JP4350781B2 - 移動体通信端末 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、加速度を検知するセンサを備えた携帯電話機が開示されている。この特許文献2には、利用者が文字入力ボタンを押しながら空中に字を書くように携帯電話機を動かすことで、文字入力を行う実施例が記載されている。具体的には、加速度データを2回積分して携帯電話機の移動距離を算出して得た移動距離データと、同じく加速度データから得た移動方向データとから、携帯電話機の移動軌跡を求め、その移動軌跡を入力文字として認識するという動作制御を行う。
また、特許文献3には、方位を検知する地磁気センサを備えた携帯電話機が開示されている。この携帯電話機は、複数の方位に数値が関連付けられていて、携帯電話機本体を特定の方位に向けることで、数値入力を行うことができる。
例えば、利用者が目の前で見ている星座を案内するような複雑な動作制御を行う場合を例に挙げて説明する。上記特許文献3の携帯電話機のように地磁気センサを備えていれば、現在利用者が向いている方角を認識することは可能である。しかし、星座の位置は、見る時刻や季節によってその方角が変わるため、利用者が向いている方角だけを認識できても、その方角に見える星座を特定することはできない。したがって、方位センサによって得た方位データだけから、上記のような複雑な動作制御を行うことはできない。
また、利用者が電車に乗っているときに自動的にマナーモードへ変更するような動作制御を行う場合を例に挙げる。上記特許文献1の携帯電話機のように加速度センサを備えていれば、振動(動き)を検知して利用者が電車に乗っているか否かを判断することは可能である。しかし、加速度センサによって得た加速度データだけから、利用者が実際に電車に乗っているか否かを高い精度で判断することは困難である。したがって、加速度センサによって得た加速度データだけから、上記のような動作制御を正確に行うことは困難である。
なお、以上の説明は、携帯電話機を例に挙げて行ったが、他の移動体通信端末においても、同様である。
請求項2は、請求項1の移動体通信端末において、上記検知手段は加速度センサを更に有し、上記制御手段は、上記加速度センサの検知結果に基づいて当該移動体通信端末が所定の振動パターンで振動しているか否かを更に判断し、上記所定の時間帯において上記地磁気の大きさが急峻に変動し且つ当該移動体通信端末が上記所定の振動パターンで振動していると判断した場合に、上記特定の動作モードのオン/オフを切り換えるように制御することを特徴とするものである。
また、上記検知手段によって検知される移動体通信端末の位置には、地理上での絶対位置のほか、特定の地点に対する相対位置、地上からの高さ位置等も含まれる。
図2は、本実施形態に係る移動体通信端末としての携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図である。
この移動体通信システムにおいて、ユーザー1が使用する携帯電話機20は、ユーザー1によって登録されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。本実施形態において、このアプリケーションプログラムは、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミングによって開発されたものである。このようなアプリケーションプログラムとしては、JAVA(登録商標)で記述されたアプリケーションプログラム、BREW(登録商標)のアプリケーション実行環境上で動作するアプリケーションプログラムなどが挙げられる。この携帯電話機20は、通信ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。また、この携帯電話通信網10には、プログラム提供用サーバとしてのアプリケーションプログラムダウンロードサーバ(以下、「ダウンロードサーバ」という。)11が接続されている。このダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求を受け付けると、その要求に係るアプリケーションプログラムを携帯電話機20に対して送信する。
このダウンロードサーバ11は、システムバス100、CPU101、内部記憶装置、外部記憶装置104、入力装置105及び出力装置106を備えている。上記内部記憶装置は、RAM102やROM103等で構成されている。上記外部記憶装置は、ハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ等で構成されている。上記入力装置105は、外部記憶装置104、マウスやキーボード等で構成されている。上記出力装置106は、ディスプレイやプリンタ等で構成されている。更に、このダウンロードサーバ11は、携帯電話通信網10を介して各ユーザー1の携帯電話機20と通信するための携帯電話用通信装置107を備えている。
上記CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いにデータやプログラムの命令等のやり取りを行っている。このダウンロードサーバ11を所定の手順に従って動作させるためのプログラムは、ROM103や外部記憶装置104に記憶されており、必要に応じてCPU101やRAM102上の作業エリアに呼び出されて実行される。また、このダウンロードサーバ11には、携帯電話機20に提供するアプリケーションプログラムが外部記憶装置104に記憶されている。ダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求に応じ、CPU101、RAM102、携帯電話通信網用通信装置107等が協働して、外部記憶装置104に記憶されているアプリケーションプログラムを、携帯電話通信網10を介して携帯電話機20に送信する機能を有している。なお、このダウンロードサーバ11は、専用の制御装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
この携帯電話機20は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなる内部制御装置、入力装置204、出力装置205、携帯電話用通信装置206、加速度センサ207及び地磁気センサ208を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26などから構成されている。上記出力装置205は、液晶ディスプレイ(LCD)27、スピーカ28等から構成されている。上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上記ダウンロードサーバ11と通信するためのものである。また、RAM202内には、後述する電話機プラットフォームが管理する第1の記憶手段としてのプラットフォーム用記憶領域と、後述するアプリケーション実行環境上で管理される第2の記憶手段としてのアプリケーション用記憶領域とが存在する。
また、上記地磁気センサ208は、上記X軸及び上記Y軸並びにこれらの軸に直交するZ軸からなる3次元座標上における地磁気の磁界強度成分又は磁束密度成分を検知する3軸のセンサである。そして、本実施形態では、この地磁気センサ208の検知結果を利用して、X軸、Y軸及びZ軸のまわりの角度θX,θY,θZを検出する。具体的には、地磁気の方向が、基準となる地磁気の方向(基準方向)に対して変化したときの変化量を、X軸、Y軸及びZ軸のまわりの角度θX,θY,θZを用いて検出する。これにより、地磁気の方向が基準方向にあるときの姿勢から携帯電話機がその姿勢を変化させたとき、その変化後の姿勢を各角度θX,θY,θZによって特定することができる。なお、以下の説明では、X軸まわりの角度θXをピッチ角といい、Y軸まわりの角度θYをロール角といい、Z軸まわりの角度θZをヨー角という。
なお、上記携帯電話機の姿勢を示す各角度θX,θY,θZは、重力加速度を検知可能な加速度センサの出力から算出することもできる。この場合は、加速度センサの出力からX方向及びY方向の重力加速度の成分GX,GYを算出し、これらの算出値に基づいて上記角度θX,θY,θZからを求めることができる。
また、上記地磁気センサ208を用いることで、例えば上記Y軸が北方位に対してどの向きに向いているかを検知することもできる。この場合、例えば、上記Y軸と北方位とのなす角(以下、「方位角」という。)θNによって携帯電話機が向いている方角を特定する。
上記地磁気センサ208も、携帯電話機20の内部に設けられた図示しない回路基板上に実装されている。
なお、これらのセンサ207,208は、携帯電話機20の本体とは別体の装置として構成してもよい。この場合、例えば、これらのセンサ207,208を備えた外部装置を、携帯電話機20の本体に設けられる外部端子に接続し、その外部装置と携帯電話機20の本体とが一体となるように構成する。
この携帯電話機20は、無線通信手段としての電話通信部211及びデータ通信部212、操作手段としての操作部213、アプリケーションプログラム実行手段としてのアプリケーションプログラム実行管理部214、制御手段としての主制御部215、出力部216、検知手段としてのセンサ検知部217、時計手段としての時計部218等を備えている。
また、上記時計部218は、RTC(リアルタイムクロック)で構成されており、現在の年月日及び時刻を計時している。この時計部218で発生した時刻データは、主制御部215に受け渡される。
また、携帯電話機20の姿勢が変わると、その姿勢の変化後における磁界強度成分(磁束密度成分)がセンサ検知部217を構成する地磁気センサ207によって検知される。センサ検知部217は、地磁気センサ207で検知された検出信号から姿勢変化後のそれぞれの角度θx,θY,θZを算出する。算出した各角度θx,θY,θZのデータは、加速度αx,αYの場合と同様に、主制御部215へ出力され、主制御部215によってRAM202内のプラットフォーム用記憶領域に記憶される。
また、携帯電話機20の向きが変わると、その向きの変化後における磁界強度成分(磁束密度成分)がセンサ検知部217を構成する地磁気センサ207によって検知される。センサ検知部217は、地磁気センサ207で検知された検出信号から向きの変化後における方位角θNを算出する。算出した方位角θNのデータも、同様に、主制御部215へ出力され、主制御部215によってRAM202内のプラットフォーム用記憶領域に記憶される。
次に、センサ検知部217で検知される検知データのうち、上記加速度αX,αYのデータを利用して、本携帯電話機の動作制御を行う一動作例(以下、本動作例を「動作例1」という。)について説明する。
本動作例1では、上記加速度αX,αYのデータと、上記時刻データとを用いて、ユーザー1が電車に乗っているときに自動的に携帯電話機20をマナーモードに設定する動作制御を行う。詳しくは、電車に乗っているときの振動パターン及び時刻から、ユーザー1が電車に乗っているか否かを判断し、その判断に基づいて携帯電話機20をマナーモードに設定する。ここで、電車に乗っているときの振動パターンは、ユーザー1が利用する電車の種類や電車に乗っている区間などによって様々である。そこで、本動作例1では、まず、各ユーザー1が通勤時や通学時等のようにある程度決まった時間帯に乗る電車に特有の振動パターン(比較用振動パターン)をサンプリングする処理を行う。以下では、ユーザー1が通勤電車に乗っているときに自動的にマナーモードに設定する場合を例に挙げて説明する。
ユーザー1は、通勤電車に乗ったら、操作部213のキーを操作して、サンプリング用プログラムをを起動させ、比較用振動パターンのサンプリング処理を開始する。サンプリング処理が開始したら、主制御部215は、一定のサンプリング期間が終了するまで、センサ検知部217によって検知される加速度αX,αYのデータ(検知データ)を取得する処理を行い、これをRAM202内のプラットフォーム用記憶領域に一時的に保存していく(S11)。そして、主制御部215は、サンプリング期間が終了したら(S12)、そのサンプリング期間中の加速度αX,αYの変化を分析し、その特徴的な変化部分を抽出して、これをRAM202内のプラットフォーム用記憶領域に一時的に保存する(S13)。ここで、今回のサンプリング処理が初めてである場合には(S14)、上記S3で一時的に保存した振動パターンを、比較用振動パターンとして、RAM202内のプラットフォーム用記憶領域に保存する(S15)。一方、今回のサンプリング処理が2回目以降である場合には(S14)、プラットフォーム用記憶領域に保存されている前回までの比較用振動パターンを読み出す(S16)。そして、読み出した比較用振動パターンと上記S3で一時的に保存した振動パターンとから、より正確に通勤電車の振動パターンを反映した振動パターンを算出し、これを比較用振動パターンとして、RAM202内のプラットフォーム用記憶領域に保存する(S17)。
なお、本動作例1では、このサンプリング処理を何回行うかはユーザー次第であるが、ユーザーが通勤電車に乗っていることをなるべく正確に把握するには、このサンプリング処理を複数回繰り返すのが望ましい。よって、このサンプリング処理を行う回数を予め決めておき、この回数だけサンプリング処理が行われるまで、後述のモード変更処理を実行できないようにしてもよい。
ここで、加速度データから把握される振動パターンだけから、ユーザー1が電車に乗っているか否かの判断を正確に行うのは困難であることが、本発明者らの実験により確認されている。詳しく説明すると、同じ通勤電車に乗っても、その振動パターンは日によって多少の相違がある。そのため、モニターした振動パターンと比較用振動パターンとの比較を厳格に行い過ぎると、実際にはユーザー1が通勤電車に乗っていても、主制御部215が通勤電車に乗っていないと判断して、マナーモードの設定されないおそれがある。一方、この比較をあまり緩やかに行うと、ユーザー1が通勤電車に乗っていないにもかかわらず、主制御部215が通勤電車に乗っていると判断して、ユーザーの意図に反して勝手にマナーモードの設定になってしまうおそれがある。そこで、本動作例1では、通勤電車に乗る可能性が高い時間帯を予め登録しておき、その時間帯中に、比較用振動パターンに類似した振動パターンを検出したときには、マナーモードに設定変更する。以下、具体的に説明する。
ユーザー1は、まず、操作部213のキーを操作して、通勤電車に乗る可能性が高い時間帯を登録するための登録画面を液晶ディスプレイ27上に表示させ、時間帯を登録する処理を行う(S1)。この時間帯登録処理では、通勤先へ出勤するときの出勤時間帯と、勤務先から帰宅するときの帰宅時間帯とを、それぞれ登録する。例えば、出勤時間帯を午前7時〜午前8時30分に設定し、帰宅時間帯を午後6時〜午後7時30分に設定する。なお、複数の電車に乗って通勤する場合には、各電車ごとに上記サンプリング処理を行い、各電車ごとに時間帯登録処理を行うようにしてもよい。なお、この時間帯登録処理の内容は、RAM202のプラットフォーム用記憶領域に記憶されるので、時間帯登録処理を一度行えば、次回からは時間帯登録処理を行う必要はない。
また、本動作例1では、加速度データと時刻データとから、ユーザー1が通勤電車に乗っている状況を把握しているが、ユーザー1が自動車、バス等の乗り物に乗っている状況なども同様にして把握することが可能である。
また、本動作例1では、自動的にマナーモードへ設定変更する動作制御を例に挙げたが、自動的に電源を落とす動作制御や自動的に省電力モードへ設定変更する動作制御などにも応用することができる。
次に、センサ検知部217で検知される検知データのうち、上記方位角θNのデータを利用して、本携帯電話機の動作制御を行う他の動作例(以下、本動作例を「動作例2」という。)について説明する。
本動作例2では、上記方位角θNのデータと、上記時刻データとを用いて、ユーザー1が目の前で見ている星座を案内する動作制御を行う。詳しくは、ユーザー1が手に持っている携帯電話機20が向いている方角及び時刻を上記方位角θN及び時刻データから判断し、その季節のその時刻に、その方角に見える夜空を模式的に表した案内画面を液晶ディスプレイ27に表示する。ここで、星座の位置は、見る季節や時刻によってその方角が変わるため、本動作例2では、携帯電話機20が向いている方角と現在の年月日及び時刻とから、ユーザー1が目の前に見える夜空に適切に対応する案内画面を特定し、これを表示する。以下、具体的に説明する。
まず、ユーザー1は、天体観測用のアプリケーションプログラムを上記ダウンロードサーバ11からダウンロードして取得し、これを登録する。具体的には、ユーザー1は、操作部213のキーを操作して、ダウンロードサーバ11にアクセスする。これにより、ダウンロード可能なアプリケーションプログラムを選択するためのダウンロード選択画面が液晶ディスプレイ27上に表示される。そして、そのダウンロード選択画面において、実行対象となる天体観測用のアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、主制御部215がデータ通信部212を制御して、そのアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードする。このようにしてダウンロードされたアプリケーションプログラムは、主制御部215により、RAM102に記憶される。
また、センサ検知部217から取得した方位角データ(検知データ)が特定の方角を向いているという第1の条件を満たすだけでは、上述したように、その特定の方角に見える星座を適切に案内する案内画面を特定できない。しかし、本動作例2では、時計部218から得られる時刻データ(他のデータ)が特定の観測季節における特定の観測時間帯であるという第2の条件を判断することで、その特定の観測季節におけるその特定の観測時間帯に、その特定の方角に見える星座を案内する適切な案内画面を液晶ディスプレイ27に表示することができる。
また、本動作例2では、観測時間帯に応じた複数の案内画面データを用意しているが、上記方位角データ及び時刻データに基づき、単一の案内画面データの中から、液晶ディスプレイに表示させるべき適切な案内画面を特定することも可能である。
次に、センサ検知部217で検知される検知データのすべてを利用して、本携帯電話機の動作制御を行う更に他の動作例(以下、本動作例を「動作例3」という。)について説明する。
本動作例3では、加速度αX,αYのデータ、ピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZのデータ、並びに、方位角θNのデータと、上記時刻データとを用いて、ユーザー1が目覚まし用に設定しておいたアラーム設定を自動的に無効にする動作制御を行う。詳しくは、これらのデータから、アラームが設定されている時刻にユーザーが既に活動していると判断したときは、その時刻にアラームが鳴らないようにする。以下、具体的に説明する。
ユーザー1は、まず、アラーム音を鳴らす時刻を設定し、その時刻にアラーム音を鳴らすようにアラーム設定処理を行う(S31)。その後、主制御部215は、時計部218から得られる時刻データ(他のデータ)に基づき、現在時刻が、設定されたアラーム設定時刻になったか否か(第2の条件)を判断する(S32)。そして、そのアラーム設定時刻になったら、主制御部215は、センサ検知部217によって検知される加速度αX,αYのデータ、ピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZのデータ、並びに、方位角θNのデータのすべてのデータ(検知データ)を取得する処理を行う(S33)。主制御部215は、取得したデータに変化があるか否か(第1の条件)に基づいて、本携帯電話機20が静止状態にあるか否かを判断する(S34)。携帯電話機20が静止状態にある場合、ユーザー1は未だ寝ているものと推定されるため、主制御部215は、静止状態であると判断したら、通常どおりに、スピーカ28からアラーム音を出力する処理を行う(S35)。一方、携帯電話機20が静止状態でない場合、ユーザー1は既に目を覚ましているものと推定される。このとき、ユーザー1が既に目を覚ましているのに、目覚まし用のアラーム音を出力することは無駄である。加えて、無駄に出力されたアラーム音を消すための操作を、ユーザー1がしなければならなくなり、利便性が悪い。そこで、本動作例3においては、主制御部215は、静止状態でないと判断したら、アラーム設定を無効にして、アラーム音を出力しない処理を行う(S36)。
次に、上記センサ検知部217で検知される検知データを利用して携帯電話機20の動作制御を行う更に他の動作例(以下、本動作例を「動作例4」という。)について説明する。本動作例4では、センサ検知部217で検知されるピッチ角θXのデータとを用いて、ユーザー1の行動履歴を携帯電話機20内に自動記録する動作制御を行う。
図11は、上記センサ検知部217を有する携帯電話機20を持って通勤電車(地下鉄)に乗ったときのピッチ角θXのデータの時間変化を示している。図11のピッチ角θXのデータの時間変化から、ピッチ角θXのデータの変動が、地下鉄の電車が代々木や国立競技場等の地下鉄駅に停車しているときには小さく、地下鉄の電車が駅間を通過しているときには大きいことがわかる。この結果により、ユーザーが携帯電話の電波が届きにくい地下鉄を利用しているときに、地下鉄の駅を何回通過したかを判断できることがわかる。また、駅間のデータ変動パタンが継続している時間の長さにより、ユーザーがどの駅間を通過しているかを判断することができる。特に、上記駅間のデータ変動パタンが、特定の駅と駅との間を通過しているときに特有のパタンである場合には、ユーザー1がどの駅間を通過しているかをより正確に判断することができる。
本動作例4において、携帯電話機20の主制御部215は上記ピッチ角θXのデータを用いて例えば次のように制御することができる。携帯電話機の主制御部215は、無線通信手段(電話通信部211及びデータ通信部212)の出力に基づいて、ユーザー1が携帯電話機の電波が届かない場所に移動したか否か(第2の条件)を判断する。更に、主制御部215は、センサ検知部217によるピッチ角θXのデータの変動に基づいて、ユーザー1が地下鉄の電車に乗って移動しているか否か(第1の条件)を判断する。そして、ユーザー1が携帯電話機の電波が届かない場所に移動しており、しかも地下鉄の電車で移動していると判断したとき、主制御部215は、その時間帯の時刻データとともに、地下鉄の電車で移動している旨の情報をユーザー行動の情報としてRAM202等の内部記憶装置に保存して自動記録する。
次に、上記センサ検知部217で検知される検知データを利用して携帯電話機20の動作制御を行う更に他の動作例(以下、本動作例を「動作例5」という。)について説明する。本動作例5では、センサ検知部217で検知される携帯電話機20の向きに関係する地磁気の検知データを用いて、携帯電話機20のマナーモードをオン/オフする動作制御を行う。
図12は、上記センサ検知部217を有する携帯電話機20を持って通勤電車(地下鉄)に乗るときの互いに直交する3方向の地磁気のデータ(磁束密度の大きさ:Hx,Hy,Hz)の時間変化を示している。なお、図12中の縦軸の地磁気のデータは磁束密度の大きさであり、1G(ガウス)は1×10−4T(テスラ)である。
図12の地磁気のデータ(磁束密度の大きさ:Hx,Hy,Hz)から、ユーザー1が地下鉄の電車に乗ったときに(図中の矢印A)、地磁気のデータの強さが大きく変化していることがわかる。この結果により、センサ検知部217の地磁気のデータに基づき、ユーザー1が地下鉄の電車に乗るタイミングを判断できることがわかる。
本動作例5において、携帯電話機20の主制御部215は上記地磁気のデータを用いて例えば次のように制御することができる。携帯電話機の主制御部215は、時計部218の出力に基づいて、ユーザー1の通勤時間帯であるか否か(第2の条件)を判断する。更に、主制御部215は、センサ検知部217の地磁気のデータ(磁束密度の大きさ:Hx,Hy,Hz)の変動に基づいて、ユーザー1が地下鉄の電車に乗ったか否か(第1の条件)を判断する。そして、ユーザー1の通勤時間帯であって地下鉄の電車に乗ったと判断したとき、主制御部215は、携帯電話機20のマナーモードを自動的にオンにする。また、主制御部215は、その後、センサ検知部217の地磁気のデータ(Hx,Hy,Hz)に基づいて、ユーザー1が地下鉄の電車から降りたと判断したとに携帯電話機20のマナーモードを自動的にオフにする。
しかも、本動作例5では、センサ検知部217から取得した地磁気データ(検知データ)が大きく変化するという第1の条件を満たすだけでなく、時計部218から得られる時刻データ(他のデータ)が登録時間帯内であるという第2の条件を満たしたときに初めて、マナーモードに設定変更するという予め決められた動作制御を行う。上述したように第1の条件を判断するだけではユーザー1が通勤電車に乗っていることを正確に把握することが難しい場合でも、本動作例5のように上記第2の条件も判断すれば、ユーザー1が通勤電車に乗っていることを正確に把握することができる。したがって、ユーザー1が通勤電車に乗っているときに自動的にマナーモードへ設定変更するという動作制御を、高い精度で行うことができる。
なお、本動作例5において、ユーザー1が通勤電車に乗ったか否かの判断を、センサ検知部217の地磁気のデータ(Hx,Hy,Hz)と、前記動作例1で挙げた加速度データとを組み合わせて行うようにしてもよい。
11 ダウンロードサーバ
20 携帯電話機
207 加速度センサ
208 地磁気センサ
212 データ通信部
213 操作部
214 アプリケーションプログラム実行管理部
215 主制御部
216 出力部
217 センサ検知部
218 時計部
Claims (3)
- 地磁気センサを有する検知手段と、時刻を計時する時計手段とを備えた移動体通信端末において、
上記時計手段により得られる時刻データに基づいて所定の時間帯であるか否かを判断し、上記地磁気センサの検知データに基づいて地磁気の大きさが急峻に変動したか否か判断し、上記所定の時間帯において上記地磁気の大きさが急峻に変動したと判断した場合に、当該移動体通信端末に予め設定された特定の動作モードのオン/オフを切り換えるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする移動体通信端末。 - 請求項1の移動体通信端末において、
上記検知手段は加速度センサを更に有し、
上記制御手段は、上記加速度センサの検知結果に基づいて当該移動体通信端末が所定の振動パターンで振動しているか否かを更に判断し、上記所定の時間帯において上記地磁気の大きさが急峻に変動し且つ当該移動体通信端末が上記所定の振動パターンで振動していると判断した場合に、上記特定の動作モードのオン/オフを切り換えるように制御することを特徴とする移動体通信端末。 - 請求項2の移動体通信端末において、
上記検知手段を、3軸の磁気センサ及び2軸又は3軸の加速度センサを用いて構成したことを特徴とする移動体通信端末。
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