JP4349241B2 - 柱固定部材 - Google Patents

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Description

本発明は、柱固定部材に関する。
一般に、コンクリート製等の基礎の上面に沿って土台が配設される土台部構造では、断面角形の木材製の土台が使用されている。この木材製の土台は、基礎に突設されたアンカーボルトにより固定され、また、柱や間柱等もこの土台を介して立設される。
近年、このような土台部構造において、木材製の土台に代えてアルミニウム合金製の土台を使用する技術が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術では、土台部分がアルミニウム合金製の形材から形成されており、このような土台部構造によれば、白蟻の食害、湿気による腐食や寸法変化がなく、軽量で加工精度および施工性が高められる等の利点が得られる。
特開2004−36182号公報(全頁)
ところで、基礎の上面に沿って配設される土台は、例えば、基礎の隅部や基礎が交差する場所において土台同士が繋がれることとなるが、その部分では、土台を通す方向によって土台の「勝ち」「負け」が生じてしまう。したがって、「勝ち」となる側の土台は、「負け」となる側の土台よりも、幅寸法分だけ、長く形成する必要がある。したがって、柱間の寸法が一定であっても隣接する土台との「勝ち」「負け」の関係で、長さの異なる寸法のものを複数種類用意する必要があり、経済性が悪いという問題があった。
また、長さの異なるものを取り違えて施工してしまうこともあり、煩雑であった。
そこで、本発明は、同じ寸法の柱間に配置される土台を複数種類用意する必要がなく経済性に優れた柱固定部材を提供することを目的とする。
本発明の柱固定部材は、基礎に植設されたアンカーボルトを利用して前記基礎の上面に固定される柱固定部材であって、前記アンカーボルトが挿通される挿通孔を有する下部と、柱取付用の取付部を有する上部と、前記下部と前記上部とを連結する一体または別体で形成される側部と、を備え、前記上部と前記下部とに係合して、前記上部と前記下部との間に後付けで螺合された補強部材を具備したことを特徴とする。
このような柱固定部材によれば、補強部材の取り付けを螺合により簡単に行うことができ、しかも確実に補強することができるという利点が得られる。
また、前記上部と前記下部との対向部には、ボルト孔がそれぞれ形成されており、前記補強部材は、前記上部の前記ボルト孔から前記下部の前記ボルト孔にわたる状態に螺合するボルトであり、前記ボルトのねじ部に通されたナットが前記上部の前記下部側から前記上部に向けて締め付けられる構成とするのがよい。
また、この柱固定部材によれば、下部と、上部と、この下部と上部とを連結する一体または別体で形成される側部とを備え、上部と下部とに係合する補強部材とを備えているので、上部と下部との間が補強部材で補強され剛性の向上された柱固定部材が得られる。
ところで、柱固定部材の剛性を向上させることを考えた場合、柱の荷重がかかる方向、すなわち、上下方向となる下部と上部との間を補強することが効果的である。しかし、下部と上部との間を補強用の壁や柱等で補強すると、結果的に下部と上部との間の空間がこれらの補強用の壁や柱等の存在で狭まることとなる。このため、アンカーボルトの固定を行うための作業空間を下部と上部との間の空間に確保することが難しくなり、柱固定部材の補強とアンカーボルトの固定との両立に、困難性があった。
これに対し、本発明の柱固定部材は、補強部材が上部と下部との間に後付けで取り付けられる構成となっているので、アンカーボルトの固定作業を、補強部材の無い状態で行うことができる。すなわち、基礎に植設されたアンカーボルトを下部の挿通孔に挿通してナットをアンカーボルトに螺着し、基礎に下部を固定した後に、補強部材を下部と上部との間に取り付けることができる。つまり、本発明の柱固定部材では、アンカーボルトを利用した柱固定部材の固定および柱固定部材の補強を両立することができ、固定が容易で施工性が損なわれず、しかも、剛性の向上された柱固定部材が得られる。
本発明によれば、同じ寸法の柱間に配置される土台を複数種類用意する必要がなく経済性に優れた建物の柱固定部材が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
参考実施形態
図1は参考実施形態に係る建物の土台部構造を示した斜視図であり、基礎Kの上面に固定された柱固定部材10と、この柱固定部材10と隣り合う柱固定部材10(不図示)との間に配置された土台20とを備えて構成されている。柱固定部材10は基礎Kの上面に直接載置されて固定されており、その上部には柱材30が固定されている。
(柱固定部材)
図2(a)〜(f)は柱固定部材10を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は補強部材の正面図、(d)は補強部材の側面図、(e)はアンカーボルトを利用して固定した状態を示す縦断面図、(f)は同じくアンカーボルトを利用して固定した状態を示す水平断面図である。また、図3は参考実施形態に係る建物の土台部構造を示した分解斜視図、図4は柱固定部材の固定状態を示した拡大断面図である。
柱固定部材10は、アルミニウム合金製の押出形材からなり、図2(a)に示すように、下板11と、上板12と、これらを鉛直方向に連結する左右の側板13,13と、上板12の上面に鉛直に立設された取付板14とを備えて構成されている。下板11および上板12の対向面には、柱固定部材10の奥行き方向に延びる段部11a,12aが対向方向に突設されており、この段部11a,12aには、奥部に拡巾部を有するあり溝状凹部11b,12bが形成されている。このあり溝状凹部11b,12bには、後記する補強部材15が後付けにより係合するようになっている。
なお、柱固定部材10は、押出形材により一体に形成されるものに限らず、例えば、側板13,13を別体で形成し、溶接等により下板11および上板12に接合してなる構成としてもよい。
下板11の中央部分には、図2(a)(b)(e)(f)にそれぞれ示すように、挿通孔11cが形成されており、この挿通孔11cに、基礎K(図1参照)に植設されたアンカーボルトB(図2(e)参照)が挿通されるようになっている。挿通孔11cは、アンカーボルトBの径寸法より大きな径寸法を備えて形成されており、これにより、アンカーボルトBの植設位置に若干の位置ずれが生じている場合でも、これを吸収したかたちで柱固定部材10を正確な位置に取り付けることができる。したがって、施工性がよい。挿通孔11cに挿通されたアンカーボルトBには、図1,図2(e)(f),図3に示すように、分厚く形成されたワッシャ16が挿通され、その上からナットNが螺着される。
取付板14は、後記する柱材30のスリット31に挿入可能な平板状に形成されており、図2(a)(b)に示すように、上板12の上面中央部の前後方向に沿って形成されている。また、取付板14は、図1に示すように、複数本のドリフトピン32を挿入することができるように上方へ長く延設された縦長四角形状に形成されている。本実施形態では、取付板14に、ドリフトピン32を挿入するための貫通孔14aが計4箇所穿設されている。
補強部材15は、図2(c)(d)に示すように、板状の基部15aと、この基部15aの下部および上部に一体的に形成された係合部15b,15bとを有している。係合部15b,15bは、柱固定部材10のあり溝状凹部11b,12bにきつく係合する大きさの台形状に形成されている。柱固定部材10は、前記アンカーボルトBを利用して基礎Kの上面に固定された状態で、下板11の上面に、図2(f)に示すように、前記アンカーボルトBに挿通されたワッシャ16が位置することとなる。したがって、補強部材15は、このワッシャ16に干渉することのない奥行き寸法で形成される。
このような補強部材15は、図3に示すように、柱固定部材10の正面側および背面側(図中斜め左下方および斜め右上方)から、あり溝状凹部11b,12bに係合され、下板11と上板12との間に介在される。本実施形態では、図2(a)に示すように、あり溝状凹部11b,12bが取付板14の長手方向の延長上となる下方位置に形成されているので、あり溝状凹部11b,12bに補強部材15を係合させることで、柱固定部材10は、鉛直荷重に強い断面構造となっている。
また、補強部材15は、あり溝状凹部11b,12bに台形状の係合部15b,15bが係合するようになっているので、引っ張り力が作用したとしても、あり溝状凹部11b,12bから外れることがない。したがって、引っ張り力にも強い柱固定部材10が得られる。
本実施形態では、図1に示すように、柱固定部材10の上板12の上面に柱材30がすっぽり載置されるように柱固定部材10の各部の寸法が調整されている。したがって、柱固定部材10の側部に土台20が配置される構造であるにもかかわらず、納まりのよい建物の土台部構造が得られる。
(土台)
土台20は、図1,図3に示すように、基礎Kの上面に沿って柱固定部材10間(図1,図3では一つのみ図示)に配置されるようになっており、本実施形態では、基礎Kの上面に所定の間隔をあけて配設された複数のスペーサS1,S1…の上面に配置されている。
土台20は、図1に示すように、アルミニウム合金製の中空押出形材からなり、下板部21と、上板部22と、これらを鉛直方向に連結する左右の側板部23,23とを備え、略矩形断面に形成されている。また、下板部21と上板部22とは、中間部分において隔壁24,24で連結されており、下板部21、上板部22、左右の側板部23,23で囲まれた断面領域に左右対称に中空部が形成されている。したがって、この土台は、軽量でありながら鉛直荷重に強い断面構造となっている。
下板部21と上板部22には、その幅方向の中央部分に挿通孔21a,22aがそれぞれ穿設され、これらの挿通孔21a,22aには、基礎Kに植設されたアンカーボルトBが挿通可能となっている。これにより、隔壁24,24は、下板部21と上板部22との挿通孔21a,22aを挟んで対向する状態に設けられている。本実施形態ではアンカーボルトBが植設される位置にスペーサS1が配置されており、スペーサS1の略中央部をアンカーボルトBが貫通するようにしている。
(柱材)
柱材30は、図1,図3に示すように、その下端部にスリット31が形成されている。このスリット31は、鉛直面に沿って形成されており、かつ、柱固定部材10の取付板14を挿入可能な寸法形状に形成されている。本実施形態では、柱固定部材10と柱材30との固定は、前記のように、4本のドリフトピン32を柱材30の孔30aから取付板14の貫通孔14aを突き抜けるようにそれぞれ挿入することで行われるが、図示しない複数本のドリリングタッピングねじを螺入することにより行うように構成してもよい。なお、孔30aは、実際はスリット31で分断されるが、図ではそれぞれ一本の孔30aとして表した。
続いて、前記した各図を適宜参照して施工手順を説明する。
はじめに、図3に示すように、基礎Kの上面に柱固定部材10を固定し、次いで、基礎Kの上面に土台20を固定する。ここで、図3においては、土台の設置位置を表すために、基礎Kの上面にスペーサS1を介して土台20が予め載置されている状態が示されているが、施工の手順としては、前記のように土台20の固定に先だって柱固定部材10を基礎Kに固定する。
まず、柱材30を固定する位置に植設されたアンカーボルトBに、柱固定部材10の挿通孔11cを合わせ、アンカーボルトBを挿通孔11cに挿通する(挿通工程)。これにより、柱固定部材10は、内側の中空部にアンカーボルトBの先端部が露出した状態で、基礎Kの上面に載置される。つまり、柱固定部材10は、基礎Kの上面に直接載置されることとなる。
次に、柱固定部材10の正面側あるいは背面側の開口を通じ、柱固定部材10内に突出したアンカーボルトBにワッシャ16を挿入する。そして、その上からナットNを螺着し、柱固定部材10を基礎Kに締結する(締結工程)。ここで、挿通孔11cの径寸法がアンカーボルトBの軸径よりも大きいので、アンカーボルトBの挿入時に、アンカーボルトBの植設位置が所定の位置からずれている場合でも、アンカーボルトBを挿通孔11cに挿通することができ、位置ずれの調整を行いつつナットNを螺着することができる。図2(e)(f),図4に示したアンカーボルトBとナットNとの螺着状態は、いずれも、アンカーボルトBの植設位置が各図中左側に偏っているときのものであり、その偏りを補正して柱固定部材10を固定すべく、柱固定部材10をアンカーボルトBの中心から右寄りにずらした状態にして固定を行う。このような偏りを調整した固定を行う場合であっても、ワッシャ16は、その外径が挿通孔11cの径寸法よりも大きく形成されているので、外れることがない。
この段階では、柱固定部材10に補強部材15,15が固定されていないので、以上のようなナットNの螺着は、柱固定部材10の正面側あるいは背面側から開口を通じて容易に行うことができる。
その後、図3に示すように、柱固定部材10の正面側および背面側の開口部から、あり溝状凹部11b,12bに補強部材15,15を嵌め込んで取り付ける(取付工程)。
これにより、補強部材15,15で補強された柱固定部材10が基礎Kの上面に対して直接に柱固定部材10が固定される。
その後、土台20を柱固定部材10間(図3では一つのみ図示)に配置して固定する。土台20の固定にあたっては、まず、基礎Kの所定の位置から突出するアンカーボルトBにスペーサS1を挿入し、さらに土台20の挿通孔21a,22aにアンカーボルトBを挿通して、土台20の上板部21の上面でナットNを螺着して締結する。
なお、土台20の下板部21と基礎Kの上面とスペーサS1で囲まれた比較的長い隙間は床下通気孔として機能させることができる。したがって、基礎Kに床下通気孔を別途設ける必要がない。
次に、柱固定部材10の取付板14に、柱材30のスリット31を嵌入し、柱材30の側方からドリフトピン32を挿入するか図示しないドリリングタッピングねじ等を螺入する。これにより、柱固定部材10に柱材30が固定される。また、図1,図3に示すように、土台20の上面に、L形の連結部材33,33で挟み込むようにして間柱30’を立設する。連結部材33,33は、アルミニウム合金製の押出形材からなり、土台20に対する固定は、ドリリングタッピングねじ等34,34により行われる。また、間柱30’に対しては釘35を打ち付けることにより固定することができる。なお、図4に示すように、構造用合板Wを取り付ける建物の場合は、柱固定部材10と柱材30に沿わせて構造用合板Wを固定することができる。
以上のようにして、基礎Kの上面に固定される複数の柱固定部材10と、この柱固定部材10間に配置された土台20とを具備した建物の土台部構造を構築することができる。
図5は基礎Kの隅部における建物の土台部構造を示した斜視図、図6は同じく建物の土台部構造を示した分解斜視図である。図5,図6に示すように、基礎Kの隅部においては、柱固定部材10が角部に配置され、この柱固定部材10の側方に、土台20が配置される構造となっている。この場合の施工手順も前記した施工手順と同様に、アンカーボルトBを利用して基礎Kの隅部に柱固定部材10を先に締結し、その後、柱固定部材10間(図では一つのみ図示)に土台20を配置して、これを固定する。さらに、柱固定部材10の取付板14に柱材30を固定するとともに、土台20の上面に間柱30’を固定する。これにより、基礎Kの隅部における建物の土台部構造を構築することができる。
なお、図7に示すように、柱固定部材10は、スペーサS1を介して基礎Kの上面に固定するように構成してもよい。柱固定部材10を、スペーサS1を用いて固定することにより、柱固定部材10の取り付け高さを調整することができる。したがって、土台20の高さに併せた柱固定部材10の設置を行うことができる。
以上のような建物の土台部構造は、柱固定部材10を中心として側方に土台20が配置される構造であるので、次に説明するように、柱材30(柱固定部材10)の芯寸法をモジュール寸法とする土台20を構築することができる。図8はモジュールの例を示した概略平面図である。
図8に示したモジュールは、図示しない柱材の芯間の寸法を1mとするメーターモジュール(L)を採用したものであり、柱固定部材10A,10B間は1モジュール((L/2)+(L/2)=1L)すなわち、1mで構築され、
柱固定部材10A,10C間は1.5モジュール((L/2)+(L/2)+(L/2)=1.5L)すなわち、1.5mで構築され、
柱固定部材10B,10D間は2.0モジュール((L/2)+(L/2)+(L/2)+(L/2)=2.0L)すなわち、2mで構築される。
また、柱固定部材10の幅・奥行き寸法Eを例えば105mmとすると、
柱材30の間隔(柱固定部材10の間隔、以下同様)が1モジュールの場合、柱材30間に配設される土台20の長さは、常に、
1L−Eとなり、1000−105=895mmとなる。
さらに、柱材30の間隔が1.5モジュールの場合、柱材30間に配設される土台20の長さは、常に、
1.5L−Eとなり、1500−105=1395mmとなる。
また、柱材30の間隔が2.0モジュールの場合、柱材30間に配設される土台20の長さは、常に、
2.0L−Eとなり、2000−105=1895mmとなる。
ここで、柱固定部材10を固定するアンカーボルトBは、柱材30の芯の位置に設ければよく、また、土台20を固定するアンカーボルトBのうち、土台20の両端に配設するアンカーボルトB1は、土台20の端部から一定の距離、例えば端部からの距離が100mmとなるように設ければよい。さらに、土台20の両端以外に配設するアンカーボルトBは、柱材30間の芯の位置や前記両端のアンカーボルトB1間を等分に分割した位置、例えば、1モジュールの場合は2分割、1.5モジュールの場合は3分割、2モジュールの場合は4分割となるように定めて配設すればよい(図8では図示しない柱材30間を等分に分割)。
これにより、土台20の長さ、アンカーボルトBの設置位置およびアンカーボルトBの為の土台20の加工位置は、モジュール毎に、常に一定となる。
すなわち、柱材30の芯の位置(柱固定部材10A,10B,10C…の中心位置)を中心としたモジュールで、各土台20を固定するアンカーボルトBを基礎Kに対して位置を特定して植設することができ、また、土台20の長さも隣合う柱材30の位置によりモジュールごとにばらつきのない一種類の寸法で設定すればよいので、土台20の加工を定型化することができ、構築する際の施工性が大幅に向上するようになる。なお、柱固定部材10A,10B,10C…に近接するアンカーボルトB1は、前記のように、土台20の端部から一定の距離となるように、柱固定部材10A,10B,10C…の芯寸法を中心とした所定の距離に設ければよい。
以上説明した本実施形態の建物の土台部構造によれば、基礎Kの上面に固定された複数の柱固定部材10間に、土台20が配置されることとなるので、従来のように、基礎Kの隅部や基礎K同士が交差する部分等において、土台20同士に「勝ち」「負け」の生じることがなくなる。
これにより、柱間の寸法が同じであれば常に一種類の土台20を用意することで土台構造の構築が可能となる。
したがって、施工性が向上するとともに経済性に優れた建物の土台部構造が得られる。
また、土台20は、所定の寸法を備えたものとなるので、土台20の寸法をモジュールで決めることが容易となり、これにより施工性の向上された建物の土台部構造が得られる。
また、柱固定部材10がアルミニウム合金製の押出形材からなるので、柱固定部材10の生産性が向上する。
さらに、柱固定部材10は、基礎Kに植設されたアンカーボルトBを利用して基礎Kの上面に直接固定されるので、取り付けが簡単であるとともに確実で剛性の高い固定を実現することができる。また、柱固定部材10がアンカーボルトBを利用して固定されるので、柱固定部材10に作用する引抜力が確実に基礎Kに伝達されることとなる。さらに、補強部材15の存在によって、この引抜力は、確実に基礎Kに伝達される。また、柱材30の固定には、柱固定部材10の他に金物を利用する必要がない。
また、土台20は、アルミニウム合金製の中空押出形材からなるので、土台20の生産性が向上する。また、アルミニウム合金のメリットを活かす土台20が得られ、「白蟻の食害を受けない」、「湿気による腐食や寸法の変化がない」、といった利点が得られる。また、土台20が軽量になるので、施工時の取り扱いが容易で、また、従前の木質系建物にも容易に適用できる。さらに、廃棄の際の取扱も容易になる。
(土台の変形例)
前記土台20に代えて、図9,図10に示す土台40により建物の土台部構造を構築してもよい。
土台40は、基礎Kの上面に沿って設置される土台下層部40Aと、この土台下層部40Aの上面に固着された土台上層部40Bとを備えている。この例においても、基礎Kの上面に所定の間隔をあけて配設された複数のスペーサS1,S1,…の上面に土台40が設置されている。
土台下層部40Aは、図10に示すように、アルミニウム合金製の中空押出形材からなり、その上部の幅方向の中央には、その長手方向に沿って凹部47が形成されている。土台下層部40Aの構成をより詳細に説明すると、この土台下層部40Aは、下板部41と、この下板部41に立設された左右の側板部42,42と、この側板部42,42間において下板部41に立設された左右の隔壁43,43と、この隔壁43,43の上端同士を連結する底板部44と、この底板部44の端部に立設された左右の内板部45,45と、各内板部45,45と各側板部42,42とを連結する左右の上板部46,46とを備えており、底板部44と左右の内板部45,45とにより前記凹部47が形成されている。
下板部41および底板部44には、その幅方向の中央に図示しない挿通孔が穿設されており、これらの挿通孔に、基礎Kに植設されたアンカーボルトBが挿通される。
土台上層部40Bは、土台下層部40Aの上面の幅寸法と同じ幅寸法に設定された木材からなり、その上面側から螺入される複数のドリリングタッピングねじ49,49,…によって土台下層部40Aの上面(左右の上板部46,46)に固着される。なお、土台上層部40Bの厚さは、構造用合板W(図4参照)を固定するための釘や間柱30’を固定するための釘を打ち付けるのに最小限必要な厚さであればよい。また、土台下層部40Aと土台上層部40Bとは、これらを基礎Kの上面に設置する前に、予め工場等で一体にしておく。
土台上層部40Bには、土台下層部40Aの図示しない挿通孔の上方に位置する部分に開口部48が形成されている。開口部48は、アンカーボルトBに螺合されるナットNを少なくとも挿通可能な形状であればよいが、この例では、矩形形状を呈している。
なお、凹部47を形成することにより、凹部47の深さ分だけ土台上層部40Bの厚さを小さくすることが可能となる。つまり、土台下層部40Aに凹部47を設けると、土台上層部40Bの厚さが小さくなる分だけ土台40に占める木材の割合が小さくなり、土台40全体の重量が軽量になる。
このような土台40を用いた建物の土台部構造によれば、土台上層部40Bに対してはその上面もしくは側面に釘を打ち付けることが可能となる。つまり、従前の木質系建物と同じ要領で構造用合板W(図4参照)や間柱30’等を土台40に固定することが可能となる。
また、土台40は、その土台下層部40Aがアルミニウム合金製の押出形材で構成されていることから、「白蟻の食害を受けない」、「湿気による腐食や寸法の変化がない」、といったアルミニウム合金製の土台40の利点をも兼ね備えており、さらに、土台40全体の重量も従前の木材製土台に比べれば依然として軽量であることから、その運搬や施工現場での取り回しも良好である。
(柱固定部材の取付板の変形例)
柱固定部材10の取付板14は、前記したものに限られることはなく、例えば、図11に示す取付板14’のような構成のものでも差し支えない。
図11に示す取付板14’は、略上半部分が土台20の長手方向に向けて側方に張り出した形状となっている。このような取付板14’には、張り出した部分に、筋交35を接合することができ、簡単かつ確実に土台20と柱材30との交差部に筋交35を接合することが可能となる。
なお、図示は省略するが筋交35の下部にスリットを形成してもよく、この場合には、スリットに取付板14’の張り出した部分を挿入した上で、筋交35の側面側から複数のドリリングタッピングねじを螺入する等にて筋交35を取付板14’に接合することができる。
本発明の一実施形態
図12は本発明の実施形態に係る建物の土台部構造を示した斜視図である。本実施形態が前記参考実施形態と異なるところは、柱固定部材50の構成にあり、上部と下部との間に後付けで螺合された補強部材としてのボルト55を備えて構成されている。柱固定部材50は基礎Kの上面に直接載置されて固定されており、その上部には柱材30が固定されている。
(柱固定部材)
図13(a)〜(e)は柱固定部材50を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)はアンカーボルトを利用して固定した状態を示す縦断面図、(d)は同じくアンカーボルトを利用して固定した状態を示す水平断面図、(e)は補強部材としてのボルトの螺合状態を示す縦断面図である。また、図14は本発明の実施形態に係る建物の土台部構造を示した分解斜視図、図15は柱固定部材の固定状態を示した拡大断面図である。
柱固定部材50は、アルミニウム合金製の押出形材からなり、図13(a)に示すように、下板51と、上板52と、これらを鉛直方向に連結する左右の側板53,53と、上板52の上面に鉛直に立設された取付板54とを備えて構成されている。下板51および上板52の対向部には、後記する補強部材としての4本のボルト55が螺合されるボルト孔51a,52aが形成されている。
なお、柱固定部材50は、押出形材により一体に形成されるものに限らず、例えば、側板53,53を別体で形成し、溶接等により下板51および上板52に接合してなる構成としてもよい。また、側板53は、片側のみ設けるようにしてもよい。
下板51の中央部分には、図13(a)(b)(c)(d)にそれぞれ示すように、挿通孔51cが形成されており、この挿通孔51cに、基礎K(図12参照)に植設されたアンカーボルトB(図13(c)(e)参照)が挿通されるようになっている。挿通孔51cは、アンカーボルトBの径寸法より大きな径寸法を備えて形成されており、これにより、アンカーボルトBの植設位置に若干の位置ずれが生じている場合でも、これを吸収したかたちで柱固定部材50を正確な位置に取り付けることができる。したがって、施工性がよい。挿通孔51cに挿通されたアンカーボルトBには、図12,図13(c)(d)(e),図14に示すように、前記と同様に分厚く形成されたワッシャ56が挿通され、その上からナットNが螺着される。
取付板54は、柱材30のスリット31に挿入可能な平板状に形成されており、図13(a)(b)に示すように、上板52の上面中央部の前後方向に沿って形成されている。また、取付板54は、図12に示すように、複数本のドリフトピン32を挿入することができるように上方へ長く延設された縦長四角形状に形成されている
ボルト55は、図13(b)(e)に示すように、上板52のボルト孔52aから下板51のボルト孔51aにわたる状態に螺合するようになっており、ねじ部分に通されたナットN1が上板52の底面側から上板52に向けて締め付けられるようになっている。上板52には、ボルト55の頭部が入り込む長溝が形成されている。
このようなボルト55は、図14に示すように、柱固定部材50の上下方向に螺合されて配設されるので、柱固定部材50は、鉛直荷重および引っ張り荷重に強い断面構造となる。また、ボルト55の数は、必要な強度に応じて増加減少させることもできる。
このような柱固定部材50によれば、補強部材としてのボルト55の取り付けを、螺合により簡単に行うことができ、しかも確実に補強することができるという利点が得られる。しかも螺合作業は、上板52の上面から行うことができ、作業性に優れているという利点が得られる。また、ボルト55は、後付けで柱固定部材50に取り付けられる構成となっているので、アンカーボルトBの固定作業を、ボルト55の無い状態で行うことができ、施工性に優れている。また、ボルト55の螺着により剛性の向上された建物の土台部構造が得られる。
このような柱固定部材50は、図16,図17に示すように、土台下層部40Aの上面に土台上層部40Bが固着された土台40においても採用することができる。この場合、柱固定部材50の下方にスペーサS1(図7参照)を配置することにより、柱固定部材50の高さを調整することができ、柱固定部材50の上板52と高さのある土台40の上面とが面一となるように構成することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
例えば、補強部材15の形状は、例えば、鈎形形状、フック形状等種々のものを採用し
得る。
参考実施形態に係る建物の土台部構造を示した斜視図である。 (a)〜(f)は柱固定部材を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は補強部材の正面図、(d)は補強部材の側面図、(e)はアンカーボルトを利用して固定した状態を示す縦断面図、(f)は同じくアンカーボルトを利用して固定した状態を示す水平断面図である。 参考実施形態に係る建物の土台部構造を示した分解斜視図である。 柱固定部材の固定状態を示した拡大断面図である。 基礎の隅部における建物の土台部構造示した斜視図である。 同じく建物の土台部構造を示した分解斜視図である。 柱固定部材の固定状態を示した拡大断面図である。 モジュールの例を示した概略平面図である。 建物の土台部構造を示した斜視図である。 建物の土台部構造を示した分解斜視図である。 柱固定部材の取付板の変形例を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る建物の土台部構造を示した斜視図である。 (a)〜(e)は柱固定部材50を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)はアンカーボルトを利用して固定した状態を示す縦断面図、(d)は同じくアンカーボルトを利用して固定した状態を示す水平断面図、(e)は補強部材としてのボルトの螺合状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る建物の土台部構造を示した分解斜視図である。 柱固定部材の固定状態を示した拡大断面図である。 建物の土台部構造を示した斜視図である。 建物の土台部構造を示した分解斜視図である。
符号の説明
10 柱固定部材
11b,12b あり溝状凹部
11c 挿通孔
14 取付板
15 補強部材
15b 係合部
16 ワッシャ
20 土台
30 柱材
31 スリット
40 土台
40A 土台下層部
40B 土台上層部
50 柱固定部材
B アンカーボルト
K 基礎
N ナット
N1 ナット
S1 スペーサ

Claims (2)

  1. 基礎に植設されたアンカーボルトを利用して前記基礎の上面に固定される柱固定部材であって、
    前記アンカーボルトが挿通される挿通孔を有する下部と、
    柱取付用の取付部を有する上部と、
    前記下部と前記上部とを連結する一体または別体で形成される側部と、を備え、
    前記上部と前記下部とに係合して、前記上部と前記下部との間に後付けで螺合された補強部材を具備したことを特徴とする柱固定部材。
  2. 前記上部と前記下部との対向部には、ボルト孔がそれぞれ形成されており、
    前記補強部材は、前記上部の前記ボルト孔から前記下部の前記ボルト孔にわたる状態に螺合するボルトであり、
    前記ボルトのねじ部に通されたナットが前記上部の前記下部側から前記上部に向けて締め付けられることを特徴とする請求項に記載の柱固定部材。
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