JP4353046B2 - トリアジノインドールアミン化合物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、
1.式(I)
で示されるトリアジノインドールアミン化合物(以下、本発明化合物(I)と記すこともある。)並びに本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするコラーゲン蓄積促進及び/又は減少抑制のための組成物(以下、本発明組成物と記すこともある。);
2.I型コラーゲン遺伝子の転写を促進し、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)遺伝子の転写を抑制するための、本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の使用;
3.組織中のコラーゲン量の減少を伴う疾患又は組織容態と診断されうる哺乳動物に対して、有効量の本発明化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を有することを特徴とする組織中のコラーゲン量の蓄積促進及び/又は減少抑制方法(以下、本発明方法と記すこともある。);
等を提供するものである。
(i)反応混合物に水、必要に応じて有機溶媒を加え、析出した本発明化合物(I)をろ取する。
(ii)反応混合物に水を加え、必要に応じて希塩酸等の酸で中和した後、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する。
単離された本発明化合物(I)は再結晶、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
式(I)において、Rが置換フェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがメトキシフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがハロゲン置換されたフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがクロロフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアミノフェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xがハロゲン原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xがアルコキシ基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Xがアルキル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Yがアルキル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Yがメチル基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいエチレン鎖であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが無置換エチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zがメチル基で置換されたエチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいメチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Zが無置換メチレン基であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rがハロゲン置換されたフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rがアミノフェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、Xがアルキル基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、Xがアルキル基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rが置換されていてもよいフェニル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがアルコキシ置換されたフェニル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドール化合物;
式(I)において、Rが無置換フェニル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがピリジル基であり、XおよびYが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがピリジル基であり、Xがアルコキシ基であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
式(I)において、Rがピリジル基であり、Xがハロゲン原子であり、Yが水素原子であるトリアジノインドールアミン化合物;
まず、本発明化合物(I)の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
1H−インドール−2,3−ジオン4.41g、チオセミカルバジド3.01g、炭酸カリウム6.22g、水150mlの混合物を3.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、酢酸90mlを滴下した。析出した結晶を吸引ろ過し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、2,5−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−チオン4.84gを得た。
収率:80%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
14.45(1H,brs)、12.68(1H,brs)、
8.01(1H,d,J=7.5Hz)、7.64(1H,t,J=7.5Hz)、
7.44(1H,d,J=8.1Hz)、7.35(1H,t,J=7.5Hz)
2,5−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−チオン0.50gを1N水酸化ナトリウム水溶液3mlに溶解し、ヨウ化メチル0.39gを室温にて滴下した。室温にて1時間撹拌後、析出した結晶をろ過、水で洗浄し、減圧下乾燥して、3−(メチルチオ)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール 0.35gを得た。
収率:65%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
11.96(1H,brs)、8.31(1H,d,J=9.0Hz)、
7.69(1H,t,J=9.0Hz)、7.58(1H,d,J=9.0Hz)、
7.43(1H,t,J=9.0Hz)、2.66(3H,s)
3−(メチルチオ)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール1.36gをクロロホルム15mlに懸濁させ氷水冷下、3−クロロ過安息香酸1.7gを添加し、3時間撹拌した。反応懸濁液に10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液30mlを加えて15分間撹拌した。反応液をろ過し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、3−(メチルスルフィニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール1.29gを得た。
収率:88%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
13.11(1H,brs)、8.46(1H,d,J=7.6)、
7.83(1H,t,J=7.6Hz)、7.71(1H,d,J=8.1Hz)、
7.53(1H,t,J=7.6Hz)、3.01(3H,s)
3−(メチルスルフィニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール0.30gをクロロホルム5mlに懸濁させ、室温にて、3−クロロ過安息香酸0.27gを添加した。室温で3時間撹拌後、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5mlを加えて15分間撹拌した。クロロホルム層を分液後、水層を5%塩酸水でpH2〜3に調整し、析出した結晶をろ取、水で洗浄した。得られた結晶を、加熱減圧下、乾燥および、3−クロロ安息香酸を昇華させて除き、3−(メチルスルホニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール0.27gを得た。
収率:84%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
13.43(1H,brs)、8.50(1H,d,J=7.8Hz)、
7.86(1H,t,J=8.1Hz)、7.74(1H,d,J=7.8Hz)、
7.56(1H,t,J=7.8Hz)、3.55(3H,s)
2,5−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−チオン110mgと2−フェニルエチルアミン3mlとを混合し、170℃で8時間加熱した。反応物を室温まで冷却後、氷水へ注加、攪拌した。析出した結晶をろ取し、水、ついでtert−ブチルメチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、N−(2−フェニルエチル)−5H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドールー3−アミン(本発明化合物1)90mgを得た。
収率:58%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
11.89(1H,brs)、8.08(1H,d,J=7.8Hz)、
7.65(1H,brs)、7.50〜7.19(8H,m)、3.61(2H)、
2.93(2H,t,7.6Hz)
3−(メチルスルフィニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール100mgとα−メチル−3,4−ジメトキシフェネチルアミン3mlとを混合し、170℃で5.5時間加熱した。反応物を室温まで冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、N−[1−メチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−5H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドールー3−アミン(本発明化合物101)89mgを得た。
収率:57%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
11.84(1H,brs)、8.07(1H,d,J=7.8Hz)、
7.50〜7.38(2H,m)、7.47(1H,brs)、
7.27(1H,t,J=7.6Hz)、6.87〜6.77(3H,m)、
4.26(1H)、3.72(3H,s)、3.68(3H,s)、
2.95〜2.64(2H,m)、1.19(3H,d,J=6.5Hz)
3−(メチルスルホニル)−2H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール100mgとN−メチル−フェネチルアミン2mlとを混合し、140℃で2時間加熱した。反応液を室温まで冷却後、水を加え、結晶をろ過した。水、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、N−メチル−(2−フェニルエチル)−5H−1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール−3−アミン(本発明化合物22)74mgを得た。
収率:61%
1H−NMR(DMSOd6,TMS)δ(ppm):
11.90(1H,brs)、8.10(1H,d、J=7.6Hz)、
7.52〜7.18(8H,m)、3.96(2H,t,J=7.0Hz)、
3.18(3H,s)、2.95(2H,t,J=7.0Hz)
1)ヒトI型コラーゲン遺伝子のプロモーターとルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するプラスミドの調製)
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞(Clontech社、カタログ番号CC−2509)1x108細胞を37℃、5% CO2雰囲気下で一晩培養した。培養された細胞をPBSで2回洗浄した後、PBS 3mlを加えセルスクレイパー(Nalgen、カタログ番号179693)を用いて細胞を器壁から剥がした。剥がした細胞を遠心分離(1,500rpm、4℃、15分間)により集め、これをPBS 20mlに懸濁して再度遠心分離した。得られた沈殿に、DNA Extraction Kit(Stratagene社、カタログ番号200600)のSolution2を11ml、pronaseを4.8μlそれぞれ加えて60℃にて1時間振とうした後、得られた混合液を氷中に10分間放置した。次に、当該混合液に上記キットのSolution 3を4ml加えて混合した後、これを氷中に5分間放置した。遠心分離(3,000rpm、4℃、15分間)し、上清を回収した。回収された上清に、当該上清1ml当たり2μlのRNaseを加え、37℃で15分間放置した。この混合液に、2倍容量のエタノールを加えて混合し、出現した白い糸状の物質(ゲノムDNA)を回収した。回収されたゲノムDNAを70%エタノールで洗浄した後、風乾した。風乾されたゲノムDNAを10mM Tris−HCl,1mM EDTA(pH 8.0)(以下、TEと記す。)500μlに溶解した。
得られたゲノムDNA溶解液(ゲノムDNA 1μg相当量)と、配列番号1で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号2で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(各10pmol/μl)を各1μl、蒸留水 29μl、TaKaRa LA Taq(宝酒造社、カタログ番号RR002A)に添付されたbuffer 5μl、Mg2+溶液 5μl、dNTP mixture 5μl及びTaKaRa LA Taq(宝酒造社、カタログ番号RR002A)0.5μlを混合した。得られた混合液を94℃、5分間保温した後、94℃、1分間次いで60℃、1分間さらに72℃、1分間の保温を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。当該混合液を1%アガロースゲル電気泳動に供し、約3.5kbのDNAを回収した。回収されたDNA溶液に等容量のフェノールを加えて激しく混和した後に、遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)した。次に、DNA溶液中に溶解しているフェノールを除去するために、回収された上清に等容量のクロロホルムを加えて激しく混和し、遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)した(以下、当該操作をフェノール・クロロホルム処理と記す。)。回収された上清をエタノール沈殿することにより、DNAを回収した。回収されたDNAを超純水に溶解し、この溶解液にNheI 2.5μl及びHindIII 2.5μlを加え、37℃で3時間保温した。次いで、当該溶解液を1%アガロースゲル電気泳動に供し、約3.5kbのDNAを回収した。回収されたDNAをエタノール沈殿することにより再びDNA(以下、コラーゲンプロモーターDNAと記す。)を回収した。
一方、ホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列を有するベクターpGL3(Promega社、カタログ番号E1751)をNheI及びHindIIIで消化した後、上記と同様にアガロースゲル電気泳動に供し、約5kbのDNAを回収した。回収されたDNAをエタノール沈殿することにより再びDNAを回収した。回収されたDNAに蒸留水44μl、Alkaline Phosphatase(宝酒造、カタログ番号2120A)に添付されたBuffer5μl及びAlkaline Phosphatase(宝酒造社、カタログ番号2120A)1μlを加えて、この混合液を65℃で30分間保温した。次に、当該混合液をフェノール・クロロホルム処理した後、エタノール沈澱することによりDNA(以下、LucベクターDNAと記す。)を回収した。次いで、上記コラーゲンプロモーターDNA約20ngとLucベクターDNA 約20ngとを混合した後、DNA Ligation kit Ver2酵素溶液を同量添加して16℃で一昼夜保温した。当該混合液に大腸菌5Hdα(TOYOBO社、カタログ番号DNA−903)を加えて氷中に30分間放置し、次いで42℃、45秒間保温した後、得られた大腸菌を50μg/ml アンピシリンナトリウム(ナカライテスク社、カタログ番号027−39)を含むLBプレートに播種し、37℃、一昼夜放置した。出現したシングルコロニーを50μg/ml アンピシリンを含むLB培地2mlで37℃、12時間培養した。得られた培養液からAUTOMATIC DNA ISOLATION SYSTEM PI−50(KURABO社)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製されたプラスミドDNAの塩基配列をDNAシークエンサーで分析した。その結果、当該プラスミド(以下、COL−Lucと記す。)は、ヒトI型コラーゲンα2鎖遺伝子の転写調節領域の−3500〜+57(転写開始点を+1とする。)の塩基配列の下流に、ホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列が接続されてなる塩基配列を保有していることが確認された。
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞 1x106細胞を100mmディッシュに播種し、非働化牛胎児血清(以下、FBSと記す。Gibco社、カタログ番号21140−079)を10(v/v)%含むDulbecco’s−MEM(日水製薬社、カタログ番号05919)培地(以下、当該培地をD−MEM(+)と記す。)中で37℃、5%CO2雰囲気下において一晩培養した。次いで培地を、FBSを含まないDulbecco’s−MEM培地(以下、当該培地をD−MEM(−)と記す。)に置換した。
D−MEM(−)300μlに、COL−Luc 5μg及びpCMV−β−gal(Invitrogen社、カタログ番号10586−014)5μgを加え、得られた混合液を室温で5分間放置した(溶液1)。また、D−MEM(−)300μlにLipofectine(Gibco社、カタログ番号18292−011)20μlを加え、得られた混合液を室温で45分間放置した(溶液2)。次に、溶液1と溶液2とを混合し、これを室温で10分間放置した後、当該混合液にD−MEM(−)5.4mlを加えて混合した。当該混合液を前記正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞に添加した後、当該細胞を37℃、5%CO2雰囲気下で培養した。6時間後、ディッシュから培養上清を除き、細胞をPBSで2回洗浄した後、0.25%トリプシンを含むPBS 1mlを添加して細胞を剥がした。当該細胞にD−MEM(+)を加えてよく混合した後、当該細胞懸濁液を12ウエルプレートに1mlずつ分注し、これを37℃、5%CO2雰囲気下で終夜培養した。翌日、各ウエルをD−MEM(−)で2回洗浄した後、0.1% FBSを含むDulbecco’s−MEM培地(以下、当該培地をD−MEM(0.1%)と記す。)1mlに培地交換した。
このようにして培養された細胞に、本発明化合物(I)をそれぞれ100μMとなるように、D−MEM(0.1%)で希釈した10%ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと記す。)で溶解し、細胞に10μl添加した(最終濃度は1μM)。コントロールとしては、10%DMSOを10μl添加した。また、陽性対照として、TGF−β(Pepro Tech社)を最終濃度5ng/mlになるよう添加した。当該細胞を37℃、5%CO2雰囲気下でさらに40時間培養した。培養された細胞をPBSで2回洗浄した後、これに細胞溶解剤(東洋インキ社、カタログ番号PD10)200μlを加え細胞を剥がした。得られた細胞懸濁液を回収した後、この細胞懸濁液を遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)することにより、上清を回収した。回収された上清各50μlを96ウエルプレートに移した後、MICROLUMAT LB96P(EG&G BERTHOLD社製)を用いて、Lucアッセイ溶液(20mM Tricine(pH7.8)、2.67mM MgSO4、0.1mM EDTA、33.3mM DTT、270μM Coenzyme A、530μMATP、470μM Luciferin)50μlを当該プレートに自動分注した後、各ウエル内の発光量を測定した(Delay:1.6秒、Meas.Interval:20秒)。
一方、回収された上清または細胞溶解剤50μlを、予め96ウエルプレートに分注されたβ−gal基質溶液(5.8mM o−nitrophenyl−beta−D−galactopyranoside、1mM MgCl2、45mM 2−メルカプトエタノール)50μlに加えて37℃、2時間インキュベートした後に、マイクロプレートリーダーを用いて各ウエル内の420nmの吸光度を測定した。得られた値を基にし、次式に従って転写活性を算出した。
転写活性=[発光量(上清添加区)−発光量(細胞溶解剤添加区)]/[420nm吸光度(上清添加区)−420nm吸光度(細胞溶解剤添加区)]
コントロールの発現量を100、陽性対照の発現量を1000とした場合のI型コラーゲン遺伝子の発現量(補正ベースの相対値)が
+++:150以上を示した化合物
++ :120以上150未満の化合物
+ :100以上120未満の化合物
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞を12ウエルプレートに1ウエルあたり5x104個播き、37℃、5%CO2雰囲気下で一晩培養した。細胞をD−MEM(−)で洗浄し、D−MEM(0.1%)1mlに培地交換して本発明化合物(I)を最終濃度1μMとなるように添加した。コントロールとしては、10%DMSOを10μl添加した。また、陽性対照として、TGF−βを最終濃度5ng/mlになるよう添加した。
37℃、5%CO2雰囲気下で2日間培養した後、細胞をPBS(−)で洗浄し、RNeasy Mini kit(QIAGEN、カタログ番号74106)を用い、全RNA(約30μl)を抽出した。抽出された全RNA 5μl(50ng)に、20μMオリゴdT 1μl及びRNaseフリー蒸留水4μlを加えて65℃、5分間インキュベートした直後に氷冷した。当該溶液10μlに、5xバッファー4μl、MgCl2 2.4μl、10mM dNTP 1μl、RNasin 1μl、ImpromII 1μl、RNaseフリー蒸留水0.6μl(以上全てPromega社)を加えて25℃で5分間、42℃で1時間、70℃で15分間の条件で逆転写反応した。逆転写反応溶液5μlに、配列番号3、4で示される各10pmol/μlプライマー1.5μl、配列番号5で示されるI型コラーゲン検出用プローブ(FAM-ctactggcga aacctgtatc cgggc-TAMRA)(アプライドバイオシステム社)1.25μl、GAPDH検出用プローブ(アプライドバイオシステム社、カタログ番号4310884E)1.25μl、TaqMan Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステム社) 12.5μl及び滅菌水 2μlをOptical 96−Well Reaction Plate(アプライドバイオシステム社、カタログ番号N801−0560)のウエル中で混合した。上記と同様に、配列番号6、7で示されるプライマー及び配列番号8で示されるMMP−1検出用プローブ(FAM-ctactggcga aacctgtatc cgggc-TAMRA)(アプライドバイオシステム社)を添加した反応液を別々のウエル中で混合した。スタンダードとしては逆転写反応溶液5μlの代わりに、予め調製した正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞cDNA 500、250、125、62.5、31.25、15.625ng/μl 各5μlを用いた。その後、Gene Amp 7900(アプライドバイオシステム社)を用いて50℃で5分間の1サイクル、95℃で15秒間及び60℃で1分間の40サイクルの条件でPCR反応した。定量はスタンダード直線を作成した後、各サンプルのI型コラーゲン量、MMP−1量及びGAPDH量を算出し、次式に従ってI型コラーゲン遺伝子の発現量(即ち、転写量)及びMMP−1遺伝子の発現量(即ち、転写量)を算出した。
I型コラーゲン遺伝子の発現量(補正値)=測定されたI型コラーゲン遺伝子の発現量/GAPDH量
MMP−1遺伝子の発現量(補正値)=測定されたMMP−1遺伝子の発現量/GAPDH量
コントロールの発現量をいずれも100とした場合、
I型コラーゲン遺伝子の発現量が、
+++:140以上を示した化合物
++ :120以上140未満の化合物
+ :100以上120未満の化合物
− :100未満の化合物
MMP−1遺伝子の発現量が
+++:50以下の化合物
++ :80以下50を越える化合物
+ :100以下80を越える化合物
― :100を超える化合物
試験例2記載の培養上清50μlに、25mM酢酸p−アミノフェニル水銀(アマシャムファルマシア社、カタログ番号RPN2629)1μlを添加し、37℃、1時間インキュベートした。得られた反応液10μlを10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動した後、PVDF膜に転写(250mA、90分間)した。タンパク質が転写されたPVDF膜を5%スキムミルク溶液中で振とうさせながら30分間インキュベートした後、0.1%Tween20を含むPBS溶液(以下、PBS−Tと記す。)で洗浄し、1000倍希釈したウサギ抗I型コラーゲン抗体(Polyscience社、カタログ番号23706)を加えて室温、1時間インキュベートした。次に、PBS−Tで3回、各10分間振とうさせながら洗浄した後、1000倍希釈したヤギ抗ウサギIgG抗体−HRP(Santa Cruz社、カタログ番号sc−2004)を加えて室温、1時間インキュベートした。PBS−Tで3回洗浄した後、ECL Western Blotting Detection Reagents(アマシャムファルマシア社、カタログ番号RPN2106)を加え、ルミノ・イメージアナライザーLAS−1000plus(FUJIFILM社)を用いて約200kDa及び150kDa部分の発光を検出し、Image Gauge(FUJIFILM社)を用いて定量した。得られた値を非分解I型コラーゲンのタンパク量とした。
次に、当該PVDF膜をPBS−Tで洗浄した後に、2MグリシンーHCl溶液(pH2.8)で室温、1時間インキュベートして抗体を剥がした。PBS−Tで洗浄し、再度5%スキムミルク溶液でブロッキングした後に、1000倍希釈したウサギ抗牛血清アルブミン抗体−HRP(Capel社、カタログ番号55285)を加えて室温、1時間インキュベートした。その後に、上記と同様にしてImage Gaugeを用いて牛血清アルブミンのバンドに相当する約60kDa部分の発光を定量した。次式に従って非分解型I型コラーゲンタンパク量を算出した。
非分解型I型コラーゲンタンパク量(補正値)=測定された非分解I型コラーゲンタンパク量/牛血清アルブミンタンパク量
コントロールのタンパク量を100とした場合の非分解型I型コラーゲンタンパク量(補正値)が
+++:200以上を示した化合物
++ :150以上200未満を示した化合物
+ :100以上150未満を示した化合物
− :100未満の化合物
1)Smad3のDNA結合配列とルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するプラスミドの調製)
配列番号9で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号10で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(各10pmol/μl)を各20μlずつ混合し、ヒートブロック中で100℃、5分間保温した後に、そのまま室温まで冷却した(以下、Smad3の結合配列(SBE)を含むDNAと記す。)。
一方、ホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列を有するpGL3(Promega社、カタログ番号E1751)にTATA配列を付加したベクターを、NheI及びXhoIで消化した後、アガロースゲル電気泳動に供し、約5kbのDNAを回収した。回収されたDNAをエタノール沈殿することにより再びDNAを回収した。回収されたDNAに蒸留水44μl、Alkaline Phosphatase(宝酒造、カタログ番号2120A)に添付されたBuffer5μl及びAlkaline Phosphatase(宝酒造社、カタログ番号2120A)1μlを加えて、この混合液を65℃で30分間保温した。次に、当該混合液をフェノール・クロロホルム処理した後、エタノール沈澱することによりDNA(以下、LucベクターDNAと記す。)を回収した。次いで、上記SBEを含むDNA5μlとLucベクターDNA約20ngとを混合した後、DNA Ligation kit Ver2酵素溶液を同量添加して16℃で一昼夜保温した。当該混合液に大腸菌5Hdα(TOYOBO社、カタログ番号DNA−903)を加えて氷中に30分間放置し、次いで42℃、45秒間保温した後、得られた大腸菌を50μg/mlアンピシリンナトリウム(ナカライテスク社、カタログ番号027−39)を含むLBプレートに播種し、37℃、一昼夜放置した。出現したシングルコロニーを50μg/mlアンピシリンを含むLB培地2mlで37℃、12時間培養した。得られた培養液からAUTOMATIC DNA ISOLATION SYSTEM PI−50(KURABO社)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製されたプラスミドDNAの塩基配列をDNAシークエンサーで分析した。その結果、当該プラスミド(以下、SBE−TATA−Lucと記す。)は、Smad3の結合配列の下流に、TATA配列とホタルルシフェラーゼをコードする塩基配列が接続されてなる塩基配列を保有していることが確認された。
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞 5x105細胞を60mmディッシュに播種し、D−MEM(+)中で37℃、5%CO2雰囲気下において一晩培養した。次いで培地を、D−MEM(−)2mlに置換した。
D−MEM(−)100μlに、SBE−TATA−Luc2μg及びpCMV−β−gal2μgを加え、得られた混合液を室温で5分間放置した(溶液1)。また、D−MEM(−)100μlにLipofectine8μlを加え、得られた混合液を室温で45分間放置した(溶液2)。次に、溶液1と溶液2とを混合し、これを室温で10分間放置した後、当該混合液を前記正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞に添加した後、当該細胞を37℃、5%CO2雰囲気下で培養した。6時間後、ディッシュから培養上清を除き、細胞をD−MEM(−)で2回洗浄した後、D−MEM(0.1%)4mlを加えて1時間培養した。
このようにして培養された細胞に、化合物251のDMSO溶液を4μl添加した。コントロールとしては、DMSOを4μl、D−MEM(0.1%)を4μl添加した。当該細胞を37℃、5%CO2雰囲気下でさらに40時間培養した後に、PBSで2回洗浄し、これに細胞溶解剤150μlを加え細胞を剥がした。得られた細胞懸濁液を回収した後、この細胞懸濁液を遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)することにより、上清を回収した。回収された上清各15μlを96ウエルプレートに移した後、MICROLUMAT LB96P(EG&G BERTHOLD社製)を用いて、Lucアッセイ溶液(20mM Tricine(pH7.8)、2.67mM MgSO4、0.1mM EDTA、33.3mM DTT、270μM Coenzyme A、530μMATP、470μM Luciferin)50μlを当該プレートに自動分注した後、各ウエル内の発光量を測定した(Delay:1.6秒、Meas.Interval:20秒)。
一方、回収された上清または細胞溶解剤50μlを、予め96ウエルプレートに分注されたβ−gal基質溶液(5.8mM o−nitrophenyl−beta−D−galactopyranoside、1mM MgCl2、45mM 2−メルカプトエタノール)50μlに加えて37℃、2時間インキュベートした後に、マイクロプレートリーダーを用いて各ウエル内の420nmの吸光度を測定した。得られた値を基にし、次式に従って転写活性を算出した。
転写活性=[発光量(上清添加区)−発光量(細胞溶解剤添加区)]/[420nm吸光度(上清添加区)−420nm吸光度(細胞溶解剤添加区)]
正常ヒト胎児皮膚線維芽細胞 2x104細胞を8ウエルカルチャースライド(BD Biosciences社、カタログ番号REF354108)に播種し、D−MEM(+)中で37℃、5%CO2雰囲気下において一晩培養した。次いで培地を、D−MEM(0.1%) 0.4mlに置換して1時間培養した。その後に、化合物251を含むD−MEM(0.1%)と置換して2時間培養した。コントロールとしては、DMSOを 0.1%含むD−MEM(0.1%)を加えた。また、陽性対照として、TGF−β溶液(5ng/ml)を加えた。陽性対照としては、次に、冷PBS(−)で3回洗浄し、冷メタノール 0.4mlを加えて−30℃、20分間固定した後に、冷PBS(−)で3回洗浄し、冷PBS(−)で25倍希釈したウサギ抗Smad3抗体(Santa Cruz社、カタログ番号sc−8332)を0.4ml加え、4℃、1時間放置した。次に、冷PBS(−)で3回洗浄した後に、冷PBS(−)で50倍希釈したヤギ抗ウサギIgG−FITC(Santa Cruz社、カタログ番号sc−2012)を0.4ml加え、遮光して4℃、1時間放置した。その後に、冷PBS(−)で3回洗浄し、蛍光顕微鏡(OLYMPUS社製、IX70)観察をおこなった。
コラーゲンプロモーターDNAを増幅するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号2
コラーゲンプロモーターDNAを増幅するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号3
I型コラーゲン DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号4
I型コラーゲン DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号5
I型コラーゲン DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプローブ
配列番号6
MMP−1 DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号7
MMP−1 DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号8
MMP−1 DNAを検出するために設計されたオリゴヌクレオチドプローブ
配列番号9
Smad3のDNA結合配列を含むレポータープラスミドを作製するために設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号10
Smad3のDNA結合配列を含むレポータープラスミドを作製するために設計されたオリゴヌクレオチド
Claims (5)
- 式(I)において、Rはアルコキシ基で置換されたフェニル基であり、Xは水素原子、アルコキシ基またはハロゲン原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
- 式(I)において、Rはハロゲン原子で置換されたフェニル基であり、Xは水素原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
- 式(I)において、Rはアミノ基で置換されたフェニル基であり、Xは水素原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
- 式(I)において、Rはピリジル基であり、Xは水素原子、アルコキシ基またはハロゲン原子である請求項1に記載のトリアジノインドールアミン化合物。
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