JP4351126B2 - 配線回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線回路基板およびその製造方法、詳しくは、電子機器などに用いられる配線回路基板およびその製造方法に関する。
フレキシブル配線回路基板などの配線回路基板は、通常、ベース絶縁層と、そのベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、その導体パターンを被覆するようにベース絶縁層の上に形成されるカバー絶縁層とを備えている。
このような配線回路基板では、導体パターンが、カバー絶縁層から部分的に露出されており、その露出部分が、外部端子と接続するための接続端子部とされている。
このような接続端子部には、外部端子との接続信頼性を向上させるため、あるいは、腐食防止のために、その表面に、ニッケルめっき層や金めっき層などの金属めっき層を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−185133号公報
しかし、このような配線回路基板では、金属めっき層の形成時において、金属めっき層とベース絶縁層との界面にめっき液が浸入し、そのめっき液が残留して、めっき液中の塩素イオンなどのイオン性不純物が残渣として残存することがある。そのような残渣が残存すると、高温高湿下において、長期にわたって通電すると、絶縁不良を生じる場合がある。
本発明の目的は、金属めっき層と絶縁層との間に、めっき液が残留することを抑制して、イオン性不純物が残渣として残存することを防止でき、その結果、高温高湿下において、長期にわたって通電しても、絶縁不良を低減することのできる、配線回路基板およびその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の配線回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された導体パターンとを備える配線回路基板において、前記導体パターンは、端子部を含み、前記端子部の上面および両側面には、金属めっき層が形成されており、前記絶縁層は、前記端子部と上下方向に対向する端子部対向部分と、前記金属めっき層と上下方向に対向する金属めっき層対向部分とを備え、前記金属めっき層対向部分の厚みが、前記端子部対向部分の厚みより、薄く形成され、前記金属めっき層と前記絶縁層とは、前記端子部の両側面に形成される前記金属めっき層の下端縁の底面と、前記金属めっき層対向部分の上面との間に隙間が形成されるように、形成されていることを特徴としている。
さらに、本発明の配線回路基板は、前記端子部が、互いに間隔を隔てて複数設けられており、前記絶縁層は、各前記端子部の間の厚みと、前記金属めっき層対向部分の厚みとが、実質的に同一厚みとなるように、形成されていることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法は、ベース絶縁層を用意する工程、端子部を含む導体パターンを、前記ベース絶縁層の上に形成する工程、前記ベース絶縁層における前記端子部から露出する端子部非対向部分を、その厚みが、前記ベース絶縁層における前記端子部と上下方向に対向する端子部対向部分の厚みよりも薄くなるようにエッチングする工程、および、前記端子部の上面および両側面に、前記端子部の両側面に形成される金属めっき層の下端縁の底面と、前記端子部非対向部分の上面との間に隙間が形成されるように、金属めっき層を形成する工程を備えていることを特徴としている。
本発明の配線回路基板によれば、金属めっき層と絶縁層とが、それらの対向方向において、間隔を隔てて設けられている。そのため、この配線回路基板では、金属めっき層の形成時において、金属めっき層と絶縁層との間にめっき液が浸入しても、そのめっき液を残留させずに浸出させることができる。そのため、金属めっき層と絶縁層との間に、めっき液中のイオン性不純物が残渣として残存することを、防止することができる。その結果、高温高湿下において、長期にわたって通電しても、絶縁不良を低減することができる。
図1は、本発明の配線回路基板としてのフレキシブル配線基板の一実施形態であって、(a)は要部平面図、(b)は(a)のA−A´線断面図、(c)は(a)のB−B´線要部断面図を示す。
このフレキシブル配線回路基板1は、長手方向に延びる帯板状に形成され、図1(b)に示すように、絶縁層としてのベース絶縁層2と、そのベース絶縁層2の上に形成された導体パターン3と、その導体パターン3を被覆するように、ベース絶縁層2の上に形成されたカバー絶縁層4とを備えている。
また、図1(a)に示すように、ベース絶縁層2は、その長手方向一端部が平面視略矩形状に形成されており、導体パターン3は、そのベース絶縁層2の上に、複数の配線3a、3b、3cおよび3dのパターンとして形成されている。
各配線3a、3b、3cおよび3dは、このフレキシブル配線回路基板1の長手方向に沿って、フレキシブル配線回路基板1の長手方向一端縁の近傍まで延び、かつ、幅方向(フレキシブル配線回路基板1の長手方向と直交する方向)において、互いに間隔を隔てて並列配置されるように、形成されている。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2の上に、フレキシブル配線回路基板1の長手方向一端縁から、長手方向他端側に向かって間隔を隔てた位置において、長手方向他端側に向かって複数の配線3a、3b、3cおよび3dを被覆するように形成されている。
すなわち、フレキシブル配線回路基板1の長手方向一端縁からカバー絶縁層4の長手方向一端縁までの間は、カバー絶縁層4が形成されておらず、ベース絶縁層2および複数の配線3a、3b、3cおよび3dが、カバー絶縁層4から露出されており、各配線3a、3b、3cおよび3dの露出部分が、平面視略矩形状の端子部5とされている。
また、各端子部5の表面(露出している上面、幅方向両側面および長手方向一側面)には、金属めっき層6が形成されている。
そして、このフレキシブル配線回路基板1では、図1(c)に示すように、各端子部5において、各端子部5を被覆する金属めっき層6の下端縁の底面7と、その底面7に対して上下方向に対向するベース絶縁層2の金属めっき層対向部分8とが、隙間9が形成されるように、間隔を隔てて設けられている。
次に、このようなフレキシブル配線回路基板1の製造方法について、図2を参照して説明し、併せて上記した配置を詳述する。
この方法では、まず、図2(a)に示すように、ベース絶縁層2を用意する。ベース絶縁層2は、フレキシブル配線回路基板1のベース絶縁層2として用いられるものであれば、特に制限されず、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂のフィルムが用いられる。耐熱性の観点からは、好ましくは、ポリイミド樹脂フィルムが用いられる。ベース絶縁層2の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
次いで、この方法では、図(b)に示すように、ベース絶縁層2の上に、導体パターン3を形成する。導体パターン3の形成は、特に制限されず、例えば、アディティブ法やサブトラクティブ法など、公知のパターンニング法が用いられる。
すなわち、アディティブ法では、まず、ベース絶縁層2の全面に、種膜となる金属薄膜を形成する。金属薄膜は、クロム、ニッケル、銅およびこれらの合金などから、スパッタリング法などの薄膜形成法を用いて、形成することができる。次いで、その金属薄膜の表面に、導体パターン3に対する反転パターンで、めっきレジストを形成する。めっきレジストは、ドライフィルムレジストなどを用いて、公知の方法により形成することができる。その後、めっきレジストから露出するベース絶縁層2の表面に、導体パターン3を形成する。導体パターン3は、銅などから、電解めっきにより形成することができる。その後、めっきレジストをエッチングまたは剥離により除去し、導体パターン3から露出する金属薄膜をエッチングにより除去する。
また、サブトラクティブ法では、まず、ベース絶縁層2の全面に、必要により接着剤層を介して、銅箔などの金属箔を積層する。なお、予め金属箔の上にベース絶縁層2が積層されている公知の二層基材を用いることもできる。次いで、その金属箔の表面に、導体パターン3に対応するパターンで、エッチングレジストを形成する。エッチングレジストは、ドライフィルムレジストなどを用いて、公知の方法により形成することができる。その後、エッチングレジストから露出する金属箔をエッチングする。その後、エッチングレジストをエッチングまたは剥離により除去する。
上記の方法によって、導体パターン3が、上記した複数の配線3a、3b、3cおよび3dからなるパターンとして形成される。なお、複数の配線3a、3b、3cおよび3dの幅は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmであり、互いに隣接する間隔は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmである。また、導体パターン3の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
次いで、この方法では、図2(c)に示すように、ベース絶縁層2における導体パターン3から露出する部分(つまり、ベース絶縁層2における導体パターン3が形成されていない部分であって、以下、導体パターン非形成部分10とする。)を、その導体パターン非形成部分10の厚みが、ベース絶縁層2における導体パターン3が形成されている部分(以下、導体パターン形成部分11とする。)の厚みよりも、薄くなるようにエッチングする。
導体パターン非形成部分10をエッチングするには、例えば、ウエットエッチングなどの化学エッチングや、プラズマエッチングなどの物理エッチングが用いられる。このエッチングにおいては、導体パターン3が、エッチングに対するレジストとされる。
また、このエッチングにおいて、導体パターン非形成部分10の薄層化率(エッチング前の厚みに対する、エッチングにより除去した厚みの比率)は、10〜50%である。
そして、この方法では、図2(d)に示すように、カバー絶縁層4を形成する。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2と同様の合成樹脂が用いられる。好ましくは、上記した合成樹脂において、感光性樹脂であるもの、さらに好ましくは、感光性ポリイミド前駆体樹脂(ポリアミック酸樹脂)が用いられる。
カバー絶縁層4の形成は、例えば、感光性樹脂のワニスを、導体パターン3を含むベース絶縁層2の全面に塗布した後、フォトマスクを介して露光し、その後、現像することにより、フレキシブル配線回路基板1の長手方向一端部において、ワニスからベース絶縁層2および導体パターン3が露出するように(つまり、フレキシブル配線回路基板の長手方向一端部にカバー絶縁層4が形成されないように)パターニングする。
そして、ワニスを乾燥後、加熱により硬化させれば、ベース絶縁層2の上に、導体パターン3を被覆するカバー絶縁層4が、フレキシブル配線回路基板1の長手方向一端部には形成されないように、形成される。
また、カバー絶縁層4は、感光性樹脂を用いなくとも、例えば、予め外形加工した合成樹脂のフィルムを、必要により接着剤層を介して、導体パターン3を含むベース絶縁層2の上に、フレキシブル配線回路基板1の長手方向一端部を被覆しないように、貼着することにより、形成することもできる。
また、カバー絶縁層4の厚み(接着剤層が介在する場合には、その接着剤層の厚みを含む。)は、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜30μmである。
これによって、フレキシブル配線回路基板1の一端部において、カバー絶縁層4から露出する導体パターン3の各配線3a、3b、3cおよび3dの露出部分が、平面視略矩形状の端子部5とされる。
また、ベース絶縁層2における端子部5が形成されている部分(つまり、フレキシブル配線回路基板1の一端部において、カバー絶縁層4から露出し、端子部5により被覆されるベース絶縁層2の導体パターン形成部分11)が、端子部対向部分12とされる。
また、ベース絶縁層2における端子部5が形成されていない部分(つまり、フレキシブル配線回路基板1の一端部において、カバー絶縁層4から露出するベース絶縁層2の導体パターン非形成部分10)が、端子部非対向部分13とされる。
つまり、この端子部非対向部分13は、フレキシブル配線回路基板1の一端部における、カバー絶縁層4が形成されておらず、かつ、端子部5が形成されていないベース絶縁層2のすべての部分であって、互いに間隔を隔てて配置される各端子部5の間の部分や、金属めっき層対向部分8が含まれる。なお、各端子部5の間の部分や金属めっき層対向部分8を含む端子部非対向部分13は、同一厚みで形成されている。
この端子部非対向部分13は、上記した図2(c)の工程において、導体パターン非形成部分10の厚みが、導体パターン形成部分11の厚みよりも、薄くなるようにエッチングされていることから、端子部対向部分12の厚みよりも、薄い厚みとされている。
次いで、この方法では、図2(e)に示すように、各端子部5の表面(露出している上面、幅方向両側面および長手方向一側面)に、金属めっき層6を形成して、フレキシブル配線回路基板1を得る。
金属めっき層6は、例えば、金やニッケルなどからなり、例えば、電解めっきや無電解めっきなどのめっきにより形成する。好ましくは、無電解金めっきや無電解ニッケルめっきが用いられる。金属めっき層6の厚みは、例えば、金めっき層である場合には、例えば、0.1〜1μm、ニッケルめっき層である場合には、例えば、0.5〜5μmである。
そして、このようにして各端子部5の表面に金属めっき層6が形成されると、ベース絶縁層2の端子部対向部分12の厚みが、端子部非対向部分13の厚みよりも厚く形成されていることから、各端子部5を被覆する金属めっき層6の下端縁の底面7と、その底面7に対して上下方向に対向する端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8とが、隙間9が形成されるように、間隔を隔てて配置される。
そのため、このフレキシブル配線回路基板1では、図1(c)に示すように、金属めっき層6の形成時において、金属めっき層6の下端縁の底面7と端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8との間の隙間9に、めっき液が浸入しても、その隙間9により、金属めっき層6の下端縁の底面7と端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8との間に十分な間隔が確保されているので、そのめっき液を残留させずに浸出させることができる。
そのため、金属めっき層6の下端縁の底面7と端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8との間に、めっき液中のイオン性不純物が残渣として残存することを、防止することができる。その結果、このフレキシブル配線回路基板1を、高温高湿下に配置して、長期にわたって通電しても、絶縁不良を低減することができる。
また、このフレキシブル配線回路基板1では、導体パターン非形成部分10の厚みを、導体パターン形成部分11の厚みよりも、薄くなるようにエッチングして、ベース絶縁層2の端子部対向部分12の厚みが、端子部非対向部分13の厚みよりも厚くなるように形成することによって、各端子部5を被覆する金属めっき層6の下端縁の底面7と、端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8の間に、隙間9を形成している。そのため、簡易な方法により、各端子部5を被覆する金属めっき層6の下端縁の底面7と、端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8の間に隙間9を形成して、めっき液中のイオン性不純物が残渣として残存することを、防止している。
また、図2に示す方法では、導体パターン非形成部分10の厚みを、導体パターン形成部分11の厚みよりも、薄くなるようにエッチングした後に、カバー絶縁層4を形成するので、後述する方法のように、カバー絶縁層14に対して保護層14を形成しその後除去する工程や、カバー絶縁層を予め厚く形成する必要がなく、工程の簡略化を図ることができる。
また、図2に示す方法では、導体パターン非形成部分10の厚みを、導体パターン形成部分11の厚みよりも、薄くなるようにエッチングした後に、カバー絶縁層4を形成したが、例えば、図3に示す方法のように、カバー絶縁層4を形成した後に、端子部非対向部分13の厚みを、端子部対向部分12の厚みよりも、薄くなるようにエッチングして、フレキシブル配線回路基板1を得ることもできる。
すなわち、図3に示す方法では、図2に示す方法と同様に、ベース絶縁層2を用意して(図3(a)参照)、そのベース絶縁層2の上に、導体パターン3を形成した後に(図3(b)参照)、まず、図3(c)に示すように、カバー絶縁層4を形成する。カバー絶縁層4の形成は、上記と同様の方法が用いられる。
次いで、この方法では、図3(d)に示すように、カバー絶縁層4の表面に、保護層14を形成する。保護層14は、特に制限されず、例えば、感光性レジストなどを用いて、カバー絶縁層4の表面を被覆するように形成する。なお、保護層14の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
そして、この方法では、図3(e)に示すように、ベース絶縁層2における端子部非対向部分13を、端子部非対向部分13の厚みが、端子部対向部分12の厚みよりも、薄くなるように、エッチングする。端子部非対向部分13のエッチングは、上記した導体パターン非形成部分10のエッチングと同様の方法が用いられる。
その後、この方法では、図3(f)に示すように、保護層14を、エッチングまたは剥離により除去した後、図3(g)に示すように、上記と同様に、各端子部5の表面に、金属めっき層6を形成して、フレキシブル配線回路基板1を得る。
なお、保護層14の材料や厚みを、図3(e)に示す工程において、端子部非対向部分13のエッチングと同時にエッチングにより除去できるように選定しておけば、図3(f)に示す保護層14の除去工程を省略することができる。
このように、図3に示す方法によれば、ベース絶縁層2におけるカバー絶縁層4が形成されている部分の厚みを薄くすることなく、ベース絶縁層2の端子部非対向部分13の厚みを、端子部対向部分12の厚みよりも薄く形成して、各端子部5を被覆する金属めっき層6の下端縁の底面7と、端子部非対向部分13の金属めっき層対向部分8の間に、隙間9を形成することができる。
また、図3に示す方法では、カバー絶縁層4を保護層14によって被覆するので、カバー絶縁層4を、エッチングされやすい材料から形成することができる。
また、図4に示す方法のように、カバー絶縁層4の厚みを、より厚く形成することにより、保護層14を形成しその後除去する工程を省略することもできる。
すなわち、図4に示す方法では、図3に示す方法と同様に、ベース絶縁層2を用意して(図4(a)参照)、そのベース絶縁層2の上に、導体パターン3を形成した後に(図4(b)参照)、図4(c)に示すように、カバー絶縁層4を、厚く形成する。カバー絶縁層4の形成は、上記と同様の方法が用いられる。また、カバー絶縁層4の厚みは、上記したカバー絶縁層4の厚みに対して、エッチングにより目減りする厚みを見越して、厚めに設定する。具体的な厚みは、カバー絶縁層4を形成する合成樹脂の種類により、適宜設定する。また、カバー絶縁層4は、好ましくは、エッチングされにくい合成樹脂、例えば、ポリイミド樹脂などから形成する。
次いで、この方法では、図4(d)に示すように、ベース絶縁層2における端子部非対向部分13を、端子部非対向部分13の厚みが、端子部対向部分12の厚みよりも、薄くなるように、エッチングする。端子部非対向部分13のエッチングは、上記した導体パターン非形成部分10のエッチングと同様の方法が用いられる。なお、このとき、カバー絶縁層4も同様にエッチングされる。
その後、この方法では、図4(e)に示すように、上記と同様に、各端子部5の表面に、金属めっき層6を形成して、フレキシブル配線回路基板1を得る。
このように、図4に示す方法によれば、ベース絶縁層2におけるカバー絶縁層4が形成されている部分の厚みを薄くすることなく、しかも、保護層14を形成しその後除去する工程を省略することができる。
さらに、図5に示す方法のように、ベース絶縁層2を、エッチングレートに差異がある複数層(エッチングしやすい層とエッチングしにくい層との積層)により形成して、エッチングすれば、精度よく、端子部非対向部分13の厚みを、端子部対向部分12の厚みよりも、薄く形成することができる。
すなわち、図5に示す方法では、まず、図5(a)に示すように、ベース絶縁層2として、エッチングしにくいアンダー絶縁層15を用意して、図5(b)に示すように、このアンダー絶縁層15の上に、エッチングしやすいオーバー絶縁層16を積層して、ベース絶縁層2を形成する。
アンダー絶縁層15は、オーバー絶縁層16よりもエッチングされにくい、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂などから形成する。また、オーバー絶縁層16は、アンダー絶縁層15よりもエッチングされやすい、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂などから形成する。アンダー絶縁層15に対するオーバー絶縁層16の積層は、例えば、キャスティング法などが用いられる。また、アンダー絶縁層15およびオーバー絶縁層16の厚みは、それらの合計の厚みが、上記したベース絶縁層2の厚みと同様の厚みとされ、オーバー絶縁層16の厚みは、エッチングにより除去される厚み以上の厚み、好ましくは、エッチングにより除去される厚みに相当する厚みとされる。
そして、この方法では、上記した図3に示す方法と同様に、ベース絶縁層2の上に、導体パターン3を形成した後に(図5(c)参照)、カバー絶縁層4を形成する(図5(d)参照)。次いで、カバー絶縁層4の表面に、保護層14を形成した後(図5(e)参照)、ベース絶縁層2における端子部非対向部分13を、端子部非対向部分13の厚みが、端子部対向部分12の厚みよりも、薄くなるように、オーバー絶縁層16をエッチングする(図5(f)参照)。このエッチングでは、オーバー絶縁層16が、アンダー絶縁層15に対してよりエッチングされやすいので、オーバー絶縁層16のみを確実にエッチングすることができる。
その後、保護層14を、エッチングまたは剥離により除去した後(図5(g)参照)、各端子部5の表面に、金属めっき層6を形成して(図5(h)参照)、フレキシブル配線回路基板1を得る。
なお、保護層14の材料や厚みを、図5(f)に示す工程において、端子部非対向部分13のエッチングと同時にエッチングにより除去できるように選定しておけば、図5(g)に示す保護層14の除去工程を省略することができる。
このように、図5に示す方法によれば、ベース絶縁層2のエッチングにおいて、オーバー絶縁層16のみを確実にエッチングすることができるので、アンダー絶縁層15の精度のよい厚みを確保することができる。
なお、上記の説明では、本発明の配線回路基板を、片面フレキシブル配線回路基板として説明したが、本発明の配線回路基板は、両面フレキシブル配線回路基板に適用することができ、さらには、リジッド−フレキシブル配線回路基板やリジッド配線回路基板に適用することもできる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
厚み18μmの電解銅箔の裏面に、厚さ20μmの熱硬化性ポリイミド樹脂を、厚さ5μmの熱可塑性ポリイミド樹脂を介して、加熱加圧により貼着することにより、二層基材を形成した。
次いで、電解銅箔の表面に、導体パターンに対応するパターンで、エッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストから露出する電解銅箔を、塩化第二鉄水溶液を用いてエッチングした。その後、エッチングレジストを、水酸化ナトリウム水溶液を用いて剥離することにより、熱硬化性ポリイミド樹脂の上に熱可塑性ポリイミド樹脂が積層されてなるベース絶縁層の上に、銅箔からなる導体パターンを形成した。
次いで、予め、フレキシブル配線回路基板の一端部が露出するように外形加工された、厚み25μmのポリイミド樹脂フィルムからなるカバー絶縁層を、厚み20μmのエポキシ系接着剤を介して、導体パターンを被覆するように、ベース絶縁層の上に圧着した。
その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、ベース絶縁層における端子部非対向部分を、ベース絶縁層における端子部対向部分に対して、5μm薄くなるようにエッチングした。このエッチングは、液温70℃、80秒間実施した。
そして、各端子部の表面に、厚み4μmのニッケルめっき層と、厚み0.5μmの金めっき層とを順次形成することにより、金属めっき層を形成し、これによって、フレキシブル配線回路基板を得た。
比較例1
水酸化ナトリウム水溶液を用いる端子部非対向部分のエッチング工程を省略したこと以外は、実施例1と同様の方法により、フレキシブル配線回路基板を得た。
評価
上記により得られた実施例1および比較例1のフレキシブル配線回路基板を、85℃、85%RHの高温高湿雰囲気下に設置して、印加電圧100Vで通電試験を実施した。
その結果、比較例1は、600時間の通電で端子間の絶縁抵抗値が1MΩ以下に低下して、絶縁不良を生じた。一方、実施例1は、1000時間の通電でも、端子間の絶縁抵抗値が100MΩ以上を保持して、絶縁不良を生じなかった。
図1は、本発明の配線回路基板としてのフレキシブル配線基板の一実施形態であって、(a)は要部平面図、(b)は(a)のA−A´線断面図、(c)は(a)のB−B´線要部断面図を示す。 図1に示すフレキシブル配線回路基板の製造方法を示す製造工程図(カバー絶縁層の形成前に、導体パターン非形成部分をエッチングする態様)であって、(a)は、ベース絶縁層を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程、(c)は、ベース絶縁層における導体パターン非形成部分をエッチングする工程、(d)は、カバー絶縁層を形成する工程、(e)は、各端子部の表面に、金属めっき層を形成する工程を示す。 に示すフレキシブル配線回路基板の製造方法の他の実施形態(カバー絶縁層の形成後に、保護層を形成して、端子部非対向部分をエッチングする態様)を示す製造工程図であって、(a)は、ベース絶縁層を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程、(c)は、カバー絶縁層を形成する工程、(d)は、カバー絶縁層の表面に、保護層を形成する工程、(e)は、ベース絶縁層における端子部非対向部分をエッチングする工程、(f)は、保護層を、除去する工程、(g)は、各端子部の表面に、金属めっき層を形成する工程を示す。 に示すフレキシブル配線回路基板の製造方法の他の実施形態(カバー絶縁層の形成後に、保護層を形成せず、端子部非対向部分をエッチングする態様)を示す製造工程図であって、(a)は、ベース絶縁層を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程、(c)は、カバー絶縁層を厚く形成する工程、(d)は、ベース絶縁層における端子部非対向部分をエッチングする工程、(e)は、各端子部の表面に、金属めっき層を形成する工程を示す。 に示すフレキシブル配線回路基板の製造方法の他の実施形態(ベース絶縁層を複数層で形成する態様)を示す製造工程図であって、(a)は、アンダー絶縁層を用意する工程、(b)は、アンダー絶縁層の上に、オーバー絶縁層を積層して、ベース絶縁層を形成する工程、(c)は、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程、(d)は、カバー絶縁層を形成する工程、(e)は、カバー絶縁層の表面に、保護層を形成する工程、(f)は、ベース絶縁層における端子部非対向部分をエッチングする工程、(g)は、保護層を、除去する工程、(h)は、各端子部の表面に、金属めっき層を形成する工程を示す。
符号の説明
1 フレキシブル配線回路基板
2 ベース絶縁層
3 導体パターン
5 端子部
6 金属めっき層
8 金属めっき層対向部分
12 端子部対向部分

Claims (3)

  1. 絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された導体パターンとを備える配線回路基板において、
    前記導体パターンは、端子部を含み、
    前記端子部の上面および両側面には、金属めっき層が形成されており、
    前記絶縁層は、前記端子部と上下方向に対向する端子部対向部分と、前記金属めっき層と上下方向に対向する金属めっき層対向部分とを備え、
    前記金属めっき層対向部分の厚みが、前記端子部対向部分の厚みより、薄く形成され、
    前記金属めっき層と前記絶縁層とは、前記端子部の両側面に形成される前記金属めっき層の下端縁の底面と、前記金属めっき層対向部分の上面との間に隙間が形成されるように、形成されていることを特徴とする、配線回路基板。
  2. 前記端子部が、互いに間隔を隔てて複数設けられており、
    前記絶縁層は、各前記端子部の間の厚みと、前記金属めっき層対向部分の厚みとが、実質的に同一厚みとなるように、形成されていることを特徴とする、請求項に記載の配線回路基板。
  3. ベース絶縁層を用意する工程、
    端子部を含む導体パターンを、前記ベース絶縁層の上に形成する工程、
    前記ベース絶縁層における前記端子部から露出する端子部非対向部分を、その厚みが、前記ベース絶縁層における前記端子部と上下方向に対向する端子部対向部分の厚みよりも薄くなるようにエッチングする工程、および、
    前記端子部の上面および両側面に、前記端子部の両側面に形成される金属めっき層の下端縁の底面と、前記端子部非対向部分の上面との間に隙間が形成されるように、金属めっき層を形成する工程
    を備えていることを特徴とする、配線回路基板の製造方法。
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