JP4352202B2 - 吊床版橋の送出し架設工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
対向する橋台間に掛け渡されたケーブルに沿って、一方の橋台側から他方の橋台側に向けて、所定数のPC床版ユニットを送出して架設する吊床版橋の架設工法において、先頭のPC床版ユニットの先端部に、このPC床版ユニットを前記他方の橋台側に向けて引き出して送り出す送出しワイヤを連結するとともに、最後尾のPC床版ユニットの後端部に、前記一方の橋台側に向けて引張力を作用させることができる引止めワイヤを連結する、吊床版橋の送出し架設工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、橋台間に架設される橋本体を多数に分割してなるPC床版ユニットを予め工場等で製造し、現場にて接合することにより橋を構築する橋の架設方法の一例として、橋台間にケーブルを掛け渡し、このケーブルに沿って所定数のPC床版ユニットを引き出すとともに、隣接するPC床版ユニット同士を突き合わせて接合する、突き合わせ方式が用いられている。
【0003】
この方式は、図5に示すように、一方の橋台51側から他方の橋台52側に向けて順次PC床版ユニット54を送り出す際に、前方のPC床版ユニット54aに最後尾のPC床版ユニット54bを接合するが、接合キーを介して各PC床版ユニット54に設けられたシース管どうしを軸方向に合致させて、順次接合する。さらに、先頭のPC床版ユニット54aには、前記一方の橋台側に向けて引張力を作用させることができる引止めワイヤ55が連結されるとともに、最後尾のPC床版ユニット54bには、このPC床版ユニットを前記他方の橋台側に向けて引止めて送り出す送出しワイヤ56が連結されて、前記ケーブル53に沿って送り出される接合されたPC床版ユニット全体57に引張力が作用しないように、前記引止めワイヤ55と送出しワイヤ56の引張力を調節しつつ、前記一方の橋台51、及び他方の橋台52の間に所定数のPC床版ユニット54を架設する。
その後、各PC床版ユニット54に設けられたシース管にPC鋼線を挿通して緊張することにより、前記所定数のPC床版ユニット54にプレストレスを導入するものである。
【0004】
このような方法では、接合されたPC床版ユニット全体57に引張力が作用しないため、隣り合うPC床版ユニット54間に隙間が発生して目違い不陸が生じる惧れがなく、PC床版ユニット54へのプレストレスの伝達をスムーズに行うことが可能となる。また、一方の橋台51、及び他方の橋台52の間に吊り足場を必要とせず、さらには隣り合うPC床版ユニット54どうしの間を詰める際の配筋、型枠、コンクリート打設が全く必要ないので、経済的にしかも安全に架設作業を行うことができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では吊床版橋のスパンが長大化した際には、接合されたPC床版ユニット全体57に作用する二次モーメントが増大し、架設時の吊床版下面に引張応力が発生するため、架設時に作用する二次モーメントに抵抗するためにPC鋼材を追加する必要が生じる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、吊床版橋のスパンが長大化した際にも接合されたPC床版ユニット全体57に作用する二次モーメントを零にすることが可能な吊床版橋の送出し架設工法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、対向する橋台間に掛け渡されたケーブルに沿って、所定数のPC床版ユニットを送出して架設する吊床版橋の送出し架設工法であって、
一方の橋台側から他方の橋台側に向けて順次PC床版ユニットを送り出す際に、最後尾に位置するPC床版ユニットに新たに接合するPC床版ユニットを、それらPC床版ユニットに設けられたシース管同士を接合キーを用いて軸方向に合致させて、順次接合するとともに、
先頭のPC床版ユニットの先端部に、このPC床版ユニットを前記他方の橋台側に向けて引き出して送り出す送出しワイヤを連結し、
前記新たに接合するPC床版ユニットの後端部に、前記一方の橋台側に向けて引張力を作用させることができる引止めワイヤを連結し、
前記引止めワイヤと送出しワイヤの引張力を調節しつつ前記PC床版ユニットを送り出して、前記橋台間に所定数のPC床版ユニットを架設し、その後各PC床版ユニットに設けられたシース管にPCワイヤを挿通して緊張することにより、前記所定数のPC床版ユニットにプレストレスを導入することを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、引止めワイヤの取付が、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右2箇所に引止めワイヤが連結された最後尾に位置するPC床版ユニットに、新たに接合されるPC床版ユニットを順次接合し、一方の橋台側から他方の橋台側に向けて送り出す際に、新たに接合されるPC床版ユニットの後端部で、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右どちらか一方に引止めワイヤを連結し、これと同じ側で最後尾に位置するPC床版ユニットにすでに取り付けられている引止めワイヤを取りはずすとともに、新たに接合されるPC床版ユニットの後端部における左右どちらか他方にこの引止めワイヤを連結し、常に接合されたPC床版ユニット全体の後部には、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右両方に前記引止めワイヤが連結されていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に吊床版橋の送出し架設工法の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る吊床版橋の送出し架設工法は、一方の橋台1と他方の橋台2の間に掛け渡されたケーブル3に沿って送り出される接合されたPC床版ユニット全体7のうち、最後尾のPC床版ユニット4bには引止めワイヤ5が連結されるとともに、先頭のPC床版ユニット4aには、送出しワイヤ6が連結されている。
【0010】
まず、本発明に係る吊床版橋の送出し架設工法を説明する前に、その工法に使用するPC床版ユニット4について説明する。図3は、PC床版ユニット4を示す斜視図、図4は同平面図であり、これらの図において符号11はユニット本体を示す。このユニット本体11は工場等で製作されたコンクリート製のものであり、その上面には一対の凹溝12、12が平行離間して形成されている。この溝12は後述するケーブル3が挿通されるもので、該ケーブル3の長手方向に延在している。
【0011】
前記各凹溝12にはその底面に、3個の固定用治具13…が凹溝12の長手方向中央部と、両端部に着脱自在に取り付けられている。この固定用治具13は、橋台間に掛け渡されたケーブル3の所定位置に、前記ユニット本体11を固定するためのものである(図3参照)。
【0012】
その構成を示すと、凹溝12の底面でその幅方向に図示しないインサートナットが所定間隔離間して埋設されている。これらインサートナットにはそれぞれ図示しないボルトが螺合され、これらボルトを跨ぐようにして、鋼製板状の固定板16が配設され、この固定板16の左右両端部はそれぞれ前記ボルトに挿通されている。さらに、前記ボルトには固定板16を上下に挟むようにして調整ナット17が螺合されており、これら調整ナット17によって固定板16の凹溝12の底面からの高さを調整し、該固定板16をボルトの所定高さ位置に固定するようになっている(図4参照)。
【0013】
そして、上記構成の固定用治具13において、固定板16と凹溝12の底面との間に前記ケーブル3が挿通され、その所定位置で、調整ナット17により固定板16を凹溝12の底面側に移動させることによって、固定板16と凹溝12の底面とによってケーブル3、3を挟み付けることにより、PC床版ユニット4をケーブル3の所定位置に固定している(図3参照)。
【0014】
また、前記各凹溝12の底面には、2個の架設用治具14、14が、前記凹溝12の両端部に取り付けられた固定用治具13、13の内側に隣接して、着脱自在に取り付けられている。この架設用治具14は、前記ユニット本体11を前記ケーブル3に移動自在に支持するためのものである(図3参照)。
【0015】
その構成は、前記凹溝12の幅方向両端部に、対をなす支持ブロック26、26と、これらの中央部に支持板27が立設されている。前記対をなす支持ブロック26、26間には、円柱状の支持ロッド28が凹溝12の底面と平行にかつ支持板27を貫通して配設され、この支持ロッド28はその両端部が支持ブロック26、26に支持固定され、中央部が支持板27に支持固定されている(図4参照)。
【0016】
前記支持ロッド28には、一方の支持ブロック26と支持板27との間、および他方の支持ブロック26と支持板27との間において、それぞれ滑車15、15が外挿されており、各滑車15の両端面中央部には、該滑車15を支持ロッド28回りに回転自在に支持する図示しないベアリングが嵌入されている。そして、前記ケーブル3、3は滑車15、15と凹溝12の底面との間に挿通され、該ケーブル3、3上を滑車15、15が転動することによって、前記ユニット本体11がケーブル3上に沿って移動するようになっている(図3参照)。
【0017】
また、前記ユニット本体11には、図3、図4に示すように、前記凹溝12、12の間において当該凹溝12と平行に延びる7本のシース管23と、凹溝12、12の外側において当該凹溝12、12と平行に延びる2本のシース管23、23とがユニット本体11を貫通して設けられている。さらに、図3に示すように、ユニット本体11の端面には、連結ボルト19を挿通するためのスリーブ20、20が設けられている。
【0018】
このスリーブ20の一方の開口端面はユニット本体11の端面と面一にされ、他方の開口端面はユニット本体11の上面に形成された孔21に開口している。そして、連結ボルト19によって隣り合うユニット本体11どうしを接合する場合には、一方のユニット本体11に連結ボルト19を該ユニット本体11の端面から突出させて挿通しておき、隣り合うユニット本体11どうしの端面を突き合わせるとともに、突出している連結ボルト19を他方のユニット本体11の端面に挿通して、連結ボルト19に、前記孔21から支圧板19aとナット22を取り付けて締め付けることにより行う。
【0019】
さらに、図3、図4に示すように、隣り合うユニット本体11どうしの突き合わされる一方の端面には、オス型のキー18aがその端部をユニット本体11の端面から突出させて埋設されており、他方の端面には前記オス型のキー18a,18aに凹凸嵌合するメス型のキー18b,18bがその孔をユニット本体11の端面に開口させて埋設されている。そして、これらオス型とメス型のキー18a,18bからなる接合キー18では、ユニット本体11、11どうしを接合する際に、オス型のキー18aとメス型のキー18bを嵌合することによって、前記軸方向に対向するシース管23、23が互いの軸線を合致して突き合わされるようになっている。
【0020】
また、前記ユニット本体11には、図4に示すように、凹溝12、12の底面にそれぞれ2個ずつ吊り治具30が設けられている。この吊り治具30はユニット本体11を、橋の構築現場にてケーブル3が掛け渡された所定の高さまで、吊り上げるためのものであり、クレーン等のフックが係合され、ユニット本体11が所定の位置にセットされた後は、取り外されるものである。なお、ユニット本体11の凹溝12、12より外側の上面には、橋の欄干を設置するための、設置孔24が所定間隔で形成されている(図3参照)。
【0021】
次に、上記構成のPC床版ユニット4を用いた吊床版橋の送出し架設工法について説明する。まず、橋を架設するための橋台(一方の橋台1、他方の橋台2)を構築する。次に、一方の橋台1の内側に、PC床版ユニット4の連結組立作業をするための足場8を組み立てる。この足場8は、一方の橋台1より側方に突出して、PC床版ユニット4が仮置きされる図示しない仮置き場を備えている(図1(a)参照)。
【0022】
次に、一方の橋台1、他方の橋台2の間に、4本のケーブル3を掛け渡し、それらの両端部を橋台1、2の所定の位置に固定する。これらケーブル3はPC床版ユニット4を一方の橋台1から他方の橋台2に向けて順次送り出すためのもので、通常、鋼撚り線で形成されている。また、ケーブル3は下凸になるように若干弛ませておく(図1(a)参照)。
【0023】
次に、現場に搬入されたPC床版ユニット4を、クレーン等によって吊り上げて仮置き場に載置する。この時、PC床版ユニット4には前記固定用治具13と架設用治具14は取り付けられていない。そして、仮置き場に載置されたPC床版ユニット4を、ケーブル3の下方位置8aに、当該ケーブル3とPC床版ユニット4の上面に形成された凹溝12、12とが対向するようにして搬入すると、PC床版ユニット4を若干上昇させて前記凹溝12、12にケーブル3をそれぞれ2本ずつ、かつケーブル3が凹溝12、12の底面に接する直前位置まで挿入する。このPC床版ユニット4の搬入、上昇作業は、例えば、足場8にコンベアとリフト装置とを設置して行えばよい。
【0024】
凹溝12、12にケーブル3が挿入されたならば、前記固定用治具13と架設用治具14とを凹溝12、12の底面の所定位置に所定個数取り付ける。この際、架設用治具14の滑車15、15の外周底面が、固定用治具13の固定板16より下方になるようにセットする。また、先頭のPC床版ユニット4aの上面には、先端部の左右の2箇所に左フック29a、右フック29bを取り付けるとともに、前記他方の橋台2の上面に設置された巻き取りコイル9に、巻き取り自在に巻き付けられた第1の送出しワイヤ6a、第2の送出しワイヤ6bの先端を前記左フック29a、右フック29bに連結する。
なお、送出しワイヤ6はPC床版ユニット4を他方の橋台2側に向けて引き出して送り出すものであり、巻き取りコイル9によりその引張力が調整できるようになっている。
また、先頭のPC床版ユニット4aの上面で後端部の左右に左フック29c、右フック29dを取り付けるとともに、前記一方の橋台1の上面に設置された巻き出しコイル10に巻き出し自在に巻き付けられた第1の引止めワイヤ5a、第2の引止めワイヤ5bの先端を前記左フック29c、右フック29dに連結する(図2(a)参照)。
【0025】
その後、リフト装置を降下させることによって、前記滑車15、15にケーブル3が下方から接し、これによって、先頭のPC床版ユニット4aはケーブル3に、当該ケーブル3と固定板16とが接しない状態で吊り下げられる。この際、先頭のPC床版ユニット4aは、第1の引止めワイヤ5a、第2の引止めワイヤ5bによりケーブル3に沿う下り移動が防止される。また、前記仮置き場に次に取り付ける後方に位置するPC床版ユニット4bを吊り上げて載置しておく。
【0026】
次に、第1の引止めワイヤ5a、第2の引止めワイヤ5bを巻き出すとともに、第1の送出しワイヤ6a、第2の送出しワイヤ6bを巻き取り、先頭のPC床版ユニット4aを自重によって1ピッチ(PC床版ユニット4の長さ分)だけケーブル3に沿って移動させる。この移動は、前記滑車15がケーブル3上を転動することにより行われるので、摩擦が殆どなく、スムーズに行われる。そして、前記仮置き場8aに載置された次の最後尾のPC床版ユニット4bを上記と同様にしてケーブル3に吊り下げた後、前方に位置する先頭のPC床版ユニット4aに以下のようにして接合する。
【0027】
隣り合う先頭のPC床版ユニット4a、及び最後尾のPC床版ユニット4bの端面どうしを突き合わせた接合面にエポキシ系の樹脂(接着剤)を塗布した後、接合キー18を合わせ、その後、先頭のPC床版ユニット4aの端面から連結ボルト19を出させて挿通し、この先頭のPC床版ユニット4aと最後尾のPC床版ユニット4bの端面を突き合わせ、突出している連結ボルト19を最後尾のPC床版ユニット4bの端面に挿通して、この連結ボルト19の両端に、各PC床版ユニット4に形成された孔21から支圧板19aとナット22を取り付けて締め付けることにより、隣り合う先頭のPC床版ユニット4a、及び最後尾のPC床版ユニット4bは、その間の目違い不陸が生じることなく、確実かつ強固に接合される。また、この接合の際には、隣り合うPC床版ユニット4にそれぞれ埋設貫通されたシース管23は軸方向に合致する(図4参照)。
【0028】
一方、最後尾のPC床版ユニット4bの上面における後端部に、左フック29e、右フック29fを取り付け、一方の橋台1の上面に設置された巻き出しコイル10に、巻き出し自在に巻き付けられた第3の引止めワイヤ5cの先端を前記右フック29fに連結する(図2(b)参照)。次に第2の引止めワイヤ5bを先頭のPC床版ユニット4aの前右フック29fから取り外し、最後尾のPC床版ユニット4bの前記左フック29eにかけ直す(図2(c)参照)。
これら第1の引止めワイヤ5a、第2の引止めワイヤ5b、第3の引止めワイヤ5cは、PC床版ユニット4が自重によって、ケーブル3に沿って下り移動するのを引止めるものであり、巻き出しコイル10によって、PC床版ユニット4を一方の橋台1側に引っ張る引張力を調整できるようになっている。
【0029】
次に、隣り合う先頭のPC床版ユニット4a、最後尾のPC床版ユニット4bどうしの接合が終了したならば、第1の送出しワイヤ6a、第2の送出しワイヤ6bを他方の橋台2側に巻き取るとともに、第1の引止めワイヤ5a、第2の引止めワイヤ5b、第3の引止めワイヤ5cを巻き出して、接合されたPC床版ユニット全体7を1ピッチだけ移動させ、同時に、さらに新たに接合されるPC床版ユニット4cを仮置き場に載置する。その後、上記と同様にしてこの新たに接合されるPC床版ユニット4cを先の最後尾のPC床版ユニット4bに接合するとともに(図2(d)参照)、先頭のPC床版ユニット4aに連結されている第1の引止めワイヤ5aを、新たに接合されるPC床版ユニット4cの右フック29hに連結するとともに(図2(e)参照)、最後尾のPC床版ユニット4bに連結されていた第3の引止めワイヤ5cを新たに接合されるPC床版ユニット4cの左フック29gに連結する。
【0030】
なお、本実施例では引き止めワイヤ5を3本用いたが、本数はこれに限ることなく、さらに該引き止めワイヤ5の架け替え順序についても左右どちらからでも良い。さらに、前記フック29の設置位置は、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にした左右に最低1箇所づつ取り付けられていれば、個数や位置もこれに限るものではない。
【0031】
このような隣り合うPC床版ユニット4を接合するとともに引止めワイヤ5を連結していく工程と、さらに次に接合するPC床版ユニット4を仮置き場に載置して、ケーブル3に吊り下げる工程とを所定回数繰り返し行うことによって、一方の橋台側1から他方の橋台2側に向けて順次PC床版ユニット4を接合しつつ送り出す。
【0032】
このPC床版ユニット4の送出しの際においては、前記引止めワイヤ5と送出しワイヤ6とを、ケーブル3…に沿って送り出される接合されたPC床版ユニット全体7に過度な引張力が作用しないように、各ワイヤの引張力を巻き出しコイル10、巻き取りコイル9によって調節しつつ行う。一方の橋台1からケーブル3の長手方向中央部までは、下り移動になるので引止めワイヤ5の引張力を、送出しワイヤ6の引張力より大きくし(図1(b)参照)、逆にケーブル3…の中央部から他方の橋台2までは上り移動になるので(図1(c)参照)、送出しワイヤ6の引張力を、引止めワイヤ5の引張力より大きく設定する。
【0033】
このようにして、所定数のPC床版ユニット4…を一方の橋台1及び他方の橋台2間に送出した後、ケーブル3…を緊張して、接合されたPC床版ユニット全体7の中央部が両端部より所定のサグ量fだけ下方になるように配置し、各PC床版ユニット4に取り付けられた固定治具13の固定板16を図示しない調整ナットによって締め付けて、ケーブル3を固定板16と凹溝12の底面とによって挟み付け、これによって接合されたPC床版ユニット全体7をケーブル3…の所定位置に固定する。
【0034】
次に、一方の橋台1及び他方の橋台2に上記多数の接合されたPC床版ユニット全体7の先頭と最後尾を連結するための、図示しない連結部を通常の現場打ちコンクリートにて形成する。この場合、他方の橋台2に作業用の足場を組み立てるが、これは、連結部を形成する前であれば、どの時期に行ってもよい。その後、前記連結部に接合されたPC床版ユニット全体7の先頭と最後尾を連結するが、この連結は、隣り合うPC床版ユニット4どうしの連結の場合と同様に、連結ボルトと接着剤とによって行ってもよいし、他の方法を用いて行ってもよい。また、移動の際に使用した架設用治具14はPC床版ユニット4…から全て取り外す。
【0035】
次に、一方の橋台1及び他方の橋台2に連結された前記接合されたPC床版ユニット全体7の上面に、図1において波線で示すように、凹溝12を埋めるようにしてコンクリートを打設し該接合されたPC床版ユニット全体7の上面を平坦にし、最後にPC床版ユニット4に埋設貫通されたシース管23にPCワイヤ25を挿通して緊張することにより、これらPC床版ユニット4にプレストレスを導入することによって、橋の架設を終了する。
【0036】
なお、前記引止めワイヤ5、送出しワイヤ6はPC床版ユニット4の送出しが完了した時点の後、適当な時期に撤去する。また、前記ではPC床版ユニット41を送り出す前に固定用治具13を取り付けたが、この固定用治具13は送出しが完了した時点で取り付けてもよい。
【0037】
上述する構成によれば、送出しワイヤ6が前記接合されたPC床版ユニット全体7の先頭に連結されるとともに、最後尾に引止めワイヤ5が連結されるため、PC床版ユニット全体7に曲げモーメントが作用しないため、架設時の抵抗に耐えることを目的としたPCワイヤ25の追加等を行う必要がない。
【0038】
前記接合されたPC床版ユニット全体7の先頭には、ケーブル3の連結方向から見て常に左右に2本の送出しワイヤ6が連結されているとともに、最後尾には3本の引止めワイヤ5を用いることにより常に左右にそれぞれ少なくとも1本の引止めワイヤ5が連結されているため、引止めワイヤ5の架け替え時にも常にケーブル3の連結方向から見て左右に引止めワイヤ5が連結されていることから、接合されたPC床版ユニット全体7に対して、ねじれの作用を防止することができる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載の吊床版橋の送出し架設工法によれば、対向する橋台間に掛け渡されたケーブルに沿って、所定数のPC床版ユニットを送出して架設する吊床版橋の送出し架設工法であって、一方の橋台側から他方の橋台側に向けて順次PC床版ユニットを送り出す際に、最後尾に位置するPC床版ユニットに新たに接合するPC床版ユニットを、それらPC床版ユニットに設けられたシース管同士を接合キーを用いて軸方向に合致させて、順次接合するとともに、先頭のPC床版ユニットの先端部に、このPC床版ユニットを前記他方の橋台側に向けて引き出して送り出す送出しワイヤを連結し、前記新たに接合するPC床版ユニットの後端部に、前記一方の橋台側に向けて引張力を作用させることができる引止めワイヤを連結し、前記引止めワイヤと送出しワイヤの引張力を調節しつつ前記PC床版ユニットを送り出して、前記橋台間に所定数のPC床版ユニットを架設し、その後各PC床版ユニットに設けられたシース管にPCワイヤを挿通して緊張することにより、前記所定数のPC床版ユニットにプレストレスを導入することから、送出しワイヤが前記接合されたPC床版ユニット全体の先頭に連結されるとともに、最後尾に引止めワイヤが連結されるため、PC床版ユニット全体に曲げモーメントが作用しないため、架設時の抵抗に耐えることを目的としたPCワイヤの追加等を行う必要がない。
【0040】
請求項2記載の吊床版橋の送出し架設工法によれば、引止めワイヤの取付が、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右2箇所に引止めワイヤが連結された最後尾に位置するPC床版ユニットに、新たに接合されるPC床版ユニットを順次接合し、一方の橋台側から他方の橋台側に向けて送り出す際に、新たに接合されるPC床版ユニットの後端部で、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右どちらか一方に引止めワイヤを連結し、これと同じ側で最後尾に位置するPC床版ユニットにすでに取り付けられている引止めワイヤを取りはずすとともに、新たに接合されるPC床版ユニットの後端部における左右どちらか他方にこの引止めワイヤを連結し、常に接合されたPC床版ユニット全体の後部には、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右両方に前記引止めワイヤが連結されていることから、前記接合されたPC床版ユニット全体の先頭には、ケーブルの連結方向から見て常に左右に2本の送出しワイヤが連結されているとともに、最後尾には3本の引止めワイヤを用いることにより常に左右にそれぞれ少なくとも1本の引止めワイヤが連結されているため、引止めワイヤの架け替え時にも常にケーブルの連結方向から見て左右に引止めワイヤが連結されており、接合されたPC床版ユニット全体に対して、ねじれの作用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る吊床版橋の送出し架設工法の詳細を示す図である。
【図2】 本発明に係るPC床版ユニットに連結する引止めワイヤの連結方法の詳細を示す図である。
【図3】 本発明に係るPC床版ユニットの詳細を示す図である。
【図4】 本発明に係るPC床版ユニットの詳細を示す図である。
【図5】 従来の吊床版橋の送出し架設工法を示す図である。
【符号の説明】
1 一方の橋台
2 他方の橋台
3 ケーブル
4 PC床版ユニット
4a 先頭のPC床版ユニット
4b 最後尾のPC床版ユニット
4c 新たに接合されるPC床版ユニット
5 引止めワイヤ
5a 第1の引止めワイヤ
5b 第2の引止めワイヤ
5c 第3の引止めワイヤ
6 送出しワイヤ
6a 第1の送出しワイヤ
6b 第2の送出しワイヤ
7 接合されたPC床版ユニット全体
8 足場、仮置き場
9 巻き取りコイル
10 巻き出しコイル
11 ユニット本体
12 凹溝
13 固定用治具
14 架設用治具
15 滑車
16 固定板
17 調整ナット
18 接合キー
18a オス型キー
18b メス型キー
19 連結ボルト
19a 支圧板
20 スリーブ
21 孔
22 ナット
23 シース管
24 設置孔
25 PCワイヤ
26 支持ブロック
27 支持板
28 支持ロッド
29a フック
29b フック
29c フック
29d フック
29e フック
29f フック
30 吊り治具
51 一方の橋台
52 他方の橋台
53 ケーブル
54 PC床版ユニット
54a 先頭のPC床版ユニット
54b 最後尾のPC床版ユニット
55 引止めワイヤ
56 送出しワイヤ
57 接合されたPC床版ユニット全体

Claims (2)

  1. 対向する橋台間に掛け渡されたケーブルに沿って、所定数のPC床版ユニットを送出して架設する吊床版橋の送出し架設工法であって、
    一方の橋台側から他方の橋台側に向けて順次PC床版ユニットを送り出す際に、最後尾に位置するPC床版ユニットに新たに接合するPC床版ユニットを、それらPC床版ユニットに設けられたシース管同士を接合キーを用いて軸方向に合致させて、順次接合するとともに、
    先頭のPC床版ユニットの先端部に、このPC床版ユニットを前記他方の橋台側に向けて引き出して送り出す送出しワイヤを連結し、
    前記新たに接合するPC床版ユニットの後端部に、前記一方の橋台側に向けて引張力を作用させることができる引止めワイヤを連結し、
    前記引止めワイヤと送出しワイヤの引張力を調節しつつ前記PC床版ユニットを送り出して、前記橋台間に所定数のPC床版ユニットを架設し、その後各PC床版ユニットに設けられたシース管にPCワイヤを挿通して緊張することにより、前記所定数のPC床版ユニットにプレストレスを導入することを特徴とする吊床版橋の送出し架設工法。
  2. 請求項1記載の吊床版橋の送出し架設工法において、引止めワイヤの取付は、
    PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右2箇所に引止めワイヤが連結された最後尾に位置するPC床版ユニットに、新たに接合されるPC床版ユニットを順次接合し、一方の橋台側から他方の橋台側に向けて送り出す際に、新たに接合されるPC床版ユニットの後端部で、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右どちらか一方に引止めワイヤを連結し、これと同じ側で最後尾に位置するPC床版ユニットにすでに取り付けられている引止めワイヤを取りはずすとともに、新たに接合されるPC床版ユニットの後端部における左右どちらか他方にこの引止めワイヤを連結し、常に接合されたPC床版ユニット全体の後部には、PC床版ユニットの送り出し方向における中心軸を境にして、左右両方に前記引止めワイヤが連結されていることを特徴とする吊床版橋の送出し架設工法。
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