JP4353046B2 - トリアジノインドールアミン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、トリアジノインドールアミン化合物並びに該化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、コラーゲン蓄積促進及び/又は減少抑制のための組成物等に関する。
体の中で最も大量に存在するタンパク質であるコラーゲン、特にその中で存在量の最も多いI型コラーゲンの主たる役割は、線維性成分としての力学的支持性である。各種臓器の構成細胞の1つである線維芽細胞は、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン等の線維状タンパク質やヒアルロン酸等のグリコサミノグルカン等を産生し、これら細胞外マトリックスが3次元的な構造を形成することにより、組織が保持、維持されている。そのため、コラーゲンの質的量的な変化は力学的支持体としてのコラーゲン線維の機能的変化をもたらし、例えば、I型コラーゲンが有機成分の中心を占める骨基質ではコラーゲン量の減少に伴い、その脆弱化が起こると考えられている。また、加齢や紫外線等によって皮膚に生じるしわ等の組織容態や、異常創傷治癒、歯周病、骨粗しょう症、慢性関節リウマチ等の疾患においては、コラーゲン合成の低下とコラーゲン分解の促進とがそれら疾患又は組織容態の遷延に影響している(例えば、非特許文献1乃至5参照。)。
実際、レチノイン酸、ビタミンC類、1α,25−ジヒドロキシビタミンD、安息香酸化合物等の公知の非分解型コラーゲン合成促進剤を外用剤として用いることにより、しわ等の組織容態が改善されることがすでに報告されている(例えば、非特許文献6及び非特許文献7、並びに特許文献1参照。)。かかるしわ等の組織容態が改善のための外用剤として現在、商業的に実用化されている非分解型コラーゲン合成促進剤としては例えばレチノイン酸が挙げられる。また、骨粗しょう症等の疾患を改善させるエストロゲンは、骨芽細胞のコラーゲン合成を促進し、しかもマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)−1(以下、MMP−1と記載することもある。)の産生を抑制することがすでに報告されている(例えば、非特許文献8及び非特許文献9参照。)。
組織中のコラーゲン量は、合成と分解とのバランスにより規定されるが、それらは種々の細胞増殖因子、サイトカイン、低分子化合物等によって調節されている。例えば、サイトカインの1種であるTGF−βはよく知られたコラーゲン等の細胞外マトリックスの発現促進因子であるが、一方では、コラーゲンの分解を触媒する各種マトリックスメタロプロテアーゼ(以下、MMPsと記載することもある。)の発現抑制因子でもある。具体的には、例えば、TGF−βはヒト肺線維芽細胞のI、III、V型コラーゲンの産生や、ヒト胎児線維芽細胞のフィブロネクチンの産生を高める一方、MMP−1、MMP−2及びMMP−9の産生を抑制する(例えば、非特許文献10及び非特許文献11参照。)。
また動物個体レベルにおける研究において、TGF−βトランスジェニックマウスでは創傷治癒の促進が起こり、さらに、TGF−β遺伝子をリウマチモデル動物に導入したところ、当該疾患が改善したことが報告されている(例えば、非特許文献12参照。)。
以上のことから、コラーゲン合成の促進とコラーゲン分解の抑制により、コラーゲン蓄積促進及び/又は減少抑制の効果を有する低分子化合物は、非分解型コラーゲン合成促進剤として有用である可能性があり、しわ、異常創傷治癒、歯周病、骨粗しょう症、慢性関節リウマチ等の組織中のコラーゲン量の減少を伴う疾患又は組織容態を改善させることが期待できることから、当該化合物を有効成分として含有する医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の開発につながると考えられる。
一方、コラーゲンやラミニンなどで構成される細胞外マトリックスは、細胞を取りまくことによって細胞同士を接着させて、細胞間シグナル伝達や組織形成に大きく寄与している。癌は原発巣で増殖を開始し、その一部は周囲の細胞との接着を切断して腫瘍組織から離脱し、さらに血管壁を破り血流に乗って遠隔部位に転移する。そこで再び細胞外マトリックスを分解して組織中に浸潤する。この一連の過程を経て癌の転移がはじめて達成される。この癌転移の一連のステップに、MMPsが重要な役割を果たしていることが強く示唆されている。つまり、癌細胞のMMPsの活性を阻害、または、その発現を抑制することができるならば、癌の転移および増殖を抑制できると考えられる。実際、MMPs阻害剤であるBatimastatやMarimastatは、ヌードマウス腹腔内におけるヒト卵巣癌細胞の増殖を抑制し、明確な延命効果を示している。さらに、進行癌患者を対象にした第II相試験が行われ、患者の延命率は有意に向上したとの報告がある(例えば、非特許文献13参照。)。したがって、コラーゲン減少抑制の効果を有する低分子化合物は、癌転移を抑制させることが期待できることから、当該化合物を有効成分として含有する抗癌剤の開発につながると考えられる。
Mol.Cell.Biochem.,194,99,(1999) British J.Dermatol.,93,639,(1975) J.Periodontal Res.,37,1,(2002) Ann.NY Acad.Sci.,878,191,(1999) Arthritis Rheum.,44,2503,(2001) J.Invest.Dermatol.,96,975,(1991) J.Dermatol.Sci.,8,18,(1984) J.Cell.Biochem.,86,251,(2002) Endocrine,15,291,(2001) Lab.Invest.,63,171,(1990) J.Invest.Dermatol.,94,365,(1990) Gene Ther.,4,553,(1997) Cancer Res.,52,2087,(1993) 特開平8−208463号公報
このような状況下において、組織中のコラーゲン量の減少を伴う疾患又は組織容態を改善させるような薬剤の開発・提供が切望されている。
本発明者らは、かかる状況の下、鋭意検討した結果、下記の式(I)で示されるトリアジノインドールアミン化合物が、I型コラーゲン遺伝子の転写を促進し、及び/又はMMP−1遺伝子の転写を抑制する能力を有することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.式(I)
Figure 0004353046
(式中、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基を表わし、Yは水素原子、アルキル基またはアラルキル基を表わし、Zは置換されてもよい炭素数1または2のアルキレン鎖を表わし、Rは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を表わす。)
で示されるトリアジノインドールアミン化合物(以下、本発明化合物(I)と記すこともある。)並びに本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするコラーゲン蓄積促進及び/又は減少抑制のための組成物(以下、本発明組成物と記すこともある。);
2.I型コラーゲン遺伝子の転写を促進し、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)遺伝子の転写を抑制するための、本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の使用;
3.組織中のコラーゲン量の減少を伴う疾患又は組織容態と診断されうる哺乳動物に対して、有効量の本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を有することを特徴とする組織中のコラーゲン量の蓄積促進及び/又は減少抑制方法(以下、本発明方法と記すこともある。);
等を提供するものである。
本発明により、式(I)で示されるトリアジノインドールアミン化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する、コラーゲン蓄積促進及び/又は減少抑制のための組成物等が提供可能となる。
本発明化合物(I)は、下記の式(II)で示されるアミン化合物と式(III)で示されるトリアジノインドールチオン化合物、式(IV)で示されるメチルスルフィニルトリアジノインドール化合物または式(V)で示されるメチルスルホニルトリアジノインドール化合物とを縮合することにより製造することができる。
Figure 0004353046
(式中、X、Y、ZおよびRは前記と同じ意味を表わす。)
上記の縮合方法としては、例えばJ.Heterocyclic Chem.,(1988)25,475およびArch.Pharm.(1987),320,1196等に記載された方法に準じて行うことができる。
反応に用いられる試剤の量は、式(III)で示されるトリアジノインドールチオン化合物、式(IV)で示されるメチルスルフィニルトリアジノインドール化合物または式(V)で示されるメチルスルホニルトリアジノインドール化合物1モルに対して、式(II)で示されるアミン化合物が通常1〜100モル程度の割合である。反応温度は、通常0〜250℃程度の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間程度の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(I)を単離することができる。
(i)反応混合物に水、必要に応じて有機溶媒を加え、析出した本発明化合物(I)をろ取する。
(ii)反応混合物に水を加え、必要に応じて希塩酸等の酸で中和した後、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する。
単離された本発明化合物(I)は再結晶、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
上記式(III)で示されるトリアジノインドールチオン化合物は、例えばJ.Medicinal Chem.,(1972),15(3),277に記載された方法等に準じて得ることができる。また、上記式(IV)で示されるメチルスルフィニルトリアジノインドール化合物および式(V)で示されるメチルスルホニルトリアジノインドール化合物は、例えばヨウ化メチル等を用いて上記式(III)で示されるトリアジノインドールチオン化合物をメチル化した後、例えば3−クロロ過安息香酸等の酸化剤と反応させることにより得ることができる。
かくして得られる本発明化合物(I)において、Rで表わされるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、インドリル基等の炭素数2〜10のヘテロアリール基が挙げられる。
かかるアリール基およびヘテロアリール基上に置換していてもよい置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基であり、好ましくはアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アミノ基、シアノ基、水酸基が挙げられ、より好ましくは、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、上記アルキル基と酸素原子とから構成されるものを示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
ハロアルキル基としては、上記アルキル基とハロゲン原子とから構成されるものを示し、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等が挙げられる。ハロアルコキシ基としては、上記アルコキシ基とハロゲン原子とから構成されるものを示し、例えばクロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロエトキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基とカルボニル基とから構成されるものを示し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルアミノカルボニル基は、上記アルキル基とアミノカルボニル基とから構成されるものを示し、例えばメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
かかるRで表わされる置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基としては、無置換またはアルコキシ基、ハロゲン原子もしくはアミノ基で置換されたフェニル基あるいはピリジル基が好ましく用いられる。
Xで表わされるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基としては、アリール基およびヘテロアリール基上に置換していてもよい置換基としてそれぞれ前記したものと同様のものが例示される。
かかるXで表わされる置換基のうち、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子が好ましく、さらに好ましくはこれらの置換基がトリアジノインドール環の8位に結合したものが挙げられる。
Yで表わされるアルキル基としては、前記したものと同様の炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。アラルキル基としては、上記アルキル基とフェニル基とから構成されるものを示し、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられるが、かかるYとしては水素原子が好ましく用いられる。
Zで表わされる炭素数1または2のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基が挙げられ、かかるアルキレン基上に置換していてもよい置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基などが挙げられる。
かかる本発明化合物(I)の態様としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換フェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがメトキシフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがハロゲン置換されたフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがクロロフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアミノフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xがハロゲン原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xがアルコキシ基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xがアルキル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Yがアルキル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Yがメチル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいエチレン鎖であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが無置換エチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zがメチル基で置換されたエチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいメチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが無置換メチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rがハロゲン置換されたフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rがアミノフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、Xがアルキル基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、Xがアルキル基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがピリジル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがピリジル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがピリジル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
また、これらの化合物は、薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩や、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の有機酸との塩にしてもよく、そのような塩への変換は、慣用手段で行うことができる。
次に本発明化合物(I)の具体例を以下の表に示す。
Figure 0004353046
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表1〜15においてPhはフェニル基を表わす。
本発明組成物は、例えば、本発明化合物(I)を1種又は2種以上又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、賦形剤、及び/又は、医薬品添加剤、食品添加剤若しくは化粧品添加剤等とが混合されてなる組成物等である。本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩、或いは本発明組成物は、I型コラーゲン遺伝子の転写を促進し、及び/又はMMP−1遺伝子の転写を抑制する能力を有する。当該能力は、I型コラーゲン遺伝子の発現量を増加させ、及び/又はMMP−1遺伝子の発現量を減少させて、組織中のコラーゲンの蓄積促進及び/又は減少抑制の効果を導くことにより、組織中のコラーゲン量の減少を伴う疾患又は組織容態を改善するために重要であり、当該目的のための医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等としての利用が考えられる。
本発明組成物、或いは本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の適用可能な疾患又は組織容態としては、種々の原因により組織中のコラーゲン量が減少し、その結果、臓器・組織の機能低下をもたらす疾患又は組織容態を改善するために用いることができる。例えば、加齢や紫外線等によって皮膚に生じるしわや、異常創傷治癒、歯周病、骨粗しょう症、慢性関節リウマチ、癌等の疾患をあげることができる。
用いられる薬学的に許容される担体、賦形剤、及び/又は、医薬品添加剤、食品添加剤若しくは化粧品添加剤等は、前記組成物の具体的用途に応じて適宜選択することができる。また、当該組成物の形態も、具体的用途に応じて、例えば、種々の固体、液体等の形態とすることができる。
例えば、本発明組成物、或いは本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を医薬品として用いる場合には、具体的な形態として、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、シロップ剤、カプセル剤、懸濁化剤、エマルジョン剤、エキス剤及び丸剤等の経口剤、注射剤、外用液剤、軟膏剤等の経皮吸収剤(皮膚外用剤)、坐剤及び局所等への非経口剤等をあげることができる。
経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸等の担体や賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、安定化剤、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤等の医薬品添加剤を用いて、通常の方法に従って製造することができる。
投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明組成物又は本発明化合物(I)の種類、投与形態等によって異なるが、通常は経口の場合にはヒト成人で1日あたり有効成分量として約1mg〜約2g、好ましくは有効成分量として約5mg〜約1gを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
非経口剤のうち、注射剤は、生理食塩水、滅菌水リンゲル液等の水溶性溶剤、植物油、脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖、塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、乳化剤等の医薬品添加剤を用いて、通常の方法に従って製造することができる。外用液剤、ゲル状軟膏等の経皮吸収剤、直腸内投与のための坐剤等も通常の方法に従って製造することができる。このような非経口剤を投与するには、注射(皮下、静脈内等)、経皮投与、直腸投与すればよい。局所剤は、例えば、本発明化合物(I)をエチレンビニル酢酸ポリマー等の徐放性ポリマーのペレットに取り込ませて製造することができる。このペレットを治療すべき組織中に外科的に移植すればよい。
投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明組成物又は本発明化合物(I)の種類、投与形態等によって異なるが、通常は注射の場合にはヒト成人で有効成分量として約0.1mg〜約500mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
本発明組成物又は本発明化合物(I)を化粧品として用いる場合には、具体的な形態としては、例えば、クリーム、ローション剤等をあげることができる。ローション剤は、例えば、懸濁剤、乳化剤、保存剤等の化粧品添加剤を用いて、通常の方法に従って製造することができる。
投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明組成物又は本発明化合物(I)の種類、投与形態等によって異なるが、通常ヒト成人で有効成分量として約0.01mg〜約50mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
本発明組成物、或いは本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を食品として用いる場合には、具体的な形態としては、例えば、粉末、錠剤、飲料、摂取可能なゲル若しくはシロップとの混合液状物、例えば、調味料、和菓子、洋菓子、氷菓、飲料、スプレッド、ペースト、漬物、ビン缶詰、畜肉加工品、魚肉・水産加工品、乳・卵加工品、野菜加工品、果実加工品、穀類加工品等の一般的な飲食物や嗜好物等として用いられる可能性がある。また、家畜、家禽、蜜蜂、蚕、魚等の飼育動物のための飼料や餌料への食品添加物等として用いられる可能性もある。
投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明組成物、或いは本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の種類、投与形態等によって異なるが、通常ヒト成人で有効成分量として約0.1mg〜約500mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
まず、本発明化合物(I)の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
参考製造例 1
1H−インドール−2,3−ジオン4.41g、チオセミカルバジド3.01g、炭酸カリウム6.22g、水150mlの混合物を3.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、酢酸90mlを滴下した。析出した結晶を吸引ろ過し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、2,5−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−チオン4.84gを得た。
収率:80%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
14.45(1H,brs)、12.68(1H,brs)、
8.01(1H,d,J=7.5Hz)、7.64(1H,t,J=7.5Hz)、
7.44(1H,d,J=8.1Hz)、7.35(1H,t,J=7.5Hz)
参考製造例 2
2,5−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−チオン0.50gを1N水酸化ナトリウム水溶液3mlに溶解し、ヨウ化メチル0.39gを室温にて滴下した。室温にて1時間撹拌後、析出した結晶をろ過、水で洗浄し、減圧下乾燥して、3−(メチルチオ)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール 0.35gを得た。
収率:65%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
11.96(1H,brs)、8.31(1H,d,J=9.0Hz)、
7.69(1H,t,J=9.0Hz)、7.58(1H,d,J=9.0Hz)、
7.43(1H,t,J=9.0Hz)、2.66(3H,s)
参考製造例 3
3−(メチルチオ)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール1.36gをクロロホルム15mlに懸濁させ氷水冷下、3−クロロ過安息香酸1.7gを添加し、3時間撹拌した。反応懸濁液に10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液30mlを加えて15分間撹拌した。反応液をろ過し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、3−(メチルスルフィニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール1.29gを得た。
収率:88%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
13.11(1H,brs)、8.46(1H,d,J=7.6)、
7.83(1H,t,J=7.6Hz)、7.71(1H,d,J=8.1Hz)、
7.53(1H,t,J=7.6Hz)、3.01(3H,s)
参考製造例 4
3−(メチルスルフィニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール0.30gをクロロホルム5mlに懸濁させ、室温にて、3−クロロ過安息香酸0.27gを添加した。室温で3時間撹拌後、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5mlを加えて15分間撹拌した。クロロホルム層を分液後、水層を5%塩酸水でpH2〜3に調整し、析出した結晶をろ取、水で洗浄した。得られた結晶を、加熱減圧下、乾燥および、3−クロロ安息香酸を昇華させて除き、3−(メチルスルホニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール0.27gを得た。
収率:84%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
13.43(1H,brs)、8.50(1H,d,J=7.8Hz)、
7.86(1H,t,J=8.1Hz)、7.74(1H,d,J=7.8Hz)、
7.56(1H,t,J=7.8Hz)、3.55(3H,s)
次に、本発明化合物(I)の製造例を示す
製造例 1
2,5−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−チオン110mgと2−フェニルエチルアミン3mlとを混合し、170℃で8時間加熱した。反応物を室温まで冷却後、氷水へ注加、攪拌した。析出した結晶をろ取し、水、ついでtert−ブチルメチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、N−(2−フェニルエチル)−5H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドールー3−アミン(本発明化合物1)90mgを得た。
収率:58%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
11.89(1H,brs)、8.08(1H,d,J=7.8Hz)、
7.65(1H,brs)、7.50〜7.19(8H,m)、3.61(2H)、
2.93(2H,t,7.6Hz)
製造例 2
3−(メチルスルフィニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール100mgとα−メチル−3,4−ジメトキシフェネチルアミン3mlとを混合し、170℃で5.5時間加熱した。反応物を室温まで冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、N−[1−メチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−5H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドールー3−アミン(本発明化合物101)89mgを得た。
収率:57%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
11.84(1H,brs)、8.07(1H,d,J=7.8Hz)、
7.50〜7.38(2H,m)、7.47(1H,brs)、
7.27(1H,t,J=7.6Hz)、6.87〜6.77(3H,m)、
4.26(1H)、3.72(3H,s)、3.68(3H,s)、
2.95〜2.64(2H,m)、1.19(3H,d,J=6.5Hz)
製造例 3
3−(メチルスルホニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール100mgとN−メチル−フェネチルアミン2mlとを混合し、140℃で2時間加熱した。反応液を室温まで冷却後、水を加え、結晶をろ過した。水、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、N−メチル−(2−フェニルエチル)−5H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−アミン(本発明化合物22)74mgを得た。
収率:61%
1H−NMR(DMSOd,TMS)δ(ppm):
11.90(1H,brs)、8.10(1H,d、J=7.6Hz)、
7.52〜7.18(8H,m)、3.96(2H,t,J=7.0Hz)、
3.18(3H,s)、2.95(2H,t,J=7.0Hz)
次に、これらの方法に準じて製造した式(I)の化合物の物性を表16〜23に示す。
Figure 0004353046
Figure 0004353046
Figure 0004353046
Figure 0004353046
Figure 0004353046
Figure 0004353046
Figure 0004353046
Figure 0004353046
次に、本発明化合物(I)がI型コラーゲン遺伝子の転写を促進し、及び/又はMMP−1遺伝子の転写を抑制する能力を有することを試験例で示す。
試験例1(レポーター遺伝子の発現量を指標とした本発明化合物(I)が有するI型コラーゲン遺伝子の転写調節能力の測定)
1)ヒトI型コラーゲン遺伝子のプロモーターとルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するプラスミドの調製)
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞(Clontech社、カタログ番号CC−2509)1x10細胞を37℃、5% CO2雰囲気下で一晩培養した。培養された細胞をPBSで2回洗浄した後、PBS 3mlを加えセルスクレイパー(Nalgen、カタログ番号179693)を用いて細胞を器壁から剥がした。剥がした細胞を遠心分離(1,500rpm、4℃、15分間)により集め、これをPBS 20mlに懸濁して再度遠心分離した。得られた沈殿に、DNA Extraction Kit(Stratagene社、カタログ番号200600)のSolution2を11ml、pronaseを4.8μlそれぞれ加えて60℃にて1時間振とうした後、得られた混合液を氷中に10分間放置した。次に、当該混合液に上記キットのSolution 3を4ml加えて混合した後、これを氷中に5分間放置した。遠心分離(3,000rpm、4℃、15分間)し、上清を回収した。回収された上清に、当該上清1ml当たり2μlのRNaseを加え、37℃で15分間放置した。この混合液に、2倍容量のエタノールを加えて混合し、出現した白い糸状の物質(ゲノムDNA)を回収した。回収されたゲノムDNAを70%エタノールで洗浄した後、風乾した。風乾されたゲノムDNAを10mM Tris−HCl,1mM EDTA(pH 8.0)(以下、TEと記す。)500μlに溶解した。
得られたゲノムDNA溶解液(ゲノムDNA 1μg相当量)と、配列番号1で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号2で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(各10pmol/μl)を各1μl、蒸留水 29μl、TaKaRa LA Taq(宝酒造社、カタログ番号RR002A)に添付されたbuffer 5μl、Mg2+溶液 5μl、dNTP mixture 5μl及びTaKaRa LA Taq(宝酒造社、カタログ番号RR002A)0.5μlを混合した。得られた混合液を94℃、5分間保温した後、94℃、1分間次いで60℃、1分間さらに72℃、1分間の保温を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。当該混合液を1%アガロースゲル電気泳動に供し、約3.5kbのDNAを回収した。回収されたDNA溶液に等容量のフェノールを加えて激しく混和した後に、遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)した。次に、DNA溶液中に溶解しているフェノールを除去するために、回収された上清に等容量のクロロホルムを加えて激しく混和し、遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)した(以下、当該操作をフェノール・クロロホルム処理と記す。)。回収された上清をエタノール沈殿することにより、DNAを回収した。回収されたDNAを超純水に溶解し、この溶解液にNheI 2.5μl及びHindIII 2.5μlを加え、37℃で3時間保温した。次いで、当該溶解液を1%アガロースゲル電気泳動に供し、約3.5kbのDNAを回収した。回収されたDNAをエタノール沈殿することにより再びDNA(以下、コラーゲンプロモーターDNAと記す。)を回収した。
一方、ホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列を有するベクターpGL3(Promega社、カタログ番号E1751)をNheI及びHindIIIで消化した後、上記と同様にアガロースゲル電気泳動に供し、約5kbのDNAを回収した。回収されたDNAをエタノール沈殿することにより再びDNAを回収した。回収されたDNAに蒸留水44μl、Alkaline Phosphatase(宝酒造、カタログ番号2120A)に添付されたBuffer5μl及びAlkaline Phosphatase(宝酒造社、カタログ番号2120A)1μlを加えて、この混合液を65℃で30分間保温した。次に、当該混合液をフェノール・クロロホルム処理した後、エタノール沈澱することによりDNA(以下、LucベクターDNAと記す。)を回収した。次いで、上記コラーゲンプロモーターDNA約20ngとLucベクターDNA 約20ngとを混合した後、DNA Ligation kit Ver2酵素溶液を同量添加して16℃で一昼夜保温した。当該混合液に大腸菌5Hdα(TOYOBO社、カタログ番号DNA−903)を加えて氷中に30分間放置し、次いで42℃、45秒間保温した後、得られた大腸菌を50μg/ml アンピシリンナトリウム(ナカライテスク社、カタログ番号027−39)を含むLBプレートに播種し、37℃、一昼夜放置した。出現したシングルコロニーを50μg/ml アンピシリンを含むLB培地2mlで37℃、12時間培養した。得られた培養液からAUTOMATIC DNA ISOLATION SYSTEM PI−50(KURABO社)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製されたプラスミドDNAの塩基配列をDNAシークエンサーで分析した。その結果、当該プラスミド(以下、COL−Lucと記す。)は、ヒトI型コラーゲンα2鎖遺伝子の転写調節領域の−3500〜+57(転写開始点を+1とする。)の塩基配列の下流に、ホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列が接続されてなる塩基配列を保有していることが確認された。
2)レポーター遺伝子の発現量の測定
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞 1x106細胞を100mmディッシュに播種し、非働化牛胎児血清(以下、FBSと記す。Gibco社、カタログ番号21140−079)を10(v/v)%含むDulbecco’s−MEM(日水製薬社、カタログ番号05919)培地(以下、当該培地をD−MEM(+)と記す。)中で37℃、5%CO雰囲気下において一晩培養した。次いで培地を、FBSを含まないDulbecco’s−MEM培地(以下、当該培地をD−MEM(−)と記す。)に置換した。
D−MEM(−)300μlに、COL−Luc 5μg及びpCMV−β−gal(Invitrogen社、カタログ番号10586−014)5μgを加え、得られた混合液を室温で5分間放置した(溶液1)。また、D−MEM(−)300μlにLipofectine(Gibco社、カタログ番号18292−011)20μlを加え、得られた混合液を室温で45分間放置した(溶液2)。次に、溶液1と溶液2とを混合し、これを室温で10分間放置した後、当該混合液にD−MEM(−)5.4mlを加えて混合した。当該混合液を前記正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞に添加した後、当該細胞を37℃、5%CO雰囲気下で培養した。6時間後、ディッシュから培養上清を除き、細胞をPBSで2回洗浄した後、0.25%トリプシンを含むPBS 1mlを添加して細胞を剥がした。当該細胞にD−MEM(+)を加えてよく混合した後、当該細胞懸濁液を12ウエルプレートに1mlずつ分注し、これを37℃、5%CO雰囲気下で終夜培養した。翌日、各ウエルをD−MEM(−)で2回洗浄した後、0.1% FBSを含むDulbecco’s−MEM培地(以下、当該培地をD−MEM(0.1%)と記す。)1mlに培地交換した。
このようにして培養された細胞に、本発明化合物(I)をそれぞれ100μMとなるように、D−MEM(0.1%)で希釈した10%ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと記す。)で溶解し、細胞に10μl添加した(最終濃度は1μM)。コントロールとしては、10%DMSOを10μl添加した。また、陽性対照として、TGF−β(Pepro Tech社)を最終濃度5ng/mlになるよう添加した。当該細胞を37℃、5%CO雰囲気下でさらに40時間培養した。培養された細胞をPBSで2回洗浄した後、これに細胞溶解剤(東洋インキ社、カタログ番号PD10)200μlを加え細胞を剥がした。得られた細胞懸濁液を回収した後、この細胞懸濁液を遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)することにより、上清を回収した。回収された上清各50μlを96ウエルプレートに移した後、MICROLUMAT LB96P(EG&G BERTHOLD社製)を用いて、Lucアッセイ溶液(20mM Tricine(pH7.8)、2.67mM MgSO、0.1mM EDTA、33.3mM DTT、270μM Coenzyme A、530μMATP、470μM Luciferin)50μlを当該プレートに自動分注した後、各ウエル内の発光量を測定した(Delay:1.6秒、Meas.Interval:20秒)。
一方、回収された上清または細胞溶解剤50μlを、予め96ウエルプレートに分注されたβ−gal基質溶液(5.8mM o−nitrophenyl−beta−D−galactopyranoside、1mM MgCl、45mM 2−メルカプトエタノール)50μlに加えて37℃、2時間インキュベートした後に、マイクロプレートリーダーを用いて各ウエル内の420nmの吸光度を測定した。得られた値を基にし、次式に従って転写活性を算出した。
転写活性=[発光量(上清添加区)−発光量(細胞溶解剤添加区)]/[420nm吸光度(上清添加区)−420nm吸光度(細胞溶解剤添加区)]
算出された転写活性を基にしてコントロールに対する本発明化合物(I)のI型コラーゲン遺伝子の転写促進能力を以下3段階に定義し、結果を表24に示す。
コントロールの発現量を100、陽性対照の発現量を1000とした場合のI型コラーゲン遺伝子の発現量(補正ベースの相対値)が
+++:150以上を示した化合物
++ :120以上150未満の化合物
+ :100以上120未満の化合物
Figure 0004353046
本発明化合物(I)のI型コラーゲン遺伝子のレポーター活性は表24のとおりであり、I型コラーゲン遺伝子の転写を促進する能力が確認された。
試験例2(I型コラーゲン遺伝子の発現量及びMMP−1遺伝子の発現量を指標とした、本発明化合物(I)が有するコラーゲンの蓄積促進及び/又は減少抑制の効果測定)
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞を12ウエルプレートに1ウエルあたり5x10個播き、37℃、5%CO雰囲気下で一晩培養した。細胞をD−MEM(−)で洗浄し、D−MEM(0.1%)1mlに培地交換して本発明化合物(I)を最終濃度1μMとなるように添加した。コントロールとしては、10%DMSOを10μl添加した。また、陽性対照として、TGF−βを最終濃度5ng/mlになるよう添加した。
37℃、5%CO雰囲気下で2日間培養した後、細胞をPBS(−)で洗浄し、RNeasy Mini kit(QIAGEN、カタログ番号74106)を用い、全RNA(約30μl)を抽出した。抽出された全RNA 5μl(50ng)に、20μMオリゴdT 1μl及びRNaseフリー蒸留水4μlを加えて65℃、5分間インキュベートした直後に氷冷した。当該溶液10μlに、5xバッファー4μl、MgCl 2.4μl、10mM dNTP 1μl、RNasin 1μl、ImpromII 1μl、RNaseフリー蒸留水0.6μl(以上全てPromega社)を加えて25℃で5分間、42℃で1時間、70℃で15分間の条件で逆転写反応した。逆転写反応溶液5μlに、配列番号3、4で示される各10pmol/μlプライマー1.5μl、配列番号5で示されるI型コラーゲン検出用プローブ(FAM-ctactggcga aacctgtatc cgggc-TAMRA)(アプライドバイオシステム社)1.25μl、GAPDH検出用プローブ(アプライドバイオシステム社、カタログ番号4310884E)1.25μl、TaqMan Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステム社) 12.5μl及び滅菌水 2μlをOptical 96−Well Reaction Plate(アプライドバイオシステム社、カタログ番号N801−0560)のウエル中で混合した。上記と同様に、配列番号6、7で示されるプライマー及び配列番号8で示されるMMP−1検出用プローブ(FAM-ctactggcga aacctgtatc cgggc-TAMRA)(アプライドバイオシステム社)を添加した反応液を別々のウエル中で混合した。スタンダードとしては逆転写反応溶液5μlの代わりに、予め調製した正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞cDNA 500、250、125、62.5、31.25、15.625ng/μl 各5μlを用いた。その後、Gene Amp 7900(アプライドバイオシステム社)を用いて50℃で5分間の1サイクル、95℃で15秒間及び60℃で1分間の40サイクルの条件でPCR反応した。定量はスタンダード直線を作成した後、各サンプルのI型コラーゲン量、MMP−1量及びGAPDH量を算出し、次式に従ってI型コラーゲン遺伝子の発現量(即ち、転写量)及びMMP−1遺伝子の発現量(即ち、転写量)を算出した。
I型コラーゲン遺伝子の発現量(補正値)=測定されたI型コラーゲン遺伝子の発現量/GAPDH量
MMP−1遺伝子の発現量(補正値)=測定されたMMP−1遺伝子の発現量/GAPDH量
算出されたI型コラーゲン遺伝子の発現量およびMMP−1遺伝子の発現量を基に、各々の発現量を以下3段階に定義し、結果を表25に示す。
コントロールの発現量をいずれも100とした場合、
I型コラーゲン遺伝子の発現量が、
+++:140以上を示した化合物
++ :120以上140未満の化合物
+ :100以上120未満の化合物
− :100未満の化合物
MMP−1遺伝子の発現量が
+++:50以下の化合物
++ :80以下50を越える化合物
+ :100以下80を越える化合物
― :100を超える化合物
Figure 0004353046
本発明化合物(I)のI型コラーゲン遺伝子及びMMP−1遺伝子の発現量は表25のとおりであり、I型コラーゲン遺伝子の転写を促進し、及び/又はMMP−1遺伝子の転写を抑制する能力が確認された。
試験例3(非分解I型コラーゲンのタンパク量を指標とした、本発明化合物(I)が有するコラーゲンの蓄積促進及び/又は減少抑制の効果測定)
試験例2記載の培養上清50μlに、25mM酢酸p−アミノフェニル水銀(アマシャムファルマシア社、カタログ番号RPN2629)1μlを添加し、37℃、1時間インキュベートした。得られた反応液10μlを10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動した後、PVDF膜に転写(250mA、90分間)した。タンパク質が転写されたPVDF膜を5%スキムミルク溶液中で振とうさせながら30分間インキュベートした後、0.1%Tween20を含むPBS溶液(以下、PBS−Tと記す。)で洗浄し、1000倍希釈したウサギ抗I型コラーゲン抗体(Polyscience社、カタログ番号23706)を加えて室温、1時間インキュベートした。次に、PBS−Tで3回、各10分間振とうさせながら洗浄した後、1000倍希釈したヤギ抗ウサギIgG抗体−HRP(Santa Cruz社、カタログ番号sc−2004)を加えて室温、1時間インキュベートした。PBS−Tで3回洗浄した後、ECL Western Blotting Detection Reagents(アマシャムファルマシア社、カタログ番号RPN2106)を加え、ルミノ・イメージアナライザーLAS−1000plus(FUJIFILM社)を用いて約200kDa及び150kDa部分の発光を検出し、Image Gauge(FUJIFILM社)を用いて定量した。得られた値を非分解I型コラーゲンのタンパク量とした。
次に、当該PVDF膜をPBS−Tで洗浄した後に、2MグリシンーHCl溶液(pH2.8)で室温、1時間インキュベートして抗体を剥がした。PBS−Tで洗浄し、再度5%スキムミルク溶液でブロッキングした後に、1000倍希釈したウサギ抗牛血清アルブミン抗体−HRP(Capel社、カタログ番号55285)を加えて室温、1時間インキュベートした。その後に、上記と同様にしてImage Gaugeを用いて牛血清アルブミンのバンドに相当する約60kDa部分の発光を定量した。次式に従って非分解型I型コラーゲンタンパク量を算出した。
非分解型I型コラーゲンタンパク量(補正値)=測定された非分解I型コラーゲンタンパク量/牛血清アルブミンタンパク量
算出されたタンパク量を基にしてコントロールに対する本発明化合物(I)の非分解型I型コラーゲンタンパク量を以下3段階に定義し、結果を表26に示す。
コントロールのタンパク量を100とした場合の非分解型I型コラーゲンタンパク量(補正値)が
+++:200以上を示した化合物
++ :150以上200未満を示した化合物
+ :100以上150未満を示した化合物
− :100未満の化合物
Figure 0004353046
本発明化合物(I)の非分解I型コラーゲンのタンパク量は表26のとおりであり、コラーゲンの蓄積促進能力が確認された。
試験例4(レポーター遺伝子の発現量を指標とした、本発明化合物(I)が有する細胞内シグナル伝達経路の活性化能力の測定)
1)Smad3のDNA結合配列とルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するプラスミドの調製)
配列番号9で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号10で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(各10pmol/μl)を各20μlずつ混合し、ヒートブロック中で100℃、5分間保温した後に、そのまま室温まで冷却した(以下、Smad3の結合配列(SBE)を含むDNAと記す。)。
一方、ホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列を有するpGL3(Promega社、カタログ番号E1751)にTATA配列を付加したベクターを、NheI及びXhoIで消化した後、アガロースゲル電気泳動に供し、約5kbのDNAを回収した。回収されたDNAをエタノール沈殿することにより再びDNAを回収した。回収されたDNAに蒸留水44μl、Alkaline Phosphatase(宝酒造、カタログ番号2120A)に添付されたBuffer5μl及びAlkaline Phosphatase(宝酒造社、カタログ番号2120A)1μlを加えて、この混合液を65℃で30分間保温した。次に、当該混合液をフェノール・クロロホルム処理した後、エタノール沈澱することによりDNA(以下、LucベクターDNAと記す。)を回収した。次いで、上記SBEを含むDNA5μlとLucベクターDNA約20ngとを混合した後、DNA Ligation kit Ver2酵素溶液を同量添加して16℃で一昼夜保温した。当該混合液に大腸菌5Hdα(TOYOBO社、カタログ番号DNA−903)を加えて氷中に30分間放置し、次いで42℃、45秒間保温した後、得られた大腸菌を50μg/mlアンピシリンナトリウム(ナカライテスク社、カタログ番号027−39)を含むLBプレートに播種し、37℃、一昼夜放置した。出現したシングルコロニーを50μg/mlアンピシリンを含むLB培地2mlで37℃、12時間培養した。得られた培養液からAUTOMATIC DNA ISOLATION SYSTEM PI−50(KURABO社)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製されたプラスミドDNAの塩基配列をDNAシークエンサーで分析した。その結果、当該プラスミド(以下、SBE−TATA−Lucと記す。)は、Smad3の結合配列の下流に、TATA配列とホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列が接続されてなる塩基配列を保有していることが確認された。
2)レポーター遺伝子の発現量の測定
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞 5x10細胞を60mmディッシュに播種し、D−MEM(+)中で37℃、5%CO雰囲気下において一晩培養した。次いで培地を、D−MEM(−)2mlに置換した。
D−MEM(−)100μlに、SBE−TATA−Luc2μg及びpCMV−β−gal2μgを加え、得られた混合液を室温で5分間放置した(溶液1)。また、D−MEM(−)100μlにLipofectine8μlを加え、得られた混合液を室温で45分間放置した(溶液2)。次に、溶液1と溶液2とを混合し、これを室温で10分間放置した後、当該混合液を前記正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞に添加した後、当該細胞を37℃、5%CO雰囲気下で培養した。6時間後、ディッシュから培養上清を除き、細胞をD−MEM(−)で2回洗浄した後、D−MEM(0.1%)4mlを加えて1時間培養した。
このようにして培養された細胞に、化合物251のDMSO溶液を4μl添加した。コントロールとしては、DMSOを4μl、D−MEM(0.1%)を4μl添加した。当該細胞を37℃、5%CO雰囲気下でさらに40時間培養した後に、PBSで2回洗浄し、これに細胞溶解剤150μlを加え細胞を剥がした。得られた細胞懸濁液を回収した後、この細胞懸濁液を遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)することにより、上清を回収した。回収された上清各15μlを96ウエルプレートに移した後、MICROLUMAT LB96P(EG&G BERTHOLD社製)を用いて、Lucアッセイ溶液(20mM Tricine(pH7.8)、2.67mM MgSO、0.1mM EDTA、33.3mM DTT、270μM Coenzyme A、530μMATP、470μM Luciferin)50μlを当該プレートに自動分注した後、各ウエル内の発光量を測定した(Delay:1.6秒、Meas.Interval:20秒)。
一方、回収された上清または細胞溶解剤50μlを、予め96ウエルプレートに分注されたβ−gal基質溶液(5.8mM o−nitrophenyl−beta−D−galactopyranoside、1mM MgCl、45mM 2−メルカプトエタノール)50μlに加えて37℃、2時間インキュベートした後に、マイクロプレートリーダーを用いて各ウエル内の420nmの吸光度を測定した。得られた値を基にし、次式に従って転写活性を算出した。
転写活性=[発光量(上清添加区)−発光量(細胞溶解剤添加区)]/[420nm吸光度(上清添加区)−420nm吸光度(細胞溶解剤添加区)]
算出された転写活性を基にしてコントロールを100%として、表27に示す。
Figure 0004353046
化合物251のSBEレポーター活性は表27のとおりであり、単独でSmad3を介して転写を促進する能力が確認された。
試験例5(核内のSmad3量を指標とした、本発明化合物(I)が有する細胞内シグナル伝達経路の活性化能力の測定)
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞 2x10細胞を8ウエルカルチャースライド(BD Biosciences社、カタログ番号REF354108)に播種し、D−MEM(+)中で37℃、5%CO雰囲気下において一晩培養した。次いで培地を、D−MEM(0.1%) 0.4mlに置換して1時間培養した。その後に、化合物251を含むD−MEM(0.1%)と置換して2時間培養した。コントロールとしては、DMSOを 0.1%含むD−MEM(0.1%)を加えた。また、陽性対照として、TGF−β溶液(5ng/ml)を加えた。陽性対照としては、次に、冷PBS(−)で3回洗浄し、冷メタノール 0.4mlを加えて−30℃、20分間固定した後に、冷PBS(−)で3回洗浄し、冷PBS(−)で25倍希釈したウサギ抗Smad3抗体(Santa Cruz社、カタログ番号sc−8332)を0.4ml加え、4℃、1時間放置した。次に、冷PBS(−)で3回洗浄した後に、冷PBS(−)で50倍希釈したヤギ抗ウサギIgG−FITC(Santa Cruz社、カタログ番号sc−2012)を0.4ml加え、遮光して4℃、1時間放置した。その後に、冷PBS(−)で3回洗浄し、蛍光顕微鏡(OLYMPUS社製、IX70)観察をおこなった。
100個の細胞を観察し、核内のみに蛍光が認められた細胞の割合を表28に示す。
Figure 0004353046
化合物251のSmad3の核内移行促進活性は表28のとおりであり、Smad3の核内移行を用量依存的に促進する能力が確認された。
コラーゲン蓄積促進及び/又は減少抑制の効果を有する本発明化合物(I)又はその医薬的に許容される塩は、しわ、異常創傷治癒、歯周病、骨粗しょう症、慢性関節リウマチ等の組織中のコラーゲン量の減少を伴う疾患又は組織容態を改善させることが期待できることから、これを有効成分として含有する医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の開発につながる可能性がある。また、本発明化合物(I)又はその医薬的に許容される塩のうち、コラーゲン減少抑制の効果を有するものは、癌転移を抑制させることが期待できることから、これを有効成分として含有する抗癌剤の開発につながる可能性もある。
配列番号1
コラーゲンプロモーターDNAを増幅するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号2
コラーゲンプロモーターDNAを増幅するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号3
I型コラーゲン DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号4
I型コラーゲン DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号5
I型コラーゲン DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプローブ
配列番号6
MMP−1 DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号7
MMP−1 DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号8
MMP−1 DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプローブ
配列番号9
Smad3のDNA結合配列を含むレポータープラスミドを作製するために設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号10
Smad3のDNA結合配列を含むレポータープラスミドを作製するために設計されたオリゴヌクレオチド

Claims (5)

  1. 式(I)
    Figure 0004353046
    (式中、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表わし、Yは水素原子、アルキル基またはアラルキル基を表わし、Zは炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキレン鎖を表わし、Rはピリジル基、または、アルコキシ基、ハロゲン原子もしくはアミノ基で置換されたフェニル基を表わす。)
    で示されるトリアジノインドールアミン化合物。
  2. 式(I)において、Rはアルコキシ基で置換されたフェニル基であり、Xは水素原子、アルコキシ基またはハロゲン原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
  3. 式(I)において、Rはハロゲン原子で置換されたフェニル基であり、Xは水素原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
  4. 式(I)において、Rはアミノ基で置換されたフェニル基であり、Xは水素原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
  5. 式(I)において、Rはピリジル基であり、Xは水素原子、アルコキシ基またはハロゲン原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
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