)の含有量の合計を100質量%とした場合、上記共重合体(A)成分の含有量は5〜70質量%(上記共重合体(B)の含有量は30〜95質量%)、好ましくは10〜65質量%(上記共重合体(B)の含有量は35〜90質量%)、更に好ましくは15〜65質量%(上記共重合体(B)の含有量は35〜85質量%)、より好ましくは15〜60質量%(上記共重合体(B)の含有量は40〜85質量%)、より好ましくは20〜60質量%(上記共重合体(B)の含有量は40〜80質量%)である。上記共重合体(A)成分の含有量が5質量%未満であると(上記共重合体(B)の含有量が95質量%を超えると)、他の熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物の流動性に劣るので好ましくない。一方、上記共重合体(A)成分の含有量が70質量%を超えると(上記共重合体(B)の含有量が30質量%未満であると)、樹脂の柔軟性、線膨張係数、流動性、及び耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明の重合体組成物は、上記共重合体(A)及び(B)が存在する限り、特にその製造方法に限定はない。即ち、別々に上記共重合体(A)及び(B)を調製し、両者を混合することにより製造してもよい。また、上記共重合体(A)を調製後、得られた上記共重合体(A)と、上記共重合体(B)の上記各単量体と、を反応器に加えて重合を行って調製することもできる。逆に、上記共重合体(B)を調製後、得られた上記共重合体(B)と、上記共重合体(A)の上記各単量体と、を反応器に加えて重合を行って調製することもできる。本発明の重合体組成物の好ましい製造方法としては、以下に詳述する本発明の重合体組成物の製造方法が挙げられる。
【0022】
本発明の重合体組成物の物性は特に限定はなく、必要に応じて種々の物性値とすることができる。具体的には、本発明の重合体組成物の成形体のデュロメータ硬さは、通常90以下、好ましくは5〜80、更に好ましくは10〜70、より好ましくは20〜60とすることができる。デュロメータ硬さを上記範囲とすると、本発明の重合体組成物が適度な硬さ及び軟化点を有することから、他の樹脂に添加、混合することにより、樹脂中に適度に分散し、樹脂を軟質化すると共に、線膨張係数を低くして、寸法安定性に優れた樹脂とすることができる。
【0023】
(2)改質剤
本発明の重合体組成物は、上記のように、他の樹脂に添加、混合することにより、樹脂中に適度に分散し、樹脂を軟質化すると共に、線膨張係数を低くして、寸法安定性に優れた樹脂とすることができる。そのため、本発明の重合体組成物は、樹脂の性質を改良する樹脂の改質剤として使用することができる。本発明の改質剤は、本発明の重合体組成物の他、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、後述する各種の添加剤を1種又は2種以上添加することができる。また、本発明の改質剤を使用する場合、樹脂への配合割合には特に限定はなく、必要に応じて様々な配合割合とすることができる。本発明の改質剤の配合割合は、本発明の改質剤と樹脂成分の合計を100質量%とした場合、通常70質量%以下、好ましくは1〜70質量%、更に好ましくは1〜65質量%、より好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜55質量%である。
【0024】
(3)本発明の重合体組成物の製造方法
本発明の重合体組成物の製造方法は、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a1)を重合する第1工程を行い、次いで、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(b1)を重合する第2工程を行い、その後、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a2)を重合する第3工程を行う(但し、単量体(a1)+単量体(b1)+単量体(a2)=100質量部であり、且つ、単量体(a1)+単量体(a2)=5〜70質量部である。)ことを特徴とする。また、他の共重合可能な単量体が、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれることを特徴とする。
【0025】
上記第1工程及び上記第3工程において、原料として用いる上記芳香族ビニル単量体、上記シアン化ビニル単量体及び上記他の共重合可能な単量体の割合は、それぞれ独立に、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%である。かかる範囲とすることにより好ましい理由は上記の通りである。また、上記第2工程において、原料として用いる上記アクリル酸アルキルエステル単量体、上記芳香族ビニル単量体、上記シアン化ビニル単量体及び上記他の共重合可能な単量体の割合は、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%、更に好ましくは26〜75/5〜50/12〜35/0〜58質量%である。かかる範囲とすることにより好ましい理由は上記の通りである。
【0026】
上記単量体(a1)、上記単量体(b1)及び上記単量体(a2)の合計を100質量部とした場合、上記単量体(a1)及び上記単量体(a2)の合計の割合は、5〜70質量部、好ましくは10〜65質量部、更に好ましくは15〜65質量部、より好ましくは15〜60質量部、特に好ましくは20〜60質量部である。上記単量体(a1)及び上記単量体(a2)の合計が5質量部未満であると、他の熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物の流動性に劣るので好ましくない。一方、70質量部を超えると、樹脂の柔軟性、線膨張係数、流動性、及び耐衝撃性が低下するので好ましくない。更に、上記単量体(a1)及び上記単量体(a2)の割合は、上記単量体(a1)及び上記単量体(a2)の合計の割合が上記範囲にある限り特に限定はない。通常、上記単量体(a1)及び上記単量体(a2)の合計を100質量部とした場合、上記単量体(a1)の割合は、5〜50質量部、好ましくは5〜45質量部、更に好ましくは5〜40質量部、より好ましくは10〜40質量部、特に好ましくは10〜35質量部である。
【0027】
上記単量体(a1)、上記単量体(b1)及び上記単量体(a2)の合計を100質量部とした場合、上記単量体(b1)の割合は、30〜95質量部、好ましくは35〜90質量部、更に好ましくは35〜85質量部、より好ましくは40〜85質量部、特に好ましくは40〜80質量部である。
【0028】
上記第1工程〜第3工程は、単量体の量を上記範囲として行う限り、その反応条件、重合方法に特に限定はない。例えば、上記第1工程〜第3工程の共重合の方法としては、例えば、乳化重合、懸濁重合、乳化−懸濁重合、塊状重合、溶液重合等が挙げられる。この中で、好ましくは乳化重合法である。即ち、例えば、必要に応じて乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸系のアルカリ金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸系のアルカリ金属塩等の1種又は2種以上)を添加した水性分散体中の単量体を、ラジカル開始剤の存在下で共重合させることにより行うことができる。ここで、上記ラジカル開始剤としては、例えば、過硫酸カリ、過硫酸アンモニウム、キュメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の過酸化物の1種又は2種以上を挙げることができる。また、その他に連鎖移動剤(n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン及びチオグリコール酸等のメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド及びジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン類、タービノーレン、α−メチルスチレンダイマー等)を使用してもよい。
【0029】
また、上記第1工程〜第3工程における各重合転化率も特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、上記第1工程の重合転化率は、80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。また、上記第2工程の重合転化率は、通常85%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。更に、上記第3工程の重合転化率は、通常85%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。
【0030】
また、上記第1工程〜第3工程における各比粘度(ηsp)をいかなる範囲とするかは特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができるが、上記第1工程のηspとして好ましくは0.05以下、より好ましくは0.04以下である。上記第1工程のηspを0.05以下とすると、他の熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物の流動性を高めることができるので好ましい。また、上記第2工程のηspとして好ましくは0.03〜0.20、より好ましくは0.05〜0.18である。更に、上記第3工程のηspとして好ましくは0.04〜0.16、より好ましくは0.05〜0.15である。上記第2工程のηspを0.03以上、又は上記第3工程のηspを0.04以上とすると、他の樹脂に配合した場合、樹脂の耐衝撃性、柔軟性及び線膨張係数を向上させることができるので好ましい。また、上記第2工程のηspを0.20以下、又は上記第3工程のηspを0.10以下とすると、他の熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物の流動性を高めることができるので好ましい。
【0031】
本発明の重合体組成物の製造方法は、上記共重合体(A)の共重合の工程を分けて、その間に上記共重合体(B)の共重合を行っている。上記共重合体(B)の共重合を最初に行うと、生成した上記共重合体(B)の反応器への付着量が多いので生産性が低下しやすい。また、上記共重合体(B)の共重合を最後に行うと、重合後の凝固工程でパウダー状になりにくく、大きな塊となり、適度に凝固しにくい。これに対し、本発明の重合体組成物では上記工程を経ることにより、生成した上記共重合体(B)の反応器への付着を抑制すると共に、得られた重合体組成物の凝固性を高めることができるので好ましい。本発明の重合体組成物の製造方法によれば、推定であるが、上記第1工程で形成された上記共重合体(A)の表面に、上記第2工程で上記共重合体(B)が形成され、更に上記第3工程により、上記共重合体(B)の表面に上記共重合体(A)が形成されるという多層構造になると考えられる。勿論、本発明の製造方法により得られる重合体組成物は、上記多層構造の重合体組成物には何らも限定されない。
【0032】
(4)熱可塑性樹脂組成物
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の重合体組成物を含有する本発明の改質剤と、他の熱可塑性樹脂と、を含有する。上記他の熱可塑性樹脂の種類については特に限定はなく、必要に応じて種々の熱可塑性樹脂組成物を用いることができる。また、上記他の熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記他の熱可塑性樹脂として具体的には、例えば、ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−α―メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体(AES樹脂)、耐熱性ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体)、超耐熱性ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−フェニルマレイミド共重合体)及びメチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド類、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0033】
本発明の熱可塑性樹脂組成物中、本発明の重合体組成物の配合割合は、本発明の重合体組成物及び上記他の熱可塑性樹脂の合計を100質量%とした場合、0.1〜70質量%(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が30〜99.9質量%)、好ましくは1〜70質量%(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が30〜99質量%)、更に好ましくは1〜65質量%(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が35〜99質量%)、より好ましくは3〜60質量%(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が40〜97質量%)、特に好ましくは5〜55質量%(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が45〜95質量%)である。本発明の重合体組成物の配合割合が0.1質量%未満(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が99.9質量%を越える場合)では、本発明の重合体組成物の添加効果が得られないので好ましくない。一方、本発明の重合体組成物の配合割合が70質量%を越えると(上記他の熱可塑性樹脂の配合割合が30質量%未満の場合)、上記他の熱可塑性樹脂の要求される性能が十分に得られないので好ましくない。
【0034】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、各種の添加剤を1種又は2種以上添加することができる。該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、無機充填剤、金属粉末、補強剤、可塑剤、相溶化剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、帯電防止剤、難燃剤等の各種樹脂添加剤等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0035】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、かかる構成を備えることにより、成形品の成形加工時の成形性に優れ、そして、軟質且つ優れた寸法安定性、耐衝撃性を有する成形品を得ることができるという作用効果を奏する。そのため、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、車両の内装(ピラー等)、外装を始め、建築材料、玩具、家電製品、医療器具、工業部品、日用雑貨品、スポーツ用品等の幅広い用途に用いることができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。尚、以下において、部及び%は特に断らない限り質量基準である。
(1)重合体組成物の製造及び物性評価
以下に記載の方法により、重合体組成物(K−1)〜(K−14)を調製した。尚、重合体組成物(K−1)〜(K−14)の第1工程〜第3工程における各重合転化率及びηspは、以下に記載の方法により求めた。その結果を以下の表1に示す。
【0037】
〔1〕重合転化率(%)
充分乾燥したアルミ製カップの重量を予め精秤し、次いで、そのアルミカップに、重合中又は重合終了後の重合体ラテックスを約1g採取、精秤した。該アルミカップを250℃に熱したホットプレート上に載せて、揮発分を除去した後、固形分の重量をアルミカップごと精秤した。これらの重量値及び重合処方に基づいて、単量体の重合転化率を算出した。
〔2〕ηsp
以下の式に基づいて、ηspを算出した。
ηsp=(td−t)/t
td;25℃の恒温槽に充分浸した粘度管の標線間を、25℃のN,N−ジメチルホルムアミドが自然落下する秒数。
t;重合体組成物溶液(重合途中又は重合終了後のラテックスを少量抜き出し、メタノール中に落として析出した重合体組成物を水洗し、60℃で一昼夜真空乾燥させて得られた乾燥後の重合体組成物0.0500gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに投入し、振とう機で1時間振とうすることにより調製した重合体組成物の溶液)が、25℃の恒温槽に充分浸した粘度管の標線間を自然落下する秒数。
【0038】
重合体組成物(K−1)
攪拌装置、原料及び助剤添加装置、温度計、並びに加熱装置等を備えた、容量5Lのガラス製反応器に、▲1▼水151部、▲2▼水20部にアルカンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液2.0部及びp−メンタンハイドロパーオキサイド0.425部を混合した水溶液(以下、「水溶液(I)」と略記する。)のうち60%分、並びに▲3▼アクリロニトリル(以下、「AN」と略記する。)2.5部、スチレン(以下、「ST」と略記する。)1部、α−メチルスチレン(以下、「AMS」と略記する。)6.5部、及びt−ドデシルメルカプタン(以下、「TDM」と略記する。)0.06部を混合した単量体混合物(M−1)を仕込み、攪拌しつつ、窒素気流下で、内温を45℃まで昇温した(第1工程)。
【0039】
45℃に達した時点で、水10部にエチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩・二水塩を0.015部、硫酸鉄(II)・七水和物0.004部、及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を溶解した水溶液(以下、「R水溶液」と略記する。)のうち、60%分を反応器に仕込み、重合を開始した。その後、1時間かけて65℃まで昇温した。次いで、65℃に達した時点で、上記R水溶液のうち20%分、上記水溶液(I)のうち20%分、及び水4部を反応器に仕込み、その直後に、AN13部、ST5部、及びアクリル酸n−ブチル42部を混合した単量体混合物(M−2)を一括添加し、1時間、65℃に保持したまま重合した(第2工程)。
【0040】
その後、さらに1時間30分、65℃に保持した後、AN7.5部、ST3部、AMS19.5部、TDM0.24部を混合した単量体混合物(M−3)を1時間にわたって連続添加し、重合した。単量体混合物(M−3)の連続添加終了直後から30分後、上記R水溶液のうち20%分、上記水溶液(I)のうち20%分、及び水4部を反応器に仕込み、更に1時間、65℃に保持した。次いで、水49部にβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩1部を溶解した水溶液を仕込み、重合を終了し、共重合体ラテックスを得た(第3工程)。この共重合体ラテックスを、硫酸マグネシウム5部と水700部との水溶液中に投入し、温度95℃で5分間凝固し、その後、水洗、脱水、及び乾燥を行うことにより、重合体組成物(K−1)を得た。
【0041】
重合体組成物(K−2)〜(K−10)、(K−12)
以下の表1に示した配合で、上記重合体組成物(K−1)と同様にして、重合体組成物(K−2)を得た。
また、第2工程の単量体混合物(M−2)の添加方法を、1時間にわたる連続添加に変更した以外は、以下の表1に示した配合で、上記重合体組成物(K−1)と同様の工程により、重合体組成物(K−3)〜(K−10)、(K−12)を得た。
【0042】
重合体組成物(K−11)、(K−13)〜(K−14)
第1工程及び第3工程を省いた以外は、以下の表1に示した配合で、上記重合体組成物(K−1)と同様の工程により、重合体組成物(K−11)を得た。
また、第3工程を省いた以外は、以下の表1に示した配合で、上記重合体組成物(K−1)と同様の工程により、重合体組成物(K−13)を得た。
更に、第1工程を省いた以外は、以下の表1に示した配合で、上記重合体組成物(K−1)と同様の工程により、重合体組成物(K−14)を得た。
【0043】
上記重合体組成物(K−1)〜(K−14)について、以下に記載の方法により、デュロメータ硬さ、重合体組成物重合時のリアクター内部の残存重合体の除去性及び凝固性の評価を行った。その結果を以下の表1に示す。
〔1〕重合体組成物のデュロメータ硬さ
JIS K7215に準拠して測定した。
〔2〕重合体組成物重合時のリアクター内部の残存重合体の除去性
重合体組成物を重合した後、リアクター内部に付着した残存重合体の除去しやすさを評価した。表1中、「○」は水のみで容易に残存重合体が除去できることを示し、「×」は水のみでは残存重合体を除去し切れず、残存重合体の除去には溶剤等を必要とすることを示す。
〔3〕重合体組成物の凝固性
重合体組成物を凝固したときの凝固性を評価した。表1中、「○」は得られる重合体組成物の粒子のうち、殆どが直径10mm以下となることを示し、「×」は得られる重合体組成物の粒子のうち、直径10mm以上となるものが多数生成していることを示す。
【0044】
【表1】
【0045】
(2)熱可塑性樹脂組成物の製造及び物性評価
上記方法により得られた重合体組成物(K−1)〜(K−14)、アクリロニトリル−スチレン−α―メチルスチレン共重合体(以下、「AMS系樹脂」と略記する。)、ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体(以下、「ABS樹脂」と略記する。)、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体(以下、「AAS樹脂」と略記する。)、及びアクリロニトリル−スチレン共重合体(以下、「AS樹脂」と略記する。)を用い、これらを以下の表2に示した配合割合で混合し、次いで、脱気装置付き単軸押出機により混練することにより、実施例1〜9、参考例1及び2並びに比較例1〜9の熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られた実施例1〜9、参考例1及び2並びに1比較例1〜9の熱可塑性樹脂組成物のペレットから、射出成形機にて物性評価用の試験片及び外観評価用試験片を作成し、以下に記載の方法により物性等の評価を行った。その結果を以下の表3に示す。
【0046】
〔1〕熱可塑性樹脂中の重合体組成物の分散状態
実施例1〜9、参考例1及び2並びに比較例1〜9の熱可塑性樹脂組成物を、切片の厚みが80〜120nmとなるようにミクロトームで切削し、次いで、四酸化オスミウム及び四酸化ルテニウムで染色し、透過型電子顕微鏡でモルフォロジーを観察した。そして、電子顕微鏡で得られた写真に基づいて、重合体組成物の分散状態を観察した。表4中、「○」は重合体組成物が熱可塑性樹脂中で均一に分散していることを示し、「×」は重合体組成物が熱可塑性樹脂中で均一に分散していないことを示している。
〔2〕シャルピー衝撃強度(KJ/m2)
ISO 179に準拠して測定した。
〔3〕引張り強さ(MPa)及び引張り伸び(%)
ISO 527に準拠して測定した。
〔4〕曲げ強さ(MPa)及び曲げモジュラス(MPa)
ISO 178に準拠して測定した。単位:MPa。
〔5〕メルトマスフローレート(g/10min)
ISO 1133に準拠して測定した(220℃×98N)。
〔6〕荷重たわみ温度(℃)
ISO 75に準拠して測定した。
〔7〕ロックウエル硬さ
ISO 2039に準拠して測定した。
〔8〕線膨張係数(10−5×℃−1)
実施例1〜9、参考例1及び2並びに比較例1〜9の熱可塑性樹脂組成物の成形品(シャルピー衝撃強度試験用テストピース)を、80℃で2時間アニールし、予め成形歪みを除去する。その後、その成形品を50mmの長さに切断する。次いで、切断した成形品を、23℃の雰囲気に充分長時間さらし、その時の成形品の長さを、MITUTOYO製「LASER SCAN MICROMETER 1000」にて測定する。同様な方法で、30℃、50℃、70℃で成形品の長さを測定する。そして、23℃から70℃までの、1℃当たりの長さの平均変化率を線膨張係数として求めた。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
(3)実施例の効果
表1より、本発明の重合体組成物である重合体組成物(K−1)〜(K−6)、(K−13)及び(K−14)では、いずれも樹脂に添加した場合の重合体組成物中での分散性に優れていることが分かる。しかも、本発明の重合体組成物の製造方法中の上記第3工程を行わずに得られた重合体組成物(K−13)及び上記第1工程を行わずに得られた重合体組成物(K−14)と比べて、本発明の重合体組成物の製造方法、即ち、上記第1工程〜第3工程を行って得られた本発明の重合体組成物(K−1)〜(K−6)は、重合体組成物の凝固性に優れ、また、重合体組成物重合時のリアクター内部の残存重合体の除去性に優れていることが分かる。
【0050】
一方、表1より、上記共重合体(B)成分のシアン化ビニル含量が本発明の範囲から外れる重合体組成物(K−7)及び(K−8)、並びに上記共重合体(A)中のシアン化ビニル含量が、本発明の範囲を越えている重合体組成物(K−10)では、いずれも樹脂に分散した場合の分散状態に劣るものであることが分かる。更に、上記共重合体(B)のみで構成される重合体組成物(K−11)は、デュロメーター硬さが低く、凝固性に劣り、重合体組成物重合時のリアクター内部の残存重合体の除去性にも劣ることが分かる。
【0051】
また、表2及び表3より、本発明の重合体組成物(K−1)〜(K−6)を添加した熱可塑性樹脂組成物である実施例1〜9は、いずれも本発明の目的とする効果を達成していることが分かる。特に、ABS樹脂及びAS樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物である比較例8と、これに本発明の重合体組成物を添加した実施例7及び8とを対比すると、実施例7及び8は、いずれも比較例8より、シャルピー衝撃強度、曲げモジュラス、メルトマスフローレートが高く、ロックウエル硬さ、線膨張係数が低いことが分かる。また、AAS樹脂及びAS樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物である比較例9と、これに本発明の重合体組成物を添加した実施例9とを対比した場合も、上記実施例7及び8と比較例8とを対比した場合と同様の結果が認められる。よって、本発明の重合体組成物を改質剤として熱可塑性樹脂に添加することにより、本発明の目的とする効果が得られることが分かる。
【0052】
一方、表2及び表3より、上記共重合体(A)中のシアン化ビニル含量が、本発明の重合体組成物の範囲を越えている重合体組成物(K−10)を添加した比較例4は、重合体組成物の分散状態が劣ることが分かる。また、上記共重合体(A)の含有量が、本発明の重合体組成物の範囲を越えている重合体組成物(K−12)を添加した比較例6は、実施例1〜11よりも、耐衝撃性、引張り伸び、曲げモジュラス及びロックウェル硬さに劣ることが分かる。更に、上記共重合体(B)のみで構成される重合体組成物(K−11)を添加した比較例5及び7は、メルトマスフローレートが劣り、本発明の目的とする改質剤効果は得られていないことが分かる。
【0053】
また、表2及び表3より、上記共重合体(B)中のシアン化ビニル単量体の含有量が、本発明の範囲未満の重合体組成物(K−7)を添加した比較例1は、実施例1〜9と比較して、引張り伸び、曲げモジュラス及び線膨張係数が劣り、一方、上記共重合体(B)中のシアン化ビニル含量が本発明の範囲を越えている重合体組成物(K−8)を添加した比較例2では、引張り伸び及び線膨張係数が劣ることが分かる。また、上記共重合体(B)成分のアクリル酸アルキルエステル含量が本発明の範囲未満である重合体組成物(K−9)を添加した比較例3は、耐衝撃性、引張り伸び、曲げモジュラス、ロックウェル硬さ及び線膨張係数が劣ることが分かる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の重合体組成物は、上記構成を備えることにより、他の樹脂に添加、混合することにより、樹脂中に適度に分散し、樹脂を軟質性、線膨張係数等の性質を改善することができる。
また、本発明の改質剤は、上記構成を備えることにより、他の樹脂に添加、混合することにより、樹脂中に適度に分散し、樹脂を軟質化すると共に、線膨張係数を低くして、寸法安定性に優れた樹脂とすることができる。
更に、本発明の熱可塑性樹脂は、上記構成を備えることにより、寸法安定性と柔軟性の双方に優れていることから、車両の内装等、柔軟性が必要な用途に広く好適に用いることができる。
本発明の重合体組成物の製造方法によれば、生成した上記共重合体(B)の反応器への付着を抑制すると共に、得られた重合体組成物の凝固性を高めることができる。
Claims (4)
- 芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a1)を重合する第1工程を行い、
次いで、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(b1)を重合する第2工程を行い、
その後、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a2)を重合する第3工程を行う(但し、単量体(a1)+単量体(b1)+単量体(a2)=100質量部とした場合、単量体(a1)+単量体(a2)=5〜70質量部である。)重合体組成物の製造方法であって、
他の共重合可能な単量体が、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれることを特徴とする重合体組成物の製造方法。 - 重合体組成物を含む改質剤の製造方法であって、
上記重合体組成物は、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a1)を重合する第1工程を行い、
次いで、アクリル酸アルキルエステル単量体/芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=26〜80/5〜55/10〜40/0〜58質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(b1)を重合する第2工程を行い、
その後、芳香族ビニル単量体/シアン化ビニル単量体/他の共重合可能な単量体=55〜85/10〜40/0〜35質量%(但し、合計100質量%)からなる単量体(a2)を重合する第3工程を行う(但し、単量体(a1)+単量体(b1)+単量体(a2)=100質量部とした場合、単量体(a1)+単量体(a2)=5〜70質量部である。)ことにより得る改質剤の製造方法であって、
他の共重合可能な単量体が、アクリル酸エステル、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系単量体、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれることを特徴とする改質剤の製造方法。 - 請求項1記載の製造方法により重合体組成物を得て、又は請求項2記載の製造方法により改質剤を得て、
次いで、上記重合体組成物又は上記改質剤と、他の熱可塑性樹脂とを混合し、両者の含有量の合計を100質量%とした場合、上記重合体組成物又は上記改質剤の含有量が0.1〜70質量%であり、上記他の熱可塑性樹脂の含有量が30〜99.9質量%(両者の含有量の合計を100質量%とする。)である熱可塑性樹脂組成物を得ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 上記重合体組成物又は上記改質剤の含有量が0.1〜20質量%であり、上記他の熱可塑性樹脂の含有量が80〜99.9質量%である請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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