JP4355149B2 - 遊技機用制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、及び、雀球遊技機等の弾球遊技機に使用される遊技機用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、パチンコ機に代表される弾球遊技機には、一般的に、入賞口を開閉する扉部材を駆動して入賞口への入賞率を変化させる可変入賞口装置が備えられている。この可変入賞口装置の扉部材を駆動する操作機として、直動式ソレノイドが採用される場合が多い。
直動式ソレノイドは、原点位置及び作動位置の二位置間を移動自在に設けられたプランジャと、プランジャを原点位置に復帰させる弾性力を有するバネと、バネの弾性力に抗してプランジャを原点位置から作動位置に移動させる電磁力を発生するコイルとを備え、コイルの通電時にのみプランジャの位置を作動位置に保持できるものとなっている。
【0003】
また、可変入賞口装置のなかには、アタッカーと呼ばれるもの等、大当たりの発生等により、入賞口が長時間にわたって連続的に開状態となるものがある。このような可変入賞口装置にも、前述した直動式ソレノイドが利用できる。
入賞口が長時間開状態となる可変入賞口装置に直動式ソレノイドを利用する場合、直動式ソレノイドが有するコイルへの通電時間が長くなることが予想される。このため、コイルへの導通を長時間行っても、発熱の問題や温度上昇による駆動力の低下等の問題が生じないように、熱的に余裕のある大型のソレノイドを採用する必要がある。
【0004】
ところで、近年、パチンコ機等の弾球遊技機では、その遊技領域に設けられる液晶パネル等からなる表示装置が大型化しており、表示装置の大型化にともない、可変入賞口装置の小型化・薄型化が強く要望されているが、直動式ソレノイドを利用したのでは、直動式ソレノイドが大型化し、可変入賞口装置の小型化・薄型化が困難となるという問題が発生する。
【0005】
このような問題を解決する一手段として、可変入賞口装置の球受け部材としての扉部材を駆動する操作機として、ラッチ式ソレノイドに代表される状態自己保持式の操作機を採用することが提案されている(例えば、特開文献1参照)。
すなわち、ラッチ式ソレノイドは、原点位置及び作動位置の二位置間を移動自在に設けられたプランジャと、プランジャを原点位置に復帰させる弾性力を有するバネと、バネの弾性力に抗してプランジャを原点位置から作動位置近傍まで移動させる電磁力を発生するコイルと、プランジャを作動位置に保持する永久磁石とを備えたものとなっている。なお、プランジャを重力方向に移動自在に設ける場合には、重力をバネの弾性力として利用することができ、このように重力を利用すれば、バネを省略することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−185077号公報
【0007】
このようなラッチ式ソレノイドでは、コイルに所定方向の電流を導通させ、コイルの電磁力でプランジャを作動位置近傍まで移動させると、永久磁石がプランジャを作動位置に保持するので、プランジャが作動位置近傍まで移動した後には、コイルに電流を導通させる必要がない。
また、コイルに逆方向の電流を導通させると、コイルには、前回とは逆方向の電磁力が発生し、この電磁力によって永久磁石の磁力が弱められて、バネの弾性力が永久磁石の磁力に打ち勝ち、バネの弾性力でプランジャが原点位置に戻るようになっている。なお、プランジャが原点位置近傍まで移動した後には、コイルに逆方向の電流を導通させる必要がない。
【0008】
このようなラッチ式ソレノイドを利用すれば、プランジャを移動させるときにのみコイルに電流を流せばよいので、換言すれば、プランジャの静止時には、コイルへの電圧印加が不要となり、プランジャの動作時にのみ電圧をパルス的に印加すればよいので、コイルへの通電時間が著しく短くなり、著しい発熱が未然に防止され、小型のソレノイドの採用が可能となり、可変入賞口装置の小型化・薄型化に貢献することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなラッチ式ソレノイド等の状態自己保持式の操作機を利用した可変入賞口装置では、操作機へ電力を送る電源線又は制御線が切断される、あるいは、電源線の端部に設けられたコネクタが引き抜かれる等により、操作機が制御装置から遮断されれば、可変入賞口装置の扉部材は、開状態及び閉状態の一方から他方に移行することができず、切断時の状態に固定されてしまう。
このため、事故等により、操作機が制御装置から遮断されると、可変入賞口装置の扉部材が開状態に固定され、イレギュラーな大当たり状態となり、規定外の払い出しが行われるおそれがあるという問題がある。
また、これを利用して、作為的に操作機を制御装置から遮断すれば、大当たり状態を不正に作り出すことができ、不正行為により、規定外の大量払い出しが行われるおそれがあるという問題がある。
【0010】
本発明の第1の目的は、操作機と制御装置との接続異常が検出可能となる遊技機用制御装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、規定外の払い出しが防止可能となる遊技機用制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下に説明する各発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、以下の各構成要件には、説明の便宜上、実施の形態において用いた符号を付すが、これにより、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
【0013】
【0014】
請求項記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項記載の発明は、遊技盤(2)の遊技領域(3)に打ち込まれた遊技球が入賞可能な入賞口(6)と、この入賞口(6)の直前まで達した遊技球を受けて当該入賞口(6)へ導入する開状態及び当該入賞口(6)の直前まで達した遊技球をそのまま通過させる閉状態の一方から他方へ変化可能に設けられた球受け部材(21)と、前記開状態及び前記閉状態の一方から他方へ状態変化させるために前記球受け部材(21)を駆動する操作機(23)とを有するを有する遊技機(1)に設けられ、当該遊技機(1)の動作を制御する遊技機用制御装置(70)であって、前記操作機(23)として、前記開状態及び前記閉状態のいずれにおいても、その状態を維持するために電力を必要とせず、前記開状態及び前記閉状態の一方から他方へ移行する際には電力が必要となる状態自己保持式の操作機が採用され、当該制御装置(70)には、前記操作機(23)の動作タイミングにおける所定部位の電位及び当該所定部位の流通電流の少なくとも一方を検出するとともに、その検出結果に基づいて当該操作機(23)の異常の有無を判定する操作機異常判定手段(74A) と、前記操作機異常判定手段(74A) が前記操作機(23)に異常ありと判定すると、遊技球が前記入賞口(6) に入っても入賞を無効にする入賞無効化手段(76A) とが設けられていることを特徴とする。
【0015】
このような本発明によれば、操作機(23)が制御装置(70)に正しく接続された正常な状態において、操作機(23)の動作タイミングにおける所定部位の電位を計測し、得られた電位値を基準電位として予め操作機異常判定手段(74A) に設定しておけば、操作機(23)が制御装置(70)から遮断された異常状態では、操作機(23)の動作タイミングにおける所定部位の電位が基準電位と異なる値を示すので、操作機異常判定手段(74A) は、所定部位の電位を検出した検出結果から、操作機(23)の異常状態を正確且つ確実に判定でき、操作機(23)が制御装置(70)に正しく接続されていない接続異常が検出可能となる。
そして、操作機異常判定手段(74A) により操作機(23)の異常判定がなされたことを受けると、入賞無効化手段(76A) は、遊技球が入賞口(6)に入っても入賞を無効にするので、規定外の払い出しが確実に防止できるようになる。
なお、操作機異常判定手段(74A) に所定部位の流通電流を検出させても、操作機(23)と制御装置(70)との接続異常は検出可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の一形態として、可変入賞口装置をパチンコ機に搭載した例を用いて説明する。
(パチンコ遊技の概要)
図1は、本実施形態におけるパチンコ機1の遊技盤2を示す正面図である。このパチンコ機1におけるパチンコ遊技は、図示しない発射装置から遊技盤2の発射レール1Aを経て、発射レール1Aにより区画された遊技領域3内に遊技球を発射し、この遊技球を、遊技領域3内に設けられた各入賞口5,6,6Aに落入させる遊技を行うものである。
【0017】
(遊技盤2の遊技領域3)
遊技盤2の遊技領域3には、図柄を変動表示可能な図柄表示装置4と、その中への入賞が図柄表示装置4に表示される図柄の変動を開始させる条件となる始動入賞口5と、図柄表示装置4に表示された図柄が所定の特別態様(例えば、ぞろ目の三つ揃い)となったことを条件に開放される大入賞口6を有する可変入賞口装置10と、大入賞口6及び他の一般入賞口6Aのいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するアウト口7と、入賞した際の遊技効果を高めるための電気装飾具3Aと、落下する遊技球の球筋に影響を与える風車3Bと、所定のゲージ設定に基づいて配置された図示しない多数の釘とが設けられている。
【0018】
(可変入賞口装置10)
図2は、背後から見た可変入賞口装置10を示す分解斜視図、図3は、可変入賞口装置10を示す一部分解状態の背面図である。
可変入賞口装置10は、パチンコ機1に設けられた遊技盤2の中央下方に配置され、前述の条件達成(図柄表示装置4の図柄が特定態様となること)により、第1の球受け部材である扉部材21の姿勢を、通常の閉姿勢から開姿勢へ姿勢変化させ、これにより、大入賞口6への遊技球の入賞を容易にするための遊技部品である。
【0019】
可変入賞口装置10には、図2及び図3に示すように、大入賞口6の直前まで達した遊技球を受けて大入賞口6へ導入する開姿勢及び大入賞口6の直前まで達した遊技球をそのまま通過させる閉姿勢の一方から他方へ変化可能に設けられた扉部材21と、扉部材21に略整合する大入賞口6の入口となる開口が設けられたベース部材11と、開姿勢の扉部材21が受けた遊技球を内部に案内する通路を有するとともに、案内した遊技球をセーフ球として入賞処理する入賞処理部材8と、開姿勢及び閉姿勢の一方から他方へ姿勢変化させるために扉部材21を駆動する操作機23と、操作機23の駆動力を扉部材21に伝達する駆動力伝達部材としてのトルク伝達部材22とが主要部品として設けられている。
【0020】
そして、入賞処理部材8の内部には、その入賞価値が異なる特定入賞領域2A及び一般入賞領域2Bが設けられ、これらの特定入賞領域2A及び一般入賞領域2Bのそれぞれに入賞した遊技球を検出するために、入賞検出器13A,13Bが設けられている。
また、可変入賞口装置10には、扉部材21、操作機23及びトルク伝達部材22により、大入賞口6に遊技球が入賞する確率を切り換えるための入賞確率切換機構20が形成され、さらに、特定入賞領域2A及び一般入賞領域2Bの一方から他方へ遊技球の流れを切り換えるために、第2の球受け部材であるシーソー部材41が設けられ、シーソー部材41、操作機23及びトルク伝達部材22により、入賞領域切換機構40が形成されている。これらの入賞確率切換機構20及び入賞領域切換機構40については後で詳述する。
【0021】
(ベース部材11)
ベース部材11は、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の合成樹脂により遊技盤2の表面に沿うように略平板状に形成された部材である。ベース部材11の略中央部には、扉部材21の外形と略整合するように方形状の開口部9が開口されている。
ベース部材11の裏面には、図3の如く、入賞処理部材8を取り付けするために、該裏面から突出するネジ受突部11A が左右各2箇所ずつ形成されている。
また、この裏面における開口部9の両端近傍には、上下に配置された一対の軸受突部11B がそれぞれ設けられている。一対の軸受突部11B は、その間にU字形の軸受凹部11C を形成するものである。この軸受凹部11C は、後述する箱部材60に設けられている軸受当接部60A によりU字の開口部分が塞がれるようになっている。扉部材21の回動軸21A を軸受凹部11C の内部に収納した状態で、箱部材60をベース部材11に取り付け、軸受凹部11C を軸受当接部60A で塞ぐことにより、軸受当接部60A が回動自在に支持されるようになっている。
【0022】
(入賞処理部材8)
入賞処理部材8は、扉部材21により受けられた遊技球を導入する大入賞口6の主要部が形成された箱部材60と、この箱部材60の後方に配置され大入賞口6の後壁部12A を形成するとともに、特定入賞領域2A及び一般入賞領域2Bが内部に形成されている通路形成部材12と、大入賞口6に入賞した遊技球の誘導を行う遊技球誘導部61と、を主体として構成されたものである。
【0023】
(箱部材60)
箱部材60は、内部がおおよそ三つの部分に仕切られた箱状の部材である。
三つの部分のうち、箱部材60の中央に配置された部分は、特定入賞領域2A及び一般入賞領域2Bと連通するとともに、内部のシーソー部材41で特定入賞領域2A及び一般入賞領域2Bの一方へ遊技球を導く遊技球誘導部61となっている。
残りの部分のうち、箱部材60の図2中右側に配置された部分は、入賞確率切換機構20のトルク伝達部材22を収納するための収納部62とされ、その反対側である、箱部材60の図2中左側に配置された部分は、入賞領域切換機構40のトルク伝達部材22を収納するための収納部63となっている。
【0024】
ここで、収納部62,63には、トルク伝達部材22の端部に設けられたホゾ部25を回動自在に支持するU字形の凹部64が形成されている。
この凹部64は、内部にトルク伝達部材22のホゾ部25を収納した状態で、その開口側が通路形成部材12に突設された抜け止め部14に塞がれるようになっている。これにより、トルク伝達部材22のホゾ部25は、凹部64と抜け止め部14とに囲まれて、回動自在に支持されるようになっている。
【0025】
また、図2及び図3中、箱部材60の両端部分には、外側へ延在する鍔状の耳部65が設けられている。図2及び図3中、箱部材60の左方の耳部65には、入賞確率切換機構20の操作機23であるラッチングソレノイドがブラケット66を介して取り付けられるようになっており、その反対側となる、箱部材60の右方の耳部65には、入賞領域切換機構40の操作機23であるラッチングソレノイドがブラケット66を介して取り付けられるようになっている。
【0026】
箱部材60の下端縁に沿って延びる枠状部67には、シーソー部材41の回動軸41A を受ける軸受穴68と、リンク部材42の回動軸42A を受ける軸受穴69とが設けられている。一方、通路形成部材12側にも、箱部材60側の軸受穴68,69に応じた位置に図示しない軸受穴が設けられている。
これにより、シーソー部材41及びリンク部材42は、箱部材60及び通路形成部材12に揺動自在に支持されるようになっている。
【0027】
入賞検出器13A,13Bは、特定入賞領域2A、一般入賞領域2Bに遊技球が入賞したことを検出するための検出器であり、近傍を遊技球が通過することにより変化する磁束密度を検出するコイルを備えた電磁式のものである。
なお、入賞検出器13A,13Bとしては、近傍を遊技球が通過することにより変化する電界を検出する電界式の入賞検出器、あるいは、近傍を通過する遊技球にプランジャ等の操作部を駆動させ、これにより電気接点を開閉させる機械式の入賞検出器も採用できる。
【0028】
(入賞確率切換機構20)
次に、入賞確率切換機構20について更に詳しく説明する。
入賞確率切換機構20は、図4乃至図16に示すように、操作機23の駆動力で扉部材21を開閉するものである。この入賞確率切換機構20には、扉部材21及び操作機23の他に、前述の如く、操作機23の駆動力を扉部材21へ伝達するトルク伝達部材22が設けられている。
【0029】
図2及び図3の如く、扉部材21は、平たい方形状の部材であり、開状態において、遊技球を大入賞口6の内部へ導入するものとなる一方、閉状態において、大入賞口6を塞ぎ、遊技球の大入賞口6への導入を阻止するものとなっている。
扉部材21の図2及び図3中右側の回動軸21A には、図4乃至図11に示すように、当該回動軸21A の径方向外側へ延びるU字形の係合部26が設けられている。
【0030】
本実施形態では、操作機23としてラッチングソレノイドを採用している。操作機23であるラッチングソレノイドは、図示しない永久磁石及びコイルを内蔵するソレノイド本体23B と、このソレノイド本体23B に進退可能に設けられた、前述のプランジャ23A と、このプランジャ23A を前進方向へ付勢する圧縮コイルスプリング23C と、プランジャ23A の先端部分に一体成形された係合鍔部23D とを有するものとなっている。
【0031】
ここで、操作機23は、そのソレノイド本体23B に所定の電圧が印加されると、ソレノイド本体23B が圧縮コイルスプリング23C の弾性力に抗してプランジャ23A を所定の後退位置まで後退させるものである。
そして、プランジャ23A は、ソレノイド本体23B 内部の永久磁石に吸着され、ソレノイド本体23B に印加された電圧が解除されても、当該後退位置に留まるようになっている。
【0032】
換言すると、操作機23は、扉部材21の開状態及び閉状態のいずれにおいても、その状態を維持するために電力を必要とせず、開状態及び閉状態の一方から他方へ移行する際には電力が必要となる状態自己保持式の操作機となっている。
【0033】
一方、操作機23は、そのソレノイド本体23B に所定の逆電圧が印加されると、プランジャ23A は、ソレノイド本体23B 内部の永久磁石の吸着から開放され、圧縮コイルスプリング23C の弾性力により、所定の前進位置まで前進するようになっている。
そして、プランジャ23A は、圧縮コイルスプリング23C に付勢され、印加された逆電圧が解除されても、当該前進位置に留まるようになっている。
【0034】
この際、プランジャ23A を付勢する圧縮コイルスプリング23C は、プランジャ23A が前進位置に配置された状態において、本来の長さよりも短い状態とされている。換言すれば、圧縮コイルスプリング23C は、作動の際にガタが生じないように、予め圧縮変位が加えられた、プリロード状態にされて入賞確率切換機構20に組み込まれている。
【0035】
前述の如く、トルク伝達部材22は、図4乃至図14に示すように、駆動力を発生する操作機23側に係合する入力端部材22A と、被駆動部位である扉部材21側に係合する出力端部材22B と、入力端部材22A 及び出力端部材22B を相互に連結する弾性体22C とを有するものである。
【0036】
入力端部材22A は、円形に形成された環状部27と、この環状部27の中央に形成された挿通孔28と、環状部27の径方向外側へ延びる一対の係合突起29とを備えたものである。
一対の係合突起29の各先端には、環状部27の中心軸の方向に延びる係合指部29A が設けられている。そして、これらの係合指部29A の間に、操作機23のプランジャ23A 先端に形成された係合鍔部23D を係合することで、操作機23がプランジャ23A を前進させるときに発生する前進駆動力及びプランジャ23A を後退させるときに発生する後退駆動力の両方が入力端部材22A に伝達されるようになっている。
【0037】
出力端部材22B は、入力端部材22A の挿通孔28に挿通される軸部30と、軸部30の径方向外側へ延びる係合腕部31とを備えたものである。ここで、挿通孔28の内径は、その内部に挿通される軸部30の外径よりも若干大きく設定されている。
係合腕部31の先端には、軸部30の軸方向に延びる係合ピン32が設けられている。この係合ピン32は、扉部材21の回動軸21A に設けられたU字形の係合部26のU字の間に配置されている。
これにより、出力端部材22B が図10及び図11中反時計方向に回動すると、扉部材21は閉鎖され、出力端部材22B が図10及び図11中時計方向に回動すると、扉部材21は開放されるようになっている。
【0038】
弾性体22C は、図4の如く、ピアノ線等の線状の金属弾性体をコイル状に巻いたねじりバネである。弾性体22C には、その端部をU字状の鉤形に折り曲げることにより、一対の係止部33が形成されている。
一対の係止部33の一方は、入力端部材22A に一対設けられた係合突起29の一方に係止され、係止部33の他方は、出力端部材22B に設けられた係合腕部31に係止されている。
これにより、入力端部材22A に加えられたトルクは、弾性体22C によって出力端部材22B に伝達されるようになっている。そして、これらの入力端部材22A 、出力端部材22B 及び弾性体22C が、操作機23のトルクを扉部材21へ伝達するトルク伝達機構として機能するようになっている。
【0039】
すなわち、操作機23が非駆動状態(図10参照)から駆動状態(図11参照)へ移行すると、操作機23のプランジャ23A と当接している入力端部材22A が、ホゾ部25を回動軸として所定角度回動し、この回動変位によって、一端が入力端部材22A に係止されている弾性体22C が反ねじり方向(図10(A)及び図11(A)における反時計方向)に回転するようになっている。そして、この回転により弾性体22C の他端に形成された係止部33が回動変位して出力端部材22B を回転させ、出力端部材22B と係合する扉部材21が開放状態へ移行するようになっている。
【0040】
なお、本実施形態では、図10(A)及び図11(A)の如く、入力端部材22A に設けられた係合突起29の他方の側面に、出力端部材22B の係合腕部31に当接して、弾性体22C の反ねじり方向への移動を規制する当接突起34が設けられている。この当接突起34により、弾性体22C を介装する際に、予めねじり方向に変位を与える(プリロード状態にする)ことが可能となっている。これにより、扉部材21の開閉動作の安定化が図られている。
【0041】
このような入賞確率切換機構20は、操作機23のプランジャ23A が前進すると、図10(A)及び(B)の如く、トルク伝達部材22が図10(A)中時計方向に回動して、扉部材21の係合部26を押し下げ、これにより、扉部材21を閉鎖状態にするように構成されている。
一方、入賞確率切換機構20は、操作機23のプランジャ23A が後退すると、図11(A)及び(B)の如く、トルク伝達部材22が図11(A)中反時計方向に回動して、扉部材21の係合部26を押し上げ、これにより、扉部材21を開放状態にするように構成されている。
【0042】
(入賞領域切換機構40)
続いて、入賞領域切換機構40について更に詳しく説明する。
入賞領域切換機構40は、図12乃至図14に示すように、操作機23の駆動力で、シーソー部材41を揺動して、その傾斜方向を変更するものである。この入賞領域切換機構40には、シーソー部材41及び操作機23の他に、前述の如く、揺動自在に設けられたリンク部材42及びトルク伝達部材22を含んで構成された伝達装置43が設けられている。
なお、入賞領域切換機構40のトルク伝達部材22及び操作機23は、入賞確率切換機構20のトルク伝達部材22及び操作機23と同様の構造であるので、その詳しい説明を省略する。
【0043】
図13及び図14の如く、シーソー部材41は、略平板状の本体45の底面に、当該底面から突出する補強リブ46を一体成形した断面T字形のものであり、図13(B)及び図14(B)に示すように、シーソー部材41は、その上面が図13(B)中斜め左上方を向いた傾斜状態において、遊技球を一般入賞領域2Bへ導入する一方、その上面が図14(B)中、斜め左上方を向いた傾斜状態において、遊技球を特定入賞領域2Aへ導入するものとなっている。
【0044】
シーソー部材41に設けられた補強リブ46の両側面には、前述した回動軸41A がそれぞれ突設されている。これらの回動軸41A は、補強リブ46の長手方向中央部分に配置されている。また、補強リブ46は、回動軸41A の図13(B)中、回動軸41A の右側に開口された係合孔47を備えている。
【0045】
リンク部材42は、図13(B)及び図14(B)に示すように、回動軸42A が突設された部分から両側に延びる一対の腕部48A,48Bを備えたものである。
このうち、トルク伝達部材22側へ延びる腕部48A は、図12にも示すように、その先端部分に設けられるとともに、U字形に形成された係合部49を備えたものである。このU字形に形成された係合部49のU字の間には、トルク伝達部材22の係合ピン32が配置され、これにより、係合部49及び係合ピン32が互いに係合するようになっている。
【0046】
一方、シーソー部材41側へ延びる腕部48B は、図13(B)及び図14(B)に示すように、シーソー部材41の係合孔47に挿通されて、当該シーソー部材41と係合する係合ピン50を備えたものとなっている。
【0047】
このような入賞領域切換機構40は、操作機23のプランジャ23A が前進すると、図13(A)及び(B)の如く、トルク伝達部材22が図13(A)中反時計方向に回動して、リンク部材42の係合部49を押し下げ、これにより、リンク部材42の係合ピン50が押し上げられ、シーソー部材41の上面が、図13(B)の如く、斜め左上方を向いた傾斜状態となるように構成されている。
一方、入賞領域切換機構40は、操作機23のプランジャ23A が後退すると、図14(A)及び(B)の如く、トルク伝達部材22が図14(A)中時計方向に回動して、リンク部材42の係合部49を押し上げ、これにより、リンク部材42の係合ピン50が押し下げられ、シーソー部材41の上面が、図14(B)の如く、斜め右上方を向いた傾斜状態となるように構成されている。
【0048】
次に、トルク伝達部材22及び操作機23の緩衝動作について詳しく説明する。
まず、操作機23のプランジャ23A を後退させる際の緩衝動作について説明する。図15(A)に示すように、操作機23の係合鍔部23D が前進位置Aに、トルク伝達部材22の係合腕部31が角度位置αにあるときに、操作機23のソレノイド本体23B に所定の電圧を印加し、係合腕部31を角度位置βに向かって移動する際に、遊技球のかみ込み等の障害が瞬間的に発生したとする。
【0049】
ここで、障害により扉部材21の動作が停滞しても、弾性体22C がねじり変位して、操作機23の駆動力を蓄えるので、扉部材21の動作状況とは関係なく、操作機23は、所定の動作を、所定のタイミングで完了することができる。すなわち、図15(B)に示すように、所定電圧の印加によってソレノイド本体23B に駆動力が発生すれば、この駆動力により、扉部材21の動作状況とは関係なく、係合鍔部23D は、後退位置Bまで後退する。
一方、遊技球のかみ込み等の障害が発生したために、トルク伝達部材22の係合腕部31は、角度位置αから移動できず、角度位置αに留まる、あるいは、図15(C)に示すように、角度位置βに到達できず、角度位置βよりも手前の角度位置γに停止していたとしても、障害が解消されると、ねじり変位した弾性体22C が、その弾性復元力で係合腕部31を駆動するので、係合腕部31は、図15(D)に示すように、角度位置βに到達する。
【0050】
次いで、操作機23のプランジャ23A を前進させる際の緩衝動作について説明する。図16(A)に示すように、操作機23の係合鍔部23D が後退位置Bに、トルク伝達部材22の係合腕部31が角度位置βにあるときに、操作機23のソレノイド本体23B に所定の逆電圧を印加し、係合腕部31を角度位置αに向かって移動する際に、遊技球のかみ込み等の障害が瞬間的に発生したとする。
すると、図16(B)に示すように、所定逆電圧の印加によってソレノイド本体23B に駆動力が発生するが、障害により、この駆動力では、係合鍔部23D は、前進位置Aまで前進できず、後退位置A及び後退位置Bの中間位置である位置Cに瞬間的に停止してしまう。これにより、係合腕部31は、角度位置αに到達できず、角度位置αよりも手前の角度位置δに瞬間的に停止する。この状態において、操作機23の圧縮コイルスプリング23C には、充分な大きな弾性力が残っている。
この後、遊技球のかみ込み等の障害が解消されると、既に、ソレノイド本体23B の駆動力は、消滅しているが、圧縮コイルスプリング23C に残っている弾性力により、図16(C)に示すように、係合鍔部23D は、前進位置Aまで前進し、これにより、係合腕部31が角度位置αに到達する。
【0051】
(制御装置70)
以上のようなパチンコ機1においては、可変入賞口装置10を含む遊技盤2の動作を制御するために制御装置70が設けられている。この制御装置70は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O等から構成された制御回路基板70A と、電源供給装置80とを主体として構成されており、パチンコ遊技における図柄変動制御、特別遊技動作制御、及び、操作機23の動作制御の各々を行えるようになっている。
以下に、制御装置70における操作機23の動作制御について説明する。
【0052】
図17は、制御装置70における操作機23の動作制御部位の概略構成を示すブロック図である。図17において、制御装置70は、電源供給装置80から電力の供給を受け、当該電力で可変入賞口装置10に設けられた操作機23の動作制御を行うものとなっている。
ここで、電源供給装置80には、パチンコ機1に設けられた受電端子の電圧を常に監視し、停電等によりパチンコ機1が電源から遮断されたこと、すなわち、電断が生じたことを検出する電断検出手段81と、大容量のコンデンサ等の電荷を蓄える電圧安定化素子を備え、この電圧安定化素子で出力する直流電圧を安定化する電源生成手段82とが設けられている。
【0053】
そして、制御装置70へは、電源生成手段82から電力が送電されるとともに、可変入賞口装置10に設けられた入賞検出器13A からの遊技球カウント信号と、電断が生じたことを報知するための電断信号とが送信されるようになっている。
また、制御装置70からは、可変入賞口装置10の操作機23へ開閉信号が送信されるようになっている。
【0054】
図18には、制御装置70と操作機23との電気的結線等を含む概略配線図が示されている。図18において、操作機23は、そのソレノイドコイル23E のタップ23F を外部接続可能とすることにより、扉部材21を開放方向に駆動する開放用ソレノイド23G と、扉部材21を閉鎖方向に駆動する閉鎖用ソレノイド23H とが形成されたものである。
【0055】
このような操作機23は、3本の電源線、具体的には、開放用操作線90A 、閉鎖用操作線90B 及びコモン線90C を介して制御装置70に接続されている。
コモン線90C は、制御装置70側の操作機電源90D と操作機23側のタップ23F とを相互に接続するものである。
【0056】
開放用操作線90A は、制御装置70側の第1ドライバ91と、操作機23側のソレノイドコイル23E の一端23I とを相互に接続している。これにより、第1ドライバ91に開放信号が入力されると、ソレノイドコイル23E の一端23I が接地され、制御装置70側の操作機電源90D から開放用ソレノイド23G へ電流が流れ、扉部材21が開放方向に駆動されるようになっている。
【0057】
閉鎖用操作線90B は、制御装置70側の第2ドライバ92と、操作機23側のソレノイドコイル23E の他端23J とを相互に接続している。これにより、第2ドライバ92に閉鎖信号が入力されると、ソレノイドコイル23E の他端23J が接地され、制御装置70側の操作機電源90D から閉鎖用ソレノイド23H へ電流が流れ、扉部材21が閉鎖方向に駆動されるようになっている。
【0058】
ここで、制御装置70には、閉鎖用の第2ドライバ92側に接続されるソレノイドコイル23E の他端23J の電位を監視し、この電位に基づいて操作機23の異常の有無を判定する操作機異常判定手段74A が設けられている。この操作機異常判定手段74A については、後で詳述する。
【0059】
また、制御装置70には、操作機23の異常を報知するために、異常報知ランプ77や図示しない異常報知ブザーを有する警報報知手段が接続されている。
図18においては、制御装置70に異常報知ランプ77が2本の操作線78を介して接続されている。信号線78の一方は、制御装置70に設けられた第3ドライバ93と異常報知ランプ77とを相互に接続するものであり、信号線78の他方は、制御装置70に設けられたランプ電源94と異常報知ランプ77とを相互に接続するものである。これにより、操作機23の異常を知らせる異常信号が第3ドライバ91に入力されると、第3ドライバ91が遮断状態から導通状態へ移行し、異常報知ランプ77が点灯するようになっている。
【0060】
なお、前述した入賞検出器13A は、2本の信号線95を介して制御装置70に接続されている。信号線95の一方は、制御装置70に設けられたセンサ電源96と入賞検出器13A とを相互に接続するものとなっている。これにより、遊技球が入賞検出器13A を通過する毎に、入賞検出器13A が励起され、入賞検出器13A からパルス状の遊技球カウント信号が制御装置70のカウント入力へ送出されるようになっている。
また、図示省略するが、入賞検出器13B についても入賞検出器13A と同様の接続が行われている。
【0061】
図17に戻って、制御装置70には、電断が生じると電断に対処する電断処理を行う電断処理手段71と、電断が発生した後電源が復帰すると電断復帰に対処する復帰処理を行う電断復帰処理手段72と、遊技情報を記憶するための遊技情報記憶手段73と、操作機の異常を判定して所定の処理を行う操作機異常判定処理手段74と、通常の遊技における操作機23の駆動制御を行う通常時駆動手段75と、遊技球が入賞口5,6,6Aに入賞すると賞球の払い出し処理等を行う入賞・賞球処理手段76とが設けられている。
【0062】
電断処理手段71は、電源供給手段80の電断検出手段81が電断を検出すると、操作機23の状態に関する状態情報を遊技情報記憶手段73に書き込む遊技情報書き込み手段71A と、同様に、電源供給手段80の電断検出手段81が電断を検出すると、扉部材21を閉じる方向に操作機23を駆動する電断時駆動手段71B とを有するものとなっている。
【0063】
ここで、電断が生じると、電断時駆動手段71B により、操作機23が閉鎖方向に駆動され、扉部材21が強制的に閉鎖されるようになっている。
また、電断発生時において、操作機23を駆動するための電力は、電源供給装置80の電源生成手段82に設けられた大容量のコンデンサによって供給されるようになっている。なお、電断発生時に操作機23を駆動させる電力は、専用のバックアップ・キャパシタを設け、このバックアップ・キャパシタから供給するようにしてもよい。
【0064】
電断復帰処理手段72は、電断が復帰して電源電圧が所定レベルまで立ち上がると、遊技情報記憶手段73に書き込まれた遊技情報を読み込む遊技情報読み込み手段72A と、この遊技情報読み込み手段72A が読み込んだ遊技情報が正しいか否か確認する記憶内容確認手段72B と、電断復帰時において、遊技情報読み込み手段72A が読み込んだ遊技情報に含まれる操作機23の状態情報に応じて操作機23を駆動する復帰時駆動手段72C とを有するものとなっている。
【0065】
ここで、扉部材21が開いた状態で電断が生じると、操作機23が開状態であるという状態情報が記憶内容確認手段72B に記憶され、この後、操作機23が閉鎖方向に駆動され、扉部材21が強制的に閉鎖されるようになっている。そして、電断が復帰すると記憶内容確認手段72B に記憶された、操作機23が開状態であるという状態情報に応じて、復帰時駆動手段72C が操作機23を開放方向に駆動する開放信号を送信し、扉部材21を開くようになっている。
【0066】
反対に、扉部材21が閉じた状態で電断が生じると、操作機23が閉状態であるという状態情報が記憶内容確認手段72B に記憶されるようになっている。そして、電断が復帰すると、記憶内容確認手段72B に記憶された、操作機23が閉状態であるという状態情報に応じて、復帰時駆動手段72C が操作機23を閉鎖方向に駆動する閉鎖信号を送信するようになっている。これにより、誤動作等により扉部材21が開いていても、電断復帰時に扉部材21が必ず閉じられるようになっている。
【0067】
遊技情報記憶手段73は、半導体記憶素子であるRAMを含んで構成され、前述のように、電源供給手段80の電断検出手段81が電断を検出すると、遊技情報書き込み手段71A により操作機23の状態に関する状態情報が書き込まれ、当該状態情報を記憶するものとなっている。
また、遊技情報記憶手段73は、電断が生じても、記憶した情報が揮発しないように、バックアップ・キャパシタ、あるいは、電池により電源がバックアップされている。
【0068】
操作機異常判定処理手段74は、操作機23の動作タイミングにおける所定部位の電位を監視するとともに、当該電位に基づいて当該操作機23の異常の有無を判定する操作機異常判定手段74A と、操作機23の異常を報知するために異常報知ランプ77を点灯させる異常報知装置駆動手段74B とが設けられている。
【0069】
操作機異常判定手段74A は、前述のように、閉鎖方向に動作する閉動作タイミングにおいて、第2ドライバ92側に接続される操作機23の他端23J における電位を所定電位として監視するものである。
操作機異常判定手段74A には、図18の如く、他端23J における電位の分圧及びフィルタリングを行う分圧・フィルタ回路74B と、他端23J における電位を基準電位と比較する比較回路74C とが設けられている。
【0070】
分圧・フィルタ回路74B は、他端23J における電位を分圧する二つの直流抵抗器74D, 74Eと、当該電位のフィルタリングを行うためのコンデンサ74F とを備えたものである。
【0071】
比較回路74C は、二つの入力端を有するコンパレータ74G を備えたものである。コンパレータ74G の入力端のうち、一方には他端23J における電位が入力され、他方に基準電位が入力されたものとなっている。
ここで、基準電位は、操作機23が操作機電源90D (制御装置70)に正しく接続された正常な状態において、操作機23の閉動作タイミングにおける他端23J の電位を計測して得たものであり、予め設定されている。
【0072】
そして、閉鎖用操作線90B 又はコモン線90C の切断、若しくは、コネクタの抜け等により、閉鎖用ソレノイド23H が操作機電源90D 側から遮断されると、他端23J の電位が通常時よりも低下し、操作機異常判定手段74A により、操作機23に異常ありと判定され、異常信号が出力されるようになっている。
【0073】
通常時駆動手段75は、遊技における通常状態において、操作機23の動作させるものであり、電断発生時、電断復帰時及び操作機23の異常発生時等の異常状態においては、その動作を休止するようになっている。
【0074】
入賞・賞球処理手段76は、遊技における通常状態において、始動入賞口5,大入賞口6及び一般入賞口6Aのそれぞれに遊技球が入賞したことに応じ、抽選処理及び賞球の払い出し処理を行うものである。
大入賞口入賞無効化手段76A は、大入賞口6への入賞を無効化する入賞無効化手段であり、操作機異常判定手段74A から操作機23の異常信号を受信すると、入賞検出器13A から送信されてくる遊技球カウント信号を無視し、大入賞口6への入賞を無効にするようになっている。
【0075】
次に、本実施形態に係るパチンコ機1の動作について、図19ないし図23に示されるフローチャートを参照しつつ説明する。
図19は、パチンコ機1の遊技動作全体についての概略を説明するためのフローチャートである。図20は、パチンコ機1の初期設定処理を説明するためのフローチャートである。図21は、パチンコ機1の電断チェック処理を説明するためのフローチャートである。図22は、パチンコ機1のソレノイドチェック処理を説明するためのフローチャートである。図23は、パチンコ機1の入賞口チェック処理を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図19において、システム1を起動すると、電断復帰処理を含む初期設定処理(ステップS1000〜)、電断処理を含む電断チェック処理(ステップS2000〜)、操作機23の異常判定処理を含むソレノイドチェック処理(ステップS3000〜)、大入賞口6の入賞を無効化する処理を含む入賞口チェック処理(ステップS4000〜)、図柄表示装置の制御処理等を含む図柄変動処理(ステップS5000〜)、及び、特別遊技における制御処理等を含む特別遊技実行確認処理を順次行うメインルーチンが開始される。
以下に、初期設定処理、電断チェック処理、ソレノイドチェック処理及び入賞口チェック処理について順次説明していく。
なお、図柄変動処理及び特別遊技実行確認処理については、通常の弾球遊技機において採用されている普通の処理であるので、その説明を省略する。
【0077】
ダウンしていたシステム1を起動して最初に行われる初期設定処理では、図20に示すように、最初のステップS1000において、電断前に遊技情報記憶手段73(RAM)に記憶された遊技情報が読み込まれ、所定の処理が完了するまで、演算用のメモリーに一時的に保持される。なお、工場出荷時の状態等、電断前における遊技情報が遊技情報記憶手段73に記憶されていない場合には、ROM等に記憶されたデフォルト値が遊技情報として読み込まれる。遊技情報記憶手段73からは、遊技情報そのものと、当該遊技情報をチェックするためのチェクサムとが読み込まれるようになっている。
【0078】
遊技情報の読み込みが完了すると、ステップS1100へ進む。ステップS1100では、遊技情報記憶手段73に記憶された遊技情報と、演算用のメモリーに一時的に保持された遊技情報とを比較するベリファイ処理が行われる。このベリファイ処理において、チェックサムを含めて両者が一致する、いわゆる「OK」となる場合には、ステップS1300へ進み、逆に、両者が不一致となる、いわゆる「NG」となる場合には、ステップS1200へ進む。
【0079】
ステップS1200では、ステップS1100において遊技情報に異常が認められると判断されたので、遊技情報記憶手段73(RAM)に記憶された情報をクリアした後、ステップS1210へ進む。
ここで、ステップS1200において、遊技情報記憶手段73(RAM)の情報をクリアした際に、I/Oインターフェースの設定もクリアされるので、ステップS1210では、I/Oインターフェースの設定を再度行う。
前述のように遊技情報に異常があると、パチンコ機1の遊技状態はバックアップされていないこととなる。このため、ステップS1210でI/Oインターフェースの再設定が完了したら、パチンコ機1を遊技開始時の通常状態、すなわち、操作機23を強制的に閉鎖状態とする必要があるので、ステップS1210での処理が完了した後、操作機23を閉鎖状態にするためにステップS1500へ進む。
【0080】
ステップS1300では、遊技情報記憶手段73に記憶された遊技情報のうち、操作機23の状態情報に基づいて、操作機23を開放する処理に進むか、閉鎖する処理に進むかのいずれかがが選択される。すなわち、電断前に、操作機23が開放状態であれば、ステップS1400に進み、逆に、電断前に、操作機23が閉鎖状態であれば、ステップS1500に進む。
【0081】
ステップS1400では、操作機23に開放信号が送られ、この後、ステップS1410で、所定時間(ラッチングソレノイドの開放に必要なパルス時間分)が経過するまで待機してから、ステップS1420で、操作機23への開放信号の送出を止めた後、メインルーチンへ戻る。
ステップS1500では、操作機23に閉鎖信号が送られ、この後、ステップS1510で、所定時間が経過するまで待機してから、ステップS1520で、操作機23への閉鎖信号の送出を止めた後、メインルーチンへ戻る。
メインルーチンへ戻ると、次の電断チェック処理が開始される。
【0082】
電断チェック処理では、図21に示すように、最初のステップS2000において、電断検出手段81の出力信号に基づいて、電断の有無を検出する。
ここで、電断が検出されれば、次のステップS2100へ進む。
ステップS2100では、電断前の遊技情報を遊技情報記憶手段73(RAM)に書き込んで記憶(保存)し、この後ステップS2200へ進む。
【0083】
ステップS2200では、操作機23が開放状態であるか否かが検出され、操作機23が開放状態であれば、ステップS2300へ進み、操作機23が閉鎖状態であれば、ステップS2400へ進む。
ステップS2300では、操作機23に閉鎖信号を送出し、操作機23を強制的に閉鎖状態にし、この後、ステップS2400へ進み、待機状態となる。この待機状態は、電断が回復する等により、電源電圧が所定値まで復旧するまで続く。
ところで、ステップS2000で、電断が検出されなければ、メインルーチンへ戻り、次のソレノイドチェック処理が行われる。
【0084】
ソレノイドチェック処理では、図22に示すように、最初のステップS3000において、操作機異常判定手段74A に異常があるか否か、具体的には、断線などにより閉鎖用ソレノイド23H が操作機電源90D から遮断されたか否かが検出され、遮断された場合には、ステップS3100へ進む。逆に、遮断されていない場合には、操作機23が正常であると認識し、メインルーチンへ戻り、次の入賞口チェック処理が行われる。
【0085】
ステップS3100では、異常報知ランプ77を点灯する等により、操作機23の異常を係員等に報知した後、次のステップS3110に進み、異常フラグをON状態にする。この異常フラグがONとなった異常状態は、閉鎖用ソレノイド23H が操作機電源90D からの遮断が修理され、所定の手動操作によりリセットされるまで継続するように設定されている。
ステップS3110での処理が完了すると、メインルーチンへ戻り、次の入賞口チェック処理が行われる。
なお、制御装置70に自動復帰機能を付与し、異常解消後、自動的に正常状態に復帰させてもよい。すなわち、先のステップS3000で閉鎖用ソレノイド23H が操作機電源90D から遮断されていないと判断されると、図22中破線で示されるように、報知装置を非作動状態(停止状態)に変化させるステップと、異常フラグをオフするステップとを実行し、これにより、異常が解消されたときに自動的に正常状態に復帰させるようにしてもよい。
【0086】
入賞口チェック処理では、図23に示すように、最初のステップS4000において、一般入賞口6Aへの遊技球の入賞があったか否かが検出され、一般入賞口6Aへの入賞があった場合には、次のステップS4100へ進み、一般入賞口6Aへの入賞がない場合には、ステップS4100を飛び越して、ステップS4200へ進む。
ステップS4100では、一般入賞口6Aへの入賞よる賞球の払い戻しのために、賞球の残数に、一般入賞口6Aの賞球数である「10」を加算する処理を行う。この処理が終了したら、次のステップS4200へ進む。
【0087】
ステップS4200では、始動入賞口5への遊技球の入賞があったか否かが検出され、始動入賞口5への入賞があった場合には、次のステップS4200へ進み、始動入賞口5の入賞がない場合には、ステップS4400へ進む。
ステップS4300では、次の図柄変動処理において抽選等を行わせるために、始動口入賞フラグをONにする処理を行い、この後、ステップS4310へ進む。
ステップS4310では、始動入賞口5への入賞よる賞球の払い戻しのために、賞球の残数に、始動入賞口5の賞球数である「4」を加算する処理を行う。この処理が終了したら、次のステップS4400へ進む。
【0088】
ステップS4400では、先のソレノイドチェック処理で異常フラグがON状態にされたか否かが検出される。ここで、異常フラグがON状態ではない場合、操作機23が正常であると見なされ、次のステップS4500へ進み、大入賞口6への遊技球の入賞が有効扱いにされる。
すなわち、ステップS4500では、大入賞口6への遊技球の入賞があったか否かが検出され、大入賞口6への入賞があった場合には、次のステップS4600へ進む。そして、ステップS4600では、大入賞口6への入賞よる賞球の払い戻しのために、賞球の残数に、大入賞口6の賞球数である「15」を加算する処理を行う。
【0089】
ステップS4400で異常フラグがON状態である場合、操作機23が異常であると見なされ、大入賞口6への入賞を無効化する無効化処理が行われ、この無効化処理が完了すると、メインルーチンへ戻り、次の図柄変動処理が開始される。
また、ステップS4500で大入賞口6への遊技球の入賞がなかった場合にも、入賞処理が不要なので、メインルーチンへ戻り、次の図柄変動処理が開始され、さらに、ステップS4600における処理が終了しても、メインルーチンへ戻り、次の図柄変動処理が開始される。
なお、図19の如く、メインルーチン最後の特別遊技実行確認処理が完了すると、電断チェック処理に戻り、所定の停止処理が行われる、又は、電断が生じるまで、電断チェック処理から特別遊技実行確認処理までの処理が何度も繰り返される。
【0090】
続いて、図24を参照しながら、大入賞口入賞無効化手段76A の動作を説明する。図24は、大入賞口入賞無効化手段76A の動作を説明するためのタイミングチャートである。図24(A)には、操作機23が正常である場合のタイミングチャートが示され、図24(B)には、操作機23に異常がある場合のタイミングチャートが示されている。
【0091】
操作機23が正常である場合には、図24(A)の如く、時刻T1に大入賞口6に入賞した遊技球により、大当たりが終了し、時刻T3に操作機23へ閉鎖信号が送出され、操作機23が閉鎖状態となる。この際、操作機23が閉鎖前の時刻T2において大入賞口6の賞球が払い出されている。
その後、抽選により大当たりとなり、時刻T4において、操作機23へ開放信号が送出され、操作機23が開放状態となる。これにより、扉部材21が開くので、時刻T5,T7,T9に、次々、遊技球が大入賞口6に入賞し、時刻T6,T8,T10 に賞球の払い出しが行われる。
【0092】
操作機23に異常がある場合には、図24(B)の如く、時刻T11 に大入賞口6に入賞した遊技球により、大当たりが終了し、時刻T13 に操作機23へ閉鎖信号が送出されると、操作機23の異常が検出され、大入賞口入賞無効化手段76A の動作が開始される。
ここで、操作機23が異常であるため、操作機23は閉鎖状態にはならない。なお、操作機23に閉鎖信号が送出される前の時刻T12 は、操作機23の異常が検出される前なので、時刻T12 においては、大入賞口6への入賞による賞球の払い出しが行われている。
その後、抽選により大当たりとなり、時刻T14 において、操作機23へ開放信号が送出されても、時刻T14 以前から扉部材21は開放状態であるので、外観上は何の変化の生じないが、時刻T15,T16,T17 において、次々、遊技球が大入賞口6に入賞しても、大入賞口入賞無効化手段76A により入賞が無効にされ、時刻T13 以降には、賞球の払い出しが行われることはない。
【0093】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、操作機23として、ラッチングソレノイドを採用したので、電力の供給が作動時のみに限定されるようになり、一般的なソレノイドにおける発熱の問題や、消費電力の問題を未然に防止することができうえ、小型のソレノイドの採用が可能となり、可変入賞口装置の小型化・薄型化に貢献することができる。
【0094】
また、電断を検出する電断検出手段81と、操作機23の状態に関する状態情報を記憶する遊技情報記憶手段73と、電断が復帰して電源が立ち上がると、遊技情報記憶手段73に記憶された操作機23の状態情報に応じた駆動信号を操作機23へ出力する復帰時駆動手段72C とを設けたので、電断検出手段81が電断を検出すると、遊技情報記憶手段73が操作機23の状態に関する状態情報を記憶し、電断が復帰して電源が立ち上がると、遊技情報記憶手段73に記憶された操作機23の状態情報に応じた駆動信号を復帰時駆動手段72C が操作機23へ出力することができる。
【0095】
さらに、電断を検出する電断検出手段81と、操作機23の状態に関する状態情報を記憶する遊技情報記憶手段73と、電断が復帰して電源が立ち上がると、遊技情報記憶手段73に記憶された操作機23の状態情報に応じた駆動信号を操作機23へ出力する復帰時駆動手段72C とを設け、電断検出手段81が電断を検出すると、遊技情報記憶手段73が操作機23の状態に関する状態情報を記憶したので、電断が復帰して電源が立ち上がった際に、遊技情報記憶手段73に記憶された操作機23の状態情報を読み込むことにより、復帰時駆動手段72C から操作機23へ状態情報に応じた駆動信号を出力することができる。
【0096】
これにより、電断中に操作機の状態変化が生じた場合でも、電断復帰後には電断発生直前の状態で遊技が再開できるようになる。換言すれば、前述のような駆動信号を操作機23へ送出することにより、大当たり処理中に電断が発生した後、電源が復帰した際には、大当たり状態で遊技が再開され、大当たり解除処理中に電断が発生した後、電源が復帰した際には、通常遊技状態で遊技が再開されるようになり、いずれにしても、電断発生前の状態で遊技を再開することができる。
【0097】
また、操作機23の動作タイミングにおける所定部位の電位を監視するとともに、当該電位に基づいて操作機23の異常の有無を判定する操作機異常判定手段74A を設けたので、操作機23が制御装置70に正しく接続されていない場合には、当該電位が正常値とは異なる値を必ず示すようになることから、操作機異常判定手段74A で操作機23の異常状態を確実に判定することができる。
そして、操作機23が制御装置70に正しく接続されていない場合には、操作機23の異常を報知するために、警報報知手段が作動し、具体的には、異常報知ランプ77が点灯するとともに、異常報知ブザーが警報音を発するので、係員に操作機23の異常を確実に報知することができる。
【0098】
さらに、操作機異常判定手段74A が操作機23に異常ありと判定すると、遊技球の大入賞口6 への入賞を無効にする大入賞口入賞無効化手段76A を設けたので、操作機23の断線等の異常が発生すると、遊技球が大入賞口6に入賞しても、大入賞口入賞無効化手段76A が当該入賞を無効にするので、規定外の払い出しを確実に防止することができる。
【0099】
また、操作機23として、開放用ソレノイド23G 及び閉鎖用ソレノイド23H を備え、開放用操作線90A 、閉鎖用操作線90B 及びコモン線90C の3本の電源線で操作されるラッチングソレノイドを採用するにあたり、閉鎖用ソレノイド23H側の接続異常を検出するようにしたので、閉鎖用操作線90Bの接続異常で開放状態に固定されてしまうラッチングソレノイドを採用しても、接続異常による損害を最小限に抑制できる。
そして、3本の電源線で操作されるラッチングソレノイドを操作機23として採用することにより、1個の操作機電源90D で操作機23を開放方向及び閉鎖方向の両方向に駆動することができるようになるので、操作機用電源を簡単な構成にすることができる。
【0100】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、操作機異常判定手段としては、所定部位の電位を検出するものに限らず、所定部位を流れる流通電流を検出するもの、或いは、所定部位の電位及び流通電流の両方を検出するものでもよい。
また、操作機としては、ラッチングソレノイドに限らず、回転駆動力を発生するサーボモータ、ステッピングモータ、又は、減速手段を有する単なる電動機でもよい。
【0101】
さらに、トルク伝達部材の弾性体としては、予めねじり方向に変位を与えられたプリロード状態でトルク伝達部材に組み込まれるものに限らず、ねじり方向の変位が全く与えられていない中立状態でトルク伝達部材に組み込まれるものでもよい。
例えば、図25に示すように、コイル状に巻いたねじりバネである弾性体22D は、その端部から入力端部材22A 及び出力端部材22B のそれぞれに向かって真っ直ぐに延びて、一文字形に形成された一対の係止部33A を備えたものとなっている。これらの係止部33A は、入力端部材22A 及び出力端部材22B のそれぞれに形成された係止孔33B に挿通されて係止されるものとなっている。
このような弾性体22D は、入力端部材22A 及び出力端部材22B の間に、ねじり方向の変位が全く与えられていない中立状態で介装することができる。
すなわち、図25の如く、弾性体22D に設けられた一対の係止部33A は、これらの係止部33A のなす中心角が180度となる位置に配置されている。そして、図26(A)に示すように、入力端部材22A の係合突起29と、出力端部材22B の係合腕部31とのなす角度が180度となるようした状態で、入力端部材22A 及び出力端部材22B の間に弾性体22D を介装すれば、ねじり方向の変位が全く与えられていない中立状態で弾性体22D を介装することができる。
【0102】
このような弾性体22D を採用したトルク伝達部材22でも、前記実施形態と同様の緩衝動作を得ることができる。
すなわち、図26(A)に示すように、操作機23の係合鍔部23D が前進位置Aに、トルク伝達部材22の係合腕部31が角度位置αにあるときに、操作機23のソレノイド本体23B に所定の電圧を印加し、係合腕部31を角度位置βに向かって移動する際に、遊技球のかみ込み等の障害が瞬間的に発生したとする。
【0103】
すると、図26(B)に示すように、所定電圧の印加によってソレノイド本体23B に駆動力が発生し、この駆動力により、係合鍔部23D は、後退位置Bまで後退するが、係合腕部31は、角度位置αから移動できず、角度位置αに一時的に留まる、あるいは、図26(C)に示すように、角度位置βに到達できず、角度位置βよりも手前の角度位置γで瞬間的に停止する。この状態において、弾性体22D に充分大きな変位生じており、これにより、充分な弾性力が確保される。
【0104】
この後、遊技球のかみ込み等の障害が解消されると、弾性体22D に確保された弾性力により、係合腕部31は、図26(D)に示すように、角度位置βに到達する。
以上のように、弾性体22D を採用したトルク伝達部材22でも、前記実施形態と同様の緩衝動作を得ることができる。
しかも、このような弾性体22D を採用したトルク伝達部材22によれば、操作機23の係合鍔部23D が後退位置Bから前進位置Aへ移動する際にも、弾性体22D が前述とは逆方向へねじり変位し、これにより、弾性力を蓄えることができる。このため、弾性体22D を採用したトルク伝達部材22は、図26における時計方向及び反時計方向のいずれの方向においても、駆動力を蓄積することができ、トルクの作用方向に関係なく利用することができる。
【0105】
なお、弾性体22D に設けられた一対の係止部33A のなす中心角を90度とすれば、弾性体22D を利用したトルク伝達部材22は、前記実施形態におけるトルク伝達部材22として採用することもできる。
【0106】
また、トルク伝達部材の弾性体としては、金属弾性体をコイル状に巻いたねじりバネに限らず、他の形式の弾性体でもよく、例えば、両端が入力端及び出力端のそれぞれに回動不可能に固定された棒状の弾性体、いわゆるトーションバー式のスプリングも採用することができる。
【0107】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0108】
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、操作機が制御装置に正しく接続された正常な状態において、操作機の動作タイミングにおける所定部位の電位を計測し、得られた電位値を基準電位として予め操作機異常判定手段に設定しておけば、操作機が制御装置から遮断された異常状態では、操作機の動作タイミングにおける所定部位の電位が基準電位と異なる値を示すので、操作機異常判定手段は、所定部位の電位を検出した検出結果から、操作機の異常状態を正確且つ確実に判定でき、操作機が制御装置に正しく接続されていない接続異常が検出可能となる。
そして、操作機異常判定手段により操作機の異常判定がなされたことを受けると、入賞無効化手段は、遊技球が入賞口に入っても入賞を無効にするので、規定外の払い出しが確実に防止できるようになる。
なお、操作機異常判定手段に所定部位の流通電流を検出させても、操作機と制御装置との接続異常は検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る遊技盤を示す正面図である。
【図2】 前記実施形態に係る可変入賞口装置を示す背面図である。
【図3】 前記実施形態の可変入賞口装置を示す分解斜視図である。
【図4】 前記実施形態に係る扉部材廻りを示す分解斜視図である。
【図5】 前記実施形態に係るトルク伝達機構を示す拡大背面図である。
【図6】 前記実施形態に係るトルク伝達機構を示す拡大平面図である。
【図7】 前記実施形態に係るトルク伝達部材を示す拡大正面図である。
【図8】 前記実施形態に係るトルク伝達部材を示す拡大平面図である。
【図9】 前記実施形態に係るトルク伝達機構を示す左側面図及び右側面図である。
【図10】 前記扉部材廻りを示す側断面及び正面図である。
【図11】 前記扉部材廻りの異なる状態を示す側断面及び正面図である。
【図12】 前記実施形態に係るシーソー部材廻りを示す分解斜視図である。
【図13】 前記シーソー部材廻りを示す側断面及び正面図である。
【図14】 前記シーソー部材廻りの異なる状態を示す側断面及び正面図である。
【図15】 前記実施形態に係るトルク伝達部材の作用を説明するための図である。
【図16】 前記トルク伝達部材の別の作用を説明するための図である。
【図17】 前記実施形態の制御装置の要部を示すブロック図である。
【図18】 前記実施形態の制御装置の要部における結線を示す概略配線図である。
【図19】 前記実施形態の遊技動作全体を説明するフローチャートである。
【図20】 前記実施形態に係る初期設定処理を説明するフローチャートである。
【図21】 前記実施形態の電断チェック処理を説明するフローチャートである。
【図22】 前記実施形態のソレノイドチェック処理を説明するフローチャートである。
【図23】 前記実施形態の入賞口チェック処理を説明するフローチャートである。
【図24】 前記実施形態の入賞無効化手段の動作を示すタイミングチャートである。
【図25】 本発明の変形例を示す分解斜視図である。
【図26】 前記変形例の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機 1A 発射レール
2A 特定入賞領域 2B 一般入賞領域
2 遊技盤 3 遊技領域
3A 電気装飾具 3B 風車
4 図柄表示装置 5 始動入賞口
6 大入賞口 6A 一般入賞口
7 アウト口 8 入賞処理部材
9 開口部 10 可変入賞口装置
11 ベース部材 11A ネジ受突部
11B 軸受突部 11C 軸受凹部
12 通路形成部材 12A 後壁部
13A,13B 入賞検出器 14 止め部
20 入賞確率切換機構 21 扉部材
21A 回動軸 22 トルク伝達部材
22A 入力端部材 22B 出力端部材
22C, 22D 弾性体 23 操作機
23A プランジャ 23B ソレノイド本体
23C 圧縮コイルスプリング 23D 係合鍔部
23E ソレノイドコイル 23F タップ
23G 開放用ソレノイド 23H 閉鎖用ソレノイド
23I 一端 23J 他端
25 ホゾ部 26 係合部
27 環状部 28 挿通孔
29 係合突起 29A 係合指部
30 軸部 31 係合腕部
32 係合ピン 33 係止部
33A 係止部 33B 係止孔
34 当接突起 40 入賞領域切換機構
41 シーソー部材 41A 回動軸
42 リンク部材 42A 回動軸
43 伝達装置 45 本体
46 補強リブ 47 係合孔
48A 腕部 48B 腕部
49 係合部 50 係合ピン
60 箱部材 60A 軸受当接部
61 遊技球誘導部 62 収納部
63 収納部 64 凹部
65 耳部 66 ブラケット
67 枠状部 68, 69 軸受穴
70 制御装置 71 電断処理手段
71A 遊技情報書き込み手段 71B 電断時駆動手段
72 電断復帰処理手段 72A 遊技情報読み込み手段
72B 記憶内容確認手段 72C 復帰時駆動手段
73 遊技情報記憶手段 74 操作機異常判定処理手段
74A 操作機異常判定手段 74B 異常報知装置駆動手段
74B 分圧・フィルタ回路 74C 比較回路
74D, 74E 直流抵抗器 74F コンデンサ
74G コンパレータ 75 通常時駆動手段
76 入賞・賞球処理手段 76A 大入賞口入賞無効化手段
77 異常報知ランプ 78 信号線
78 操作線 80 電源供給装置
81 電断検出手段 82 電源生成手段
90A 開放用操作線 90B 閉鎖用操作線
90C コモン線 90D 操作機電源
91 第1ドライバ 92 第2ドライバ
93 第3ドライバ 94 ランプ電源
95 信号線 96 センサ電源

Claims (1)

  1. 遊技盤の遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞可能な入賞口と、この入賞口の直前まで達した遊技球を受けて当該入賞口へ導入する開状態及び当該入賞口の直前まで達した遊技球をそのまま通過させる閉状態の一方から他方へ変化可能に設けられた球受け部材と、前記開状態及び前記閉状態の一方から他方へ状態変化させるために前記球受け部材を駆動する操作機とを有し、
    前記操作機として、前記開状態及び前記閉状態のいずれにおいても、その状態を維持するために電力を必要とせず、前記開状態及び前記閉状態の一方から他方へ移行する際には電力が必要となる状態自己保持式の操作機が採用された可変入賞口装置を制御する遊技機用制御装置であって、
    前記制御装置には、
    前記操作機の動作タイミングにおける所定部位の電位及び当該所定部位の流通電流の少なくとも一方を検出するとともに、その検出結果に基づいて当該操作機の異常の有無を判定する操作機異常判定手段と
    前記操作機異常判定手段が前記操作機に異常ありと判定すると、遊技球が前記入賞口に入っても入賞を無効にする入賞無効化手段と、
    が設けられていることを特徴とする遊技機用制御装置。
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