JP4358584B2 - 中空突軸の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板の一方面に中空の突軸を一体に形成する方法に関する。
各種機器における機構部には、いわゆるバーリング加工によって中空の突軸が設けられている。図7は、従来から最も一般的に多用されているバーリング工法を示している。すなわち、ダイ100には穴101が形成され、この穴101の内径は、突軸の完成状態の外径寸法にほぼ等しく設定されている。このダイ100の上面に金属板102を載置し、上方からバーリング工具103を押圧することによってバーリング加工を行い、金属板102の下面側となるダイ100の穴101内に突軸104を突出形成する。
ところが、従来一般のバーリング加工方法によって形成する突軸104の高さは、金属板102の板厚程度が限度であり、それ以上の高さに形成すると、図8(A)に示すように、先端部に亀裂105が入ってしまう問題が生ずる。また、突軸104を高く形成するために突軸104の肉厚を薄くした場合には、突軸104に極度の引っ張り荷重がかかるために引き延ばされ、図8(B)に示すように、突軸104の基端側に破断106が生ずることもある。一般に突軸104の内周面には、タッピングによってネジ山が形成される。上述したように、突軸104に亀裂や破断が生じた場合には、このネジ穴に螺合されるビス等と係合するネジ山は金属板102の板厚部分となり、螺着強度が著しく低下することになる。従って、従来一般のバーリング加工方法によれば、突軸104内に多くのネジ山を設けようとして突軸104を高く形成しても、結局は亀裂105や破断106が生じることから実質的には無意味なことになってしまう。
上述したような、バーリング加工方法における亀裂や破断の発生を未然に防止するための対策は、特開2001−170715号公報(特許文献1)によって提案されている。すなわち、特許文献1には、上型に固定された成形ダイ内に摺動可能にノックアウトカラーを設け、下型に固定された成形パンチの先端が前記上型と下型の間のストリッパープレートの貫通孔を通ってストリッパープレート上に載置された金属板に当接し、張り出し成形部を予備成形し、その後、ノックアウトカラー内に摺動可能に設けられた打ち抜きパンチと成形パンチとで前記張り出し成形部の天部を打ち抜き、その後、成形パンチの先端がノックアウトカラーの下端と当接して前記成形ダイ内に進入し、前記成形ダイと成形パンチの間で前記張り出し成形部をカラー成形するバーリングの成形方法において、成形パンチの先端がノックアウトカラーの下端と当接する前の段階で、金属板をストリッパープレートと成形ダイで挟持し、金属板のバーリング加工を施す部分にノックアウトカラーの下端が接触しない状態で成形パンチを押し当てて張り出し成形部を予備成形するバーリング加工方法が示されている。このような成形方法によれば、予備成形する張り出し成形部に集中的な引っ張り荷重がかからないので、最終的なカラー(突軸)を高く形成でき、しかも均一な肉厚に成形することができるとしている。
特許文献1においては、下型に固定された成形パンチの先端を金属板に当接して張り出し成形部を予備成形し、この張り出し成形部に充分な肉厚を得ることにより高さが高く、しかも均一なカラー(突軸)を得ようとしている。ところが、金属板の一方面側から予備成形と打ち抜き成形との2段階の成形工程によってカラー(突軸)を形成するものであって、集中的な引っ張り荷重は回避されるものの、基本的には従来のバーリング加工方法と大きな差異がない。従って、突軸の高さを金属板の板厚の2倍以上に高く形成した場合には、突軸の先端に亀裂が生ずること、あるいは、基端の破断が生ずる問題については、依然として解消されない。
特開2001−170715号公報
本発明が解決しようとする課題は、金属板と一体に形成する突軸の高さを高くしても、先端に亀裂を生じ難くさせることができる中空突軸の形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、所定の板厚を有する塑性加工可能な金属板から一体に中空の突軸を突出形成する中空突軸の形成方法であって、
所定の内径を有する穴を形成した第1のダイに前記金属板を載置した後鋭利な先端を有する略錐状に形成した押圧工具を一方面から押圧して他方面に突部を突出形成すると共に上記押圧工具の鋭利な先端により貫通してほぼ中心に小孔を形成する突部形成工程と、
前記突軸とほぼ等しい内径を有する穴を形成した第2のダイに前記金属板の一方面を当接して載置すると共に、先端側を略錐状に形成したバーリング工具の先端を前記突部の中心に形成された前記小孔に一致させてから押圧して一方面に貫通させる突軸形成工程とを備え、
前記バーリング工具の押圧と貫通によって、前記金属板の他方面に突出形成した突部の肉を前記第2のダイの穴内に移行させて前記バーリング工具の外周との間に中空突軸を形成することを要旨とする。
また、請求項に記載の発明は、前記突軸形成工程の後に、平押し工具により少なくとも前記突部を押圧して前記金属板の他方面に凹陥部を形成すると共に前記突部の肉を第2のダイの穴内に移行した後、この肉を前記バーリング工具によって前記突軸を伸長させることを要旨とする。
さらにまた、請求項に記載の発明は、前記突部形成工程の後に、平押し工具により前記突部を押圧して前記金属板の他方面を平坦もしくは陥没させて前記突部の肉を第2のダイの穴内に移行した後、この肉を前記バーリング工具によって前記突軸の先端方向に移行させることを要旨とする。
本発明によれば、金属板の一方面から押圧工具を押圧して他方面に突部を突出形成することにより、高さの高い突軸を形成するために必要な肉を、予め第2のダイに形成した穴の上方に隆起させた状態で寄せ集めているので、その後、この突部の肉がバーリング工具によって第2のダイに形成した穴内に移行することによって、高さの高い突軸を形成することができ、しかも、十分な肉を突軸の先端まで移行させることから、先端面に亀裂を生じさせることを抑制して平滑に形成することが可能となる。さらに、金属板の他方面に形成する突部の頂部のほぼ中心に小孔を形成することにより、次の突軸形成工程においてバーリング工具の先端を小孔に挿入することによって突軸との中心位置が決められるので、突軸を均一な肉厚に成形することが可能となる。
また、請求項に記載の発明によれば、突軸形成工程の後に、平押し工具により金属板の他方面の肉および突部の残余の肉を第2のダイの穴内に移行することによって、突軸を形成するための肉をさらに増加させることができるので、突軸の高さをさらに伸長させることが可能となる。また、平押し工具の押圧によって、金属板の一方面を平坦に形成することができる。
さらにまた、請求項に記載の発明によれば、突部形成工程の後に、平押し工具により突部の肉を第2のダイの穴内に移行することによって、突軸を形成するための肉をさらに増加させることができるので、その後のバーリング工具による肉の移行によって突軸の高さをさらに伸長させることが可能となる。また、平押し工具の押圧により金属板の一方面を平坦に形成することができる。
所定の板厚を有する塑性加工可能な金属板から一体に中空の突軸を突出形成する工程として、まず、突部形成工程において、所定の内径を有する穴を形成した第1のダイと鋭利な先端を有する略錐状に形成した押圧工具を用いて、第1のダイに前記金属板を載置すると共に、前記金属板の一方面から押圧工具を押圧して他方面に突部を突出形成する。この突部の形成により、突軸を形成するために必要な肉を隆起させた状態で寄せ集める。このとき、押圧工具の鋭利な先端により貫通して突部のほぼ中心に小孔を形成する。その後、突軸形成工程において、突軸とほぼ等しい内径を有する穴を形成した第2のダイと、先端側を略錐状に形成したバーリング工具を用いて、第2のダイの穴と突部の中心に形成された小孔の中心を一致させた状態で前記金属板の一方面を第2のダイに載置すると共に、バーリング工具を前記突部の中心に一致させた状態で押圧して一方面に貫通させる。このとき、バーリング工具の押圧と貫通によって前記突部の肉が第2のダイの穴内に移行し、バーリング工具の外周と第2のダイの穴の内周との間に中空突軸が形成される。


図1(F)は、本発明にかかる中空突軸の形成方法によって形成された中空突軸の一例を示している。即ち、平坦な金属板1の一方面1a側には、中空の突軸2が一体に突出形成されている。また、金属板1の他方面1b側には、突軸2と同心円の凹陥部3が形成されている。
上記金属板1は、例えば0.1mm乃至3mm程度の板厚を有する塑性加工が可能なアルミニウム、銅、ステンレス、真鍮、鉄等の金属素材から各種の用途に応じて適宜に選択される。このような金属板1に対して、以下に説明する形成方法によって中空の突軸2が一体に突出形成される。
図1(A)乃至(F)は、本発明による中空突軸の形成方法として第1の実施形態による方法を示している。まず、図1(A)に示すように、第1のダイ4の上面に、鉄、ステンレス、或いはアルミニウム等々の所定の板厚を有する塑性加工可能な素材からなる金属板1を位置決めして載置する。第1のダイ4には、上記突軸2として必要な外径寸法よりもやや大きい内径を有する穴4aが形成されている。
そして、図1(A)に示す突部形成工程において、金属板1の一方面1a側から押圧工具5を押圧して金属板1の他方面1b側に突部6を突出形成する。押圧工具5は先端側を略円錐状に形成され、押圧工具5の中心と第1のダイ4の穴4aの中心とを一致させた状態で押圧する。この押圧工具5の押圧によって金属板1の肉が穴4a内に移行し、他方面側1bに突部6が突出形成される。そして、押圧工具5は突部6の頂部から僅かに突出したときに停止させた後に後退させる。この突部形成工程によって、突部6の頂部には小孔6aが形成される。また、金属板1の一方面1a側には、押圧工具5の略円錐状部分によって直径φ1からなる開口6bが形成される。この開口6bは、後述する突軸2の内径寸法φ2と同じかやや小さく設定される。従って、押圧工具5は先端側は、突出高さに対応させて、突部6に所定の寸法の小孔6aと開口6bが形成されるような略円錐状に形成される。
次に、図1(B)乃至(E)に示す突軸形成工程によって、図2および図1(F)に示す突軸2が突出形成される。突軸形成工程に使用する第2のダイ7は、最終的な突軸2の外径寸法とほぼ同じかやや大きい内径を有する穴7aが形成されている。そして、金属板1の一方面1aを第2のダイ7の上面に当接すると共に、上記突部6の頂部に形成された小孔6aの中心と穴7aの中心とを一致させるように位置決めした状態で載置する。そして、先端側を略錐状に形成したバーリング工具8の先端を突部6の頂部に当接した後、金属板1の一方面1a方向に押圧すると共に、図1(C)に示すように、バーリング工具8を貫通させる。これによって、バーリング工具8が突部6の肉を第2のダイ7の穴7a内に移行し、バーリング工具8の外周と、第2のダイ7の穴7aの内周との間に突軸2が突出形成される。
以上のように、金属板1の他方面1bに予め突部6を突出形成することによって、突軸2を形成するために必要な肉の量を第2のダイ7の穴7a近傍に集めて待機させるので、バーリング工具8の押圧と貫通によって肉を突軸2の先端まで移行させることが可能となる。この結果、高さの高い突軸2を突出形成しても、亀裂のない無垢の状態の先端が得られる。さらに、突軸2の先端まで肉が充満するので、先端面を平滑に形成することができる。また、このように形成された突軸2の中空2a内には、必要に応じてタッピングによってネジ山を形成することができ、しかも、ネジ山に有効長を長くすることができる。
金属板1の板厚に対して2倍程度までの高さを有する突軸2を形成する場合には、上述した突部形成工程と突軸形成工程によって完成状態となる。突軸2を金属板1の板厚の2倍以上にさらに高くしたい場合には、図1(D)および(E)の工程を施すことが好ましい。すなわち、図1(D)は、平押し工具9を金属板1の他方面1b側から押圧することによって金属板1の他方面1bに凹陥部3を形成し、この凹陥部3の肉、および、図1(C)に示す突部6の残余の肉6cを突軸2の基端側の中空2a内に突出させ、突軸2を形成するために肉を増加させる。この平押し工程の後に、図1(E)に示すように、中空2a内に突出させた肉を前述したバーリング工具8により再度押圧および貫通させることによって、増加した肉を第2のダイ7の穴7a内を移行して突軸2の高さをさらに伸長させる。このように平押し工具9を押圧することによって、突軸2の中空2a周囲残余の肉6c等によって悪化した金属板1の他方面1bを平坦に形成することができる。
上述した実施形態においては、平押し工具9を用いて金属板1の他方面1b側に凹陥部3を形成したが、例えば、バーリング工具8の中間部から上方を上記平押し工具9に相当するように大径に形成し、バーリング工具8を押圧すると共に貫通するときに、段部の平面によって平押しを行っても良い。また、平押しによって凹陥部3を形成することなく、金属板1の他方面1b側を他の部分と同一平面となるように平坦に形成しても良い。
図3は、本発明にかかる中空突軸の形成方法の第2の実施形態を示し、バーリング工具の小径部と大径部との間にテーパ部を形成し、このテーパ部によって肉を先端側に移行させて突軸をさらに伸長させることを可能としたものである。なお、図3において、前述した図1(A)乃至(D)に示す突部形成工程および突軸形成工程は実質的に同一であるのでその説明は省略し、第1の実施形態と相違する突軸形成工程のみを詳細に説明する。
図3(E)に示す突軸形成工程において使用するバーリング工具10は、先端側を略錐状に形成すると共に、前記突軸2の中空2aの内径とほぼ等しい外径を有する小径部10aと、この小径部10aよりも大きい外径に形成した大径部10bとの間にテーパ部10cが形成されている。図1(D)に示した平押し工程の後に、バーリング工具10を用いて押圧すると共に貫通させる。その後、バーリング工具10のテーパ部10cが凹陥部3に到達して突軸2の開口を拡開し、この拡開部分の肉がテーパ部10cによって第2のダイ7の穴7a内に移行させて突軸2の高さを伸長させる。これによって、図3(F)に示すように、突軸2の開口には略擂り鉢状に形成される。なお、バーリング工具10は、図1(C)に示した突軸形成工程において使用しても良い。
図4(A)(B)は、前述した突部形成工程において使用する押圧工具の変形例を示している。図4(A)に示す押圧工具20は、先端部に略半球状の半球部20aを形成すると共に、この半球部20aの頂部から円錐状の突起部20bを一体に形成している。そして、前述した図1(A)に示す突部形成工程と同様に、上記押圧工具20を用いて突部6を突出形成する。この突部形成工程によって、突部6の頂部には、突起部20bによって小孔6aが形成される。また、金属板1の一方面1a側には、半球部20aによって略半球状の凹部と共に開口6bが形成される。この開口6bは、前述したように、突軸2の内径寸法φ2と同じかやや小さく設定される。
図4(B)に示す押圧工具21は、先端部に平坦部21aを形成すると共に、この平坦部21aの中央部から円錐状の突起部21bを一体に形成している。そして、上記押圧工具21を用いて突部6を突出形成する。この突部形成工程によって、突部6の頂部には、突起部20bによって小孔6aが形成される。また、金属板1の一方面1a側には、円筒状の凹部と共に開口6bが形成される。この開口6bも突軸2の内径寸法φ2と同じかやや小さく設定される。
以上のように、突部形成工程において使用する押圧工具は、突部6を突出形成するものであり、その先端形状は上述した実施形態に限らず、他の形状に変更しても良い。また、図1に示した押圧工具を含めて、先端を鋭利に形成して突部6の頂部に小孔6aを形成するようにしたが、必ずしも小孔6aを形成しなくても良い。但し、バーリング工具による肉の移行を円滑にするために、突部6の頂部を肉薄に形成することが望ましい。
図5(A)乃至(C)は、本発明にかかる中空突軸の形成方法の第3の実施形態を示している。図5(A)は、突部形成工程によって突部6が形成された状態を示している。この突部形成工程は、図1によって詳述した第1の実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略するが、金属板1の他方面1b側には押圧工具によって突部6が形成される。その後、図5(B)に示す平押し工程を行う。この平押し工程は、まず、金属板1の一方面1aを第2のダイ7の上面に当接すると共に、上記突部6の中心と第2のダイ7の穴7aの中心とを一致させるように位置決めした状態で載置する。次に、突部6の頂部側から平押し工具30を押圧して、金属板1の他方面1b側に凹陥部31を形成することにより、図5(B)に示すように、突部6の肉が第2のダイ7の穴7a内に移行する。この平押し工程によって、上記突部6の内部に形成されていた略円錐状の孔6cには肉が相寄り、穴7a内の一方側を充満させる突起32が形成される。
このような平押し工程を行った後に突軸形成工程に移行され、バーリング工具8によって中空な突軸2が突出形成される。この突軸形成工程において使用されるバーリング工具8は前述した第1の実施形態と同一の構成としている。そして、バーリング工具8の先端を突部6の頂部に当接すると共に金属板1の一方面1a方向に押圧し、図5(C)に示すように、バーリング工具8を貫通させる。これによって、バーリング工具8が突起32の肉を第2のダイ7の穴7aの奥に向けて移行し、バーリング工具8の外周と第2のダイ7の穴7aの内周との間に中空の突軸2が突出形成される。
以上のように、平押し工具30によって突部6の肉を予め第2のダイ7の穴7a内に移行すると共に、突軸2を形成するための肉をさらに増加させ、その後、穴7a内に移行した肉によって中空の突軸2を形成するので、突軸2の高さをさらに伸長させることが可能となる。また、平押し工具30によって押圧することにより、金属板1の一方面1aを平坦に形成することができる。
図6は、本発明にかかる中空突軸の形成方法の第4の実施形態として、突部形成工程における変形例を示している。この第4の実施形態に使用される押圧工具40は、前述した押圧工具5と同様に、先端側が略円錐状に形成されているが、外径寸法が小さく形成されている。そして、図6(A)に示す突部形成工程において、小径の押圧工具40を金属板1の一方面1a側から押圧すると共に、金属板1を貫通する。この結果、金属板1の肉が第1のダイ4の穴4a内に移行し、他方面側1bに突部41が突出形成され、小径の押圧工具40の貫通により、突部41の頂部を中心として、押圧工具40の外径寸法とほぼ同じ内径の小孔42が形成される。また、小径の押圧工具40を使用すると、金属板1の一方面1a側には、略擂り鉢状の凹所43が形成される。なお、小径の押圧工具40の外径寸法は、第1の実施形態において説明した開口6bと同様の直径φ1以下に設定することが望ましい
次に、図6(B)(C)に示す突軸形成工程によって突軸2を突出形成するが、この突軸形成工程は、図1(B)(C)に示す突軸形成工程と同様であり、詳細な説明は省略するが、突部41が突出形成された金属板1の一方面1aを第2のダイ7の上面に当接すると共に、上記突部41の頂部に形成された小孔42の中心とダイ7の穴7aの中心とを一致させるように位置決めした状態で載置する。その後、先端側を略錐状に形成したバーリング工具8の先端部分を図1(B)に示すように突部41の小孔42に嵌合した後、図1(C)に示すように、バーリング工具8を貫通させる。これによって、バーリング工具8が突部41の肉を第2のダイ7の穴7a内に移行し、バーリング工具8の外周と、第2のダイ7の穴7aの内周との間に突軸2が突出形成される。
なお、前述した各実施形態において、突軸を円筒状に形成する例を説明したが、三角形以上の略多角形の中空突軸を形成するようにしても良い。また、各実施形態においては、金属板に対して1個の突軸を突出形成した例を説明したが、1枚の金属板に2個以上の複数個の突軸を形成するようにしても良い。その他、本発明を逸脱しない範囲で変形可能である。
本発明は、金属を塑性加工して形成される各種の産業機器、情報機器、医療機器、建設機器等の電気あるいは電子機器の部品や装置等に適用可能である。
(A)乃至(F)は、本発明にかかる第1の実施形態による中空突軸の形成方法を示す工程説明図である。 本発明の形成方法により形成された中空突軸を示す斜視図である。 (E)(F)は、本発明にかかる第2の実施形態による形成方法を示す工程説明図である。 (A)(B)は、押圧工具の変形例を示す断面図である。 (A)乃至(C)は、本発明にかかる第3の実施形態による形成方法を示す工程説明図である。 (A)乃至(C)は、本発明にかかる第4の実施形態による形成方法を示す工程説明図である。 従来の突軸の形成方法を示す断面図である。 (A)(B)は、従来の形成方法によって形成された突軸の問題を示す断面図である。
符号の説明
1 金属板
1a 一方面
1b 他方面
2 突軸
2a 中空
3 凹陥部
4 第1のダイ
4a 穴
5 押圧工具
6 突部
6a 小孔
6b 開口
7 第2のダイ
7a 穴
8 バーリング工具
9 平押し工具
10 バーリング工具
10a 小径部
10b 大径部
10c テーパ部

Claims (3)

  1. 所定の板厚を有する塑性加工可能な金属板から一体に中空の突軸を突出形成する中空突軸の形成方法であって、
    所定の内径を有する穴を形成した第1のダイに前記金属板を載置した後鋭利な先端を有する略錐状に形成した押圧工具を一方面から押圧して他方面に突部を突出形成すると共に上記押圧工具の鋭利な先端により貫通してほぼ中心に小孔を形成する突部形成工程と、
    前記突軸とほぼ等しい内径を有する穴を形成した第2のダイに前記金属板の一方面を当接して載置すると共に、先端側を略錐状に形成したバーリング工具の先端を前記突部の中心に形成された前記小孔に一致させてから押圧して一方面に貫通させる突軸形成工程とを備え、
    前記バーリング工具の押圧と貫通によって、前記金属板の他方面に突出形成した突部の肉を前記第2のダイの穴内に移行させて前記バーリング工具の外周との間に中空突軸を形成したことを特徴とする中空突軸の形成方法。
  2. 前記突軸形成工程の後に、平押し工具により少なくとも前記突部を押圧して前記金属板の他方面に凹陥部を形成すると共に前記突部の肉を第2のダイの穴内に移行した後、この肉を前記バーリング工具によって前記突軸を伸長させた請求項1記載の中空突軸の形成方法。
  3. 前記突部形成工程の後に、平押し工具により前記突部を押圧して前記金属板の他方面を平坦もしくは陥没させて前記突部の肉を第2のダイの穴内に移行した後、この肉を前記バーリング工具によって前記突軸の先端方向に移行させた請求項1記載の中空突軸の形成方法。
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