JP2006011106A - 表示装置及びこれを備えた移動体通信端末 - Google Patents

表示装置及びこれを備えた移動体通信端末 Download PDF

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洋久 楠田
Yasuhiro Nishide
康弘 西出
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大輔 辻野
Jun Yamazaki
純 山崎
Takashi Katayama
多加志 片山
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Abstract

【課題】 表示面の姿勢が変わって表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わっても、その表示面に表示された画像を本来の濃度又は形状で利用者に視認させることができる表示装置及び移動体通信端末を提供する。
【解決手段】 本表示装置は、表示手段、検知手段、濃度決定データ記憶手段及び画像濃度調節手段を備える。表示手段は、表示面に対して利用者が視認する方向により利用者に視認される表示面の画像濃度が変化する特性を有する。検知手段は、表示面の姿勢を検知する。濃度決定データ記憶手段は、検知手段により検知を行って得られる検知データ又はこれを演算したデータから画像濃度を決定するための濃度決定データを記憶する。画像濃度調節手段は、検知手段により得た検知データ又はこれを演算したデータに基づき濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、表示面に表示される画像の画像濃度が、決定した画像濃度となるように調節する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示手段の表示面の姿勢を計測するための検知を行う検知手段を備えた表示装置、及び、この表示装置を有する移動体通信端末に関するものである。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、表示手段の表示面の姿勢を計測するための検知を行う検知手段を備えた装置が開示されている。
特許文献1には、表示面上側が重力方向に対して下向きになるように表示装置の姿勢が変化したら、これが重力方向検知手段により検知され、その表示面に表示される画像が上下逆さまになる表示装置が開示されている。この表示装置によれば、例えばこの表示装置に表示した画像を店頭での顧客に見せながらプレゼンテーションを行う際に、利用者に対面していた表示装置を水平軸線まわりに180°角変位させてその利用者に対向する顧客に向けても、その表示面上側が重力方向に対して上向きになる状態で顧客に画像を見せることができる。
また、特許文献2には、表示器の姿勢が変化し、この表示器に作用する重力方向が変化すると、これが重力方向検知手段により検知され、画像上側が常に重力方向上側に向くように画像の向きが補正される携帯情報通信端末装置が開示されている。この装置によれば、利用者は、その装置の持ち方如何にかかわらず、画像上側が常に重力方向上側に向くように画像を見ることができる。
また、特許文献3には、方向検出手段が重力の方向を3次元的に検出して情報表示手段の姿勢を判定し、その判定結果に応じた適切な表示方向で情報表示手段に情報の表示を行う装置が開示されている。この装置によれば、ユーザーのハンドリング状態に応じた適切な表示方向で情報表示手段に情報を表示することができる。
また、特許文献4には、液晶表示ディスプレイの駆動電圧や環境温度の変化に応じて、液晶表示ディスプレイの表示濃度を自動的に調整する装置が開示されている。この装置は、液晶表示ディスプレイへの駆動電圧及び環境温度を検出し、これらの検出結果から、予め用意された調整表データを用いて液晶表示濃度調節値を求めるように動作する。そして、この濃度調節値により内部メモリに格納されている液晶表示濃度設定値を更新することで、液晶表示ディスプレイの表示濃度を調整する。
特開平8−179739号公報 特開平9−44143号公報 特開2000−250434号公報 特開平7−43679号公報
移動体通信端末の利用者は、その移動体通信端末を手に持った状態で、その表示装置の表示面に表示された画像を視認する場合がある。この場合、利用者が手に持っている移動体通信端末の姿勢が変わると、その表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わることがある。また、パーソナルコンピュータ用のディスプレイなどの机上に設置される表示装置においても、利用者がディスプレイの姿勢を変えると、その表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わることがある。
近年、表示装置として、液晶ディスプレイが広く利用されている。この液晶ディスプレイは、表示面に対する相対的な利用者の視認方向に応じて、その利用者に視認される画像濃度が変化する。そのため、上述したように表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わると、利用者に視認される画像濃度が変化する。一般に、液晶ディスプレイは、利用者が表示面の法線方向から視認した場合に最適な画像濃度で画像を視認できるようになっている。よって、表示面に対する相対的な利用者の視認方向がその表示面の法線方向からズレると、利用者に視認される画像は濃くなったり薄くなったりする。したがって、表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わり、その表示面の法線方向すなわち最適な画像濃度で画像を視認できる方向からズレると、利用者は、その表示面に表示された画像を、その画像がもつ本来の濃度で視認することができないという問題があった。この問題は、液晶ディスプレイに限らず、利用者に視認される画像濃度が表示面に対する相対的な利用者の視認方向に応じて変化する特性を備えた表示手段を有する表示装置においては同様に生じ得るものである。
また、表示面の法線方向に対してズレた方向から利用者が画像を視認した場合、その画像は、表示面に対する相対的な利用者の視認方向とその表示面の法線方向とを含む仮想面がその表示面と交差する線に沿った方向に縮んだ状態で、利用者に視認されることになる。具体的には、上記交差する線に沿った方向における画像の長さがLであり、利用者の視認方向が上記法線方向から角度δだけズレている場合、その画像は、その長さがL(1−cosδ)分だけ縮んだ状態で利用者に視認される。したがって、利用者は、表示面に表示される画像をその表示面の法線方向から視認しなければ、その画像本来の形状を把握することができないという問題があった。この問題も、液晶ディスプレイに限らず、表示面上に画像を表示する表示手段を備えた表示装置であれば同様に生じ得るものである。
本発明は、上記背景に鑑みなされたものであり、第1の目的は、表示面の姿勢が変わって表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わっても、その表示面に表示された画像を本来の濃度又はこれに近い濃度で利用者に視認させることが可能な表示装置及びこれを備えた移動体通信端末を提供することである。
また、第2の目的は、表示面の姿勢が変わって表示面に対する相対的な利用者の視認方向がその表示面の法線方向からズレても、その表示面に表示された画像を本来の形状又はこれに近い形状で利用者に視認させることが可能な表示装置及びこれを備えた移動体通信端末を提供することである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、利用者に視認される画像濃度が表示面に対する相対的な利用者の視認方向に応じて変化する特性を備えた表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを有する表示装置において、上記検知手段により上記検知を行って得られる検知データ又はこれを演算したデータから画像濃度を決定するための濃度決定データを記憶した濃度決定データ記憶手段と、該検知手段により該検知を行って得た検知データ又はこれを演算したデータに基づき該濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、上記表示面に表示される画像の画像濃度が、決定した画像濃度となるように調節する画像濃度調節手段とを有することを特徴とするものである。
この表示装置においては、まず、利用者が表示面上の画像を視認するときの利用者の視認方向すなわち利用者の目線方向を一定にさせるようにする。例えば、使用説明書等に、「画像を見るときは目線が水平に対して下方45°の方向になるように見てください。」というような説明を記載しておくことにより、画像を視認するときの利用者の目線の方向を一定にさせる。このように利用者の目線方向が決まると、その利用者の目線方向が本来の濃度で画像を視認できる方向(一般には表示面の法線方向)と一致するような表示面の姿勢(基本姿勢)が決まる。
本請求項1の表示装置において、任意のタイミングで検知手段による検知を行うと、これにより得た検知データ又はこれを演算したデータ(以下、適宜「検知データ等」という。)は、その検知時における表示面の姿勢を示すものとなる。上述のように基本姿勢は予め決まっているので、この検知データ等は、上記検知時における表示面の姿勢が上記基本姿勢に対してどの程度ズレているのかを示すものとなる。一方、濃度決定データ記憶手段に記憶された濃度決定データは、上記検知データ等から画像濃度を決定するためのものである。ここで、表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時に利用者により視認される画像濃度が、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像濃度(画像本来の濃度)に比べてどの程度変わるのかは、表示手段の仕様や実験等によって予め把握することができる。よって、利用者により視認される画像濃度が上記検知データ等に応じてどの程度変わるかという上記検知データ等と画像濃度との関係は、予め把握することができる。この関係を示すデータが上記濃度決定データとなる。そして、上記検知データ等から濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、この決定した画像濃度となるように、表示面に表示される画像の画像濃度を調節する。これにより、上記検知時に利用者により視認される画像濃度を、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像濃度(画像本来の濃度)と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
以上、所定の使用説明書等による利用者が、所定の目線方向から表示面上の画像を視認していることを条件に、所定の目線方向に対応した表示面の基本姿勢からの、実際の表示面のズレに応じて、検出手段の検出時に利用者が視認している画像濃度をその画像本来の濃度と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
また、請求項2の発明は、利用者により操作される操作手段と、利用者に視認される画像濃度が表示面に対する相対的な利用者の視認方向に応じて変化する特性を備えた表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを有する表示装置において、基準データを記憶する基準データ記憶手段と、上記操作手段に対して所定の操作が行われたときに上記検知手段により上記検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータを、該基準データとして該基準データ記憶手段に保存する保存手段と、該基準データを保存した後に該検知手段により該検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータと該基準データとの差分を算出する差分算出手段と、該差分から画像濃度を決定するための濃度決定データを記憶した濃度決定データ記憶手段と、該差分算出手段により算出された差分から該濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、上記表示面に表示される画像の画像濃度が、決定した画像濃度となるように調節する画像濃度調節手段とを有することを特徴とするものである。
この表示装置においては、操作手段に対して所定の操作が行われると、検知手段により検知が行われ、これにより得た検知データ等が、基準データとして記憶手段に保存される。この基準データは、利用者が表示面に対して最適な方向(本来の濃度で画像を視認できる方向)から画像を視認しているときの表示面の姿勢(基本姿勢)を示すものとなる。本請求項2の表示装置においては、基準データをこのようなデータとするため、利用者が表示面に対して最適な方向から画像を視認したときに上記所定の操作を利用者に行わせる。例えば、使用説明書等に、「最適な画像濃度となる方向から画像を見たときに所定の操作を行ってください。」というような説明を記載しておくことにより、利用者が表示面に対して最適な方向から画像を視認したときに上記所定の操作を利用者に行わせる。
本表示装置において、基準データの保存後の任意のタイミングで検知手段による検知を行い、これにより得た検知データ等は、その検知時における表示面の姿勢を示すものとなる。したがって、この検知データ等と上記基準データとの差分を算出することで、上記検知時における表示面の姿勢が上記基本姿勢に対してどの程度ズレているのかを把握することができる。一方、濃度決定データ記憶手段に記憶された濃度決定データは、上記差分から画像濃度を決定するためのものである。表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時に利用者により視認される画像濃度が、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像濃度(画像本来の濃度)に比べてどの程度変わるのかは、表示手段の仕様や実験等によって予め把握することができる。よって、利用者により視認される画像濃度が上記差分に応じてどの程度変わるかという差分と画像濃度との関係は、予め把握することができる。この関係を示すデータが上記濃度決定データとなる。そして、上記差分から濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、この決定した画像濃度となるように表示面に表示される画像の画像濃度を調節する。これにより、上記検知時に利用者により視認される画像濃度を、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像濃度(画像本来の濃度)と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
以上、所定の使用説明書等による利用者が、表示面に対して最適な方向から画像を視認したときに上記所定の操作を行ったことを条件に、その所定の操作時の表示面の姿勢(基本姿勢)からの、実際の表示面のズレに応じて、検出手段の検出時に利用者が視認している画像濃度をその画像本来の濃度と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
また、本請求項2の表示装置は、利用者の目線方向が任意の方向を向いていても、利用者が上記所定の操作を行うことで基本姿勢を認識できる。よって、利用者は、表示面上の画像を視認する際の目線方向を、自分の見やすい方向に任意に決めることができる。これに対し、請求項1の表示装置は、利用者が所定の目線方向から表示面上の画像を視認しているという上述した条件が満たされないと、検出手段の検出時に利用者が視認している画像濃度をその画像本来の濃度と同じ又はこれに近いものに調節することができないため、利用者は、表示面上の画像を視認する際の目線方向を、自分の見やすい方向に任意に決めることができない。この点で、本請求項2の表示装置によれば、請求項1の表示装置に比べて利便性が高まる。ただし、本請求項2の表示装置においても、上記所定の操作を行った後は、利用者の目線方向を一定にする必要がある。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の表示装置において、濃度設定値を記憶する設定値記憶手段を有し、上記表示手段は、該設定値記憶手段に記憶された濃度設定値に従った画像濃度の画像を上記表示面に表示するものであり、上記画像濃度調節手段による調節は、該設定値記憶手段に記憶された濃度設定値を書き換えることにより行うことを特徴とするものである。
この表示装置において、設定値記憶手段に記憶された濃度設定値を書き換えることにより、表示手段の表示面に表示される画像の画像濃度を調節することができる。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の表示装置において、上記画像濃度調節手段による調節は、上記表示手段によって表示される画像の画像データを変更することにより行うことを特徴とするものである。
この表示装置において、画像データを変更することにより、表示手段の表示面に表示される画像の画像濃度を調節することができる。請求項3の表示装置のように濃度設定値を書き換えて画像濃度を調節する場合、表示面に表示される画像全体の濃度が一律に変更されてしまう。しかし、表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時に利用者により視認される画像濃度は、表示面の一端と他端とで互いに異なる。よって、表示面に表示される画像全体の濃度を一律に変更したのでは、上記検知時に利用者により視認される画像濃度にムラが生じてしまう。これに対し、本請求項4の表示装置によれば、表示面に表示された画像全体の各部について互いに異なる濃度に調節したり、表示面に表示された画像の一部についてのみその濃度を調節したりすることが可能である。よって、上記検知時に利用者により視認される画像濃度にムラが生じるのを抑制することが可能となる。
上記第2の目的を達成するために、請求項5の発明は、表示面上に画像を表示する表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを有する表示装置において、上記検知手段により上記検知を行って得られる検知データ又はこれを演算したデータから変形後の画像形状を決定するための形状決定データを記憶した形状決定データ記憶手段と、該検知手段により該検知を行って得た検知データ又はこれを演算したデータに基づき該形状決定データを用いて画像形状を決定し、上記表示面に表示される画像の形状が決定した画像形状となるように、該表示手段によって表示される画像の画像データを変更する画像データ変更手段とを有することを特徴とするものである。
この表示装置においても、請求項1の表示装置と同様に、表示面上の画像を視認するときの目線方向を一定にさせるようにする。このように利用者の目線方向が決まると、その利用者の目線方向が表示面の法線方向と一致するような表示面の姿勢(基本姿勢)が決まる。
本請求項5の表示装置において、任意のタイミングで検知手段による検知を行うと、これにより得た検知データ等は、請求項1の表示装置と同様に、その検知時における表示面の姿勢が上記基本姿勢に対してどの程度ズレているのかを示すものとなる。すなわち、検知時における表示面の法線方向が上記基本姿勢にある表示面の法線方向に対してどの程度ズレているのかを示すものとなる。一方、形状決定データ記憶手段に記憶された形状決定データは、上記検知データ等から変形後の画像形状を決定するためのものである。ここで、表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時、上述したように、その表示面に表示されている画像は、表示面に対する相対的な利用者の視認方向とその表示面の法線方向とを含む仮想面がその表示面と交差する線に沿った方向に縮んだ状態で、利用者に視認される。そして、表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時に利用者により視認される画像形状が、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像形状(画像本来の形状)に比べてどの程度変わるのかは、予め把握できる。よって、利用者により視認される画像形状が上記検知データ等に応じてどの程度変わるかという上記検知データ等と画像形状との関係は、予め把握することができる。この関係を示すデータが上記形状決定データとなる。そして、上記データから形状決定データを用いて画像濃度を決定し、この決定した画像濃度となるように、表示面に表示される画像の画像濃度を調節する。これにより、上記検知時に利用者により視認される画像形状を、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像形状(画像本来の形状)と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
以上、所定の使用説明書等による利用者が、所定の目線方向から表示面上の画像を視認していることを条件に、所定の目線方向に対応した表示面の基本姿勢からの、実際の表示面のズレに応じて、検出手段の検出時に利用者が視認している画像形状をその画像本来の形状と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
また、請求項6の発明は、利用者により操作される操作手段と、表示面上に画像を表示する表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを備えた表示装置において、基準データを記憶する基準データ記憶手段と、上記操作手段に対して所定の操作が行われたときに上記検知手段により上記検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータを、該基準データとして該基準データ記憶手段に保存する保存手段と、該基準データを保存した後に該検知手段により該検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータと該基準データとの差分を算出する差分算出手段と、該差分から変形後の画像形状を決定するための形状決定データを記憶した形状決定データ記憶手段と、該差分算出手段により算出された差分から該形状決定データを用いて画像形状を決定し、上記表示面に表示される画像の形状が決定した画像形状となるように、該表示手段によって表示される画像の画像データを変更する画像データ変更手段とを有することを特徴とするものである。
この表示装置においても、請求項2の表示装置と同様に、操作手段に対して所定の操作が行われると、検知手段により検知して得た検知データ等が、基準データとして記憶手段に保存される。この基準データは、利用者が表示面の法線方向から画像を視認しているときの表示面の姿勢(基本姿勢)を示すものとなる。本請求項6の表示装置においては、基準データをこのようなデータとするため、利用者が表示面の法線方向から画像を視認したときに上記所定の操作を利用者に行わせる。例えば、使用説明書等に、「表示面の法線方向から画像を見たときに所定の操作を行ってください。」というような説明を記載しておくことにより、利用者が表示面の法線方向から画像を視認したときに上記所定の操作を利用者に行わせる。
本表示装置において、基準データの保存後の任意のタイミングで検知手段による検知を行い、これにより得た検知データ等は、その検知時における表示面の姿勢を示すものとなる。したがって、この検知データ等と上記基準データとの差分を算出することで、上記検知時における表示面の姿勢が上記基本姿勢に対してどの程度ズレているのかを把握することができる。すなわち、上記検知時における表示面の法線方向が上記基本姿勢にある表示面の法線方向に対してどの程度ズレているのかを把握することができる。一方、形状決定データ記憶手段に記憶された形状決定データは、上記検知データ等から変形後の画像形状を決定するためのものである。表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時、上述したように、その表示面に表示されている画像は、表示面に対する相対的な利用者の視認方向とその表示面の法線方向とを含む仮想面がその表示面と交差する線に沿った方向に縮んだ状態で、利用者に視認される。したがって、表示面の姿勢が基本姿勢からズレていると、利用者は、基本姿勢のときに視認する画像とは異なる形状の画像を視認することになる。そして、表示面の姿勢が基本姿勢からズレている時に利用者により視認される画像形状が、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像形状(画像本来の形状)に比べてどの程度変わるのかは、予め把握できる。よって、利用者により視認される画像形状が上記差分に応じてどの程度変わるかという差分と画像形状との関係は、予め把握することができる。この関係を示すデータが上記形状決定データとなる。そして、上記差分から形状決定データを用いて変更後の画像形状を決定し、この決定した画像形状となるように、表示面に表示される画像の形状を画像データを変更する。これにより、上記検知時に利用者により視認される画像形状を、表示面が基本姿勢であるときに利用者により視認される画像形状(画像本来の形状)と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
以上、所定の使用説明書等による利用者が、表示面の法線方向から画像を視認したときに上記所定の操作を行ったことを条件に、その所定の操作時の表示面の姿勢(基本姿勢)からの、実際の表示面のズレに応じて、検出手段の検出時に利用者が視認している画像形状をその画像本来の形状と同じ又はこれに近いものに調節することが可能となる。
また、本請求項6の表示装置は、利用者の目線方向が任意の方向を向いていても、利用者が上記所定の操作を行うことで基本姿勢を認識できる。よって、利用者は、表示面上の画像を視認する際の目線方向を、自分の見やすい方向に任意に決めることができる。これに対し、請求項5の表示装置は、利用者が所定の目線方向から表示面上の画像を視認しているという上述した条件が満たされないと、検出手段の検出時に利用者が視認している画像形状をその画像本来の形状と同じ又はこれに近いものに調節することができないため、利用者は、表示面上の画像を視認する際の目線方向を、自分の見やすい方向に任意に決めることができない。この点で、本請求項6の表示装置によれば、請求項5の表示装置に比べて利便性が高まる。ただし、本請求項6の表示装置においても、上記所定の操作を行った後は、利用者の目線方向を一定にする必要がある。
また、請求項7の発明に係るものは、請求項1、2、3、4、5又は6の表示装置を有することを特徴とする移動体通信端末である。
この移動体通信端末としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)方式の一つであるTD−SCDMA(MC:Multi Carrier)方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone Service)、自動車電話機等の電話機が挙げられる。また、この移動体通信端末としては、表示手段を有し、利用者に把持された状態で使用されるものであればよく、上記電話機のほか、電話機能を有しないPDA(Personal Digital Assistance)等の移動型の移動体通信端末なども含まれる。
以上、請求項1乃至4の発明及びこれらの請求項を引用した請求項7の発明によれば、表示面の姿勢が変わって表示面に対する相対的な利用者の視認方向が変わっても、その表示面に表示された画像を本来の濃度又はこれに近い濃度で利用者に視認させることが可能となるという優れた効果が奏される。
特に、請求項2の発明によれば、表示面上の画像を視認する際の利用者の目線方向を、その利用者が見やすい方向に任意に決めることができるので、利便性が高いという優れた効果が奏される。
また、請求項3の発明によれば、画像データを変更して画像濃度を調節する場合に比べて、画像濃度調節手段の処理が簡単化できるので、画像濃度調節手段の処理負担を軽減することができるという優れた効果が奏される。
また、請求項4の発明によれば、上記検知時に利用者により視認される画像濃度にムラが生じるのを抑制することが可能となるという優れた効果が奏される。
請求項5及び6並びにこれらの請求項を引用した請求項7の発明によれば、表示面の姿勢が変わって表示面に対する相対的な利用者の視認方向がその表示面の法線方向からズレても、その表示面に表示された画像を本来の形状又はこれに近い形状で利用者に視認させることが可能となるという優れた効果が奏される。
特に、請求項6の発明によれば、表示面上の画像を視認する際の利用者の目線方向を、その利用者が見やすい方向に任意に決めることができるので、利便性が高いという優れた効果が奏される。
以下、本発明を移動体通信端末としての携帯電話機に適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図である。
この移動体通信システムにおいて、ユーザー1が使用する携帯電話機20は、ユーザー1によって登録されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。本実施形態において、このアプリケーションプログラムは、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミング等によって開発されたものである。このようなアプリケーションプログラムとしては、JAVA(登録商標。以下同様。)で記述されたアプリケーションプログラム、C++言語で記述されたアプリケーションプログラム、BREW(登録商標。以下同様。)のアプリケーション実行環境上で動作するアプリケーションプログラムなどが挙げられる。また、アプリケーションプログラムは、C言語やアセンブリ言語等で記述された構造化プログラムであってもよい。この携帯電話機20は、通信ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。また、この携帯電話通信網10には、プログラム提供用サーバとしてのアプリケーションプログラムダウンロードサーバ(以下、「ダウンロードサーバ」という。)11が接続されている。このダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求を受け付けると、その要求に係るアプリケーションプログラムを携帯電話機20に対して送信する。
ダウンロードサーバ11から提供されるアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムの開発元2から提供される。具体的には、例えば、アプリケーションプログラム開発元2側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してダウンロードサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したアプリケーションプログラムを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、アプリケーションプログラム開発元2からダウンロードサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたアプリケーションプログラムは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してダウンロード可能な状態でダウンロードサーバ11に登録される。
図3は、上記ダウンロードサーバ11のハードウェア構成を示す概略構成図である。
このダウンロードサーバ11は、システムバス100、CPU101、内部記憶装置、外部記憶装置104、入力装置105及び出力装置106を備えている。上記内部記憶装置は、RAM102やROM103等で構成されている。上記外部記憶装置は、ハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ等で構成されている。上記入力装置105は、外部記憶装置104、マウスやキーボード等で構成されている。上記出力装置106は、ディスプレイやプリンタ等で構成されている。更に、このダウンロードサーバ11は、携帯電話通信網10を介して各ユーザー1の携帯電話機20と通信するための携帯電話用通信装置107を備えている。
上記CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いにデータやプログラムの命令等のやり取りを行っている。このダウンロードサーバ11を所定の手順に従って動作させるためのプログラムは、ROM103や外部記憶装置104に記憶されており、必要に応じてCPU101やRAM102上の作業エリアに呼び出されて実行される。また、このダウンロードサーバ11には、携帯電話機20に提供するアプリケーションプログラムが外部記憶装置104に記憶されている。ダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求に応じ、CPU101、RAM102、携帯電話通信網用通信装置107等が協働して、外部記憶装置104に記憶されているアプリケーションプログラムを、携帯電話通信網10を介して携帯電話機20に送信する機能を有している。なお、このダウンロードサーバ11は、専用の制御装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
図4は、上記携帯電話機20の外観を示す正面図であり、図5は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなる内部制御装置、入力装置204、出力装置205、携帯電話用通信装置206、加速度センサ207、地磁気センサ208を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26などから構成されている。上記出力装置205は、表示手段としての液晶ディスプレイ(LCD)27、スピーカ28等から構成されている。上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上記ダウンロードサーバ11と通信するためのものである。また、RAM202内には、後述する電話機プラットフォームが管理する第1の記憶手段としてのプラットフォーム用記憶領域と、後述するアプリケーション実行環境上で管理される第2の記憶手段としてのアプリケーション用記憶領域とが存在する。
上記加速度センサ207は、データ入力キーが設けられた操作面に対して平行な面内で互いに直交する2方向(図4中、X軸方向及びY軸方向)に向かう加速度αX,αYと、その面の法線方向(図4中、Z軸方向)に向かう加速度αZとを検出する3軸の加速度センサである。この加速度センサ207は、携帯電話機20の内部に設けられた図示しない回路基板上に実装されており、上記加速度αX,αY,αZを検出できる公知のものを用いることができる。本実施形態では、携帯電話機20の使用時すなわちシェルを開いた状態において、その操作面と液晶ディスプレイ27の画像面とのなす角は約160°程度で固定される。そのため、加速度センサ207によって検知される各加速度αX,αY,αZのデータは、液晶ディスプレイ27に作用する加速度と言える。
また、上記地磁気センサ208は、上記X軸、Y軸、Z軸からなる3次元座標上における地磁気の磁界強度成分(磁束密度成分)を検知する3軸のセンサである。そして、本実施形態では、この地磁気センサ208の検知結果を利用して、X軸、Y軸及びZ軸のまわりの角度θX,θY,θZを検出する。具体的には、地磁気の方向が、基準となる地磁気の方向(基準方向)に対して変化したときの変化量を、X軸、Y軸及びZ軸のまわりの角度θX,θY,θZを用いて検出する。これにより、地磁気の方向が基準方向にあるときの姿勢から携帯電話機がその姿勢を変化させたとき、その変化後の姿勢を各角度θX,θY,θZによって特定することができる。なお、以下の説明では、X軸まわりの角度θXをピッチ角といい、Y軸まわりの角度θYをロール角といい、Z軸まわりの角度θZをヨー角という。また、ここでいうヨー角θZは、上記Y軸を水平面上に投影した水平投影Y軸と北方位との角度を示すものである。よって、このヨー角θZにより、携帯電話機20の水平投影Y軸が向いている方位を把握することができる。この地磁気センサ208も、携帯電話機20の内部に設けられた図示しない回路基板上に実装されている。
なお、上記加速度センサ207及び上記地磁気センサ208は、携帯電話機20の本体とは別体の装置として構成してもよい。この場合、上記加速度センサ207及び上記地磁気センサ208については、これらのセンサ207,208を備えた外部装置を、携帯電話機20の本体と一体になるように、詳しくは携帯電話機20の液晶ディスプレイ27と一体になるように接続する。
図6は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示したブロック図であり、図7は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、無線通信手段としての電話通信部211及びデータ通信部212、操作手段としての操作部213、アプリケーションプログラム実行手段としてのアプリケーションプログラム実行管理部214、主制御部215、出力部216、検知手段としてのセンサ検知部217等を備えている。
上記電話通信部211は、他の携帯電話機や固定電話機と電話通信を行うために、携帯電話通信網10の基地局と無線通信を行うものであり、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。
上記データ通信部212は、上記電話通信部211と同様に、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。このデータ通信部212は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取りやWebページの閲覧等を行ったりするためのものである。また、このデータ通信部212は、携帯電話通信網10を介して、ダウンロードサーバ11が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードするためにも用いられる。
上記操作部213は、ユーザー1により操作される上述のテンキー21、通話開始キー22、終話キー23等で構成されている。この操作部213を操作することにより、ユーザーは、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、ユーザーは操作部213を操作することにより、上記ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードすることもできる。
上記アプリケーションプログラム実行管理部214は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202の一部等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行管理部214は、図7のソフトウェア構造上において中央の「アプリケーション実行環境」に対応しており、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。このアプリケーション実行環境は、実行するアプリケーションプログラムに応じて適宜選定される。例えば、実行するアプリケーションプログラムがJAVAで記述されたものである場合には、JAVAのアプリケーション実行環境を選定する。また、実行するアプリケーションプログラムがBREWの実行環境上で動作するC言語で記述されたものである場合には、BREWのアプリケーション実行環境を選定する。なお、実行するアプリケーションプログラムがJAVAで記述されたものである場合には、BREWのアプリケーション実行環境上に更にJAVAのアプリケーション実行環境を構築することで、これを実行することができる。
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記アプリケーション実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン:VM)が終了するまで、RAM202内におけるアプリケーション用記憶領域に記憶される。また、アプリケーション実行環境は、アプリケーションプログラムの実行に際して用いる各種データも、そのアプリケーション用記憶領域に保存する。そして、この各種データを用いるときには、このアプリケーション用記憶領域から読み出したり、書き込んだりする。また、アプリケーション実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
本実施形態において、加速度センサ207及び地磁気センサ208等で構成される後述のセンサ検知部217で検知した検知データ(加速度αX,αY,αZ及びピッチ角θX、ロール角θY、ヨー角θZ)は、アプリケーションプログラムで利用される。従来のアプリケーション実行環境においては、アプリケーションプログラムが上記検知データを利用する手段がなかったため、本実施形態では、クラスライブラリに新しいクラス(Orientationクラス)を追加している。このOrientationクラスには、加速度αX,αY,αZのデータを取得するためのgetXGravity()、getYGravity()及びgetZGravity()や、ピッチ角θX、ロール角θY、ヨー角θZの各データを取得するためのgetPitch()、getRoll()、getCompassBearing()等の命令セットであるメソッドが用意されている。よって、本実施形態によれば、アプリケーションプログラムは、これらのメソッドを使用して上記検知データを取得し、これを利用することができる。
上記主制御部215は、上記電話通信部211、データ通信部212、出力部216、センサ検知部217を制御するものであり、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。この主制御部215は、アプリケーションプログラム実行管理部214との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これと協働して制御を行う。主制御部215は、図7のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」に対応しており、上記電話通信部211等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記アプリケーション実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることにより、アプリケーションプログラムにおいて各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記アプリケーション実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。また、アプリケーション実行環境が電話機プラットフォームAPIを介して電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用したとき、電話機プラットフォームは、その電話機プラットフォームライブラリに応じた処理を実行する。例えば、電話機プラットフォームは、電話機プラットフォームライブラリを利用したアプリケーション実行環境からの指示に基づき、RAM202内における電話機プラットフォームが管理するプラットフォーム用記憶領域に記憶されたデータを読み出して、これをアプリケーション用記憶領域に移行することができる。
上記出力部216は、上述の液晶ディスプレイ27、スピーカ28等からなる出力装置205等で構成されている。また、この出力部216には、液晶ディスプレイ27の表示面に表示される画像の濃度を設定するための濃度設定値データを記憶するメモリが設けられている。このメモリに記憶された濃度設定値データは、主制御部215からの設定値変更指令に基づき、書き換え可能である。出力部216は、上記データ通信部212で受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ27に表示する。また、この出力部216の液晶ディスプレイ27は、上記電話通信部211やデータ通信部212で情報を着信した旨をユーザーに報知するときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、主制御部215により、出力部216の液晶ディスプレイ27に着信報知画像を表示したり、スピーカ28から着信音を出力させたりする。更に、この出力部216は、アプリケーション実行環境で実行されるアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連したメニュー画面等の表示や音楽の出力にも用いられる。
上記センサ検知部217は、上述の加速度センサ207や地磁気センサ208等で構成されている。このセンサ検知部217は、上記主制御部215の制御の下で動作し、その検知データは主制御部215が取得する。検知データである加速度αX,αY,αZのデータ、ピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZのデータは、上述したようにRAM202のプラットフォーム用記憶領域に記憶される。例えば携帯電話機20に作用する重力方向すなわち液晶ディスプレイ27の表示面に作用する重力方向に応じて変化するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の重力加速度成分は、センサ検知部217を構成する加速度センサ207によって検知される。検知データが主制御部215に入力されると、主制御部215は、その検知データからX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の各加速度を把握することができる。加速度αX,αY,αZのデータは、主制御部215によって、RAM202内のプラットフォーム用記憶領域に一時保存される。
また、携帯電話機20の姿勢が変わると、その姿勢の変化後における磁界強度成分(磁束密度成分)がセンサ検知部217を構成する地磁気センサ208によって検知される。センサ検知部217は、地磁気センサ208で検知された検出信号から姿勢変化後のそれぞれの角度θx,θY,θZを算出する。算出した各角度θx,θY,θZのデータは、加速度αx,αY,αZの場合と同様に、主制御部215へ出力され、主制御部215によってRAM202内のプラットフォーム用記憶領域に一時保存される。
また、携帯電話機20の向きが変わると、その向きの変化後における磁界強度成分(磁束密度成分)がセンサ検知部217を構成する地磁気センサ208によって検知される。センサ検知部217は、地磁気センサ208で検知された検出信号から向きの変化後におけるヨー角θZを算出する。算出したヨー角θZのデータも、同様に、主制御部215へ出力され、主制御部215によってRAM202内のプラットフォーム用記憶領域に一時保存される。
なお、プラットフォーム記憶領域へ保存する加速度αx,αY,αZや各角度θx,θY,θZのデータを、主制御部215がセンサ検知部217から取得する方法としては、次のようなものが挙げられる。例えば、主制御部215からセンサ検知部217へリクエストを送り、これに応じてセンサ検知部217が出力したデータを主制御部215が受信する取得方法である。また、例えば、リクエストがなくてもセンサ検知部217が連続的に出力するデータを、主制御部215が適宜受信する取得方法を採用してもよい。また、アプリケーションプログラムがアプリケーションプログラム実行管理部214を介して出力したリクエストに応じて主制御部215がセンサ検知部217へリクエストを送り、これに応じてセンサ検知部217が出力したデータを主制御部215が受信する取得方法を採用することもできる。
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記アプリケーション実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
次に、本発明の特徴部分である、液晶ディスプレイ27の表示制御について説明する。なお、本実施形態では、上記ピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZを用いたアプリケーションプログラムを実行するための処理動作に適用した場合を例に挙げて説明する。本実施形態では、このアプリケーションプログラムは、ゲームであるフライトシミュレータである。
図1は、フライトシミュレータ用アプリケーションプログラムを実行するための処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザー1は、フライトシミュレータ用アプリケーションプログラムを上記ダウンロードサーバ11からダウンロードして取得し、これを登録する(S1)。具体的には、ユーザー1は、操作部213のキーを操作して、ダウンロードサーバ11にアクセスする。これにより、ダウンロード可能なアプリケーションプログラムを選択するためのダウンロード選択画面が液晶ディスプレイ27上に表示される。そして、そのダウンロード選択画面において、実行対象となるアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、主制御部215がデータ通信部212を制御して、そのアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードする。このようにしてダウンロードされたアプリケーションプログラムは、主制御部215により、RAM102に記憶される。
ダウンロードしたアプリケーションプログラムを実行する場合、ユーザー1は、操作部213のキーを操作して、実行するアプリケーションプログラムを選択するためのアプリケーション選択画面を液晶ディスプレイ27上に表示させる。そして、そのアプリケーション選択画面において、実行対象であるフライトシミュレータ用アプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下する。すると、図7に示した電話機プラットフォームすなわち図6に示した主制御部215に、アプリケーションプログラムの実行指示が入力される(S2)。これにより、主制御部215は、フライトシミュレータ用アプリケーションプログラムを読み出してこれを起動する(S3)。アプリケーションプログラムが起動すると、図7に示したアプリケーション実行環境すなわち図6に示したアプリケーションプログラム実行管理部214上で、そのアプリケーションプログラムが動作する。
このプログラムが起動し、ユーザー1がゲームを開始するための所定の操作を操作部213のキーに対して行うと(S4)、ゲームが開始され、出力部216の液晶ディスプレイ27に、飛行機の操縦席からの視界を擬似的に表したゲーム画面が表示される。そして、アプリケーションプログラムは、センサ検知部217によって検知されるピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZのデータをほぼリアルタイムで取得するための角度データ取得処理を開始する。そして、そのプログラムは、取得したデータに応じて液晶ディスプレイ27に表示されるゲーム画面の内容を更新する。例えば、ユーザー1が携帯電話機20のアンテナ側を鉛直方向下方に傾けると、これによりピッチ角θXが変化し、ゲーム上の飛行機の機首が鉛直方向下方に向いたゲーム画面に更新される。また、例えば、ユーザー1が携帯電話機20の液晶ディスプレイ27の表示面を左側に傾けると、これによりロール角θYが変化し、ゲーム上の飛行機が左側に傾いたゲーム画面に更新される。
具体的に説明すると、図8に示すように、アプリケーション実行環境において、起動したアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラム実行管理部214に対して、角度データの取得要求を送る。これを受けたアプリケーションプログラム実行管理部214は、電話機プラットフォームの主制御部215に対してデータ移行命令である角度データの取得要求を送る。これを受けた主制御部215は、RAM202内のプラットフォーム用記憶領域に記憶したピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZのデータを、アプリケーションプログラム実行管理部214に送り、これらのデータはアプリケーションプログラムに渡される。そして、ピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZのデータを取得したアプリケーションプログラムは、そのデータを、RAM202内のアプリケーション用記憶領域に記憶する。そして、ピッチ角θX、ロール角θY及びヨー角θZに基づいて、出力部216へ出力するゲーム画面情報を更新する。
ここで、本実施形態においては、ゲーム画面を表示する表示手段が液晶ディスプレイ27であるため、上述したように、ユーザー1に視認される画像濃度が表示面に対する相対的なユーザー1の視認方向に応じて変化する特性を有する。具体例を挙げると、液晶ディスプレイ27は、ユーザー1が表示面の法線方向から視認した場合、図10(a)の左側に示すように、最適な画像濃度すなわちゲーム画面本来の画像濃度でそのゲーム画面を視認できる。よって、ユーザー1は、ゲーム開始時においては、図9(a)に示すように、液晶ディスプレイ27の表示面の法線方向から、その表示面に表示されるゲーム画面を視認するように、携帯電話機20を把持する。そして、この姿勢(基本姿勢)からゲームが開始され、例えば、ユーザー1がゲーム上の飛行機の機首を鉛直方向下方に向けるべく、携帯電話機20を図9(a)中矢印Aに示す方向に傾けると、携帯電話機20は図9(b)に示す姿勢をとる。このとき、液晶ディスプレイ27の表示面に対する相対的なユーザー1の視認方向がゲーム開始時から変化し、図9(b)に示すように、その視認方向が表示面の法線方向からズレる。すなわち、最適な画像濃度で画像を視認できる方向からズレることになる。そのため、ユーザー1は、ゲーム上の飛行機を操縦するために携帯電話機20の姿勢を変え、表示面に対する相対的な視認方向が表示面の法線方向からズレると、図10(a)の右側に示すように、そのゲーム画面がもつ本来の画像濃度でそのゲーム画面を視認することができなくなってしまう。
また、図9(b)に示すように、表示面に対する相対的なユーザー1の視認方向が表示面の法線方向からズレると、その表示面に表示されたゲーム画面は、図11(a)に示すように、その視認方向と表示面の法線方向とを含む仮想面すなわちYZ平面がその表示面と交差する線に沿った方向(図11(a)の上下方向)に縮んだ状態で、ユーザー1に視認されることになる。そのため、ユーザー1は、表示面上のゲーム画面に映し出される飛行機の操縦席画像や操縦席から見える景色画像などを、これらの画像本来の形状で視認することができない。
そこで、本実施形態においては、まず、ユーザー1がゲームを開始するための所定の操作を行うと(S4)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、保存手段として機能し、アプリケーションプログラムが最初に取得した角度データθX,θY,θZを、基準データとして、RAM202内のアプリケーション用記憶領域における基準データ記憶領域(基準データ記憶手段)に保存する(S5,S6)。この基準データに基づき、ユーザー1が液晶ディスプレイ27の表示面の法線方向からその表示面に表示されるゲーム画面を視認しているときの携帯電話機20の姿勢(基本姿勢)を把握する。そして、ユーザー1がゲーム上の飛行機を操縦するために携帯電話機20の姿勢を変えると、その姿勢変化がセンサ検知部217の地磁気センサ208によって検知され、その角度θX,θY,θZのデータがアプリケーションプログラムに受け渡される(S7)。これにより、アプリケーションプログラム実行管理部214は、アプリケーションプログラムの内容に従い、液晶ディスプレイ27にゲーム画面を表示させるためのゲーム画面情報を更新するとともに(S8)、画像濃度調節処理及び画像形状調節処理を行い(S9,S10)、更新後のゲーム画面を液晶ディスプレイ27の表示面に描画するための処理を実行する(S11)。
上記画像濃度調節処理において、アプリケーションプログラム実行管理部214は、差分算出手段として機能し、上記S7で取得した角度θX,θY,θZのデータと、基準データ記憶領域に記憶された基準データとの差分を算出する。例えば、ユーザー1が携帯電話機20を図9(a)に示す基本姿勢から図9(b)に示す姿勢へ動かしたとき、このときのピッチ角θXのデータが基準データよりも小さい値になる。よって、上記差分を算出することで、携帯電話機20が、基本姿勢からX軸の回りをマイナス方向へどのくらいの角度で回転したかを把握することができる。また、RAM202のアプリケーションプログラム用記憶領域の濃度決定テーブル記憶領域(濃度決定データ記憶手段)には、この差分によって液晶ディスプレイ27の画像濃度を決定するための濃度決定データとしての濃度調節テーブルが記憶されている。この濃度決定テーブルは、基準データとの各差分値と、その差分値のときにユーザー1により視認される画像濃度が基本姿勢時にユーザー1により視認される画像濃度とほぼ同じとなるように、液晶ディスプレイ27の画像濃度を調節するための濃度設定値データとを互いに関連づけたものである。
アプリケーションプログラム実行管理部214は、上記差分を算出した後、主制御部215及び出力部216とともに画像濃度調節手段として機能する。具体的には、アプリケーションプログラム実行管理部214は、濃度決定テーブル記憶領域から、算出した差分に対応する濃度設定値データを読み出す。そして、出力部216のメモリに記憶された濃度設定値データを、読み出した濃度設定値データに書き換えるための設定値変更指令を、主制御部215に出力させるための処理を行う。これにより、出力部216が設定値変更指令を受信したら、出力部216は、メモリ内の濃度設定値データを、設定値変更指令に基づく濃度設定値データに書き換える。本実施形態における出力部216は、液晶ディスプレイ27の表示面に表示される画像の濃度が濃度設定値データに基づく画像濃度となるように描画処理する(S11)。したがって、上述のようにユーザー1が携帯電話機20を図9(a)に示す基本姿勢から図9(b)に示す姿勢へ動かしても、ユーザー1は、図10(b)に示すように、液晶ディスプレイ27の表示面に表示されるゲーム画面を、表示面の法線方向から見たときの画像濃度をほぼ同じ画像濃度で視認することができる。なお、本実施形態においては、携帯電話機20を基本姿勢からY軸まわりに回転させてもZ軸まわりに回転させても、ユーザー1は、液晶ディスプレイ27の表示面に表示されるゲーム画面を、表示面の法線方向から見たときの画像濃度をほぼ同じ画像濃度で視認することができる。
上記画像形状調節処理においては、上記差分を算出した後、主制御部215及び出力部216とともに画像形状調節手段として機能する。具体的に説明すると、RAM202のアプリケーションプログラム用記憶領域の形状決定データ記憶領域(形状決定データ記憶手段)には、上記差分によって変形後の画像形状を決定するための形状決定データとしての形状決定テーブルが記憶されている。この形状決定テーブルは、基準データとの差分値と、その差分値のときにユーザー1により視認されるゲーム画面の画像形状が基本姿勢時にユーザー1により視認される画像形状とほぼ同じとなるように、画像データを変更するための形状決定値データとを互いに関連づけたものである。
アプリケーションプログラム実行管理部214は、形状決定テーブル記憶領域から算出した差分に対応する形状決定値データを読み出すと、アプリケーションプログラム中のゲーム画面変形プログラムの形状決定パラメータを、読み出した形状決定値データに基づいて置き換える。その後、そのゲーム画面変形プログラムの内容に従って、上記S8で更新したゲーム画面情報を変更する。例えば、ユーザー1が携帯電話機20を図9(a)に示す基本姿勢から図9(b)に示す姿勢へ動かしたときには、図11(b)に示すように、液晶ディスプレイ27の表示面に表示されるゲーム画面がおよそY軸方向に伸びた状態になるように、更新後のゲーム画面情報を変更する。これにより、その更新後のゲーム画面情報を受信した出力部216は、液晶ディスプレイ27の表示面に、図11(b)に示すようなゲーム画面が表示されるように描画処理する(S11)。したがって、上述のようにユーザー1が携帯電話機20を図9(a)に示す基本姿勢から図9(b)に示す姿勢へ動かしても、ユーザー1は、図11(c)に示すように、液晶ディスプレイ27の表示面に表示されるゲーム画面を、表示面の法線方向から見たときの画像形状をほぼ同じ画像形状で視認することができる。なお、本実施形態においては、携帯電話機20を基本姿勢からY軸まわりに回転させてもZ軸まわりに回転させても、ユーザー1は、液晶ディスプレイ27の表示面に表示されるゲーム画面を、表示面の法線方向から見たときの画像形状をほぼ同じ画像形状で視認することができる。
本実施形態において、主制御部215は、ゲーム開始後にアプリケーションプログラム実行管理部214から角度データの取得要求を受け取ることで、その後は、プラットフォーム記憶領域内の角度θX,θY,θZのデータが更新されるたびに、更新後のデータをアプリケーションプログラム実行管理部214に送る。よって、ユーザー1は、携帯電話機20の液晶ディスプレイ27を見ながら携帯電話機20の本体を傾けることで、ゲーム上の飛行機を操縦するというゲームを楽しむことができる。これにより、操縦の臨場感を高めることができる。しかも、携帯電話機20の本体を傾けて、図9(b)に示したように表示面に対する相対的なユーザー1の視認方向が表示面の法線方向からズレても、ユーザー1は、液晶ディスプレイ27の表示面をその法線方向から見たときとほぼ同じ画像濃度及び画像形状で、ゲーム画面を視認することができる。したがって、ゲーム上の飛行機を操縦すべく携帯電話機20の本体を傾けても、そのゲーム画面がもつ本来の画像濃度でそのゲーム画面を視認でき、また、そのゲーム画面に映し出される飛行機の操縦席画像や操縦席から見える景色画像などをこれらの画像本来の形状で視認できる。
なお、本実施形態の画像濃度調節処理においては、出力部216のメモリに記憶されている濃度設定値を書き換えることにより画像濃度の調節を行ったが、液晶ディスプレイ27の表示面に表示される画像の濃度を調節できるものであれば、他の公知の方法で行ってもよい。例えば、上記画像形状調節処理と同様に、アプリケーションプログラム中に画像濃度変更プログラムを用意しておき、そのプログラムの内容に従って画像濃度が変更されるように上記S8で更新したゲーム画面情報を変更するようにしてもよい。この場合、上記濃度調節テーブルに代えて、基準データとの差分値と、その差分値のときにユーザー1により視認されるゲーム画面の画像濃度が基本姿勢時にユーザー1により視認される画像濃度とほぼ同じとなるように画像データを変更するための濃度決定値データとを互いに関連づけたテーブルを用いる。そして、アプリケーションプログラム実行管理部214は、算出した差分に対応する濃度決定値データに基づいて、上記画像濃度変更プログラムの濃度決定パラメータを置き換えるようにする。
また、本実施形態では、センサ検知部217の地磁気センサ208により検知されるピッチ角θX、ロール角θY、ヨー角θZを利用して液晶ディスプレイ27の表示面の姿勢を把握したが、加速度センサ207により検知される3つの加速度αX,αY,αZを利用して液晶ディスプレイ27の表示面の姿勢を把握することもできる。すなわち、加速度センサ207により重力加速度を検知することで、その加速度αX,αY,αZはそれぞれX軸、Y軸、Z軸の各重力加速度成分となる。この各重力加速度成分から、重力方向に対する携帯電話機20の姿勢すなわち表示面の姿勢を把握することができる。
また、本実施形態においては、センサ検知部217から送信されてくる角度データを、電話機プラットフォーム上に構築されるアプリケーション実行環境上で動作するプラットフォームに依存しないアプリケーションプログラムで利用する場合について説明したが、プラットフォームに依存するアプリケーションプログラムすなわち電話機プラットフォーム上で直接動作するものであっても同様である。
また、本実施形態では、アプリケーションプログラムとして、ダウンロードサーバ11からダウンロードしたものを用いているが、携帯電話機20に予めプリインストールされているものや、コンテンツの利用に応じて課金を行う「超流通」と呼ばれるシステムにより提供されたアプリケーションプログラムであってもよい。また、DRM(Digital Rights Management)等で保護されたアプリケーションプログラムであってもよい。
また、本発明は、上述したフライトシミュレータのようなゲームのほか、例えば、液晶ディスプレイ27に表示されるゲーム画面上においてゲーム内の仮想のボールを穴に落とすというゲームに適用しても有用である。この場合、そのアプリケーションプログラムは、例えば、携帯電話機20を傾けることで、仮想のボールがその傾きの方向に移動するような内容とする。
また、本発明は、上述した携帯電話機20に限らず、広く、ユーザーに視認される画像濃度が液晶ディスプレイ27のように表示面に対する相対的なユーザー1の視認方向に応じて変化する特性を備えた表示手段を有する表示装置に対して有用である。例えば、机の上に設置されたパーソナルコンピュータ用の液晶ディスプレイに対しても適用できる。この場合、その机で作業を行っているユーザーがその液晶ディスプレイの表示面の向きを代えても、ユーザーは、常に液晶ディスプレイの表示面の法線方向から視認しているときとほぼ同じ画像濃度又は画像形状で、その画像を視認することが可能となる。
〔変形例〕
次に、図12を参照して上記実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態では、ユーザー1が所定の操作を行うことでにより、基本姿勢を特定するための基準データである角度データθX,θY,θZをRAM202に保存する例について説明した。この例によれば、基本姿勢が固定的でなく、ユーザー1は、表示面上の画像を視認する際の目線方向を、自分の見やすい方向に任意に決めることができる点で、利便性が高い。これは、ユーザー1に把持された状態で表示面の画像が視認される携帯電話機等のように、ユーザー1の目線方向が予測できない場合において、非常に有益である。一方で、例えば、上述した机の上に設置されたパーソナルコンピュータ用の液晶ディスプレイのように、ユーザーの目線方向がほとんど変化しない状態で使用されるものについては、基本姿勢が固定的であってもよい。むしろ、上記所定の操作をいちいち行って済む点で利便性が高まる。そこで、本変形例では、ユーザー1による所定操作にかかわらず予め基本姿勢が決まっている例について説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態と同様に、フライトシミュレータ用アプリケーションプログラムを実行するための処理動作に適用した場合を例に挙げる。
図12は、本変形例におけるフライトシミュレータ用アプリケーションプログラムを実行するための処理の流れを示すフローチャートである。本変形例においては、RAM202内のアプリケーション用記憶領域における基準データ記憶領域には、予め決めてある基本姿勢を特定するための角度データθX,θY,θZが記憶されている。よって、図1に示した上記S6及び上記S7に相当する処理が省かれているが、これを除いて、全体的な処理の流れは上述した実施形態の場合と同様である。この場合、使用説明書等により、ユーザー1に、表示面に対して視認する方向すなわち利用者の目線の方向を一定にしたまま、その表示面に表示される画像を視認させるようにする。これにより、本変形例においても、上記実施形態と同様の処理を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例のように基本姿勢が予め決めてある場合、検知した角度データθX,θY,θZと基準データとの差分を算出するがなくても、上記濃度調節テーブルや上記形状決定テーブルを修正することにより、その角度データθX,θY,θZから直接的にその検知時における姿勢が基本姿勢からどの程度ずれているかを認識することができる。したがって、この場合には、基準データ記憶領域をRAM202に用意しなくてもよくなることに加え、上記差分の算出処理も必要なくなるので処理効率を向上させることができる。
実施形態における携帯電話機でアプリケーションプログラムを実行するための処理の流れを示すフローチャート。 同携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図。 同移動体通信システムを構成するダウンロードサーバのハードウェア構成を示す概略構成図。 同携帯電話機の外観を示す正面図。 同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。 同携帯電話機の主要部を抽出して示したブロック図。 同携帯電話機におけるソフトウェア構造の説明図。 同携帯電話機でアプリケーションプログラムを実行する際のシーケンスフロー図。 同携帯電話機をX軸まわりに回転させて表示面の姿勢を変えたときの説明図。 (a)は、従来の携帯電話機を図9に示すように回転させる前後において、ユーザーにより視認される画像濃度を示す説明図。(b)は、実施形態における携帯電話機を図9に示すように回転させる前後において、ユーザーにより視認される画像濃度を示す説明図。 (a)は、従来の携帯電話機を図9に示すように回転させる前後において、ユーザーにより視認される画像形状を示す説明図。(b)は、図9に示すように回転させた後の表示面上の画像をその法線方向から視認したときの画像形状を示す説明図。(c)は、同携帯電話機を図9に示すように回転させる前後において、ユーザーにより視認される画像形状を示す説明図。 変形例におけるアプリケーションプログラムを実行するための処理の流れを示すフローチャート。
符号の説明
10 携帯電話通信網
11 ダウンロードサーバ
20 携帯電話機(移動体通信端末)
27 液晶ディスプレイ(表示手段)
207 加速度センサ
208 地磁気センサ
214 アプリケーションプログラム実行管理部
215 主制御部
216 出力部
217 センサ検知部(検知手段)

Claims (7)

  1. 利用者に視認される画像濃度が表示面に対する相対的な利用者の視認方向に応じて変化する特性を備えた表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを有する表示装置において、
    上記検知手段により上記検知を行って得られる検知データ又はこれを演算したデータから画像濃度を決定するための濃度決定データを記憶した濃度決定データ記憶手段と、
    該検知手段により該検知を行って得た検知データ又はこれを演算したデータに基づき該濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、上記表示面に表示される画像の画像濃度が、決定した画像濃度となるように調節する画像濃度調節手段とを有することを特徴とする表示装置。
  2. 利用者により操作される操作手段と、利用者に視認される画像濃度が表示面に対する相対的な利用者の視認方向に応じて変化する特性を備えた表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを有する表示装置において、
    基準データを記憶する基準データ記憶手段と、
    上記操作手段に対して所定の操作が行われたときに上記検知手段により上記検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータを、該基準データとして該基準データ記憶手段に保存する保存手段と、
    該基準データを保存した後に該検知手段により該検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータと該基準データとの差分を算出する差分算出手段と、
    該差分から画像濃度を決定するための濃度決定データを記憶した濃度決定データ記憶手段と、
    該差分算出手段により算出された差分から該濃度決定データを用いて画像濃度を決定し、上記表示面に表示される画像の画像濃度が、決定した画像濃度となるように調節する画像濃度調節手段とを有することを特徴とする表示装置。
  3. 請求項1又は2の表示装置において、
    濃度設定値を記憶する設定値記憶手段を有し、
    上記表示手段は、該設定値記憶手段に記憶された濃度設定値に従った画像濃度の画像を上記表示面に表示するものであり、
    上記画像濃度調節手段による調節は、該設定値記憶手段に記憶された濃度設定値を書き換えることにより行うことを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1又は2の表示装置において、
    上記画像濃度調節手段による調節は、上記表示手段によって表示される画像の画像データを変更することにより行うことを特徴とする移動体通信端末。
  5. 表示面上に画像を表示する表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを有する表示装置において、
    上記検知手段により上記検知を行って得られる検知データ又はこれを演算したデータから変形後の画像形状を決定するための形状決定データを記憶した形状決定データ記憶手段と、
    該検知手段により該検知を行って得た検知データ又はこれを演算したデータに基づき該形状決定データを用いて画像形状を決定し、上記表示面に表示される画像の形状が決定した画像形状となるように、該表示手段によって表示される画像の画像データを変更する画像データ変更手段とを有することを特徴とする表示装置。
  6. 利用者により操作される操作手段と、表示面上に画像を表示する表示手段と、該表示面の姿勢を検知する検知手段とを備えた表示装置において、
    基準データを記憶する基準データ記憶手段と、
    上記操作手段に対して所定の操作が行われたときに上記検知手段により上記検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータを、該基準データとして該基準データ記憶手段に保存する保存手段と、
    該基準データを保存した後に該検知手段により該検知を行い、該検知によって得た検知データ又はこれを演算したデータと該基準データとの差分を算出する差分算出手段と、
    該差分から変形後の画像形状を決定するための形状決定データを記憶した形状決定データ記憶手段と、
    該差分算出手段により算出された差分から該形状決定データを用いて画像形状を決定し、上記表示面に表示される画像の形状が決定した画像形状となるように、該表示手段によって表示される画像の画像データを変更する画像データ変更手段とを有することを特徴とする表示装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の表示装置を有することを特徴とする移動体通信端末。
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