JP4354129B2 - コンクリート構造物の構築方法およびそのための型枠兼用壁面ブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダム、砂防ダム、床固工および擁壁などのコンクリート構造物の構築方法およびそのための型枠兼用壁面ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダム、砂防ダム、床固工および擁壁などのコンクリート構造物を構築するに当たって、木製型枠/鋼製型枠または鋼製の足場一体型枠(スライド型枠)をアンカーや端太材などで位置固定し、この型枠にコンクリートを打設し、打設されたコンクリートが硬化した後、前記型枠を外してその上部に型枠を取り付けた後、コンクリートを打設する工程を順次繰り返してコンクリート構造物を構築していた。また、比較的大型のコンクリート構造物を構築する場合には、油圧や電気を利用して移動式型枠をスライドさせる、所謂スライドフォーム工法が使用されていた(以下、第1従来法という)。
【0003】
しかし、前者の木製型枠/鋼製型枠または鋼製の足場一体型枠(スライド型枠)の場合には、作業員の労務的負担が大きいとともに、多大な手間と時間が掛かる。また、安全対策を厳密にしないと墜落災害などが発生し易い、さらにはこまめにアンカーを取らなければ、型枠に変形が生じて仕上がり品質の低下を招いてしまうなどの問題があった。
【0004】
一方、スライドフォーム工法の場合には、これを用いる装置が大掛かりとなってしまうためコストが増大する。また、大型構造物の構築には適しているものの、構造物規模によってはコスト的に見合わないことが多いなどの問題があった。
【0005】
そこで、本出願人は、特開平10−8443号公報において、型枠を兼用する自立式壁面ブロックおよびこれを用いた構造物の構築方法を提案した。具体的には、図28に示されるように、外面が構造物の壁面を構成する本体壁部61と、この本体壁部61の背面に一体的に突出して形成された控え壁62とによって構成された自立式壁面ブロック60と、高さが1/2である本体壁部と、この本体壁部の背面に一体的に突出して形成された控え壁とによって構成された自立式小型壁面ブロック70(図示せず)とを用い、図26および図27に示されるように、先ず均しコンクリート65の上面に自立式壁面ブロック60と自立式小型壁面ブロック70とを交互に並べて鋸歯状(凹凸状)に設置し、前記自立式小型壁面ブロック70の上縁までコンクリートを打設したならば、鋸歯状の凹部を埋めるように、自立式小型壁面ブロック70の上側に自立式壁面ブロック60を設置するとともに、隣接する自立式壁面ブロック60と横連結金具63によって連結し、下段側自立式壁面ブロックの上縁までコンクリートを打設する。以後は、自立式壁面ブロック60の設置と、コンクリート打設とを繰り返し、最上段において、鋸歯状の凹部を埋めるようにして自立式小型壁面ブロック70を設置し、天端を揃えてコンクリートを打設するようにした構造物の構築方法が開示されている(以下、第2従来法という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記第2従来法は第1従来法と比べると、確かに省人化、工期の短縮および作業の安全性の向上が図れるようになるとともに、品質も安定したものとなる。
しかしながら、壁面ブロックの形状が控え壁を含むL字形状であるため、仮置き時に積み上げることができず広いストックヤードを必要とする。また、積み上げできないため1台のトラックで運搬できる数量も僅かであるとともに、転倒防止措置が必要になるなどの問題があった。
【0007】
さらに、近年は同等の施工性や作業の安全性を確保しながら、さらなる軽量化を図ることにより、製作の面から製作効率の向上、経済性が強く望まれるようになってきている。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、自立のために必要であった控え壁を無くしてブロックの軽量化を図るとともに、ストック性、運搬効率の向上並びに製作効率の向上、製作コストの低減を図ることができ、しかも自立式壁面ブロックの場合と同様に、外部足場を必要とすることなく、省人化、工期の短縮および作業の安全性が確保し得るコンクリート構造物の構築方法およびそのための型枠兼用壁面ブロックを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に係る本発明は、壁面位置に対する型枠兼用壁面ブロックの設置と、コンクリート打設とを交互に繰り返しながら、順次コンクリート構造物を高さ方向に嵩上げするコンクリート構造物の構築方法において、
少なくとも最下段壁面ブロックを除く標準部では、前記型枠兼用壁面ブロックとして、背面側の高さ方向中間位置および上部位置にそれぞれインサートが埋設された板状の壁面ブロックを用い、
前記板状壁面ブロックが水平方向に千鳥状に配置され、板状壁面ブロック列の上端形状が凹凸状とされ、かつ水平方向に間隔をおいて凸部を形成している板状壁面ブロック列の背面上部位置に前記インサートを利用して水平方向に長手通しで据付用鋼材が架け渡されるとともに、水平方向に間隔をおいて凹部を形成している板状壁面ブロック列の天端または天端近傍までコンクリートが打設されている状態から、前記板状壁面ブロック列の各凹部位置に既設板状壁面ブロックの上端に連続して新設の板状壁面ブロックを据え付け、前記据付用鋼材と前記新設の板状壁面ブロックとを前記高さ方向中間位置に設けたインサートを利用してボルト固定するとともに、新設の板状壁面ブロック列の背面側上部位置にインサートを利用して水平方向に長手通しで新たに据付用鋼材を架け渡し、既設の板状壁面ブロック列の天端または天端近傍までコンクリートを打設する手順を順次繰り返すことにより、高さ方向に順次コンクリート構造物を嵩上げすることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2記載の発明として、上下方向に隣接する板状壁面ブロック間において、一方側の板状壁面ブロックの背面に外方に突出する止め金具を固定しておき、既設板状壁面ブロックの上側に新設板状壁面ブロックを積み上げた際、前記止め金具と他方側の板状壁面ブロックをボルト連結するようにした請求項1記載のコンクリート構造物の構築方法が提供される。
【0011】
さらに、請求項3記載の発明として、最下段の壁面ブロックは、背面側に控え壁を備えた自立式壁面ブロックとし、高さおよび幅寸法が前記板状壁面ブロックと同寸の標準サイズ壁面ブロックと、高さ寸法が前記板状壁面ブロックの1/2で幅寸法が前記板状壁面ブロックと同寸の小型サイズとを用意し、これらを交互に並べることによって、上端形状が凹凸状とされる最下段の壁面ブロック列を構成するコンクリート構造物の構築方法が提供される。
【0012】
一方、前記請求項1記載のコンクリート構造物の構築方法に使用される型枠兼用壁面ブロックとして、板状を成し、背面側の高さ方向中間位置および上部位置にそれぞれ据付用鋼材連結用インサートが設けられているものが提供され、前記請求項2に記載のコンクリート構造物の構築方法に使用される型枠兼用壁面ブロックとして、板状を成し、背面側の高さ方向中間位置および上部位置にそれぞれ据付用鋼材連結用インサートが設けられるとともに、背面側上部および下部の一方側に外方に突出する止め金具を備え、背面側上部および下部の他方側に止め金具連結用インサートが埋設されているものが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
《壁面ブロック》
図1及び図2に示される型枠兼用壁面ブロック1は最下段に使用される標準サイズの自立式壁面ブロックであり、図3及び図4に示される型枠兼用壁面ブロック2は最下段に使用される小型サイズの自立式壁面ブロックであり、図5に示される型枠兼用壁面ブロック3は一般部に使用される板状壁面ブロックで、図6に示される型枠兼用壁面ブロック4は、コンクリート構造物の上端部において、板状壁面ブロック3の間を埋めるとともに、壁面ブロックの天端を揃えるために使用される板状壁面ブロックである。これらのブロックは、いずれもプレキャストコンクリートによる二次製品であり、外面は擬岩調などの化粧面を成し施工時には型枠として使用されるとともに、そのまま残置されコンクリート構造体の壁面を成すものである。
【0014】
以下、各壁面ブロック毎に詳述すると、
〔最下段の自立式壁面ブロック〕
自立式壁面ブロック1は、外面が構造物の壁面を構成する本体壁部10と、この本体壁部10の背面側に一体的に突出して形成された控え壁11とによって構成された壁面ブロックで、上端の背面側には左右に1箇所づつ、上側に積み上げられる後述の板状壁面ブロック3の下端を連結するために止め金具12,12が設けられている。この止め金具12は、本体壁部10にボルト固定されるもので、突出部には連結ボルト用の通孔12aが形成されている。
【0015】
前記本体壁部10の上端面10aは、断面が円弧状の凸曲面とされ、下端面10bは前記凸曲面とほぼ同一の曲率を有する凹曲面とされている。側面10c、10dは、外面から背面方向に狭まるようにテーパー状に形成され、背面には6つのインサート10e〜10jが設けられている。これらのインサート10e〜10jの内、インサート10e〜10fは水平方向に間隔をおいて隣接する複数の自立式壁面ブロック1、1…間において、水平方向に長手通しで架け渡される据付用鋼材5を固定する際のボルト孔として使用され、インサート10g、10hは最下段に配置された際に隣接する自立式小型壁面ブロック2と連結部材8により連結する際のボルト孔として使用され、インサート10i、10jは吊り上げて運搬する際の吊り金具の取付けボルト孔として使用される。
【0016】
一方、控え壁11には、構造物を構築する際に、硬化後の打設コンクリートとの接触面積を大きくして剪断力に抗するように凹溝部11a、11bが形成されているとともに、この凹溝部11a、11bを連通する貫通孔11cが穿設されている。また、傾斜角度を微調整することができるように、ジャッキなどを噛ませるために切欠き11dが、例えば控え壁11の後端下部に逆L字状に形成されている。この自立式標準型壁面ブロック1の寸法は例えば、本体壁部10の高さが2m、幅1mとされ、重量は約1tとされる。
【0017】
〔最下段の自立式小型壁面ブロック〕
自立式小型壁面ブロック2は、図3及び図4に示されるように、前記自立式壁面ブロック1と比較して、本体壁部20の高さ方向の寸法は約1/2とされ、インサート20e、20f,20i、20jの4つとされる点のみが異なり、その他の形状・構造は自立式標準型壁面ブロック1と同一の仕様となっている。したがって、同一部分に20番台の符号を付して説明は省略する。
【0018】
〔一般部壁面ブロック〕
一般部壁面ブロック3(以下、単に板状壁面ブロックという。)は、図5に示されるように、控え壁を有さず、単に板状に形成された標準サイズの壁面ブロック30からなる壁面ブロックであり、上端の背面側には左右に1箇所づつ、上側に積み上げられる壁面ブロック3の下端を連結するための止め金具31,31が設けられている。この止め金具31は、壁面ブロック本体にボルト固定されるもので、突出部には連結ボルトを通すための通孔31aが形成されている。
【0019】
前記板状壁面ブロック3の上端面30aは、断面が円弧状の凸曲面とされ、下端面30bは前記凸曲面とほぼ同一の曲率を有する凹曲面とされ、高さ方向に積み上げた時に、下段側板状壁面ブロックの上端面と上段側板状壁面ブロックの下端面とが隙間無く係合するようになっている。側面30c、30dは、外面から背面方向に狭まるようにテーパー状に形成され、背面には8つのインサート30e〜30lが設けられている。これらのインサート30e〜30lの内、インサート30e〜30hは水平方向に長手通しで配設される据付用鋼材5を固定する際のボルト孔として使用され、インサート30i、30jは吊り上げて運搬する際の吊り金具の取付けボルト孔として使用される。また、インサート30k、30lは下段側板状壁面ブロック3の上部に付設された前記止め金具31,31と上段側板状壁面ブロック3の下部とをボルト連結する際のボルト孔として使用される。
【0020】
〔最上段の一般部小型壁面ブロック〕
最上段に配置される一般部小型壁面ブロック4(以下、単に小型板状壁面ブロックという。)は、図6に示されるように、前記板状壁面ブロック3と比較して、本体の高さ方向の寸法は約1/2とされ、インサート40e、40f、40i,40j、40k、40lの6つとされる点と、止め金具が不要である点のみが異なり、その他の形状・構造は板状壁面ブロック3と同一の仕様となっている。したがって、同一部分に40番台の符号を付して説明は省略する。
【0021】
《コンクリート構造物の構築》
以下、前述した壁面ブロックを使用してコンクリート構造物を構築する手順について詳述する。
〔最下段の壁面ブロックの施工〕
先ず最初に、コンクリート構造物を構築する対象地盤を、安定地盤(例えば岩盤)のある深さまで掘削し、かつ底を均す。その後、図7に示されるように、ダムの上流および下流に、均しコンクリート打設用型枠38を所定位置に設置するとともに、その設置後、最下段の自立式壁面ブロック1、自立式小型壁面ブロック2(以下、纏めて自立式壁面ブロック1,2ともいう。)の通り位置を決めるために2m毎にドリルにて削孔後、アンカー鉄筋39を挿入固定する。このアンカー鉄筋39に、均しコンクリート打設用型枠38の据え付け高さに合致させてアングル42を水平方向に配置し溶接などにより固定する。以上の均しコンクリートの打設準備が完了したならば、均しコンクリート43を打設する。
【0022】
この均しコンクリート打設直後に、図8に示されるように、第1段目の自立式小型壁面ブロック2における控え壁21の設置相当位置の両脇にアンカー鉄筋44を1本づつ刺しておく。また、自立式壁面ブロック1,2の設置に当たり、これらの中間位置に高さおよび勾配の調整とコンクリートの確実な充填を目的として空練りモルタル45を1mピッチで敷き均す。
【0023】
トラックにて搬入し、仮置きしてある自立式壁面ブロック1,2をトラッククレーンにて吊り上げ、所定の位置にセットする。なお、吊り上げに際しては、図9に示されるように、背面のインサート10i、10jに取付けボルト53,53により吊り治具たるアングル50を固定し、両端にシャックル55,55を取付けてワイヤー吊りする。
【0024】
図10に示されるように、切欠き部11d(21d)に噛ませたジャッキ6により自立式壁面ブロック1,2の高さおよび勾配の微調整を行い、この調整後にキャンバーを挿入し自立式壁面ブロック1,2の底部に生じる間隙に再度空練りモルタル45を充填した後にジャッキ6を取り外す。据え付け高さはレベル、据え付け通りはトランシットを使用して確認する。
【0025】
次いで、図11に示されるように、自立式壁面ブロック1,2の縦目地を例えばブチルゴム系のシール材7でシールするとともに、連結部材8、例えば溝形鋼材8Aとボルト8Bとにより、インサート10h、20e(10g、20f)間を連結し固定する。このようにして、図12に示されるように、自立式壁面ブロック1,2が横方向に交互に並べられ、上端形状が凹凸状とされる最下段の壁面ブロック列が形成される。
【0026】
その後、横方向両端の自立式小型壁面ブロック2,2に対して、図13に示されるように、自立式小型壁面ブロック2のインサート20i、20jにフック46を螺着し、このフック46とアンカー鉄筋44とをターンバックル47で連結する。このようにして、アンカー鉄筋44に固定された自立式小型壁面ブロック2,2および連結部材8を介して直接または間接的にこれらの自立式小型壁面ブロック2,2に連結された自立式壁面ブロック1…,2…の転倒が防止される。
【0027】
〔一般部壁面ブロックの据付およびコンクリート打設〕
前述の要領によって、最下段の自立式壁面ブロック1,2の施工を終えたならば、次に前記板状壁面ブロック3の設置と、打設リフト毎のコンクリート打設とを交互に行い、コンクリート構造物を高さ方向に嵩上げする。
【0028】
具体的には、先ず最初に図14に示されるように、リフトIおよびリフトIIまでのコンクリート打設を行い、コンクリートの天端が自立式小型壁面ブロック2の上縁またはその近傍となる位置までコンクリートの打設を行う。また、自立式壁面ブロック1,1…のインサート10e、10fを利用して水平方向に長手通しで溝型鋼材からなる据付用鋼材5を架け渡すようにする。この据付用鋼材5の長手方向の所定位置には、後述の連結ボルト49を通すために通孔が形成されている。なお、前記据付用鋼材5としては、前記溝型鋼材の他、アングル、平板等種々の形材を用いることができる。
【0029】
次に、図15に示されるように、壁面ブロック列の各凹部位置に、すなわち自立式小型壁面ブロック2の上部側に板状壁面ブロック3を積み上げる。詳細には、図18〜図21に示されるように、板状壁面ブロック3の下端凹曲面を自立式小型壁面ブロック2の上端凸曲面に嵌合させるとともに、据付用鋼材5にもたれ掛けるようにして設置し、図19に示されるように、自立式小型壁面ブロック2の上端に固設されている止め金具22と板状壁面ブロック3とをインサート30k、30lを利用して連結ボルト48によって固定するとともに、据付用鋼材5に対して板状壁面ブロック3をインサート30g,30hを利用して連結ボルト49によって連結し堅固に固定を図る。また、隣接する自立式壁面ブロック1との間の縦目地には、シール材7を充填し隙間を封鎖する。
【0030】
複数の又は水平方向列に沿ってすべての板状壁面ブロック3,3…の据付けが完了したならば、板状壁面ブロック3,3…の上部背面側にインサート30e、30fを利用して据付用鋼材5を水平方向に長手通しで架け渡した後、リフトIIIにコンクリートを打設する。なお、このリフトIIIの天端は自立式壁面ブロック1の上縁またはその近傍までとなる。
【0031】
次に、図16に示されるように、壁面ブロック列の各凹部位置に、すなわち自立式壁面ブロック1の上部側に板状壁面ブロック3を積み上げ、自立式壁面ブロック1の上端に固設されている止め金具12と板状壁面ブロック3の下部とをインサート30k、30lを利用して連結ボルト48によって固定するとともに、据付用鋼材5に対して板状壁面ブロック3をインサート30g,30hを利用して連結ボルト49によって連結する。また、隣接する板状壁面ブロック3との間の縦目地には、シール材7を充填し隙間を封鎖する。
【0032】
そして、板状壁面ブロック3,3…の上部背面側にインサート30e、30fを利用して据付用鋼材5を水平方向に長手通しで架け渡した後、リフトIVにコンクリートを打設する。なお、このリフトDの天端は前工程で設置した既設板状壁面ブロック3の上縁またはその近傍までとなる。
【0033】
以降は、壁面ブロック列の各凹部位置に既設板状壁面ブロック3の上端に連続して新設の板状壁面ブロック3を据え付け、既設板状壁面ブロック3の上端に固設されている止め金具12と新設板状壁面ブロック3の下部とをインサート30k、30lを利用して連結ボルト48によって固定するとともに、前記据付用鋼材5と前記新設の板状壁面ブロック3とをインサート30g,30hを利用してボルト固定するとともに、新設の板状壁面ブロック3,3…列の背面側上部位置にインサート30e、30fを利用して水平方向に長手通しで新たに据付用鋼材5n+1を架け渡し、既設の板状壁面ブロック列3,3…の天端または天端近傍までコンクリートを打設する手順を順次繰り返し、コンクリート構造物を順次高さ方向に構築していく。前記順に取り付けられる据付用鋼材5は、次の上段側板状壁面ブロック3、3…を据え付けするための固定部材となると同時に、作業員の墜落防止のための安全柵を兼用するものである(図17参照)。
【0034】
最終打設リフトの手前までいったならば、図22及び図23に示されるように、壁面ブロック列の各凹部位置に小型板状壁面ブロック4,4…を据え付け、板状壁面ブロック3の上端に固設されている止め金具12と新設小型板状壁面ブロック4の下部とをインサート40k、40lを利用して連結ボルト48によって固定するとともに、最上段の前記据付用鋼材5と前記新設の小型板状壁面ブロック4とをインサート40e,40fを利用してボルト固定した後、コンクリート構造物の天端までコンクリートを打設する。
【0035】
以上、本発明に係るコンクリート構造物の構築方法について詳述したが、本板状壁面ブロック3の場合には、図25(A)に示されるように、下端、高さ方向中間点で支持されるようになるため、構造系が不静定単純梁の状態となり、変位を抑えることができるようになるとともに、発生する断面力の低減が図れるようになる。これに対して、自立型壁面ブロック60の場合には、図25(B)に示されるように、構造系が片持ち梁の状態となるため、変位が大きくかつ断面力も大きくなっている。したがって、本板状壁面ブロック3の場合には、従来の自立式壁面ブロックに比べて板厚を薄くできるようになり製作のコストの低減が図れるようになるとともに、材質の選択肢が拡がり、たとえばFRPなどのコンクリート以外の材質のものであっても使用可能となる。
【0036】
ところで、上記例では板状壁面ブロック3の上部に止め金具31,31を設け、上段側に積み上げられる上段側壁面ブロック3の下部と前記止め金具31,31とを連結するようにしたが、板状壁面ブロック3の下部に止め金具31,31を設け、下段側板状壁面ブロック3の上部と前記止め金具31,31とを連結するようにしてもよい。また、前記小型板状壁面ブロック4はコンクリート構造物の天端での調整用壁面ブロックとして使用したが、壁面勾配を高さ方向の中間で変化させる場合等に勾配変化点を揃える際にも使用されるものである。さらに、図22に示されるように、ダムの上流側と下流側とで壁面の勾配が異なるような場合には、各自立式壁面ブロック1および自立式小型壁面ブロック2は構築される壁面の勾配に合わせて夫々製作される。
【0037】
また、本形態例では最下段に設置されるブロックとして自立式壁面ブロック1、2を用いたが、最下段ブロックについても板状壁面ブロック3、4を用いて施工することが可能である。図24はその施工例を示したものである。均しコンクリート43の所定箇所にアンカー筋57、44を埋設しておき、板状壁面ブロック3,4を所定位置に位置決めしたならば、これら板状壁面ブロック3,4の背面と前記アンカー筋57との間にクサビ58を打込み、板状壁面ブロック3,4の下端を固定するとともに、前記アンカー筋44と板状壁面ブロック3,4の背面に螺着したフック46とをターンバックル47で連結するようにし、コンクリートを打設するようにする。
【0038】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、自立のために必要であった控え壁を無くして板状の壁面ブロックとしながら、自立式壁面ブロックの場合と同様に、外部足場を必要とすることなく、省人化、工期の短縮および作業の安全性が確保し得るものとなる。また、板状の壁面ブロックを標準で使用するようにしたため、積み重ねが可能となり、ストックヤードでの保管性および運搬性にも優れるようになる。さらに、形状が単純であるため、製作効率も向上し、製作コストの低減も図り得るようになる。
【0039】
また、板状壁面ブロックが下端、高さ方向中間点で支持されるようになるため、従来の自立式壁面ブロックに比べて変位および発生断面力を低減でき、板厚を薄くできるようになるとともに、剛性および強度の小さい材質のものを使用できるようになるなど材質の選択肢も拡がるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最下段に使用される自立式壁面ブロック1の背面側斜視図である。
【図2】自立式壁面ブロック1を示す、(A)は側面図、(B)は背面図である。
【図3】最下段に使用される自立式小型壁面ブロック2の背面側斜視図である。
【図4】自立式小型壁面ブロック2を示す(A)は側面図、(B)は背面図である。
【図5】板状壁面ブロック3を示す、(A)は側面図、(B)は背面図、(C)は平面図である。
【図6】小型板状壁面ブロック4を示す、(A)は側面図、(B)は背面図、(C)は平面図である。
【図7】最下段の壁面ブロック1,2の施工要領図(その1)である。
【図8】最下段の壁面ブロック1,2の施工要領図(その2)である。
【図9】自立式壁面ブロック1の吊り上げ状態図である。
【図10】最下段の壁面ブロック1,2の施工要領図(その3)である。
【図11】最下段の壁面ブロック1,2の施工要領図(その4)である。
【図12】最下段の壁面ブロック1,2の施工要領図(その5)である。
【図13】最下段の壁面ブロック1,2の施工要領図(その6)である。
【図14】1段目以降のコンクリート構造物の構築手順図(その1)である。
【図15】2段目以降のコンクリート構造物の構築手順図(その2)である。
【図16】3段目以降のコンクリート構造物の構築手順図(その3)である。
【図17】途中段階での壁面ブロック状態図である。
【図18】板状壁面ブロック3の据え付け状態を示す側面図である。
【図19】その要部拡大図である。
【図20】その背面図である。
【図21】その平面図である。
【図22】コンクリート構造物の構築完了状態を示す縦断面図である。
【図23】図22のXXIII-XXIII線矢視図である。
【図24】最下段ブロックに板状壁面ブロック3,4を使用する場合の施工例を示す断面図である。
【図25】 (A)は本発明に係る板状壁面ブロック3の構造系を示す図であり、(B)は従来の自立式壁面ブロック1の構造系を示す図である。
【図26】第2従来法によるコンクリート構造物の構築状態を示す縦断面図である。
【図27】図26のXXVII-XXVII線矢視図である。
【図28】第2従来法で使用される自立式壁面ブロック60を示す、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【符号の説明】
1…自立式壁面ブロック、2…自立式小型壁面ブロック、3…板状壁面ブロック、4…小型板状壁面ブロック、5…据付用鋼材、31…止め金具、30e〜30l…インサート

Claims (5)

  1. 壁面位置に対する型枠兼用壁面ブロックの設置と、コンクリート打設とを交互に繰り返しながら、順次コンクリート構造物を高さ方向に嵩上げするコンクリート構造物の構築方法において、
    少なくとも最下段壁面ブロックを除く標準部では、前記型枠兼用壁面ブロックとして、背面側の高さ方向中間位置および上部位置にそれぞれインサートが埋設された板状の壁面ブロックを用い、
    前記板状壁面ブロックが水平方向に千鳥状に配置され、板状壁面ブロック列の上端形状が凹凸状とされ、かつ水平方向に間隔をおいて凸部を形成している板状壁面ブロック列の背面上部位置に前記インサートを利用して水平方向に長手通しで据付用鋼材が架け渡されるとともに、水平方向に間隔をおいて凹部を形成している板状壁面ブロック列の天端または天端近傍までコンクリートが打設されている状態から、前記板状壁面ブロック列の各凹部位置に既設板状壁面ブロックの上端に連続して新設の板状壁面ブロックを据え付け、前記据付用鋼材と前記新設の板状壁面ブロックとを前記高さ方向中間位置に設けたインサートを利用してボルト固定するとともに、新設の板状壁面ブロック列の背面側上部位置にインサートを利用して水平方向に長手通しで新たに据付用鋼材を架け渡し、既設の板状壁面ブロック列の天端または天端近傍までコンクリートを打設する手順を順次繰り返すことにより、高さ方向に順次コンクリート構造物を嵩上げすることを特徴とするコンクリート構造物の構築方法。
  2. 上下方向に隣接する板状壁面ブロック間において、一方側の板状壁面ブロックの背面に外方に突出する止め金具を固定しておき、既設板状壁面ブロックの上側に新設板状壁面ブロックを積み上げた際、前記止め金具と他方側の板状壁面ブロックをボルト連結するようにする請求項1記載のコンクリート構造物の構築方法。
  3. 最下段の壁面ブロックは、背面側に控え壁を備えた自立式壁面ブロックとし、高さおよび幅寸法が前記板状壁面ブロックと同寸の標準サイズ壁面ブロックと、高さ寸法が前記板状壁面ブロックの1/2で幅寸法が前記板状壁面ブロックと同寸の小型サイズとを用意し、これらを交互に並べることによって、上端形状が凹凸状とされる最下段の壁面ブロック列を構成する請求項1、2いずれかに記載のコンクリート構造物の構築方法。
  4. 板状を成し、背面側の高さ方向中間位置および上部位置にそれぞれ据付用鋼材連結用インサートが設けられていることを特徴とする前記請求項1に記載されるコンクリート構造物の構築方法に使用される型枠兼用壁面ブロック。
  5. 板状を成し、背面側の高さ方向中間位置および上部位置にそれぞれ据付用鋼材連結用インサートが設けられるとともに、背面側上部および下部の一方側に外方に突出する止め金具を備え、背面側上部および下部の他方側に止め金具連結用インサートが埋設されていることを特徴とする前記請求項2に記載されるコンクリート構造物の構築方法に使用される型枠兼用壁面ブロック。
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